JP4550508B2 - 製袋充填機における横シール制御装置 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に記載された縦形製袋充填機では、包装速度、ストリッピング距離、シール動作の種類、シール時間等からなる動作パターン指定手段により、モータを制御して包装していた。
本発明は、このような実情に鑑みて、設定すべき条件に応じて自動的に最も長いシール時間を設定できるようにした縦形製袋充填機における横シール制御装置を提供することを目的とする。
本発明では、入力された(1)〜(5)の設定値に基づいて、包材を一定速度vfで繰り出す場合の繰り出し同期最大時間Tfmによる包材の繰り出し同期長さLfと横シーラの往復動同期最大長さLsmの短い方を基準に他方を設定演算し、繰り出し同期時間Tfが最大(繰り出し同期最大時間Tfm)の場合にはTf=Tfmに固定し、往復動同期長さLsが最大(往復動同期最大長さLsm)の場合にはLsをLsmに固定して、包材の繰り出しモータや横シーラの往復動モータにおける駆動範囲等の横シール制御装置の制限内に収まるように変速比R(=Vf/vf)、繰り出し同期速度Vfを再設定し、シール時間T1を再設定する。このようにして入力時に仮設定した変速比Rやシール時間T1を再設定することで、設定された繰り出し同期時間Tfの範囲内でシール時間T1を最大限に設定できる。なお、変速比Rの再設定とは、速度vfが一定であるから繰り出し同期速度Vfの再設定を指す。
同期時に、横シーラは例えばクランク運動によって往復動させるために横シーラの速度は凸曲線状に変化するが、一方で包材の繰り出し同期速度は一定であるため、横シーラによって包材が引張られるのを抑制するために横シーラの往復動同期長さLsに速比rを乗算したものを包材の繰り出し同期長さLfに設定する(Lf=Ls×r)ことで、同期時間Tfにおける包材の繰り出し長さLfを往復動同期長さLsより長くする。これによって横シール時に包材が横シーラで引張られて伸びたり切れたりすることがないようにした。速比演算手段では同期開始クランク角度θoを始点として同期時のクランク角度αを加算した角度とクランクアーム長さとディスクの回転中心からクランクアームまでの長さ(クランクレバー長さ)との関係で速比rを算出できる。
変速比R<1の場合には繰り出し非同期速度Vfcが繰り出しモータの最高速度を超えないように変速比R(=Vf/vf)と繰り出し同期速度Vfを再設定し、変速比R>1の場合には繰り出し非同期速度Vfcが0以下にならないように即ち繰り出しモータが逆回転しないように変速比Rと繰り出し同期速度Vfを再設定する。
また、横シーラのボックスモーションのために、横シーラのクランク運動による往復動速度を制御する往復動モータを備えていて、往復動モータの往復動非同期速度Vscを往復動モータの駆動可能範囲内に制御するようにする。
変速比R<1の場合には往復動非同期速度Vscが往復動モータの最高速度Vsmを超えないように変速比Rと繰り出し同期速度Vf(≒往復動同期速度Vs)を再設定する。変速比R>1の場合には横シーラが非同期で往復動する時間が長くなるか又は往復動同期長さが短くなり往復動同期速度Vscが繰り出し同期速度Vfよりも下がるために往復動非同期速度が往復動モータの最高速度を超えることはない。
図1に示す縦形製袋充填機1は、例えば断面円形(または略四角形)をなす製袋チューブ2(以下、単に製袋チューブという)が上下方向に配設され、製袋チューブ2の上端には製袋する袋の中に充填する内容物を供給するためのホッパ3が設けられている。ホッパ3の下方には製袋ガイド4が取付けられている。製袋チューブ2の外周面と製袋ガイド4の内周面との間にはフィルムf(包材)を通過させる平面視略円形の空間が設けられている。
製袋チューブ2の側方にシート状のフィルムfを巻回するフィルムロール5が設けられており、このフィルムロール5から繰り出されたフィルムfは製袋ガイド4で折り曲げられて製袋チューブ2との間の空間を通って、製袋チューブ2の外周面に沿って略角筒状に折り込まれて下方に送られることになる。なお、製袋ガイド4によって、フィルムfは略筒状に形成されて、その幅方向両端部が製袋チューブ2上に折り重ねられて縦シール部hを形成して搬送される。
