JP4552507B2 - 積層体及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、柔らかな肌触りと吸水・速乾性を有する表面と、水分拡散・乾燥性、吸湿力に優れた面をそれぞれ有し、全体として適度な柔軟性と成形性、通気性を有する積層体に関するものであって、当該積層体は、ブラジャーカップ,肩パット,サポーター,コルセット,ガードル,レオタード用ブラジャーカップ,水着用ブラジャーカップ,サウナスーツ,サウナ用ボディースーツ等に使用に可能なものである。
近年、ポリ乳酸繊維は、生分解性以外の特性である弱酸性や抗菌性等のため、肌に直接触れるインナー・肌着用の素材として多く用いられている。その一方、耐熱性が乏しい等の理由から、アウター用途を初めとする、アイロン使用が必須の用途には制限があった。特に、ブラカップ等の、バインダー層を介して一体成形される用途への使用は、極めて困難とされていた。
この問題を解決したブラジャーカップ等に用いる繊維構造物として、従来、下記特許文献1等に記載のようなものがある。すなわち、少なくとも40重量%以上がポリ乳酸繊維で構成され、布帛を製布後に乾熱温度を150〜180℃で立体成形加工された繊維構造物等である。
しかしながらこの繊維構造物は、保形性には優れるものの成形加工温度が高いため、ポリ乳酸が融着を起こし易く、表面の柔らかさに欠けるものであった。
一方、成形加工温度が低すぎると、保形性に乏しく、一体成形が困難であるという問題があり、適度なソフト感と成形性、更には通気性等の全てを満足することは困難であった。
特開2002−339227
本発明者等は、上記の問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、ポリ乳酸繊維を構成要素として含む繊維構造物の表面と裏面における、ポリ乳酸繊維の表出率を変えることにより、一体成形が可能となることを見出し、本発明に到達したものであって、その目的とするところは、脂肪族ポリエステルの持つ弱酸性・抗菌性を発揮しつつ、柔らかな肌触りと吸水・速乾性を有する表面と、水分拡散・乾燥性、吸湿力に優れた面をそれぞれ有し、全体として適度な柔軟性と成形性、通気性を有する積層体を提供するにある。
上述の目的は、下記(1)〜(3)を構成要素として含み、かつ繊維構造物(1)を構成する繊維(A)のうち、少なくとも(1)−X面に表出した繊維(A)が、実質的に熱融着していないものである積層体によって達成され、望ましくは、(1)が、式{(1)−Xa}>{(1)−Ya}を満たす繊維構造物であることを特徴とする当該積層体,(1)が伸縮性を有する繊維構造物であることを特徴とする当該積層体,(A)がポリ乳酸系繊維であることを特徴とする当該積層体,(3)のバインダー層が、熱融着性成分を含むものである当該積層体であることが好適であり、また、下記繊維構造物(1)を、バインダー層(3)を介して繊維構造物(2)に積層し、T1よりも、T2を高温で、一体成形を行うことを特徴とする積層体の製造方法によって達成される。
(1)脂肪族ポリエステル系繊維(A)を含む二種以上の繊維からなる繊維構造物
(2)下記(3)を介して(1)と一体化されている繊維構造物
(3)バインダー層
(1)−X面:繊維構造物(1)の、バインダー層(3)と接触しない面
(1)−Y面:繊維構造物(1)の、バインダー層(3)と接触する面
(2)−X面:繊維構造物(2)の、バインダー層(3)と接触しない面
(2)−Y面:繊維構造物(2)の、バインダー層(3)と接触する面
{(1)−Xa}:繊維(A)の、(1)−X面への表出率
{(1)−Ya}:繊維(A)の、(1)−Y面への表出率
T1:(1)−X面にかける温度
T2:(2)−X面にかける温度
本発明の積層体は、(2)側からより高温をかけて成形しているため、(1)−X面の柔らかさが保たれている。従って、(1)を肌側にして用いると、繊維(A)の持つ弱酸性・抗菌性を発揮しつつ、肌触りが柔らかく、しかも吸水・速乾性に優れているため、むれにくく、ブラジャーカップ,肩パット,サポーター,コルセット,ガードル,レオタード用ブラジャーカップ,水着用ブラジャーカップ,サウナスーツ,サウナ用ボディースーツ等に好適である。
