JP4547661B2 - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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本発明は表示装置の製造方法に関し、特に、インクジェット装置により表示装置を製造する方法に関する。
近年、複数のEL素子などを備えた表示装置の様々な製造方法が提案されている。例えば、特許文献1には、インクジェット法による有機ELの表示装置の製造方法が提案されている。この製造方法によれば、ガラス基板上にITOの薄膜を形成し、そのITOの薄膜をフォトリソグラフィーによりパターニングすることで陽極を形成し、次に、陽極上及びガラス基板上に絶縁層を全面に亙って形成する。次に、インクジェット法により陽極の上方に位置する絶縁層の表面に選択的に発光材料を含む液滴を塗布する。塗布された液滴は、絶縁層を溶解して下方に形成された陽極に達し、陽極と液滴が電気的に接続される。その後、液滴内の溶媒を蒸発させて、液滴内の発光材料のみを陽極と電気的に接続された状態で固化させて残す。次に、陰極をマスク真空蒸着法によりパターニングして形成する。
特開2003−86366号公報(5−7頁,図4,図5)
しかし、特許文献1の技術は、インクジェット装置により液滴を選択的に塗布する際に、制御装置により液滴の吐出する駆動周波数を1KHzに設定し、その駆動周波数に基づいて周期的に液滴を吐出している。従って、この技術では、配線や駆動回路などに対する吐出位置の位置ズレなどを検出することなく、周期的に液滴を吐出しているため、液滴が塗布される位置と所望の位置とのズレが必然的に大きくなってしまう。従来のように、画素間の間隔が数100μm程度であれば多少ずれてもよいが、近年のように、画素間の間隔が数10μm若しくはそれ以下になると、特許文献1の技術により液滴を塗布すると、所望の位置からずれた位置に液滴が落下した場合、配線や駆動回路の薄膜トランジスタなどに液滴が塗布されてショートすることになり、歩留まりが悪化する問題が生じている。
本発明の目的は、インクジェット法により簡単に且つ正確な位置に液滴を吐出することが可能な表示装置の製造方法を提供することにある。
請求項1の表示装置の製造方法は、直交するX,Y方向に夫々延びる複数の配線が形成された基板にその上方からインクジェット装置により表示素子用の液滴を吐出して複数の表示素子を形成する表示装置の製造方法において、前記配線を発光素子と受光素子とを有する配線検出手段により検出し、この配線検出手段で検出した配線の位置情報を、インクジェット装置のノズルヘッド又は基板の位置を制御する制御装置に供給し、前記制御装置によりX方向に延びる配線と配線の中間位置で且つY方向に延びる配線と配線の中間位置に前記液滴を吐出するように前記ノズルヘッド又は基板の位置を制御するものである。
この表示装置の製造方法によれば、配線検出手段により、基板に形成された直交するX,Y方向に夫々延びる複数の配線に発光素子から光を投光し、その配線により反射された光を受光素子が受光することで配線を検出し、この配線検出手段で検出した配線の位置情報を制御装置に供給し、制御装置によりX方向に延びる配線と配線の中間位置で且つY方向に延びる配線と配線の中間位置に基板の上方からインクジェット装置が表示素子用の液滴を吐出するようにノズルヘッド又は基板の位置を制御する。
請求項2の表示装置の製造方法は、請求項1の発明において、前記X方向に延びる配線は、隣接して配設された第1の配線第3の配線にて構成される配線組がY方向に等間隔で複数組配設され、前記Y方向に延びる配線は、X方向に等間隔で配設された複数の第2の配線を有し、前記X方向に延びる配線と配線の中間位置は、前記配線組と、隣り合う前記配線組との中間位置であるものである。
この表示装置の製造方法によれば、Y方向に延び等間隔で配設された複数の第2の配線のうち隣接する第2の配線の中間位置を液滴を吐出するX座標とし、X方向に延び且つ隣接して配設された第1の配線と第3の配線にて構成される配線組のうち、配線組と、隣り合う配線組との中間位置を液滴を吐出するY座標とし、制御装置がインクジェット装置に液滴を吐出させる。
