JP4549783B2 - 画像処理装置及びプログラム並びにx線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置及びプログラム並びにX線CT装置に関し、更に詳しくは、被検体のX線投影データに基づきX線CT断層像を画像再構成する画像処理装置及びプログラム並びにX線CT装置に関する。
X線CT装置では、被検体を透過したX線量子ノイズによって、画像再構成された画素のCT値にもX線量子ノイズなどに起因するX線CT断層像の画像ノイズとなって表れる。このX線量子ノイズはポアソン分布に従うと共に、平均N個のX線量子を検出するような計測では、その標準偏差が√(N)になることが知られている。このため、X線量子ノイズによる画質の粒状性はX線断層像では避けられない。またこの粒状性はX線断層像とともに認知されて来た。
また、例えば肺野部の診断で片側の肺のみを部分拡大再構成することがある。このように、診断の用途によっては小さな画像再構成領域を部分拡大画像再構成する場合があり、この時、X線量子ノイズなどに起因する画像の粒状性(粒子)も単純に拡大されてしまうため、同じ再構成関数を用いると、視覚的な違和感を与えていた。
このような状況の下、従来は、撮影範囲の全域を画質を各部位の診断目的に最適な状態でX線断層撮影できるように、例えば、頭部Maには通常よりも骨の輪郭が明瞭な画像になるような再構成関数を使用し、また肺野部Mcには通常よりもシャープな画像になるような再構成関数を使用し、さらに、腹部Mdには癌などの病変部が目立つ通常よりもスムーズな画像になるような再構成関数を使用するものが知られている(特許文献1)。しかし、各撮影部位の領域の大きさに最適な再構成関数については、撮影部位の領域の大きさにかかわらず粒状性テキスチャーの視覚的な感覚・印象を維持させることについて具体的な記載はなかった。
また、従来は、広い視野(大きい画像再構成領域)の画像と狭い視野(小さな画像再構成領域)の画像を同時に得ることを課題とし、広い視野(大きい画像再構成領域)の画像については高周波抑制タイプの再構成関数と重畳することによりノイズの少ない滑らかな画像を得、また狭い視野(小さな画像再構成領域)の画像については高周波強調タイプの再構成関数と重畳することにより解像度が高い画像を得ると共に、必要なら、狭い視野(小さな画像再構成領域)の画像については再構成後の画像を拡大して画面に表示するものが知られている(特許文献2)。
特開2002−191592(要約,「0028」) 特開2000−175903(要約,「0032」,「0033」)
しかし、上記小さな画像再構成領域の画像について部分拡大画像再構成を行うと、画質、特に粒状性テキスチャーに対する観察者の視覚的感覚・印象を一定に保つには限界があり、画像の粒状性テキスチャーが大きくぼやけた感じで違和感を感じる不自然な画像となっていた。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的とする所は、小さな画像再構成領域の投影データを部分拡大画像再構成して表示しても粒状性テキスチャーに違和感を与えない画像処理装置及びプログラム並びにX線CT装置を提供することにある。
第1の観点では、本発明は、X線CT断層像を部分拡大画像再構成する際に、スキャン領域の1画素の大きさと、部分拡大画像再構成される画像の再構成領域の1画素の大きさとの比で表される拡大率が増すほど、投影データと重畳するための再構成関数の周波数特性を、高域をより強調する特性に移す調整手段を備えている画像処理装置を提供する。
上記第1の観点における画像処理装置では、投影データに対してその拡大率に応じた高い周波数特性(即ち、高域の延長又は強調された)の再構成関数を重畳するため、小さな部分拡大画像再構成領域の投影データを拡大断層像に画像部分拡大画像再構成しても、断層像の粒状性テキスチャーに別段の違和感を与えない。即ち、ノイズ画像を常にノイズと認識できるように保つことが可能となる。
第2の観点では、本発明は、X線CT断層像を再構成する際に、スキャン領域の1画素の大きさと、部分拡大画像再構成される画像の表示領域の1画素の大きさとの比で表される拡大率が増すほど、投影データと重畳するための再構成関数の周波数特性を、高域をより強調する特性に移す調整手段を備えている画像処理装置を提供する。
上記第2の観点における画像再構成方法では、投影データに対してその拡大率に応じた高い周波数特性の再構成関数を重畳するため、小さな部分拡大画像再構成領域の投影データを拡大断層像に画像部分拡大画像再構成しても、断層像の粒状性テキスチャーに別段の違和感を与えない。即ち、ノイズ画像を常にノイズと認識できるように保つことが可能となる。
第3の観点では、本発明は、前記調整手段は、さらに、前記部分拡大画像再構成される画像のスライス厚が増すほど、前記再構成関数の周波数特性を、低域をより強調する特性に移す画像処理装置を提供する。
