本発明の現在のところ好ましい実施形態は、同様な部品を同様な参照符号で示している図面を参照することによって十分に理解可能であろう。また、概して本明細書で説明して図示した本発明の構成要素が様々な異なる構成でもって配設可能であり且つ構成可能であることも容易に理解可能であろう。したがって、図1〜図19eに示した本発明の装置、システム、および、方法の実施形態に関する以下の説明は、特許請求の範囲に係る発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の現在のところ好ましい実施形態を代表するものである。
また、本発明は、インフレータの費用対効果、電気的な接続性、そして、信頼性を高めるために多くの異なる思想を用いる。本発明を用いることによってインサート成形やマシニングなどの労力のかかるプロセスを少なくすることができ或いはインフレータ製造プロセスから排除することができる。また、インフレータ内での電気コネクタの自由な回転に関連するリスクをインフレータや電気コネクタに負わせることなく、様々な方位で電気コネクタをインフレータに容易に接続することができる。以下、こうした結果を本発明によって得る方法を詳細に説明する。
なお、本明細書において「に接続され」「に連結され」「に繋げられ」なる記載は、機械的な相互作用、電気的な相互作用、磁気的な相互作用、電磁気的な相互作用、そして、熱的な相互作用を含む2つ又はそれ以上の物の間における相互作用の形態を指している。また、「に取り付けられ」なる記載は、取り付けられた物の間の相対的な移動や回転を抑制する機械的な連結の形態を指している。また、「枢動可能に取り付けられ」なる記載は、相対的な回転を許容しつつその他の相対的な動きを抑制する機械的な連結の形態を指し、「摺動可能に取り付けられ」なる記載は、相対的な移動を許容しつつその他の相対的な動きを抑制する機械的な連結の形態を指す。
また、「直接取り付けられ」なる記載は、取り付けられた物が直接接触しているか、或いは、1つのファスナ、接着剤、または、その他の取付機構によってのみ分離している取付の形態を指す。また、「当接」なる記載は、互いに取り付けられていないが物理的に互いに直接接触していることを指す。また、「一体的に形成され」なる記載は、複数の物を組み立てる必要なく、一体物として、すなわち、1つの物として製造されたボディを指す。また、複数の部品は、これら部品が1つの物から形成されるのであれば互いに一体的に形成可能である。
図1を参照すると、斜視図が本発明の1つの可能な実施形態である2つの膨張可能なカーテン(inflatable curtain)モジュール10、すなわち、ICモジュールを示している。各ICモジュールは、乗り物12の乗員を保護するために膨張するように構成されたクッション11を有する。本発明のシステムまたは方法は、他のタイプのエアバッグ、または、他のタイプの火工装置と共に使用可能でもある。
乗り物12は、長手方向13と横方向14と鉛直方向15とを有する。また、乗り物12は、図1の乗り物12に示されているように、第1の側面17、すなわち、フロンドドア17から横方向に配置されたフロントシート16を有する。また、乗り物12は、図示されているように、第2の側面19、すなわち、リアドア19から横方向に配置されたリアシート18を有する。
乗り物12の横方向の突然の加速度(または、減速度)を加速度計20が検出する。加速度計20は、電子制御ユニット、すなわち、ECU21に接続されている。ECU21は、加速度計20からの出力を処理し、各クッション11を膨張させるべく配置された複数のインフレータ24に電気ライン22を介して電気信号を送る。別の実施形態として、1つのインフレータ24を、該インフレータ24が両クッション11を膨張させるようにガスガイドまたはその他の構造を介して両クッション11に接続してもよい。
各インフレータ24は、電力が供給されたときに膨張ガスを生成して対応するクッション11を膨張させるように構成されている。そして、インフレータ24は、例えば、乗り物12が衝撃に完全に反応する前にクッション11が膨張されていて乗員を衝撃から保護するほどの素早さで作動される。図示したように、各インフレータ24は、電気コネクタ、すなわち、コネクタ26を介して電気ライン22に接続されている。各インフレータ24とそれに対応するコネクタ26との組合せが膨張組立体28である。
加速度計20とECU21とは、任意ではあるが、乗り物12のエンジンルーム30内またはダッシュボード32内に配置される。電気ライン22は、例えば、ダッシュボード32周辺から上方へフロントガラス35に沿ってインフレータ24まで電力を送るように乗り物12のAピラー34に沿って配置される。また、ECU21は、例えば、電気エネルギを信頼性高く急に供給するように構成されたキャパシタまたは他の装置を有する。
各クッション11は、1つのルーフレール36に沿って搭載される。また、各クッション11は、例えば、フロントシート16と各フロントドアとの間で膨張するように構成された第1の保護領域40と、リアシート18と各リアドア19との間で膨張するように構成された第2の保護領域42とを有する。各クッション11の第1の保護領域40と第2の保護領域42とは、例えば、これら保護領域40、42間で中央紐44を使用することによって互いに取り付けられる。
また、各クッション11の第1の保護領域40は、例えば、隣接するAピラー34に前方紐46を介して取り付けられる。同様に、各クッション11の第2の保護領域42は、隣接するルーフレール36の後方の部分に後方紐48を介して取り付けられる。これら前方紐46と後方紐48とは、衝撃発生中であって膨張中に各クッション11にテンションラインを提供してクッション11を所定位置に維持するように中央紐44と協力する。所望であれば、リアシート18の後方にあるエクストラシート50に座っている乗員を乗り物12の第3の側面52への衝突から保護するために1つ又はそれ以上の保護領域を有するように各クッション11を延在させてもよい。
膨張組立体28は、比較的コスト効率の良い形で構成されており、インフレータ24とコネクタ26との間に接続後の回転を許容しない複数の対応する方位でのシンプルな接続を提供する。以下、こうした利益を膨張組立体28から得ることができる形態を図2および図3を参照して説明する。
図2を参照すると、拡大斜視図が図1のエアバッグモジュール、すなわち、ICモジュール10の膨張組立体28を示している。上述したように、膨張組立体28は、コネクタ26とインフレータ24とを有する。コネクタ26は、第1の部品60と第2の部品62とを有し、各部品60、62は、射出成形等によってポリマー材料から形成される。第1の部品60は、一体的に形成されたブラケット、すなわち、ブラケット64を有し、これらブラケットは、第1の部品60と第2の部品62とが互いに簡単にしっかりと取り付けられるように第2の部品62に形成されたタブ66に相互ロックする。
また、自動組立・試験装置にコネクタ26を簡単に掴持させられるようにコネクタ26のヘッド70の両側に2つのグリップ68が配置されている。これらグリップ68は、例えば、ポリマー材料から形成され、それぞれ、掴みやすいようにスロット72を有する。また、グリップ68の外形形状は、長手方向13から見たとき、略円形である。
また、コネクタ26は、長手方向13に沿ってヘッド70から延びるスカート74を有する。スカート74は、例えば、第2の部品62に一体的に形成され、或いは、タブ、接着剤、溶接などを使用して取り付けられる別体の部品である。また、スカート74は、ヘッド70から離れて配置された末端リング76を有する。末端リング76から内方へ屈折可能なタブ78の形態をした一対の突起が突出して概ねヘッド70の方に向っている。また、末端リング76の内面に沿って複数のリブ80が配設されている。次に、これらリブ80および屈折可能なタブ78の機能を図3を参照して詳細に説明する。
ヘッド70から軸部分(図示略)が延在し、この軸部分は、スカート74によって部分的に包囲されている。ヘッド70とグリップ68とスカート74と軸部分とは、コネクタ26のメインボディ82を形成する。電気ライン22に接続するようにメインボディ82からコネクタの延長部分84が延びている。延長部分84は、コネクタ26を掴みやすくしたり、コネクタ26をインフレータ26に取り付けやすくしたりする。
インフレータ24は、ハウジング90を有し、このハウジング90は、例えば、スチールやアルミニウムのような金属から形成される。また、インフレータ24は、概して、ハウジング90内に保持される始動組立体92を有する。始動組立体92は、イニシエータ(図示略)とコネクタ26を受容するレセプタ94とを有する。レセプタ94は、カラー96を有し、このカラー96は、例えば、略環状の形状をしており、該カラー内に直接載置される。また、レセプタ94は、図3を参照して後述にて詳細に説明するようにしてコネクタ26を保持するように構成されたリテーナ98を有する。
ハウジング90は、図示したように、カラー96を有する始動端100を有する。カラー96は、概してリテーナ98を向いた径方向内側の面102と始動端100に直接載置される径方向外側の面(図示略)とを有する。リテーナ98は、径方向内側の面104と概してカラー96を向いた径方向外側の面106とを有する。本明細書において「径方向内側」「径方向外側」とは、概して、計測に関するものではなく、断面が環状の部材の内側に存在する面または外側に存在する面に関するものである。したがって、部品の径方向内側の面や径方向外側の面の実際の大きさは、部品の長さに応じて異なる。
コネクタ26のスカート74を受容するためにカラー96の径方向内側の面102とリテーナ98の径方向外側の面との間に環状の空間がある。また、リテーナ98は、径方向外側の面106を一周するように配列された複数のスプライン108を有する。スプライン108は、図3を参照して後述するように回転方向にロック可能なようにリブ80間の間隔に対応して互いに離間せしめられている。
図3を参照すると、側方断面図が図1および図2の膨張組立体28を示しており、ここでは、見やすいように、インフレータ24の一部とコネクタ26の一部とを省略してある。コネクタ26は、図示したように、インフレータ24に接続されている。また、ハウジング90は、図示したように、始動端100に加えて封入端110を有する。封入端110は、例えば、溶接112などを使用して始動端100に取り付けられる。所望であれば、溶接112を形成するためにTIG溶接やイナーシャル溶接などの方法を使用してもよい。
封入端110は、膨張ガスを生成するように燃焼可能な所定量の発生剤114を収容している。発生剤114は、バーストディスク116によって始動組立体92からシールされている。また、始動組立体92は、始動端100に形成された始動通路118を介してバーストディスク116に連通する。上述したように、始動組立体92は、当技術分野では公知のタイプである「スキブ」で知られるイニシエータ120を有する。イニシエータ120は、始動通路118の一端に配置される。
イニシエータ120は、図示したように、概して、ボディ122とカバー124とによって包み込まれている。これらボディ122とカバー124とは、例えば、比較的容易に互いに超音波溶接される同様なポリマーから形成される。例えば、ボディ122とカバー124とは、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ULTEM、ゼネラルエレクトリック社で製造されているポリエーテルイミドから形成される。また、リテーナ98は、例えば、該リテーナ98をボディ122に超音波溶接しやすいように同じ材料から形成される。ボディ122は、イニシエータ120をカラー96およびハウジング90から電気的に絶縁するのを助ける。
