JP2002047595A - クロムめっき方法およびクロムめっき装置 - Google Patents

クロムめっき方法およびクロムめっき装置

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JP2002047595A
JP2002047595A JP2000232394A JP2000232394A JP2002047595A JP 2002047595 A JP2002047595 A JP 2002047595A JP 2000232394 A JP2000232394 A JP 2000232394A JP 2000232394 A JP2000232394 A JP 2000232394A JP 2002047595 A JP2002047595 A JP 2002047595A
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JP
Japan
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plating
chromium
chromium layer
plating bath
work
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Application number
JP2000232394A
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English (en)
Inventor
Yuichi Kobayashi
裕一 小林
Junichi Nagasawa
潤一 長沢
Kazuo Watanabe
和夫 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Atotech Japan KK
Original Assignee
Tokico Ltd
Atotech Japan KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温付近においてはもちろん、熱履歴を受け
る場合にもクロム層にクラックが発生することがないク
ロムめっき部品をより広い電流条件で安定して得ること
ができるクロムめっき方法および装置を提供する。 【解決手段】 有機スルフォン酸を含むめっき浴Lを収
容しためっき処理槽4B内に、ハンガー1に吊下支持さ
れたワークWの移送ラインに沿って複数の噴射ノズル2
0を配設し、各噴射ノズル20に、ポンプ22からめっ
き処理槽4B内のめっき浴Lを圧送してその噴射口20
aからの噴流により、ワークWの周辺域にめっき浴の上
昇流(流速30mm/秒以上250mm/秒以下)を発
生させ、この状態のもと、パルス電流を利用してワーク
表面にクロム層を析出させ、この時、前記めっき浴の上
昇流によりクラック発生の原因となるクロム水素化物の
生成を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークに工業用ク
ロムめっきを施す方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】クロムめっき特に硬質クロムめっきは、
硬質で摩擦係数の低い金属皮膜(クロム層)が得られる
ことから、耐摩耗性を必要とする部品の工業用クロムめ
っきとして多用されている。
【0003】ところで、汎用の硬質クロムめっきによれ
ば、得られるクロム層に金属素地に達するクラックが多
数存在し、そのままでは、腐食原因となる媒体が金属素
地まで到達して、耐食性に劣るものとなる。そこで従
来、腐食環境で使用される部品に対しては、一般に前処
理としてニッケルめっきや銅めっきを施してクロムめっ
き層と同程度の膜厚の下地を形成し、この下地の上に硬
質クロムめっきを施すようにしていた。しかし、このよ
うな対策によれば、めっき処理を工程を変えて2回行わ
なければならないため、工程増加による生産性の低下並
びに処理コストの上昇が避けられないようになる。
