JP4550591B2 - 医療装置を嵌植するための位置決めツール及び方法 - Google Patents

Description

発明の分野

本発明は、一般に、医療装置の嵌植を容易にするツール及び方法、特に、医用インプラントを体組織へ取り付けるために該医用インプラントを適切な位置へ拡張させ位置決めするツール及び方法の分野に関する。

発明の背景

様々なタイプの外科手術手順において、医療装置は、外科医が直接見ることができない、あるいは、外科医の手指がアクセスすることが難しい人体内の位置に嵌植される。したがって、そのような手順は、目視のための内視鏡と、手順を行うのための内視鏡機器を使用して実行される。そのような手順の１つは、摂食量を制限し及び/又は肥満に悩む患者の空腹感を制御するために使用する飽食装置の嵌植である。好ましい方法では、そのような装置は食道を通して胃の中に入れられ、縫合糸、クリップ、ステープル、接着剤などを使用して胃の中に固定される。ここで説明するツールと方法は、飽食装置を胃の中に導入して操作して適切な嵌植位置に置くことに役立ち、ツールと方法は、そういった文脈で説明される。しかしながら、これらのツールと方法はまた、他のタイプの医用インプラントを用いて使用可能であり、また、体の他の領域での使用も可能であることが理解されるべきである。

人間の胃Sと、関連する特徴の解剖学的な図を図1に示す。食道Eは食物を口から胃Sの近位部まで配送する。Z線（即ち、胃食道結合部）Ｚは、食道の薄い組織と、胃壁のより厚い組織との間の不規則な形をした境界である。胃食道結合領域Gは食道Eの遠位部、Z線及び胃Sの近位部を包含する領域である。

胃Sは近位端において基底部F、遠位端において幽門洞Aを含んでいる。幽門洞Aは幽門Pへと繋がり、幽門Pは小腸の近位部分である十二指腸Dに取り付いている。幽門Pには十二指腸Dから胃への食物の逆流を防ぐ括約筋が存在する。十二指腸Dの遠位位置に位置する小腸の中央部分は空腸Jである。

肥満制御に使用される医用インプラント装置は、2001年8月27日出願のU.S.特許出願No.09/940,110、2002年4月8日出願のU.S.特許出願No.10/118,289、2002年5月10日出願のU.S.仮特許出願No.60/379,306、及び2003年1月16日出願のU.S. 特許出願No.10/345,69（発明の名称「飽食パウチとその使用方法」）に示され説明されている。これらの特許出願の開示は参照のためにここに組み入れられる。これらの特許出願は本願の譲受人によって所有されている。これらの特許出願において説明される1タイプの飽食装置は図2に示されるように胃の近位部に配設可能な補綴パウチである。パウチ2は近位開口部4と、それよりも小さい遠位開口部6を含み、かまれた食物を食道から集めるリザバーを形成して一度に消費される食物の量を制限する。パウチは食物で満ちると拡張して胃の上部と下部食道括約筋に対して圧力を伝達して患者に満腹感を与える。クリップ、縫合糸又は同様の手段8を使用してパウチは近位開口部4の周辺のアンカー点において適所に固定される。ワイヤアンカーループ9は望ましくは、受け構造又は受けクリップを備える。但し、パウチ壁に直接通した縫合糸、ステープル、クリップなどを使用して組織にパウチをまた固定することができる。あるいはまた、パウチを周囲組織に取り付ける間に縫合糸を受けるための窓7をパウチに形成することもできる。

患者によって摂取された食物の実質的にすべてがパウチに入るとき、パウチの最適性能は達成される。しかしながら、胃食道結合領域の組織及び/又はパウチ形成材料のフレキシブルな性質により、パウチの近位周辺と、隣接アンカー点間の領域における周囲組織の間にギャップが生じうる。パウチに入る又はパウチ内に蓄積する食物はギャップから浸出してパウチの外部に回り込んで直接胃に入ることができ、その結果、プロテーゼの有効性を減少させる。従って、アンカー点間のギャップの形成を最小にする位置及び向きにパウチを取り付けることが望ましい。

