JP4547875B2 - コンクリートの補強構造および補強方法 - Google Patents

コンクリートの補強構造および補強方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の柱、梁、壁または床を形成するコンクリートの補強構造および補強方法に関し、特に、コンクリート内部に緊張材を挿通して当該緊張材に緊張力を付与してコンクリートにプレストレスを導入する補強構造および補強方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
構造物の柱、梁、壁または床を形成するコンクリートの補強方法として、コンクリート内部にPC鋼材等の緊張材を挿通して、この緊張材に緊張力を付与してコンクリートにプレストレスを導入する方法がある(特許文献1や2参照)。緊張材は、コンクリートに貫通して形成された挿通孔に配設され、その両端部はコンクリート外部に突出して、コンクリートの外面部に定着される構造になっている。コンクリートにプレストレスを安定して導入するためには、緊張材に付与される緊張力が長期にわたって安定して保持される必要がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−192672号公報
【0004】
【特許文献2】
特開昭55−42965号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような補強方法にあっては、コンクリートにクリープ変形等の歪みが生じると、緊張材の緊張力が低下し、コンクリートに対してプレストレスを安定して導入できなくなるという問題があった。これは、コンクリートに歪みが生じたことにより、緊張材によるコンクリートへの締め付け力が弱まるためである。緊張材の緊張力が弱まると、プレストレスによる導入軸力が大幅に低減してしまい、十分な補強効果を発揮することはできない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、柱や梁、壁などとして構成されたコンクリートにクリープ変形等の歪みが生じても、緊張材の緊張力を保持することができ、コンクリートに対してプレストレスを長期にわたり安定して導入できるようなコンクリートの補強構造及び補強方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために本発明に係るコンクリートの補強構造にあっては、構造物の柱、梁、壁または床として構成されたコンクリートに、壁または床にあってはその厚さ方向の成分を有する方向に沿って、また柱または梁にあってはその材軸直交方向の成分を有する方向に沿って挿通した緊張材によりプレストレスを導入するコンクリートの補強構造において、前記緊張材の前記コンクリートへの定着部と前記コンクリートとの間に弾性部材を介設した構成である。
【0008】
なお、本発明におけるコンクリートとしては、例えば、鉄筋コンクリート(RC)構造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)構造のコンクリートを含む。
【0009】
このような補強構造にあっては、緊張材の定着部に弾性部材が介設されていることで、コンクリートにクリープ変形等の歪みが生じても、この歪みを弾性部材により吸収することができる。このため、緊張材の緊張力が弱まるのを防止することができ、したがって、緊張材の緊張力を保持して、コンクリートに導入したプレストレスを長期にわたり安定して維持することができる。
【0010】
かかる補強構造にあっては、前記弾性部材として皿バネを用いても良い。このように皿バネを用いれば、緊張材への緊張力の管理も容易に行うことができる。
【0011】
また、かかる補強構造にあっては、前記コンクリートの表面部に当該コンクリートを補強する耐震補強部材が配設され、この耐震補強部材と前記コンクリートを貫通して前記緊張材が配設されていることとしてもよい。
【0012】
また、かかる補強構造にあっては、前記緊張材が前記コンクリートに形成された開口部の周辺部に挿通されても良い。
【0013】
また、かかる補強構造にあっては、前記緊張材の前記定着部と前記コンクリートとの間に、球面座金が介設されていても良い。
【0014】