超音波溶接は、ボディ122とカバー124とを互いに取り付けるために使用可能な幾つかの方法のうちの1つにすぎない。その他の形態の振動溶接も使用可能である。本明細書において「振動溶接」とは、溶接すべき面に沿って振動を誘発して摩擦熱を引き起こすプロセスを指す。したがって、超音波溶接は、振動溶接の1つである。さらに、これに代えて、ボディ122とカバー124とを互いに取り付けるために電磁溶接、すなわち、電磁放射を利用した溶接を使用してもよい。また、「RF溶接」として知られる高周波溶接も電磁溶接の1つである。
また、本実施形態において、始動組立体92は、概して、イニシエータ120とボディ122とカバー124とリテーナ98とカラー96とを有する。別の実施形態として、これら要素の1つ又はそれ以上を始動組立体から除き、Oリングやワッシャなどの他の特徴を設けてもよい。レセプタ94は、概して、カラー96とリテーナ98とボディ122とを有する。別の実施形態として、これら要素の1つ又はそれ以上をレセプタから除き、ワッシャなどの他の特徴を設けてもよい。
イニシエータ120は、ステンレススチールなどの導電性のある金属から形成されたヘッダーアイレット126を有する。ヘッダーアイレット126は、略環状の形状をしている。また、ヘッダーアイレット126の中心には、センターピン128が配置されている。本明細書において「センターピン」とは、イニシエータの対称軸線に関して中心にあるピンを指す。
センターピン128は、例えば、AISI52シリーズの合金やインコネルなどのニッケルクロム合金などのガラス金属シール可能なスチールから作製される。また、センターピン128は、環状のシール130によってヘッダーアイレット126から電気的に絶縁されており、シール130は、例えば、公知のガラス金属取付技術によってセンターピン128および/またはヘッダーアイレット126に取り付けられるガラス材料から形成される。
また、イニシエータ120は、ヘッダーアイレット126に隣接して配置された火薬ホルダ132を有する。火薬ホルダ132は、例えば、当技術分野で公知の火薬である点火材134を所定量収容している。また、火薬ホルダ132と点火材134とは、例えば、ステンレススチールなどから形成された比較的壁の薄いカップ135内に収容されている。また、ヘッダーアイレット126をセンターピンに電気的に接続するために環状のシール130に沿って径方向に延在するようにブリッジワイヤ136が取り付けられている。また、火薬ホルダ132は、例えば、溶接138などによってヘッダーアイレット126に取り付けられている。図では、溶接の多くを三角形で象徴的に示してある。実際には、溶接は、所望の形状であればよい。
本明細書において「イニシエータ」は、点火材と、該点火材の着火を開始させる起動信号を受信するように構成されたコンダクタと、該コンダクタに起動信号の伝達に必要な電気的な絶縁を提供する絶縁体とを有する装置である。また、「点火材」は、図2に示した発生材114などの膨張ガス発生材の着火を誘発するために燃焼可能な火薬である。さらに、「点火材」とは、最初の火花を発生させるために使用される抵抗素子、例えば、ブリッジワイヤ136とは別の材料を指す。
衝突が検出されると、例えば、ECU21によってコネクタ26を介してヘッダーアイレット126およびセンターピン128に起動信号が伝達される。ブリッジワイヤ136の抵抗体が熱くなって燃焼し、点火材134の着火を誘発する。結果として、高圧高温のガスが始動通路118を通り、そして、バーストディスク116を除去し或いは破り、発生材114に点火し、これにより、クッション11を充填するための膨張ガスが生成される。
ヘッダーアイレット126は、図示したように、コネクタ26に向って延びるスカート140を有する。スカート140は、コネクタ26のスカート74内から延びるコネクタ26の軸部分141を受容する大きさである。また、ヘッダーアイレット126は、環状のショルダ142を有する。ショルダ142は、カバー124とボディ122とが協力してイニシエータ120をしっかりと保持するようにボディ122の内側に当接する。
また、ボディは、ヘッダーアイレット126のスカート140の大部分を包囲するスカート144を有する。したがって、スカート144は、スカート140とカラー96の径方向内側の面102の圧入部分145との間に効率的に挟まれている。また、ボディ122は、カラー96に当接する外側ショルダ146と、カバー124に取り付けられる内側ショルダ148とを有する。本明細書において「内側ショルダ」「外側ショルダ」とは、概して、バーストディスク116に対する位置を規定したショルダである。バーストディスク116に近接したショルダが内側ショルダである。なお、所望であれば、ボディ122を外側ショルダ146と内側ショルダ148との間のハウジング90の始動端100に圧入される大きさとしてもよい。
上述したように、カバー124は、概して、イニシエータ120を包み込むようにボディ122に超音波溶接される。特に、カバー124は、内側ショルダ148の形状に適合する概して広がる形状のリム150を有する。リム150と内側ショルダ148との間に超音波溶接部分152が形成される。超音波溶接部分152は、例えば、リム150に隣接してホーンを通し、このホーンからリム150と内側ショルダ148とに向って超音波放射を放射することによって形成される。
リテーナ98の径方向内側の面104は、概して、ヘッダーアイレット126のスカート140を受容する大きさである。また、径方向内側の面104は、ボディ122のスカート144を受容する大きさの拡大された部分154を有する。スカート144は、リテーナ98をボディ122に取り付けるように拡大部分154に超音波溶接される。また、ハウジング90の始動端100のカールされたリップ156は、カラー96、したがって、始動組立体92全体を保持する。
コネクタ26をイニシエータ24に接続するためにヘッダーアイレット126のスカート140に軸部分141が挿入されると共にコネクタ26のスカート74の末端リング76がリテーナ98とカラー96との間の環状の空間に挿入される。末端リング76が環状の空間に入ると、スプライン108が働いて屈折可能なタブ78を屈折させて長手方向13に略整列させる。そして、屈折可能なタブ78がスプライン108上をスライドして通過すると、リブ80がスプライン108に係合する。
上述したように、リブ80とスプライン108とは、互いに噛合するように互いに離間している。リブ80および/またはスプライン108は、例えば、噛合しやすいように斜面を設けられている。また、スプライン108は、複数存在する。スプライン108の数は、例えば、6〜30個の範囲である。また、スプライン108の数は、例えば、12〜20個の範囲である。また、スプライン108の数は、15〜18個の範囲である。いずれの場合においても、コネクタ26をレセプタ94に挿入可能な2つよりも多いが膨大な数ではない異なる方位を提供するのに十分なスプライン108が存在する。したがって、搭載者は、スプライン108とリブ80とを噛合させるために最大であっても比較的小さな角度だけコネクタ26を回転させることのみが要求される。
コネクタの搭載に関し、「方位」とは、概して、関連するインフレータに対し、長手方向13に延びる軸線周りにおけるコネクタの回転位置を指す。したがって、組立後に関し、「方位間の回転」とは、コネクタをインフレータから取り外さずに長手方向13に延びる軸線周りにおけるコネクタとインフレータとの間の相対回転を指す。
スプライン108とリブ80とが噛合すると、スカート74は、例えば、屈折可能なタブ78がスライドしてスプライン108から抜けるまでリテーナ98とカラー96との間の環状の空間にさらに挿入される。そして、屈折可能なタブ78は、屈折していない状態へスナップ式に戻って図3に示した状態となる。この時点で、軸部分141のコンダクタ(図示略)とヘッダーアイレット126のコンダクタ(図示略)とセンターピン128のコンダクタ(図示略)との間が電気的に接触する。ここでは、屈折可能なタブ78を壊さずに該タブをスプライン108から引き出すことはできない。すなわち、コネクタ26は、インフレータ24に取外不能または再利用不能に接続される。ここで、「取外不能」な接続とは、部品同士を壊さずに簡単に分離させることができない接続を指す。
インフレータ24は、様々な方法で製造可能である。一例として、リテーナ98とボディ122とカバー124とが射出成形などによって同様なポリマーから形成される。そして、イニシエータ120が当技術分野で公知の方法を使用して製造される。また、カラー96がスタンピングなどの方法によってステンレススチールから作製される。これに代えて、カラー96を粉末材料を所望の形状となるようにプレスして焼結することによって作製してもよい。また、ハウジング90の始動端100と封入端110とが、例えば、スタンピングやマシニングなどの方法を使用してスチールから形成される。
ボディ122のスカート144は、例えば、ボディ122を固定し、突出しているスカート144にカラー96を押し込み、カラー96を引き出してボディ122を固定装置から引き出すことによってカラー96の径方向内側の面102に挿入される。所望であれば、スカート144と径方向内側の面102の圧入部分145との間に圧入があってもよい。また、カラー96に対し、長手方向13に延びる軸線周りにおけるボディ122の方位は、任意であるので、方位付けを行う必要はない。実際には、他の幾つかの実施形態と同様に、例えば、ボディ122、または、カバー124、または、イニシエータ120、または、リテーナ98、または、カラー96を長手方向13周りで特定の方位へと回転することなく、始動組立体92全体が組み立てられてもよい。この利益は、長手方向13周りで始動組立体92が回転方向に関して対称であることから得られる。
そして、拡大部分154がボディ122のスカート144を包囲するようにリテーナ98が配置され、該リテーナ98がスカート144に超音波溶接される。そして、図示したように、イニシエータ120がボディ122内に部分的に配置されるようにヘッダーアイレット126のスカート140がボディ122のスカート144に挿入される。そして、リム150を内側ショルダ148に当接させつつキャップ135をカバーするようにカバー124が配置され、上述したように、リム150が内側ショルダ148に超音波溶接される。
そして、リテーナ98とボディ122とイニシエータ120とカバー124とが全てカラー96に取り付けられ、これにより、始動組立体92が提供される。そして、イニシエータ120が始動通路118内へと突出するように始動組立体92がインフレータ24のハウジング90の始動端100に挿入される。そして、始動端100がカールされてカラー96、したがって、始動組立体92全体を保持するカールリップ156を形成する。
図1、図2、および、図3に示した膨張組立体28は、本発明の考えられる多くの実施形態のうちの1つにすぎない。当業者には様々な別の実施形態があることが理解できるであろう。こうした別の実施形態の幾つかを図4〜図19eに示してあり、以下、これについて説明する。
図4を参照すると、側方立面断面図がインフレータ157と共に使用されて本発明の1つの別の実施形態の膨張組立体159を提供する図1に示したコネクタ26を示している。インフレータ157は、上述した実施形態のものと同様な始動端100と封入端110とを備えたハウジング90を有する。また、インフレータ157は、上述したものと同様なイニシエータ120とコネクタ26を受容するように構成されたレセプタ194とを有する始動組立体192を有する。イニシエータ120の構成要素は、図3に示したものと同様であり、見やすくするために完全に或いは部分的に省略してある。