ここに説明するものは、医用インプラントを運ぶために、細長い部分を含む位置決めツールであり、また、医用インプラントを位置決めするのに細長い位置決めツールを使用する方法である。方法の１形態は、医用インプラントを細長い位置決めツールの遠位部に位置決めし、位置決めツールをその上に置かれた医用インプラントと共に体腔に挿入し、位置決めツールを操作して取付位置において医用インプラントを組織に接触するように置き、取付位置において医用インプラントを周囲組織に取り付け、位置決めツールと医用インプラントを切り離し、体から位置決めツールを引き抜くことを含んでいる。好適実施例では、医用インプラントの位置は、医用インプラントが周囲組織に取り付けられる前に内視鏡を使用して目視により確認される。1実施例では、医用インプラントが飽食装置であり、体腔は食道及び/又は胃である。１代替実施例において、細長い部分の遠位端上の拡張構造は位置決めを容易にするために医用インプラントを拡張させ及び/又は収縮させる。

図1のパウチ2などの飽食パウチの嵌植に関して、使用する位置決めツールと方法を説明する。パウチその他の飽食装置の様々な実施例の記述は2001年8月27日出願のU.S.特許出願No.09/940,110、2002年4月8日出願のU.S.特許出願No.10/118,289、2002年5月10日出願のU.S.仮特許出願No.60/379,306、及び2003年1月16日出願のU.S. 特許出願No.10/345,69（発明の名称「飽食パウチとその使用方法」）に見いだされる。これらの各特許出願の開示は参照のためにここに組み入れられる。

この出願の目的に関し、「飽食装置」という用語は、さまざまな方法の1つ以上により体重の減量を生じさせることを意図する装置を意味するのに使用される。これらの方法とは、摂取する食物の量を物理的に制限し、及び/又は、体(例えば、胃、食道、食道括約筋など)の一部に対して圧力を加えて患者に満腹感を与え、及び/又は、空腹感を制御若しくはそれに影響するホルモンその他の物質の体中レベルに影響を与え、及び/又は、摂取食物の体が吸収する量に影響を与えることを含む。しかしながら、これらの方法に限定されるものではない。

そのようなパウチを食物がパウチの横を通ることを防ぐ可撓性材料によって形成することができる。そのような材料の例は、ポリエステル(例えば、デクロン(Dacron)（登録商標）ポリエステル)、ePTFEファブリック(例えば、ゴアテックス(GoreTex)（登録商標）ファブリック等)、ChronoFlex（登録商標）などのポリウレタン、ナイロン織物、シリコーンその他の高分子化合物、及びバイオ被吸収性材料(例えば、PLLA、PGA、PCL、polyanhydrideなど)を含む。但し、これらに制限されない。パウチの様々な位置での膨脹を許容又は制限するために、材料は、パウチの異なる領域において弾性、半弾性、及び／又は非弾性となるように弾性の程度が異なる材料の複合体とすることができる。例えば、大きい食物が摂取されたときにその閉塞を防ぐため及び/又はパウチから出る食物の出口圧力を制御するためにかなり弾性のある出口ポートを備え、一方、近位端はその膨れを防ぐために硬くされているパウチを提供することが望ましいかもしれない。また、パウチの異なった領域で横断面の厚さを変えることによって、弾性の度合いが異なるパウチを作ることもできる。材料をparaleyne（パラレイン）のような潤滑性であり、生物学的適合性かつ化学的に不活性な材料でコーティングしてベース材料の表面の摩擦を減少させることができる。このように表面摩擦を減少させることは、食物が装置に張り付いて嵩張ることを防ぐことを助ける。

柔らかいメッシュ、かご構造、リブ、リング等の支持部材によってフレキシブルなパウチ材料を補強、組み立て又は支持することができる。これらの支持部材をステンレス；ポリマ；ニチノール、形状記憶合金若しくは形状記憶ポリマのような形状記憶材料；又は厚くされた領域を持つ材料などによって形成できる。パウチが展開装置又はカテーテルから射出された際にパウチがバネ（弾性復元性）により跳ねて放射状に開いて拡張状態になるように、パウチを自己拡張型構成とすることができる。