(構成材料)
本発明で用いられる(A)脂肪族ポリエステル系繊維とは、主たる構成成分が脂肪族ポリエステルである繊維であり、繊維の構成ポリマー成分が2種以上ある場合に、その質量割合が最も高く、繊維の性質が、各成分100%の繊維の中で、100%脂肪族ポリエステルの繊維の性質に最も近いものである。例えば好ましくは(A)繊維の構成成分中、40質量%以上が脂肪族ポリエステルのものが挙げられ、更に好ましくは80質量%以上,特に好ましくは90質量%以上のもの等である。また、各成分は、共重合していても良いが、ブレンド状態であることが好ましい。
脂肪族ポリエステル以外に(A)に含まれる成分としては、脂肪族ポリエステルの堅さを緩和し、柔軟性を付与するためには、脂肪族芳香族ポリエステル等が好ましく、積層体の廃棄やリサイクル上は、生分解性を有するものが好ましい。
脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸,ポリカプロラクトン,ポリブチレンサクシネート,ポリエチレンサクシネート,ポリブチレンサクシネートアジペート,ポリエチレンサクシネートアジペート,又はこれらの組み合わせ等が挙げられるが、弱酸性,抗菌性を有し、しかも結晶性が高く、繊維の強度が大きい点でポリ乳酸を含むものであることが好ましい。
ポリ乳酸としては、D−ポリ乳酸,L−ポリ乳酸,DL−ポリ乳酸が挙げられるが、L乳酸単位の比率が、80モル%以上、好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上含有するポリ乳酸を用いることが好適である。L−乳酸単位の比率が高ければ高いほど、耐熱性等の繊維物性が向上するからである。また、上記ポリ乳酸は、脂肪族多価アルコール、脂環族多価アルコール、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂環族ヒドロキシカルボン酸等の多官能基を有する化合物、あるいはラクトン、環状エーテル類等の環状化合物を好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.5〜7質量%共重合したものを用いることもできる。
本発明で用いられる(A)脂肪族ポリエステル系繊維としては、例えばポリ乳酸系繊維
,ポリカプロラクトン系繊維,ポリブチレンサクシネート系繊維,ポリエチレンサクシネート系繊維,ポリブチレンサクシネートアジペート系繊維,ポリエチレンサクシネートアジペート系繊維,及びこれらの混合物が挙げられるが、生分解性を有するものが、積層体の廃棄やリサイクル上、好ましい。
本発明の繊維構造物(1)は、二種以上の繊維からなる繊維構造物であって、繊維の一種が下記(A)繊維であるが、(A)以外の繊維としては、例えば、綿,絹,羊毛等の天然繊維,ポリエステル,ポリアミド等の合成繊維,レーヨン等の再生繊維,及びこれらの混紡糸,混繊糸等が挙げられ、特に制限は無いが、脂肪族ポリエステルの融着による積層体の硬化を防止し、適度な肌触りと風合いを保持するために、(A)よりも高い融点を有するものであることが好ましい。
本発明の繊維構造物(1)を構成する繊維としては、紡績糸であっても、フィラメントであっても良いが、軽量でハリがあり、インナーウエアとしての耐久性の点等から、フィラメントが好ましい。また、フィラメントとしては、モノフィラメントとマルチフィラメントがあり、いずれでも良いが、(1)の繊維構造物をブラジャーカップ等の肌に直接触れる面として用いる場合には、風合い(肌触り)の点や、繊維間の間隙の毛細管現象による吸湿・速乾性をより発揮しうる等の点で、マルチフィラメントであることが好ましい。