始動組立体192は、後述するように、複数の部品から構成されたカラー196を有する。さらに、始動組立体192は、図3に示したボディ122とリテーナ98とを一体化した全体構造と機能とを備えたリテーナ・ボディ198を有する。リテーナ・ボディ198は、径方向内側の面204と径方向外側の面206とを有する。
また、始動組立体192は、図3に示したカバー124とは異なる形態に構成されたカバー224を有する。カバー224は、後述するように、リテーナ・ボディ198に取り付けられる。リテーナ・ボディ198は、カラー196の径方向内側の面202内に載置される橋絡部分224を有する。また、リテーナ・ボディ198は、外側ショルダ246と保持ショルダ247とを有し、これらショルダは、互いに対面し、これらの間にカラー196の一部を挟んでいる。ボディ122は、ハウジング90の始動端100に隣接して配置された内側ショルダ248を有する。なお、所望であれば、ボディ122の大きさを外側ショルダ246と内側ショルダ248との間のハウジング90の始動端100とボディ122との間に圧入が提供される大きさとしてもよい。
また、カラー196は、第1の部品252と第2の部品254とを有する。第1の部品252は、概して、ワッシャを形成する形状をしており、外側ショルダ246と保持ショルダ247との間に挟まれて保持される。一方、第2の部品254は、ずっと長くて環状の形状をしており、その内部の径方向内側の面202は、第1の部品252の径方向内側の面よりも大きい。これら第1の部品252と第2の部品254とは、溶接255などによって互いに取り付けられる。
コネクタ26とインフレータ157との接続は、図1、図2、および、図3に関連して説明したものと同様である。しかしながら、インフレータ157の製造は、上述した実施形態のインフレータ24のものとは幾分か異なる。
正確には、図示したように、カバー224が、例えば、イニシエータ120の端部周りに配置される。そして、ボディ・リテーナ198が、例えば、イニシエータ120とカバー224とカラー196の第1の部品252との周りにインサート成形される。そして、第2の部品254が、例えば、カラー196を完成させるように第1の部品252に取り付けられる。そして、リテーナ・ボディ198とカバー224とイニシエータ120とが、例えば、始動組立体192を組み立てるようにカラー196に取り付けられる。始動組立体192は、例えば、始動端100に挿入され、上述した実施形態と略同じようにしてリップ156をカールすることによって保持される。
図1〜図4に示した膨張組立体28、159は、再利用不能、すなわち、壊さないことには容易に分離することができないものである。幾つかの製造メーカーは、エアバッグモジュールのインフレータや電気システムを使用するオプションを好むことから、比較的容易に分離させることができる膨張組立体を望んでいる。こうした膨張組立体のうちの2つを図5〜図7に示してあり、次にこれらについて説明する。
図5を参照すると、斜視図が本発明の別の実施形態の膨張組立体259を提供するように協力するインフレータ257とコネクタ258とを示している。図では、コネクタ258は、インフレータ257に接続されていない。
コネクタ258は、第1の部品260と第2の部品262とを有し、これら部品は、図2に示した第1の部品60と第2の部品62と同様に、ブラケット64とタブ66とを使用して互いに接続されている。また、コネクタ258は、該コネクタ258を所望通りに所定位置にロックさせたりインフレータ257から解放したりすることができるようにコネクタ258のヘッド270に対して移動可能なロックブラケット268を有する。ロックブラケット268は、例えば、「コネクタ位置保障(connector position assurance)」部品、すなわち、CPA部品と呼ばれる。
ロックブラケット268は、ヘッドプレート271と、ヘッド270に並ぶようにしてヘッドプレート271に対して略垂直に延びる一対のロックアーム272と、ヘッドプレート271からヘッド270に向って延びる短絡リブ273とを有する。次に、図6を参照しつつ、ロックブラケット268の機能を詳細に説明する。
コネクタ258は、ヘッド270から延びるスカート274を有し、スカート274は、例えば、第2の部品262に一体化されている。これに代えて、スカート274を別体の部品としてもよい。スカート274は、コネクタ26の末端リング76と略同様な末端リング276を有する。しかしながら、末端リング276から延びる屈折可能なタブはない。その代わりに、スカート274の両側に開口278がある。また、スカート274内から軸部分(図示略)が延びている。スカート274と軸部分とヘッド270とは、概して、コネクタ258のメインボディ282を形成する。電気ライン22に接続するようにメインボディ282から延長部分284が延びている。
ロックブラケット268のロックアーム272の内側で、ヘッド270から可撓性のあるアーム285が延びている。可撓性アーム285は、弾性的に曲がることができるように選択された断面形状を有する。また、各可撓性アーム285は、スロット286を有し、スロット286内に対応するロックアーム272が重なる。さらに、各可撓性アーム285は、内方へと延びる拡大された端部287の形態をした突起を有する。拡大端部287は、各可撓性アーム285の端部のところでスロット286を橋絡している。また、ヘッド270には、短絡リブ273と整列するように1つのスロット288が形成されている。
インフレータ257は、始動組立体292を収容するハウジング290を有する。始動組立体292は、イニシエータ(図示略)とコネクタ258を受容するように構成されたレセプタ294とを有する。レセプタ294は、カラー296とリテーナ298とを有する。カラー296は、インフレータ257のハウジング290の始動端300内に直接載置される。また、カラー296は、概して、リテーナ298を向いた径方向内側の面302を有する。リテーナ298は、径方向内側の面304と概してカラー296を向いた径方向外側の面306とを有する。リテーナ298の径方向外側の面306を一周するように複数のスプライン308が配列されている。
別の1つの実施形態では、カラー296を使用する必要がない。その代わりに、インフレータ257の部品点数を少なくしたり組立の複雑さを軽減したりするために、例えば、カラー構造296を始動端300と一体的に形成してもよい。ここで示す実施形態の多くにおいて、カラー構造をインフレータのハウジングの一体部分として形成してもよい。しかしながら、図6は、図5に示したように、インフレータ257内に別体のカラー296があることを前提としている。
図6を参照すると、側方立面断面図が図5に示した膨張組立体259を示している。ここでは、見やすくするために、始動組立体292の外側のインフレータ257の構成要素を省略してあり、これら構成要素は、図3および図4に示したこれら構成要素に対応するものと略同様である。また、カラー296の一部も省略して示してある。イニシエータ120は、上述した実施形態のものと同様であり、見やすくするために、イニシエータ120の幾つかの構成要素を完全に或いは部分的に省略してある。
コネクタ258は、中央コンタクト310と周辺コンタクト312とを有し、これらコンタクトは、ヘッダーアイレット126およびセンターピン128に電気的に接続されるように構成されている。正確には、中央コンタクト310は、例えば、センターピン128がメインボディ282の中央開口314に挿入されたときにセンターピン128に押し付けられる2つ又はそれ以上の金属片からなる。周辺コンタクト312は、以下で説明するように、ヘッダーアイレット126のスカート140との間に電気的な接触を形成する略環状の形状をしている。
また、コネクタ258は、中央コンタクト310に電気的に接続された第1の内部コンダクタ316と、周辺コンタクト312に電気的に接続された第2の内部コンダクタ318とを有する。また、第1の内部コンダクタ316に電気的に接触するように短絡バー320が固定され、この短絡バー320は、第2の内部コンダクタ318に向って延びている。また、短絡バー320は、第1の内部コンダクタと第2の内部コンダクタ318との間、したがって、中央コンタクト310と周辺コンタクト312との間に電気的な接触を提供するように第2の内部コンダクタ318に自然に乗るように付勢されている。また、短絡バー320は、コネクタ258がレセプタ294にしっかりと保持されるまで中央コンタクト310を周辺コンタクト312に電気的に連結しておくことによって静電放電などによる起動信号の偶発的な伝達を防止する。
また、始動組立体は、上述した実施形態のものと同様なイニシエータ120を有する。イニシエータ120は、概して、ボディ322とカバー324とによって包み込まれている。また、上述した実施形態と同様に、イニシエータ120は、ヘッダーアイレット126とセンターピン128とを有する。ヘッダーアイレット126は、スカート140を有する。
概して、スカート140内には短絡クリップ330が配置されている。短絡クリップ330は、スカート140の縁部を掴む弾性のある複数のアーム332を有し、これら弾性アーム332は、センターピン128に接触するように内方へ延びている。また、弾性アーム332は、中央コンタクト310と周辺コンタクト312とが配置されているコネクタ258の軸部分341を収容するようにセンターピン128から離れるように曲がることが可能である。したがって、短絡クリップ330は、コネクタ258が接続されていないときにセンターピン128とヘッダーアイレット126との間に電位差が生じることを防止する働きをする。したがって、静電放電などがインフレータ257を偶発的に始動させることはできない。別の実施形態として、短絡クリップ330がヘッダーアイレット126に一体化されていてもよい。
ボディ322は、スカート144と外側ショルダ346と内側ショルダ348とを有する。外側ショルダ346は、カラー296に当接し、内側ショルダ348は、超音波溶接152によってカバー324のリム150に超音波溶接される。リテーナ298は、超音波溶接156によってボディ322のスカート144に超音波溶接される。
ロックブラケット268は、非ロック状態をとることができ、この状態では、コネクタ258をレセプタ294に挿入したりレセプタ294から引き抜いたりすることができるように可撓性アーム285が比較的自由に撓むことができる。また、ロックブラケット268は、ロック状態をとることもでき、この状態では、コネクタ258をレセプタ294に挿入したりレセプタ294から引き抜いたりすることを防止するように可撓性アーム285の撓みが抑制される。図6は、非ロック状態を示している。
コネクタ258は、インフレータ257に容易に接続可能である。ロックブラケット286は、初めは、図6に示したように、非ロック状態に配置される。そして、軸部分341がヘッダーアイレット126のスカート140に挿入される。そして、軸部分341がスカート140内に入ると、周辺コンタクト312が短絡クリップ330の弾性アーム332に当接し、弾性アーム332が概してスカート140に平行となるように弾性アーム332を曲げる。こうして、弾性アーム332がセンターピン128との電気的な接続から外され、起動信号がイニシエータ120に伝達可能となる。
