JP4547730B2 - 電解コンデンサ用電極、電解コンデンサ及びこれらの製造法 - Google Patents

電解コンデンサ用電極、電解コンデンサ及びこれらの製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP4547730B2
JP4547730B2 JP17524599A JP17524599A JP4547730B2 JP 4547730 B2 JP4547730 B2 JP 4547730B2 JP 17524599 A JP17524599 A JP 17524599A JP 17524599 A JP17524599 A JP 17524599A JP 4547730 B2 JP4547730 B2 JP 4547730B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolytic capacitor
electrode
dielectric film
compound
conductive polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP17524599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001006982A (ja
Inventor
隆二 門田
厚 坂井
雄司 古田
英樹 大籏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP17524599A priority Critical patent/JP4547730B2/ja
Priority to US09/598,914 priority patent/US6483694B1/en
Publication of JP2001006982A publication Critical patent/JP2001006982A/ja
Priority to US10/262,613 priority patent/US7025795B2/en
Priority to US11/298,681 priority patent/US7232469B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4547730B2 publication Critical patent/JP4547730B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電解コンデンサ用電極、該電極を用いた電解コンデンサ及びこれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年電子機器の小型化、軽量化にともなって高周波領域でのインビーダンスが低く、小型で大容量のコンデンサが要求されるようになってきた。このような高周波用のコンデンサとしては、従来マイカコンデンサ、フイルムコンデンサ、セラミックコンデンサなどが使用されているが、これらのコンデンサはいずれも大容量化に適した物ではない。一般に小型で大容量のコンデンサとしては、アルミニウム電解コンデンサやタンタル電解コンデンサなどがある。
これらの電解コンデンサの電解質としては液状の電解質や固体の二酸化マンガンなどが用いられているが、最近固体電解質として有機半導体であるTCNQ(7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン)錯塩を用いたコンデンサが提案された。
【0003】
しかしこれは、TCNQ錯塩を加熱・溶融して電極に含浸後、冷却・固化させて固体電解質を形成させるため、溶融時にTCNQ錯塩が分解、劣化しやすく、その製造工程が非常に繁雑となりコスト高となるなどの欠点があった。
これらの欠点を解決するために二酸化マンガンやTCNQ錯塩より高い電導度を有するピロ−ル、チオフェン、フランなどの複素五員環化合物の重合体を固体電解質として用いることが提案されている。この様な導電性重合体を用いた固体電解コンデンサは、導電性重合体が高い電導度を示すため、電解液を用いた電解コンデンサに比べて優れた周波数特性を持つ。
【0004】
電極の化成皮膜(誘電体皮膜)の表面処理に関しては珪酸や珪酸塩を皮膜表面に存在させることで、高温、高湿下での容量、誘電損失の劣化を防ぐ方法が知られている(特開平5−234821号公報、特開平5−234822号公報)が、耐湿性に問題がある。
誘電体皮膜を形成した弁作用金属をシランカップリング剤溶液に含浸して表面処理した固体電解コンデンサ(特開平2−74021号公報)が知られている。
シランカップリング剤は水溶液で用いられ、加水分解後シラノールを生成し、これが誘電体皮膜の水酸基と縮合反応して共有結合を形成するため、加熱を必要とする。また、フッ化炭素鎖を含有したクロロシラン系界面活性剤溶液に浸漬して表面処理した薄膜コンデンサ(特開平4−367210号公報)が知られている。これは化学的な反応基を有したシラン化合物を使用しており、非水溶媒系で誘電体皮膜の水酸基と化学結合することで表面改質を行っている。この方法ではHClが副生して誘電体皮膜を損傷するおそれがあり、試薬も高価で、水と反応し易く、経済性、安定性に問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
弁作用金属上の誘電体皮膜は無機物であり、一方その皮膜上に形成する電解質が有機物の導電性重合体である固体電解コンデンサの場合、相互の密着性が弱く、高温において導電性重合体が誘電体皮膜からたびたび剥離することが起こり、経時的に容量が低下する欠点があった。
