JP4547005B2 - 導波管と、それぞれがコプレーナ線路に接続された二つの冗長回路との間における移行冗長装置 - Google Patents

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Description

本発明は、導波管と少なくとも二つの冗長回路との間における移行冗長装置に関するものであり、その冗長回路は、信号処理回路と呼ばれ、導波管によって受信および/または送信された信号を処理するためのもので、各信号処理回路は、それぞれ、それ自身に固有のコプレーナ線路に接続されているものである。
本発明による移行冗長装置は、たとえば、宇宙通信の領域において、受信ユニットの範囲でマイクロ波振動数(たとえばKa帯)の電磁波を受信するアンテナの導波管に接続することを目的としている。このとき信号処理回路は、たとえば低雑音増幅回路であり(「Low Noise Amplifier」、LNAと呼ばれる)、アンテナの導波管によって受信された信号を増幅することを目的としている。また、本発明による移行冗長装置は、その他の周波数帯における電磁波を受信するその他の用途(とりわけ地上波)にも適している。また、この移行冗長装置は、信号処理回路によって処理された信号から導波管を用いて電磁波を送信する用途(場合によっては、長距離にわたって)にも適している。
通常、「導波管」とは、内部断面が矩形であり、場合によっては、たとえば円形であって、導電性の材料製の中空管を指し、その管は、電磁波を閉じこめ、伝播の長手方向と呼ばれる、前記管の長手方向に沿って電磁波を移送するように適合している。
また、「コプレーナ線路」という用語は、通常、導電性材料製の三つの平行な導体を含むマイクロ波回路を指し、その三つの平行な導体はすべて、誘電性材料製の基板層における同一面内に伸びているもので、すなわち、伝送用の中心導体と、平行する接地パターンと呼ばれる、導体に接続された二つの平行する接地パターンである。コプレーナ線路は、半導体集積回路へ、かつ/または、該回路から電磁波エネルギーを搬送するように適合化されている。電磁波エネルギーを、コプレーナ作用で、搬送することに適したその他のタイプのマイクロ波回路も存在している。だが、コプレーナ線路は、信号処理回路の接続を容易にし(「フリップチップ」接続)、高周波での損失が少ないコプレーナ構造の点で特に優れている。
これらの二つの技術(導波管方式/コプレーナ線路方式)は、動作態様が明確であり、受信ユニットおよび/または送信ユニットの内部で共存する。つまり、空間を通って伝送された電波は、導波管技術によるアンテナによって受信および/または送信され、信号処理回路への、および/または信号処理回路からの対応する信号の伝送は、コプレーナ線路によって確保される。これら二タイプのエネルギー伝送の間において、導波管モードをコプレーナ・モードに変換する(またはその逆)移行装置が必要である。
国際公開第93/22802号パンフレットには、たとえば増幅回路に給電することのできる、矩形の断面をした受信用導波管と単一のコプレーナ線路の間における移行装置が記載されている。コプレーナ線路は、導波管の外側に、該導波管の長手方向の伝播方向に直角に配置されており、このコプレーナ線路は、センサによって導波管の内部に伸び、そのセンサによって信号の移行が確保される。
導波管と信号処理回路の間における単一のコプレーナ線路を介したこのような移行装置は、いかなる冗長性も確保するものではないという不具合を有する。受信ユニットは、前記コプレーナ線路によって給電される単一の増幅回路の構成要素が故障した場合、あるいは、コプレーナ線路の不良または該コプレーナ線路の損傷などの場合には、完全に動作不能になる。
本発明は、導波管と、それぞれが自身に固有の移行用コプレーナ線路に接続されている、少なくとも二つの信号処理用冗長回路との間における移行冗長装置を提案することで、この不都合を改善することを目的としている。受信時ならびに送信時において、信号は、一度に一つの信号処理回路によってしか処理されてはならず、信号の伝送は、いかなる瞬間にも、一度に動作中のコプレーナ線路と呼ばれる単一のコプレーナ線路によってしか確保されてはならない。受信時において、この制約は、各信号処理回路のそれぞれの状態に応じて、動作中であって欲しいコプレーナ線路を選択し、停止中のコプレーナ線路と呼ばれる他方のコプレーナ線路を打ち消すことができるようにするということを想定している。
既に、単極双投構成と呼ばれるコプレーナ線路を備えた冗長性の回路配置が知られており、たとえば、文献「Original MEMS−based single pole double throw topology for millimeter wave space communication」(David Dubuc et al.、LAAS−CNRS、UPS et Alcatel Space Industries、Conference europeenne sur les micro−ondes、Munich、2003)に記載されている。記載されている回路配置は、一つの上流のコプレーナ線路を備えており、このコプレーナ線路は、基板の同一面において二つの平行な分岐に分かれ、各分岐は、それぞれ、一つの下流のコプレーナ線路を形成する。並列コプレーナ線路と呼ばれる下流線路の一方は、四分の一波長の反転器を備えており、該反転器に、MEMSすなわちMEMスイッチと呼ばれる、並列に取り付けられたマイクロエレクトロメカニカルスイッチが続いている。直列コプレーナ線路と呼ばれる他方の下流線路は、直列に取り付けられたMEMSを備えている。各下流のコプレーナ線路は、それぞれ、MEMSの下流に、フィルタ一つと低雑音増幅器二つからなる増幅回路を担持し、また該増幅回路に給電する。正常な動作では、二つのMEMSのいずれも作動せず(換言すれば、MEMSは、いずれも電圧をかけられない)、動作可能な増幅回路は、並列コプレーナ線路によって給電される回路である。この増幅回路の故障の場合には、二つのMEMSが動作して(電圧を受ける)、直列線路の増幅回路の利用を可能にするようになっている。つまり、並列コプレーナ線路が短絡回路となり、打ち消され、自身のMEMSによって閉じて直列コプレーナ線路が通過状態になり、したがって動作中となる。
このような回路配置は、高信頼度の宇宙中継機における低雑音の冗長性フロントエンド回路として利用されている。この回路配置により、該回路が担持する、上流コプレーナ線路と低雑音増幅回路二つの間における移行冗長装置が実現される。