更に製袋チューブ2の下端の下側には、袋Fの上下を水平方向にシールする横シーラ11と横シール部12の中間を水平方向に切断するカッタ(図示せず)とが設けられている。横シーラ11はフィルムFを挟んで加熱シールするための一対のシールブロック11a、11bを備えている。カッタで上下方向に二分割された横シール部12の下方シール部は製袋チューブ2内を通して内容物を充填して製袋された袋Fの上部シール部とされ、横シール部12の上方シール部は次に製袋する袋Fの底部シール部を構成する。
なお、内容物として粉粒体を充填する場合には製袋チューブ2の底部までオーガファネルチューブが挿通される。
横シーラ11のボックスモーションの態様は図9に示されており、上下動(往復動)と筒状フィルムfに当接及び離間させる水平方向の開閉運動とで構成されている。図中、ボックスモーションのうち、横シーラ11のシールブロック11a,11bで筒状フィルムfを挟んで筒状フィルムfと同期して降下運動する際に横シールを行う。図9(a)は横シーラ11の降下運動の全長で横シールを行い、(b)は降下運動の途中で横シールを終了して開放運動を開始する。(c)は降下運動の途中から横シールを開始し、(d)は降下運動の途中から横シールを開始し、下端に到達する前に横シールを終了して開放運動を開始するようになっている。
図2乃至図4に示す横シール制御装置14において、ベース15には上下方向にフレーム16aとガイドロッド16が立設され、ガイドロッド16には軸受17を介して昇降可能なガイド筒18が設けられ、ガイド筒18には横シールベース19が水平方向に連結されている。また、ベース15には上下動モータM2が設けられ、図3に示すように上下動モータM2の出力軸にディスク20が連結されて自転可能とされている。ディスク20の外周側部分にはクランクアーム21が接続され、クランクアーム21の他端は横シールベース19に連結されている。そのため、ディスク20の回転によってクランクアーム21にクランク運動させて横シールベース19を上下動させる。
また、シャフト23,23の他端側には第一ブラケット24と略平行な第三ブラケット27が固定され、シャフト23、23と一体に摺動可能である。横シールベース19上にはギアヘッド28が設けられ、ギアヘッド28に連結された開閉モータM3が第三ブラケット27上方に位置する。ギアヘッド28の各シャフト23、23に対向する両側面にはそれぞれクランク軸29、29が突出しており、各クランク軸29は開閉モータM3の出力を得て正逆回転する。
なお、繰り出しモータM1,上下動モータM2、開閉モータM3は例えばサーボモータで構成されている。
従って、図7において、開閉モータM3によってクランク軸29が時計回りに所定角度回転すると、各一対の第一及び第二クランクアーム32、33は第一ブラケット24及び第三ブラケット27の間隔を広げる方向に作動する。そのため、第一ブラケット24はシャフト23、23にガイドされてシールブロック11aを筒状フィルムf方向に押し、第三ブラケット27はシャフト23、23、第二ブラケット26と共に軸受け24a、24bや軸受け25にガイドされて押動され、シールブロック11bを筒状フィルムf方向に押す。これによって、シールブロック11a,11bで筒状フィルムfを挟持して加熱し、横シールする。
また、クランク軸29が反時計回りに所定角度回転すると、各一対の第一及び第二クランクアーム32、33は第一及び第三ブラケット24、27の間隔を狭める方向に作動し、各シールブロック11a、11bを離間させる。
横シーラ11の各シールブロック11a、11bは、上下動モータM2と開閉モータM3によってそれぞれ図9(a)乃至(d)に示すボックスモーションを選択的に行うことになる。
