JP4551540B2 - エキスパンションジョイント工法及びエキスパンションジョイント構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、第一のコンクリート構造物に隣接して発泡樹脂板を配置し、第二のコンクリート構造物を構築するエキスパンションジョイント工法及びエキスパンションジョイント構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、構造物の接続法の一つとして、第一の構造物に隣接する位置にエキスパンションジョイント部(以下、EJ部と称する)を形成し、このEJ部を介して第二の構造物を施工するという方法が知られている。この施工法は、構造物が相互に力学上有害な影響を及ぼし合わないように、各構造物を物理的に分離しておくという考えに基づくものである。そして、前記EJ部は、温度変化による前記構造体の膨張、収縮などを吸収して、構造物のひび割れ等を防止したり、あるいは振動周期の異なる構造物を接続する場合に、地震等による振動を吸収して、構造物に生じる応力や変形性状を制御したりするべく作用するものである。
【0003】
特開平7―286374号公報の従来の技術に開示されているように、従来のEJ部の形成に際しては、予め打設により形成された第一のコンクリート構造物(先打ちコンクリート)の接合端面に臨む位置に、発泡スチロール等の緩衝材を介在させ、該緩衝材を挾み込むようにして、前記第一のコンクリート構造物と反対側に堰板(型枠)を配し、該堰板内に後打ちコンクリートを打設して第二のコンクリート構造物を形成するという方法が採用されている。そして、後打ちコンクリートを養生、硬化した後、前記堰板を解体し、目的のEJ部を備えた構造物を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EJ部に前記緩衝材が内在する状態においては、EJ部の温度差等に起因して、乾燥状態にある先打ちコンクリートと緩衝材との接触面で摩擦が生じ、異常騒音とも言える摩擦音が発生するという問題がある。また、コンクリートを打設する際に、例えば型枠と緩衝材との間に間隔を保持するためにセパレーターが設けられるが、このセパレーターと緩衝材との接触部分でも、EJ部での温度差等に起因して摩擦音が発生する。
【0005】
そこで本発明は、EJ部での摩擦音を低減できるエキスパンションジョイント工法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、第一のコンクリート構造物(1)を構築する先打ち工程(A)と、該先打ち工程の後に、前記第一のコンクリート構造物に隣接して発泡樹脂板(スタイロフォーム30)を配置する樹脂配置工程(B)と、該樹脂配置工程の後に、前記第一のコンクリート構造物との間に前記発泡樹脂板を挟み込むように、第二のコンクリート構造物(2)を構築する後打ち工程(C)とを備えたエキスパンションジョイント工法であって、前記発泡樹脂板の第一のコンクリート構造物に当接する側面に、複数の凸部(30a)が設けられていることを特徴とする。
このように、前記発泡樹脂板の側面には複数の凸部が設けられ、凸部を有した側面が前記第一のコンクリート構造物に当接するので、発泡樹脂板と第一のコンクリート構造物との接触面積を減らすことができる。前述したように発泡樹脂板が第一のコンクリート構造物に当接した状態においては、EJ部(3)での温度差等に起因して、これらの当接面で摩擦音が発生し異常騒音の原因となっている。従って、これら当接面の接触面積を減らすことによって、異常騒音の原因となっている摩擦音を抑制することができる。
【0007】
また、請求項1記載の発明は、前記後打ち工程において、前記発泡樹脂板とに隣接する第二のコンクリート構造物を設けるための間隔をあけて型枠(堰板22)を配置するとともに、前記間隔を保持するためにセパレーター(後打ちセパレーター21)を用い、前記発泡樹脂板と型枠との間にコンクリートを打設後、前記セパレーターを取り外すことを特徴とする。
このように、前記セパレーターは第二のコンクリート構造物を構築するためのコンクリートを打設した後、取り外されるので、前記セパレーターと前記発泡樹脂板との接触を回避できる。従って、前記セパレーターと前記発泡樹脂板との間で生じる摩擦音をなくすことができ、EJ部での温度差等に起因する異常騒音を低減できる。
【0008】
なお、前記発泡樹脂板とは発泡スチロールや発泡ポリスチレン等の物質からなり、コンクリートを打設しても型枠として充分に機能する。
【0009】