上記第3の観点における画像処理装置では、再構成画像のスライス厚が増すと、再構成画像のS/Nも改善される傾向にあるため、ノイズが強調されない方向に再構成関数の周波数特性を変更する。又は変更をしなくても充分であれば変更しない。
第4の観点では、本発明は、前記再構成関数は、周波数領域で規定された基本関数群と、この基本関数の高域部分を抑制する第1の関数群と、この基本関数の高域部分を強調する第2の関数群とを備え、前記調整手段は、これらの関数の周波数特性を定めるパラメータを調整してこれらの関数を合成することにより、前記再構成関数の周波数特性を調整する画像処理装置を提供する。
上記第4の観点における画像再構成方法では、例えば図5に示すように、再構成関数K(ω)は、周波数領域で規定された基本関数K(ω)と、この基本関数の高域部分を抑制する第1の関数K(ω)と、この基本関数の高域部分を強調する第2の関数K(ω)とを備え、これらの内の1又は2以上の関数の周波数特性を規定するパラメータ(ωn,ωd,ωr,ωb,ωa,R等)を調整して合成することにより周波数特性を調整するものである。このように、再構成関数の周波数特性の任意調整が行え、最適化も可能である。
第5の観点では、本発明は、あらかじめ異なる周波数特性を有する複数の再構成関数を備え、部分拡大画像再構成の関心領域の大きさで決められる拡大率に応じて、これらの再構成関数の1つを選択する画像処理装置を提供する。
上記第5の観点における画像処理装置では、あらかじめ異なる周波数特性を有する複数の再構成関数を備え、前記拡大率に応じてこれらのうちの1つを選択するものである。従って、簡単な処理で周波数特性の適正な選択が行える。
第6の観点では、本発明は、あらかじめ異なる周波数特性を有する複数の再構成関数を備え、部分拡大画像再構成の関心領域の大きさで決められる拡大率に応じて、これらの再構成関数の2つを選択し、この2つを補間して再構成関数を求める画像処理装置を提供する。
上記第6の観点における画像処理装置では、あらかじめ異なる周波数特性を有する複数の再構成関数を備え、前記拡大率に応じてこれらのうちの2つを選択し、2つを補間して1つの再構成関数を作るものである。
第7の観点では、本発明は、被検体をはさんで相対向するX線発生手段及びX線検出手段を備え、被検体のX線投影データに基づきCT断層像を画像再構成するX線CT装置において、X線CT断層像を部分拡大画像再構成する際の画像再構成領域上の関心領域の大きさに応じて、再構成領域の拡大率が増すほど投影データと重畳するための再構成関数の周波数特性を高域側に移して最適にする再構成関数調整手段を備えることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第7の観点におけるX線CT装置では、X線CT断層像を部分拡大画像再構成する際の画像再構成領域上の関心領域の大きさに応じて、再構成領域の拡大率が増すほど、投影データと重畳するための再構成関数の周波数特性を高域側に移して最適にするため、小さな部分拡大画像再構成領域の投影データを拡大断層像に画像部分拡大画像再構成しても、断層像の粒状性テキスチャーに別段の違和感を与えない。即ち、ノイズ画像を常にノイズと認識できるように保つことが可能となる。
第8の観点では、本発明は、被検体をはさんで相対向するX線発生手段及びX線検出手段を備え、被検体のX線投影データに基づきCT断層像を再構成するX線CT装置において、X線CT断層像を部分拡大画像再構成する際の画像再構成領域上の関心領域の大きさに応じて、表示領域の拡大率が増すほど投影データと重畳するための再構成関数の周波数特性を高域側に移して最適にする再構成関数調整手段を備えることを特徴とするX線CT装置を提供する。
上記第8の観点におけるX線CT装置では、X線CT断層像を部分拡大画像再構成する際の画像再構成領域上の関心領域の大きさに応じて、表示領域の拡大率が増すほど、投影データと重畳するための再構成関数の周波数特性を高域側に移して最適にするため、小さな部分拡大画像再構成領域の投影データを拡大断層像に画像部分拡大画像再構成しても、断層像の粒状性テキスチャーに別段の違和感を与えない。即ち、ノイズ画像を常にノイズと認識できるように保つことが可能となる。
第9の観点では、本発明は、再構成関数調整手段は、画像再構成される画像のスライス厚が増すほど再構成関数の周波数特性を低域側に移すことを特徴とする第7又は第8の観点に記載のX線CT装置を提供する。
上記第9の観点におけるX線CT装置では、再構成画像のスライス厚が増すと、再構成
画像のS/Nも改善される傾向にあるため、ノイズが強調されない方向に再構成関数の周波数特性を変更する。又は変更をしなくても充分であれば変更しない。