図8において、横シール制御装置14は、各種設定条件としての複数の設定値を入力するための設定値入力手段36と、入力された設定値に基づいて各種の演算処理を行い繰り出しモータM1、上下動モータM2、開閉モータM3を駆動制御して横シール時間T1を設定する制御部35と、制御部35からの出力信号により駆動制御させられる繰り出しモータM1、上下動モータM2、開閉モータM3とを備えている。
制御部35では、入力する設定値や演算する作動条件等を記憶する記憶手段37,シール時間演算手段38,筒状フィルムfを等速で搬送して横シールする場合の等速時演算手段39,等速時演算手段39の出力に基づいて筒状フィルムfを変速させて搬送して横シールするための変速時演算手段40と、繰り出し同期長さLfと上下動同期長さLsとの速比rを設定演算するための速比演算手段41とを備えている。これらの演算によって、種々の設定値入力条件に応じて各モータM1、2,3に対して最適な条件を設定して出力を行い、シール時の同期長さLf、Lsを設定し、筒状フィルムfと横シーラ11とのできるだけ長い同期時間Tfやシール時間T1を設定することができる。
クランクアーム21の上下動により、シールブロック11aは、上下動位置の頂点Po、同期開始点P1、同期終了点P2、底点P3を順次移動する。同期開始点P1と同期終了点P2の間で開閉モータM3を開閉作動させ、横シールを行う。同期開始点P1と同期終了点P2はディスク20の回転角度でいうと、同期開始クランク角度θo、同期終了クランク角度θeとなる。
そして、ディスク20は同期開始クランク角度θoから同期角度αだけの間、シールブロック11aを筒状フィルムfと同期運動させ、シールブロック11aの位置P2で同期終了クランク角度θeを以て同期を終了させ、筒状フィルムfから離間させる。その後、角度θeから角度θoまでシールブロック11aは戻り運動を行う。このようにしてシールブロック11a(11b)のボックスモーションが設定される。同期開始クランク角度θoは設定値入力手段36への入力値によって任意に設定できるので、横シールを開始する上下動方向位置を設定できる。
そして、図11(a),(b)に示すように設定された同期開始クランク角度θoと上下動同期クランク角度αによってシールブロック11aの上下動同期長さLsが設定される。この同期長さLsは上下動同期クランク角度αが同一でも同期開始クランク角度θoの位置によって長さが相違する。上下動同期長さLsは、シールブロック11a、11bが筒状フィルムfと同期して降下する横シール可能な長さである。各同期長さLf、Lsの同期時間Tfの範囲でシール時間T1を任意に決定できる。
先ず、図12に示す基本ルーチンにおいて、設定値入力手段36に筒状フィルムfに横シールを施すための条件を設定値データとして入力する(ステップ101:図8参照)。設定値データは、1袋分のフィルムfの繰り出し長さL、機械回転数N、シールブロック11a、11bのボックスモーションにおけるディスク20及びクランクアーム21による同期開始クランク角度θo(図10参照)を確定データとして入力する。また仮入力データとして仮シール時間T1、仮変速比Rを入力する。
繰り出し変速比Rとは、横シール時と横シール終了後から次の横シール開始時までの全区間におけるフィルム繰り出し速度が一定(以下、等速時という)である場合のフィルム繰り出し速度をvf(R1)とし、変速する場合(以下、変速時という)の繰り出し同期速度をVf(R2)とした場合、
R=R2/R1=Vf/vf
で求められる。vfは1袋分のフィルム繰り出し長さLと機械回転数Nにより定まる値であり、Vfは所望の値、例えば充填物落下速度に対応する値とする。
なお、予め定数として、繰り出しモータM1の最大速度Vfm(=Vf)、上下動モータM2の最大速度Vsm、同期終了クランク最大角度θemを設定しておく。最大速度VfmとVsmはモータM1、M2の定格によって定まる定数であるが、同期終了クランク最大角度θemは横シーラ11がフィルムfを詰まらさない値に設定される(本実施の形態では例えばθem=225°である)。
