JP2005105534A - 外壁の構造および施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヒートブリッジを抑制し鉄筋量、壁厚を削減することのできる外断熱構造の外壁とその施工方法を提供する。
【解決手段】 コンクリート系の成形板からなるパネル本体12の内面全体に断熱材13を取り付け、その内面側に突出するトラス筋15を半埋設状態で取り付けた外装パネル11を用い、該外装パネルをコンクリート造の外壁本体14の外側に一体化することで、パネル本体と外壁本体との間に断熱材を介装し、外装パネルの内面側にはトラス筋とともに外壁本体に対して定着するためのスタッド16を植設しておく。外装パネルおよび外壁本体にはそれぞれ1段づつの壁筋17,18を配筋して外壁全体で2段の壁筋を配筋する。その施工は、外装パネルを打込型枠として使用して外壁本体を現場打ちするか、あるいは外壁本体をPCa化して外装パネルに予め一体化したサンドイッチPCa版としておく。
【選択図】 図1
【解決手段】 コンクリート系の成形板からなるパネル本体12の内面全体に断熱材13を取り付け、その内面側に突出するトラス筋15を半埋設状態で取り付けた外装パネル11を用い、該外装パネルをコンクリート造の外壁本体14の外側に一体化することで、パネル本体と外壁本体との間に断熱材を介装し、外装パネルの内面側にはトラス筋とともに外壁本体に対して定着するためのスタッド16を植設しておく。外装パネルおよび外壁本体にはそれぞれ1段づつの壁筋17,18を配筋して外壁全体で2段の壁筋を配筋する。その施工は、外装パネルを打込型枠として使用して外壁本体を現場打ちするか、あるいは外壁本体をPCa化して外装パネルに予め一体化したサンドイッチPCa版としておく。
【選択図】 図1
Description
本発明は建物の外壁の構造、特にいわゆる外断熱構造による外壁の構造に関する。
周知のように、RC造ないしSRC造の建物の断熱性能を向上させるために外壁や屋上に断熱材を取り付ける場合、従来一般には躯体の内側に断熱材を取り付けるいわゆる内断熱構造とすることが通常であったが、内断熱構造では断熱材と躯体との間において内部結露が生じることがあるので、断熱材の剥離、ダニやカビの発生等が問題となる場合がある。そのため、最近においては断熱材を躯体の外側に取り付ける外断熱構造が着目されており、広く普及する気運にある。
そのような外断熱構造の外壁として、本出願人は先に図3〜図4に示す構造のものを提案した(特許文献1参照)。これは、図2に示すような打込型枠1、すなわちコンクリート系の成形板(PCa版やALC版等)からなる型枠本体2の内面側に、予め断熱材3および定着部材としてのトラス筋4を縦横に取り付けた構成の打込型枠1を使用し、その打込型枠1の内側にコンクリートを打設することにより、本来の外壁としての外壁本体5と型枠本体2とをトラス筋4を介して一体化してそれらの間に断熱材3を介装するようにしたものである。図1における符号6は型枠本体2における補強筋、7は外壁本体5に配筋された2段(ダブル)の壁筋である。
特開2002−256640号公報
上記構造の外壁では、打込型枠1と外壁本体5とを確実強固に一体化するために多数のトラス筋4(図示例のものは縦横に4本づつ計8本)を細かいピッチ(通常は@600mm×@1000mm)で設けていたが、そのためそれらトラス筋4がヒートブリッジ(熱橋)となって無視し得ない断熱性能の低下が生じるので、その点での改善が必要とされていた。
また、上記構造の外壁では、上記のように打込型枠1と外壁本体5とを一体化するために多くのトラス筋4を用いていたのみならず、型枠本体2には補強筋6も配筋されるものであるし、本来の外壁としての外壁本体5には2段(ダブル)の壁筋7を配筋していたことから、外壁全体として鉄筋量がかなり多くなるし、壁厚も厚くなり、よって重くもなり、その点での改善も望まれていた。
上記事情に鑑み、本発明はヒートブリッジを抑制して断熱性能を向上させることができ、併せて鉄筋量を削減することのできる有効な外断熱構造の外壁とその施工方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、コンクリート系の成形板からなるパネル本体の内面全体に断熱材が取り付けられ、かつその内面側に突出するトラス筋が半埋設状態で取り付けられた外装パネルを用い、該外装パネルをコンクリート造の外壁本体の外側に一体化することで、パネル本体と外壁本体との間に断熱材を介装した外断熱構造の外壁の構造であって、前記外装パネルの内面側には、前記トラス筋とともに外壁本体に対して定着するためのスタッドが植設されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明の外壁の構造であって、前記外装パネルおよび前記外壁本体にはそれぞれ1段ずつ壁筋が配筋されることにより、この外壁には断熱材を挟んで2段の壁筋が配筋されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明の構造の外壁を施工するための方法であって、前記外装パネルを打込型枠として使用してその内側にコンクリートを現場打ちすることにより、前記外壁本体を前記トラス筋および前記スタッドを介して外装パネルと一体化した状態で形成することを特徴とするものである。