そして、請求項1記載の発明は、前記先打ち工程において、型枠の間隔を保持する先打ち用セパレーター(先打ちセパレーター11)が用いられるとともに、前記先打ち用セパレーターに、後打ち工程で後打ち用のセパレーター(後打ちセパレーター21)を接続するように、前記先打ち用セパレーターが第一のコンクリート構造物から前記発泡樹脂板側に突出した状態に配置され、前記発泡樹脂板に、前記先打ち用セパレーターの突出部分が接触しないように切欠部(30b)が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、切欠部が設けられ前記先打ちコンクリート用セパレーターが前記発泡樹脂板に接触しないようになるので、前記先打ちコンクリート用セパレーターと前記発泡樹脂板との間で摩擦音が生じない。すなわち、先打ちコンクリート(10)打設時の相対する型枠の相互間隔を保持する前記先打ちコンクリート用セパレーターは、先打ちコンクリート打設後、コンクリート中に埋設された状態であって、この先打ちコンクリート用セパレーターの先端部は先打ちコンクリート部に隣接して配置される前記発泡樹脂板に接触するように突出している。従って、発泡樹脂板を配置する際、この先端部が接触しないように発泡樹脂板に切欠部を設ければ、前記先打ちコンクリート用セパレーターと前記発泡樹脂板との間で摩擦音が発生することがない。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエキスパンションジョイント工法において、第二のコンクリート構造物を構築すべき部分に中空管(23)が配置され、前記後打ち用セパレーターが該中空管内に挿入された状態で、かつ、該中空管の前記発泡樹脂板に接触する端部が外側に押し広げられるように屈曲して、発泡樹脂板の面に沿って接触している状態で第二のコンクリート構造物を構築すべき部分にコンクリートが打設されることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、前記中空管が配置され前記セパレーターが該中空管内に挿入されるので、後打ちコンクリート(20)を打設した後に、前記セパレーターを簡単に取り外すことができる。すなわち、前記中空管内に前記セパレーターが挿入された状態で、コンクリートを打設すれば、前記セパレーターと打設したコンクリートが接触しないので、コンクリート硬化後においても容易に取り外すことができる。これに伴って、請求項1記載の発明の効果を助長することができる。
そして、中空管の発泡樹脂板に接触する端部は、発泡樹脂板の接触する面に沿って外側に押し広げられるように屈曲しているので、打設したコンクリートがこの接触部分に入り込まない。
【0013】
請求項3記載の発明は、第一のコンクリート構造物と、第一のコンクリート構造物を構築した後に、第一のコンクリート構造物に近接して構築される第二のコンクリート構造物と、これら第一のコンクリート構造物と第二のコンクリート構造物との間に挟まれた状態に配置される発泡樹脂板とを備えたエキスパンションジョイント構造であって、前記発泡樹脂板の前記第一のコンクリート構造物に当接する側面に、複数の凸部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1と同様の効果が得られる。なお、本発明のエキスパンションジョイント構造を構築する際には、第一コンクリート構造物のコンクリートを打設・硬化後、発泡樹脂板を配置し、次いで、発泡樹脂板を型枠の一部として第二コンクリート構造物となるコンクリートを打設する。この場合に、構築されたエキスパンションジョイント構造において、コンクリートが硬化する前から接触している発泡樹脂板と第二のコンクリート構造物との間より、コンクリートが硬化した後に接触する発泡樹脂板と第一のコンクリート構造物との間での方が摩擦音が生じやすいので、前記凸部により発泡樹脂板と第一のコンクリート構造物との間で接触面積を減らすことにより、摩擦音を効率的に抑制することができる。
【0015】
そして、請求項3記載の発明は、第一のコンクリート構造物を構築する際に型枠の間隔を保持する第一のセパレーター(先打ちセパレーター11)の一端部が、前記発泡樹脂板側に突出して設けられ、第二のコンクリート構造物を構築する際に型枠の間隔を保持するとともに、一端部が第一のセパレーターの一端部に接続され、かつ、前記発泡樹脂板と第二のコンクリート構造物を貫通するように配置された第二のセパレーター(後打ちセパレーター21)が撤去され、前記発泡樹脂板には、前記第一のセパレーターの一端部と前記発泡樹脂板とが接触しないように切欠部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、発泡樹脂板と第二のコンクリート構造物を貫通するように配置された第二のセパレーターが撤去されるので、この第二のセパレーターと発泡樹脂板との接触は回避され、摩擦音が生じない。また、発泡樹脂板には切欠部が設けられているので、発泡樹脂板側に突出する第一のセパレーターの一端部と発泡樹脂板とで接触しないようになり、第一のセパレーターと発泡樹脂板との摩擦音をなくすことができる。