JP4553096B2

JP4553096B2 - 酸素検知インキ組成物

Info

Publication number: JP4553096B2
Application number: JP2003122138A
Authority: JP
Inventors: 眞住谷; 香織清水
Original assignee: Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Current assignee: Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date: 2003-04-25
Filing date: 2003-04-25
Publication date: 2010-09-29
Anticipated expiration: 2023-04-25
Also published as: JP2004323740A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素検知インキ組成物に関する。より詳しくは、酸素の有無を色の変化により識別でき、しかも光および熱に対して安定な酸素検知インキ組成物に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、酸化還元により可逆的に色が変わる可変性有機色素を利用した酸素検知剤が提案されている。例えば、チアジン染料あるいはアジン染料、オキサジン染料などの有機色素と還元剤とからなる固形状の酸素検知剤が開示されている（特許文献１および特許文献２）。また、チアジン染料等と還元性糖類とアルカリ性物質とを樹脂溶液中に溶解もしくは分散させた酸素インジケーターインキ組成物が知られている（特許文献３）。市販の錠剤型酸素検知剤（例えば、商品名：エージレスアイ、三菱瓦斯化学（株）製）および酸素検知機能を有するインキ組成物を塗布した酸素検知体（商品名：ペーパーアイ、三菱瓦斯化学（株）製）は、透明な包装容器内の酸素濃度が０．１容量％未満の脱酸素状態であることを簡便に色変化で示す機能製品であり、脱酸素剤（例えば、商品名：エージレス、三菱瓦斯化学（株）製）と共に食品の鮮度保持および医療医薬品の品質保持等に使用されている
【特許文献１】
特開昭５３−１１７４９５号公報
【特許文献２】
特開昭５３−１２０４９３号公報
【特許文献３】
特開昭５６−８４７７２号公報
【０００３】
しかしながら、従来の酸素検知剤は、耐光性および耐熱性が不十分で、光照射下では退色したり変色機能が低下することがあり、また、高温下では褐色化したり変色機能が低下することがあるため、鮮明な色彩を長期間維持するためには遮光下かつ低温下で保存しなければならない欠点を有していた。特にこの傾向は酸素検知インキを塗布した酸素検知体の場合に顕著であった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐光性および耐熱性を有する酸素検知インキ組成物を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決する方法を検討した結果、層状ケイ酸塩、カチオン界面活性剤、可変性有機色素および還元剤を樹脂溶液中に溶解もしくは分散させた酸素検知インキ組成物が耐光性と耐熱性に優れることを見出した。さらに、層状ケイ酸塩、カチオン界面活性剤、可変性有機色素および還元糖を樹脂溶液中に溶解もしくは分散させた液と、塩基性物質を溶解もしくは分散させた液との混合物からなる酸素検知インキ組成物が、耐光性と耐熱性に優れるばかりでなく長期保存性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
【０００６】
【発明の実施の形態】
本発明の酸素検知インキ組成物は、層状ケイ酸塩、カチオン界面活性剤、可変性有機色素、還元剤を含む樹脂溶液からなる。または、本発明の酸素検知インキ組成物は、層状ケイ酸塩、カチオン界面活性剤、可変性有機色素、還元性糖および塩基性物質を含む樹脂溶液からなる。