請求項3の表示装置の製造方法は、請求項2の発明において、前記第1の配線は走査線であって、第2の配線は信号線であって、第3の配線は電源線であるものである。この表示装置の製造方法は、第1の配線が走査線であり、第2の配線が信号線であり、第3の配線が電源線であるアクティブマトリックス型の表示装置の製造方法である。
請求項4の表示装置の製造方法は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記配線及び電極が形成された基板の全面に亙って絶縁膜を形成する第1の工程と、前記絶縁膜を溶解可能な溶媒に発光材料が溶解された液滴をインクジェット装置により吐出する第2の工程と、前記絶縁膜を溶媒により溶解させつつ液滴を電極まで到達させて発光材料と電極とを電気的に接続する第3の工程とを備えたものである。
この表示装置の製造方法によれば、第1の工程において配線及び電極が形成された基板の全面に亙って絶縁膜を形成し、第2の工程において配線検出手段により検出された配線の位置情報を制御手段に供給し、制御手段により配線と配線の中間位置に、絶縁膜を溶解可能な溶媒に発光材料が溶解された液滴をインクジェット装置によって吐出させ、第3の工程において絶縁膜を溶媒により溶解させつつ液滴を電極まで到達させて発光材料と電極とを電気的に接続させる。
請求項1の発明によれば、配線検出手段により検出させた配線の位置情報を制御装置に供給し、制御装置によりX方向に延びる配線と配線の中間位置で且つY方向に延びる配線と配線の中間位置にインクジェット装置によって表示素子用の液滴を吐出させるので、簡単に且つ正確な位置に液滴を吐出させることができる。
配線検出手段は発光素子と受光素子とを有し、発光素子により投光させた光のうち配線で反射された光を受光素子により受光することで、配線を検出するので、配線検出手段の構成を簡単化することができ、また、配線検知手段の制御をも簡単化することができる。
配線の位置により液滴の吐出位置を算出するので、基板にマーキングをする必要などがなく、表示装置の製造工程を簡単化することができる。
請求項2の発明によれば、X方向に延びる配線と配線の中間位置は、配線組と、隣り合う配線組との中間位置であり、Y方向に等間隔で複数組配設された第1の配線と第3の配線にて構成される配線組と、X方向に等間隔で配設された複数の第2の配線から、液滴を吐出するためのX座標及びY座標の両方を算出することができるので、更に、正確な位置に液滴を吐出することができる。その他、請求項1の発明と同じ効果を奏することができる。
請求項3の発明によれば、アクティブマトリックス型の表示装置の製造方法において、インクジェット装置による液滴を正確な位置に吐出することができる。その他、請求項2の発明と同じ効果を奏することができる。
請求項4の発明によれば、全面に亙って形成された絶縁膜の上面に液滴を吐出するだけで、液滴内に溶解されている発光材料と電極とを電気的に接続させることができるので、絶縁膜をフォトリソグラフィーなどによりパターニングして隔壁を形成する工程を省略することができるので、表示装置の製造工程を簡単化することができる。その他、請求項1〜3と同じ効果を奏することができる。
インクジェット法により簡単に且つ正確な位置に液滴を吐出することが可能な表示装置の製造方法を提供するという本発明の目的を、直交するX,Y方向に夫々延びる複数の配線が形成された基板にその上方からインクジェット装置により表示素子用の液滴を吐出して複数の表示素子を形成する表示装置の製造方法において、前記配線を発光素子と受光素子とを有する配線検出手段により検出し、この配線検出手段で検出した配線の位置情報を、インクジェット装置のノズルヘッド又は基板の位置を制御する制御装置に供給し、前記制御装置によりX方向に延びる配線と配線の中間位置で且つY方向に延びる配線と配線の中間位置に前記液滴を吐出するように前記ノズルヘッド又は基板の位置を制御することで実現した。
発明の実施例について図面を参照して説明する。本発明の実施例は、アクティブマトリックス型の有機ELの表示装置の製造方法に本発明を適用した場合の一例である。まず、本実施例により製造される表示装置の構成について説明する。