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のエキスパンションジョイント構造において、第二のコンクリート構造物を構築すべき部分に配置され、前記第二のセパレーターを挿入する中空管を備え、該中空管の前記発泡樹脂板に接触する端部は、発泡樹脂板の接触する面に沿って外側に押し広げられるように屈曲していることを特徴とする。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、請求項2と同様の効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、まず、本発明のエキスパンションジョイント工法を適用すべき部分の構成について説明する。図1に示すように、第一のコンクリート構造物(以下、第一構造物と称する)1を構築する部分に先打ちコンクリート10が、第二のコンクリート構造物(以下、第二構造物と称する)2を構築する部分に後打ちコンクリート20が、互いに平行に打設された状態となっている。そして、第一構造物1と第二構造物2との間にエキスパンションジョイント部(以下、EJ部と称する)3が形成されている。
【0020】
なお、このEJ部の幅は、第一構造物1と第二構造物2とが温度変化による膨張・収縮や地震等による振動の際に、相互に影響を及ぼしあわない幅であるとともに、後述するスタイロフォーム30(発泡樹脂板)が配置されるべき幅となる。
【0021】
EJ部には、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の間に挟み込まれるようにスタイロフォーム30が配置されている。スタイロフォーム30は図2に示すように、EJ部3に配されるべき厚みを有した板状の発泡ポリスチレンからなるもので、一方の側面には略円形の凸部30aが所定の間隔をあけて複数設けられている。このスタイロフォーム30がEJ部3に配設される状態においては、図1に示すように凸部30aを有した側面が先打ちコンクリート10側に向けられ当接する。このように凸部30aを先打ちコンクリート10側に向けて配設することで、先打ちコンクリート10とスタイロフォーム30との接触面積は減少する。
【0022】
また、スタイロフォーム30の凸部30aを有する側面には切欠部30bが設けられ、この切欠部30bに後述するように先打ちセパレーター11(先打ち用セパレーター、第一のセパレーター)に後打ちセパレーター(セパレーター、第二のセパレーター)21を繋ぎ固定する取付部31が配置されている。なお、取付部31は雌ネジ部(図示しない)を有した部材なので、セパレーターの一端部の雄ネジ部(図示しない)をこの雌ネジ部に螺合させ、前記先打ちセパレーター11及び後打ちセパレーター21を固定するようになっている。
【0023】
先打ちセパレーター11は、先打ちコンクリート10打設時に用いた型枠の相互間隔を保持した部材であり、その一端部は先打ちコンクリート10の外側(EJ部3に隣接する側)に突出するとともに雄ネジ部を有するので、前述した切欠部30bに配置された取付部31の雌ネジ部に螺合された状態となっている。
【0024】
一方、後打ちセパレーター21は後打ちコンクリート20打設時に用いた型枠(スタイロフォーム30と堰板22)の相互間隔を保持した部材である。一端部は雄ネジ部を有するとともに、スタイロフォーム30の凸部30aを有す反対側の側面から入り込んだ状態で取付部31の雌ネジ部と螺合し固定され、他端部は堰板22の外側に突出している。
【0025】
また、後打ちセパレーター21の後打ちコンクリート20を貫通する部分は、中空管23に覆われ、この中空管23の中空部分の径は後打ちセパレーター21の径よりやや大きい。中空管23のスタイロフォーム30に接触する端部は、スタイロフォーム30の接触する面に沿って外側に押し広げられるように屈曲しており、打設したコンクリートがこの接触部分に入り込まないようになっている。
【0026】
次に、本発明のエキスパンションジョイント工法を工程順にしたがって説明する。
[先打ち工程A]
先打ちコンクリート10を打設するため鉄筋を配筋し、型枠を配置する(図示しない)。また、相対するコンクリート用型枠の相互間隔を保持するため先打ちセパレーター11も配置されるが、少なくとも前記したEJ部に突出する端部は雄ネジ部を有しているので、型枠の外側で、雌ネジ部を有する部材にて螺合することで固定される。他端部は何らかの固定手段によって固定され、先打ちコンクリート用型枠の相互間隔をこの先打ちセパレーター11にて保持する。
【0027】
そして、これら鉄筋を配筋してある型枠内に第一構造物1を構築するための先打ちコンクリート10を打設する。先打ちコンクリート10を養生・硬化したあと、前記雌ネジ部を有する部材を取り外すとともに型枠を解体する。なお、前記した先打ちセパレーター11は先打ちコンクリート10打設後、取り外されないで先打ちコンクリート10中に埋設された状態にある。
