JP4548909B2 - 端子カバー及び電気機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、外部に露出する端子(露出端子)を覆うための端子カバー及び電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12は、従来の電気機器を示す斜視図である。従来より図12に示すような電気機器は、配線Cを露出端子D3に差し込み、機器Dの上方からドライバーFを差し込んでネジで固定する。次に、感電防止のために露出端子D3の上方から端子カバーEを取り付ける。露出端子D3の側方については、隣接する配線C間のショートを防止するために、隔壁D4が設けられている。
【0003】
端子カバーEの機器Dへの取り付けについて説明すると、係合片E1を係合溝D1に滑らせるようにして入れ、係合片E1の下部が係合穴D2に引っかかって固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の技術は簡単な構成ではあるが、端子カバーEを機器Dから取り外し難いという問題点があった。
【0005】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構成で機器から取り外し易い端子カバー及び電気機器を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の課題解決手段は、筐体と、前記筐体の上部から互いに空間を介して突設し、前記空間の反対側から差し込まれる配線を前記筐体上方から差し込まれる工具で固定する第1及び第2露出端子と、前記配線及び前記工具のさし込み口を除いて前記第1及び第2露出端子の側方をそれぞれ覆う第1及び第2隔壁を有する機器において、前記第1及び第2露出端子の上方を覆うための端子カバーであって、前記空間において前記第1及び第2隔壁の側面にそれぞれ接触する第1及び第2接触板と、前記第1及び第2接触板を下部において互いに連結する連結部と、前記第1及び第2接触板の上部からそれぞれ延在して前記第1及び第2露出端子の上方を覆う第1及び第2カバーと、を備え、前記第1及び第2隔壁と前記第1及び第2接触板との間に押圧力が生じ、前記第1及び第2カバーが前記空間側へ押されると前記押圧力が低減し、前記連結部から前記第1及び第2接触板の上部側へ突設されたストッパー片をさらに備え、前記ストッパーは、前記第1及び第2接触板の間の前記連結部に立てられた板状であり、前記第1及び第2接触板の両方が押されて同一の当該ストッパー片に当接することが可能である。
【0007】
請求項2に記載の課題解決手段は、筐体と、前記筐体の上部から互いに空間を介して突設し、前記空間の反対側から差し込まれる配線を前記筐体上方から差し込まれる工具で固定する第1及び第2露出端子と、前記配線及び前記工具のさし込み口を除いて前記第1及び第2露出端子の側方をそれぞれ覆う第1及び第2隔壁を有する機器において、前記第1及び第2露出端子の上方を覆うための端子カバーであって、前記空間において前記第1及び第2隔壁の側面にそれぞれ接触する第1及び第2接触板と、前記第1及び第2接触板を下部において互いに連結する連結部と、前記第1及び第2接触板の上部からそれぞれ延在して前記第1及び第2露出端子の上方を覆う第1及び第2カバーと、を備え、前記第1及び第2隔壁と前記第1及び第2接触板との間に押圧力が生じ、前記第1及び第2カバーが前記空間側へ押されると前記押圧力が低減し、前記第1及び第2接触板間において着脱自在であり、前記第1及び第2接触板の上部の距離を固定するための固定部材をさらに備える。
【0008】
請求項3に記載の課題解決手段において、前記第1及び第2接触板は、前記押圧力を解いて前記第1及び第2隔壁に係合する係合部を含む。
【0009】
請求項4に記載の課題解決手段は、前記第1及び第2カバーの前記第1及び第2露出端子の反対側から突設された第1及び第2取手をさらに備える。
【0010】
請求項5に記載の課題解決手段は、請求項1から4までのいずれかに記載の端子カバーと、前記機器とを備える。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の電気機器を示す斜視図である。本発明の電気機器は、外部に露出する端子(露出端子)を備えるものであればよく、例えば制御装置や電源装置などである。
【0013】
電気機器は露出端子A2が設けられた機器Aと、露出端子A2を覆うための端子カバーBとで構成される。端子カバーBを機器Aに取り付けた状態を図2に示す。また、図1及び図2の部分側面図をそれぞれ図3及び図6に示す。
【0014】
まず、機器Aの構成について説明する。筐体A1の上部からは、互いに空間Sを介して配置された露出端子A2,A3が突設されている。図では、露出端子A2は4つであり、露出端子A3は3つであり、それぞれネジや座金からなる。
【0015】
隣接する配線C間のショートを防止するために、複数の露出端子A2の各々は、配線C及びドライバーFのさし込み口A6を除いて側方が隔壁A4で覆われている。同様に、複数の露出端子A3の各々も、配線C及びドライバーFのさし込み口A7を除いて側方が隔壁A5で覆われている。
【0016】