本発明は好ましくは電解質として導電性重合体を用いた電解コンデンサにおいて、容量が大きくかつ高温での安定性が高い電解コンデンサに好適な電極を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので以下の各発明からなる。
(1)表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極上に[−O−Si−R12−]n(R12は共にCH3、nは7〜16)、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサンデカメチルシクロペンタシロキサンから選ばれる少なくとも一種のシロキサン結合を有する化合物を付着してなる電解コンデンサ用電極。
(2)弁作用金属がアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンまたはこれらを主体とする合金のいずれかであるっ上記(1)に記載の電解コンデンサ用電極。
(3)表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極を上記(1)に記載のシロキサン結合を有する化合物溶液に浸漬または該溶液を前記電極に塗布することを特徴とする電解コンデンサ用電極の製造法。
(4)表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極を上記(1)に記載のシロキサン結合を有する化合物の雰囲気に曝露させて該化合物を表面に付着させることを特徴とする電解コンデンサ用電極の製造法。
(5)上記(1)又は(2)に記載の電解コンデンサ用電極上に導電性重合体からなる電解質を形成してなる固体電解コンデンサ。
(6)導電性重合体がポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンまたはこれらの置換誘導体の少なくとも1種からなる上記(5)記載の固体電解コンデンサ。
(7)ポリチオフェンが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である上記(6)記載の固体電解コンデンサ。
(8)表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極の端部が陽極部とされ、電極の誘電体皮膜上に上記(1)に記載のシロキサン結合を有する化合物を付着する工程、該誘電体皮膜上に電解質、さらにその上に導電体層を順次形成し、これらを陰極部とするコンデンサ素子を形成する工程、陽極部及び陰極部にリードフレームを接合する工程を含むことを特徴とする電解コンデンサの製造法。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の電解コンデンサ用電極は弁作用金属上に誘電体皮膜を形成した電極にシロキサン結合を有する化合物を付着させたことを特徴とし、固体電解コンデンサに好適であるが、液体電解質を用いた電解コンデンサにも使用は可能である。
弁作用金属には例えばアルミニウム、チタン、タンタル、ニオブあるいはこれらの1種または2種以上を主体とする合金等の弁作用金属が使用され、形状は箔、板、棒状等のいずれでもよい。タンタル及び/またはニオブ、それらの合金の場合はその粉末を成形、焼結したものでもよい。
弁作用金属は誘電体層の形成と比表面積を大きくする目的で公知の方法によってエッチング処理や化成処理が施され、弁作用金属上に微細孔誘電体皮膜が形成される。
【0008】
この誘電体皮膜上にシロキサン結合を有する化合物(以下シロキサン化合物という。)を付着させる。本発明において、シロキサン化合物は分子中のシロキサン結合と誘電体皮膜上の酸化物表面の水酸基との間で分子間水素結合を作りやすく、親和性があり誘電体皮膜に密着保持される。本発明はこの作用を利用するものであり、したがってシロキサン化合物としては、シロキサン結合を含むものならば、何でもよく、好ましくは低分子量シロキサン(重量平均分子量が10万以下の環状あるいは直鎖状の化合物)である。シロキサン化合物の製品としては例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、シリコーンワニスなどを用いることができる。
以下シロキサン化合物の具体的な商品名を挙げる。
環状シロキサン
信越化学社製 KF 994、同KF 995、GELEST社製 SIO 6705、同SIT 7530、同SIT 7900、同SIT 8737、同SID 4625、同SIH 6105、1
有機変性シリコーンオイル
▲1▼アルキルシリコーンオイル
信越化学社製 KF 96、同KF 69、同KF 54
▲2▼フロロシリコーンオイル
GELEST社製 FMS−123
▲3▼ポリアルキレンオキシド変性シリコーン
GELEST社製 DBE−712
▲4▼ヒドロキシ及びカチオンタイプシリコーン
GELEST社製 CMS 626、信越化学社製 KF99
▲5▼シラノールシリコーン
GELEST社製 DMS−S12
非反応性シリコーンオイル(いずれも信越化学社製)
ポリエーテル変性シリコーンとしてKF352、同KF6012、メチルスチリル変性シリコーンとしてKF410、アルキル変性シリコーンとしてKF412、高級脂肪酸エステル変性シリコーンとしてKF910、親水性特殊シリコーンとしてKF905、高級アルコキシ変性シリコーンとしてKF851、フッ素変性シリコーンとしてKF100。
反応性シリコーンオイル
▲1▼ビニルシリコーン
GELEST社製 DMS−V00
▲2▼アミノ変性シリコーン
信越化学社製 KF 393、同KF 860、GELEST社製 DMS−A11、東レ・ダウコーニング社製 SF−8417
▲3▼エポキシ変性シリコーン
信越化学社製 KF 1001、同KF 102、GELEST社製 DMS−E01
▲4▼カルボキシル変性シリコーン