図示したように、非ロック状態では、ロックブラケット268のロックアーム272は、弾性アーム285の拡大端部287から外れている。したがって、ロックアーム272は、図示したように、拡大端部287がスプライン308を通過することができるように弾性アーム285を外方へ撓ませることを許可する。なお、見やすくするために、スカート274は省略してある。拡大端部287がスプライン308上をスライドして通過すると、リブ80がスプライン308に噛合する。こうなるためには、例えば、コネクタ258を幾分か小さく回転することを必要とする。そして、拡大端部287がスプライン308からスライドして外れ、スナップ式に内方へ屈折の小さい状態となる。
拡大端部287がスプライン308から外れると、ロックブラケット268が、例えば、ロック状態へ移動せしめられる。そして、ロックアーム272が弾性アーム285の拡大端部287の外側に配置されるまでロックアーム272が可撓性アーム285のスロット286に沿ってスライドする。そして、ロックアーム272は、ロックブラケット268を非ロック状態に意図的に戻さない限りコネクタ258がレセプタ294から引き抜かれないように可撓性アーム285の外方への撓みを抑制する。
非ロック状態では、短絡リブ273は、概して、スロット288の外に配置されている。そして、短絡リブ273は、ロックブラケット268がロック状態に移動したときにヘッド270のスロット288内へと突出し、第2の内部コンダクタ318から離れるように短絡バー320を撓ませる。これによれば、中央コンタクト310がブリッジワイヤ136(図3に示されている)を介して以外では周辺コンタクト312に電気的に接続されていない状態となる。そして、インフレータ257を始動させるために、コネクタ268からイニシエータ120に起動信号を伝達可能となる。
コネクタ258は、再利用のためにレセプタ294から比較的容易に取外可能である。初めに、ロックブラケット268が非ロック状態に移動せしめられる。このとき、短絡バー320は、インフレータ257の偶発的な始動を防止するように第2の内部コンダクタ318に接触する。また、このとき、可撓性アーム285は、拡大端部287がスプライン308上をスライドして通過することができるように外方へ撓むことができる。軸部分341がヘッダーアイレット126のスカート140内から取り外されると、弾性アーム332が図6に示した状態に戻ってセンターピン128との間に電気的な接触を形成する。こうして、インフレータ257の偶発的な始動がさらに防止される。
インフレータ257のカラー296とボディ322とカバー324とイニシエータ120とリテーナ298とは、例えば、上述した実施形態に関連して上述した方法によって製造される。インフレータ257の組立は、例えば、ボディ322のスカート144をカラー296に挿入すること、例えば、上述したように、ボディ322を固定することによってなされる。そして、短絡クリップ320がヘッダーアイレット126のスカート140に連結される。そして、リテーナ298がボディ322に超音波溶接される。そして、イニシエータ120がボディ322に挿入され、カバー324がボディ322に配置されて該ボディ322に超音波溶接される。そして、カラー296を始動端300に載置することによって完成された始動組立体292がハウジング290内に搭載可能である。
図5および図6に示したレセプタ294の全体的な形状は、図2〜図4に示したレセプタ94、194と同様である。したがって、レセプタ294は、例えば、図2に示したコネクタ26のような再利用不能なコネクタを受容することもできる。同様に、レセプタ94、194は、図5に示したコネクタ258と同様の再利用可能なコネクタを受容することもできる。短絡クリップ330は、再利用不能なコネクタとでも再利用可能なコネクタとでも機能し、いずれのタイプの膨張組立体においても使用可能である。
結果として、再利用可能なコネクタを使用するのか再利用不能なコネクタを使用するのかは、特定のインフレータのモデルとは無関係に選択される。再利用可能な搭載に対しても再利用不能な搭載に対しても別体のインフレータを作製する必要はなく、むしろ、相互に交換可能に接続可能な1つのインフレータを使用し、コネクタだけを異ならせる必要がある。
また、膨張組立体259は、偶発的な始動を防止するために短絡バー320と短絡クリップ330とを使用する。しかしながら、所望であれば、本発明の再利用可能なコネクタが短絡バー320と短絡クリップ330との一方または両方を排除するものでもよい。こうした選択は、膨張組立体259の多くの特徴を変更せずにユーザーが行うことができる。
別の実施形態として、本発明のリテーナが外方を向いたスプラインの代わりに内方を向いたスプラインを有していてもよい。こうしたリテーナの構成の一例を図7に示してあり、次にこれについて図7を参照しつつ説明する。
図7を参照すると、斜視図がインフレータ357とコネクタ358とを示しており、これらは、本発明の別の実施形態の膨張組立体359を形成している。図示したように、コネクタ358は、上述した実施形態に関連して説明したように、複数のブラケット64とタブ66とを使用して第2の部品362に取り付けられる第1の部品360を有する。
コネクタ358は、上述した実施形態のものと同様なヘッド370とロックブラケット268とを有する。ロックブラケット268は、ヘッドプレート271と2つのロックアーム272と短絡リブ273とを有する。上述した実施形態と同様に、ヘッド370から可撓性のある2つのアーム285が延びている。各可撓性アーム285は、スロット286と拡大された端部287とを有する。
コネクタ358は、上述した実施形態のスカート274の代わりに、ヘッド370から延びるロックリッジ374を有する。ロックリッジ374周りには、複数のリブ380が配列されている。リブ380は、ロックリッジ374から外方へ延びている。また、コネクタ358は、ロックリッジ374から延びる軸部分341を有する。また、コネクタ358は、概して、ヘッド370とロックリッジ374と軸部分341とを備えたメインボディ382を有する。また、コネクタ358は、メインボディ382を電気ライン22に接続する延長部分384を有する。
インフレータ357は、始動組立体392を収容するハウジング390を有する。始動組立体392は、コネクタ358を受容するように構成されたレセプタ394を有する。レセプタ394は、カラー396とリテーナ398とを有する。ハウジング390は、カラー396が載置される始動端400を有する。カラー396は、径方向内側の面402を有する。リテーナ398は、径方向内側の面404と径方向外側の面406とを有する。リテーナ398の径方向内側の面404を一周するように複数のスプライン408が配列されている。スプライン408は、コネクタ358のリブ380に噛合するように離間している。また、リテーナ398の径方向外側の面406にはリップ410が形成されている。
始動組立体392を、例えば、図5および図6に示した始動組立体392と同様に構成してもよい。したがって、インフレータ357の組立は、上述した実施形態に関連して説明したものと同様である。したがって、コネクタ358とインフレータ357との接続も、上述した実施形態に関連して説明したものと同様である。
正確には、ロックブラケット268が非ロック状態にあるときに、可撓性アーム285の拡大端部287がカラー396とリテーナ398との間の環状の空間に挿入される。そして、軸部分341が始動組立体392のイニシエータ(図示略)に係合するように挿入される。また、拡大端部287がリップ410上をスライドして通過することができるように可撓性アーム285が撓む。一方、コネクタ358は、例えば、スプライン408がリブ380に噛合するようにインフレータ357に対して僅かばかり回転せしめられる。
本明細書において「係合」とは、物理的な接触または物理的な相互接続を指す。また、別の部品に係合する部品が第2の部品を必ずしも「保持」する必要はない。ここで、「保持」とは、幾つかのタイプの係合から別の部品を取り外すことを物理的に阻止する部分である。
スプライン408とリブ380とが噛合すると、各可撓性アーム285が比較的屈折していない状態へスナップ式に戻ることができるように拡大端部287がリップ410を通過することができる。そして、ロックブラケット268がロック状態に移動せしめられ、コネクタ358を所定位置にロックすると共に保護短絡を膨張組立体359から取り除く。
膨張組立体359によって示したように、リテーナが内方を向いたスプラインを有すると共にコネクタが外方を向いたリブを有していてもよい。しかしながら、1つの欠点は、インフレータに対するコネクタの回転を許してしまう破断故障をリブが被ってしまう小さな面積しかないことである。
別の実施形態として、図2〜図7に示した包括的なタイプのリテーナを省略してもよい。その代わりに、スプラインやその他の方位ロック手段をカラーまたはインフレータのハウジングまたはワッシャに配置してもよい。こうした実施形態の幾つかを図8〜図16に示してあり、次にこれらを図8〜図16を参照しつつ説明する。
図8を参照すると、斜視図が本発明の別の実施形態の膨張組立体459を提供するためにコネクタ458と共に使用されるインフレータ457を示している。コネクタ458は、インフレータ457から外された状態で示されている。
コネクタ458は、図示したように、ハウジング460を有し、ハウジング460からロック延長部分474が突出している。ロック延長部分474は、ハウジング460と一体的に形成されていても形成されていなくてもよい。図示したように、ロック延長部分474から外方へ屈折可能なタブ478の形態の2つの突起が延びている。さらに、ロック延長部分474の一部の周りに複数のリブ480が配列されている。ロック延長部分474とそれに隣接するハウジング460の部分とがコネクタ458のメインボディ482を形成している。また、メインボディ482から電気ライン22まで延長部分484が延びている。
インフレータ457は、始動組立体492を収容するハウジング490を有する。始動組立体492は、コネクタ458を受容するように構成されたレセプタ494を有する。レセプタ494は、ハウジング490の始動端500に直接載置されるカラー496を有する。しかしながら、上述した実施形態のものと同様なリテーナは使用されていない。その代わりに、カラー496が径方向内側の面502を有し、この面502を一周するように複数のスプライン508が形成されている。コネクタ458の屈折可能なタブ478は、図9に関連して説明したのと同様に、カラー496に相互ロックすることによってコネクタ458をロックしてインフレータ457に係合させる。
図9を参照すると、側方立面断面図が図8に示した膨張組立体459を示しており、ここでは、インフレータ457の始動組立体492のみが示されている。始動組立体492は、上述した実施形態のものと同様なイニシエータ120を有する。さらに、始動組立体492は、概して、イニシエータ120を包み込むように図6に示したものと同様なカバー324と協力するように構成されたボディ522を有する。
ボディ522は、外側ショルダ546と内側ショルダ548とを有する。外側ショルダ546は、カラー496の径方向内側の面502に当接する。内側ショルダ548は、カバー324のリム150に当接し、リム150は、超音波溶接152によって内側ショルダ548に取り付けられる。また、ボディ522は、外側ショルダ546の外側に圧入部分554を有する。圧入部分554は、カラー496に押し付けられてボディ522とカラー496との間の領域、すなわち、ボディ522周りの領域からの湿気の進入や高圧ガスの流出に対するシールを提供する大きさである。カラー496は、カバー324のリム150を掴んでイニシエータ120とボディ522とカバー324とを保持するカールされたリップ556を有する。
