JP4550119B2 - 誘電体材料からなる個別の電圧調節可能な共振器 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体材料からなる個別の電圧調節可能な共振器(discrete voltage tunable resonator)に係り、特に、電圧に依存した誘電率を有する、金属接地コーティング(metal ground coating)により覆われたセラミック誘電体材料の単一層と、誘電体と接触するが、金属接地コーティングからは電気的に離隔されている金属コンタクトとを含む個別の電圧調節可能な共振器に関するものである。
電子共振器は、様々な機能を成し遂げるために、様々な電子回路中で用いられている。AC信号が広い周波数領域に亘って共振器に印加されると、そのような共振器の構造や材料に応じて、共振器は、特定の共振周波数において共振することとなる。この特性は、共振器が、例えば、所定の周波数領域における周波数のみを通すように、又は特定の周波数を減衰するように設計された電子フィルターにおいて使用されることを許容する。電気的に調節可能な、従って、より広いバンド幅に固定的に調節された等価物(counterpart) に関連した付加ノイズ及び干渉を最小化する共振器やフィルタによって、理論上、多くの応用があるだろう。
共振器は、また、GHz領域において作動する光学的な且つワイヤレスな通信システムのような、高周波数の応用においても使用される。この種の応用において、共振器は、例えば、送信器及び受信器における発振器(オシレータ)の周波数を安定化するために使用される。この種の共振器は、必要な発振器の周波数安定性とスペクトル純度を与え、そしてまた低い位相ノイズに保つために、高いQ値を示さなければならない。多くの発振器が、電圧制御発振器(VCO)を利用する通信システムにおいて用いられており、固定周波数共振器に連結された電圧可変リアクタンス(一般的に、バラクタ・ダイオード)を用いて正確な振動数又は正確な振動数のセット(又はチャンネル)に電子的に調節(tuning)される。電圧可変リアクタンスに印加された制御電圧は共振器の共振周波数を調節し、そしてその結果、発振器の周波数を調節する。この周波数の電圧調節可能性は、製造上の公差、温度、エージング及び振動の周波数に影響するその他の環境因子の影響を補償することを可能にする。マイクロ波の周波数において、ガリウム砒化物バラクタ・ダイオードは、一般に、それらが比較的高いQを有するために、その適用において採用される。しかしながら、そのようなQは、一般的に10GHzでは50より小さく、固定周波数共振器の利用可能なQと比較して依然として低い。その結果として、電子的な調節を利用する発振器やフィルターの性能は、それらの固定された周波数の等価物と比較して、より高いノイズ及び損失を示す傾向がある。
当該技術において知られている、いくつかのタイプの高Qの固定周波数共振器が、例えば、空洞共振器、同軸共振器、伝送線路共振器及び誘電体共振器を含んで、高Qの適用において使用され得る一方、電圧調節可能な高Q共振器は、これまで知られて来なかった。上述のことから考慮して、単純な構造を有すると同時に、証明済みの材料(例えば、セラミックス)及び証明済みのマイクロエレクトロニクス技術(例えば、リソグラフィ)を用いて大量生産することにより安価となる、様々な特定の共振周波数において共振するように設計され得る電圧調節可能な高Q共振器を提供することが、望ましい。
本発明の目的とするところは、制御電圧の印加により調節され得る様々な特定の共振周波数において共振するように設計され得る、個別の電圧調節可能な高Qの共振器を提供することにあり、そしてそれは、単純な構造を有しており、また大量生産することにより安価となるものである。
本発明の一つの具体例によれば、個別の電圧調節可能な共振器は、(i)電圧依存性の
誘電率、即ち適用された電界により変化せしめられ得る誘電率、及び(ii)圧電特性、即ち誘電体ベースにおける寸法変化を引き起こす電界適用時の圧電応答のうちの少なくとも一つを有する誘電体材料からなる誘電体ベース(dielectric base) を含んで、提供される。電圧調節可能な共振器は、幅と、その幅と同じか或いはそれよりも大きな長さと、厚さと、対応した主面とを有する。金属コンタクト(metal contact) は、誘電体ベースの外表面上に形成され、また金属接地コーティングは、金属コンタクトの周囲の分離領域を除く、残りの誘電体ベースの露出表面上に形成される。分離された金属コンタクトと接地金属コンタクトとの間に印加される制御電圧は、(i)誘電率及び共振器の共振周波