【0004】一方、パルス電流を利用して、いわゆるパ
ルスめっきを行うことで、クラックのないクロム層を得
ることができることが既に確認されており(例えば、特
開平3−207884号公報参照)、この方法によれ
ば、耐食性に優れたクロムめっき部品を1工程処理で得
ることができるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記パ
ルス電流を利用して行うクロムめっきによれば、熱履歴
を受けるとクロム層に大きなクラックが発生し易いとい
う問題があり、熱履歴を受ける部品への適用は断念せざ
るを得ないものとなっていた。
【0006】本発明者等は、この熱履歴を受けた際にク
ラックが発生し易くなる原因について鋭意検討した結
果、クロム層に存在する残留応力とクロム層の結晶子の
大きさとが大きく影響し、クロム層に圧縮残留応力を存
在させ、かつクロム層の結晶子を大きくすることで、前
記した熱履歴に起因するクラック発生を防止できること
を確認した。より詳しくは、熱履歴を受けるとクロム層
が収縮し、この熱収縮によりクロム層に引張応力が発生
してクラックが発生し易くなる。したがって、このクラ
ック発生を抑制するには、前記引張応力を相殺できる圧
縮残留応力を予めクロム層に存在させるか、クロム層自
体の熱収縮量を抑制すればよいことになる。この場合、
クロム層の熱収縮は、クロム層の結晶粒界に多く存在す
る格子欠陥の量に影響され、したがって、クロム層の結
晶子を大きくして、粒界長さを短くする(粒界長さは、
結晶子の大きさに反比例する)ことで格子欠陥を少なく
して、クロム層の熱収縮を抑制できることになる。
【0007】本発明等は、これらの点に着目して、有機
スルフォン酸を含むめっき浴中でパルス電流のパルス波
形を調整しながら電気めっきを行うことで、圧縮残留応
力を有すると共に、所望の結晶子大きさ(9nm以上、
16nm未満)を有する、クラックのないクロム層を析
出させるクロムめっき方法を考案し、既に特願平11−
285503号(未公知)で明らかにしている。しかし
ながら、この新たなクロムめっき方法によりクロムめっ
きを行う場合には、パルス電流の設定は範囲が狭いとい
う問題があった。特に、大量の被めっき物にめっきをす
る際のめっき槽内は、電流条件にばらつきを生じやすい
ため、装置によっては、歩留まりが低くなる可能性があ
る。
【0008】本発明は、上記した技術的背景に鑑みてな
されたもので、その目的とするところは、常温付近にお
いてはもちろん、熱履歴を受ける場合にもクロム層にク
ラックが発生することがないクロムめっき部品をより広
い電流条件で安定して得ることができるクロムめっき方
法および装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るクロムめっき方法は、有機スルフォン
酸を含むめっき浴中でパルス電流を利用してワーク表面
にクロム層を析出させるクロムめっき方法において、ワ
ークとの接触界面でめっき浴を30mm/秒以上200
mm/秒以下の流速で流動させながらクロム層を析出さ
せることを特徴とする。
【0010】上記パルス電流の波形は、最大および最小
電流密度の大きさ、最大および最小電流密度での保持時
間によって決まるが、クロム層の結晶子の大きさは、特
に最大および最小電流密度での保持時間に大きく影響さ
れる。この場合、大きい結晶子(16nm程度)が得ら
れる領域(最大および最小電流密度での保持時間)で
は、析出するクロムの結晶構造が変化して六方晶系のク
ロム水素化物となる領域に隣接している。そして、この
六方晶系のクロム水素化物が生成されると、めっき処理
した状態でクラックが発生する危険があるばかりか、圧
縮残留応力の付与が困難となり、常温付近でのわずかの
熱変化で該クラックが拡大して、耐食性を低下させる原
因になる。本発明は、これらの点も考慮して、上記した
ようにワークとの接触界面でめっき浴を流動させながら
めっき処理を行うことを特徴としている。そして、本願
発明のこのような構成により、クロム水素化物を生じる