コネクタ458とインフレータ457とは、容易に接続可能である。1つの接続方法の例では、ロック延長部分474がカラー496に挿入され、軸部分341がイニシエータ120のヘッダーアイレット126のスカート140に挿入される。このとき、屈折可能なタブ478が長手方向13に略整列する方位へと屈折し、カラー496の径方向内側の面502のスプライン508上をスライドして通過する。そして、コネクタ458のリブ480がカラー496の径方向内側の面502のスプライン508に係合する。上述した実施形態と同様に、このことは、例えば、インフレータ457に対してコネクタ458を幾分か回転させることを必要とする。
スプライン508とリブ480とが回転方向において整列されると、これらは、噛合して屈折可能なタブ478がスプライン508を通過して該スプライン508から外れることができるようにする。そして、屈折可能なタブ478が図9に示した屈折が小さい状態へスナップ式に戻り、このとき、屈折可能なタブ478がカラー496の内部に当接してコネクタ458がレセプタ494から引き抜かれることを防止する。そして、コネクタ458がイニシエータ120と電気的に接続されるように軸部分341がヘッダーアイレット126のスカート140内に大部分配置される。図1〜図4に示した実施形態と同様に、コネクタ458は、再利用不能なタイプであり、したがって、壊さなければレセプタ494から容易に取り外せない。
始動組立体492は、様々な方法で組立可能である。一例として、初めに、上述した実施形態に関連して説明したように、ボディ522がカラー496内に載置される。そして、圧入部分554がカラー496の径方向内側の面502にしっかりと係合する。そして、イニシエータ120が、例えば、圧入を要しつつボディ522に挿入される。そして、カバー324がボディ522に超音波溶接される。そして、カラー496がカールされてカバー324とボディ322とイニシエータ120とを保持する。
図10を参照すると、側方立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体559を形成するようにインフレータ557と共に使用される図8および図9に示したコネクタ458を示している。インフレータ557は、図示したように、始動組立体592を収容するハウジング590を有する。始動組立体592は、コネクタ458を受容するように構成されたレセプタ594を有する。
レセプタ594は、カラーの代わりに、インフレータ557の始動端600内に直接載置されるワッシャ598を有する。ワッシャ598は、径方向内側の面604を有し、この面694を一周するようにスプライン608が配列されている。図10では、スプライン608の外形形状は見られないが、これらスプラインは、上述した実施形態のカラー496に形成されたスプライン508と同様の形状をしている。
また、インフレータ557は、溶接112によって始動端600に取り付けられる封入端110を有する。封入端110は、上述した実施形態と同様に、バーストディスク116を介して始動組立体592から分離された所定量の発生材114を収容している。始動端600には始動通路118が形成されている。
レセプタ594は、ボディ622とカバー624とを有し、カバー624は、概して、上述した実施形態のものと同様なイニシエータ120を包み込むようにボディ622に取り付けられる。ボディ622は、ワッシャ598に当接する外側ショルダ646を有する。また、ボディ622は、カバー624に隣接するリップ648を有する。カバー624は、ボディ622のリップ648に係合するように構成されたリップ652を有するリム650を有する。
正確には、カバー624は、例えば、リム650を拡げ、該リム650のリップ652をボディ622のリップ648周りでスライドさせるようにしてボディを挿入することによってボディ622にスナップ式に適合され或いはスナップ式に係合せしめられる。ここで、リム650は、例えば、ボディの略円錐形の内側のリップ648にリップ652を押し付けることによって拡げられる。リップ652がリップ648を通過すると、リム650が屈折が小さい状態へ少なくとも部分的にリラックスし或いは「スナップ」式に戻り、このとき、カバー624がボディ622から外れてしまうことを防止するようにリップ648、652が阻止し合う。
イニシエータ120は、図示したように、ボディ622内に載置される。ボディ622とイニシエータ120とは、例えば、インフレータ557が点火されたときにインフレータ557によって生成されたガスがヘッダーアイレットとボディとの間から逃げないようにする圧入を提供する相対的な大きさである。また、カバー624のリム650とハウジング590の始動端600との間にOリング654が押し込まれている。Oリング654は、インフレータ557が始動したときにインフレータ557からのガスが始動端600とカバー624との間から逃げてしまうことを防止するように構成されている。概して、始動組立体が単独では十分なシールを提供することができない構成において、Oリングが使用される。
ハウジング590の始動端600は、ワッシャ598、したがって、始動組立体592全体を保持するカールされたリップ656を有する。カールリップ656は、Oリング654を圧縮状態に維持してシールを提供する。さらに、カールリップ656は、例えば、ボディ622とカバー624とをまとめて保持する圧力を維持する。
コネクタ458は、例えば、上述した実施形態と同様に、レセプタ594内に搭載される。軸部分341は、ヘッダーアイレット126のスカート140に挿入される。屈折可能なタブ478は、これらがワッシャ598上をスライドして通過するときに屈折する。リブ480は、屈折可能なタブ478が図10に示した状態にスナップ式に戻るまでコネクタ458を継続的に挿入することができるようにスプライン608に噛合する。そして、屈折可能なタブ478は、ワッシャ598に当接してコネクタ458がレセプタ594から引き出されてしまうことを防止する。
インフレータ557は、多くの方法で製造可能である。ヘッダーアイレット126のショルダ142がボディ622に当接するようにヘッダーアイレット126のスカート140を初めにボディ622に挿入することによって始動組立体592が組み立てられる。そして、上述したように、カバー624のリップ652をリップ648に押し付けることによってカバー624がボディ622にスナップ式に適合せしめられる。
そして、Oリング654がカバー624周りに配置され、ボディ622とカバー624とイニシエータ120と共に始動端600に挿入される。そして、ボディ622の外側ショルダ646がワッシャ598に当接するようにワッシャ598が始動端600に搭載される。そして、始動端600がカールされてカールリップ656を形成して始動組立体592を始動端600内に保持する。
図11を参照すると、側方立面断面が膨張組立体659の一部を示しており、この膨張組立体659は、本発明の別の実施形態のインフレータと共に上述した実施形態のコネクタ458を有する。簡単にするために、インフレータの始動組立体692のみを示しているが、インフレータの残りの部分は、上述した実施形態に関連して説明したインフレータと概ね同様である。
始動組立体692は、図示したように、コネクタ458を受容するように構成されたレセプタ694を有する。レセプタ694は、カラー696と該カラー696内に収容されるワッシャ698とを有する。カラー696は、径方向内側の面702を有する。また、ワッシャ698も、径方向内側の面704を有する。カラー696の径方向内側の面702を一周するようにスプライン708が配置されている。スプライン708は、例えば、図8および図9に示したカラー496のスプライン508と同様の形状をしている。
レセプタ694は、概して、イニシエータ120を包み込むようにカバー324に取り付けられるボディ722を有する。ボディ722は、外側ショルダ746と内側ショルダ748とを有する。外側ショルダ746は、ワッシャ698に当接し、内側ショルダ748は、カバー324に取り付けられる。外側ショルダ746は、例えば、ワッシャ698に対して平らになる略環状の形状をしている。内側ショルダ748は、カバー324のリム152に当接する略円錐形の形状をしている。リム152と内側ショルダ748とは、超音波溶接150によって互いに取り付けられる。
ボディ722は、外側ショルダ746と内側ショルダ748との間に圧入部分754を有する。圧入部分754は、例えば、カラー696に対して気密なシールを形成する。カラー696は、ワッシャ698とボディ622とカバー324とイニシエータ120とを保持するカールされたリップ756を有する。ワッシャ698は、組立中にボディ722の変形を制御することによってボディ722をカラー696内の適切な位置に維持する。さらに、ワッシャ698は、インフレータ作動中に生成される膨張ガスの圧力に対してボディ722を補強する。
コネクタ458とレセプタ694との接続は、図8および図9に関連して説明したものと概ね同じである。屈折可能なタブ478が屈折し、スプライン708上をスライドして通過する。そして、スプライン708とリブ480とが、おそらくは、コネクタ458を僅かに回転させることによって噛合し合い、コネクタ458の組立後の回転を防止するように噛合状態を維持する。そして、屈折可能なタブ478がカラー696の内部に当接してコネクタ458がレセプタ694から引っ張り出されてしまうことを防止する。
始動組立体692は、比較的容易に組立可能である。初めに、イニシエータ120のヘッダーアイレット126のスカート140がボディ722に挿入される。そして、カラー324がボディ722に配置されて該ボディ722に超音波溶接される。そして、図11に示したように、ワッシャ698がカラー696の径方向内側の面702に当接するようにカラー696に挿入される。そして、外側ショルダ746がワッシャ698に当接するようにボディ722とカバー324とイニシエータ120とがカラー696に挿入される。そして、カバー969がカールされてカールリップ756を形成し、このリップ756がワッシャ698とボディ722とカバー324とイニシエータ120とを保持する。そして、始動組立体692が、例えば、インフレータのハウジング(図示略)の始動端に搭載される。
図12を参照すると、側方立面断面図が本発明の他の膨張組立体759の一部を示している。膨張組立体759は、別の構成のインフレータに関連して使用される直ぐ上で説明した実施形態のコネクタ458を有する。インフレータの始動組立体792のみを示してある。
始動組立体792は、図示したように、コネクタ458を受容するように構成されたレセプタ794を有する。レセプタ794は、カラー796と該カラー796内に配置されるワッシャ798とを有する。カラー796は、径方向内側の面802を有する。また、ワッシャ798も、径方向内側の面804を有する。上述した実施形態と同様に、カラー796の径方向内側の面802を一周するように複数のスプライン808が配列されている。
レセプタ794は、ボディ822とカバー324と上述した実施形態のものと同様なイニシエータ120とを有する。カバー324は、概して、イニシエータ120を包み込むようにボディ822に取り付けられる。ボディ822は、外側ショルダ846と該外側ショルダ846の外側の保持ショルダ847とを有する。外側ショルダ846と保持ショルダ847とは、協力してワッシャ798を保持する。正確には、ボディ822は、ワッシャが外側ショルダ846と保持ショルダ847との間に挟まれるようにワッシャ798周りにインサート成形される。