【０００７】
本発明で用いられる層状ケイ酸塩は、原子（イオンを含む。以下同じ）団が平面上に配列してシート構造をつくり、この平面に垂直な方向にシート構造の繰り返しが見られる層状構造を有するケイ酸塩である。そして、ケイ素原子、アルミニウム原子および酸素原子からなる四面体シートとアルミニウム原子、マグネシウム原子、酸素原子、および水素原子からなる八面体シートとが、１対１あるいは２対１に組み合った層からなる無機層状化合物である。
【０００８】
更に、四面体シートには、上記原子以外に鉄原子を含む場合があり、八面体シートには、鉄原子、又は、クロム原子、マンガン原子、ニッケル原子、リチウム原子を含む場合がある。上記層状化合物の層間には、水分子の他、カリウムイオン、又はナトリウムイオン、カルシウムイオンなどの陽イオンが交換性陽イオンとして存在し得る。
【０００９】
本発明で用いられる層状ケイ酸塩の種類としては、スメクタイト族であることが好ましく、例えば、モンモリロナイトおよびバイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト等の天然のスメクタイト族に族する層状ケイ酸塩（天然スメクタイト）が挙げられる。この他、無機化合物を出発原料として水熱合成された、スメクタイト族に属する層状ケイ酸塩（合成スメクタイト）を使用することもできる。中でも好ましい層状ケイ酸塩は、合成スメクタイトである。
【００１０】
本発明で用いられるカチオン界面活性剤とは、その分子が適当な親水基と親油基とで構成されおり、水中で電離して有機陽イオンとなる界面活性剤のことである。代表例として、四級アンモニウム塩が挙げられるが、この中でも４個の親油基が窒素に結合した状態の四級アンモニウム塩が好ましい。ここで親水基とは、水と強く相互作用することのできる有極性の原子団であって、一般に酸素、窒素、硫黄などの原子を含む。
【００１１】
この親油基は、油との親和性が強く、水との間の相互作用が非常に小さな無極性の原子団であって、例えば、鎖状および環状炭化水素基、芳香族炭化水素基、ハロゲン化アルキル基、オルガノシリコーン基、フッ化炭素基などが挙げられる。
【００１２】
本発明で用いられるカチオン界面活性剤としては、例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリドなどが好ましいものとして挙げられる。
【００１３】
本発明で用いられる可変性有機色素は、分子内に動きやすいπ電子を有する長い共役二重結合系を含んでいる芳香族化合物であって、酸化還元により可逆的に色彩が変わる化合物である。本発明の可変性有機色素として、酸化還元指示薬、あるいはチアジン染料、アジン染料、オキサジン染料、インジゴイド染料、チオインジゴイド染料などが好適に用いられる。例えば、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、メチレングリーン、バリアミンブルーＢ、ジフェニルアミン、フェロイン、カプリブルー、サフラニンＴ、インジゴ、インジゴカルミン、インジゴ白、インジルビンなどが挙げられる。好ましくは、メチレンブルーに代表されるチアジン染料である。
【００１４】
本発明で用いられる還元剤は、酸素濃度が大気中より低い条件下で上記の可変性有機色素を還元する化合物であって、例えば、還元性単糖類及び還元性二糖類などの還元糖、アスコルビン酸およびその塩、亜ジチオン酸およびその塩、システインおよびその塩などが挙げられる。還元性単糖類としては、グルコース、フルクトース、キシロース、還元性二糖類としては、マルトースが例示される。好ましい還元剤は、還元糖であり、より好ましい還元剤は、還元性単糖類である。
【００１５】
還元剤はその還元活性を高めるために、更に塩基性物質を加えることが望ましい場合がある。塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの水酸化塩や炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩などが選択できる。
