JP4547775B2 - めっき装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、めっき装置に関するもので、詳しくは、めっき槽内壁に析出した金属を容易に除去することが可能なめっき装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ワークに無電解めっき処理を施す場合には、図5に示すような、めっき槽21と、めっき槽21の底部に接続された配管部22と、配管部22に固定されたエアーバルブ23とを有するめっき装置が用いられる。めっき槽21内にはめっき液27が貯留されている。量産工程においては、めっき液27を適度な温度に調節してめっき処理を行うことがしばしばあるが、めっき液27の温度調整を効率良く行うために、低価格で熱伝導性が良く加熱冷却効率が良好なことなどから、金属製のめっき槽が通常用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本装置を用いてワークに無電解めっきを施す工程を図6を用いて説明する。まず、エアーバルブ23で液止めされためっき液27の貯留されためっき槽21(図6(a))にワーク30を浸漬してめっき処理を行う(図6(b))。次に、ワークをめっき槽21から引き上げ、処理後のめっき液を配管部22から排出する。
【0004】
しかしながら、上記のめっき装置を用いて無電解めっき処理を施す場合には、次のような問題が生じる。すなわち、本めっき装置では、金属製のめっき槽21および配管部22やバルブ23にめっき液が直接接することとなるため、図6(c)に示すように、ワークの所望部分だけでなくめっき槽21および配管部22やバルブ23の内壁にもめっき金属29が析出する恐れがある。
【0005】
めっき液を排出後、内壁に析出しためっき金属を放置したまま、新たなめっき液をめっき槽内に注入して後続のワークにめっき処理を施すと、めっき槽および配管部やバルブの内壁に析出しためっき金属が触媒核となって、これらの部分におけるさらなるめっき金属の析出を促すことになる。その結果、必要なワークに対するめっき金属の析出が不十分となり、ワークにおけるめっきの質の低下を招く上、めっき液が分解しやすく浴が不安定化な状態となり、金属イオンの利用効率が低下してコストアップを招くという問題が生じる。
【0006】
このような問題を回避するためには、図6(d)に示すように、めっき液を排出した際にめっき槽21および配管部22やバルブ23の内壁に析出しためっき金属29を除去する必要がある。めっき金属29の除去には通常溶解除去が用いられるが、溶解除去は長時間を要する。
【0007】
上記のように、金属製のめっき槽を用いた場合には、内壁に金属めっきが析出しやすいという問題が生じる。さらに、金属製のめっき槽はめっき液に対する耐性が低く、内壁がめっき液に侵食されやすいという問題も有する。
【0008】
これらの問題を解決するためには、めっき槽内壁に樹脂コーティングを施す方法が考えられる。金属表面に比べて樹脂表面には金属めっきが析出しにくいため、このように樹脂コーティングを施すと、金属めっきの析出を抑制することができるだけでなく、樹脂膜上に金属めっきが析出した場合でも、金属めっきは樹脂膜との固着力が小さいため、ブラシを用いた物理的方法で短時間で容易に除去することが可能になる。また、めっき槽の内壁を樹脂により保護することによって、めっき液に対する耐性を向上させることもできる。
【0009】
しかし、上記のようなブラシを用いた除去を繰り返し行う場合には、樹脂膜が傷つき、傷ついた部分に入り込んだめっき金属が触媒核となって、めっき金属が析出しやすくなるという問題が生じる。このように樹脂膜が傷ついて劣化した場合には、めっき槽ごとの交換が必要となり、コストアップの原因にもなる。
【0010】
また、テフロン(米国デュポン社登録商標)はめっき液に対する耐性を有するため、テフロンコーティングを施しためっき槽を用いることもできるが、テフロンは高価であり、繰り返しの使用によって表面が傷つき劣化するため、めっき槽ごとの交換が必要となる。
【0011】
そこで、本発明は、めっき槽や配管部やバルブの内壁に金属めっきが析出しにくく、また、金属めっきが析出した場合であっても容易に除去することが可能なめっき装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、底部または底部付近に開口部を有するめっき槽と、めっき槽の開口部に接続された配管部と、配管部に固定されたバルブとを備えるめっき装置において、めっき槽の内壁に着脱可能な樹脂フィルムが装着されたことを特徴とするめっき装置を提供する。