ボディ822は、カバー324に隣接して内側ショルダ848を有する。カバー324は、超音波溶接152によって内側ショルダ848に取り付けられるリップ150を有する。また、ボディ822は、例えば、ワッシャ798の外側に圧入部分854を有する。圧入部分854は、カラー796の径方向内側の面802に対して圧入を形成する大きさである。また、カラー796は、カバー324、したがって、ボディ822とワッシャ798とイニシエータ120とを保持するカールされたリップ856を有する。
コネクタ458とレセプタ794との接続は、上述した実施形態のものと同様である。また、スプライン808は、屈折可能なタブ478が図12に示した状態にスナップ式に戻るまでコネクタ458を挿入することができるようにコネクタ458のリブ480に噛合する。スプライン808は、コネクタ458が壊されずにレセプタ794から引き出されることを防止し、スプライン808とリブ480とは、組立後の相対的な回転を防止するように噛合し続ける。
始動組立体792は、比較的容易に製造可能である。一例では、初めに、ボディ822がワッシャ798周りにインサート成形される。そして、ヘッダーアイレット126のショルダ142がボディ822に当接するまでイニシエータ120のヘッダーアイレット126のスカート140がボディ822に挿入される。そして、カバー324がボディ822に配置されて該ボディ822に超音波溶接される。そして、ボディ822とカバー324とイニシエータ120とワッシャ798とがカラー796に挿入され、カラーがカールされてボディ822とカバー324とイニシエータ120とワッシャ798とを保持する。そして、カラー796が、例えば、インフレータハウジング(図示略)の始動端に載置される。
図13を参照すると、側方立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体859を提供するように上述したコネクタ458に関連して使用されるインフレータ857を示している。インフレータ857は、図示したように、始動組立体892を収容するハウジング890を有する。始動組立体892は、コネクタ458を受容するように構成されたレセプタ894を有する。
レセプタ894は、ハウジング890の始動端900内に直接載置されるカラー896を有する。カラー896は、例えば、スタンピングなどの方法を使用してスチールなどの金属から作製される。したがって、カラー896は、例えば、キャスティングのみを使用した場合には容易には形成できないアンダーカット形状の径方向内側の面902を有する。また、カラー896の径方向内側の面902を一周するようにスプライン908が配列されている。スプライン908は、概して、例えば、上述した実施形態のスプライン808と同様な外形形状をしている。
レセプタ894は、ボディ922とカバー324とイニシエータ120とを有し、イニシエータ120は、概して、ボディ922とカバー324とによって包み込まれている。ボディ922は、カラー896周りにインサート成形される。正確には、ボディ922は、概して、カラー896の径方向内側の面902内に配置されるスカート944を有する。ボディ922の残りの構成は、カラー896がスカート944とボディ922の残りの構成要素との間に捕えられるようにカラー896の外側に概して配置されている。
また、ボディ922は、カラー896に当接する外側ショルダ946とカバー324に取り付けられる内側ショルダ948とを有する。カバー324は、超音波溶接152によって内側ショルダ948に取り付けられるリム150を有する。また、ボディ922は、始動端900の内側に圧入を提供する大きさの圧入部分954を有する。始動端900は、カラー896、したがって、ボディ922とカバー324とイニシエータ120とを保持するカールされたリップ956を有する。
コネクタ458は、上述した実施形態と略同じようにレセプタ894内に搭載される。屈折可能なタブ478は、屈折し、スプライン908上をスライドして通過し、スプライン908は、コネクタ458のリム480に噛合する。また、屈折可能なタブ478は、コネクタ458がレセプタ894から引き出されることを防止し、スプライン908とリブ480との噛合は、組立後の相対的な回転を防止する。
図14を参照すると、側方立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体959の一部を示している。膨張組立体959は、インフレータと共に上述した実施形態のコネクタ458を有し、ここでは、その始動組立体992のみを示してある。始動組立体992は、コネクタ458を受容するように構成されたレセプタ994を有する。
レセプタ994は、カラー996を有し、カラー996は、例えば、インフレータのハウジング(図示略)によって直接保持される。また、カラー996は、径方向内側の面1002を有し、この面1002を一周するように複数のスプライン1008が配列されている。スプライン1008は、図8および図9に示したスプライン508と略同様な形状をしている。
また、カラー996は、略円錐形の内面1010を有し、この内面1010上に環状の隆起部分1012が形成されている。略円錐形の内面1010は、例えば、カラー996の軸線に対して約45度の角度に配置されている。別の実施形態として、異なる角度の面や円錐形ではない面を使用してもよい。例えば、円錐形の内面1010の代わりに、弯曲した内面を使用してもよい。
断面で見たとき、環状の隆起部分1012は、第1の面1014と第2の面1016とを有する。これら第1の面1014と第2の面1016とは、約90度の角度で交わる。第1の面1014と第2の面1016とは、略円錐形の内面1010の角度のために約45度の角度で内方に向っている。所望であれば、別の角度を採用してもよい。第1の面1014と第2の面1016とは、図示したように、実質的に尖った連結点または半径の小さい点で収束する。
また、始動組立体992は、イニシエータ1020を有し、イニシエータ1020は、例えば、イニシエータ120のものと略同様な構成要素を有する。しかしながら、イニシエータ1020は、おそらくは、低威力始動用の少量の点火材(図示略)を備えた比較的コンパクトなデザインである。しかしながら、イニシエータ1020は、例えば、イニシエータ120のものと同様なヘッダーアイレット126とセンターピン128とを有する。
イニシエータ1020は、概して、ボディ1022とカバー1024との中に包み込まれている。ボディ1022とカバー1024とは、上述した実施形態と同様に、イニシエータ1020周りにスナップ式に共に適合される。ボディ1022は、スカート1044を有し、このスカート1044は、ヘッダーアイレット126のスカート140の少なくとも一部を包囲すると共にカラー996の内側に配置されている。また、ボディ1022は、カラー996の略円錐形の内面1010に当接する外側ショルダ1046とカバー1024にスナップ式に適合するリップ1048とを有する。
正確には、カラー996の材料がボディ1022の材料よりも硬いので、カラー996の環状の隆起部分1012は、図示したように、外側ショルダ1046に押し込まれてボディ1022を包囲する領域をガスが通ることを防止するためにシールを形成する。第1の面1014と第2の面1016との間の角度は、環状の隆起部分1012によってボディ1022を変形させやすくする。また、環状の隆起部分1012は、Oリングを不要とすることによって部品を省略し、或いは、例えば、Oリングによって提供されるシール作用を補うために使用される。また、組立中に不注意に忘れられてしまう可能性のある別体のシール部分がないことから、環状の隆起部分1012は、比較的安全な手段である。
また、カバー1024は、上述した実施形態に関連して説明したように、ボディ1022のリップ1048にスナップ式に係合するように構成されたリップ1052を備えたリム1050を有する。また、カバー1024の長手方向の寸法は、イニシエータ1020のコンパクトな大きさに適合するように比較的短い。また、カラー996は、カバー1024を直接保持することによってボディ1022とイニシエータ1020とを保持するカールされたリップ1056を有する。
また、コネクタ458は、上述した実施形態と同様に、レセプタ494内に搭載される。軸部分341は、イニシエータ1020のヘッダーアイレット126のスカート140に挿入され、屈折可能なタブ478は、屈折し、カラー996のスプライン1008上をスライドして通過する。スプライン1008は、小さな回転による整列後にコネクタ458のリブ480と噛合する。そして、屈折可能なタブ478は、スライドしてスプライン1008から外れ、図示したように、屈折の小さい状態に戻ってコネクタ458がレセプタ994から引っ張り出されてしまうことを防止する。また、スプライン1008は、リブ480に噛合して組立後の相対的な回転を防止する。
始動組立体992は、様々な方法で組立可能である。例えば、初めに、外側ショルダ1046が環状のリッジ1012に押し付けられて該環状のリッジ1012によって変形されるようにボディ1022がカラー996に挿入される。そして、ヘッダーアイレット126のスカート140がボディ1022のスカート1044内に押し込まれるようにイニシエータ1020が挿入される。そして、カバー1024がイニシエータ1020上に配置され、ボディ1022に係合するように押し付けられる。そして、カラー996がカールされてカバー1024とボディ1022とイニシエータ1020とを保持する。なお、上述した実施形態と同様に、ボディ1020をカラー996に挿入する前にボディ1022とカバー1024とをイニシエータ1020周りに共に取り付けてもよい。
図15を参照すると、側方立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体1059を提供するためにカラー458に関連して使用される別の構成のインフレータ1057を示している。インフレータ1057は、図示したように、運転手側の正面衝撃エアバッグなどに適したタイプである。このように、本発明の様々な膨張組立体は、特定のタイプのインフレータやエアバッグへの適用に限定されない。
インフレータ1057は、図示したように、概して、始動組立体1092を収容するハウジング1090を有する。始動組立体1092は、図10に示した膨張組立体559の始動組立体592と同様である。また、始動組立体1092は、コネクタ458を受容するように構成されたレセプタ1094を有する。レセプタ1094は、図10に示した膨張組立体559のワッシャ598と同様に、コネクタ458を保持するワッシャ1098を有する。ワッシャ1098は、径方向内側の面604を有し、この面604上にワッシャ598のものと同様なスプライン608が配列されている。
ハウジング1090は、始動端1100を有し、概して、この始動端1100に始動組立体1092が配置される。さらに、ハウジング1090は、図1に示した発生材114と同様な所定量の発生材(図示略)を収容する封入端1110を有する。封入端1110は、例えば、該封入端1110を始動端1100に取り付ける溶接、機械的なファスナ列、または、その他の機構を備えた連結部1112のところで始動端1100に出会う。始動組立体1092を受容して保持するために始動端1100にソケット1118が形成されている。発生材は、例えば、ソケット1118に直接接触し、或いは、バーストディスクなどによってソケット1118から分離されている。