また、かかる補強構造にあっては、記緊張材が可撓性を有する線材により形成されるとともに、前記コンクリートにその内部で屈曲して形成され、両端部が前記コンクリートの同一面に開口する貫通孔を設け、前記貫通孔に前記緊張材を挿通し、前記開口部にて前記緊張材を前記コンクリートに定着しても良い。
【0015】
また、かかる補強構造にあっては、前記緊張材が可撓性を有する線材により形成されるとともに、前記コンクリートに、壁または床にあってはその厚さ方向の成分を有する方向に沿って、また柱または梁にあってはその材軸直交方向の成分を有する方向に沿って複数の貫通孔を設け、前記緊張材が、前記コンクリートの一面から一の前記貫通孔を通じて反対側に延出されて当該反対側において折り返されて他の一の前記貫通孔を通じて前記一面側に導出され、前記貫通孔の前記一面側での開口部において定着されていても良い。
【0016】
また本発明のコンクリート補強構造にあっては、構造物の柱、梁、壁または床として構成されたコンクリートに、壁または床にあってはその厚さ方向の成分を有する方向に沿って、また柱または梁にあってはその材軸直交方向の成分を有する方向に沿って配設した緊張材によりプレストレスを導入するコンクリートの補強構造において、前記コンクリートを挟んでその両側にそれぞれ前記コンクリートを補強する耐震補強部材を配設し、これら両耐震補強部材を貫通して前記緊張材を配設し、前記緊張材の前記耐震補強部材への定着部と前記耐震補強部材との間に弾性部材を介設した構成とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について添付図面を用いて説明する。
図1は、本発明に係るコンクリートの補強構造の第1実施形態を示した断面図である。ここでは、本発明に係る補強構造をコンクリート梁2に適用した場合の一例を説明する。なお、ここでは、コンクリート梁2は、例えば、鉄筋コンクリート(RC)構造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)構造等のコンクリートにより構築される。本実施形態の補強構造は、同図に示すように、コンクリート梁2の内部に、その材軸直交方向(本実施形態では図1に矢印Aで示す幅方向)に沿って、本発明の緊張材として、PC鋼材8を挿通して構成される。
【0018】
PC鋼材8は、棒体状に成形され、コンクリート梁2の内部の上下に、相互に平行に配置されている。各PC鋼材8は、コンクリート梁2の内部にその幅方向に沿って貫通して形成された各挿通孔4内にそれぞれ配設されている。各PC鋼材8の外周部と挿通孔4の内周部との間には、隙間が形成され、当該隙間には、グラウトなどの各種充填材が充填できるようになっている。
【0019】
PC鋼材8の両端部8a、8bは、それぞれコンクリート梁2の外部へ突出し、その一方の端部(図中右端部)8aには、ナット14aと、座金10aと、皿ばね12とが装着され、他方の端部(図中左端部)8bには、ナット14bと、座金10bとが装着されている。皿ばね12は、本発明の弾性部材として、ナット14aと座金10aとの間に介設されている。座金10a、10bは、コンクリート梁2の左右両側面部に配設された鋼板6に密着している。
【0020】
各PC鋼材8には、コンクリート梁2に対してプレストレスを導入するために、緊張力が付与されている。緊張力の付与は、ナット14a、14bの締め付けにより行われている。緊張力は、ナット14a、14bの締め付け具合によって調節され、コンクリート梁2には、適切なプレストレスを導入することができるようになっている。
【0021】
また、本実施形態では、ナット14aと座金10aとの間に、皿ばね12が介設されているため、皿ばね12の変形量からPC鋼材8に付与される緊張力を簡単に調節することができる。これにより、コンクリート梁2に導入するプレストレスの管理を容易に行うことができ、施工性や品質の向上を大幅に図ることができる。
【0022】
また、コンクリート梁2にクリープ変形等により歪みが発生したときには、皿ばね12が弾性変形して、その歪みを吸収することができる。このため、PC鋼材8に付与される緊張力も保持され、コンクリート梁2に導入されたプレストレスを長期にわたり安定した状態に保持することができる。
【0023】