【００１６】
本発明の酸素検知インキ組成物において、カチオン界面活性剤、可変性有機色素および還元剤の仕込み量的条件は、層状ケイ酸塩１重量部に対して、カチオン界面活性剤は、０．１重量部〜１００重量部、好ましくは、０．５〜５０重量部、より好ましくは、１重量部〜１０重量部である。同様に、可変性有機色素は、層状ケイ酸塩１重量部に対して、０．００１重量部〜１０重量部、好ましくは、０．０１重量部〜１重量部である。同様に、還元剤は、層状ケイ酸塩１重量部に対して、０．０１重量部〜２００重量部、好ましくは、０．１重量部〜１００重量部である。
本発明の酸素検知インキ組成物は、さらに、少量の溶媒を混合して、粘性のある顔料として用いることができる。
【００１７】
本発明の酸素検知剤インキ組成物の構成成分であるカチオン界面活性剤、可変性有機色素及び還元剤は、層状ケイ酸塩と共存することを必須とし、好ましくは、層状ケイ酸塩の層間に挿入される。前記構成成分が層状ケイ酸塩の層間に挿入されていることはＸ線回折分析、または層状ケイ酸塩の層間に挿入可能なカチオン界面活性剤による色素と還元剤の近接化に基づく変色速度の加速効果により確認できる。
【００１８】
本発明の酸素検知インキ組成物は、結合剤と混合して、インキとしての使用性能を賦与される。インキ化する好適な結合剤として、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセチルプロピオネート等のセルロース誘導体、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、石油系樹脂等の１種以上が挙げられる。好ましい結合剤はセルロースアセチルプロピオネートである。
【００１９】
結合剤は、通常、有機溶剤または水等の溶剤に溶解又は分散して使用する。好ましい有機溶剤は、トルエン、キシレン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、更にはエチレングリコールモノエーテル類或いはエチレングリコール等のグリコール類等であり、より好ましい有機溶剤は、酢酸エチルおよびイソプロピルアルコールである。結合剤と溶剤との配合比は、溶剤１００重量部に対して結合剤５〜１００重量部である。
【００２０】
本発明の酸素検知インキ組成物は、グリセリンやエチレングリコール等の多価アルコールを、組成物全体に対して１〜１５重量％、好ましくは２〜１０重量％の量で含有させることが好ましい。これにより、酸素検知インキが酸素と接触した時の色素の変色性及び消色応答性を早めるという効果を奏する。
【００２１】
本発明の酸素検知インキ組成物の層状ケイ酸塩とカチオン界面活性剤、可変性有機色素、還元剤からなる酸素検知成分と結合剤とを混合する方法としては、顔料を結合剤と混合する公知のインキ製造方法が使用される。例えば、酸素検知成分と結合剤、またはそれぞれの溶液もしくは分散液を、サンドミル、ボールミル、ロールミル、アトライター等の混捏機械により混合（練肉）すればよい。特に、無酸素状態に密閉して混合することが、酸素検知インキとしての性能の劣化を防止できるので、好ましい。
【００２２】
本発明の酸素検知インキ組成物は２液型に調製することが好ましい。即ち、本発明の一つの好ましい態様は、層状ケイ酸塩、カチオン界面活性剤、可変性有機色素および還元糖を樹脂溶液中に溶解もしくは分散させた液（Ａ液）と、塩基性物質を溶解もしくは分散させた液（Ｂ液）との混合物からなる酸素検知インキ組成物との組み合わせである。Ｂ液は、樹脂を含まない溶剤中に塩基性物質を溶解もしくは分散させて調製しても良いが、樹脂溶液中に塩基性物質を溶解もしくは分散させて調製した液が好ましい。Ａ液とＢ液は、印刷直前に混合して使用する。
【００２３】
前記２液型に調製することにより、酸素検知インキ組成物の印刷前の安定性のみならず、印刷後の酸素検知インキの保存安定性を向上させることが出来る。
Ａ液の各成分の好ましい配合比は、酸素検知成分１重量部に対して、結合剤０．０１〜１０重量部である。B液の各成分の好ましい配合比は、塩基性物質１重量部に対して、結合剤０〜５重量部である。Ａ液とＢ液の好ましい混合比は、Ａ液１重量部に対して、Ｂ液０．０５〜５０重量部である。