GELEST社製 X−22−3710、同DMS−B12、東レ・ダウコーニング社製 SF−8411
▲5▼カルビノール変性シリコーン
信越化学社製 KF 6001、GELEST社製 DMS−C15
▲6▼メタクリル変性シリコーン
GELEST社製 X−22−2404、同DMS−R01
▲7▼メルカプト変性シリコーン
GELEST社製 X−22−980、同SMS−022
これらのシロキサン化合物を誘電体皮膜の表面に付着させることにより、消泡性、耐熱性、絶縁性、耐薬品性、化学安定性などの特性に優れ、エッチング等で得られた誘電体皮膜の微細孔部への導電性重合体の形成を促進する働きによって、誘電体皮膜と導電性重合体との密着度を上昇させることができ、コンデンサ容量の増加、損失角の正接(tanδ)が小さくなる。
【0009】
電極の誘電体皮膜上にシロキサン化合物を付着させる第一の方法はシロキサン化合物の溶液(分散液も含む)を皮膜上に塗布するか、あるいはシロキサン化合物含有溶液に電極を浸漬する方法である。溶液の溶媒としては例えばテトラヒドロフラン(THF)やジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、あるいはジメチルホルムアミド(DMF)やアセトニトリル、ベンゾニトリル、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、酢酸エチルや酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルムや塩化メチレン等の非芳香族性の塩素系溶媒、ニトロメタンやニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、あるいはメタノールやエタノール、プロパノール等のアルコール類、アセトン、水などが用いられる。溶媒中のシロキサン化合物の濃度は0.0001〜1.0重量%の範囲で用いることができるが、好ましくは0.001〜0.5重量%である。
【0010】
シロキサン化合物を付着させる第二の方法は、電極をシロキサン化合物の雰囲気に曝露させて、該化合物を表面に付着させる方法である。温度は例えば0℃〜200℃の範囲で行うことができる。この付着の場合、例えばシリコーンゴムを用いると付着後は実施例に示すようなシリコン数のシロキサン化合物となるが、シロキサン結合を有する限り支障はない。
上記のような方法で誘電体皮膜の微細孔部内にまでシロキサン化合物を実質的に付着させることができる。ここに実質的とは、例えば誘電体皮膜上に付着させるシロキサン化合物の付着量はX線光電子分光スペクトル(XPS)により誘電体皮膜層の深さ方向、約100Åにおいてシロキサン化合物が検出されるか、またはAuger電子分光スペクトル(AES)で検出できる程度のわずかの量でもよい。また、シロキサン化合物は均一に付着するだけでなく、不均一に付着してもよい。
【0011】
次に上記の本発明の電極を用いた固体電解コンデンサについて説明する。図1に本発明の固体電解コンデンサの1例を示す。弁作用金属1の表面に誘電体皮膜3、微細孔2が形成されている。皮膜上には微細孔内部までシロキサン化合物4が付着している。
このような構成からなる本発明の電極上に導電性重合体5が形成される。導電性重合体には、複素五員環系導電性重合体であるポリピロール、ポリチオフェン、ポリフランや、ポリアニリンなど、及び、これらの置換誘導体などが用いられるが、特にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が好ましい。重合方法としては電解重合、化学重合のいずれでもよいが、重合体を構成するモノマーを溶解または分散した溶液に酸化剤を加え、化学重合することが好ましい。モノマーを溶解する溶媒としてはイソプロピルアルコールやシロキサン化合物を溶解または分散する上記の溶媒と同じ溶媒が用いられる。また化学重合に用いられる酸化剤として例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素などの過酸化物、塩化第二鉄、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化物が用いられる。特に過硫酸アンモニウムが好ましい。
【0012】
また固体電解コンデンサに使用される導電性重合体には一般的にドーパントが使用される。そして通常ドーパントの種類により導電性重合体の表面の平坦性、粗密性等が異なる結果となり、導電性重合体による誘電体皮膜の被覆状態が大きく異なる。一般に固体電解コンデンサに用いる導電性重合体にはアリールスルホン酸塩系ドーパントが使用される。例えばベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸などのナトリウム塩を用いた場合、それぞれ生成する導電性重合体の電極への被覆状態が異なるため容量にも差がある。ところがシロキサン化合物を誘電体皮膜に付着させることで、重合体と誘電体皮膜の間で接着的な効果が現われ、ドーパントの種類による重合体の被覆状態の差異が減少し一様な重合体が得られる。
【0013】
シロキサン化合物を付着させた誘電体皮膜上に導電性重合体を形成するには先ず導電性重合体のモノマーを単独あるいは溶媒に溶解または分散して皮膜上に塗布するかあるいは皮膜を溶液に浸漬することにより、誘電体皮膜上にモノマーを均一に分散させ、次いで酸化剤を例えば0.01〜2モル/リットル及びドーパントを0.01〜2モル/リットル含む溶液または分散液に浸漬することにより化学重合させる方法が用いられる。モノマーと酸化剤及びドーパントを含む溶液または分散液の塗布あるいは浸漬順序は逆でも、また、同時に1液でも、同様に化学重合による導電性重合体が形成できる。重合温度は一般的には−70〜250℃の温度範囲で選ばれるが、望ましくは0〜150℃であり、さらに0〜100℃の温度範囲が一層好ましい。