また、皿ばね12については、その荷重特性から、たわみ量が変化しても、弾発力の変動が小さい領域に設定するのが好ましい。つまり、皿ばね12が、例えば、図2に示すような荷重特定を有する場合、同図に示す、皿ばね12のたわみ量Tの変化に対して弾性力Pの変動が小さい領域、即ち領域Xの範囲内に設定するのが好ましい。
【0024】
なお、この実施形態では、皿ばね12はコンクリート梁2の片側側面部にのみ設けられていたが、本発明にあってはこれに限らず、コンクリート梁2の両側面部にそれぞれ設けられていても良い。
【0025】
図3は、本発明に係るコンクリートの補強構造の第2実施形態を示した断面図である。ここでは、補強部材20が設置されたコンクリート梁2に、本発明に係る補強構造を適用した場合の一例を説明する。この補強構造では、同図に示すように、コンクリート梁2の片側側面部(図中右側面部)に、補強部材20が接合されている。そして、コンクリート梁2及び補強部材20を貫通してPC鋼材8を挿通し、当該PC鋼材8に緊張力を付与してコンクリート梁2にプレストレスを導入する構成になっている。補強部材20は、例えば耐震補強などを目的として設置される部材であり、プレキャストコンクリート製部材(PC製部材)や鉄骨材などにより構成されたコンクリート製フレームまたは鉄骨製フレームなどにより形成される。
【0026】
PC鋼材8は、第1実施形態の場合と同様、コンクリート梁2の内部にその幅方向(図中矢印Aの方向)に沿って、コンクリート梁2及び耐震補強部材20を貫通して形成された挿通孔4、22に挿通され、その両端部8a、8bは、コンクリート梁2及び補強部材20の外部に突出している。PC鋼材8の一方の端部(図中右端部)8aには、座金10aと、皿ばね12と、ナット14aとが装着され、他方の端部(図中左端部)8bには、座金10bとナット14bとが装着されている。皿ばね12は、第1実施形態と同様に、座金10aとナット14aとの間に介設され、また、座金10a、10bは、コンクリート梁2の左右両側面部に配設された鋼板6に密着している。
【0027】
各PC鋼材8には、コンクリート梁2に対してプレストレスを導入すべく、ナット14a、14bにより緊張力が付与されている。ここでも、前述した第1実施形態と同様に、皿ばね12の変形量からPC鋼材8に付与される緊張力を簡単に調節することができる。これにより、コンクリート梁2に導入するプレストレスの管理を容易に行うことができ、したがって、施工性や品質の向上を大幅に図ることができる。
【0028】
また、コンクリート梁2にクリープ変形等により歪みが発生したときには、皿ばね12が弾性変形して、その歪みを吸収することができることため、PC鋼材8に付与される緊張力も保持することができ、コンクリート梁2に導入されたプレストレスを長期にわたり安定した状態に保持することができる。
【0029】
さらに、このようにクリープ変形等の歪みを吸収することができるから、コンクリート梁2と補強部材20との間の接合性を確保することができ、コンクリート梁2と補強部材20との間で長期にわたり一体性を保持することができる。
【0030】
なお、補強部材20については、図4に示すように、コンクリート梁2を両側から挟み込むようにその両側部にそれぞれ配設しても良い。この場合、同図に示すように、PC鋼材8は、必ずしもコンクリート梁2の内部に挿通されている必要はなく、コンクリート梁2の外部に(ここでは上下両側部に)配設されていても良い。
【0031】
図5及び図6は、本発明に係るコンクリートの補強構造の第3実施形態を示した断面図及び正面図である。ここでは、本発明に係る補強構造を、コンクリート梁2に貫通して設けられた開口部24の補強に適用した場合の一例について説明する。この補強構造は、図5及び図6に示すように、コンクリート梁2に貫通して形成された開口部24の周囲に、コンクリート梁2の内部にこれを貫通するようにPC鋼材8を挿通した構造である。
【0032】
開口部24は、配管などを挿通するために形成された孔部であり、ここでは、図5に示すように、コンクリート梁2の幅方向(図中矢印A方向)、即ちコンクリート梁2の長手方向(紙面垂直方向)に対して直角に交差する方向に沿って形成されている。開口部24の周縁部には、コンクリート梁2の左右両側面部にそれぞれ、図6に示すように、環状の鋼板6が配設されている。
【0033】