図1,図2に示すように、表示装置1は、例えば、表示素子7が4行4列のマトリックス状に配列されたものである。尚、説明の簡単化のために、4行4列のマトリックス状に表示素子7が形成された表示装置1を例として説明するが、実際の表示装置1は多数行多数列に表示素子7が配列されている。表示装置1は、ガラス基板2と、表示部3と、水平駆動回路4と、垂直駆動回路5と、封止層6とを備えている。
表示部3は、16個の表示素子7と、X方向に延び垂直駆動回路5に接続された4本の走査線10と、Y方向に延び水平駆動回路4に接続された4本の信号線11と、走査線10と平行で且つ所定間隔空けて形成された4本の電源線12と、表示部3の上面のほぼ全面に亙って形成される陰極13とを備えている。
図3に示すように、各表示素子7には、有機EL膜14と、ITO(Indiumu Tin Oxyde)で構成されガラス基板2の表面に形成された陽極15と、薄膜トランジスタ及びコンデンサなどを有する駆動回路16、有機EL膜14及び各配線10,11,12などを互いに絶縁するための絶縁性の隔壁17(図5−6参照)とが設けられている。
有機EL膜14は、例えば、PVK(ポリビニルカルバゾール),ポリフレオレン誘導体,ポリフェニレン,ビニレン誘導体などからなり、陽極15と陰極13との間に電気的に接続されて形成されている。駆動回路16により陽極15と陰極13との間に所定の電圧がかけられると、有機EL膜14に電流が流れ、有機EL膜14が発光し、発光された光は陽極15およびガラス基板2を透過して外部に照射される。隔壁17は、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)で構成され、表示部3のほぼ全面に亙って形成されている。
走査線10と信号線11と電源線12は、後述する発光ダイオード33からの光を反射することが可能な金属、例えば、Alの1層構造若しくはCrとAuとの2層構造で構成されている。図3に示すように、隣接する表示素子7の信号線11の間隔は約100μm程度に形成され、走査線10と隣接する電源線12との間隔のうち広い方の間隔も約100μm程度に形成されている。走査線10には、垂直駆動回路5から周期的に信号が送られ、一方、信号線11には水平駆動回路4から信号が送られる。信号が送られている走査線10と信号線11とが交差する位置に配設されている表示素子7の駆動回路16では、そのトランジスタがONにされてコンデンサに電荷が溜められると共に、陽極15と陰極13との間に電圧がかけられて有機EL膜14が発光する。有機EL膜14は、次の走査線10により信号が送られるまでの間、駆動回路16のコンデンサに溜められた電荷により発光を継続する。
次に、表示装置1を製造するためのインクジェット装置20と、配線検出装置21と、支持台22と、これらを制御するための制御装置23について図4を参照して説明する。
インクジェット装置20は、有機EL膜14を構成する発光材料を含む液滴26を吐出するためのものである。インクジェット装置20は、圧電素子25に電圧がかけられると液滴26を吐出するノズルヘッド24と、ステッピングモータであってノズルヘッド24をX方向及びY方向に駆動させるためのX方向駆動モータ27とY方向駆動モータ28と、供給源29に蓄えられている溶液30をノズルヘッド24に供給するための溶液供給手段31などを備えている。尚、図示しないが、ノズルヘッド24は複数設けられており、一度に複数の液滴26を吐出することが可能に構成されている。
配線検出装置21は、各配線10,11,12を検出し、検出した配線10,11,12の位置情報を制御装置23に供給するものである。配線検出装置21は、発光ダイオード33と、フォトダイオード34と、ステッピングモータであって発光ダイオード33とフォトダイオード34とをX方向及びY方向に駆動するためのX方向駆動モータ35とY方向駆動モータ36とを備えている。図6に示すように、配線検出装置21は、発光ダイオード33から投光させた光Lが配線10,11,12に反射されると、この反射された光Lをフォトダイオード34により受光することで、配線10,11,12を検出し、この検出した配線10,11,12の位置情報を制御装置23に供給する。
支持台22は、ガラス基板2を支持するためのものである。この支持台22は、X方向角度調整モータ38とY方向角度調整モータ39により支持台22をガラス基板2と共に傾斜させて、ノズルヘッド24とガラス基板2との距離を一定に保つことができる。