【0028】
[樹脂配置工程B]
先打ち工程Aの後、乾燥状態にある(養生・硬化したあとの)前記先打ちコンクリート10に隣接する位置(前記したEJ部3)にスタイロフォーム30を配置する。このスタイロフォーム30は図2に示すように一方の側面に複数の凸部30aを有しており、この側面を先打ちコンクリート10に当接するように配置する。このように配置させれば、先打ちコンクリート10とスタイロフォーム30との接触面積を減らすことができる。
【0029】
また、図1に示すように、先打ちコンクリート10と当接するスタイロフォーム30の面には切欠部30bが設けられており、セパレーターを固定するための取付部31部が配置されるようになっている。取付部31は前記したように雌ネジ部を有するので、先打ちコンクリート10のスタイロフォーム30と当接する面から突出する先打ちセパレーター11端部の雄ネジ部が螺合された状態となっている。
【0030】
[後打ち工程C]
発泡樹脂配置工程Bの後、先打ちコンクリート10と反対側に、後打ちコンクリートを打設するための鉄筋を配筋する(図示しない)。この鉄筋を配筋したのち、後打ちコンクリート用のかぶり厚さに応じた所定の間隔をあけて堰板22(後打ちコンクリートを支持する型枠)を配置する。また、この場合、スタイロフォーム30は後打ちコンクリート20打設用の型枠となるとともに、このスタイロフォーム30と堰板22の間には中空管23が設置される。そして、中空管23内を中空部分よりやや小さな径を有する後打ちセパレーター21を挿通させる。なお、後打ちセパレーター21の中空管23を挿通した一端部は雄ネジ部を有し、スタイロフォーム30の凸部30aを有す反対側の側面からスタイロフォーム30に入り込んで取付部31の雌ネジ部に螺合させ固定される。他端部は堰板22の外側に突出しており、図示しないボルト等によって固定されている。
【0031】
また、先打ちセパレーター11及び後打ちセパレーター21は平面視したとき、同一直線上に位置し、スタイロフォーム30の切欠部30bに配置された取付部31の雌ネジ部とこれらセパレーターの端部に設けられた雄ネジ部とが螺合して固定されている(取付部31にて、先打ちセパレーター11に後打ちセパレーター21を繋ぎ固定されている)。
【0032】
このように、堰板22及び後打ちセパレーター21を配し、スタイロフォーム30と堰板22の間(第二構造物2を構築すべき部分)に後打ちコンクリート20を打設する。後打ちコンクリート20を養生・硬化したあと、前記堰板22を解体するとともに後打ちセパレーター21を廻して(螺合された状態を解除して)取り外す。
【0033】
以上、本発明のエキスパンションジョイント工法によれば、スタイロフォーム30の側面には複数の凸部30aが設けられ、凸部30aを有した側面が第一構造物1に当接するので、スタイロフォーム30と先打ちコンクリート10との接触面積を減らすことができる。すなわち、接触面積を減らすことによって、温度差等に起因するEJ部3での摩擦音を抑制することができる。
【0034】
また、後打ちセパレーター21は中空管23内に挿入された状態で、後打ちコンクリート20を打設し、この後打ちコンクリート20を養生・硬化した後、取り外されるので、後打ちセパレーター21とスタイロフォーム30との接触を回避できる。従って、後打ちセパレーター21とスタイロフォーム30との間で生じる摩擦音をなくすことができる。
【0035】
さらに、スタイロフォーム30に切欠部30bが設けられているので、取付部31にて先打ちセパレーター11の端部が固定されスタイロフォーム30に接触しないようになり、先打ちセパレーター11とスタイロフォーム30との間で摩擦音が生じない。
【0036】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
【0037】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、発泡樹脂板の側面には複数の凸部が設けられ、凸部を有した側面が第一のコンクリート構造物に当接するので、発泡樹脂板と第一のコンクリート構造物との接触面積を減らすことができる。従って、これら当接面の接触面積を減らすことによって、異常騒音の原因となっている摩擦音を抑制することができる。
【0038】
また、請求項1記載の発明によれば、セパレーターは第二のコンクリート構造物を構築するためのコンクリートを打設した後、取り外されるので、セパレーターと発泡樹脂板との接触を回避できる。従って、セパレーターと発泡樹脂板との間で生じる摩擦音をなくすことができる。
【0039】