導波管と二つの増幅回路の間における移行を行わないということの他に、この既知の回路配置は、二つの下流コプレーナ線路が隣り合って存在することから生じる、比較的大きな幅を有している。なお、以下において、注意すべきことには、コプレーナ線路の「幅」という用語、あるいはコプレーナ線路で形成された回路配置の幅という用語、あるいは、コプレーナ線路の要素の幅という用語については、横断方向と呼ばれる、コプレーナ線路(単数または複数)の長手方向に直角で、前記線路の平面に平行な方向に沿った、前記線路または回路配置あるいは要素の寸法を指すことである。
この既知の回路配置(単極双投)の幅は、冗長増幅システムの組込に限定された空間しか利用可能ではない、ある種の宇宙通信の受信ユニットへの組込には適していない。したがって、移行冗長装置では小さい寸法が必要なのだが、この必要性は、今日において、満たされていない。
国際公開第93/22802号パンフレット 「Original MEMS−based single pole double throw topology for millimeter wave space communication」(David Dubuc et al.、LAAS−CNRS、UPS et Alcatel Space Industries、Conference europeenne sur les micro−ondes、Munich、2003)
この状況の中、本発明が目的とすることは、導波管と、それぞれがコプレーナ線路に接続された、少なくとも二つの独立した冗長性の信号処理回路との間における移行冗長装置を提案することであり、前記移行冗長装置により、信号処理回路の一方の潜在的な故障またはコプレーナ線路の一方が受ける潜在的な損傷を補うための冗長性を確保することができるものであり、また前記装置は、さらに、小さな寸法を有しているのである。
本発明は、導波管によって受信された信号を動作可能な信号処理回路まで移行させることを確保して電磁波を受信する用途に適合化された移行冗長装置を提供すると同様に、また、動作可能な信号処理回路によって送信された信号を導波管まで移行させることを確保する、電磁波を送信する用途に適合化された移行冗長装置を提供することも目的としていることに注意しなければならない。
本発明の一つの目的は、とりわけ、マイクロ波受信用の衛星アンテナの導波管と、低雑音増幅回路二つの間における移行冗長装置を提供することである。
さらに、本発明は、より小型で、とりわけ、FAFRアンテナ(「Focal Array Fed Reflector」)と呼ばれるアンテナのような、多重アンテナを備えた受信ユニットに組み込むことに適した移行装置を提供することも目的としている。このために、導波管および関連する移行冗長装置は、FAFRアンテナの各アンテナ素子間のピッチより小さな横断寸法でなければならない。特に、本発明は、導波管と関連する移行冗長装置を提供することを目的とするものであるが、該導波管と装置の横断断面は、27GHzと31GHzに含まれる周波数(Ka帯)の電波を受信する多重アンテナを目的とするとき、約十ミリメートル未満の寸法を有している。
本発明の、もう一つの目的は、移行品質および、信号処理回路への信号伝送または信号処理回路からの信号伝送の品質(低損失、低雑音)という意味で向上した特性を示す移行冗長装置を提供することである。特に、本発明は、導波管と各コプレーナ線路それぞれの間における移行の際の損失と、前記コプレーナ線路に沿った損失が非常に少なくなるような装置を提供することを目的としている。本発明は、宇宙通信における特に厳しい要求に応える装置を提供することを目指している。
本発明のもう一つの目的は、広い作動周波数帯を有する移行冗長装置を提供することである。また、本発明は、それぞれが所定の周波数帯に適合化されている、一連の移行装置群を提供することも目的としている。
本発明のもう一つの目的は、受信ユニット用の移行冗長装置を提供することであり、その装置としては、一度に一つの信号処理回路にしか信号を伝送しないことだけではなく、動作可能な信号処理回路が何であれ、同一信号を伝送することができるような移行冗長装置を提供するものである。特に、本発明は、電界の位相の同一周期と二つの信号処理回路の入力における同一インピーダンス(前記信号処理回路からみた位相とインピーダンス)、ならびに、導波管の入力における電界の位相の同一周期(前記導波管からみた位相)を提供することができるような移行装置を提供するものである。
また、本発明は、これらの目的すべてを達成することを目的とするとともに、しかも、製造費用(用いられる方法および素材など)が制限され、あまりコストの高くない移行装置を提供することも目的とするものである。
本発明は、電磁波の導波管と少なくとも二つの、信号処理回路と呼ばれる冗長回路の間における移行冗長装置に関するものであり、この移行冗長装置は、基板と呼ばれる、誘電性材料製の一つの板の上に形成された二本のコプレーナ線路を含んでいる。各コプレーナ線路は、それぞれ、同一平面内に、一本の伝送用の中心導体と、該中心導体の両側にある、二本の平行する接地パターンを含んでおり、該平行する接地パターンは、電磁波の導波スリットによって前記中心導体から隔てられており、該中心導体および接地パターンは、主に、線路の長手方向と呼ばれる方向に沿って伸びている。各コプレーナ線路は、それぞれ、接続端部と呼ばれる、信号処理回路の一方に接続されるようになった長手方向の端部を有しており、該端部は、前記コプレーナ線路に固有である。
本発明による移行冗長装置は、
−コプレーナ線路二本が、同一基板の両側に、該基板の相対する二つの主要面の上で伸びていることと、
−コプレーナ線路二本が、少なくとも部分的には、導波管の内部に伸びていることと、
−各コプレーナ線路が、それぞれ、伝搬用端部と呼ばれる接続端部と相対する長手方向の端部を有し、該端部が導波管と前記コプレーナ線路のスリットの間における電磁波を導波するように適合化されていることと、
−各コプレーナ線路が、それぞれ、移相器手段と呼ばれる、前記コプレーナ線路の伝送用の中心導体の一方にある電界の位相を反転するように適合化された手段を有していることで、移相器手段と信号処理回路の間において、前記伝送用の中心導体に沿って、主としてコプレーナ・モードによって電気エネルギーを伝送し、伝搬用端部を超えて、導波管の中で主として導波管モードによって電気エネルギーを伝送するようになっていることとを特徴としている。