原因となる水素原子をめっき界面から遠ざけることがで
き、前記した大きい結晶子が得られる領域の拡大が可能
になって、16nmに限りなく近い大きさの結晶子を有
するクロム層を、クラックなしの状態で安定して得るこ
とができるようになるのである。ただし、この場合のめ
っき浴の流速は、あまり小さいと前記クロム水素化物の
生成が心配され、逆にあまり大きいとクロム層の結晶配
列がランダムになって圧縮残留応力が得難くなることも
推測されるので、上記範囲30mm/秒以上200mm
/秒以下とするのが望ましい。
【0011】本発明の方法はまた、パルス電流を利用し
てワーク表面にクロム層を析出させた後、同じ種類のめ
っき浴中でパルス電流の波形を調整しまたは直流電流を
利用して該クロム層上に、クラックを有する上クロム層
を析出させるようにしてもよいものである。この場合
は、上クロム層の硬さを最大限に高くすることができる
ので、耐摩耗性の向上に寄与し、その上、上クロム層に
存在するクラックが潤滑油を保持する油溜りとして機能
するので、摺動抵抗の低減に寄与するものとなる。
【0012】また、上記目的を達成するための、本発明
に係るクロムめっき装置は、めっき槽内のめっき浴にワ
ークを浸漬し、パルス電流を利用してワーク表面にクロ
ム層を析出させるクロムめっき装置において、前記めっ
き槽に、ワークの周辺域にめっき浴の流動を起こす液流
発生手段を付設したことを特徴とする。この場合のめっ
き槽は、連続式に処理するものとして構成しても、バッ
チ式に処理するものとして構成してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基いて説明する。
【0014】図1は、本発明の1つの実施形態としての
クロムめっき方法で処理して得たクロムめっき部品の表
層部の組織を示したもので、鋼母材Mの表面には、クラ
ックのない下クロム層S1 と多数のクラックFを有する
上クロム層S2 とが2層に設けられている。下クロム層
1 は、ここでは、100MPa 以上の圧縮残留応力を
有し、かつその結晶子の大きさが9nm以上、16nm
未満の範囲に収まるように形成されている。また、上ク
ロム層S2 は、ここでは、100MPa 未満の圧縮残留
応力または引張残留応力を有し、かつその結晶子の大き
さが9nm未満となるように形成されている。
【0015】本実施の形態においては、上記した2層の
クロム層S1 およびS2 を積層形成するため、後述のめ
っき装置(図3)を用い、有機スルフォン酸を含むめっ
き浴中で、パルス電流を利用しためっき処理(以下、こ
れをパルスめっき処理という)と直流電流を利用しため
っき処理(以下、これを汎用めっき処理という)との2
段処理を連続に行うようにしている。前記有機スルフォ
ン酸を含むめっき浴としては、特公昭63−32874
号公報に記載されたものと同じもの、すなわち表1に示
す成分組成のものを用いるようにし、特にパルスめっき
処理に際してはこのめっき液を、後述の方法で流動させ
るようにする。
【0016】
【表1】
【0017】一方、めっき処理時の電流密度としては、
図2に示すようなパターンを採用するようにしている。
図2において、ゾーンAは一段目のパルスめっき処理の
範囲を、ゾーンBは二段目の汎用めっき処理の範囲をそ
れぞれ表しており、ゾーンAにおけるパルス電流の波形
は、最大電流密度IU と最小電流密度IL との間を交番
し、かつ最大電流密度IU と最小電流密度IL とに所定
時間T1 、T2 保持する形態となっている。最小電流密
度IL は、ここではゼロ(オフ)に設定しているが、最
大電流密度IU とゼロとの間の任意の値に設定してもよ
いことはもちろんである。また、保持時間T1 およびT
2 については、同一の値に設定しても異なる値に設定し
てもよい。本実施の形態においては、これら最大電流密
度IU および最小電流密度IL (ここでは、IL
0)、並びにそれらの電流密度に保持する保持時間T1
およびT2 を適当な値に設定してパルスめっき処理を行
い、上記した所定の圧縮残留応力と結晶子の大きさとを