次に、端子カバーBの構成について説明する。端子カバーBは、筐体A1の上部、隔壁A4,A5の表面に沿った形状であり、主として接触板B1,B2、連結部B3、カバーB4,B5の部分からなる。接触板B1,B2はそれぞれ空間Sにおいて隔壁A4,A5の側面にそれぞれ接触する部分であり、接触板B1,B2の下部で連結部B3によって互いに連結されている。カバーB4,B5はそれぞれ接触板B1,B2の上部から折れ曲がって延在する。
【0017】
また、連結部B3には、接触板B1,B2の上部側へ突設された板状のストッパー片B7が設けられている。また、カバーB4,B5のうち、露出端子A2,A3上方の部分には、端子カバーBを機器Aに取り付けた状態でも、ドライバーFを露出端子A2,A3にさし込める穴BSが開けられている。
【0018】
隔壁A5の空間S側の側面には凹状の2つの係合部A8が設けられている。同様に、隔壁A4の空間S側の側面にも凹状の2つの係合部A8が設けられている。これに対応して、接触板B1の外側の側面には凸状の2つの係合部B6が設けられている。同様に、接触板B2の外側の側面にも凸状の2つの係合部B6が設けられている。
【0019】
次に、実施の形態1の電気機器の使用法について説明する。まず、さし込み口A6,A7(空間Sの反対側)から露出端子A2,A3へ配線Cを差し込み、筐体A1上方からドライバーF(工具)でネジを締め付けて配線Cを露出端子A2,A3に固定する。
【0020】
次に、露出端子A2,A3の上方を覆うため、端子カバーBを機器Aに取り付ける。この様子を図3〜図6を用いて詳しく説明すると、まず、端子カバーBを機器Aの上方から被せる(図3)。端子カバーBを下方へ進ませると、凸状の4つの係合部B6が隔壁A4,A5に当接するが(図4)、凸状の係合部B6の表面が丸状になっているので端子カバーBは滑らかに進み、接触板B1,B2の係合部B6,B6と隔壁A4,A5との間に押圧力が生じて機器Aから外れ難い(図5)。さらに端子カバーBを進ませて、凸状の係合部B6が凹状の係合部A8に係合することで、前述の押圧力が急激に解かれて接触板B1,B2が隔壁A4,A5に強く当たってパチンという音が鳴り、端子カバーBの機器Aへの取り付けが完了する(図6)。端子カバーBは、係合部B6と係合部A8との係合によって機器Aに確実に固定される。
【0021】
次に、端子カバーBを機器Aから取り外す様子を図6〜図8を用いて説明する。図6の状態で、カバーB4,B5の端部を片手の親指と人差し指で挟むと、カバーB4,B5が空間S側へ押されることで、まず、接触板B1,B2が撓んで係合部B6と係合部A8との係合が解かれ(図7)、接触板B1,B2の係合部B6,B6と隔壁A4,A5との間の押圧力が低減する。これによって、片手で端子カバーBを機器Aから容易に引き抜くことができる(図8)。
【0022】
以上のように、隔壁A4,A5を利用した構成により、簡単な構成で機器Aから端子カバーBを外し易くなる。
【0023】
また、係合部A8,B6を設けたことによって、端子カバーBを機器Aに確実に固定でき、使用者は端子カバーBが機器Aに取り付けられたことを係合の際に生じるパチンという音によって確認できる。
【0024】
また、図7に示すように、接触板B1,B2は、押されすぎてもストッパー片B7に当接するので、押しすぎによる破損を防止できる。また、板状のストッパー片B7を連結部B3に立てたことによって、連結部B3が撓みすぎて破損することを防ぐことができる。
【0025】
また、4カ所に係合部B6を設けたので、端子カバーBを機器Aに安定して固定できる。
【0026】
(実施の形態2)
実施の形態1の端子カバーでは、接触板B1,B2と隔壁A4,A5との間の押圧力が緩んで、端子カバーBが機器Aから不用意に外れることが考えられる。
【0027】
そこで、図9に示すように着脱自在な固定部材B8を設ける。この部分側面図を図10に示す。端子カバーBを機器Aに取り付けた後、接触板B1,B2に設けられた溝B9に固定部材B8を差し込む。これによって、接触板B1,B2の上部の距離が固定される。接触板B1,B2の下部の距離については連結部B3によって固定されている。
【0028】
以上のように、接触板B1,B2間において固定部材B8を取り付けた状態で、接触板B1,B2の上部及び下部の距離が固定されるので、接触板B1,B2と隔壁A4,A5との密着性が保たれ、端子カバーBが機器Aから不用意に外れることを防ぐことができる。
【0029】
(実施の形態3)
図11は本発明の実施の形態3の端子カバーBを示す斜視図である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0030】
実施の形態3では、カバーB4,B5の各々の端部において上方(露出端子A2,A3の反対側)に突設された取手B10を設ける。これによって、使用者による端子カバーBの取り外しがさらに容易になる。
【0031】
(変形例)
なお、本発明は図示するものに限定されない。例えば、係合部B6,A8以外でもよく、接触板B1,B2と隔壁A4,A5との間に適切な押圧力が生じればよい。例えば、係合部B6,A8を省略し、接触板B1,B2と隔壁A4,A5とが適度な強さで接触して押圧力が生じる構成でもよい。
【0032】
また、配線C及びドライバーFのさし込み口A6,A7を除いて露出端子A2,A3の側方をそれぞれ覆う隔壁A4,A5の形状は、図示する他でもよく、例えば図1の隔壁A4,A5のうち、空間Sに呈する側面を省略してもよい。
【0033】