また、始動組立体1092は、ワッシャ1098に加えてイニシエータ120とボディ622とカバー624とOリング654とを有し、これらは、例えば、図10に示した対応する要素と同じである。カバー624は、図示したように、ボディ622にスナップ式に適合される。ボディ622は、外側ショルダ646とリップ648とを有する。また、カバー624は、リップ652を備えたリム650を有し、リップ652は、ボディ622のリップ648にスナップ式に係合することができるように拡がることができる。Oリング654は、ボディ622を包囲する領域、または、ボディ622とソケット1118との間の領域を通ってガスがインフレータ1057に流入したりインフレータ1057から流出したりすることを防止する。
ワッシャ1098は、図示したように、いかなるタイプのカールされたリップによっても保持されておらず、溶接1155によってハウジング1090の始動部分1100の外壁に面一の形で固定される。溶接1155は、例えば、ワッシャ1098の周面周りに延在する従来の熱溶接、または、プロジェクション溶接、または、レーザー溶接である。ソケット1118は、例えば、Oリング654、したがって、始動組立体1092の残りの部分を保持するリップ1156を有する。リップ1156は、例えば、ソケット1118の残りの部分を形成するために使用される同じ処理によってカールされ或いは形成される。
また、コネクタ458は、図10に示したレセプタ594と同様に、レセプタ1094内に搭載される。軸部分341は、イニシエータ120のヘッダーアイレット126のスカート140に挿入され、屈折可能なタブ478は、屈折し、スプライン608上をスライドして通過する。スプライン608は、コネクタ480のリブ480に容易に整列され、リブ480に噛合して屈折可能なタブ478が移動してスプライン608から外れることができるようにする。そして、屈折可能なタブ478は、屈折が小さな状態に戻ってコネクタ458がレセプタ1094から取り外されてしまうことを阻止する。スプライン608とリブ480との噛合は、組立後の相対的な回転を防止する。
また、インフレータ1057は、例えば、初めに、スタンピングなどによってハウジング1090を形成することによって製造可能である。一例では、ソケット1118が対応する形状を有する型によって始動端1100にスタンプ加工される。リップ1156は、単に、スタンピングプロセスの一部として形成されてもよいし、所望であれば、所定の形状に別個にカールされてもよい。始動端1100と封入端1110とが形成された後、発生材が始動端1100と封入端1110との一方に挿入され、これら始動端1100と封入端1110とがイナーシャル溶接やファスニングなどによって連結部1112のところで互いに取り付けられる。
そして、ボディ622とカバー624とがイニシエータ120周りに共にスナップ止めされる。そして、Oリング654がソケット1118に挿入され、或いは、カバー624周りに配置され、そして、図示したように、Oリング654がリップ1156とカバー624との間で圧縮されるようにカバー624とボディ622とイニシエータ120とがソケット1118に挿入される。そして、ワッシャ1098が始動端1100に配置されて該始動端1100に溶接1155によって取り付けられる。
図16を参照すると、本発明の別の実施形態の膨張組立体1159を提供するためにコネクタ458に関連して異なる構成のインフレータ1157が使用される。インフレータ1157は、運転手側の側方衝撃または正面衝撃用エアバッグなどに使用可能なタイプである。また、インフレータ1157は、上述した実施形態のハウジング1090と略同様なハウジング1190を有する。ハウジング1190は、始動組立体1192を有する。始動組立体1192は、コネクタ458を受容するように構成されたレセプタ1194を有する。
また、レセプタ1194は、カラー1196を有し、カラー1196は、例えば、ハウジング1190の始動端1200に直接固定される。また、カラー1196は、径方向内側の面1202を有し、ハウジング1190の始動端1200も、径方向内側の面1204を有する。始動端1200の径方向内側の面1204を一周するように複数のスプライン1208が配列されている。
また、レセプタ1194は、イニシエータ120とボディ1222とカバー1224とを有し、カバー1224は、イニシエータ120を概して包み込むようにボディ1222に取り付けられる。ボディ1222は、ハウジング1190の始動端1200に当接する外側ショルダ1246を有する。外側ショルダ1246には、環状の凹部1247が形成されている。また、ボディ1222は、カバー1224に隣接した内側ショルダ1248を有する。また、カバー1224は、超音波溶接1252によって内側ショルダ1248に取り付けられるリム1250を有する。内側ショルダ1248は、上述した実施形態とは異なり、略管状の形状をしている。リム1250は、内側ショルダ1248を受容するように対応する形態の形状をしている。内側ショルダ1248の径方向外側の面には、超音波溶接1252が配置される。
また、外側ショルダ1246の環状の凹部1247には、Oリング1254が配置されている。また、カラー1196は、該カラー1196の周囲面に形成された溶接1255によってハウジング1190の始動端1200に取り付けられる。溶接1255は、例えば、インフレータ1157の内部の残りの構成要素と始動組立体1192との間に密封シールを提供するものではない。したがって、環状の凹部1247にOリング1254を配置することによって始動端1200の径方向内側の面1204とコネクタ458との間の空間を通ってインフレータ1157の内部にガスが流入したりインフレータ1157の内部からガスが流出したりすることが抑制される。また、カラー1196は、カバー1224、したがって、ボディ1222とイニシエータ120とを保持するリップ1256を有する。
また、コネクタ458は、上述した実施形態と同様に、レセプタ1194内に搭載される。正確には、軸部分341がイニシエータ120のヘッダーアイレット126のスカート140に挿入され、屈折可能なタブ478が屈折し、始動端1200のスプライン1208上をスライドして通過する。そして、スプライン1208がコネクタ458のリブ480と噛合し、屈折可能なタブ478がスライドしてスプライン1208から外れて屈折が小さい状態に戻ることができるようにする。屈折可能なタブ478は、コネクタ458がレセプタ1194から引っ張り出されてしまうことを防止し、リブ480は、コネクタ458とインフレータ1157との組立後の相対的な回転を防止する。
また、インフレータ1157は、様々な方法で組立可能である。1つの方法では、キャスティングやスタンピングなどによって始動端1200と封入端1110とが形成される。所望であれば、始動端1200の全体形状を1つのプロセスによって形成してもよいし、別々の処理を使用して始動端1200にスプライン1208を形成してもよい。また、カラー1196は、例えば、スタンピングなどによって形成される。また、リップ1156は、例えば、スタンピング処理の一部として、或いは、別々のカール処理で形成される。
そして、イニシエータ120がボディ1222に挿入され、カバー1224がボディ1222に配置されて、上述したように、該ボディ1222に超音波溶接される。そして、Oリング1254が環状の凹部1247に挿入される。そして、カバー1224のリム1250がカラー1196のリップ1256に当接するまでイニシエータ120とボディ1222とカバー1224とOリング1254とがカラー1196に挿入される。そして、カラー1196とボディ1222とカバー1224とイニシエータ120とOリング1254とが始動端1200に対して配置され、カラー1196が溶接1255によって始動端1200の内面に取り付けられる。そして、ハウジング1190の2つの端部1200、1110が発生材(図示略)を包囲するように連結点1112のところで互いに取り付けられる。
図17を参照すると、本発明の別の実施形態の膨張組立体1259を提供するために図1〜図3に示したコネクタ26に関連して異なる構成のインフレータ1257が使用される。コネクタ26は、メインボディ82を有し、メインボディ82において、ヘッド70が該ヘッド70から延びるスカート74を備える。ヘッド70およびスカート74内から軸部分141が延びている。スカート74は、末端リング76を有し、この末端リング76から軸部分141に向って内方へ一対の突起または屈折可能なタブ78が延びている。
インフレータ1257は、上述した2つの実施形態と同様に、運転手側の側方衝撃エアバッグや正面衝撃エアバッグなどに使用されるタイプである。また、インフレータ1257は、上述した実施形態のハウジング1190と略同様なハウジング1290を有する。ハウジング1290は、始動組立体1292を収容する。始動組立体1292は、コネクタ26を受容するように構成されたレセプタ1294を有する。
また、ハウジング1290は、始動端1300を有し、この始動端1300に始動組立体1292が概して配置される。さらに、ハウジング1290は、図15に示したものと同様な封入端1110を有する。封入端1110は、連結部1112のところで始動端1300に出会う。始動組立体1292を受容して保持するために始動端1300にソケット1318が形成されている。
また、レセプタ1294は、図1〜図3に示した実施形態のものと同様なリテーナ98を有する。リテーナ98は、径方向内側の面104と径方向外側の面106とを有する。また、リテーナ98は、径方向外側の面106を一周するように配列された複数のスプライン108を有する。スプライン108は、上述したように、回転方向のロックが可能なようにリブ80間の空間に対応するように互いに離間せしめられている。
また、レセプタ1294は、イニシエータ120とボディ322とカバー324とを有し、カバー324は、イニシエータ120を概して包み込むようにボディ322に取り付けられる。イニシエータ120は、上述した実施形態と同様に、ヘッダーアイレット126とセンターピン128とスカート140とショルダ142とを有する。また、ボディ322とカバー324とは、図6に示したものと同様である。したがって、ボディ322は、ハウジング1290の始動端1300に当接する外側ショルダ346を有する。また、ボディ322は、カバー324に隣接して内側ショルダ348を有する。また、カバー324は、超音波溶接152によって内側ショルダ348に取り付けられるリム150を有する。また、ボディ322は、スカート144を有し、このスカート144に超音波溶接155によってリテーナ98が取り付けられる。また、スカート144は、ソケット1318の圧入部分1345によって保持される。
また、コネクタ26は、例えば、図1〜図3に示した実施形態と同様に、レセプタ1294内に搭載される。詳細には、軸部分141がイニシエータ120のヘッダーアイレット126のスカート140に挿入され、屈折可能なタブ78が屈折し、リテーナ98のスプライン108上をスライドして通過する。そして、スプライン108がコネクタ26のリブ80に噛合し、屈折可能なリブ78がスライドしてスプライン108から外れて屈折が小さい状態に戻ることができるようにする。屈折可能なタブ78は、コネクタ26がレセプタ1294から引っ張り出されることを防止し、スプライン108とリブ80との噛合は、コネクタ26とインフレータ1257との組立後の相対的な回転を防止する。