数を制御するための可変電界及び(ii)当該装置の共振周波数を制御するために共振器の寸法を変化させる圧電応答のうちの少なくとも一つを与える。
好ましくは、分離領域は、金属コンタクトと金属接地コーティングとの間の有意な結合を防止するために充分な面積を有する。加えて、金属コンタクトは、好ましくは、所定の面積を有し、そして共振器に対して、所定の負荷Q(loaded Q)値、入力インピーダンス、及び周波数の調節電圧係数を与えるように、ベース上の所定位置に位置せしめられている。
ベースに使用される材料の電圧可変誘電率、及び誘電体ベースの幅と長さは、共振器が、少なくとも、GHz領域における一つの所定の電圧制御周波数領域において共振するように、選択される。適切な電界依存誘電率を有する何れかの誘電体材料が使用され得る一方、共振器の共振周波数が全体として低い温度係数を有するように、低い熱係数の寸法膨張と低い温度係数の誘電率を有する剛性材料が、好ましい。
共振器のQの低下を最小化するために、0.0005よりも少ない低い誘電損失正接(dielectric loss tangent) を有する材料が、好ましい。誘電体材料は、好ましくは、高い絶縁抵抗を有し、DC及びRF損失電流を最小化するため、分離された金属コンタクトと接地との間で、好ましくは108 オームよりも大きい絶縁抵抗を有する。セラミック又は結晶性誘電体材料(crystalline dielectric material) が誘電体ベースとして好ましく、それらの誘電率の安定性及び温度変化による低い機械的膨張を考慮すると、水晶やニオブ酸リチウムのような結晶性材料は、特に好ましい材料である。
共振器面の配向に関係する結晶面の配向は、周波数の電圧係数と同様に、温度に対する共振周波数の安定性にも影響を及ぼす設計パラメータであり、そして圧電材料の場合の周波数のマイクロホニック調節(microphonic modulation)の感度が、テンソル(tensor)材料パラメータに起因する。これらの材料は、共振器の公称共振周波数が、所定の実効誘電率領域を有する材料の選択、そして選択された幅と長さを有するようにベースを形成することによって、簡単に制御されることを許容する。
加えて、従来のマイクロエレクトロニクス製造技術が、金属コンタクトのサイズ及び位置を制御して、電圧調節可能な誘電体共振器のための負荷Q及び入力インピーダンスを制御するように、用いられ得る。更にその上に、金属接地コーティングが誘電体ベース内で電磁エネルギーを遮蔽するため、共振器を遮蔽する分離したハウジングを備えることは不要である。上記の全ての結果として、本発明の共振器は、幅広い領域の電圧調節可能な共振周波数を示し、また固定周波数共振器とバラクタ・ダイオードの組合せからなる従来技術の解決策と比較して、高い結合Q値を有し、更に従来技術の解決策と比較して、低減された製造コストにて製造され得る。
本発明の個別の共振器(ディスクリート・レゾネータ:discrete resonator)は、1GHz〜80GHzの領域の共振周波数において容易に作動することが出来、また50から、2000を越える領域で負荷Q値(loaded Q value)を示すことが出来る。これは、共振器が幅広く多様な適用において使用されることを可能にする。加えて、その個別の構造及び制御可能なQにより、かかる共振器は、特に、通信又はレーダーシステムにおいて、発振器(オシレータ)の周波数を安定化させることに適している。
以下、本発明の本質及び目的のより良き理解のために、本発明の好ましい実施の態様の一つについて、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
図1及び図2は、本発明の一具体例に従う電圧調節可能な誘電体共振器1を示している。共振器1は、幅(W)と、その幅と同じか、若しくはそれよりも大きな長さ(L)と、厚さ(t)と、二つの対向する主面とを有する誘電体ベース2を含む。対向する主面は、以下で更に詳細に述べるように、実質的に、誘電体ベースの外表面の全体が金属接地コーティング4にて覆われているため、図1及び図2において、見ることは出来ない。加えて、図1の「W」、「L」、「t」は、金属接地コーティング4により覆われた下の誘電体ベース2の幅、長さ、及び厚さを示すものであることが理解されるべきである。
金属コンタクト3は、誘電体ベース2の主面の一つの上に形成され、分離領域5によって、金属接地コーティング4から分離されている。この分離領域5の大きさは、金属コンタクト3と金属接地コーティング4との間で要求された入力インピーダンスに一致するように選択される。例えば、0.4インチ(W)×0.4インチ(L)のオーダーの寸法を有する結晶性石英から作られ、10GHz周辺で作動するように意図された誘電体ベース2については、分離領域5は、約0.01インチの幅でなければならない。