PC鋼材8は、図5に示すように、コンクリート梁2の開口部24の周辺部に当該開口部24とほぼ平行に貫通形成された挿通孔4に挿通され、図6に示すように、開口部24の周辺部に沿って相互に間隔をあけて複数本配置されている。
PC鋼材8の両端部は、それぞれコンクリート梁2の外部に突出しており、その一方の端部(図5中右端部)8aには、座金10aと、皿ばね12と、ナット14aとが装着され、他方の端部(図5中左端部)8bには、座金10bとナット14bとが装着されている。座金10a、10bは鋼板6に密着されている。
【0034】
各PC鋼材8には、ナット14a、14bにより緊張力が付与され、コンクリート梁2にはプレストレスが導入されている。ここでも、前述した実施形態と同様に、皿ばね12の変形量からPC鋼材8に付与される緊張力を簡単に調節することができる。また、コンクリート梁2にクリープ変形等により歪みが発生したときには、皿ばね12が弾性変形して、その歪みを吸収することができるから、PC鋼材8に付与される緊張力も保持することができ、コンクリート梁2に導入したプレストレスを長期にわたり安定した状態で保持することができる。
【0035】
さらにここでは、皿ばねの弾性力により鋼板6をコンクリート梁2の側面部に圧着させることができるから、鋼板6の拘束によってコンクリート梁2の開口部24の周辺部にひび割れが発生または進展するのを抑制することができる。また、鋼板6とコンクリート梁2との間の摩擦力が増大し、鋼板6による補強効果も大幅にアップする。
【0036】
なお、鋼板6については、必ずしも、図6に示すような環状に形成されている必要はない。図7は、コンクリート梁2の左右両側の開口部24の周縁部に配設される鋼板6の他の実施形態を示したものである。同図に示すように、鋼板6は、例えば長方形状等の矩形状に成形されていても良い。この場合、PC鋼材8は、同図に示すように、鋼板6の隅角部に配設されても良い。
【0037】
図8は、PC鋼材8の他の定着構造の一例を示したものである。この定着構造では、PC鋼材8の一方の端部8a側の座金10aとコンクリート梁2との間に、球面座金30を介設している。このような球面座金30を介設することで、PC鋼材8が挿通孔4内において若干傾いて配置されたとしても、PC鋼材8の緊張力をコンクリート梁2に対しスムーズに伝達することができ、これにより、PC鋼材8とコンクリート面の直交性などに対する施工誤差を吸収することができる。
【0038】
図9に示すように、このような球面座金30をコンクリート梁2の両側に用いることで、PC鋼材8がコンクリート梁2の内部に斜めに配設されたとしても、PC鋼材8の緊張力をコンクリート梁2に対しスムーズに伝達することができる。
【0039】
図10は、本発明に係るコンクリートの補強構造の他の補強例を示したものである。この補強構造では、緊張材として、例えば炭素繊維ストランドをはじめとする高強度ワイヤーや、その他、可撓性を有する高強度の線材42を使用し、この線材42を同図に示すように折り曲げてコンクリート壁40に挿通している。
【0040】
ここでは、コンクリート壁40内に、線材42が挿通される挿通孔44が、コンクリート壁40の厚さ方向に沿って上下に2本貫通して形成されている。線材42は、一方の挿通孔44からコンクリート壁40の裏側部40bへと挿通され、その裏側部40bにおいて折り曲げられて、他方の挿通孔44を通じてコンクリート壁40の表側部40aへと挿通されている。これにより、線材42の両端部42a、42bを、コンクリート壁40の表側部40aに突出させることができるので、コンクリート壁2の片側部にのみ定着部を設けることができる。すなわち、線材42の定着作業や緊張力の調節作業を表側部40aのみで行うことができるので、例えば、裏側部40bへ手が届き難いようなときにも良好な施工性やメンテナンス性を確保することができる。また、コンクリート壁40の片側に定着部を設けたくない場合にも有効である。
【0041】
なお、ここでは、線材42の端部42a、42bをコンクリート壁40に定着するための定着具として、前述した実施形態で使用したナット16に代えて、くさび形の係合構造を有する定着具46を使用している。
【0042】