(A)繊維は、上述の(1)を構成する繊維のうち、独立した単独の繊維であっても、混繊糸や混紡糸の一部であっても良い。混繊糸や混紡糸の場合、(A)繊維の含有率は、混繊糸や混紡糸全体重量に対し、50質量%以上に設定することが好ましく、より好ましくは80質量%以上である。そして、さらに環境に特に配慮した場合には、95質量%以上に設定することが好ましい。この(A)繊維のうち、少なくとも(1)−X面に表出した部分については、実質的に熱融着していないことが必要であるが、「実質的に熱融着していない」とは、肌触り(風合い)を損なうような融着が起こっていないことを意味し、例えば(1)−X面に表出した(A)繊維のうち、60%以上が熱融着していないことが好ましく、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上、最も好ましくは90%以上である。ここで言う融着とは、(i)(A)繊維の中で、構成する単糸同士が融着する場合と、(ii)当該単糸が、隣接する(A)繊維又はその他の繊維と融着する場合を指す。上記の融着比率は、一定面積中の総単糸数において、少なくとも上記のいずれかの融着を起こしている単糸の本数の割合を計測することにより求めるものである。単糸とは、フィラメントの場合にはその構成単糸一本一本を指すが、紡績糸の場合には紡績した状態を,モノフィラメントの場合にはそれ自体を一本の単糸として計算する。
本発明で、(1)の繊維構造物とは、織編物のほか、不織布等も含まれるが、適度の伸縮性のある繊維構造物であることが好ましく、例えば、編物や、潜在巻縮性を有する繊維を用いた繊維構造物等が挙げられる。また、(A)の表面への表出率をコントロールし易く、かつ、積層体に通気性を持たせ、更には伸縮性,保形性,適度の厚み等を発揮させるためには、編物であることが好ましい。編物としては、丸編地,横編地,経編地のいずれでも良いが、適度な伸縮性等と保形性の点では、丸編地,経編地が好ましい。丸編地としては、具体的には、フライス編地,ハニカム編等の天竺編地,インターロック(メリヤス編地)が挙げられる。経編地としては、トリコット編地,ラッセル編地等が挙げられ、トリコット編地が、一般に、ファインゲージで緻密な編地となるため、肌触りが滑らかで、(1)の繊維構造物をブラジャーカップ等の肌に直接触れる面として用いる場合に、特に好適である。また、縦横の伸縮性が良く、モールド性に優れているという点では、丸編地が好適である。
この繊維構造物(1)の下記(3)と接触しない面{以下、(1)−X面と記載する。}への(A)繊維の表出率{(1)−Xa}は、(3)との接触面{以下、(1)−Y面
と記載する。}の表出率{(1)−Ya}よりも高いことが、(A)繊維である脂肪族ポリエステル系繊維の持つ、弱酸性や抗菌性等の機能を発揮し、かつさらさらとした肌触りと、柔らかな風合い,水分湿度の高いコントロール性,積層体としての一体性・保形性を両立し易いため好ましい。
ここで、「表出率」とは、繊維構造物(1)の同一表面上に現れる各繊維の面積比を言う。
例えば、(1)−Xaは、50〜95%が好ましく、更に好ましくは、55〜90%,特に好ましくは60%〜80%である。
また、(1)−Yaは、5〜50%が好ましく、更に好ましくは、10〜40%,特に好ましくは15%〜30%である。(1)−Xaを高く、(1)−Yaを低く抑えたほうが、積層体の(2)面からの加熱に対する(1)−X面の柔らかさ,及び吸湿・速乾性の保持効果が高い。
このような本発明の繊維構造物(1)は、例えば特願2003−395378に記載の方法等によっても作製することができる。
本発明の(2)の繊維構造物とは、織編物のほか、不織布等も含まれ、特に制限されるものではない。
本発明の(3)のバインダー層とは、織編物,不織布の他、ウレタンフォームに代表される発泡体等の他、接着性を有する樹脂によってドットを施したもの等も含まれる。
(3)に含まれる熱融着性成分としては、ポリウレタンアクリル系樹脂、低融点ポリアミド等が挙げられるが、積層体に適度な成形性及び柔軟性を与え、しかも(1)(2)との間の接着性に優れていることから、ポリウレタンが好ましく、中でもポリウレタン不織布フォームが好ましい。
(製造方法)