簡潔性への配慮から、本明細書は、本発明による移行冗長装置における電界のみの伝播を説明することとするものであり、但し、電磁波が電界と磁界で構成されることと、説明される大半の現象が磁界にも等しく関係することに留意する。
「電界の位相を反転する」という表現は、前記電界の位相の周期をπだけ増加または減少させることを意味することに注意しなければならない。「コプレーナ・モード」では、コプレーナ線路のスリットを伝播する電界は、逆位相を呈し、前記コプレーナ線路の伝送用の中心導体の中で電流を誘導する。「導波管モード」は、たとえばTE10と呼ばれるモードのような、導波管における電界の伝播モードを指す。「伝搬用端部を超えて」という表現は、受信における該端部の上流と送信における該端部の下流(つまりコプレーナ線路の外)をそれぞれ意味し、「上流」および「下流」という用語は、電波の伝播方向、したがって信号の伝播方向を指す。受信時には、したがって、受信された電界は、導波管の中を導波管モードで伝播し、そして、本発明によるコプレーナ線路のスリットに向けて、前記線路の伝搬用端部を介して導波され、該スリットの中では、生じる電界は、移相器手段の下流をコプレーナ・モードで伝播する。
移相器手段の上流では、前記手段の位置に応じて二つの場合が現れる。線路の移相器手段が下流で伝搬用端部から離れて位置していれば、伝搬用端部の出力における線路のスリットに入る電界は、スリット・モードと呼ばれるモードにしたがって移相器手段まで伝播し、該モードにおいて、これらの両電界は、同一位相を呈し、中心導体内でいかなる電流も誘導しない。スリット・モードとは、寄生モードであり、本発明による移相器手段によって少なくとも部分的には、コプレーナ・モードに変換することができるものである(移相器手段の下流において、線路によってコプレーナ・モードで伝送される電気エネルギーの比率は、スリット・モードで伝送される比率を上回る)。線路の移相器手段が伝搬用端部に位置していれば、電界は、移相器手段の上流を導波管モードで伝播する。換言すれば、導波管モードからコプレーナ・モードへの移行は、直接的であるか(移相器手段が伝搬用端部に配置されているとき)、あるいは、スリット・モードを介して(移相器手段が伝搬用端部の下流に離れて配置されているとき)行われる。なお、上記の注記は、電界の伝播方向と「上流」「下流」の用語を逆にすることで、送信時にも有効である。
したがって、本発明による装置は、本質的に、基板の両側に形成された(たとえばエッチングされた)二本のコプレーナ線路を含み、この線路は、導波管の内部に配置されている(少なくとも部分的には)。移行冗長装置としてこのような構造を利用するのは、完全に当業者の先入観に逆行することになる。
実際、誘電性材料の層の両側に、互いに向き合って形成されたコプレーナ線路二本を含む回路配置が既に知られている。しかしこの既知の回路配置(結合器と呼ばれる)は、二本のコプレーナ線路の間で生じる結合現象を利用することで、場合によっては、信号を一方の線路から他方へ伝送するようにすることを利用するためだけに用いられる。
この結合現象は、とりわけ文献「Fast and accurate analytic formulas for calculating the parameters of a general boardside−coupled coplanar waveguide for (M)MIC applications」(Said S.Bedair et al.、IEEE Transactions On Microwave Theory And Techniques、Vol.37、No.5、May、1989)に記載され、数量化されており、一つの金属板に距離を開けてそれぞれが取り付けられた二本の対称のコプレーナ線路の場合、誘電性基板と各金属板の間のそれぞれの空間は、他の誘電性材料で埋めることができる。文献「Analysis of bilateral coplanar waveguides printed on anisotropic substrates for use in monolithic MICs」(Yinchao Chen et al.、IEEE Transactions On Microwave Theory And Techniques、Vol.41、No.9、September、1993)は、より特徴的に、両側に開放あるいは保護されたコプレーナ導波管の分散特性(結合特性)に対する基板の異方性効果を検討している。
ところが、二本のコプレーナ線路の結合は、移行冗長装置の枠組みでコプレーナ線路を利用することに完全に相反するものであり、該移行冗長装置の作動は、動作中のコプレーナ線路によって受けた電気エネルギー(導波管または信号処理回路から)が、この線路に沿って最小限の損失で伝送されるように、そしてとりわけ、他方のコプレーナ線路への部分的伝搬による損失を最小でこの線路にそって伝送されるように課する。
したがって、一つの基板の相対する二つの面に形成された二本のコプレーナ線路を、移行冗長装置の枠組みで利用することができるのは、驚くべきことである。あらゆる予想に反し、本願の発明者らは、結合現象が無視できるものであること、とりわけ、コプレーナ線路と基板の寸法に応じて無視できるものであることを明らかにできたことを証明した。
移行装置に求められる動作周波数帯(または波長帯)に応じて、とりわけ、選択された材料とその誘電率εrにしたがって、基板の厚みの範囲、ならびに、コプレーナ線路の長さの範囲を決定することができ、該範囲に対しては、二本のコプレーナ線路の結合は、対象となる用途について無視できるまたは許容できるものと見なすことができる。たとえば、特に要求の厳しい宇宙通信への応用を目的とする本発明による装置にあっては、コプレーナ線路と基板は、好適には、結合パラメータS41という名称で知られているパラメータが、−20dBより小さくなるように適合化された性質と寸法とを呈する。
さらに、本発明による装置では、導波管によって受信された信号(電磁波の形)は、直接、コプレーナ線路の一方に伝搬される(そして信号処理回路に電流の形で伝送される)。相互的に見れば、信号処理回路から送信された信号(電流の形)は、直接、前記回路に接続されたコプレーナ線路によって導波管へ伝搬される(電磁波の形)。本移行装置の全体の長さは、こうして最少化される。特に、導波管と動作中のコプレーナ線路の間における移行を確実にするためには、いかなる補助的な中間コプレーナ線路(たとえば導入部で紹介した既知の単極双投構成にならった上流の線路)も必要ではない。その結果として、コプレーナ線路に沿って生じる損失が顕著に減少する。さらに、本発明による二本のコプレーナ線路は、基板の両側に形成されており、線路のより短い長さが、結合のリスクを制限し、場合によっては、動作中のコプレーナ線路から他方の線路に伝送される電気エネルギーの部分を制限するという利点を有している。