図11は、このような線材42を緊張材として用いた場合における他の補強例を示したものである。ここでは、コンクリート壁40内に、同図に示すようにコンクリート壁40の内部で屈曲したV字形の挿通孔50を形成し、この挿通孔50内に線材42を差し込んで、コンクリート壁40の内部において線材42を折り曲げて挿通している。このため、図10の場合と同様に、線材42をコンクリート壁40の裏側部40bに導出しなくても、線材42の両端部42a、42bをコンクリート壁40の表側部40aに突出させることができる。このように、コンクリート壁2の片側部にのみ定着部を設けることができるので、線材42の定着作業や緊張力の調節作業を表側部40aのみで行うことができる。これにより、例えば、裏側部40bへ手が届き難いようなときにも良好な施工性やメンテナンス性を確保することができる。また、コンクリート壁40の片側に定着部を設けたくない場合にも有効である。
【0043】
また、このように緊張材としての線材42が、コンクリートの厚さ方向以外の方向、即ちここでは厚さ方向に対して斜めの方向に沿って挿通されていても良い。
【0044】
なお、ここでは、線材42の端部42a、42bがコンクリート壁40から斜めに突出されていることから、コンクリート壁40と皿ばね12との間に断面三角形状のワッシャ52を介設して、線材42の端部42a、42bに装着された皿ばね12からの荷重を線材42にスムーズに伝達されるように構成している。
【0045】
また、ここでは、挿通孔50がV字形に形成されていたが、本発明にあってはこれに限らず、コンクリートの内部で他の形で屈曲されていても良い。
【0046】
また、前述した実施の形態では、本発明に係る補強構造をコンクリート梁2に適用した場合の例について説明したが、本発明にあっては、このようなコンクリート梁2に適用される場合に限らず、コンクリート壁やコンクリート床、コンクリート柱など、各種コンクリート構造部に適用することができる。
【0047】
また、前述した実施の形態では、本発明の弾性部材として皿ばね12を用いていたが、本発明の弾性部材は、このような皿ばね12に限らず、緊張材に対して緊張力を付与することができれば、どのような弾性部材であっても構わない。
【0048】
また、前述した実施の形態では、本発明の緊張材として、PC鋼材8と線材42とを用いる場合について示したが、本発明にあってはこのような場合に限らず、コンクリートにプレストレスを導入することができれば、どのような緊張材を用いても構わない。
【0049】
また、前述した実施の形態では、緊張材(PC鋼材8)が挿通される方向として、コンクリートの幅方向や斜めの方向などが挙げられていたが、本発明にあってはこれらの方向に限らず、壁または床にあってはその厚さ方向の成分を有する方向に沿って、また柱または梁にあってはその材軸直交方向の成分を有する方向に沿って配設されれば、どのような方向に沿って配設されても良い。例えば、柱や梁の場合には、その長さ方向以外の方向、具体的には断面縦方向や断面横方向などであっても構わない。また、壁の場合には、壁面と平行な方向以外の方向、例えば面外方向や厚さ方向などであっても構わない。
【0050】
また、本発明にかかる補強構造にあっては、新設するコンクリート構造物に適用することができるのはもちろん、既存のコンクリート構造物にも好適に適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、コンクリートにクリープ変形等の歪みが生じても、緊張材の緊張力を保持して、コンクリートに導入されるプレストレスを長期間にわたり安定して確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンクリートの補強構造の第1実施形態を示した断面図である。
【図2】本発明の弾性部材の荷重特定の一例を示したグラフである。
【図3】本発明に係るコンクリートの補強構造の第2実施形態を示した断面図である。
【図4】本発明に係るコンクリートの補強構造の第2実施形態の変形例を示した断面図である。
【図5】本発明に係るコンクリートの補強構造の第3実施形態を示した断面図である。
【図6】本発明に係るコンクリートの補強構造の第3実施形態を示した正面図である。
【図7】図6に示す鋼板の他の実施形態を示した正面図である。
【図8】本発明に係るコンクリートの補強構造の他の定着構造を示した断面図である。