また、ストッパー片B7は省略してもよい。また、実施の形態3を実施の形態2に組み合わせてもよい。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、第1及び第2隔壁を利用した構成により、簡単な構成で端子カバーを機器から取り外し易くなる。しかも、第1及び第2カバーは、押されすぎてもストッパー片に当接するので、押しすぎによる破損を防止できる。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、第1及び第2隔壁を利用した構成により、簡単な構成で端子カバーを機器から取り外し易くなる。しかも、端子カバーに固定部材を取り付けることで、端子カバーが機器から不用意に外れることを防ぐことができる。
【0036】
請求項3に記載の発明によれば、係合部によって端子カバーを機器に確実に固定でき、しかも使用者は端子カバーが機器に取り付けられたことを係合の際に生じる音によって確認できる。
【0037】
請求項4に記載の発明によれば、第1及び第2取手を設けたことによって、使用者による端子カバーの取り外しがさらに容易になる。
【0038】
請求項5に記載の発明によれば、端子カバー付の電気機器の構成が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の電気機器を示す斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の電気機器を示す斜視図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の電気機器を示す部分側面図である。
【図4】 本発明の実施の形態1の電気機器を示す部分側面図である。
【図5】 本発明の実施の形態1の電気機器を示す部分側面図である。
【図6】 本発明の実施の形態1の電気機器を示す部分側面図である。
【図7】 本発明の実施の形態1の電気機器を示す部分側面図である。
【図8】 本発明の実施の形態1の電気機器を示す部分側面図である。
【図9】 本発明の実施の形態2の電気機器を示す斜視図である。
【図10】 本発明の実施の形態2の電気機器を示す側面図である。
【図11】 本発明の実施の形態3の端子カバーを示す斜視図である。
【図12】 従来の電気機器を示す斜視図である。
【符号の説明】
A 機器、A1 筐体、A2,A3 露出端子、A4,A5 隔壁、B 端子カバー、B1,B2 接触板、B3 連結部、B4,B5 カバー、C 配線、S 空間。

Claims (5)

  1. 筐体と、前記筐体の上部から互いに空間を介して突設し、前記空間の反対側から差し込まれる配線を前記筐体上方から差し込まれる工具で固定する第1及び第2露出端子と、前記配線及び前記工具のさし込み口を除いて前記第1及び第2露出端子の側方をそれぞれ覆う第1及び第2隔壁を有する機器において、前記第1及び第2露出端子の上方を覆うための端子カバーであって、
    前記空間において前記第1及び第2隔壁の側面にそれぞれ接触する第1及び第2接触板と、
    前記第1及び第2接触板を下部において互いに連結する連結部と、
    前記第1及び第2接触板の上部からそれぞれ延在して前記第1及び第2露出端子の上方を覆う第1及び第2カバーと、を備え、
    前記第1及び第2隔壁と前記第1及び第2接触板との間に押圧力が生じ、前記第1及び第2カバーが前記空間側へ押されると前記押圧力が低減し、
    前記連結部から前記第1及び第2接触板の上部側へ突設されたストッパー片をさらに備え、
    前記ストッパーは、前記第1及び第2接触板の間の前記連結部に立てられた板状であり、前記第1及び第2接触板の両方が押されて同一の当該ストッパー片に当接することが可能である端子カバー。
  2. 筐体と、前記筐体の上部から互いに空間を介して突設し、前記空間の反対側から差し込まれる配線を前記筐体上方から差し込まれる工具で固定する第1及び第2露出端子と、前記配線及び前記工具のさし込み口を除いて前記第1及び第2露出端子の側方をそれぞれ覆う第1及び第2隔壁を有する機器において、前記第1及び第2露出端子の上方を覆うための端子カバーであって、
    前記空間において前記第1及び第2隔壁の側面にそれぞれ接触する第1及び第2接触板と、
    前記第1及び第2接触板を下部において互いに連結する連結部と、
    前記第1及び第2接触板の上部からそれぞれ延在して前記第1及び第2露出端子の上方を覆う第1及び第2カバーと、を備え、
    前記第1及び第2隔壁と前記第1及び第2接触板との間に押圧力が生じ、前記第1及び第2カバーが前記空間側へ押されると前記押圧力が低減し、
    前記第1及び第2接触板間において着脱自在であり、前記第1及び第2接触板の上部の距離を固定するための固定部材をさらに備えた端子カバー。
  3. 前記第1及び第2接触板は、前記押圧力を解いて前記第1及び第2隔壁に係合する係合部を含む請求項1又は2に記載の端子カバー。
  4. 前記第1及び第2カバーの前記第1及び第2露出端子の反対側から突設された第1及び第2取手をさらに備えた請求項1又は2に記載の端子カバー。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載の端子カバーと、
    前記機器と、
    を備えた電気機器。
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