そして、本発明による移行装置の最大の横断寸法は、一つかつ単一のコプレーナ線路の最大の長さに対応する。本発明による移行装置は、既知の冗長用の回路配置よりも小型であり、したがって、横断寸法の非常に小さい導波管に組み込むことができる。FAFRタイプの多重アンテナに適しているのである。
好適には、そして本発明によると、二本のコプレーナ線路は、基板の両側で互いに向き合って伸びている。
好適には、そして本発明によると、二本のコプレーナ線路は、導波管の伝播方向に沿って伸びている。換言すれば、各コプレーナ線路のそれぞれの長手方向は、導波管の伝播方向に平行である。
好適には、そして本発明によると、基板は、導波管の長手方向の中央面の中に伸びている。導波管の長手方向の中央面とは、導波管の長手方向の伝播方向を含み、導波管を均等に二等分する面を意味する。この特徴は、導波管によって移送される電界の振幅が前記導波管の中心領域で最大になる点で、本発明による移行冗長装置の性能に貢献するものである。
好適には、そして本発明によると、各コプレーナ線路も、それぞれ、前記コプレーナ線路を動作と停止のためのスイッチを備えている。さらに、移行装置が電磁波の受信ユニットを目的とするときには、前記スイッチは、コプレーナ線路がそれぞれ動作中と停止中である相反する状態を各瞬間それぞれに呈するように制御できるように適合化されており、これは、受信された信号が一度に一つの線路のおいてのみ、単一の信号処理回路に送信されるようにするためである。さらに、移行装置が電磁波の送信ユニットを目的とするときには、スイッチは、場合によっては、動作可能な信号処理回路に接続された少なくとも一つのコプレーナ線路を各瞬間それぞれに動作させるように制御できるように適合化されている(二本のコプレーナ線路をともに作動させることが排除されるわけではない)。
なお、ある一つのコプレーナ線路が、通過状態にあるとき、つまり、主としてコプレーナ・モードで(したがって伝送用の中心導体における電流の発生と通流)、スリットにおける電界(つまり電磁波)の伝播によって電気エネルギーを伝送することができるときに、動作中と呼ばれる。ある一つのコプレーナ線路が、電気エネルギーを伝送できないときには、停止中と呼ばれる。
好適には、そして本発明によると、移行冗長装置は、以下の各特徴の組み合わせを有している。
−直列コプレーナ線路と呼ばれる、コプレーナ線路の一方が、それぞれの延長上に伸びている二つの距離を空けた部分で形成されている、不連続の伝送用の中心導体を有し、並列コプレーナ線路と呼ばれる他方のコプレーナ線路が連続した伝送用の中心導体を有するという特徴。
−直列スイッチと呼ばれる、コプレーナ線路の直列のスイッチが、伝送用の中心導体の距離を開けた二つの部分を接続する(構造的に)ように直列に取り付けられていることで、直列スイッチが、通過状態と呼ばれる、伝送用の中心導体の二つの部分の間における電気接続を実現する状態にあるとき、直列コプレーナ線路が動作中となるようにな特徴。特に、絶対値で、直列スイッチの動作電圧閾値を超える電圧が前記スイッチに印加されたときに、直列コプレーナ線路が動作中となり、逆の場合(すなわち、直列スイッチに印加される電圧が、絶対値で、前記動作電圧閾値より小さいとき)には、前記直列線路が停止となる。直列線路は、とりわけ、直列スイッチにいかなる電圧も印加されないときに停止となるのである。
−並列スイッチと呼ばれる、コプレーナ線路の並列のスイッチが、伝送用の中心導体を、前記並列コプレーナ線路の平行する接地パターンの少なくとも一方、好ましくは両方の接地パターンに接続できるように並列に取り付けられていることで、並列スイッチが通過状態と呼ばれる、伝送用の中心導体と一つまたは複数の平行する接地パターンとの間における電気接続を実現する状態にあるとき、短絡回路によって打ち消されるために、並列コプレーナ線路が停止となる特徴。特に、絶対値で、並列スイッチの動作電圧閾値を超える電圧が前記スイッチに印加されると、並列線路は、停止となり、逆の場合(すなわち、直列スイッチに印加される電圧が絶対値で前記動作電圧閾値より小さいとき)には、前記並列線路は、動作中となる。並列線路は、特に、いかなる電圧も並列スイッチに印加されないときに動作中となるのである。
本発明の実施態様では、少なくとも一つのスイッチが、好ましくは各スイッチそれぞれが一つのダイオードを含んでいる。特に、直列スイッチは、一つのダイオードで形成される。並列スイッチは、並列コプレーナ線路の伝送用の中心導体を平行する接地パターンの一方に接続する第一のダイオードと、前記導体を前記並列コプレーナ線路の他方の平行する接地パターンに接続する第二のダイオードとで形成されているのである。
変形例または組み合わせ例では、少なくとも一つのスイッチ、好ましくは、各スイッチそれぞれは、MEMスイッチと呼ばれるマイクロエレクトロメカニカルスイッチである。
好ましくは、これらの二つのスイッチは、同一タイプである(ダイオードまたはMEMS)。
好適には、そして本発明によると、コプレーナ線路が互いに向き合っている場合には、二本のコプレーナ線路のスイッチは、基板の長手方向に沿って(該方向は、基板の相対する面の両者が平行であるとき、二本の線路の長手方向に一致する)、装置によって導波される波長と呼ばれる、四分の一波長(λ/4)にほぼ等しい距離だけずらされている。「装置によって導波される波長(λ)」という用語は、コプレーナ線路が移送するのに適し、移送することを目的としている中心の波長(周波数帯における波長)を指し、この導波される波長は、導波管の受信周波数帯および/または送信周波数帯と基板の誘電率によって決定される。
スイッチのこのような相対的配置によって、とりわけ受信時と、二本のコプレーナ線路が停止となる場合(このとき並列コプレーナ線路は、短絡回路によって閉じているのに対し、直列コプレーナ線路は、開いている)に、導波管の入力における位相の同一周期(導波管からみた位相)を二本のコプレーナ線路によって反射した電界にかけることが可能になる。