【0014】
このようにして形成された導電性重合体上にさらに電気的接触をよくするために他の導電体層を設けることが好ましく、例えば公知のカーボンペースト、銀ペーストなどの導電性ペースト層またはメッキ、金属蒸着、導電樹脂フィルム等により導電体層6を形成する。さらに上記導電体層の上を樹脂モールドするとか、樹脂ケース、金属製のケース、樹脂ディッピング等による外装7を設け、これに接続用端子(陽極)8、接続用端子(陰極)9を設けることにより各種の用途に適した電解コンデンサ製品とすることができる。なお、図1は電解コンデンサの一構成単位を示すもので製品としては一般にこの構成単位(コンデンサ素子)のものが複数個積層したものが使用される。
【0015】
【実施例】
以下、実施例及び比較例をあげて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
アルミニウム化成箔を10wt%のアジピン酸アンモニウム水溶液に浸し13Vで化成処理を行い、箔表面に誘電体皮膜を形成した。このアルミニウム化成箔(基板)を、高温加硫型シリコーンゴム(耐熱温度250℃)と一緒に約180℃の乾燥機(容積91リットル)に入れ、約1時間保持してシロキサン化合物を皮膜上に付着した。このシロキサン化合物をガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)法で調べた結果、一般式[−O−SiR12 −]n (R1 、R2 は共にCH3 )で表わされるシロキサン結合を有し、nが7〜16の化合物が大部分であった。続いて、この化成箔を3,4−エチレンジオキシチオフェンの1.2モル/リットルのイソプロピルアルコール(以下IPAと略する)溶液に浸漬し、次いで過硫酸アンモニウム(以下、APSと略する)が2モル/リットルおよびアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムが0.07wt%となるように調製した水溶液に浸漬した。
【0016】
この基板を取り出して約40℃の大気中で約10分放置することで酸化的重合を行い、この工程を25回繰り返した。この重合反応処理後、洗浄工程を施した。
次いで、コンデンサ素子(重合反応部の面積3×4mm)に一般的な公知のカーボンペースト(黒鉛粉末+エポキシ樹脂+溶媒として酢酸エステル)と銀ペースト(銀粉末+エポキシ樹脂+溶媒として前記と同じ)を順に塗布後、4枚重ねてリードフレーム上に積載し、陰極リード端子に接着した。素子の陽極からの集電は基板のアルミニウム芯部を電極リード端子に溶接することによって行なった。最後にエポキシ樹脂で全体を封止して電解コンデンサを作製した。このようにして得られたコンデンサを125℃で定格電圧を印加して2時間エージングした後に初期特性を測定した。また、加速耐湿性試験においては、85℃、85%相対湿度(RH)の高温、高湿下に240時間放置して行った。
表1に示す初期特性のCは容量を表し、DFは損失角の正接(tanδ)を表し、いずれも120Hzで測定したものである。LC(漏れ電流)及びショートの試験は、定格電圧(13V)を印加して1分後に測定した。各測定値は、試料数が30個の平均値であり、LCについては1μA以上を不良品に、また10μA以上をショート品として表示し、ショート品がある場合はこれを除いてLCの平均値を算出する。これらの結果を表1にまとめた。
【0017】
(実施例2)
実施例1のアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムの代わりに、4−モルホリンプロパンスルホン酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にしてコンデンサを作製し評価した。その結果を表1に示す。
【0018】
(実施例3)
実施例1のアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムの代わりに、アントラセン−1−スルホン酸ナトリウムを用いた以外は、実施例1と同様にしてコンデンサを作製し評価した。その結果を表1に示す。
【0019】
(実施例4)
実施例1のアントラキノン−2−スルホン酸ナトリウムの代わりに、1−ナフタレンスルホン酸ナトリウムを用い、3,4−エチレンジオキシチオフェンの代わりにピロールを用いた以外は、実施例1と同様にしてコンデンサを作製し評価した。その結果を表1に示す。
【0020】
(実施例5)
実施例1で得られたアルミニウム化成箔(基板)を、オクタメチルシクロテトラシロキサン(アルドリッチ社製)6gを装入して40℃で加熱した乾燥機内(容積91リットル)に入れ、5分後に取り出した。
以下、実施例1と同様にして得たコンデンサを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0021】
(実施例6)
実施例1で得られたアルミニウム化成箔(基板)を、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(GELEST社製)6gを装入して20℃で放置した乾燥機内に入れ、5分後に取り出した。
以下、実施例1と同様にして得たコンデンサを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0022】
(実施例7)
実施例1で得られたアルミニウム化成箔(基板)を、アセトンに溶解した0.1wt%ヘキサメチルシクロトリシロキサン溶液に浸漬した後、50℃10分間乾燥した。この温度で乾燥してもヘキサメチルシクロトリシロキサンが残っているのは誘電体との間で分子間水素結合が生じているためと思われる。