【0013】
このように、本発明のめっき装置は、めっき槽の内壁に樹脂フィルムが装着されているが、樹脂フィルム上には金属めっきが析出しにくいため、めっき槽内壁への金属めっきの析出を抑制することができる。したがって、必要なワークに対してめっき金属が十分に析出し、ワークにおけるめっきの質の低下やめっき液の不安定化を防ぐだけでなく、金属イオンの利用効率が向上してコストの削減を図ることができる。
【0014】
また、樹脂フィルムが装着されためっき槽内壁に金属めっきが析出した場合であっても、析出した金属めっきは樹脂フィルムとの固着力が小さいため、ブラシを用いた物理的方法で短時間で容易に除去することができる。さらに、めっき槽の内壁を樹脂フィルムによって保護することによって、めっき液に対する耐性を向上させることもできる。
【0015】
また、樹脂フィルムは着脱可能なものを用いるため、繰り返しの使用によって樹脂フィルムが劣化した場合には、めっき槽から樹脂フィルムを取り外して交換するだけでよく、めっき槽は続けて使用することが可能で、コストの削減を達成することができる。
【0016】
また、量産工程においては、このようなめっき装置は、めっき処理ラインの一部として設置されているのが通常である。したがって、めっき装置をめっき処理ラインから引き出せるように設置しておけば、ライン上の他の装置が稼働中であっても樹脂フィルムの交換が可能になり、稼働時間の短縮につながる。
【0017】
めっき槽の内壁に装着された樹脂フィルムは、上方に開口する袋状の形状を有するとともに、めっき槽の開口部に対応する位置に開口部を有することが望ましい。めっき液の排出を行うため、配管部に続くめっき槽の開口部に対応する位置には開口部を設ける必要があり、また、このような袋状の形状であればめっき槽への装着が容易であるためである。
【0018】
また、本発明におけるめっき装置は、配管部の内壁にも着脱可能な樹脂フィルムが装着されてもよい。配管部の内壁はめっき槽の内壁と同様にめっき液が接するため、めっき金属の析出が問題になる。配管部はめっき液の温度調節にあまり影響を及ぼさないため、樹脂製のパイプを用いることも可能であるが、配管部は構造が複雑であるため、内壁にめっき金属が析出した場合にはブラシによる物理的な除去が困難である。本発明のように内壁に樹脂フィルムを装着すれば、めっき金属の析出を抑制し、めっき液への耐性を向上させることができるだけでなく、めっき金属が析出した場合には、樹脂フィルムの交換によりめっき金属を容易に除去することができるようになる。
【0019】
また、配管部の内壁に装着された樹脂フィルムは、筒状の形状を有し、めっき槽の内壁に装着された樹脂フィルムの開口部に接続されていることが望ましい。
このように、配管部に装着された樹脂フィルムがめっき槽に装着された樹脂フィルムに接続されていれば、これらを一体としてめっき槽および配管部に装着することが可能で、着脱作業が容易になるためである。
【0020】
さらに、本発明におけるめっき装置は、底部または底部付近に開口部を有するめっき槽と、めっき槽の内壁に装着された着脱可能な樹脂フィルムであって、上方に開口する袋状の形状を有するとともに、めっき槽の開口部に対応する位置に開口部を有する樹脂フィルムと、めっき槽の内壁に装着された樹脂フィルムの開口部に接続され、めっき槽の開口部から延出した状態で設けられた筒状の形状を有する樹脂フィルムとを備えることもできる。
【0021】
このように、めっき槽の開口部から筒状の形状を有する樹脂フィルムを延出した状態で設けることで、筒状の形状を有する樹脂フィルムを配管部の代わりとして用いることができる。また、この樹脂フィルム内壁には金属めっきが析出しにくいだけでなく、繰り返しの使用によって内壁に析出しためっき金属の除去が必要になった場合には、筒状の樹脂フィルムをめっき槽内壁に装着された樹脂フィルムとともに一体として取り外して交換すればよく、短時間での交換が可能になる。
【0022】
さらに、めっき槽にめっき液が貯留されている場合には、上記筒状の形状を有する樹脂フィルムを外部からピンチバルブを用いて押えつけることによって、めっき槽に貯留されためっき液を液止めすることもできる。
【0023】