本発明の積層体は、例えば次のようにして製造することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
(1)を、(3)のバインダー層を介して(2)に積層し、加温・加圧下、一体成形を行う。この際、加熱温度は、(1)−X面にかける温度(T1)よりも、(2)−X面にかける温度(T2)を高くすることが好ましく、特に(T1)を(A)繊維の主要成分の融点以下にすることが好ましい。
(1)−X面:繊維構造物(1)の、バインダー層(3)と接触しない面
(2)−X面:繊維構造物(2)の、バインダー層(3)と接触しない面
このような温度勾配をかけることによって、〔(1)−X面〕に表出した(A)繊維同士が、実施的に熱融着することなく、ソフトな肌触りを保持しながら、(1)と(2)を強固に連結することができる。繊維構造物(1)が、〔(1)−Xa〕が〔(1)−Ya〕よりも高い繊維構造物である場合には、たとえ〔(1)−Y面〕に表出した(A)繊維同士が、熱融着を起こしたとしても、肌に直接触れる面ではなく、また〔(1)−X面〕よりも(A)の表出率が低いため、肌触りの点では、全く問題とならない。また、T2−T1≧5℃であることが好ましく、更に好ましくはまた、T2−T1≧10℃である。
具体的には、例えば(A)繊維の主たる成分がポリ乳酸であり、(1)の(A)以外の繊維及び(2)が綿である場合には、T2は、150℃以上であっても良いが、T1は、150℃未満であることが好ましく、更に好ましくは145℃以下,特に好ましくは140℃以下である。また加熱及び加圧時間は、温度や素材によって適宜選択すれば良く、一
概には規定できないが、例えば(A)主たる成分がポリ乳酸であり、(1)の(A)以外の繊維及び(2)が綿である積層体を、上記の温度で一体成形する場合には、120秒以内であることが好ましく、更に好ましくは、110秒以内、特に好ましくは100秒以内である。
(使用方法)
本発明の積層体は、ブラジャーカップ,肩パット,サポーター,コルセット,ガードル,レオタード用ブラジャーカップ,水着用ブラジャーカップ,サウナスーツ,サウナ用ボディースーツ等に好適に用いることができる。
肌触りが柔らかく、しかも吸水・速乾性に優れているためむれにくい(1)を、肌側にして用いるのが好ましいが、これに限られるものではない。
実施例に先立って、実施例で使用した試験方法を記載する。
〔吸水性〕
ガラス板上に1ミリリットルの水を垂らし、その上に、積層体の[(1)−X面]が水と接するように編地を載せ、1分後に、編地をはがし、その上にティッシュペーパーを乗せた時に、ティッシュペーパーが完全に濡れるものを×、多少湿ったものを△、全くぬれないものを○で評価した。
〔速乾性〕
積層体10gを採取し、その中央部付近に水10ccを滴下してその重量を測定した後、標準状態(20℃、65RH%)の恒温室に放置し、75分経過時点で乾燥率が90%以上のものを○、90%未満50%以上を△、50%未満のものを×とした。
〔接着性〕
積層体の(1)と(2)の端部を手で引っ張った時の剥がれ難さを、○:良好、×:不良とした。
〔肌触り(風合い)〕
積層体の(1)−X面の肌触りが、○:ソフトで柔らかいもの、△:やや硬いもの、×:単糸が融着し風合いの硬いもの、とした。
・実施例1
綿糸(30番手)を用意し、繊維(A)として、ポリ乳酸系繊維からなるマルチフィラメント糸(56dtex/48f)を用意した。そして、丸編機を用い、図2に示す組織のハニカム編地となるよう編み立て、表側[(1)−Y面]が綿糸からなる編目で形成され、裏側[(1)−X面]がポリ乳酸系繊維のマルチフィラメント糸からなる編目で形成された、2重構造の編地(1)を得た。このものは、ハニカム編地に由来する凹凸が編地全体に形成されている。(1)−Xaが65%で、(1)−Yaが35%である。
この編地に、厚さ1mmのウレタン不織布からなるバインダー層(3)を介して、綿糸(30番手)からなるメリヤス編地を重ね合わせ、(1)−X側からの温度T1=135℃,(2)−X側からの温度T2=150℃という条件下、一体成形することにより、フラットな積層体を製造した。