特に、請求項1記載の発明によれば、切欠部が設けられ先打ちコンクリート用セパレーターが発泡樹脂板に接触しないようになるので、前記先打ちコンクリート用セパレーターと前記発泡樹脂板との間で摩擦音が生じない。
【0040】
請求項2記載の発明によれば、セパレーターが該中空管内に挿入されるので、後打ちコンクリートを打設した後に、セパレーターを簡単に取り外すことができる。
そして、中空管の発泡樹脂板に接触する端部が、発泡樹脂板の接触する面に沿って外側に押し広げられるように屈曲していることにより、打設したコンクリートがこの接触部分に入り込まないといった利点が得られる。
【0041】
請求項3記載の発明によれば、第二のセパレーターと発泡樹脂板との接触は回避され、摩擦音が生じない。また、第一のセパレーターと発泡樹脂板との摩擦音をなくすことができる。
【0042】
請求項4記載の発明によれば、請求項2と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るエキスパンションジョイント部を示す断面図である。
【図2】前記エキスパンションジョイント部に配置されるスタイロフォームを示す斜視図である。
【符号の説明】
A 先打ち工程
B 樹脂配置工程
C 後打ち工程
1 第一のコンクリート構造物
2 第二のコンクリート構造物
3 エキスパンションジョイント部
10 先打ちコンクリート
11 先打ちセパレーター(先打ち用セパレーター、第一のセパレーター)
20 後打ちコンクリート
21 後打ちセパレーター(セパレーター、第二のセパレーター)
22 堰板(型枠)
23 中空管
30 スタイロフォーム(発泡樹脂板)
30a 凸部
30b 切欠部
Claims (4)
- 第一のコンクリート構造物を構築する先打ち工程と、
該先打ち工程の後に、前記第一のコンクリート構造物に隣接して発泡樹脂板を配置する樹脂配置工程と、
該樹脂配置工程の後に、前記第一のコンクリート構造物との間に前記発泡樹脂板を挟み込むように、第二のコンクリート構造物を構築する後打ち工程とを備え、
前記発泡樹脂板の前記第一のコンクリート構造物に当接する側面に、複数の凸部が設けられ、
前記後打ち工程において、前記発泡樹脂板との間に、第二のコンクリート構造物を設けるための間隔をあけて型枠を配置するとともに、前記間隔を保持するためにセパレーターを用い、前記発泡樹脂板と型枠との間にコンクリートを打設後、前記セパレーターを取り外すエキスパンションジョイント工法であって、
前記先打ち工程において、型枠の間隔を保持する先打ち用セパレーターが用いられるとともに、前記先打ち用セパレーターに、後打ち工程で後打ち用のセパレーターを接続するように、前記先打ち用セパレーターが第一のコンクリート構造物から前記発泡樹脂板側に突出した状態に配置され、
前記発泡樹脂板に、前記先打ち用セパレーターの突出部分が接触しないように切欠部が設けられていることを特徴とするエキスパンションジョイント工法。 - 請求項1記載のエキスパンションジョイント工法において、
第二のコンクリート構造物を構築すべき部分に中空管が配置され、前記後打ち用セパレーターが該中空管内に挿入された状態で、かつ、該中空管の前記発泡樹脂板に接触する端部が外側に押し広げられるように屈曲して、発泡樹脂板の面に沿って接触している状態で第二のコンクリート構造物を構築すべき部分にコンクリートが打設されることを特徴とするエキスパンションジョイント工法。 - 第一のコンクリート構造物と、第一のコンクリート構造物を構築した後に、第一のコンクリート構造物に近接して構築される第二のコンクリート構造物と、これら第一のコンクリート構造物と第二のコンクリート構造物との間に挟まれた状態に配置される発泡樹脂板とを備え、
前記発泡樹脂板の前記第一のコンクリート構造物に当接する側面に、複数の凸部が形成されているエキスパンションジョイント構造であって、
第一のコンクリート構造物を構築する際に型枠の間隔を保持する第一のセパレーターの一端部が、前記発泡樹脂板側に突出して設けられ、
第二のコンクリート構造物を構築する際に型枠の間隔を保持するとともに、一端部が第一のセパレーターの一端部に接続され、かつ、前記発泡樹脂板と第二のコンクリート構造物を貫通するように配置された第二のセパレーターが撤去され、
前記発泡樹脂板には、前記第一のセパレーターの一端部と前記発泡樹脂板とが接触しないように切欠部が設けられていることを特徴とするエキスパンションジョイント構造。 - 請求項3記載のエキスパンションジョイント構造において、
第二のコンクリート構造物を構築すべき部分に配置され、前記第二のセパレーターを挿入する中空管を備え、
該中空管の前記発泡樹脂板に接触する端部は、発泡樹脂板の接触する面に沿って外側に押し広げられるように屈曲していることを特徴とするエキスパンションジョイント構造。
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