有する下クロム層S1 (図1)を得ている。なお、この
パルスめっき処理に続く汎用めっき処理は、電流密度を
前記最大電流密度IU と最小電流密度IL との中間レベ
ルに一定にして行い、上クロム層S2 (図1)得てい
る。
【0018】ここで、上記パルスめっき処理と汎用めっ
き処理との2段処理を連続に行うためのめっき装置は、
図3に示すように、ワーク(例えば、ピストンロッド)
Wを吊下支持しエンドレスに移動するハンガー1を備え
ると共に、このハンガー1の移動ライン下に、装着ステ
ーション2、アルカリ電解脱脂槽3、めっき槽4、水洗
槽5および離脱ステーション6をこの順序で配列してい
る。めっき槽4は、アルカリ電解脱脂槽3側のエッチン
グ処理槽4Aとこれに続くめっき処理槽4Bとに分割さ
れており、めっき処理槽4Bには、前記した有機スルフ
ォン酸を含むめっき浴Lが収容されている。
【0019】また、アルカリ電解脱脂槽3、エッチング
処理槽4Aおよびめっき処理槽4Bに沿ってそれぞれブ
スバ7、8、9が分割して配列され、めっき処理槽4B
に沿うブスバ9はさらに、エッチング処理槽4A側の前
段ブスバ9Aと水洗槽5側の後段ブスバ9Bとに分割さ
れている。これらブスバのうち、アルカリ電解脱脂槽3
に対応するブスバ7、エッチング処理槽4Aに対応する
ブスバ8、めっき処理槽4Bに対応する後段ブスバ9B
にはそれぞれ直流電源10、11、13が接続され、ま
た、めっき処理槽4Bに対応する前段ブスバ9Aにはパ
ルス電源12が接続されている。
【0020】各ブスバ7、8、9A、9Bにはハンガー
1に設けられた給電ブラシ14が摺接し、これにより各
ハンガー1には対応する電源10、11、12、13か
ら電流が均等に分配されるようになっている。また、ア
ルカリ電解脱脂槽3およびエッチング処理槽4A内には
複数の陰極15、16がそれぞれワークWの移動ライン
の両側に位置して配設されており、これら陰極15、1
6は各槽単位で並列に接続されて、対応する電源10、
11に接続されている。また、めっき処理槽4B内には
複数の陽極17、18がそれぞれワークWの移送ライン
の両側に位置して配設されており、これら陽極17、1
8は前段ブスバ9Aおよび後段ブスバ9B単位で並列に
接続されて、対応する電源12、13に接続されてい
る。なお、めっき処理槽4B内の陽極17、18と電源
12、13との間にはそれぞれ電流計19a、19bが
介装されている。
【0021】一方、めっき処理槽4B内には、各陽極1
7の相互間に位置して噴射ノズル20が配設されてい
る。噴射ノズル20は、図4および図5に示すように、
ハンガー1に吊下支持されたワークWの移送ラインを挟
んで対立する2本が対となっており、各対をなす噴射ノ
ズル20同士は、それぞれの下端部が連通管21により
接続されている。また、めっき処理槽4B内は、別途設
置したポンプ22の吐出口に配管23にて結ぶ給液管2
4が配置されており、前記噴射ノズル20同士を連通す
る各連通管21にはこの給液管24から分岐した導管2
5がそれぞれ接続されている。ポンプ22の吸込口に
は、めっき処理槽4B内のめっき液Lに一端部を浸漬さ
せた配管26の他端部が接続されており、これにより、
ポンプ22の運転に応じて、めっき処理槽4B内のめっ
き液Lが配管26,23を経て給液管24に供給され、
さらに導管26、連通管21を経て各対をなす噴射ノズ
ル20へ供給されるようになる。
【0022】しかして、各対をなす噴射ノズル20の、
相対向する側の壁面には、その長手方向に配列して複数
の噴射口20aが設けられている。各噴射口20aは、
斜め上方へ口向きが設定されており、これによりポンプ
22から各噴射ノズル20に圧送されためっき液Lは、
各噴射ノズル20の噴射口20aからワークWの移送ラ
インへ向けて斜め上方へ噴射され、この結果、ハンガー
1により移送されるワークWの周辺域には、めっき液L
の上昇流が形成されるようになっている。したがって、
これら噴射ノズル20、連通管21、ポンプ22、給液
管24、配管23,26等はワークWの周辺域にめっき