制御装置23は、CPU40とROM41とRAM42とこれらを接続するバス43とを有するコンピュータ44と、コンピュータ44に入出力するための入出力インターフェース45などを備えている。入出力インターフェース45には、配線検出装置21のX方向駆動モータ35とY方向駆動モータ36とを駆動するための駆動回路46,47と、インクジェット装置20のX方向駆動モータ27及びY方向駆動モータ28を駆動するための駆動回路48,49と、支持台22のX方向角度調整モータ38とY方向角度調整モータ39とを駆動するための駆動回路50,51と、圧電素子25を駆動するための駆動回路53と、フォトダイオード34から供給される位置情報の波形を整形するための波形整形器52と、発光ダイオード33などが接続されている。
ROM41には、液滴吐出位置算出処理を処理するためのプログラムなどが読出し可能に記録されている。RAM42には、配線検出装置21により検出されて制御装置23に供給された配線10,11,12の位置情報I1,I2などが一時的に記憶される。
次に、表示装置1の製造方法について図5〜図7を参照して説明する。
まず、配線形成工程において、ガラス基板2上に、走査線10,信号線11,電源線12と、トランジスタ,コンデンサなどを有する駆動回路16をフォトリソグラフィー法などの手法により形成する。
次に、陽極形成工程において、ガラス基板2上に、蒸着によりITO薄膜55を厚さ150nmで形成する(図5−1)。次に、ITO薄膜55をフォトレジスト及びエッチングによりパターニングして陽極15を形成する(図5−2)。
次に、洗浄工程において、陽極15の表面の汚れを除去し且つ表面の酸素欠陥を減少させるために、陽極15の表面を中性洗剤洗浄,アセトン洗浄,イソプロピルアルコール洗浄,及びUV洗浄により洗浄する。
次に、絶縁膜形成工程において、陽極15,各配線10,11,12上を覆うように、スピンコート法若しくはスプレイ法などによりPVKからなる絶縁膜56を形成する(図5−3)。尚、この絶縁膜56の厚みは、陽極15と陰極13とが絶縁できる程度の厚みであればよい(第1の工程に相当する)。
次に、配線検出工程における、配線検出装置21による配線10,11,12の検出について図6,図7を参照して説明する。尚、全ての配線10,11,12を配線検出装置21により検出するが、各配線10,11,12の検出方法はほぼ同様のため、信号線11の検出についてのみ詳細に説明する。図6の上図に示すように、X方向駆動モータ35によりX方向に発光ダイオード33を駆動しつつ発光させると、発光ダイオード33から発光された光Lは、ガラス基板2に対して約45度の角度で絶縁膜56に入射し、絶縁膜56に入射した光Lのうち、陽極15に入射した光L2は陽極15及びガラス基板2を透過するが、一方、信号線11に投光した光L1は信号線11の表面で反射されてフォトダイオード34に受光される。反射光L1がフォトダイオード34に受光されて信号線11が検出されると、検出信号が波形整形器52により整形され、信号線11の位置情報I1としてコンピュータ44に供給される。図6の下図に示すように、位置情報I1は、走査線10の位置に対応する個所のみがピークPを示す方形波である。尚、光Lはガラス基板2に対して45°の角度で入射させることで反射光L1の強度を強くすることができるが、入射角度45°に限定するものではない。
走査線10及び電源線12を検出する場合には、Y方向駆動モータ36により発光ダイオード33をY方向に駆動させつつ発光させる。発光ダイオード33により発光した光のうち、走査線10及び電源線12により反射された光をフォトダイオード34により受光することで、走査線10及び電源線12の位置を検出し、図7に示すような位置情報I2が得られる。この位置情報I2は、電源線12に対応するピークP1と、走査線10に対応するピークP2とを有する。
次に、この位置情報I1及びI2が供給された制御装置23における液滴吐出位置を算出する液滴吐出位置算出処理について説明する。まず、位置情報I1に含まれるピークPから隣接する夫々のピークPの中間位置Mを算出し、その算出された中間位置Mを液滴吐出位置のX座標とする。次に、位置情報I2に含まれるピークP1の中間位置である第1中間位置とピークP2の中間位置である第2中間位置とを算出し、これら隣接する第1,第2中間位置の中間位置M1を算出し、この中間位置M1を液滴吐出位置のY座標とする。尚、液滴吐出位置のY座標は、隣接するピークP1とピークP2のうち間隔の広い方の中間位置M1を求めることで算出してもよい。