先ず図12において、設定値入力手段36で入力された同期開始クランク角度θoと同期終了クランク最大角度θemから上下動同期クランク最大角度αm(=θem−θo)を演算する(ステップ102)。そして、繰り出し同期最大時間Tfmを仮演算する(ステップ103)。繰り出し同期最大時間Tfmは上下動同期クランク最大角度αm、機械回転数Nの関数であり、上下動モータ最高速度Vsmと上下動同期クランク最大角度αmから求まる。即ち、フィルムの非同期時速度≦上下動モータ最高速度Vsmであるから、
60/(繰り出し非同期時間×クランクレバー21の非同期角度/360°)≦
上下動モータ最高速度Vsm
60/〔(T−Tf)×(360°−αm)/360°)〕≦Vsm
ただし、Tはフィルムfの繰り出しの1周期時間(同期時間+非同期時間)
よって、Tf≦T−(60/Vsm)×360°/(360°−αm)となる。
従って、Tfm=1/N−(60/Vsm)×360°/(360°−αm)
で定まる。
ここで、同期時における筒状フィルムfと横シーラ11の速比rについて説明する。図19(a)において、フィルムfの繰り出し同期長さLfと横シーラ11の上下動同期長さLsが同期終了時に等しい場合、フィルムfの繰り出し同期速度Vfは定速であるのに対して横ヒータ11の上下動同期速度Vsはクランク運動のために凸曲線状となって繰り出し同期速度Vfと交差する。しかも速度によって繰り出し同期長さLfよりも上下動同期長さLsの方が大きい(Ls>Lf)領域がある。よって、上下動同期長さLsの曲線と繰り出し同期長さLfの直線とは同期開始時と同期終了時では一致するが、中途では上下動同期長さLsの方が長い領域がある。
このような不具合を改善するため、同図(b)に示すように上下動同期長さLsに所定の速比r(>1)を乗じることでフィルムfの繰り出し同期長さLfが得られるように、繰り出し同期速度Vfを横シーラ11の上下動同期速度Vsの上限または上限に近い値に設定して領域q1、q3を大きく、領域q2を小さくし、領域q2がq1より大きくならないようにして、筒状フィルムfが横シーラ11に引っ張られるのを抑制している。この場合、筒状フィルムfの繰り出し同期長さLfと横シーラ11の上下動同期長さLsの差は同期終了に近づくに従って大きくなる。なお、ここでは、速比r=1.12に設定した。
先ず、同期時における筒状フィルムfの繰り出しと横シーラ11の上下動との関係において、各記号について下記の通り設定する。
Lst:時刻tでの横シーラ11の上下動長さLs
Lft:時刻tでの筒状フィルムfの繰り出し長さLf
t0:同期開始時間(0)
t1:同期終了時間(Tfm)
Lft=r×vfo×t
ただし、vfoは上下動同期長さLsと繰り出し同期長さLfが等しい場合の繰り出し同期速度である。
先ず、筒状フィルムfの繰り出し同期長さLfと横シーラ11の上下動同期長さLsと比から、基本的な同期長さ比(同期速度比)に基づき速比r=Vf/Vs=Lf/Ls=1に仮設定する(ステップ90)。次いで「t=t0」に仮設定し(ステップ91)、時間tでのLstを次式で演算する(ステップ92)。
先ず図10において、ディスク20の回転中心からP1までの距離をLaとし、ディスク20の回転中心からクランクアーム21の接続点まの距離をra、クランクアーム21の長さをLbとし、機構原点0から同期開始クランク位置θoまでの角度をθとした場合、
La=ra・sinθ+√{Lb2−(ra・cosθ)2}
Lst=ra・sinθ+√{Lb2−(ra・cosθ)2}−(Lb−ra)となる。ただし、θ=t×N/60×360°+θo
次いで時間tでのLftを次式で演算する(ステップ93)。
Lft=r×vfo×t
このとき、r=1である。
そして、ステップ94でYESと判断すれば「Lf−Ls>0」であるから、ステップ96に進んで「t>t1」か否かを判断する。NOの場合には、時間tが同期終了時間t1に達していないため、同期時間tを「t+0.001」にインクリメントして(ステップ97)ステップ97に戻り、再度処理を行う。このようにして同期時間tが同期終了時間t1に到達した時点での速比rの値を設定値として図12乃至図18のフローチャートに採用する。