通常、配管部においてめっき液を液止めするために用いられるエアーバルブは、構造が複雑であるため、内壁に樹脂フィルムを装着するのは困難であり、また析出しためっき金属を除去するためには溶解除去が必要であるため長時間を要する。そこで、筒状の形状を有する樹脂フィルムを配管部の代用として用い、外部からピンチバルブを用いて押えつけることによってめっき液を液止めすると、バルブ内壁へめっき液が直接接することがなくなるため、めっき金属の析出を防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図1〜図3を用いて説明する。図1、図3、図4は本発明におけるめっき装置を示す断面図であり、図2は本発明におけるめっき装置を用いてワークにめっき処理を施す方法を示す断面工程図である。
【0025】
(実施例1)本発明の第1の実施例におけるめっき装置は、図1に示すように、めっき槽1と、めっき槽1に接続された配管部2と、配管部2に固定されたエアーバルブ3とを有している。めっき槽1内壁には樹脂フィルム4が装着されており、めっき槽1内に貯留された無電解銅めっき液7は、エアーバルブ3によって液止めされている。
【0026】
めっき槽1は、内寸620mm×385mm、高さ350mmのステンレスで形成され、底部中央部には内径約50mmの円形の開口部5を有する。配管部2は内径約50mm、長さ50mmの筒状の形状のPVC(ポリ塩化ビニル)で形成されており、めっき槽1の開口部5に接続されている。樹脂フィルム4は、厚さ0.4mmのPVC(ポリ塩化ビニル)で形成され、内寸618mm×383mm、高さ350mmで上方に開口する袋型の形状を有し、底部中央部のめっき槽1の開口部5に対応する位置には内径約50mmの円形の開口部6が形成されている。
【0027】
上記めっき装置において、ワークにめっき処理を施す方法を図2を用いて説明する。まず、図2(a)に示すように、エアーバルブ3を閉じた状態で、めっき槽1にめっき液7を注入し、めっき槽1にめっき液7を貯留する。次に、図2(b)に示すように、めっき液7にワーク10を浸漬してエアーを供給しながら無電解めっき処理を行う。図示しないが、この際、ワークはホルダやバレルに入れて無電解めっき処理を行ってもよい。続いて、図2(c)に示すように、ワーク10をめっき槽から引き上げて処理後のめっき液を配管部2から排出する。樹脂フィルム4が装着されているため、めっき槽1内壁にはめっき金属19はわずかしか析出していない。最後に、図2(d)に示すように、めっき槽1内壁に析出した金属めっき19をブラシを用いて除去する。
【0028】
(比較例1)本比較例におけるめっき装置は、めっき槽内壁に樹脂フィルムが装着されてない点以外は実施例1におけるめっき装置と同一の構造を有する。このめっき装置を用いて、実施例1の場合と同様の方法でワークに無電解銅めっき処理を施した後、めっき槽内壁に析出した金属めっきを溶解除去した。
【0029】
実施例1においては、めっき槽内壁に樹脂フィルムが装着されているため金属めっきが析出しにくく、めっき槽内壁への金属めっきの析出が大幅に抑制されている。したがって、必要なワークに対するめっき金属の析出を十分に行うことができ、ワークにおけるめっきの質の向上とめっき液の安定化を図ることができるだけでなく、金属イオンの利用効率を向上させてコストの削減を図ることもできる。
【0030】
また、金属めっきは樹脂フィルムとの固着力が小さいため、ブラシを用いた物理的方法で短時間で容易に除去することができ、具体的には1回の除去作業に要する時間はわずか3分であった。
【0031】
一方、比較例1では、ステンレス製のめっき槽内壁にめっき液が直接接することになる。したがって、めっき槽内壁には金属めっきが容易に析出するうえ、析出した金属めっきは溶解除去する必要があるため、1回の除去作業に30分もの時間を要した。
【0032】
このように、本実施例では、めっき槽の内壁に樹脂フィルムを装着することで、めっき槽内壁に析出した金属めっきの除去作業に要する時間を大幅に短縮することができた。また、めっき槽の内壁を樹脂フィルムによって保護することによって、めっき液に対する耐性も向上されている。
【0033】
さらに本実施例では、着脱可能な樹脂フィルムを用いるため、繰り返しの除去作業によって樹脂フィルムの表面が劣化した場合には、樹脂フィルムを取り外して交換すればよく、交換作業の容易化とコストの削減を図ることもできる。また、本実施例において使用する樹脂フィルムは、めっき槽の内寸よりもわずかに小さく上方に開口した袋状の形状を有するため、着脱作業は非常に簡単に行うことができる。
【0034】