変形例では、コプレーナ線路が基板の長手方向にそって、λ/4にほぼ等しい相対距離だけずらされているのに対し、各スイッチそれぞれと、対応するコプレーナ線路の伝搬用端部との間の距離は、二本のコプレーナ線路について、ほぼ同じである。
好適には、そして本発明によると、少なくとも一つのコプレーナ線路、好ましくは各コプレーナ線路それぞれの、少なくとも一つの平行する接地パターンは、前記線路の伝搬用端部に、前記接地パターンの伝搬用の先端小口と呼ばれる、先端小口を有しており、該先端小口は、コプレーナ線路の中心部分から横断して長手方向に離れるように斜めに伸びている。言い換えれば、平行する接地パターンは、前記接地パターンの伝搬用端部と呼ばれる、外側に向かった斜めの尖端形状をした端部となって終端される(尖端は、接地パターンの側方縁部にある)。
本発明の好ましい一実施態様では、各コプレーナ線路の平行する接地パターン二本のそれぞれは、上記のような斜めの伝搬用の先端小口を有している。この先端小口のそれぞれは、好ましくは、線路の長手方向に沿って伝送用の中心導体から突出して伸びている。
平行する接地パターンの斜めの伝搬用の先端小口(一つまたは複数)によって、導波管の内壁とコプレーナ線路のスリットの間における電磁波の漸次的な導波が確保され、伝送モードから他のモード(導波管における導波管モード、コプレーナ線路におけるスリット・モードまたはコプレーナ・モード)へ移行することが可能になっている。
斜めの先端小口は、直線とすること、または逆に、電界の反射現象を抑えるように最適化された形状にしたがった曲線(丸み、指数曲線、好ましくは双曲線など)とすることができる。
同様に、少なくとも一つのコプレーナ線路、好ましくは、各コプレーナ線路それぞれの伝送用の中心導体は、前記線路の伝搬用端部に、中心導体の伝搬用の先端小口と呼ばれる、尖端を形成する先端小口を有している。なお、注意すべきは、中心導体の長手方向の端部が、この伝搬用の先端小口によって限定されているのであり、中心導体の伝搬用端部と呼ばれることである。
好ましい実施態様では、中心導体は、尖形の伝搬用の先端小口を有し、二本の平行する接地パターンは、斜めの伝搬用の先端小口を有している。このような回路配置は、この回路配置によって電界の電束の部分(導波管によって伝送される電束で、かつ電界は、伝搬用端部のついたコプレーナ線路のフロントエンド・先端小口によって導波管に向けて反射させられるもの)を顕著に抑制できることを考えると、受信時に特に好適であり、該フロントエンド・先端小口は、平行する接地パターンと中心導体の伝搬用の先端小口で形成されている。この回路配置は、また、送信時にも好適であり、動作中のコプレーナ線路のスリットから導波管への電界の伝搬と、伝送モードから他のモードへの移行を促進させる。
好適には、また本発明によると、コプレーナ線路の移相器手段は、伝送用の中心導体の相対する側部において電界の位相を反転するように適合化されている。換言すれば、基板の面にほぼ直角でコプレーナ線路の二本の中心導体(この二本の中心導体は、互いにほぼ向き合って伸びている)を通過する長手方向の中央面を考えると、線路の一方の移相器手段がこの中央面の一方の側部の電界に作用するのに対し、他方の線路の移相器手段は、この中央面の他方の側部の電界に作用する。本願の発明者らは、このような移相器手段の配置構成によって、なお一層、場合によっては起こりうる結合現象を減少させることができることを明らかにした。
好適には、また本発明によると、移相器手段は、以下の特徴の一つまたは複数を有している。
−少なくとも一つのコプレーナ線路、好ましくは各コプレーナ線路それぞれの移相器手段が、移相器用の側方延長部と呼ばれる、前記コプレーナ線路の伝送用の中心導体の側方延長部を含んでいるという特徴。
−特に、コプレーナ線路の移相器手段が、およそπの移相を課すのに適合した、伝送用の中心導体の単一の移相用の側方延長部によって形成されているという特徴。
−変形例では、コプレーナ線路の移相器手段が、伝送用の中心導体の連続する二つの側方延長部(線路の長手方向に沿っている)によって形成され、該側方延長部は、前記中心導体の同一の側部から伸びているという特徴。移相用側方延長部のそれぞれは、この場合、電界におよそπ/2の移相を課すように適合化され、このことによって、もっとも小さな幅(横断方向寸法)の側方延長部を用意することができる。したがって、このようなコプレーナ線路は、小さな横断方向寸法を呈し、この小さな寸法によって横断方向の寸法が非常に小さい導波管に組み込むことが可能になる。逆に、二つの連続する移相延長部があることによって、より長いコプレーナ線路を用意しなければならなくなる。線路の長さに起因する余分な損失は、移相器手段の離心率(つまり幅)に起因する損失を減少させることで部分的に補われる。さらに、結合を抑制するためには(該結合は、線路の長さにつれ増大する)、必要であれば、基板の厚みを増やすだけで十分である。
−伝送用の中心導体の少なくとも一つの移相用の側方延長部が矩形を呈するという特徴。
−変形例または組み合わせ例では、伝送用の中心導体の少なくとも一つの移相用の側方延長部が台形を呈するという特徴。
−変形例または組み合わせ例では、伝送用の中心導体の少なくとも一つの移相用の側方延長部が円盤形の一部分の形状、たとえば半円盤の形状を呈するという特徴。この形状によって、予期に反して、コプレーナ線路の性能が向上するようである(コプレーナ・モードに対するスリット・モードでの、延長部の下流における残留率が顕著に減少すること、損失の削減など)。
変形例では、少なくとも一つのコプレーナ線路、好ましくは、各コプレーナ線路それぞれの伝搬用端部は、非対称である。つまり、この端部では、線路の平行する接地パターンの一方が、線路の長手方向、他方の平行する接地パターンの長手方向およびコプレーナ線路の伝送用の中心導体の長手方向にそって、突出した長手方向延長部を形成している。換言すれば、線路の平行する接地パターンは、伝搬用の先端小口(先述したように、好ましくは二つとも斜めである)を有し、該先端小口は、長手方向に沿ってずらされている。このようなコプレーナ線路の移相器手段は、一方では平行する接地パターンの前記長手方向の延長部を含み、他方では、ポン・タ・エールと呼ばれる、伝送用の中心導体をまたぎ、二つの平行する接地パターンを結びつける導電性材料製のポン・タ・エールを含んでおり、該ポン・タ・エールは、好ましくは導体の伝搬用端部の直近に配置される。
いずれにせよ、二本のコプレーナ線路の移相器手段は、好ましくは同一タイプである(単一の側方延長部または導体の二重の側方延長部あるいはポン・タ・エールに接続された線路の伝搬用端部の非対称性)。