浴の流動を起こす液流発生手段を構成するものとなる。
【0023】上記めっき装置を用いてクロムめっきを実
施するには、先ず装着ステーション6においてハンガー
1にワークWが装着され、ワークWはハンガー1に吊下
げられた状態でアルカリ電解脱脂槽3とエッチング処理
槽4Aとに順次移送される。そして、アルカリ電解脱脂
槽3においてワークWを陽極とする脱脂処理が、エッチ
ング処理槽4AにおいてワークWを陽極とするエッチン
グ処理がそれぞれ行われ、続いて、ワークWはめっき処
理槽4Bに移送され、ここで、ワークWを陰極とするク
ロムめっき処理が行われる。
【0024】上記クロムめっき処理に際しては、先ず、
パルス電源12から前段ブスバ9Aおよび陽極17を介
してワークWに、前記図2のAゾーンに示したパルス波
形のパルス電流が供給され、パルスめっき処理が行われ
る。このパルスめっき処理は、当該ワークWを吊下支持
するハンガー1の給電ブラシ14が前段ブスバ9Aに接
触している間、継続され、これによりワークWの表面に
は、前記したクラックのない下クロム層S1 (図1)が
形成される。しかして、このパルスめっき処理に際して
は、ポンプ22の運転によりハンガー1により移送され
るワークWの周辺域にめっき液Lの上昇流(ここでは、
流速30mm/秒以上200mm/秒以下)が形成され
ており、このめっき液の流動によりクロム水素化物を生
じる原因となる水素原子がめっき界面から遠ざけられ、
この結果、前記した16nmに限りなく近い大きさの結
晶子を有する下クロム層S1を安定して得ることができ
るようになる。
【0025】その後、当該ワークWを吊下支持するハン
ガー1の給電ブラシ14が後段ブスバ9B上に乗り移
り、直流電源13から後段ブスバ9Bおよび陽極18を
介してワークWに直流電流が供給され、汎用めっき処理
が行われる。この汎用めっき処理は、当該ワークWを吊
下支持するハンガー1の給電ブラシ14が後段ブスバ9
Bに接触している間、継続され、これにより前記下クロ
ム層S1 上には、同じく図1に示すように、多数のクラ
ックFが存在する上クロム層S2 が積層形成される。な
お、ワークWは、その後、水洗槽5において水洗されて
離脱ステーション6に至り、そこで、ハンガー1から取
外される。
【0026】このようにして得られたクロムめっき部品
は、前記図1に示したように、クラックのない下クロム
層S1 を下層として設けているので、上クロム層S2
クラックFが存在していても、腐食原因となる媒体が鋼
母材Mの金属素地まで達せず、所望の耐食性が確保され
る。しかも、この下クロム層S1 は、所定の圧縮残留応
力と結晶子の大きさとを有しているので、熱履歴を受け
ても新たなクラックが発生することはなく、優れた耐食
性が維持される。また、この上クロム層S2 は、クラッ
クFが存在してもよいので、十分高い硬さ(900 HV以
上)を付与することができ、耐摩耗性も十分となる。ま
た、この上クロム層S2 に存在する多数のクラックF
は、潤滑油を保持する油溜りとして機能するので、摺動
特性の改善にも寄与するものとなる。本実施の形態にお
いては特に、同じめっき浴L中でワークWを連続に移動
させながら2層のクロム層S1 ,S2 を積層形成するの
で、クロムめっき部品を効率よく製造できる。
【0027】上記実施の形態においては、図3に示した
めっき装置を用いて連続処理により2層のクロム層S
1 ,S2 を積層形成するようにしたが、本発明は、これ
に代えて、例えば、図6に示すような装置を用いてバッ
チ式に処理をするようにしてもよいものである。この装
置は、めっき浴Lを収容した一つの独立しためっき槽3
0を備え、このめっき槽30内にめっき浴Lに浸漬され
るように有底筒状の導体ケース31を1つまたは複数配
設し、この導体ケース31の底に、別途設置したポンプ
32の吐出口に結ぶ導管33を接続している。ポンプ3
2の吸込口には、めっき槽30内のめっき液Lに一端部
を浸漬させた配管34の他端が接続されており、ポンプ
32の運転によりめっき槽30内のめっき液Lが導体ケ