なお、上記の実施例1および比較例1では、いずれも配管部を樹脂で形成しているため、配管部内壁への金属めっきの析出が抑制されている。配管部は構造が複雑であるため析出した金属めっきのブラシによる除去は困難であるが、繰り返しのめっき処理工程において、1月に一度4時間程度の所用時間で溶解除去にて析出した金属めっきを除去すればよく、配管部内壁の金属めっきの除去作業を大幅に省略することができる。
【0035】
また、たとえ配管部9が金属で形成されている場合であっても、図3に示されるように、着脱可能な筒状の樹脂フィルム8であってめっき槽1内壁に装着された樹脂フィルム4の開口部6に接続されるものを装着すれば、配管部内壁への金属めっきの析出を抑制することができる。また、めっき金属が析出した場合には、樹脂フィルムの交換によりめっき金属を容易に除去することが可能となる。
【0036】
(実施例2)本発明の第2の実施例におけるめっき装置は、図4に示すように、めっき槽11と、めっき槽11内壁に装着された樹脂フィルム14と、樹脂フィルム14に接続された筒状の樹脂フィルム18とを有している。筒状の樹脂フィルム18はめっき槽11の開口部15から延出した状態で、樹脂フィルム14と一体となってめっき槽11内壁に装着されている。めっき槽11内に貯留された無電解銅めっき液17は、表面にウレタンゴムをセットしたピンチバルブ13を用いて筒状の樹脂フィルム18を外部から押さえつけることによって、液止めされている。
【0037】
めっき槽11は、内寸620mm×185mm、高さ300mmのステンレスで形成され、底部中央部には内径約50mmの円形の開口部15を有する。樹脂フィルム14は、厚さ0.5mmのPVC(ポリ塩化ビニル)で形成され、内寸618mm×183mm、高さ300mmで上方に開口する袋型の形状を有し、底部中央部のめっき槽11の開口部15に対応する位置には内径約30mmの円形の開口部16が形成されている。筒状の樹脂フィルム18は、厚さ0.5mmのPVC(ポリ塩化ビニル)で形成され、内径約30mm、長さ500mmの筒状の形状を有し、樹脂フィルム14の開口部16に接続され、開口部15から延出した状態で設けられている。
【0038】
上記めっき装置を用いて、実施例1の場合と同様の方法でワークに無電解めっき処理を行い、めっき槽11内壁に析出した金属めっきをブラシを用いて除去する。
【0039】
実施例2においても実施例1の場合と同様に、めっき槽内壁に樹脂フィルムが装着されているため金属めっきが析出しにくく、めっき槽内壁への金属めっきの析出が大幅に抑制されている。したがって、必要なワークに対するめっき金属の析出を十分に行うことで、ワークにおけるめっきの質を向上させることができ、まためっき液の安定化を図ることができるだけでなく、金属イオンの利用効率を向上させてコストの削減を図ることもできる。
【0040】
また、金属めっきは樹脂フィルムとの固着力が小さいため、ブラシを用いた物理的方法で短時間で容易に除去することができ、具体的には1回の除去作業に要する時間はわずか2分であった。
【0041】
このように、本実施例では、めっき槽の内壁に樹脂フィルムを装着することで、めっき槽内壁に析出した金属めっきの除去作業に要する時間を大幅に短縮することができた。また、めっき槽の内壁が樹脂フィルムによって保護され、めっき液に対する耐性も向上されている。
【0042】
さらに本実施例では、着脱可能な樹脂フィルムを用いるため、繰り返しの除去作業によって樹脂フィルムの表面が劣化した場合には、樹脂フィルムを取り外して交換すればよく、交換作業の容易化とコストの削減を図ることもできる。
【0043】
また、本実施例では、筒状の形状を有する樹脂フィルムを配管部の代用として用い、外部からピンチバルブを用いて押えつけることによってめっき液を液止めしている。したがって、めっき液はバルブに直接接することがないため、バルブ内壁へのめっき金属の析出を抑制することができる。
【0044】
さらに、繰り返しの使用によって配管部の代用として用いた筒状の形状を有する樹脂フィルムの内壁に析出しためっき金属の除去が必要になった場合には、筒状の樹脂フィルムをめっき槽内壁に装着された樹脂フィルムとともに一体として取り外して交換すればよい。したがって、1月に一度の約3分間での交換によって析出しためっき金属の除去が可能になり、除去に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0045】