説明した装置の嵌植は、望ましくは内視鏡で見ながら食道に装置を通すことによって、望ましくは内視鏡術下で実行される。あるいはまた、外科又は腹腔鏡処置を用いることで装置を嵌植できる。

このタイプのパウチは近位開口部と、それよりも小さい直径の遠位出口ポートを含んでいる(それぞれ、図２の両開口部4及び6を参照)。パウチは、その小体積(容積で約2cc乃至300ccのオーダー、望ましくは、10-30ccの範囲にある)のために、一度に食することができる食物の量を制限するように機能する。時間が経つにつれ、このリザバーの中の食物は出口ポートを通って胃の中に降りる。嵌植の間、パウチは、縫合糸、クリップ、接着剤、ステント、ステント様構造その他の適当な手段を使用して胃食道結合領域Gに固定される。食道の組織にパウチを固定することもできるが、胃壁のより厚い組織へ取り付けるために、Z線よりも下の位置で縫合糸/クリップを適用するほうがより望ましい。ニューヨーク、ビクタのLSIソリューションズ（LSI Solutions）が販売する可撓性の「Sew-Right（ソウ・ライト）」装置（図示省略）のような、飽食装置と組織の間に縫合糸を適用する内視鏡装置を使用して取付けを完成させることができるが、代替装置を用いて縫合糸、ステープル、クリップ又は接着剤を適用することもできる。

第１実施例

図3は位置決めツールの第１実施例を示している。ツール10はハンドル12と、ハンドル12の遠位端から縦方向（軸方向）に延伸する套管14を含んでいる。前進マンドレル16は套管14の中に摺動自在に配置されている。

パウチ2を胃に挿入するためにパウチ２を支持し拡張させる拡張構造17を備えている。第１実施例の拡張構造17は複数のロッド18のシステムから形成されている。各ロッドは、套管14にピボット連結された近位端20と、マンドレル16にピボット連結された遠位端22を含む。各ロッド18は前記近位端と遠位端の間に位置する中間ピボット点24を含んでいる。パウチ2は、望ましくはピボット点24において縫合糸26(図4)その他の取り外し可能なファスナ又は自己リリーシング・メカニズムを使用して一時的にロッド18に固定される。

摺動部材28は摺動自在にハンドル12上に置かれる。摺動部材28は、ハンドル内に設けたスロット32の中で可動な下位部30を含む。下位部30は、摺動部材28の近位方向又は遠位方向の運動がマンドレル16の対応する運動を生じさせるようにマンドレル16に固定されている。

マンドレル16を(必要に応じて) パウチ2の遠位開口部6を通過して延伸するように長くして遠位ガイド部材34を形成することができ、このガイド部材34は、医師がマンドレルを食道及び胃の中で前進させる間に触覚的ガイドを与える。ガイド部材34は望ましくはフレキシブルでありかつ無傷害チップ36を有し、この無傷害チップ36は、食道か胃の組織に接触しながら前進するときに組織の損傷を最小にする。無傷害チップ構成の例として、図4の球体ビード又はJ型ワイヤチップを含む。代替的に、マンドレル16をその遠位端がパウチ2内で終端するサイズとすることができる。

取付けの前に、摺動部材28を初めに図3の矢印A2で示す遠位方向に前進させる。摺動部材28の遠位方向の運動によりマンドレル16がロッド18の端部22を遠位方向に押すので拡張構造17が図3に示す形状へと折り畳まれる。次に、マンドレル16のチップ36をパウチ2の近位開口部4及び遠位開口部6に通し、パウチをロッド18上に引き込む。パウチは、望ましくは中間ピボット点24において、ロッドに一時的に縫合される。食道に挿入するためにより流線形とするためにパウチとロッドの上にシース38を置くことができる。

図5について言及し、拡張構造17及びパウチ2は患者の口腔に挿入され食道Eを下って胃Sに入れられる。シース38(図5では図示されていない)は、それが使用されるならば、内視鏡把持装置又はテザーなどの他の手段を使用してパウチから取り外され胃から引き出される。