金属コンタクト3と金属接地コーティング4を形成するために使用される金属材料は、特に限定されるものではなく、金、銅及び銀は、使用され得る金属の例である。高い電気伝導度を有する金属が、高いQのために望ましい。超伝導表面の金属が、更にQを増すために使用され得る。
金属コンタクト3及び金属接地コーティング4の厚さも、特に限定されるものではないが、高いQのために、作動周波数において、少なくとも3つの「膜深さ(skin depths)」の厚さであるべきである。金又は銅金属を用いた10GHzの共振器においては、例えば、金属コンタクト3と金属接地コーティング4は、約100マイクロインチの厚さであるべきである。装置の周波数が増すに従って、装置のQを最適と為し得るに必要な金属の厚さが、減少せしめられる。
誘電体ベース2は、温度によって有意に変化せず、また電界に依存する誘電率を有する任意の誘電体材料から形成され得る。更に、誘電体は、また、圧電特性を示し得るものであり、これによって印加電圧が、共振器の寸法変化を生じさせる。これらの効果(作用)は、共振周波数の望ましい電圧調節を生じさせるように、独立して、又は組み合わせて、用いられ得ることに留意されるべきである。上述したことに加えて、かかる誘電体材料は、予測可能な誘電率及び低い損失正接も有しなければならない。もし電圧調節可能な誘電体共振器がGHZ領域での作動のためのものなら、温度安定性のために、材料の誘電率は、特に100より小さくあるべきであり、そして損失正接は、0.005よりも少なく、望ましい共振器のQに等しくあるべきである。誘電体材料として適したいくつかの例は、結晶性石英(crystalline quartz)、ニオブ酸リチウム及びチタン酸ストロンチウム組成物を含むが、これに限定されるものではない。
共振器は、100より低い誘電率を有する材料を使用することにより、そして誘電体ベース2の幅及び長さを注意深く選択することにより、様々な所定の共振周波数において共振するように設計され得る。共振周波数は、共振器としての特定の適用に基づいて決定される一方、共振器が、電気通信システムにおいて、発振器(オシレータ)の周波数を安定させるために使用される場合には、共振周波数は、1〜45GHzの程度であろう。本発明に係る共振器の設計は、長さ/幅及び/又は誘電体ベースの誘電率を変化させることによって、簡単に、この領域の全体内の何れかの周波数で共振する共振器の製造を可能にしている。
図1に示される共振器において、誘電体ベース2の長さ(L)は、その幅(W)よりも大きい。W/Lは、0.6〜1.0の範囲であることが好ましい。共振周波数間の最大の分離及び最大のQは、W/L=1.0で実現する。この構造の最低共振周波数モードは、TE101 モードであり、これは、誘電体ベース2の主面の一つ(例えば、上面)に関する二次元中心において誘電体ベース2内に最大電界強度を与える。この方法により、誘電体ベース2内における金属コンタクト3と電磁エネルギーとの間のカップリング(coupling)が、誘電体ベース2上の選択された位置に金属コンタクトを位置せしめることにより、制御され得る。
例えば、誘電体ベース2内での金属コンタクト3と電磁エネルギーとの間のカップリングは、誘電体ベース2の上面の二次元中心において最大とされる。しかしながら、共振器に接続されたときに外部回路が受ける負荷Qを増加させるために、金属コンタクト3と電磁エネルギーとの間のカップリングを減少させることが必要である。従って、金属コンタクト3は、カップリングを減少させるために、誘電体ベース2の幾何中心から離れるように動かされ得る。図1及び図2に示される装置において、コンタクト3は、共振器の長手方向の中心線(LCL)に沿って位置せしめられるが、共振器の対向端の一つの近くに位置させられる。カップリングは、この方法により、著しく減少せしめられる。
図3は、本発明に従う電圧調節可能な誘電体共振器の他の具体例を示す平面図である。この具体例において、金属コンタクト3は、共振器の長手方向の端のより近くに位置せしめられるが、共振器のLCL上に中心を置いている。この配置は、更に誘電体ベース2内での金属コンタクト3と電磁エネルギーとのカップリングを減少させる。
図4は、本発明に従う電圧調節可能な誘電体共振器の他の具体例を示す平面図であり、そこにおいて、金属コンタクト3は、共振器の長手方向の端に隣接して位置せしめられるが、共振器のLCLに対してずれて配置される。その描かれた誘電体ベース2の形状は、誘電体ベース2の上面の二次元中心においてだけではなく、誘電体ベース2の長手方向の中心線に沿っても、電磁エネルギーを集中させるだろう。図4に示される具体例は、更に、共振器の端に隣接するだけではなく、共振器の長手方向の中心線に対してもずれた、金属コンタクト3の配置によって、誘電体ベース2内での金属コンタクト3と電磁エネルギーとの間のカップリングを減少させる。