以上の処理によって、仮設定した繰り出し同期最大時間Tfm,速比r、同期終了クランク最大角度θe、上下動同期最大長さLsmが定まる。
そして、ステップ106では、同期時及び非同期時の全区間でフィルムを等速vfで繰り出す際の等速繰り出し演算を図13に示す等速繰り出し演算ルーチンに沿って行う。
vf=L×N/60
次に筒状フィルムfの繰り出し同期時間Tfを最大値Tfm(「Tf=Tfm」)に仮設定する(ステップ112)。次に、筒状フィルムfの繰り出し同期長さLfを次式「Lf=vf×Tf」で仮設定する(ステップ113)。
更に横シーラ11の上下動同期長さLsを最大長さLsmに仮設定する(ステップ114)。そしてステップ115で、「Lf>Ls×r」か否かを判断する。YESの場合には、繰り出し同期長さLfが速比rを考慮しても長すぎることになる。この場合には、上下動同期長さLsは最大Lsmであり、これ以上長くできないから、式「Lf=Ls×r」となるように繰り出し同期長さLfを再設定する(ステップ116)。そして再設定した繰り出し同期長さLfに対して、繰り出し同期時間Tfを式「Tf=Lf/vf」により再設定する(ステップ117)。
このようにして筒状フィルムfの繰り出し同期長さLfと繰り出し同期時間Tfを再設定することで、初期設定値Ls、α、vfをそのままにして図12に示す基本演算ルーチンのステップ107にリターンする。
このようにして横シーラ11の上下動同期長さLsと上下動クランク角度αを再設定することで、初期設定値Lf、Tf、vfをそのままにして図12に示す基本演算ルーチンのステップ107にリターンする。
ステップ118でNOと判定した場合には、「Lf=Ls×r」となるから、繰り出し同期長さLfと上下動同期長さLsは適切に設定されており、各設定値をそのままにしてステップ107にリターンする。
図14〜図18に示す変速繰り出し演算ルーチンにおいて、まず仮設定した変速比Rが「R<1」か否か「R>1」か否かを判断する(ステップ131、160)。次に「Tf=Tfm」か否かを判断する(ステップ132、161)。これらについて図21及び図22に基づいて項を分けて説明する。
(A)「R<1」で「Tf=Tfm」の場合
変速比R<1で、「Tf=Tfm」の条件について図21(a)により説明する。
この場合、R=Vf/vfであり、繰り出し同期時間Tfを繰り出し同期最大時間Tfmに固定している。
そのため、図21(a)に示すように、等速の繰り出し同期速度vfを設定した場合、変速時における繰り出し同期速度Vfとの関係は、Vf<vfとなる。図中、仮設定した繰り出し同期速度をVf(二点鎖線で示す)として、フィルム1袋分の筒状フィルムfの繰り出し時間(製袋時間)は一定であるため、Vfがvfよりも小さくなればなるほど繰り出し同期長さLfが短くなり、繰り出し非同期長さが長くなる。その分、非同期時即ち同期終了後から次の同期開始までの繰り出し非同期速度Vfcは増大する。
しかしながら、繰り出し非同期速度Vfcは繰り出しモータM1の最大速度Vfmを超えることはできないため、繰り出し非同期速度Vfcを繰り出しモータM1の最大速度Vfm以下に抑えるために再設定が必要になる。すると繰り出し同期速度Vfは相対的に増大させなければならず、等速の繰り出し同期速度vfに近くなる。
このような繰り出しモータM1の最大速度Vfmの制限に基づいてステップ132以降の処理を行う。
即ち、繰り出し同期時間Tf(=Tfm)をそのままにして繰り出し同期速度Vfを「Vf=Lf/Tf」で演算する(ステップ133)。次いで、フィルム1袋分の筒状フィルムfの繰り出し時間(製袋時間)とTf、Vfとの関係から非同期時の繰り出し非同期速度Vfcを演算する(ステップ134)。
得られた繰り出し非同期速度Vfcについて「Vfc>Vfm」か否かを判断する(ステップ135)。YESの場合には、繰り出しモータM1の繰り出し同期最大時間Vfmを越えているため、繰り出し同期時間「Tf=Tfm」の条件下でVfc<Vfmとなるように変速比R(=Vf/vf)とVfを所定の大きさづつ再設定して(ステップ136)、ステップ135に戻る。