摺動部材28を近位方向A1に引き出すことによりマンドレル16がロッド18の端部22を近位方向に、即ち、ロッドの近位端20に向かって引く。この動作により、ロッドはピボット点24において「モーリュボルト」の拡張に類似する方法で外向きにフレアー状に開く。ロッドのこの拡張により、パウチは図6に示すように拡張した形状となる。

内視鏡による目視下で、ハンドル12を近位方向に引いてパウチ2の近位リムを所望の取付位置の組織に接触させるように引く。パウチが適正な位置に置かれたことを目視によりいったん確認すると、アンカーループ9(図6)に通して固定され又は直接パウチの壁に通して固定された縫合糸、ステープル、クリップなどを使用してパウチを周囲組織に固定する。代替的に、パウチを拡張の前に取付位置に持って行く操作をし、次に拡張させて周囲組織に接触させ、その次に適所に据えつけることができる。パウチのリムが周囲組織に対してシールを形成することが理想的ではあるが、説明する各実施例において、パウチの外周と周囲組織の間をかなりの量の食物が通過することを防ぐことができるくらいの充分な接触が確保されるならば十分であり、必ずしも不浸透性シールを形成する必要はない。

次に、パウチ2を拡張構造17に結合している縫合糸26を切断し、摺動部材28を遠位方向に前進させることによって拡張構造を引っ張って折り畳位置にする。パウチを適正位置に残してツールを胃から引き抜く。

套管14を図3に示すように実質的にまっすぐにし又は図4に示すように曲がった形状にすることができることに注意すべきである。この曲がった構成はハンドルをパウチの中心軸から横方向にオフセットされ、これにより、パウチ、ロッド及び縫合糸へのアクセスの目視を容易にする。曲がった套管を使用する場合、マンドレル16は套管の曲がった部分の中を容易に滑ることができるように十分フレキシブルであるべきである。

図7に示す変形例では、套管14aはパウチ2の中心軸からオフセットし、３本のロッド18aがパウチを拡張させる機能をなす。

第２実施例

図8Aと8Bは第２実施例の位置決めツール40を示す。位置決めツール40は、複数のマンドレル管腔（環状空洞）44と中央管腔46を有する細長いシース42を含んでいる。マンドレル管腔44と中央管腔46はシース42の端に置かれたただ一つのより大きい直径の遠位管腔48に繋がっている。位置決めマンドレル50は各マンドレル管腔44を通って延伸し、アンカーループ9又は代替の位置において、縫合糸若しくはその他の取り外し可能又は自己解放手段を使用して一時的にパウチ2に取り付けられる。位置決めマンドレルは、シース42から解放されると外側に跳ねるようにバネ付勢されており、そのような構成に設けてパウチ2を拡張させることができる。一方、パウチを自己拡張になるように構成し又は単にマンドレルを外向きに導くようにするなどのさまざまな理由により、マンドレルのこのバネの特徴をなくすこともできる。

取付けの前に、パウチ2と、マンドレル50の遠位端をシース42の中に配置し、パウチ2をシースの遠位管腔48の中に収容する。シース42を食道に通し、開放遠位端が胃の中に位置するまで前進させる。シース42とマンドレル50の両方の近位端は患者の口腔の外に残ったままである。

位置決めマンドレル50を前進させてパウチをシース42の開放端から押出し、図8Bに示すようにパウチを拡張位置に進めて開く。付加的支持マンドレル又は内視鏡把持装置 (図示省略)を中央管腔46に通して、この展開段階及び/又は後の展開段階の間にパウチをサポートするために使用できる。

内視鏡52を中央管腔に通して胃の中に進め、内視鏡の目視下でシースとマンドレルを操作してパウチの近位部を胃食道結合領域などの所望の取付位置に位置決めする。例えば、医用インプラントの近位方向又は遠位方向の位置を調整するためにシース及び/又はマンドレルを近位方向又は遠位方向に動かすことができる。複数の位置決めマンドレルを同時又は独立して動かすことができる。複数の位置決めマンドレルを個別に調整することによって取付位置の解剖学的形状に合うように医用インプラントの角度を「微調整」することができる。