次に、支持台平行工程において、上記の位置情報I1,I2のピークP,P1,P2の間隔が理論値からずれている場合には、ガラス基板2が傾斜しているものと制御装置23が判断し、制御装置23がX方向角度調整モータ38及びY方向角度調整モータ39を駆動させることで、支持台22と共にガラス基板2を回動させて、ノズルヘッド24が移動してもガラス基板2との距離が常に一定距離を保持するように設定する。
次に、液滴吐出工程において、ノズルヘッド24をX方向駆動モータ27及びY方向駆動モータ28により駆動させつつ、上述の液滴吐出位置算出処理により求められた液滴吐出位置のX座標及びY座標にノズルヘッド24が達した状態で、圧電素子25に駆動回路53を介して駆動パルスを送ってノズルヘッド24から液滴26を吐出させる(図5−4)(第2の工程に相当する)。
このとき吐出させる液滴26は、
ホール輸送性ポリマーである、カルバゾール誘導体を主鎖若しくは側鎖に有する高分子化合物(PVK;ポリビニルカルバゾール):16重量比
電子輸送材料(BND):4重量比
発光中心形成化合物(TPB;ジアミン誘導体):1重量比
で構成される溶剤が、炭化水素系のテトラリンに濃度2%で溶解されたものである。尚、液滴26の粘度は、1×10-3〜1×10Pa・s程度であればよいが、液滴26を吐出する際の液滴の径を制御するために5×10-3〜1.5×10-2Pa・s程度が望ましい。また、液滴26の表面張力は、吐出された液滴26の飛行曲がりを抑えるために、20〜50mN/m程度であることが望ましい。
吐出された液滴26は、陽極15の上方に位置に対応する絶縁膜56に達すると、液滴26に含まれる溶媒が絶縁膜56を溶解しつつ下方へ沈み、陽極15まで達する。次に、液滴26を50〜60℃で30分間乾燥させて、液滴26内の溶媒を蒸発させると、不揮発性成分である有機EL膜14が陽極15と電気的に接続された状態で固化する(第3の工程に相当する)。
尚、有機EL膜14を構成する組成物は、液滴26に含まれる溶媒に対する溶解度が絶縁膜56よりも大きいため、液滴26により溶解された絶縁膜56は液滴26は滴下された部分の周辺部に偏析するので、有機EL膜14を構成する組成物は液滴26が滴下された部分の中央部において固化する。液滴26が滴下されなかった部分の絶縁膜56は、各有機EL膜14を隔離する隔壁17を構成する(図5−5)。
次に、陰極13を形成するために、真空蒸着法により、隔壁17及び有機EL膜14の全面に亙ってLiF層を100nm,Al層を1000nm蒸着する(図5−6)。
次に、表示部3,水平駆動回路4,垂直駆動回路5を封止するための封止層6を形成する(図1参照)。この封止層6は、ガラスで構成されている。封止層6と表示部3との間には0.3〜0.5mm程度の隙間を形成し、その隙間には窒素ガスを充填すると共に乾燥剤を取り付けている。
次に上述した実施例の作用及び効果について説明する。
この実施例においては、配線検出装置21により配線10,11,12を検出し、その配線10,11,12の位置情報I1,I2を制御装置23に供給する。制御装置23はその位置情報、例えば、信号線11の位置情報I1から隣接する信号線11の中間位置Mを算出して液滴26を吐出するX座標とし、走査線10及び電源線12の位置情報から隣接する走査線10及び隣接する電源線12の各中間位置を算出してその両中間位置の中間位置M1を算出し、その中間位置M1を液滴26を吐出するY座標とするので、液滴26を簡単に且つ正確な位置に吐出することができる。
配線検出装置21は、発光ダイオード33により配線10,11,12に投光された光をフォトダイオード34により受光することで配線10,11,12を検出するので、配線検出装置21の構成を簡単化することができ、また、その制御をも簡単化することができる。
全面に亙って形成されている絶縁膜56上の正確な位置に吐出された液滴26は、液滴26に含まれる溶媒により絶縁膜56が溶解されて陽極15まで達し、陽極15と発光材料とを電気的に接続させ、溶解されずに残った絶縁膜56は、配線10,11,12や電極13,15などを電気的に隔離する隔壁17となる。即ち、液滴26を正確な位置に吐出すことで、隔壁17も正確な位置に形成されることになるので、隔壁17を形成するためのマスク合わせなどの複雑な工程を含むリソグラフィーの工程を省略することができる。