ステップ135でNOと判断した場合には、Vfc≦Vfmであるから、ステップ137で繰り出し同期長さLf(=Tf×Vf)を再設定する。さらにステップ138で上下動長さLs(=Lf/r)、上下動クランク角度αを再演算する。
変速比R<1で、「Tf<Tfm」の条件について図21(b)により説明する。
この場合、R=Vf/vf、Vf<vfである。筒状フィルムfの繰り出し同期長さLf(=Tf×Vf)を一定に設定(固定)するため、これに対応して、上下動同期長さLsを上下動同期最大長さLsmに固定している。
そのため、図21(b)に示すように、LfをVf×Tfの面積(図中、網目で示す)で示すと、Lfは固定であるからVfが小さいとTfは長くなってTfmを越え、その分、繰り出し非同期速度Vfcが増大し、繰り出しモータM1の最大速度Vfmを越えることになる。そのためVfcがVfmを越えないように、またTfがTfmを越えないように小さくすると、その面積(Vf×Tf)を一定に維持しながら繰り出し同期速度Vfが増大することになる。このようにして、TfがTfmを越えず、しかも繰り出しモータM1の最大速度Vfmを越えないように繰り出し同期速度Vfを再設定してゆく。
このような繰り出しモータM1の最大速度Vfmの制限に基づいてステップ145以降の処理を行う。
ステップ147でNOの場合には、ステップ149に進み、非同期時繰り出し速度Vfcを演算する。得られた非同期時繰り出し速度Vfcについて「Vfc>Vfm」か否かを判断する(ステップ150)。YESの場合には、上下動同期長さ「Ls=Lsm」の条件下でVfc<Vfmとなるように変速比R(=Vf/vf)とVfを所定の大きさづつ再設定し(ステップ151)、ステップ150に戻る。
ステップ150でNOの場合には、Vfc≦Vfmであるから、ステップ152で繰り出し同期時間Tf(=Lf/Vf)を再設定する。
このようにしてLs(=Lsm)に対応する各パラメータTf、Vf、Rを設定し、基本ルーチンのステップ108へリターンする。
ここで、変速比R>1で、「Tf=Tfm」の条件について図22(a)により説明する。
この場合、R=Vf/vfであり、Vf>vfである。そして、繰り出し同期時間Tfを繰り出し同期最大時間Tfmに固定している。
そのため、図22(a)に示すように、等速の繰り出し同期速度vfを設定した場合、フィルムfの繰り出し同期速度Vfはvfより大きいため、筒状フィルムfの繰り出し非同期速度Vfcはvfより小さくなる。図中、仮設定した繰り出し同期速度をVf(二点鎖線で示す)として、繰り出し同期速度Vfが大きいと繰り出し非同期速度Vfcが小さくなる。この場合、繰り出し同期速度Vfは繰り出しモータM1の最大速度Vfmより小さく、繰り出し非同期速度Vfcは繰り出しモータM1の逆回転を防ぐために0より大きいことを必要とする。そのため、繰り出し同期速度VfはVfmより小さく且つ繰り出し非同期速度Vfcは0より大きくなるように、図中の実線で示すように再設定されることになる。
そしてステップ163でNOと判断された場合には、ステップ165で上下動同期長さLs{=(1/r)×Tf×Vf}を演算する。得られたLsについて「Ls>Lsm」か否かを判断する(ステップ166)。YESの場合には、Tf=Tfmの条件下で「Ls<Lsm」となるように変速比R(=Vf/vf)とVfを再設定する(ステップ167)。そしてステップ166に戻る。ステップ166でNOと判断された場合には、非同期時繰り出し速度Vfcを演算し(ステップ168)、Vfc<0か否かを判断する(ステップ169)。YESの場合は、Tf=Tfmの条件下でVfc>0となるように変速比R、Vfを再設定し、ステップ169へ戻る(ステップ170)。
ステップ169でNOの場合には、繰り出し同期長さLf(=Vf×Tf)を再演算し(ステップ171)、上下動長さLsと上下動クランク角度αを再演算する(ステップ172)。