以下、実施例1と同様にして得たコンデンサを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0023】
(実施例8)
実施例1で得られたアルミニウム化成箔(基板)を、アセトンに溶解した0.001wt%デカメチルシクロペンタシロキサン(チッソ(株)製)溶液に浸漬した後、50℃10分間乾燥した。
以下、実施例1と同様にして得たコンデンサを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0024】
(実施例9)
この実施例は参考例として示す。
実施例1で得られたアルミニウム化成箔(基板)を、アセトンに溶解した0.1wt%ジメチルシリコーンオイル(信越シリコン社製、商品名KF−96)溶液に浸漬した後、50℃10分間乾燥した。以下、実施例1と同様にして得たコンデンサを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0025】
(比較例1)
実施例1のシリコーンゴムによるシロキサン化合物の付着をしない以外は実施例1と同様に処理して得たコンデンサを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0026】
(比較例2)
実施例3のシリコーンゴムによるシロキサン化合物の付着をしない以外は実施例3と同様に処理して得たコンデンサを実施例3と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0027】
(比較例3)
実施例4のシリコーンゴムによるシロキサン化合物の付着をしない以外は実施例4と同様に処理して得たコンデンサを実施例4と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004547730
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極上シロキサン結合を含む化合物を付着させることにより、電解コンデンサ、特に固体電解コンデンサにおいては誘電体皮膜と導電性重合体との密着性が向上し、高容量で、高温、高湿下での信頼性が高いものが得られる。
その他、高周波特性、tanδも向上し、低インピーダンスの小型で高性能の電解コンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解コンデンサの1実施例の断面図。
【符号の説明】
1 弁作用金属
2 微細孔
3 誘電体皮膜
4 シロキサン化合物
5 導電性重合体
6 導電体層
7 外装
8 接続用端子(陽極)
9 接続用端子(陰極)

Claims (8)

  1. 表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極上に[−O−Si−R12−]n(R12は共にCH3、nは7〜16)、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサンデカメチルシクロペンタシロキサンから選ばれる少なくとも一種のシロキサン結合を有する化合物を付着してなる電解コンデンサ用電極。
  2. 弁作用金属がアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンまたはこれらを主体とする合金のいずれかである請求項1に記載の電解コンデンサ用電極。
  3. 表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極を請求項1に記載のシロキサン結合を有する化合物溶液に浸漬または該溶液を前記電極に塗布することを特徴とする電解コンデンサ用電極の製造法。
  4. 表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極を請求項1に記載のシロキサン結合を有する化合物の雰囲気に曝露させて該化合物を表面に付着させることを特徴とする電解コンデンサ用電極の製造法。
  5. 請求項1又は2に記載の電解コンデンサ用電極上に導電性重合体からなる電解質を形成してなる固体電解コンデンサ。
  6. 導電性重合体がポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンまたはこれらの置換誘導体の少なくとも1種からなる請求項5記載の固体電解コンデンサ。
  7. ポリチオフェンが、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項6記載の固体電解コンデンサ。
  8. 表面に微細孔誘電体皮膜を有する弁作用金属からなる電極の端部が陽極部とされ、電極の誘電体皮膜上に請求項1に記載のシロキサン結合を有する化合物を付着する工程、該誘電体皮膜上に電解質、さらにその上に導電体層を順次形成し、これらを陰極部とするコンデンサ素子を形成する工程、陽極部及び陰極部にリードフレームを接合する工程を含むことを特徴とする電解コンデンサの製造法。
JP17524599A 1999-06-22 1999-06-22 電解コンデンサ用電極、電解コンデンサ及びこれらの製造法 Expired - Lifetime JP4547730B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17524599A JP4547730B2 (ja) 1999-06-22 1999-06-22 電解コンデンサ用電極、電解コンデンサ及びこれらの製造法
US09/598,914 US6483694B1 (en) 1999-06-22 2000-06-22 Electrode for electrolytic capacitor, electrolytic capacitor, and manufacturing method therefor