請求項4の発明は、請求項1または2の発明の構造の外壁を施工するための方法であって、前記外装パネルの内側にPCa版からなる外壁本体を前記トラス筋および前記スタッドを介して予め一体に組み付けることで断熱材を挟み込んだサンドイッチPCa版を形成し、そのサンドイッチPCa版を建て込むことで外壁を形成することを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、本来の外壁としての外壁本体の外側に外装パネルを一体化してそのパネル本体と外壁本体との間に断熱材を介装することにより優れた外断熱効果が得られることはもとより、外装パネルを外壁本体に対して一体化するための定着部材としてトラス筋とスタッドとを併用していることから、トラス筋の所要量を削減できるし、それによってトラス筋を介してのヒートブリッジを軽減することができて断熱効果をより一層高めることができる。
請求項2の発明によれば、外装パネルに1段の壁筋を配筋してその外装パネルが外壁の一部を構成する構造部材として機能することにより、本来の外壁である外壁本体には1段(シングル)の壁筋を配筋することで充分であり、外壁全体の壁筋の所要量を必要最少限まで削減することができ、壁厚も薄くでき、よって軽くすることができる。
請求項3の発明によれば、外装パネルを打込型枠として使用してその内側にコンクリートを打設して外壁本体を現場打ちにて形成することにより、外装パネルと外壁本体とを自ずと一体化した状態で効率的に施工することができる。
請求項4の発明によれば、外装パネルのみならず外壁本体もPCa化してそれら外装パネルと外壁本体とを予め一体化したサンドイッチPCa版としておき、それを建て込むことのみで、外断熱構造の外壁を乾式工法にて効率的に施工することができる。
本発明の実施形態を図1〜図2を参照して説明する。図1は本実施形態の外壁の構造を示すものであり、図2はその外壁を形成するための外装パネル11を示すものである。
本実施形態における外装パネル11は、基本的には図4に示した従来の打込型枠1と同様のものであって、PCa版やALC版等のコンクリート系の成形板からなるパネル本体12の内面全体に断熱材13が取り付けられ、かつ本来の外壁である外壁本体14に定着するための定着部材としてのトラス筋15が半埋設状態で取り付けられたものであるが、従来の打込型枠1に較べてトラス筋15のピッチは2倍程度(たとえば@1200×@1800)に大きくされ、したがってトラス筋15の本数は従来の打込型枠1に較べて半数(図示例では縦横2本づつ、計4本)に削減されている。
そして、トラス筋15を削減したことに伴い、トラス筋15と同様に外壁本体14に対する定着部材として機能する複数(図示例では全9本)のスタッド16が植設されている。スタッド16としてはたとえばφ9mm程度のスタッドボルトが好適に採用可能であるが、同様の定着強度が得られるものであればたとえばアンカーフックやアンカープレートを備えたアンカー部材等の適宜の形式のものが任意に採用可能である。
上記の外装パネル11は、従来の打込型枠1に較べてトラス筋15が半数程度に削減されていることにより、トラス筋15がヒートブリッジとなることで生じる熱損失を十分に軽減できて断熱性能を向上させることができる。勿論、スタッド16による熱損失は無視し得る程度に些少である。
また、本実施形態の構造の外壁では、上記の外装パネル11を単なる仕上げ材や打込型枠としてではなく外壁本体14に対して構造的に一体化しており、その外装パネル11は外壁の一部を構成する構造部材としても機能させるものとしており、その外装パネル11には単なる補強筋ではなく壁筋17として評価し得るように配筋されている。そして、そのように外装パネル11に単なる補強筋ではなく壁筋17が配筋され、外壁本体14を一体的な構造部材として機能することから、外壁本体14に配筋される壁筋18は通常のように2段(ダブル)とする必要はなく1段(シングル)のみとすることで充分となっている。すなわち、本実施形態の外壁は、断熱材13を挟んでパネル本体12と外壁本体14の双方に1段づつの壁筋を配筋することで外壁全体として2段の壁筋17,18を有するものであり、外壁本体5に2段の壁筋7を配筋する必要のあった従来の場合に比較すれば、トラス筋15を削減したことも含めて外壁全体での所要鉄筋量を大幅に削減できるし、壁厚も薄くすることが可能であり、よって軽くすることが可能である。