このようにして変速繰り出しでのTf(=Tfm)に対応する各パラメータVf,Lf、Ls、αを得られ、基本ルーチンのステップ108へリターンする。
変速比「R>1」で「Tf<Tfm」の条件について図22(b)により説明する。
この場合、R=Vf/vfであり、Vf>vfである。筒状フィルムfの繰り出し同期長さLf(=Tf×Vf)を一定に設定(固定)するため、これに対応して上下動同期長さLsを上下動同期最大長さLsmに固定している。これによって上記した条件下で繰り出し同期時間を最大に設定することができる。
そのため、図22(b)に示すように、LfをVf×Tfの面積(図中、網目で示す)で示すと、Lfが一定であるという条件下で、Vfが大きいとTfは短くなり、その分、繰り出し非同期速度Vfcが小さくなる。逆にVfが小さいとTfは長くなり、その分、繰り出し非同期速度Vfcが大きくなる。一方で、繰り出し同期長さVfは繰り出しモータM1の最大速度Vfmを越えることはできない
そのためVfが繰り出しモータM1の最大速度Vfmより小さく、且つTfがTfmより小さくなるように再設定され、同時にこれに応じて決定されるVfcは繰り出しモータM1の逆回転を防ぐために0より大きくなるように再設定される。
上記条件下で、繰り出しモータM1の最大速度Vfmと逆回転防止(速度0)の範囲内にVfとVfcを設定するために、ステップ160以降の処理を行う。
そして、再設定されたVfとTfから、このときの非同期時繰り出し速度Vfcを演算する(ステップ180)。得られた非同期時繰り出し速度Vfcについて「Vfc<0」か否かを判断する(ステップ181)。
YESの場合には、繰り出しモータM1が逆回転することになるからLs=Lsmの条件下でVfc>0となるように変速比R(=Vf/vf)とVfを再設定し(ステップ182)、ステップ181へ戻る。NOの場合には「Vfc>0」であるから、ステップ183で繰り出し同期時間Tf(=Lf/Vf)を再演算する。
このようにして上下動同期長さLs(=Lsm)に対応する各パラメータTf、Vf、Rを設定し、基本ルーチンのステップ108へリターンする。
このようにして(A)〜(D)のいずれかの条件下でのシール時間T1を設定する。えられたシール時間T1は(A)〜(D)のいずれかの条件下(Tf=TfmまたはLs=Lsm)で最大の値となる。
筒状フィルムfの繰り出し速度に関し、製袋チューブ2を通した内容物の充填速度に応じて変速比Rを設定することもできる。繰り出し速度に対し充填速度が遅いと内容物が袋Fから溢れるおそれがあり、充填速度がより速いと内容物の落下距離が長くなり、舞い上がりや破損等を生じ易く、噛み込み等を生じることがある。また、横シーラ11が製袋チューブ2と接するときの速度差を小さくして滑らかに接触させることができる。さらに繰り出し長さLが一定の場合、製袋のための1サイクル時間を短くできる。
また、入力された機械回転数Nにおいて最も長い繰り出し同期時間Tfを実現でき、これによって横シーラの上下動同期長さLsを演算できるため、機械回転数Nを大きく設定しても横シールのための1サイクルにおいて、可能な最大の繰り出し同期時間Tfとシール時間t1を確保でき、シール効率が良い。
更に同期開始位置についても同期開始クランク角度θoを入力することで設定できる。そのため、横シールと同時にガセット形成する場合には、充填位置近傍で横シールを行うように同期開始クランク角度θoを設定することで、きれいなガセット袋Fを形成できる。また、充填開始端から離れた位置で横シールを行うように同期開始クランク角度θoを設定することで、平袋の形成をスムーズに行うことができる。
本実施の形態では縦形製袋充填機について説明したが、本発明はこれに限定されることなく横形等製袋充填機等、各種の製袋充填機の横シール装置に用いることができる。
11 横シーラ
11a、11b シールブロック
14 横シール制御装置
20 ディスク
21 クランク
36 設定値入力手段
37 記憶手段
38 シール時間演算手段