上で説明したように、高い周波数の適用において、特に、GHzの領域において、共振器が少なくとも100の高いQを示すようにすることが必要である。多くの電圧制御発振器(VCO)の応用において、本発明に従う共振器は、共振器自体が調節可能なため、より高い負荷された共振器のQの使用を可能にする。換言すれば、これは、低い位相ノイズで、そして従来技術よりも低いコストで、VCOを与える。この電子的な調節可能性は、また、温度や印加電圧のような作動環境の影響だけでなく、発振器/共振器の製造公差を補償するために、規定された周波数領域内で正確な周波数に調節される発振器(オシレータ)の群を許容する。
共振器の負荷Q値は、主に、誘電体ベース2内での金属コンタクト3と電磁エネルギーとのカップリングの度合いにより定められる。従って、金属コンタクト3のサイズを変化させることにより、及び電磁エネルギーが最大となる誘電体ベース2内のそれらの領域に対する金属コンタクトの位置を変化させることにより、カップリングの量が変化され得る。更に、図1〜図4に関して上で説明したように、本共振器の設計において、電磁エネルギーは、そのLCLに沿うだけでなく、誘電体ベース2の上面の二次元中心において最大となる。最大の電界強度のこれらの領域に関する金属コンタクト3の位置を選択することにより、カップリングが制御され得、従って、装置全体のQが正確に制御され得る。
本発明の状況では、共振器のQは、金属コンタクト3のサイズと位置が、標準的なリソグラフィの技術を用いて決定されるため、特に、制御が容易である。このようなものとして、与えられた共振器は、極めて特定のQを示し、そしてそれ故に、外部回路により与えられる負荷Q値を制御するように、形成され得る。加えて、リソグラフィ技術の使用は、また、装置の入力インピーダンスを決定するために分離領域5のサイズを正確に制御することも許容し、それは異なる外部回路において共振器を実行する場合にも望ましいものである。
本発明に従う共振器は、現在の利用可能な共振器よりも、かなりの利点を与える。例えば、単一の個別の(discrete)ユニットとして、共振器は、これまでは、上で述べたような、より複雑な(従って、より高価な)共振器によってのみ可能であった、比較的高い負荷Q値を与え得るのである。第二に、同じような基本的な設計が、誘電体ベースの長さ/幅及び/又は誘電率を変化させることによって、幅広い様々な適用に亘って簡単に実行され得る。誘電体ベースの厚さは、製造方法及び望まれる無負荷の共振器Q値に相応しい範囲を越えて調節され得る。Qは、共振器がTE101 モード(最低周波数モード)と同様にTE111 モードを維持する境界となるまで、厚さと共に増加する。加えて、金属コンタクトの位置及びサイズを制御するためのリソグラフィー技術の使用は、様々な電圧回路要求を満たすように、負荷Qの制御や共振器の調節領域(tuning range)における幅の広い自由度を与える。
本発明の共振器は、従来技術よりも他の有利な点を有する。例えば、回路基板上の設置面積(footprint) がサイズを限定される場合に、誘電体ベース2を形成するために使用された材料の誘電率は、望ましい共振周波数を達成するように容易に変化させられ得る。加えて、誘電体ベース2の厚さは、また、共振器のQをより大きく制御するのに寄与するように、様々に変更され得る。
本発明に従う共振器の他の利点は、自己遮蔽(self-shielding)であることである。特に、誘電体ベース2の外表面の全体が、金属コンタクト3及び分離領域5を除いて、金属接地コーティング4にて覆われているため、共振器内の電磁エネルギーが、該金属コーティング4によって閉じ込められている。従って、従来技術の共振器と異なり、共振器が使用される回路基板上の他の構成要素による又はそれとの干渉を妨げるために、共振器の周りに、ハウジングを設ける必要がないのである。
図5は、本発明の他の具体例に従う電圧調節可能な誘電体共振器を示す平面図である。この共振器は、金属接地コーティング4を貫いて形成されたスロット6を除いて、基本的には、図1及び図2で示される共振器と同じである。この金属接地コーティング4の一部を取り除くことによって、共振器の共振周波数は、本来の製造工程が完結した後に、調節され得る。例えば、何千もの共振器が、図1に示されるような共振器を生産するために、同一の方法で製造され、そしてそれから、特定の共振器が、更に、(スロット6を形成するために)加工されて、それら共振器を、図1で示される共振器が作動する共振周波数以外の共振周波数に調節(tune)する。これは、装置設計の更なる自由度を与え、大量生産において追加のコストを抑制する。