一般的に、コプレーナ線路が好ましくは同一であることで(線路の一方の中心導体が場合によって不連続である場合を除いて)、動作中の信号処理回路が何であれ、同一の信号を受信することができ、または送信することができる。また、基板が好ましくは均質で等方性、または、少なくとも、主要面の間に伸びている長手方向の中央面に対して対称であることで、面のそれぞれにおいて同じ誘電率を有するようになっている。
移行装置が宇宙分野における受信ユニットを目的とするとき、信号処理回路は、それぞれ、LNA増幅器と呼ばれる少なくとも一つの低雑音増幅器を含んでおり、該増幅器は、関係するコプレーナ線路に、該線路の接続端部にフリップチップ接続で取り付けられている。
好適には、また本発明によると、伝送用の中心導体と各コプレーナ線路それぞれのスリットとは、それぞれ、信号処理回路の入力インピーダンスが雑音の抑制という点で最適化されるように適合化された規定の幅を有し、この規定の幅は、基板の誘電率によって決まるのである。特に、伝送用の中心導体と各コプレーナ線路それぞれのスリットは、それぞれ、LNA増幅器の入力インピーダンスがほぼ50Ωとなるように適合化された規定の幅を有している。「スリットの規定の幅」という用語がスリットの平均幅を指すことに注意し、「伝送用の中心導体の規定の幅」という用語が、場合によっては、存在する移相用の側方延長部(一つまたは複数)を除く、中心導体の平均幅を指すことに注意しなければならない。
二本のコプレーナ線路の伝送用の中心導体とスリットのそれぞれは、好ましくは同一の幅を有していることで、動作中のコプレーナ線路が何であれ、また動作可能な信号処理回路が何であれ、信号の同じ受信を行うために二つの信号処理回路の入力に同一のインピーダンスをかけるようになっている。
本発明の好ましい実施態様において、移行装置が27GHzと31GHzの間に含まれる周波数(Ka帯)のマイクロ波の受信アンテナに特定的に適合化されている場合、
−基板は、誘電率ε1が5より小さく、厚みが0.5mmを超え、
−各コプレーナ線路は、それぞれ、移相器手段と、中心導体を信号処理回路に接続する第一接点との間(中心導体の部分で、該部分に沿って伝播がコプレーナ・モードで行われる)に3.5mmより短い長さの伝送用の中心導体を有し、このような中心導体のコプレーナ伝送の長さが送信装置にも適していることに注意しなければならず、
−各コプレーナ線路は、それぞれ、10μmと170μmの間に含まれる規定の幅の伝送用の中心導体と、10μmと150μmの間に含まれる規定の幅のスリットを有していることで、信号処理回路の入力で50Ωのインピーダンスが得られるようになっており、線路は、高いインピーダンス(たとえば75Ωまたは100Ω)のためには、中心導体とスリットのより大きな幅を有することもできる。
45GHzと50GHzの間に含まれる周波数(Q帯)のマイクロ波の受信アンテナに特定的に適合化された移行装置の場合には、
−基板は、誘電率εrが5より小さく、厚みが0.5mmより大きく、
−各コプレーナ線路は、それぞれ、移相器手段と、信号処理回路と接続する第一の接点との間に3mmより短い長さの伝送用の中心導体を有し、
−各コプレーナ線路は、それぞれ、10μmと170μmの間に含まれる幅の伝送用の中心導体と、10μmと150μmの間に含まれる幅のスリットを有している。
本発明は、以上で言及した特徴、また以下で言及する特徴のすべてまたは一部の組み合わせを特徴とする移行装置にも関するものである。
本発明のその他の目的、特徴および利点は、非制限的な例示としてのみ挙げられた本発明の好ましい実施態様を示す添付図面に関わる以下の説明を読むことで明らかになるものであり、該添付図面において、
−図1は、本発明による移行装置の、信号処理回路を通過する横断断面(導波管の長手方向の伝播方向に直角な面)に沿った断面概略図であり、
−図2は、導波管の全体を除いて表示した、図1の装置の上面概略図であり、
−図3は、寸法設定が指示されている図2の再現であり、
−図4は、導波管の全体を除いて表示した、図1の装置の下面概略図であり、
−図5は、装置のコプレーナ線路の移相器手段を通過する横断断面に沿った、図1の装置の断面概略図であり、
−図6は、寸法設定が指示されている図5の再現であり、
−図7は、本発明による、もう一つの装置における、コプレーナ線路の一部分の上面概略図であり、
−図8は、本発明による、もう一つの装置における、コプレーナ線路の一部分の上面概略図であり、
−図9は、本発明による互いに向き合った二本のコプレーナ線路が形成する四端子回路の電子的動作の概略図を示している。
図1〜図6は、矩形の横断断面、さらには、ほぼ正方形の横断断面をした受信用導波管1と、それぞれがLNA増幅器と呼ばれる低雑音増幅器で構成された二つの信号処理回路2および3の間における、本発明による移行装置を示している。
本発明による装置は、導電性材料製の二本のコプレーナ線路5および6を含み、基板と呼ばれる誘電性材料製の板4上に金属層を作ることで形成されている。コプレーナ線路5および6は、基板の相対する平行な両面27、28の上に伸びており、その線路は、当該両面に、直角な方向に沿って互いに向き合って伸びている。
コプレーナ線路5、6が、導波管1の中に配置されていることで、線路の長手方向が導波管の長手方向の伝播方向と平行になるように、また、前記線路の上流の少なくとも一部分が導波管の中で伸びるようになっている。受信ユニットを目的とする装置であるため、「下流」および「上流」という用語は、導波管の長手方向とコプレーナ線路に平行である信号の伝播方向に関連し、さらに、信号の伝播方向に関連して用いられるのだが、該信号は、導波管とコプレーナ線路の伝搬用端部から信号処理回路2、3に向けて移動する。
コプレーナ線路5、6は、好ましくは全体が導波管1の中に伸びている。
また、コプレーナ線路5、6は、導波管1の中で、その中央の面に配置されることで、電波の受信が最大となるようになっている。
各コプレーナ線路5(他方では6)は、それぞれ、伝送用の中心導体7(他方では10)と、導体に接続された二つの平行する接地パターン8および9(他方では11と12)を含んでいる。