パウチが固定のための適切な位置と向きにあることを目視によりいったん確認すると、取付装置を中央管腔46に通して延伸させる。取付装置はパウチ2の周囲組織への固定のための縫合糸、ステープル、クリップ又は接着剤を適用するために使用される。位置決めマンドレルをパウチに結合している縫合糸を切断しマンドレルを引く。内視鏡その他の残りの全ての機器を中央管腔46から取り外し、パウチを胃の中に置いたままにしてシース42を患者から引き抜く。この説明から明らかなように、第２実施例に使用されるシース42は、使用される様々なツールにチャンネルを供給するので、食道を傷つけることなく、かつ、食道を潰すことなく支持することによって作業用の窓を維持することができるという利点を有する。シース42はまた、ツールがシースの中央管腔に通されるので、医用インプラント上のアンカー点へのアクセスを容易にする。シースがその食道内での横方向の最小遊びを有するような大きい直径を有するならば、シースは、手術領域内の中心にパウチとツールを置くことを容易にする。

図8Dと8Eに示す第２実施例の変更例において、位置決めツール40aは細長いシース42aを含む。複数のガイドチューブ44aと複数の機器チューブ46aのクラスタ（群）43はシース内で衝動可能であり、これらのチューブは望ましくは互いに固定されている。それぞれの機器チューブ46aの近位端は、取付けの間に体外に残る機器ポート47(図8 E)を形成する。複数のマンドレル50aをガイドチューブ44aに通して延伸させ一時的にパウチ2に取り付ける。

代替的に、クラスタ43を複数のクラスタガイドチューブ44aと機器チューブ46aに代えて、複数の管腔を有する多重管腔押出構造とすることができる。

取付けの前に、パウチ2と、複数のマンドレル50aの遠位端をシース42aの中に配置し、シース42aをその開放端が胃の中に配置されるまで食道に通して前進させる。次に、位置決めマンドレル50aを前進させてパウチをシース42aの開放端から押出し、図8Dと8Eに示すようにパウチを拡張位置に前進させて開く。

内視鏡56をツール40aの近位端において機器ポート47(図8 E)に通して胃の中に進める。内視鏡による目視下でマンドレルを操作してパウチの近位部を必要な取付位置に位置決めする。医用インプラントの近位方向又は遠位方向の位置を調整するためにマンドレルを近位方向又は遠位方向に動かすことができる。取付位置の解剖学的形状に合うように医用インプラントの角度を調整するために複数のマンドレルを同時に又は独立して動かすことができる。

パウチが固定のための適切な位置及び向きにあることを目視により一端確認すると、図8Eに示す縫合装置ような取付装置58を機器ポート47に通して機器チューブ46a内に延伸させる。取付装置は、パウチ2を周囲組織に固定するための縫合糸、ステープル、背着剤、クリップなどのファスナを適用するために使用される。機器ポート47に通した取付装置58、内視鏡56他のすべての機器を機器自体に取り付けた個別関節動作要素を用い、あるいは、ワイヤその他の体外から動作させることができる関節動作要素を使用してクラスタ43自体を関節動作させることにより、関節動作させることができる。

パウチが一端所定位置に置かれると、マンドレルをパウチから取り外しマンドレルを引く。内視鏡その他の残っているすべての機器を機器管腔46aから取り外し、パウチを胃の中に置いたままでシース42aを患者から引き出す。

第３実施例

第３実施例の位置決めツール60は、ハンドル62、スライド部材64、套管66、及び前進マンドレル68の同様のアレンジメントを利用するという点において第１実施例と同様である。マンドレル68は、図9Aに示すようにあらかじめ弓形に形成されたバネ部材69のアレイに結合される。バネ部材69は、図9Aに示されるように縫合糸その他同様のものを使用して一時的にパウチ2に取り付けられる。

パウチ2を体内挿入するために、スライド部材64を近位方向に引いてマンドレル68によりバネ部材69を近位方向に引いて套管66の中に納める。食道に挿入するためより流線型を提供するためのシース(図示を省略するが、図3のシース38を参照されたい)の中にパウチ2をパッケージできる。