図6は、本発明に従う電圧調節可能な誘電体共振器の他の具体例を示す平面図であり、誘電体ベース2の対向端に位置せしめられた二つの金属コンタクト3A及び3Bを含んでいる。この共振器は、他の全ての点に関して、上で説明した共振器と同一である。しかしながら、この共振器は、二つのポート(3A,3B)を有しているため、電圧調節可能なバンドパスフィルターとして使用され得る。適当なカップリング係数と共に、2又はそれより多い特定の共振モードを維持するために、共振器を適切に設計することによって、2又はそれより多い極だけでなく、単極の特性も与えるように設計され得る。
上述した全ての共振器は、標準的な、セラミック及びマイクロエレクトロニクス製造技術を用いて製造され得る。例えば、誘電体ベース2はセラミック材料の未焼成の(green )単層として形成されて、その後焼成されるか、又は複数の未焼成のテープが積層されて、その後焼成されるものとして、形成され得る。両者の場合において、得られる焼成体は、必要な誘電特性を示すモノリシックセラミック材料の単一のピースである。
金属コンタクト3と金属接地コーティング4は、また、RFスパッタリング及び/又はメッキのような、従来からの技術を使用して形成され得る。誘電体ベース2の外表面の全体を覆うために、金属接地コーティング4は、最初に形成されることが好ましい。分離領域5が、その後、金属コンタクト3を作るために、リソグラフィーの技術を用いて形成され得る。
これらの技術の全ては、本発明に従う電圧調節可能な誘電体共振器を比較的安価に製造させるものである。典型的な方法が、上で述べられている一方、従来のマイクロエレクトロニクス製造方法が、何れも、本発明に合致する共振器を形成するために使用され得る、と充分に言うことが出来る。
本発明は、特に、図において描かれているような好ましい態様を参照して示され、そして説明される一方、請求項により定義されるような発明の精神と範囲から逸脱しない限りにおいて、詳細に様々に変化したものが結果をもたらすであろうことは、当業者により理解されるだろう。例えば、上で述べたように、説明は、主に、結晶性又はセラミック材料に関係しているが、相応しい電圧依存特性を有する誘電性のガラスや高分子のような、その他の誘電体材料も使用され得るのである。
本発明の一具体例に従う電圧調節可能な誘電体共振器の斜視図である。 図1に示される電圧調節可能な共振器の上面の平面図である。 本発明の他の具体例に従う電圧調節可能な共振器の上面の平面図である。 本発明の別の具体例に従う電圧調節可能な共振器の上面の平面図である。 共振器の共振周波数を調節するために、金属接地コーティングの一部が取り除かれた、図1に示される電圧調節可能な誘電体共振器の平面図である。 本発明の他の具体例に従う電圧調節可能な誘電体共振器の上面の平面図である。
符号の説明
1 誘電体共振器 2 誘電体ベース
3,3A,3B 金属コンタクト 4 金属接地コーティング
5 分離領域 6 スロット

Claims (17)

  1. 電圧依存性の誘電率及び圧電特性のうちの少なくとも一つを有する誘電体材料からなる誘電体ベースであって、幅と、その幅と同じか、それよりも大きな長さと、厚さと、対向した主面を有するもの;
    該誘電体ベースの外表面上で所定位置に形成されて、共振器に対して所定の負荷Q値を与える、所定の面積を有する金属コンタクト;及び
    該金属コンタクトの周囲の境界を定める分離領域を除く、残りの前記誘電体ベースの露出表面上に形成された金属接地コーティングであって、かかる分離領域が、該金属コンタクトと該金属接地コーティングとの間の有意な結合を防止するために充分な面積を有するもの;
    を含み、且つ、前記金属コンタクトと前記金属接地コーティングとの間に印加される制御電圧が、(i)共振器の誘電率と共振周波数とを制御するための可変電界及び(ii)共振器の共振周波数を制御するために共振器における寸法変化を引き起こす圧電応答のうちの少なくとも一つを与える
    ことを特徴とする個別の電圧調節可能な共振器。