US10/262,613 US7025795B2 (en) 1999-06-22 2002-10-02 Electrode for electrolytic capacitor, electrolytic capacitor, and manufacturing method therefor
US11/298,681 US7232469B2 (en) 1999-06-22 2005-12-12 Electrode for electrolytic capacitor, electrolytic capacitor, and manufacturing method therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17524599A JP4547730B2 (ja) 1999-06-22 1999-06-22 電解コンデンサ用電極、電解コンデンサ及びこれらの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001006982A JP2001006982A (ja) 2001-01-12
JP4547730B2 true JP4547730B2 (ja) 2010-09-22

Family

ID=15992809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17524599A Expired - Lifetime JP4547730B2 (ja) 1999-06-22 1999-06-22 電解コンデンサ用電極、電解コンデンサ及びこれらの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4547730B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040030487A (ko) * 2001-10-02 2004-04-09 쇼와 덴코 가부시키가이샤 니오브분말, 그 소결체, 그 화성체 및 그들을 사용한 콘덴서
JP2005294599A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Nippon Chemicon Corp 電解コンデンサ
JP2005294600A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Nippon Chemicon Corp 電解コンデンサ
JP2005294598A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Nippon Chemicon Corp 電解コンデンサ
JP2005294601A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Nippon Chemicon Corp 電解コンデンサ用アルミニウム陽極箔
KR100878412B1 (ko) 2006-09-28 2009-01-13 삼성전기주식회사 탄탈륨 캐패시터
JP4876827B2 (ja) * 2006-09-29 2012-02-15 日本ケミコン株式会社 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP5274268B2 (ja) * 2009-01-08 2013-08-28 三洋電機株式会社 固体電解コンデンサとその製造方法
CN110085455B (zh) * 2019-03-20 2021-01-19 东莞东阳光科研发有限公司 提升低压腐蚀铝箔比容的方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS625629A (ja) * 1985-07-02 1987-01-12 松下電器産業株式会社 固体電解コンデンサ
JPH01137619A (ja) * 1987-11-25 1989-05-30 Nitsuko Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH08208989A (ja) * 1994-12-01 1996-08-13 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンオイル組成物
JPH08293436A (ja) * 1995-04-25 1996-11-05 Nec Toyama Ltd 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH1174155A (ja) * 1997-08-27 1999-03-16 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法
JPH1194969A (ja) * 1997-09-18 1999-04-09 Katsuhiro Yoshie 電磁波等の遮断体
JP2000133556A (ja) * 1998-10-23 2000-05-12 Hitachi Ltd 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS625629A (ja) * 1985-07-02 1987-01-12 松下電器産業株式会社 固体電解コンデンサ
JPH01137619A (ja) * 1987-11-25 1989-05-30 Nitsuko Corp 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH08208989A (ja) * 1994-12-01 1996-08-13 Shin Etsu Chem Co Ltd シリコーンオイル組成物