ース31を経て循環するようになっている。したがっ
て、これら導体ケース31、導管33、ポンプ32、配
管34等はワークWの周辺域にめっき浴の流動を起こす
液流発生手段を構成するものとなる。
【0028】このような装置において、パルス電流と直
流電流とを切替え可能な電源35を設けて、この電源3
5の一端側に前記導体ケース31を、その他端側にワー
クWを吊下支持する治具36をそれぞれ接続する。ポン
プ32を運転させると、めっき槽30内のめっき液Lが
導体ケース31の底部に圧送され、該導体ケース31内
を上昇して導体ケース31の上端開口からめっき槽30
内に還流する。したがって、予めポンプ32の運転によ
り導体ケース31内にめっき液Lの上昇流を発生させた
状態のもと、この導体ケース31に治具36の動きを利
用してワークWを挿入し、電源35から、前記図2のゾ
ーンAに示したパルス波形のパルス電流をワークWに供
給すれば、パルスめっき処理が行われて、上記実施の形
態におけると同様の下クロム層S1が形成される。ま
た、その後、電源35を切替えて、前記図2のゾーンB
に示した直流電流をワークWに供給すれば、上クロム層
2が形成される。このバッチ式の処理においては、下
クロム層S1 を形成させるめっき槽と上クロム層S2
形成させるめっき槽とをそれぞれ独立させて設けて、各
独立に処理を行うようにしてもよく、この場合は、クロ
ム層S1 を形成させるめっき槽にパルス電流を供給し、
クロム層S2 を形成させるめっき槽に直流を供給するよ
うにする。
【0029】なお、上記めっき槽4(図3)、30(図
6)内のめっき浴Lを流動させるための液流発生手段
は、上記各実施例の形態に限定されないことはもちろん
で、他の適宜の手段、方法を採用することができる。ま
た、上記各実施の形態においては、硬質クロムめっき処
理を2段階に行って2層のクロム層S1 ,S2 を形成す
るようにしたが、本発明は、上クロム層S2を省略して
下層のクロム層S1 のみを形成するようにしてもよいも
のである。この場合は、クラックの存在しないクロム層
1 が表面に露出するので、上記実施の形態におけるよ
うな油溜りとしての役割は期待できないが、耐食性およ
び耐熱性の面では十分となる。
【0030】
【実施例】実施例1 JIS S25Cからなる鋼棒(直径12.5mm,長さ200mm )
を供試材とし、めっき浴としてクロム酸250 g/L 、硫酸
2.5 g/L 、有機スルフォン酸8g/L 、ほう酸10g/L の成
分組成のものを用い、先ず浴温60℃としてこれを30m
m/sで流動させ、最大電流密度IU =120 A/dm2 、最
小電流密度IL =0 A/dm2(図2のパターン)、最大電
流密度IU における保持時間(オンタイム)T1 =0.7
ms、最小電流密度IL における保持時間(オフタイ
ム)T2 =0.5 ms、周波数0.8 kHz の条件でパルスめ
っき処理を行い、供試材表面に厚さ約3μmの下クロム
層S 1 (図1)を形成した。次に、同じめっき浴中で、
浴温60℃、電流密度60A/dm2の一定条件で汎用めっき処
理を行い、前記下クロム層S1 の上に厚さ約7μmの上
クロム層S2 (図1)を形成した。
【0031】実施例2 実施例1と同じ供試材およびめっき浴を用い、先ず浴温
60℃としてこれを60mm/sで流動させ、実施例1と同
じ条件でパルスめっき処理を行い、供試材表面に厚さ約
3μmの下クロム層S1 (図1)を形成し、次に、実施
例1と条件で汎用めっき処理を行い、前記下クロム層S
1 の上に厚さ約7μmの上クロム層S2(図1)を形成
した。
【0032】実施例3 実施例1と同じ供試材およびめっき浴を用い、先ず浴温
60℃としてこれを120mm/sで流動させ、実施例1と同
じ条件でパルスめっき処理を行い、供試材表面に厚さ約
3μmの下クロム層S1 (図1)を形成し、次に、実施
例1と条件で汎用めっき処理を行い、前記下クロム層S
1 の上に厚さ約7μmの上クロム層S 2 (図1)を形成
した。
【0033】実施例4 実施例1と同じ供試材およびめっき浴を用い、先ず浴温