以上のように、本発明によれば、小さな部分拡大画像再構成領域の投影データを画像再構成して拡大断層像に表示しても、断層像の粒状性テキスチャーに違和感を与えないため、部分拡大画像再構成を用いた画像診断においても適正に行える。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、被検体を載せて体軸方向(z方向)に移動させる撮影テーブル10、X線ファンビームにより被検体のアキシャルスキャン/ヘリカルスキャンデータ収集を行う走査ガントリ20、撮影テーブル10および走査ガントリ20の遠隔制御を行うとともに、操作者が各種の設定操作を行う操作コンソール1とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、画像再構成処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得した投影データを収集するデータ収集バッファ5と、投影データから再構成したCT画像を表示するモニタ6と、プログラムやデータやX線CT画像を記憶する記憶装置7とを具備している。
テーブル装置10は、被検体を乗せて走査ガントリ20のボア(空洞部)に入れ出しするクレードル12を具備している。クレードル12は、撮影テーブル10に内臓するモータで昇降およびテーブル直線移動される。
走査ガントリ20は、X線管21と、X線管の管電圧・管電流を制御するX線コントローラ22と、X線ファンビームのz方向の厚さ、つまりスライス厚さを制御するコリメータ23と、多列X線検出器24と、データ収集装置DAS(Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りにX線管21などを回転させる回転部コントローラ26と、制御信号などを前記操作コンソール1や投影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。
実施形態におけるX線CTシステムの構成は概ね上記の通りである。この構成のX線CT装置において、投影データの収集は例えば次のように行われる。まず、被検体を走査ガントリ20の回転部15の空洞部に位置させた状態でz軸方向の位置を固定し、X線管21からのX線ビームを被検体に照射し(X線の投影)、その透過X線を多列X線検出器24で検出する。そして、この透過X線の検出を、X線管21と多列X線検出器24を被検体の周囲を回転させながら{すなわち、投影角度(ビュー角度)を変化させながら}複数N(例えば、N=1,000)のビュー方向で、360度分のデータ収集を行う。
検出された各透過X線は、DAS(データ収集部)25でディジタル値に変換されて投影データd(ch,view)(ただし、ch:チャネル、view:ビュー)としてデータ収集バッファ5を介して操作コンソール1に転送される。この動作を1スキャンとよぶ。そして、順次z軸方向にスキャン位置を所定量だけ移動して、次のスキャンを行っていく。このようなスキャン方式はコンベンショナルスキャン方式(又はアキシャルスキャン方式)とよばれる。また、このコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)方式において、連続して複数回転分のスキャンを行うスキャン方式はシネスキャン方式とよばれる。また、投影角度の変化に同期して撮影テーブル10を所定速度で移動させ、スキャン位置を移動
させながら(X線管4と多列X線検出器24とが被検体の周囲をらせん状に周回することになる)投影データを収集する方式を、いわゆるヘリカルスキャン方式とよぶ。本発明はコンベンショナルスキャン方式、シネスキャン方式、ヘリカルスキャン方式いずれにも適用できる。
操作コンソール1は、走査ガントリ20から転送されてくる投影データを中央処理装置3の記憶装置7に格納するとともに、例えば、所定の再構成関数と重畳演算を行い、逆投影処理により断層像を再構成する。ここで、操作コンソール1は、スキャン処理中に走査ガントリ20から順次転送されてくる投影データからリアルタイムに断層像を再構成し、常に最新の断層像をモニタ6に表示させることが可能である。さらに、記憶装置7に格納されている投影データを呼び出して改めて画像再構成を行わせることも可能である。
以下、実施の形態によるX線CT撮影処理の流れを詳細に説明する。図2は実施の形態によるX線CT撮影処理のフローチャートで、例えば頭部中の注目する直径25cmの領域のCT断層像を512×512画素(50cm×50cmの表示領域に相当)の再構成領域に画像再構成する場合を示している。
図2において、事前に被検体のスカウトスキャンを行った後、この処理に入力する。ステップS11では、続く被検体アキシャル/ヘリカルスキャンのためのスキャン計画画面をモニタ6に表示する。ステップS12では、操作者が、スキャンパラメータを設定する。図3にスキャンパラメータの設定画面を示す。一例のスキャンパラメータは、以下の通りである。