39 等速時演算手段
40 変速時演算手段
41 速比演算手段
M1 繰り出しモータ
M2 上下動モータ(往復動モータ)
M3 開閉モータ
f 筒状フィルム(包材)、フィルム(包材)
T1 シール時間
N 機械回転数
L フィルムの繰り出し長さ
θo 同期開始クランク角度
θe 同期終了クランク角度
θem 同期終了クランク最大角度
α 上下動同期クランク角度(往復動同期クランク角度)
αm 上下動同期クランク最大角度(往復動同期クランク最大角度)
R 繰り出し速度の変速比
Lf 繰り出し同期長さ
Tf 繰り出し同期時間
Tfm 繰り出し同期最大時間
Vfm 繰り出しモータの最大速度
Vf 繰り出し同期速度
Vfc 繰り出し非同期速度
vf 等速の場合の繰り出し同期速度
Ls 上下動同期長さ(往復動同期長さ)
Lsm 上下動同期最大長さ(往復動同期最大長さ)
Vs 上下動同期速度(往復動同期速度)
Vsc 上下動非同期速度(往復動非同期速度)
Vsm 上下動モータ最大速度(往復動モータ最大速度)
r 繰り出し同期長さ(速度)と上下動同期長さ(速度)の比(速比)
Claims (4)
- フィルムを略筒状に成形して搬送する包材に、ボックスモーションする横シーラを当接させて、前記包材と横シーラを同期させて所定時間搬送して横シールすると共に、横シール時における前記包材の繰り出し同期速度Vfと前記横シーラの往復動同期速度Vsを制御するようにした製袋充填機における横シール制御装置において、
入力データとして、(1)包材の1袋分の繰り出し長さLと、(2)単位時間当たり製作する袋の数に相当する機械回転数Nと、(3)前記横シーラで横シールするための同期開始位置と、(4)仮に設定した仮横シール時間T1と、(5)製袋のための1サイクル間で全体の包材繰り出し速度を一定速度に設定した場合の包材の繰り出し同期速度vfに対する、非同期時及び同期時で繰り出し速度を変速する場合の包材の繰り出し同期速度Vfの変速比を仮に設定した仮変速比Rとを入力する設定値入力手段と、
一定速度での、包材の繰り出し同期最大時間Tfmによる包材の繰り出し同期長さLfと横シーラの往復動同期最大長さLsmとのいずれか短い一方の長さを基準に他方の長さを設定演算する等速時演算手段と、
包材の繰り出し同期時間Tfが前記繰り出し同期最大時間Tfmの場合には当該繰り出し同期時間Tfを固定し、往復動同期長さLsが同期最大長さLsmの場合には往復動同期長さLsを同期最大長さLsmに固定して、変速比Rを演算する変速時演算手段とを、
該変速時演算手段で得られた変速比Rと前記繰り出し同期最大時間Tfmまたは往復動同期最大長さLsmとに基づいて、許容される横シール時間T1を演算するシール時間演算手段とを
備えたことを特徴とする製袋充填機における横シール制御装置。 - 同期時間Tfにおける包材の繰り出し同期長さLfが往復動同期長さLsより長くなるように速比rを設定する速比演算手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の製袋充填機における横シール制御装置。
- 前記包材の繰り出し速度を制御する繰り出しモータを備えていて、前記包材の繰り出し同期速度Vfと繰り出し非同期速度Vfcを前記繰り出しモータの駆動可能範囲内に制御するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の製袋充填機における横シール制御装置。
- 前記横シーラのボックスモーションのために、横シーラのクランク運動による往復動速度を制御する往復動モータと、前記横シーラを包材に当接して横シールさせると共に包材から離間させる開閉モータとを備えていて、前記往復動モータの往復動非同期速度を前記往復動モータの駆動可能範囲内に制御するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の製袋充填機における横シール制御装置。
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