位置決めツール60の遠位端を食道に通して胃の中に入れる。スライド（摺動）部材64を遠位方向に前進させてマンドレル16によりバネ部材69を套管66から延伸させそれらのバネ本来の曲がった向きへ跳ねさせてパウチを拡張する。ハンドル62を操作すると共に、パウチ位置を内視鏡によりモニターし、取付位置にパウチを位置決めする。パウチを取付位置に置いた状態でシース(もしあれば)を取り外し、アンカーループ9(図6)に通し又はパウチの壁に直接通して固定された縫合糸、ステープル、クリップなどを使用してパウチを周囲組織に固定する。次にバネ部材69をパウチ2から切り離して自由にして套管66内にを引き込む。適所にパウチを2に残して套管66を組織から引き込む。

第４実施例

図10Aと10Bに示す第４実施例では、位置決めツール70はパウチの拡張構造として膨張可能なバルーン72を使用する。バルーンをシリコーン、ポリウレタン又は他の適当な材料を含む弾性又は非弾性の材料から形成することができる。バルーン72を中空套管76の端部に取り付け、縫合糸74その他の取り外し可能なファスナを使用してパウチ2を一時的にバルーン72の外周に取り付ける。套管は必要に応じて先の実施例のようにパウチ2の遠位開口部6から突き出た又は図示するようにパウチ2の中に配置される無傷害遠位チップを含んでいる。

套管76はハンドル78から縦方向（軸方向）に延伸する。インフレーション媒質源は、ハンドル78を貫通して延伸するインフレーション管腔(図示省略)を介して套管に連通連結されている。インフレーション媒質は、套管に形成された出口ポート79からバルーン72内へ流れる。

取付けにおいて、先に説明したように、まだ膨らませていないバルーン72とパウチ2をシース中にパッケージできる。位置決めツール70の遠位端とパウチを胃に挿入した後にシースを取り外し、バルーン72を膨らませてパウチを拡張させる。ツールを引いてパウチを所望の取付位置に引き、パウチの円周が周囲組織に接触していることを目視により確認する。代替的に、バルーンを膨らませる前にパウチを取付位置に置くことができる。この代替では、バルーンはパウチを拡張させて周囲組織に接触させる。

位置決めマンドレルを操作することによってパウチ位置の微調整を達成する。パウチが一端適切位置に置かれると、パウチは周囲組織に固定される。パウチはバルーン72から取り外され、次に、位置決めツール70が患者の身体から引き出される。

第５実施例

図11は第５実施例の位置決めツール80を示す。位置決めツール80は、それが膨張可能な遠位拡張バルーン84を運ぶ細長い套管82を含んでいる点で第４実施例と同様である。近位ハンドル（図示していないが、図10Aのハンドル78を参照）はバルーン84を膨らませるためのインフレーション媒質源に取り付け可能である。第４実施例と同様に、パウチ2は嵌植の前にバルーン84に直接又はアンカー装置に取り付けられ、ふくらませられてパウチを拡張させる。

第５実施例の位置決めツール80は図11に示されるように套管82の上に位置可能なガイドバルーン86を含んでいるという点において第４実施例のものと異なっている。ガイドバルーン86は套管82を受ける中央チャンネル88を含み、そして医用インプラントの配置に必要である内視鏡94や縫合装置96などの追加ツールを受ける隣接チャンネル90、92を含む。チャンネル88、90、92の相対位置は、位置決めマンドレル、内視鏡及び取付装置が（相対的に又はポウチに対して、）以下の点に関連して配設されるように選択される。それらの配設がパウチとツールを作動領域の中心に置くことを助け、ツールの間の干渉を最小にし、取付装置を使用した取付点へのアクセスを容易にし、かつ、内視鏡を使用して最適状態で見ることを可能にするように相対位置が選択される。ガイドバルーン86はまた図11に示されないインフレーションチューブを含んでいる。

ガイドバルーン86を套管82に固定することとしても良いし又は套管の表面上を摺動自在に設けることとしても良い。ガイドバルーンを摺動自在に設けたならば、ガイドバルーンを位置決めマンドレルの永久的な要素として提供でき、又は近位ハンドル(図10Aの実施例のハンドル78を参照)を単に取り外してガイドバルーンを套管に嵌めるように位置決めマンドレルに加えることができる別の要素として提供できる。両方のバルーンに使用できる材料は体の中での使用に適した弾性又は非弾性材料を含んでいる。