次に上述した実施例を部分的に変更した変更例について説明する。
1)上記実施例においては、アクティブマトリックス型の表示装置について本発明を適用したが、パッシブマトリックス型の表示装置の製造方法に本発明を適用してもよい。パッシブマトリックス型の有機ELの表示装置は、図8に示すように、ITOで構成されY方向に延びる陽極60と、LiFやAlで構成されX方向に延び陽極60から所定間隔上方に形成された陰極61と、両電極60,61に電気的に接続され陽極60と陰極61との間に形成されている有機EL膜62などを備えている。陽極60の上面の一部には、有機EL膜62との界面での抵抗を減らすためにCrで構成されたクロムガードライン63が形成されている。尚、図8は、上述の実施例における図3に相当する図である。
この表示装置の製造方法について説明する。尚、制御系については上述の実施例と同様の構成のため同一符号をつけて説明を省略する。陽極60及びクロムガードライン63をパターニングして形成した後、絶縁膜(図示略)を形成する。次に、配線検出装置21により、陽極60上に形成されたクロムガードライン63の位置を検出する。次に、検出されたクロムガードライン63の位置情報に基づいて、隣接するクロムガードライン63の中間位置を算出し、その中間位置を制御装置23により液滴2を吐出するX座標とし、このX座標に基づいて制御装置23がインクジェット装置20に液滴26を吐出させる。
尚、この実施例においては、ノズルヘッド24のX方向のみをクロムガードライン63の位置情報から算出しているが、クロムガードライン63を陽極60の全長に亙って形成するのではなく、クロムガードライン63を陽極60と有機EL膜62とが接触する位置にのみ部分的に形成することで、そのクロムガードライン63の形成されていない個所の位置情報により液滴26を吐出するY方向の座標を算出してもよい。
2) 上述の実施例においては、絶縁膜56(隔壁17)をPMMAで構成しているが、PMMAの代わりに、例えば、ポリスチレン、ナイロン(ポリアミド)、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリイミド、フッ素樹脂のいずれかにより構成してもよい。
3) 上述の実施例においては、インクを構成するホール輸送ポリマーをカルバゾール誘導体を主鎖あるいは側鎖に有する高分子(PVK)により構成したが、例えば、トリフェニルアミン誘導体を主鎖あるいは側鎖に有する高分子化合物(例えばPTPDES)で構成してもよい。また、電子輸送性ポリマーをBNDで構成したが、例えば、オキサジアゾール誘導体を主鎖あるいは側鎖に有する高分子化合物(例えばPVMOXD)、PPV(ポリパラフェニレンビニレン)、PPF、PPT、などにより構成してもよい。
4) 上述の実施例においては、液滴26を構成する溶媒を炭化水素系溶媒(テトラリン)により構成したが、例えば、ハロゲン炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン、アルデヒド、ドデシルベンゼン、テトラリン、ジクロルエタン、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルなどで構成してもよい。
5) 上述の実施例においては、発光中心形成化合物をTPBにより構成したが、ポリパラフェレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体などの高分子発光材料や、ペリレン、クマリン、ルブレン、ナイルレッド、DCM、DCJTB、スクアリリウム、アルミニウム錯体(例えばAlQ3)等の低分子発光材料で構成してもよい。
6) 上述の実施例においては、絶縁膜56を全面に亙って形成した後、液滴26を吐出したが、絶縁膜56をパターニングして隔壁17を形成した後に、液滴26を吐出してもよい。