スキャンタイプ[Scan Type]=アキシャルスキャン
体軸上のスキャン開始位置[Start Loc]=z1
体軸上のスキャン終了位置[End Loc]=z2
スキャン回数[No.of Scan]=32
スキャン幅[Thick]=1mm
スキャン時間[Sec]=1秒/ガントリ1回転
X線管の管電圧[kV]=120kV
X線管の管電流[mA]=280mA
この状態で、操作者が表示エリア13aの制御アイコン[Show Localizer]をクリックすると、画面上側の表示エリア13bには被検体のスカウト像{図は側面(90度方向スカウト像)を示しているが、正面(0度方向スカウト像)でも良い}が表示され、その上に各スキャン位置を示す線(スライスライン)が重ねて表示される。図の実太線はスキャンの開始位置及び終了位置をそれぞれ表し、また細線は中間の各スキャン位置を表す。操作者は、スカウト像上のスライスライン等を確認すると共に、必要なら、マウスでドラッグしてスキャン範囲・スライスライン数等を変更可能である。
次に、操作者が表示エリア13a上のプロスペクティブリコンタグ[P-RecoN]をクリックすると、X線CT断層像の画像再構成パラメータを入力可能となる。そして、図2のステップS13では、操作者がCT断層像の画像再構成パラメータを設定する。図4に画像再構成パラメータの設定画面を示す。CT断層像「R」を得るための一例の画像再構成パラメータは、以下の通りである。
画像再構成するスライス開始位置[Start Loc]=z3
画像再構成するスライス終了位置[End Loc]=z4
スライス(画像)枚数[NO.of Images]16枚
被検体のスライス厚[Thick]=1mm
再構成関数=A−1(詳細は後述)
画像フィルタ=タイプ3(詳細は後述)
画像再構成のマトリクスサイズ=512×512画素
更に、画面下側には被検体の注目領域(再構成領域)を指定するためのアイコン13cが表示されており、操作者は例えば最初のスキャンで得られた全体の肺野部断層像の注目領域である片側の肺野の中心座標(x,y)と、この領域の直径(例えば25cm)を画像再構成パラメータ入力又は関心領域のマウス操作で指定可能である。
なお、被検体の肺野部断層像は、事前に全体断層像をスキャンし画像再構成パラメータを変更して部分拡大画像再構成断層像を表示するのが通常である。こうすれば、疾患部(関心領域)を正確に指定可能である。あるいは、事前のスカウト像から被検体頭部のおおよそのサイズ、形状を推定しても良いし、又は、小児や成人の頭部の指定によって選択された典型的な頭部の断面像(模型像)であっても良い。これらのいずれにしても、疾患部を含むようなおおよその関心領域を指定可能である。
図2に戻り、ステップS14では設定確認ボタン「CONFIRM」の入力を待ち、このボタンが入力されると、ステップS15では上記設定されたスキャンパラメータに従って被検体のスキャン制御を行う。ステップS16では被検体の投影データを収集・蓄積する。ステップS17では撮影条件の全スキャンを完了したか否かを判別し、完了でない場合はステップS15に戻り、スキャンを繰り返す。
こうして、やがて、ステップS17の判別で全スキャンを完了すると、ステップS18では投影データに対して所定の前処理(対数変換、X線検出器の感度補正等)を行う。
図2に戻り、ステップS19では、再構成関数が“調整して作成される”、又は“既に用意されているものから選択される”。再構成関数は、まず選択されている部位ごとに再構成関数は大きく変えるのが通常である。またさらに、上記“スキャン領域の1画素の大きさと、表示領域又は再構成領域の1画素の大きさとの比”、その他、スライス厚などに応じて所定の再構成関数(再構成カーネル、フィルタ関数等とも呼ばれる)の周波数特性を微調整する。ここで、所定の再構成関数とは、例えば上記図4の再構成関数で選択された再構成関数A−1である。
図5は再構成関数の調整処理を説明している。ここでは再構成関数の周波数領域における調整処理を示している。一般に、投影データ領域,空間領域における画像再構成は、投影データd(ch,view)と再構成関数h(ch)との重畳積分を全ビューについて行う。しかし、一般的には空間領域の重畳演算が周波数領域では乗算になることを利用して、処理の高速化の観点から投影データをフーリエ変換して周波数領域に変換し、周波数領域に変換された再構成関数を乗算し、逆フーリエ変換で空間領域に投影データを戻すことがよく行われる。
図5では再構成関数の空間周波数軸における調整を示し、説明する。図5(a)は周波数領域における関数K(ω)、図5(b),(c)の関数K(ω),K(ω)、そして、図5(d)はこれらを組合せて構成した再構成関数K(ω)を示している。各関数K(ω)〜K(ω)は例えば記憶装置7に記憶されており、パラメータを変更することにより様々な周波数特性が得られる。