得られた積層体は、(1)−Y面が(3)のウレタン不織布によって、強固に(2)に一体化しており、しかも、(1)−X面に表出した繊維(A)が実質的に融着しておらず、柔らかな肌触りと、適度な吸湿・速乾性を保持していた。
・比較例1
実施例1のT1も150℃とする他は、実施例1と同様にして積層体を得た。実施例1の場合と同様、(1)−Xaは65%で、(1)−Yaは35%である。
得られた積層体は、T1が150℃と高温であるため、(1)−X面でのポリ乳酸系繊維の熱融着が激しく、堅くなって肌触りも悪かった。又、繊維同士が融着しているため、毛細管現象が起き難く、吸水性・速乾性ともに不良であった。
・比較例2
実施例1のT2を135℃とする他は、実施例1と同様にして、積層体を得た。
得られた積層体の(1)−X面は柔らかく肌触りは良好で、吸水性・速乾性ともに良好なものの、T2温度が低い為にバインダー層(3)との接着が悪く簡単に剥離してしまい、(2)は(1)と一体化されていると言えるものではなかった。
・比較例3
実施例1で用いた綿糸をポリ乳酸系繊維からなるマルチフィラメント糸(56dtex/48f)に変える他は、実施例1と同様にして、積層体を得た。
得られた積層体は、(1)−Y面でポリ乳酸系繊維の融着が起こり、硬くなったため、(1)−X面の肌触りも悪くなった。また、繊維構造物(1)が単一の繊維で構成されているため、吸水性、速乾性が若干悪い結果となった。
実施例1、比較例1〜3の吸水性、速乾性、接着性、肌触り(風合い)
の結果を表1に示す。
・実施例2,比較例4〜6
さらに、実施例1と比較例1〜3と同様の条件で、今度は積層体を、フラットではなくブラジャーカップ状の円錐形に一体成形し、各々実施例2,比較例4〜6とした。そしてこれらを、実際にモニター10名に着用させ、その接着性や着心地を評価させた。着用評
価は、下記の基準に基づいて、○、△、×、の3段階評価とした。
○:9〜10名が良好と回答。
△:6〜8名が良好と回答。
×:良好と回答したのが5名以下。
これら実施例2、比較例4〜6のブラカップの着用評価、接着性
の結果を下記の表2に示す。
本発明の積層体の断面図である。

Claims (4)

  1. 下記(1)〜(3)を構成要素として含み、下記繊維構造物(1)を、バインダー層(3)を介して繊維構造物(2)に積層し、下記T1よりもT2を高温で、一体成形を行うことにより得られ、さらに該(1)が、下記式[ア]を満たす繊維構造物である積層体(但し、(1)〜(3),(A),(1)−X面とは、それぞれ、下記を意味する。)。
    (1)脂肪族ポリエステル系繊維(A)を含む二種以上の繊維からなる繊維構造物
    (2)繊維構造物
    (3)バインダー層
    (1)−X面:繊維構造物(1)の、バインダー層(3)と接触しない面

    T1:(1)−X面にかける温度
    T2:(2)−X面にかける温度
    (1)−X面:繊維構造物(1)の、バインダー層(3)と接触しない面
    (2)−X面:繊維構造物(2)の、バインダー層(3)と接触しない面

    式[ア]
    {(1)−Xa}>{(1)−Ya}
    {(1)−Xa}:繊維(A)の、(1)−X面への表出率
    {(1)−Ya}:繊維(A)の、(1)−Y面への表出率
    (1)−Y面:繊維構造物(1)の、バインダー層(3)と接触する面
  2. (1)が伸縮性を有する繊維構造物であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. (A)がポリ乳酸系繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. (3)のバインダー層が、熱融着性成分を含むものである、請求項1乃至のいずれかに記載の積層体。
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