60℃としてこれを250mm/sで流動させ、実施例1と同
じ条件でパルスめっき処理を行い、供試材表面に厚さ約
3μmの下クロム層S1 (図1)を形成し、次に、実施
例1と条件で汎用めっき処理を行い、前記下クロム層S
1 の上に厚さ約7μmの上クロム層S 2 (図1)を形成
した。
【0034】比較例1 実施例1と同じ供試材およびめっき浴を用い、先ず浴温
60℃でめっき浴を流動させることなく、実施例1と同じ
条件でパルスめっき処理を行い、供試材表面に厚さ約3
μmの下クロム層S1 (図1)を形成し、次に、実施例
1と条件で汎用めっき処理を行い、前記下クロム層S1
の上に厚さ約7μmの上クロム層S2 (図1)を形成し
た。
【0035】比較例2 実施例1と同じ供試材およびめっき浴を用い、先ず浴温
60℃でめっき浴を300mm/sで流動させ、実施例1と同
じ条件でパルスめっき処理を行い、供試材表面に厚さ約
3μmの下クロム層S1 (図1)を形成し、次に、実施
例1と条件で汎用めっき処理を行い、前記下クロム層S
1 の上に厚さ約7μmの上クロム層S 2 (図1)を形成
した
【0036】試験例 そして、上記実施例1−4および比較例1,2で得た各
試料について、顕微鏡観察により下クロム層S1 と上ク
ロム層S2 とにおけるクラックの有無を観察し、さら
に、下クロム層S1 については、残留応力および結晶子
の大きさを後述の方法で測定した。また、JIS Z2371 に
よる塩水噴霧試験を行って発錆の有無を観察し、発錆の
認められなかった試料については、これに 200℃×2時
間の加熱処理を施し、加熱処理後、前記同様に下クロム
層S1 および上クロム層S2 におけるクラック発生の有
無を観察し、さらに、再度JIS Z2371 による塩水噴霧試
験を行って発錆の有無を観察した。
【0037】ここで、クロム層の残留応力の測定は、日
本非破壊検査協会編「非破壊検査」第37巻第8号第 6
36〜642 頁に開示される「X線応力測定法」を用いて行
った。また、クロム層の結晶子の大きさの測定は、X線
回折装置により特性X線Cu−Kα(波長:1.5405620
オングストローム)を用い、Cr (222)回折面で行
い、回折プロファイルの広がり(積分幅)の測定結果を
下記のScherrerの式に算入して求める方法によった。な
お、積分幅には、Cauchy関数により補正した値を用い
た。 Dhkl =K・λ/β1cosθ Dhkl :結晶子の大きさ(オングストローム,hkl に垂
直方向の結晶子の大きさ) λ :測定X線波長(オングストローム) β1 :結晶子の大きさによる回折線の広がり;積分幅
(ラジアン) θ :回折線のブラック角 K :定数(1.05) 上記した各測定結果を表2に一括して示すと共に、図7
および図8に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2および図7,8に示す結果より、めっ
き液を流動させながら処理をした本実施例1−4の試料
は、何れもその下クロム層S1が体心立方結晶(bc
c)系の結晶構造を有すると共に、比較的大きな圧縮残
留応力を有している。そして、加熱前はもちろん、200
℃に2時間保持する熱履歴を与えても(加熱後も)下ク
ロム層S1にはクラックは認められず、加熱前の1000時
間の塩水噴霧試験、加熱後の500時間の塩水噴霧試験に
よっても発錆は認められなかった。これに対し、めっき
液を流動させないで処理をした比較例1の試料は、その
下クロム層S1に六方晶(hcp)系のクロム水素化物
の生成が認められると共に、わずかの引張残留応力が認
められた。また、その下クロム層S1にはクラックが認
められ、加熱前の塩水噴霧試験において、わずか2時間
で発錆することが確認された。一方、めっき浴を流動さ
せた比較例2の試料では、下クロムS1がbcc系の結
晶構造を有しかつ圧縮残留応力を有しているものの、そ
の値は小さい。このため、加熱前にはクラックが認めら
れなかったものの、加熱後にはわずかにクラックが認め
られ、耐食性も加熱によって低下している。これは、流