図5(a)の関数K(ω)は次式、
Figure 0004549783
で表される。この関数K(ω)の周波数特性はゲインが0となる周波数パラメータωn(X線検出器のチャネルピッチによってきまるナイキスト周波数に相当)を指定することにより変更可能である。なお、通常はデフォルト値としてのX線検出器のチャネルピッチによってきまるナイキスト周波数ωnを使用する。
図5(b)の関数K(ω)は、高周波成分を抑制するための関数であり、具体的な1例としては次式、
Figure 0004549783
で表される。この関数K(ω)の周波数特性はダンピングが開始される周波数パラメータωd及び又はゲインが1/2に落ちる時点の周波数パラメータωrを指定することにより変更可能である。
また、図5(c)の関数K(ω)は、上記とは逆に高周波成分を強調するための修正関数であって、具体的な1例としては次式、
Figure 0004549783
で表される。この関数K(ω)は、(ω)の周波数特性はゲインが上昇開始する周波数パラメータωb及び又はゲインが{(R+1)/2}に上がる時点の周波数(ωa+ωb)を特定するための周波数パラメータωaを指定することにより変更可能である。
そして、図5(d)の再構成関数K(ω)は次式、
Figure 0004549783
但し、scaleは所定のスケーリング定数
で表される。このように、再構成関数K(ω)を関数K(ω)と、周波数特性を調整するための関数K(ω),K(ω)の組合せで作ることにより、実際に使用する再構成関数K(ω)の高周波成分の抑制又は強調を、修正関数K(ω),K(ω)に対する簡単なパラメ
ータ(ωd,ωr,ωb,ωa,R等)の調整で容易に行える。図5(d)に高域を強調していない再構成関数(1)と、高域を強調した再構成関数(3)の例を示す。
次に、“スキャン領域の1画素の大きさと、表示領域又は再構成領域の1画素の大きさとの比”(拡大率)に応じて再構成関数の周波数特性を微調整(又は選択)する関係を説明する。まず、関心投影領域ROIに対する再構成領域DFOVの拡大率が増すほど、つまり“スキャン領域の1画素の大きさと、表示領域又は再構成領域の1画素の大きさとの比”が大きくなるほど投影データと重畳するための再構成関数の周波数特性を高域に移動させる。これにより、高い周波数特性の再構成関数と重畳することにより量子ノイズのランダム性が強調され、これにより粒状性テキスチャーのザラザラ感が強調され、全体の断層像と部分拡大断層像のテキスチャーの差がより少なくなる。
又は、関心投影領域に対する表示領域の拡大率が増すほど、つまり、“スキャン領域の1画素の大きさと、表示領域又は再構成領域の1画素の大きさとの比”が大きくなるほど投影データと重畳するための再構成関数の周波数特性を高域に移動させる。従って、上記同様の作用・効果が得られる。
また、再構成画像のスライス厚が増すほど、SNが良くなるため、上記の再構成関数の周波数特性を低域に移動させるか、変えなくても充分であれば変えないことで全体の断層像と部分拡大断層像のテキスチャーの差がより少なくなる。
本実施の形態では、上記画像再構成パラメータの設定に従って再構成関数の周波数特性が調整(又は選択)される。従って、“スキャン領域の1画素の大きさと、表示領域又は再構成領域の1画素の大きさとの比”、画像表示領域の大きさ(即ち、部分拡大画像再構成関心領域と画像表示領域との比)やスライス厚が変わっても、CT断層像の画質、特に粒状性テキスチャーが感覚的にほぼ一定に保たれる。
図2に戻り、ステップS20では、投影データと上記の調整(又は選択)された再構成関数との重畳積分を行う。今、投影データをD(ch,view)、再構成関数をK(ω)とすると、これらの重畳積分後の投影データDflt(ch,view)は次式、
Figure 0004549783
ここで、Fはフーリエ変換
−1はフーリエ逆変換
により求められる。この時のフーリエ変換は、通常、チャンネル数が約1000chであることから、例えば約2000点のフーリエ変換を用いるのも可能であるが、再構成画像の粒状性を細かくしたい場合には、約4000点のフーリエ変換を用いてもよい。ステップS21では、再構成関数を重畳された投影データを逆投影処理することで断層像が再構成される。ステップS22では、このように画像再構成されたCT断層像をモニタ6に表示する。
なお、上記実施の形態における再構成関数K(ω)の部分関数K(ω),K(ω),K(ω)を上記とは異なる部分関数で構成して、高周波領域低減、あるいは周波数特性の調整を行ってもよい。