第５実施例における取付けの際、パウチ2が取り付けられた位置決めマンドレルを食道に通して胃の中に挿入する。望ましくはパウチを胃に挿入する間又は挿入後にガイドバルーン86を食道内に置く。ガイドバルーン86と拡張バルーン84を個別又は同時にふくらませる。内視鏡94と取付装置96をチャンネル90、92に通して延伸させる。バルーン84の膨脹によって拡張させたパウチ2をマンドレル82の操作により適切な嵌植位置に移動し、取付装置96を使用してパウチを適切な位置に固定する。先の各実施例と同じように、内視鏡を使用して目視下でこれらの位置決め及び取付ステップを実行する。

パウチ2と周囲組織の間に不浸透性のシールを望むならば(かつ、ガイドバルーン86に通した機器がそれらのチャンネル88、90、92に対してシール状態で接触するならば)、パウチを適所に固定する前にシールの開通性をチェックできる。これは、ガイドバルーン86と拡張バルーン84の間のスペースに通気ガスを通してガスがパウチの回りを通って胃の中に入っているかどうかを評価することによりなすことができる。

必要ならば、取付装置96とガイドバルーン86の回転位置を変えるためにガイドバルーン86を食道の中で回転させることができる。手順の最後でバルーン84からパウチを取り外し、バルーン84とガイドバルーン86からガスを抜き、パウチを胃の中に残して体からすべての要素を取り外す。

センタリング及び/又はツール配置を容易にするために、第５実施例のバルーン86と同様のガイドバルーンは、説明した実施例の様々な他のものを備えることができる。

第６実施例

図12は第６実施例の位置決めツール100を示す。位置決めツール100が先の各実施例と異なる1つの局面は、その遠位端に有効な拡張機構を有していないことである。ツール100は体外に配設可能な制御ハンドル104を含む細長いマンドレル102を含む。パウチ2は、取り外し可能又は自己開放型の取付手段を使用することで一時的にツールの遠位端に取り付けられる。マンドレル102は(必要に応じて) パウチ2の遠位開口部6を通って延伸し非外傷チップ106を備える遠位ガイド部材を形成する長尺のものとすることができる。無傷害チップ106は、マンドレルを食道と胃へ前進させる間に医師に触覚的案内を提供する。

取付けの間、マンドレル102を使用してパウチ2を口腔と食道に通して胃の近位部に向ける。1方法において、遠位端にパウチを備えるマンドレルをシース(図示省略)の中に置くことができ、また、シースの遠位端を食道と胃に通す。シース及び/又はマンドレルを操作して、望ましくは必要な取付位置でシースからパウチ2を解放する。パウチが自己拡張可能であるならば、シースからパウチを解放することでパウチは自己拡張し、望ましくは(但し、オプションとして)胃の近位部の周囲壁と接触する。食道及び関心領域に通した内視鏡を使用して目視下でこの位置決めステップを実行できる。

パウチ2の再位置決めが必要であるなら、マンドレルの制御ハンドル104を操作し (例えば、回転させ、前進させ、引き込み、旋回させ)、パウチを必要な位置及び向きに動かす。次に、パウチを上で説明したように隣接組織に据えつける。パウチをマンドレルから解放する。マンドレルその他すべてのツールを体から引き抜く。位置決めツールの様々な実施例をここに説明したが、これらの実施例は例示的なものとして与えられていて、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。そのうえ、いろいろ説明した実施例の様々な特徴を結合していろいろな追加的実施例を生じさせうることが理解されるべきである。また、様々な材料、寸法、形、嵌植位置などが開示された実施例で使用するために説明されたが、発明の範囲を超えることなく、開示されたもの以外の他のものを利用できる。