【図9】本発明に係るコンクリートの補強構造の他の定着構造を示した断面図である。
【図10】本発明に係るコンクリートの補強構造の他の補強例を示した断面図である。
【図11】本発明に係るコンクリートの補強構造の他の補強例を示した断面図である。
【符号の説明】
2 コンクリート梁 4 貫通孔
6 鋼板 8 PC鋼棒
10a、10b 座金 12 皿バネ
14a、14b ナット 16 ナット
20 補強部材 22 挿通孔
24 開口部 30 球面座金
40 コンクリート壁 42 線材
44 挿通孔 46 定着具
50 挿通孔 52 ワッシャ

Claims (9)

  1. 構造物の柱、梁、壁または床として構成されたコンクリートに、壁または床にあってはその厚さ方向の成分を有する方向に沿って、また柱または梁にあってはその材軸直交方向の成分を有する方向に沿って挿通した緊張材によりプレストレスを導入するコンクリートの補強構造において、
    前記緊張材の前記コンクリートへの定着部と前記コンクリートとの間に弾性部材を介設したことを特徴とするコンクリートの補強構造。
  2. 前記弾性部材が皿ばねであることを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの補強構造。
  3. 前記コンクリートの表面部に当該コンクリートを補強する耐震補強部材が配設され、この耐震補強部材と前記コンクリートとを貫通して前記緊張材が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリートの補強構造。
  4. 前記緊張材が前記コンクリートに形成された開口部の周辺部に配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンクリートの補強構造。
  5. 前記緊張材の前記定着部と前記コンクリートとの間に、球面座金が介設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンクリートの補強構造。
  6. 前記緊張材が可撓性を有する線材により形成されるとともに、前記コンクリートにその内部で屈曲して形成され、両端部が前記コンクリートの同一面に開口する貫通孔を設け、前記貫通孔に前記緊張材を挿通し、前記開口部にて前記緊張材を前記コンクリートに定着したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンクリートの補強構造。
  7. 前記緊張材が可撓性を有する線材により形成されるとともに、前記コンクリートに、壁または床にあってはその厚さ方向の成分を有する方向に沿って、また柱または梁にあってはその材軸直交方向の成分を有する方向に沿って複数の貫通孔を設け、前記緊張材が、前記コンクリートの一面から一の前記貫通孔を通じて反対側に延出されて当該反対側において折り返されて他の一の前記貫通孔を通じて前記一面側に導出され、前記貫通孔の前記一面側での開口部において定着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンクリートの補強構造。
  8. 構造物の柱、梁、壁または床として構成されたコンクリートに、壁または床にあってはその厚さ方向の成分を有する方向に沿って、また柱または梁にあってはその材軸直交方向の成分を有する方向に沿って配設した緊張材によりプレストレスを導入するコンクリートの補強構造において、
    前記コンクリートを挟んでその両側にそれぞれ前記コンクリートを補強する耐震補強部材を配設し、これら両耐震補強部材を貫通して前記緊張材を配設し、
    前記緊張材の前記耐震補強部材への定着部と前記耐震補強部材との間に弾性部材を介設したことを特徴とするコンクリートの補強構造。
  9. 構造物の柱、梁、壁または梁として構成されたコンクリートに、壁または床にあってはその厚さ方向の成分を有する方向に沿って、また柱または梁にあってはその材軸直交方向の成分を有する方向に沿って挿通した緊張材によりプレストレスを導入するコンクリートの補強方法において、
    前記緊張材の前記コンクリートへの定着部と前記コンクリートとの間に弾性部材を介設することを特徴とするコンクリートの補強方法。
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