各コプレーナ線路5は、それぞれ、LNA増幅器2が「フリップチップ」と呼ばれる技術によって上に取り付けられている接続端部17と、導波管1からコプレーナ線路のスリット21、22に向かう電界(つまり電磁波の電界)の導波を確実にするように適合化された、相対する伝搬用端部16を有している。このため、コプレーナ線路5の平行する接地パターン8および9は、前記線路の伝搬用端部16に、それぞれ伝搬用の先端小口13、14を有しており、この先端小口は、線路の外側に斜めに伸びている(これらの先端小口は、長手方向と同時に横断方向にも沿って線路の中心部分から離れるように斜めに伸びている)。こうして、伝搬用の先端小口13および14は、スリット21、22への電界の入力の入口を実現する。
図示された例において、伝搬用の先端小口13、14は、長手方向に沿って斜めに伸び、伝送用の中心導体7から突出している。また、伝送用中心導体7は、尖形をした伝搬用の先端小口15となって終端されている。伝搬用の先端小口13、14の斜めの形状と伝搬用の先端小口15の尖形によって、コプレーナ線路5によって反射される入力電束(導波管によって伝送される)の部分を抑制することができる。本発明によって定義されるコプレーナ線路5の伝搬用端部が、接地パターンの二つの側方端点から中心導体の端点15まで伸びる(長手方向に沿って)前記線路の部分に対応することに注意しなければならない。

コプレーナ線路6は、コプレーナ線路5と同一の接続端部と伝搬用端部を有している。コプレーナ線路5の中心導体7が連続であるのに対し、逆に、コプレーナ線路6の伝送用の中心導体10は、不連続である。この中心導体は、分かれて並べられた(長手方向に沿って)二つの部分29、30で形成され、それらは、互いの延長方向にある。
並列コプレーナ線路と呼ばれるコプレーナ線路5は、並列のMEMスイッチと呼ばれるマイクロエレクトロメカニカルスイッチ18を備えており、そのスイッチは、中心導体7を跨ぎ、線路の二本の平行する接地パターン8、9とを結ぶ。MEMスイッチ18の動作電圧閾値を超える電圧が前記スイッチに印加されると、そのスイッチは、中心導体7と接触するようになるところまで傾き、このとき中心導体7と接地パターン8、9とは、電気的に接続され、並列コプレーナ線路5は、短絡回路によって打ち消される(したがって停止となる)。MEMスイッチ18に、いかなる電圧も印加されなければ、そのときは、伝送用の中心導体7は、LNA増幅器2まで、電界の伝播によって発生したすべての電流をスリット21、22へコプレーナ・モードで搬送することができる。このとき、並列コプレーナ線路5は、動作中である。
直列コプレーナ線路と呼ばれるコプレーナ線路6は、直列MEMスイッチと呼ばれるマイクロエレクトロメカニカルスイッチ19を備えており、そのスイッチは、線路の中心導体10の二つの部分29、30を接続するポン・タ・エールを形成する。MEMスイッチ19の動作電圧閾値を超える電圧が前記スイッチに印加されると、該スイッチは、基板の面28と接触し、中心導体10の二つの部分29、30を隔てる空間20を埋めるようになるところまで傾く。このとき、MEMスイッチ19は、伝送用の中心導体10の連結部分を形成し、該連結部分は、一方では、スリット23、24の中で、中心導体の二つの部分29、30の間で電界が伝播することを可能とし、他方では、前記部分を電気的に接続する。こうして電流が導体の中で生成され、コプレーナ線路が起動される。直列MEMスイッチ19に、いかなる電圧も印加されないとき、いかなる電界もスリット23、24の中で、中心導体10の部分29、30の間を伝播することができず(全体として、逆位相の電界が重畳され、空間20において無化される)、このとき直列コプレーナ線路6は、停止となる。
また、各コプレーナ線路5、6は、それぞれ、移相器手段25、26を含んでおり、この移相器手段は、伝送用の中心導体7、10の側方延長部によって形成され、台形となっている。移相用の側方延長部と呼ばれる、このような側方延長部25、26によって、該延長部に隣接するスリット22、24の中を伝播する電界を遅らせ、伝送用の中心導体の反対側にある、相対するスリット21、23の中を伝播する電界に対してこの電界の位相を反転するようにすることが可能となる。移相器手段である側方延長部25(他方では26)の下流では、線路が動作中であれば、電流は、スリット21、22(他方では23、24)の中を伝播する位相の逆の電界によって、伝送用の中心導体7(他方では10)の中で発生させることができる。移相器手段である側方延長部25、26は、図5に示されているように、伝送用の中心導体7、10の相対する側に伸びている。換言すれば、それら延長部は、基板において互いに向き合って(コプレーナ線路の面に直角の方向に沿って)はいない。
並列のMEMスイッチ18は、並列コプレーナ線路の移相器手段である側方延長部25のすぐ上流に配置されている。直列のMEMスイッチ19は、直列コプレーナ線路の移相器手段である側方延長部26の下流に、直列コプレーナ線路に対するイメージの点からλ/4にほぼ等しい距離に配置されることで、この点と側方延長部26の間の距離が、並列のMEMスイッチ18と並列のコプレーナ線路の側方延長部25との間の距離にほぼ等しくなるようになっている。言い換えれば、二つのMEMスイッチは、コプレーナ線路に対してそれぞれλ/4だけずらされており、ここでλは、コプレーナ線路によって移送させられる中心の導波の波長を指す。二つのコプレーナ線路が停止であるとき、定在波比は、両方のコプレーナ線路で等しい値である。
図示されている装置は、27GHzと31GHzの間に含まれる周波数のマイクロ波の受信ユニットを目的とするものである。基板およびコプレーナ線路は、このようなマイクロ波を移送することができるようにするのと同時に、二本のコプレーナ線路の結合現象が最小化されるように寸法を決定されている。以下で触れている寸法は、図3および図6に指示されており、該図面において、これらの寸法の相対的な比率は、必ずしも守られていない。
−導波管1の内幅(最小の幅)に対応するコプレーナ線路5、6の幅l(エル小文字筆記体)は、3mmと4.5mmの間に含まれ、このことによって、本発明による装置をFAFR多重アンテナに組み込むことが可能になっている。その幅は、たとえばおよそ4mmである。
−各コプレーナ線路それぞれの長さLは、当該線路のコプレーナ伝送の長さと呼ばれ、伝送用の中心導体の側方延長部25とLNA増幅器の第一接続点(線路の接続端部17)の間を占めるものであり、3.5mmより小さく、たとえばおよそ2.5mmである。二つの線路の結合現象については、コプレーナ線路の長さが減少するにつれて、低下することに注意しなければならない。