速が300mm/sと速いことにより、クロムめっき層の集
合組織が弱く、結晶配列がランダムになる傾向にあり、
圧縮残留応力を得ることが困難になったためと推量され
る。以上の実施例より、めっき浴を30mm/秒以上2
00mm/秒以下の流速で流動させることで、よい効果
が得られることがわかった。
【0040】
【発明の効果】上記したように、本発明に係るクロムめ
っき方法および装置によれば、従来使用できなかったパ
ルス電流の条件でも、所定の圧縮残留応力と結晶子の大
きさとを有し、かつクラックのないクロム層を安定して
得ることができる。また、上記クラックのないクロム層
上に、クラックを有するクロム層を積層形成した場合
は、耐摩耗性および摺動特性の向上にも寄与するものと
なり、その利用価値はさらに高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態としてのクロムめっ
き方法で処理して得たクロムめっき部品の表層部の組織
を示す模式図である。
【図2】本発明の1つの実施の形態における電流密度の
時間変化を示すグラフである。
【図3】本発明の方法を実施するための連続式めっき装
置の構造を模式的に示す平面図である。
【図4】本連続式めっき装置における液流発生手段の構
造を示す縦断面図である。
【図5】本連続式めっき装置における液流発生手段の構
造を示す横断面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態としてのクロムめっき
方法を実施するためのバッチ式めっき装置の構造を示す
縦断面図である。
【図7】実施例および比較例の試験結果を、流速と残留
応力との関係で整理して示すグラフである。
【図8】実施例および比較例の試験結果を、流速と結晶
子の大きさとの関係で整理して示すグラフである。
【符号の説明】
4 めっき槽 4B めっき処理槽 17 陽極 20 噴射ノズル(液流発生手段) 22 ポンプ(液流発生手段) 30 めっき槽 31 導体ケース(液流発生手段) 32 ポンプ(液流発生手段) F クラック M 鋼母材 S1 下クロム層 S2 上クロム層 W ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長沢 潤一 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 渡辺 和夫 神奈川県横浜市緑区白山1丁目18番2号 アトテックジャパン株式会社内 Fターム(参考) 4K023 AA11 BA02 CA01 CA09 CB08 DA06 DA07 DA08 4K024 AA02 AB02 BA02 BB04 CA01 CA02 CA04 CA06 CA07 CB04 CB05 CB13 CB14 DA02 DA04 DA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機スルフォン酸を含むめっき浴中でパ
    ルス電流を利用してワーク表面にクロム層を析出させる
    クロムめっき方法において、ワークとの接触界面でめっ
    き浴を30mm/秒以上200mm/秒以下の流速で流
    動させながらクロム層を析出させることを特徴とするク
    ロムめっき方法。
  2. 【請求項2】 パルス電流を利用してワーク表面にクロ
    ム層を析出させた後、同じ種類のめっき浴中でパルス電
    流の波形を調整しまたは直流電流を利用して該クロム層
    上に、クラックを有する上クロム層を析出させることを
    特徴とする請求項1に記載のクロムめっき方法。
  3. 【請求項3】 めっき槽内のめっき浴にワークを浸漬
    し、パルス電流を利用してワーク表面にクロム層を析出
    させるクロムめっき装置において、前記めっき槽に、ワ
    ークの周辺域にめっき浴の流動を起こす液流発生手段を
    付設したことを特徴とするクロムめっき装置。
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