また、インフレータ1257は、様々な方法で組立可能である。1つの方法では、始動端11300と封入端1110とがキャスティングやスタンピングなどによって形成される。そして、イニシエータ120がボディ322に挿入され、カバー324が、上述したように、ボディ322に配置されて該ボディ322に超音波溶接される。そして、イニシエータ120とボディ322とカバー324とがソケット1318の圧入部分1345に対する位置へ進められる。そして、ボディ322とカバー324とイニシエータ120とが始動端1300に対して配置され、リテーナ98が超音波溶接155によってボディ322のスカート144に取り付けられる。そして、ハウジング1290の2つの端部1300、1100が発生材(図示略)を収容するように連結部1112において互いに取り付けられる。
図18を参照すると、本発明の別の実施形態の膨張組立体1359を提供するために図1〜図3に関連して異なる構成のインフレータ1357が使用される。ここでも、コネクタ26は、メインボディ82を有し、メインボディ82において、ヘッド70が該ヘッド70から延びるスカート74を備える。ヘッド70およびスカート74内から軸部分141が延びている。スカート74は、末端リング76を有し、この末端リング76から軸部分141に向って内方へ一対の突起または屈折可能なタブ78が延びている。
インフレータ1357は、上述した3つの実施形態と同様に、運転手側の側方衝撃用エアバッグや正面衝撃用エアバッグなどに使用されるタイプである。インフレータ1357は、上述した実施形態のハウジング1290と略同様なハウジング1390を有する。ハウジング1390は、始動組立体1392を収容する。始動組立体1392は、コネクタ26を受容するように構成されたレセプタ1394を有する。
また、ハウジング1390は、始動端1400を有し、この始動端1400に始動組立体1392が概して配置される。さらに、ハウジング1390は、図15に示したものと同様な封入端1110を有する。封入端1110は、連結部1112のところで始動端1400に出会う。始動組立体1392を受容して保持するために始動端1400にソケット1428が形成されている。ソケット1418は、例えば、上述した実施形態のソケット1318と形状は同じであるがそれよりも僅かに大きい。
また、レセプタ1314は、図1〜図3に示した実施形態のものと同様なリテーナ98を有する。ここでも、リテーナ98は、径方向内側の面104と径方向外側の面106とを有する。また、リテーナ98は、径方向外側の面106を一周するように配列された複数のスプライン108を有する。スプライン108は、上述したように、回転方向のロックが可能なようにリブ80間の空間に対応するように互いに離間している。
さらに、レセプタ1394は、イニシエータ120とボディ1422とカバー124とを有し、カバー124は、イニシエータ120を概して包み込むようにボディ1422に取り付けられる。イニシエータ120は、上述した実施形態と同様に、ヘッダーアイレット126とセンターピン128とスカート140とショルダ142とを有する。また、ボディ1422は、スカート1444を有し、このスカート1444にリテーナ98が取り付けられる。また、スカート1444は、ソケット1318の圧入部分1445によって保持される。また、ボディ1422は、ハウジング1390のソケット1418に当接する外側ショルダ1446を有する。外側ショルダ1446には、環状の凹部1447が形成されている。また、ボディ1422は、カバー124に隣接して内側ショルダ1447を有する。カバー124は、例えば、図3に示したものと同様である。したがって、カバー124は、超音波溶接152によって内側ショルダ1448に取り付けられるリム150を有する。
また、外側ショルダ1446の環状の凹部1447には、Oリング1454が配置される。ソケット1418の圧入部分1445内へのスカート1444の圧入は、始動組立体1392とソケット1418との間の密封シールを提供するものではない。したがって、Oリング1454を環状の凹部1447内に配置することによってスカート1444と圧入部分1445との間でガスがインフレータ1357に流入したりインフレータ1357から流出したりすることが抑制される。
また、コネクタ26は、例えば、図1〜図3に示したものと同様に、レセプタ1394内に搭載可能である。正確には、軸部分141がイニシエータ120のヘッダーアイレット126のスカート140に挿入され、屈折可能なタブ78が屈折し、リテーナ98のスプライン108上をスライドして通過する。そして、スプライン108がコネクタ26のリブ80に噛合し、屈折可能なタブ78がスライドしてスプライン108から外れて屈折が小さい状態に戻ることができるようにする。屈折可能なタブ78は、コネクタ26がレセプタ1394から引っ張り出されることを防止し、スプライン108とリブ80との噛合は、コネクタ26とインフレータ1357との組立後の相対的な回転を防止する。
また、インフレータ1357は、様々な方法で組立可能である。1つの方法では、始動端1400と封入端1110とがキャスティングやスタンピングなどによって形成される。そして、イニシエータ120がボディ1422に挿入され、カバー124が、上述したように、ボディ1422に配置されて該ボディ1422に超音波溶接される。そして、Oリング1454がボディ1422の外側ショルダ1446の環状の凹部1447内に配置される。そして、イニシエータ120とボディ1422とカバー124とOリング1454とがソケット1418の圧入部分1445に対する位置へと進められる。そして、ボディ1422とカバー124とイニシエータ120とが始動端1300に対して配置され、リテーナ98がボディ1422のスカート1444に取り付けられる。そして、ハウジング1390の2つの端部1400、1110が発生材(図示略)を包囲するように連結部1112のところで互いに取り付けられる。
ところで、「適合型インフレータ」は、衝突の程度に応じて可変な量のガスを生成するインフレータである。幾つかの適合型インフレータは、独立して作動可能であることを必要とされる複数のイニシエータを有する。したがって、別個のコネクタが使用され、これらコネクタは、正確な作動を確実なものとするためにイニシエータに適切に接続されなければならない。したがって、適切なコネクタのみが各レセプタに接続可能であることを確実なものとするためには、インフレータの2つのレセプタを「キー適合構造化」することが望ましい。
一例では、キー適合構造化は、例えば、異なる数のスプラインとリブとを備えたレセプタとコネクタとを使用することによって達成される。したがって、各レセプタが複数のスプラインを有し、同数のリブを備えたコネクタのみを受容する。しかしながら、組立後の回転および/またはキー適合構造化を防止するために、スプラインやリブに加えて他の構造を使用してもよい。こうした例の幾つかを図19A〜図19Eに示してあり、次にこれについて図19A〜図19Eを参照して説明する。
図19Aを参照すると、正面立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体1460を示している。膨張組立体1460は、レセプタ1464を備えたインフレータ1462と、レセプタ1464に受容されるように構成されたコネクタ1466とを有する。ここでは、コネクタ1466を横切り且つインフレータ1462を横切らないように断面をとってある。コネクタ1466は、ロック延長部分1468を有し、このロック延長部分1468は、図8および図9に示したロック延長部分474と同様に、レセプタ1464内へと延びて該レセプタ1464に相互ロックする。
ロック延長部分1468の断面は、図示したように、略円形の形状をしている。円形の形状は、レセプタ1464の全体形状に適合する。したがって、同様の大きさの非円形断面のロック延長部分は、レセプタ1464には嵌まらない。所望であれば、組立後の回転を防止するためにスプライン、リブ、および/または、その他の手段を使用してもよい。
図19Bを参照すると、正面立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体1470を示している。膨張組立体1470は、コネクタ1476を受容するように構成されたレセプタ1474を備えたインフレータ1472を有する。コネクタ1476は、レセプタ1474の形状に対応する略三角形の形状のロック延長部分1478を有する。三角形の形状は、キー適合構造化を提供し、インフレータ1472に対するコネクタ1476の組立後の回転を防止する。
したがって、例えば、図19Bに示したコネクタ1476を図19Aに示したレセプタ1464に挿入することはできず、また、図19Aに示したコネクタ1466を図19Bに示したレセプタ1474に挿入されことはできない。したがって、レセプタ1464、1474は、1つの適合型インフレータに配置可能であり、それぞれ、適切なコネクタのみを受容する。さらに、所定の搭載において間違ったインフレータの使用が防止される。
図19Cを参照すると、正面立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体1480を示している。膨張組立体1480は、コネクタ1486を受容するように構成されたレセプタ1484を備えたインフレータ1482を有する。コネクタ1486は、キー適合構造化を提供すると共に組立後の相対的な回転を防止するためにレセプタ1484の形状に対応する略正方形の形状のロック延長部分1488を有する。なお、正方形ではなく、平行四辺形の形状を採用してもよい。
図19Dを参照すると、正面立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体1490を示している。膨張組立体1490は、コネクタ1496を受容するように構成されたレセプタ1494を備えたインフレータ1492を有する。コネクタ1496は、キー適合構造化を提供すると共に組立後の相対的な回転を防止するためにレセプタ1494の形状に対応する略五角形のロック延長部分1498を有する。なお、辺が5つある他の形状を採用してもよい。
図19Eを参照すると、正面立面断面図が本発明の別の実施形態の膨張組立体1500を示している。膨張組立体1500は、コネクタ1506を受容するように構成されたレセプタ1504を備えたインフレータ1502を有する。コネクタ1506は、キー適合構造化を提供すると共に組立後の相対的な回転を防止するためにレセプタ1508の形状に対応する略六角形のロック延長部分1508を有する。なお、辺が6つある他の形状を採用してもよい。さらに、インフレータの搭載や作動の正確さを高めるために辺を多数有する形状、丸い形状、または、丸まった辺と真っ直ぐな辺とが混在する形状を採用してもよい。
本発明によって提供される始動組立体は、エアバッグでの利用に限定されるものではない。むしろ、本発明のシステムや方法は、エクスプロッシブ、フレア、ビジュアルエフェクトなどの様々な火工装置に関連して利用可能である。そして、当技術分野で利用可能な知識を用いれば、こうした利用に上述した様々な実施形態を容易に適応させることができる。
また、本発明を利用すれば、部品点数や労力のかかる製造工程を少なくすることができるので、インフレータをシンプルで安価に製造可能である。さらに、本発明のエアバッグモジュールの電気的な接続は、エアバッグシステムの信頼性や正常性に悪影響を与えることなく、簡単に素早く組立可能である。
本発明は、本明細書で広義に説明し且つ特許請求の範囲に規定したように、その構造、方法、その他の本質的な特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態でもって実施可能である。説明した実施形態は、全ての点において例示的なものであって限定的なものではない。したがって、本発明の範囲は、上述した説明ではなく、特許請求の範囲で規定される。特許請求の範囲における意味や特許請求の範囲の均等の範囲における全ての変更事項も本発明の範囲に含まれる。