また、上記実施の形態では、本発明の処理を操作コンソール1の中央処理装置3により実行したが、この操作コンソール1とは独立してスクリーニング検査等のための画像観察用操作コンソール端末を上記X線CT装置に接続し、上述した処理をこの端末に行わせることも可能である。操作コンソール1および上記画像観察用操作コンソール端末の構成自体は汎用の画像処理装置(ワークステーションやパーソナルコンピュータ等)で実現できるので、上記のようなソフトウェアを同装置にインストールし、それでもって実現することも可能である。
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するための、コンピュータにインストールされるプログラム自体および、そのプログラムを格納した記録媒体そのものも、本発明を実現するものである。つまり、本発明の特許請求の範囲には、本発明の機能処理を実現するためのプログラム自体および、そのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も含まれる。プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD等)、光磁気ディスク(MO)、磁気テープ、メモリカード等がある。その他、プログラムの供給方法としては、インターネットを介して本発明のプログラムをファイル転送によって取得する態様も含まれる。
また、画像再構成法は、従来公知の2次元画像再構成法でもよいし、従来公知のフェルドカンプ法による3次元画像再構成法でもよい。さらに、特願2002−066420号、特願2002−147061号、特願2002−147231号、特願2002−235561号、特願2002−235662号、特願2002−267833号、特願2002−322756号および特願2002−338947号などで提案されている3次元画像再構成法を用いてもよい。
また、上記実施の形態では、スキャン直前に設定したり画像再構成条件に従ってスキャン直後に画像再構成を行う、いわゆるレトロスペクティブリコン(Retrospective Recon)時への本発明の適用例を述べたが、これに限らない。本発明はスキャン後に設定した条件に従って被検体を再びスキャンするところの、いわゆるCT透視(フルオロ)モードなどに適用してもよい。
また、上記本発明の1つの実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組み合わせの様々な変更が行えることは言うまでもない。
実施の形態によるX線CT装置の構成図である。 実施の形態によるX線CT撮影処理のフローチャートである。 実施の形態によるスキャンパラメータの設定画面を示す図である。 実施の形態による画像再構成パラメータの設定画面を示す図である。 実施の形態による再構成関数の調整処理を説明する図である。
符号の説明
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル
12 クレードル
15 回転部
20 走査ガントリ
21 X線管
22 X線コントローラ
23 コリメータ
24 多列X線検出器
25 DAS(データ収集装置)
26 回転部コントローラ
29 制御コントローラ
30 スリップリング

Claims (7)

  1. X線CT断層像を部分拡大画像再構成する際に、スキャン領域の1画素の大きさと、部分拡大画像再構成される画像の表示領域または再構成領域の1画素の大きさとの比で表される拡大率が増すほど、投影データと重畳する再構成関数の周波数特性を、高域をより強調する特性に移す調整手段を備えている画像処理装置
  2. 前記調整手段は、さらに、前記部分拡大画像再構成される画像のスライス厚が増すほど、前記再構成関数の周波数特性を、低域をより強調する特性に移す請求項1に記載の画像処理装置
  3. 前記再構成関数は、周波数領域で規定された基本関数群と、この基本関数の高域部分を抑制する第1の関数群と、この基本関数の高域部分を強調する第2の関数群とを備えており
    前記調整手段は、これらの関数の周波数特性を定めるパラメータを調整してこれらの関数を合成することにより、前記再構成関数の周波数特性を調整する請求項1または請求項記載の画像処理装置
  4. 前記調整手段は、周波数特性が互いに異なる複数の再構成関数のうち1つを選択することにより、前記再構成関数の周波数特性を調整する請求項1または請求項2に記載の画像処理装置
  5. 前記調整手段は、周波数特性が互いに異なる複数の再構成関数のうち2つを選択し、これら2つを補間して再構成関数を求める請求項1または請求項2に記載の画像処理装置
  6. コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置を備えているX線CT装置
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