【００２４】
さらに、酸素検知インキ組成物とは別の無変色性の着色剤を上記インキ組成物に別個に添加しておくことにより、色彩の変化を明瞭にすることが出来る。この様な色素としては、酸化還元反応を受けにくく、かつ可変性有機色素の有酸素状態を表示する色及び無酸素状態を表示する色とは対照的な色を有する顔料や染料が使用出来る。可変性有機色素に青色のメチレンブルーを用いた場合には、好適な無変色性の着色剤として、赤色の食品添加物であるアシッドレッドやフロキシンＢがあげられる。
【００２５】
本発明の酸素検知インキ組成物をグラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷等の印刷方法あるいは塗布方法等により、紙またはプラスチック等の上に、文字、図形または絵柄等として塗布または印刷すること等により、酸素の有無の表示を行なう酸素検知体とすることができる。また、ガスバリア性容器の内側面上、または、ガスバリア性容器内の物体、例えば脱酸素剤の表面上に、文字、図形または絵柄等として印刷することにより、容器内の酸素の有無を表示することができる。
【００２６】
印刷にあたっては、本発明の酸素検知インキ組成物を、紙またはプラスチック等の被印刷物の面上に直接塗布または印刷することができるが、好ましくは、被印刷物の面上に目止め剤を塗布または印刷し、その上に本発明の酸素検知インキ組成物を塗布または印刷し、さらにその上にオーバープリント剤を塗布または印刷する。
【００２７】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
実施例１
層状ケイ酸塩である合成スメクタイト（商品名：スメクトンＳＡ、クニミネ工業（株）製、以下「スメクタイト」と称す）１０．０ｇ、メチレンブルー０.３２ｇ、セチルトリメチルアンモニウムクロリド６．４ｇおよびメタノール１５ｍＬをハイブリッドミキサー（（株）キーエンス製、ＨＭ−５００）で混合し、酸素検知インキ用顔料を得た。この酸素検知インキ用顔料を用いて下記組成（重量比）の酸素検知インキ組成物用Ａ液を調製した。さらに、下記組成（重量比）の酸素検知インキ組成物用Ｂ液を調製した。また、下記組成（重量比）の目止剤及びオーバープリント剤を準備した。
【００２８】
Ａ液
酸素検知インキ用顔料１０．００部
フロキシンＢ０．０５部
セルロースアセチルプロピオネート６．２４部
フラクトース１５．１５部
エチレングリコール２２．３０部
酢酸エチル２３．１８部
イソプロピルアルコール２３．０８部
Ｂ液
水酸化マグネシウム５０部
セルロースアセチルプロピオネート６部
酢酸エチル３０部
イソプロピルアルコール３０部
【００２９】
目止剤
環化ゴム系樹脂２０部
水酸化マグネシウム６０部
トルエン６０部
シクロヘキサン６０部
オーバープリント剤
環化ゴム系樹脂２０部
炭酸ナトリウム３部
トルエン４０部
シクロヘキサン４０部
【００３０】
Ａ液とＢ液とを混合して酸素検知インキ組成物を調製した。続いて、ポリプロピレン系合成紙（王子製紙（株）製、商品名ユポ、厚み７０μm）の上に、グラビア印刷機を用いて目止剤、前記酸素検知インキ組成物（Ａ液とＢ液の混合物）及びオーバープリント剤を、この順序で、それぞれ２ｇ／ｍ^２、５ｇ／ｍ^２及び１ｇ／ｍ^２の固形分割合で塗布し、乾燥空気中で乾燥し、短冊形に切り分け、青色の酸素検知インキ塗布部を有する酸素検知テープを得た。ただし、酸素検知インキはグラビア印刷の２度刷りとした。
得られた酸素検知テープを用いて以下の変色試験を行った。すなわち、市販の脱酸素剤（商品名：エージレスＳＡ、三菱瓦斯化学（株）製）とともにガスバリア性容器内に２５℃で密封保存し、ジルコニア式酸素濃度計を用いて容器内酸素濃度を追跡した。容器内酸素濃度が０．１容量％未満の脱酸素雰囲気になるのとほぼ同時に、酸素検知インキ塗布部は脱酸素状態を示す桃色になった。容器を開封すると、空気曝露により速やかに再び有酸素状態を示す青色に戻った。繰り返しこの操作を行ったところ、この色彩変化は、酸素濃度に応答して可逆的な変化であった。