上記の外装パネル11を製作するには、壁筋17を内蔵しトラス筋15およびスタッド16を取り付けた状態でパネル本体12を形成した後、その内面全体に発泡系断熱材を吹き付けることで所定厚さの断熱材13を形成するか、あるいは、図1に示しているように断熱材13として断熱成形板を貼り付けるとともにトラス筋15やスタッド16と取り合う位置のみは発泡系断熱材13aを吹き付ければ良い。
上記の外装パネル11を用いて上記の構造の外壁を施工するには、予め製作した外装パネル11を従来と同様に打込型枠として使用し、その内側に壁筋18を配筋し、コンクリートを打設することで外壁本体14を現場打ちにて施工すれば良い。それにより、外壁本体14がトラス筋15およびスタッド16を介して構造的に確実に一体化した状態で形成され、外壁本体14とパネル本体12との間に断熱材13が介装された外断熱構造の外壁を効率的に施工することができる。
なお、上記のように外装パネル11を打込型枠として外壁本体14を現場打ちにより形成することに代えて、その外壁本体14もPCa化することも可能である。その場合、外装パネル11と、外壁本体14としてのPCa版とを予めトラス筋15およびスタッド16を介して予め一体化することにより、断熱材13を挟み込んだ形態のサンドイッチPCa版として製作しておけば良く、それを建て込むことで外断熱構造の外壁を乾式工法にて効率的に施工することができる。
11 外装パネル
12 パネル本体
13 断熱材
14 外壁本体
15 トラス筋
16 スタッド
17 壁筋
18 壁筋
12 パネル本体
13 断熱材
14 外壁本体
15 トラス筋
16 スタッド
17 壁筋
18 壁筋
Claims (4)
- コンクリート系の成形板からなるパネル本体の内面全体に断熱材が取り付けられ、かつその内面側に突出するトラス筋が半埋設状態で取り付けられた外装パネルを用い、該外装パネルをコンクリート造の外壁本体の外側に一体化することで、パネル本体と外壁本体との間に断熱材を介装した外断熱構造の外壁の構造であって、前記外装パネルの内面側には、前記トラス筋とともに外壁本体に対して定着するためのスタッドが植設されていることを特徴とする外壁の構造。
- 請求項1記載の外壁の構造であって、前記外装パネルおよび前記外壁本体にはそれぞれ1段ずつ壁筋が配筋されることにより、この外壁には断熱材を挟んで2段の壁筋が配筋されていることを特徴とする外壁の構造。
- 請求項1または2記載の構造の外壁を施工するための方法であって、前記外装パネルを打込型枠として使用してその内側にコンクリートを現場打ちすることにより、前記外壁本体を前記トラス筋および前記スタッドを介して外装パネルと一体化した状態で形成することを特徴とする外壁の施工方法。
- 請求項1または2記載の構造の外壁を施工するための方法であって、前記外装パネルの内側にPCa版からなる外壁本体を前記トラス筋および前記スタッドを介して予め一体に組み付けることで断熱材を挟み込んだサンドイッチPCa版を形成し、そのサンドイッチPCa版を建て込むことで外壁を形成することを特徴とする外壁の施工方法。
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JP2003336298A JP2005105534A (ja) | 2003-09-26 | 2003-09-26 | 外壁の構造および施工方法 |
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---|---|---|---|---|
KR101477716B1 (ko) * | 2014-05-09 | 2014-12-31 | 주식회사 케이에스아이 | 외장재 일체형 pc 콘크리트 패널 및 외장재 일체형 pc콘크리트 패널 제조방법 |
CN105672503A (zh) * | 2016-01-19 | 2016-06-15 | 天津达璞瑞科技有限公司 | 高性能外墙保温结构及其施工方法 |
CN106978879A (zh) * | 2017-05-25 | 2017-07-25 | 江苏省建筑科学研究院有限公司 | 一种带有新型连接件的预制夹芯保温墙板 |
CN107795056A (zh) * | 2017-11-09 | 2018-03-13 | 浙江绿筑集成科技有限公司 | 一种装配式钢结构专用全预制楼板 |
CN110453810A (zh) * | 2019-09-12 | 2019-11-15 | 上海圣奎塑业有限公司 | 保温结构一体化叠合墙板 |
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2003
- 2003-09-26 JP JP2003336298A patent/JP2005105534A/ja active Pending
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