図1は、人間の胃と、小腸の一部を示す略図である。 図2は、図3乃至図11に示すツールを使用して置くことが（位置決め）可能なタイプの飽食パウチの斜視図であり、胃の中に置かれたパウチを示すものである。 図3は位置決めツールの第１実施例の側面図であり、折り畳まれた位置のパウチを支持した状態を示すものである。ツールの特徴がわかるように、パウチは断面で示されている。 図4は図3の位置決めツールの遠位部の斜視図であり、拡張位置(破線で示す)に支持されたパウチを示すものである。 図5は図3の位置決めツールの側面図であり、位置決めツールとパウチを食道に通して胃の中に入れることを概略的に示すものである。パウチは断面積で示されている。 図6は図5と同様の側面図であるが、位置決めツールがパウチを拡張させて取付部位に位置決めする状態を示すものである。パウチは断面で示される。 図7は套管（カニューレ）がパウチの中心軸から横方向にオフセットしたわずかな変更を施した構成を示す図4と同様の斜視図である。 図8Aは位置決めツールとパウチの第２実施例であり、それらが折り畳まれた位置を示す側面図である。 図8Bは、第２実施例の位置決めツールとパウチが拡張位置にある状態を示す8Aと同様の側面図である。 図8Cは、図8Bの8C−8C断面に沿って見た第２実施例の断面端面図である。 図8Dは、図8Aの実施例の変形例の遠位部の斜視図である。 図8Eは図8Dの変形例の斜視図である。 9Aと9Bはそれぞれ位置決めツールの第３実施例の側面図であり、パウチを拡張した位置と、折り畳まれた位置に支持した状態を示すものである。 10Aと10Bはそれぞれ位置決めツールの第４実施例の側面図であり、パウチを拡張した位置と、折り畳まれた位置に支持した状態を示すものである。 図11は取付の間の位置決めツールの第５実施例を示す斜視図である。 図12は取付の間の位置決めツールの第６実施例を示す概略図である。

Claims (7)

1. 飽食医用インプラントシステムであって：
   複数の位置決めマンドレルを有する細長い位置決め具であって、前記マンドレルが人間の口腔から胃の中まで延伸するように設けられており；
   近位開口部と、遠位開口部と、前記近位開口部と前記遠位開口部の間で延伸する通路とを有する飽食医用インプラントであって、前記細長いマンドレルの遠位部に着脱自在に取り付け可能な前記飽食医用インプラントと；
   前記マンドレルをガイドする管腔又はチューブを有する前記位置決め具と、
   前記管腔又はチューブから前記飽食医用インプラントの位置まで延伸可能な前記マンドレルと、
   を備え、前記インプラントが前記胃に付着されているときに、前記マンドレルが前記胃の内で前記インプラントをガイドするのに使用可能なことを特徴とする飽食医用インプラントシステム。
2. 請求項１に記載の飽食医用インプラントシステムにおいて、さらに前記位置決め具を通して前進できる取付装置を有し、前記取付装置は胃組織に前記飽食医用インプラントをつなぐのに使用可能なことを特徴する飽食医用インプラントシステム。
3. 請求項１に記載の飽食医用インプラントシステムにおいて、
   前記位置決め具が、シースを有しており、
   前記複数のマンドレルの各マンドレルが前記シース内の各管腔内でガイドされると共に、前記飽食医用インプラントに解放可能に結合した遠位部を有し、
   前記遠位部は前記シースから拡張位置へ延伸可能であり、および
   前記飽食医用インプラントを調整するのに個々に移動可能なマンドレルと、
   を有することを特徴とする飽食医用インプラントシステム。
4. 請求項１に記載の飽食医用インプラントシステムにおいて、前記複数のマンドレルが前記飽食医用インプラントに結合した中央支持マンドレルを有することを特徴とする飽食医用インプラントシステム。
5. 請求項３に記載の飽食医用インプラントシステムにおいて、
   前記シースが内視鏡のガイドするための中央管腔を有し、
   前記中央マンドレルと前記複数の管腔が、前記シースの遠位端部で単一の大きな直径の遠位の管腔と連続している位置決めマンドレルをガイドすることを特徴とする飽食医用インプラントシステム。
6. 請求項２に記載の飽食医用インプラントシステムにおいて、さらに
   前記さらに前記胃組織への前記飽食医用インプラントの一部分を固定する取付手段を有することを特徴とする飽食医用インプラントシステム。
7. 請求項６に記載の飽食医用インプラントシステムであって、前記取付手段はファスナを含んでいる飽食医用インプラントシステム。

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