  2. 前記誘電体材料が、結晶性材料及びセラミック材料のうちの少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  3. 前記誘電体材料が、圧電材料からなることを特徴とする請求項2に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  4. 前記誘電体材料が、結晶性石英、ニオブ酸リチウム及びチタン酸ストロンチウム成分を有する材料のうちの一つであることを特徴とする請求項2に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  5. 前記負荷Q値が、50から、2000より大きい値の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  6. 前記共振周波数が、1GHz〜80GHzの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  7. 前記誘電体ベースが、焼成された誘電体セラミック材料の単一のモノリシック片からなることを特徴とする請求項1に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  8. 前記共振器内の電界強度が、前記共振器の最低共振周波数モードにおいて、前記誘電体ベースの二次元幾何中心に最も近接するように、前記ベースの前記幅及び長さが選択され、且つ前記金属コンタクトが、該幾何中心からスペースをおいて配置されていることを特徴とする請求項1に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  9. 前記金属コンタクトが、前記長さに沿った対向端の一つに隣接する前記誘電体ベースの対向する主面の一つの上に位置せしめられていることを特徴とする請求項8に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  10. 前記金属コンタクトが、前記誘電体ベースの前記対向端の一つに位置せしめられていることを特徴とする請求項9に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  11. 前記誘電体ベースが、前記長さに沿って延びる長さ方向の中心線を有しており、且つ前記金属コンタクトが、該長さ方向の中心線上に中心を置いていることを特徴とする請求項9に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  12. 前記誘電体ベースが、前記長さに沿って延びる長さ方向の中心線を有しており、且つ前記金属コンタクトが、該長さ方向の中心線の一つの端に位置せしめられていることを特徴とする請求項9に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  13. 前記金属コンタクトと前記金属接地コーティングとが、高電気伝導度の金属で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  14. 前記高電気伝導度の金属が、金、銅及び銀からなる群より選ばれた金属であることを特徴とする請求項13に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  15. 前記金属接地コーティングが、はんだ組付けのための導電表面仕上げからなることを特徴とする請求項13に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  16. 前記金属接地コーティングの一部が、前記共振周波数を変化させるために取り除かれていることを特徴とする請求項1に記載の個別の電圧調節可能な共振器。
  17. 電圧調節可能な誘電体共振器を含むディスクリート・フィルタにして、該電圧調節可能な共振器が、
    電圧依存性の誘電率及び圧電特性のうちの少なくとも一つを有する誘電体材料からなる誘電体ベースであって、幅と、その幅と同じか、それよりも大きな長さと、厚さと、対向した主面を有するもの;
    該誘電体ベースの外表面上で所定位置に形成されて、共振器に対して所定の負荷Q値を与える、所定の面積を有する複数の金属コンタクト;及び
    該金属コンタクトの周囲の境界を定める分離領域を除く、残りの前記誘電体ベースの露出表面上に形成された金属接地コーティングであって、かかる分離領域が、該金属コンタクトと該金属接地コーティングとの間の有意な結合を防止するために充分な面積を有するもの;
    を含み、且つ、前記金属コンタクトと前記金属接地コーティングとの間に印加される制御電圧が、(i)共振器の誘電率と共振周波数とを制御するための可変電界及び(ii)共振器の共振周波数を制御するために共振器における寸法変化を引き起こす圧電応答のうちの少なくとも一つを与える
    ことを特徴とするディスクリート・フィルタ。
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