【００３１】
酸素検知インキ組成物の光照射劣化加速試験を行った。すなわち、前記酸素検知テープの酸素検知塗布部に、蛍光灯を光源とする５０００ルクスの強い可視光を２５℃、６０％ＲＨ、空気下にて照射し、可視分光光度計で可変性有機色素成分であるメチレンブルーの吸光度変化を追跡することにより耐光性を評価した。
蛍光灯照射５時間後のメチレンブルー吸光度の相対減少率は７％であった。酸素検知インキ組成物の色の変化は僅かであった。
酸素検知インキ組成物の長期保存安定性試験を行った。すなわち、前記得られた酸素検知テープを２５℃、６０％ＲＨ、空気下、暗所にて保存し、可視分光光度計で可変性有機色素成分であるメチレンブルーの吸光度変化を追跡することにより耐熱性を評価した。４週間経過してもメチレンブルー吸光度の減少は無く、酸素検知インキ組成物の色の変化は認められなかった。
【００３２】
比較例１
層状ケイ酸塩とカチオン界面活性剤を用いない以外は実施例１とほぼ同じ組成にして下記組成（重量比）の酸素検知インキ組成物を調製し、実施例１と同様にポリプロピレン系合成紙の上に塗布し乾燥し短冊形に切り分け、酸素検知テープを得た。
Ａ液
メチレンブルー０．１０部
フロキシンＢ０．０５部
セルロースアセチルプロピオネート６．２４部
フラクトース１５．１５部
エチレングリコール２２．３０部
酢酸エチル２８．０８部
イソプロピルアルコール２８．０８部
Ｂ液
水酸化マグネシウム５０部
セルロースアセチルプロピオネート６部
酢酸エチル３０部
イソプロピルアルコール３０部
【００３３】
目止剤
環化ゴム系樹脂２０部
水酸化マグネシウム６０部
トルエン６０部
シクロヘキサン６０部
オーバープリント剤
環化ゴム系樹脂２０部
炭酸ナトリウム３部
トルエン４０部
シクロヘキサン４０部
【００３４】
前記酸素検知テープを用いて実施例１と同様の変色試験を行ったところ、容器内酸素濃度が０．１容量％未満の脱酸素雰囲気になるのとほぼ同時に、酸素検知インキ塗布部は青色から脱酸素状態を示す桃色になり、容器を開封すると、空気曝露により速やかに再び有酸素状態を示す青色になった。
この酸素検知組成物の光照射劣化加速試験を実施例１と同様に行った。蛍光灯照射５時間後の酸素検知インキ塗布部のメチレンブルー吸光度の相対減少率は２８％であった。酸素検知インキ組成物の色の変化が顕著であった。
この酸素検知組成物の長期保存安定性試験を実施例１と同様に行ったところ、４週間経過後の酸素検知インキ塗布部のメチレンブルー吸光度の相対減少率は１６％であった。酸素検知インキ組成物の色の変化が顕著であった。
【００３５】
【発明の効果】
本発明によれば、光および熱に対して比較的安定な酸素検知インキ組成物が提供される。特に、劣化しやすい可変性有機色素成分の光照射安定性及び長期保存安定性が増すため、酸素検知インキ組成物としての光照射安定性及び長期保存安定性が増す。
本発明の酸素検知インキ組成物は、これを塗布または印刷した酸素検知テープ等の酸素検知体として、食品の保存または医療品医薬品の品質保持その他の脱酸素保存分野において極めて高い利用価値を有する。

Claims

層状ケイ酸塩、カチオン界面活性剤、可変性有機色素および還元剤を樹脂溶液中に溶解もしくは分散させてなり、前記層状ケイ酸塩の層間にカチオン界面活性剤、可変性有機色素および還元剤が挿入された酸素検知インキ組成物。
還元剤が還元糖であって、さらに塩基性物質を溶解もしくは分散させてなる請求項１記載の酸素検知インキ組成物。
層状ケイ酸塩、カチオン界面活性剤、可変性有機色素および還元糖を樹脂溶液中に溶解もしくは分散させてなり、前記層状ケイ酸塩の層間にカチオン界面活性剤、可変性有機色素および還元糖が挿入された液（Ａ液）と、塩基性物質を溶解もしくは分散させた液（Ｂ液）からなる２液型に調製された酸素検知インキ組成物。
さらに着色剤を添加した請求項１から３のいずれかに記載の酸素検知インキ組成物。
請求項１から４のいずれかに記載の酸素検知インキ組成物を塗布または印刷した酸素検知体。