7) 上述の実施例においては、インクジェット装置20のノズルヘッド24及び配線検出装置21をX及びY方向に駆動させるように構成したが、ノズルヘッド24及び配線検出装置21を固定し、支持台22にX方向駆動モータ及びY方向駆動モータを設けて、基板をX及びY方向に駆動させるように構成してもよい。
8) 上述の実施例においては、配線検出装置21により配線10,11,12を検出した後、インクジェット装置20により液滴26を吐出するが、配線検出装置21により配線10,11,12を検出しつつ、インクジェット装置20により液滴26を吐出させるように構成してもよい。
9) 上述の実施例においては、有機ELの表示装置の製造方法に本発明を適用したが、液晶により構成される表示装置に本発明を適用してもよい。
10) 上述の実施例においては、インクジェット装置20により1種類の液滴26を吐出させているが、RGBの夫々に対応する液滴を吐出させるようにインクジェット装置を構成してもよい。
本発明は以上説明した実施例に限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施例に種々の変更を付加して実施することができ、本発明はそれらの変更形態をも包含するものである。
本発明の実施例に係る表示装置の製造方法により製造される表示装置の全体斜視図である。 表示装置の平面図である。 表示素子の平面拡大図である。 表示装置の製造装置の制御系のブロック図である。 表示装置の製造方法を説明する工程図である。 表示装置の製造方法を説明する工程図である。 表示装置の製造方法を説明する工程図である。 表示装置の製造方法を説明する工程図である。 表示装置の製造方法を説明する工程図である。 表示装置の製造方法を説明する工程図である。 配線検知装置による配線を検知する工程を説明する図である。 走査線及び電源線の位置情報を説明する図である。 パッシブマトリックス型の表示素子の平面図である。
1 表示装置
2 ガラス基板
10 走査線
11 信号線
12 電源線
14 有機EL膜
17 隔壁
20 インクジェット装置
21 配線検出装置
23 制御装置
24 ノズルヘッド
26 液滴
30 溶液
33 発光ダイオード
34 フォトダイオード
56 絶縁膜
60 陽極
62 有機EL膜
63 クロムガードライン
I1 位置情報
I2 位置情報
L 光
L1 反射光
L2 光

Claims (4)

  1. 直交するX,Y方向に夫々延びる複数の配線が形成された基板にその上方からインクジェット装置により表示素子用の液滴を吐出して複数の表示素子を形成する表示装置の製造方法において、
    前記配線を発光素子と受光素子とを有する配線検出手段により検出し、
    この配線検出手段で検出した配線の位置情報を、インクジェット装置のノズルヘッド又は基板の位置を制御する制御装置に供給し、
    前記制御装置によりX方向に延びる配線と配線の中間位置で且つY方向に延びる配線と配線の中間位置に前記液滴を吐出するように前記ノズルヘッド又は基板の位置を制御することを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 前記X方向に延びる配線は、隣接して配設された第1の配線第3の配線にて構成される配線組がY方向に等間隔で複数組配設され、前記Y方向に延びる配線は、X方向に等間隔で配設された複数の第2の配線を有し、
    前記X方向に延びる配線と配線の中間位置は、前記配線組と、隣り合う前記配線組との中間位置であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置の製造方法。
  3. 前記第1の配線は走査線であって、第2の配線は信号線であって、第3の配線は電源線であることを特徴とする請求項2に記載の表示装置の製造方法。
  4. 前記配線及び電極が形成された基板の全面に亙って絶縁膜を形成する第1の工程と、
    前記絶縁膜を溶解可能な溶媒に発光材料が溶解された液滴をインクジェット装置により吐出する第2の工程と、
    前記絶縁膜を溶媒により溶解させつつ液滴を電極まで到達させて発光材料と電極とを電気的に接続する第3の工程と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表示装置の製造方法。
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