また、本実施例において使用するめっき槽内壁に装着する樹脂フィルムは、めっき槽の内寸よりもわずかに小さく、上方に開口した袋状の形状を有し、着脱作業は非常に簡単に行うことができる。さらに、筒状の樹脂フィルムはめっき槽に装着する樹脂フィルムに接続されているので、両者は一体として着脱が可能で、着脱作業を大変効率化することができる。
【0046】
なお、以上の実施例では、めっき槽の底部に形成された開口部からめっき液を排出したが、めっき液を排出可能であれば開口部はめっき槽の底部近くの側壁に形成されていてもよい。
【0047】
また、析出しためっき金属をブラシを用いて除去したが、めっき金属を物理的に除去できるのであれば、必ずしもブラシを用いる必要はない。
【0048】
さらに、以上の実施例では、本発明のめっき装置を用いて無電解めっき処理を行う場合について説明したが、めっき槽内壁に析出するめっき金属の抑制や、除去の容易化という点では、電解めっきを行う場合であっても同様の効果が得られると考えられる。
【0049】
【発明の効果】
このように本発明では、めっき槽内壁に樹脂フィルムが装着されているため金属めっきが析出しにくく、めっき槽内壁への金属めっきの析出を大幅に抑制することができる。したがって、必要なワークに対するめっき金属の析出を十分に行うことができ、ワークにおけるめっきの質を向上させることができるとともに、めっき液の安定化を図ることができるだけでなく、金属イオンの利用効率を向上させてコストの削減を図ることもできる。
【0050】
また、金属めっきは樹脂フィルムとの固着力が小さいため、ブラシ等を用いた物理的方法で容易に除去することができ、析出しためっき金属の除去時間を大幅に短縮することができる。
【0051】
さらに、装着した樹脂フィルムによってめっき槽内壁が保護されるため、めっき槽内壁のめっき液に対する耐性も向上され、劣化や腐蝕がなく、めっき槽の交換や修理の必要性がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるめっき装置を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるめっき装置を用いてめっき処理を行う工程を示す断面工程図である。
【図3】本発明の別の実施形態におけるめっき装置を示す断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態におけるめっき装置を示す断面図である。
【図5】従来のめっき装置を示す断面図である。
【図6】従来のめっき装置を用いてめっき処理を行う工程を示す断面工程図である。
【符号の説明】
1 めっき槽
2 配管部
3 エアーバルブ
4 樹脂フィルム
Claims (6)
- 底部または底部付近に開口部を有するめっき槽と、前記めっき槽の前記開口部に接続された配管部と、前記配管部に固定されたバルブとを備えるめっき装置において、前記めっき槽の内壁に着脱可能な樹脂フィルムが装着されたことを特徴とするめっき装置。
- 前記めっき槽の内壁に装着された樹脂フィルムは、上方に開口する袋状の形状を有するとともに、前記めっき槽の前記開口部に対応する位置に開口部を有することを特徴とする、請求項1に記載のめっき装置。
- 請求項1または請求項2に記載のめっき装置において、前記配管部の内壁に着脱可能な樹脂フィルムが装着されたことを特徴とするめっき装置。
- 前記配管部の内壁に装着された樹脂フィルムは、筒状の形状を有し、前記めっき槽の内壁に装着された樹脂フィルムの前記開口部に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載のめっき装置。
- 底部または底部付近に開口部を有するめっき槽と、
前記めっき槽の内壁に装着された着脱可能な樹脂フィルムであって、上方に開口する袋状の形状を有するとともに、前記めっき槽の前記開口部に対応する位置に開口部を有する樹脂フィルムと、
前記めっき槽の内壁に装着された樹脂フィルムの前記開口部に接続され、前記めっき槽の前記開口部から延出した状態で設けられた筒状の形状を有する樹脂フィルムとを備えるめっき装置。 - 前記めっき槽にはめっき液が貯留されており、
前記筒状の形状を有する樹脂フィルムを外部からピンチバルブを用いて押えつけることによって、前記めっき槽に貯留されためっき液が液止めされていることを特徴とする、請求項5に記載のめっき装置。
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