JPH08293436A (ja) * 1995-04-25 1996-11-05 Nec Toyama Ltd 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH1174155A (ja) * 1997-08-27 1999-03-16 Sanyo Electric Co Ltd 固体電解コンデンサの製造方法
JPH1194969A (ja) * 1997-09-18 1999-04-09 Katsuhiro Yoshie 電磁波等の遮断体
JP2000133556A (ja) * 1998-10-23 2000-05-12 Hitachi Ltd 固体電解コンデンサ及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001006982A (ja) 2001-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7232469B2 (en) Electrode for electrolytic capacitor, electrolytic capacitor, and manufacturing method therefor
US7374586B2 (en) Solid electrolytic capacitor, fabrication method thereof, and coupling agent utilizing in the same
US6191013B1 (en) Process for improving leakage and dissipation factor of solid electrolytic capacitors employing conductive polymer cathodes
JP5736534B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP2000133550A (ja) 固体電解コンデンサ
JP3202668B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
KR100279098B1 (ko) 고체전해콘덴서의제조방법
JP4547730B2 (ja) 電解コンデンサ用電極、電解コンデンサ及びこれらの製造法
JP4789751B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
JPH0473924A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP4505774B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2792469B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
KR100316085B1 (ko) 금속 산화물 전극 상에 전도성 고분자 피막을 형성하는 방법 및 이를 이용한 고체 전해 콘덴서의 제조방법
JP2009032895A (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4989559B2 (ja) 電子デバイス及びその製造方法
JP3806503B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP5810286B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
WO2007074869A1 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JP2696982B2 (ja) 固体電解コンデンサ
JP3551118B2 (ja) コンデンサ及びその製造方法
JP5645152B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP4876827B2 (ja) 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JP2001250747A (ja) 固体電解コンデンサ
JPH02119213A (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
JPH10303080A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20050324

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060606

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090402

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20090402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091124

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100407

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100615

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4547730

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term