−各コプレーナ線路それぞれの伝送用の中心導体7、10の規定の幅w(移相用側方延長部25、26を除く幅)は、10μmと170μmの間に含まれる。その幅は、たとえば40μmである。
−コプレーナ線路の各スリット21〜24それぞれの規定の幅sは、10μmと150μmの間に含まれる。その幅は、たとえば50μmである。
−上記の幅寸法wおよびsは、LNAの入力に50Ωのインピーダンスをかけるように選択されているが、本発明による装置は、その他のインピーダンス(25Ω、75Ω、100Ω)を要求する信号処理回路(およびとりわけ、LNA増幅器)用に寸法を設定することもできる。それらにしたがって幅wおよびsは、適合化される。
−各コプレーナ線路それぞれの移相用側方延長部25、26の幅dは、1mmと3mmの間に含まれる。その幅は、たとえば2.80mmであり、台形の側方延長部の角度θは、10°と40°の間に含まれる。その角度は、たとえば、およそ25°である。
−各コプレーナ線路それぞれにおける平行する接地パターンの斜めの伝搬用の先端小口13、14の長手方向にしたがった寸法pは、5mmを超え、とりわけ5mmと13mmの間に含まれる。その寸法は、たとえば11mmである。
−コプレーナ線路の金属層の厚みt(伝送用の中心導体と平行する接地パターン)は、9μmと35μmの間に含まれる。その厚みは、たとえば、およそ17.5μmである。
−基板の厚みeは、0.200mmを超えるものであり、その厚みは、前記基板の構成材料の誘電率εrに応じて選択され、たとえば、基板が誘電率εrが4.5であるTMM4という名称で知られている合成材料製であるとき、その厚みeは、0.508mmまたは0.762mmである。基板の厚みeを増加したとき、かつ/または、誘電率εrを下げたとき、二つの線路の寄生結合現象が減少することに注意しなければならない。しかし、基板の厚みの増加とより性能の良い材質の選択は、装置の原価を高くする。逆に、線路の伝送の長さLを縮小すれば、結合は減る。したがって、基板とコプレーナ線路の寸法決定については、求められる性能と経済的かつ財政的な制約、そしてアンテナの構造によって課される構造的制約の相互調整の結果ということになる。
本発明によるこの装置の作動は、ANSOFT社によって市販されているシミュレーション・ソフトウェアHFSSを用いて、27GHzから31GHzまでの周波数帯についてシミュレートされている。
このシミュレーションが示していることは、
−一方のコプレーナ線路の入力(伝搬用端部)と他方のコプレーナ線路の出力(接続端部)の間における結合パラメータS41とS14(図9参照)が、すべての周波数帯において−10dBより小さな値、とりわけ前記帯域の大部分において−25dBより小さい値をとることと、
−同一のコプレーナ線路の出力と入力の間における伝送パラメータS21とS12が、すべての周波数帯において−2dBを超える値、とりわけ前記帯域の大部分において−0.5dBを超える値をとることと、
−コプレーナ線路の入力における反射パラメータS11が、すべての周波数帯において−20dBより小さい値、とりわけ、前記帯域の大部分において−30dBより小さい値をとることと、
−導波管(導波管モードTE10)とコプレーナ線路(コプレーナ・モード)の間における挿入パラメータが、すべての周波数帯において−1.5dBを超える値をとることである。
図7は、本発明によるもう一つの装置のコプレーナ線路を示しており、そのコプレーナ線路の移相器手段は、線路の中心導体の側方延長部32によって構成され、その延長部は、円盤の一部の形状を呈している。装置が27GHzと31GHzの間に含まれる周波数のマイクロ波の受信ユニットを目的とするとき、この側方延長部は、0.5mmを超え、好ましくは1mmと2.8mmの間に含まれる横断寸法「a」を有し、その寸法は、たとえば、およそ2.40mmである。円盤は、およそ1.4mmの半径を有する。
また、このコプレーナ線路は、伝搬用の先端小口50、51が曲線であり、双曲線の形状をした平行する接地パターンを有することで、挿入パラメータまたは電界出力(導波管と動作中のコプレーナ線路のスリットの間)のパラメータが向上するようになっている。
図8は、本発明によるもう一つの装置のコプレーナ線路33を示しており、該線路において、前記コプレーナ線路の二つのスリットの中を伝播する電界の間の移相は、伝搬用端部37の非対称形状によって確実になされる。
コプレーナ線路33は、伝搬用の先端小口38が伝送用の中心導体34から突出して長手方向にそって伸びる平行する接地パターンの第一、36と、線路の平行する接地パターンの二番目35を有している。先述したように、この先端小口38は、中心の角43と側方端点42の間に斜めに伸びている。したがって、平行する接地パターン36は、他方の接地パターンと伝送用の中心導体から突出した長手方向の延長部分48を含んでいる。
コプレーナ線路33の伝送用の中心導体34は、尖形の伝搬用の先端小口39を有し、この先端小口は、平行する接地パターンの一方の中心の角43とほぼ直線に(横断方向にそって)伸びている。
また、平行する接地パターンの第二の35は、伝搬用の先端小口40を有し、この先端小口は、中心の角45と先端辺44の間に、コプレーナ線路の中心点から横断して長手方向に離れるように斜めに伸びている。この先端辺44は、伝送用の中心導体の伝搬点39の直線位置(横断方向にしたがって)または該伝搬点から引き込んだところ(長手方向にしたがって)に位置している。該先端辺は、さらに、長手方向に沿って、他方のの接地パターンの先端辺点42に対して、λ/2にほぼ等しい相対距離だけずらされている(ここでλは、コプレーナ線路と装置に導波される中心の波長を指す)。
平行する接地パターン36、35の中心の角43、45が、好適には丸みを帯びていることで(図示された実施例とは反する)、隣接するスリット46、47における電界の伝搬が容易になされるようになっていることに注意しなければならない。
本発明によって定義される線路の伝搬用端部37は、平行する接地パターンの一方の端点42と平行する接地パターンの第二のものの中心の角45との間に伸びる前記線路の部分に対応している。その非対称性のために、線路のスリット46、47を伝播する電界は、平行する接地パターンの第二のものの中心の角45からすぐにほぼ反対の位相を呈する。しかし、移相器手段は、また、導電性材料製のポン・タ・エール41も含んでおり、該ポン・タ・エールは、スリット47の入力の下流で、該入力に近接して配置されている。このポン・タ・エールによって、場合によって生じる残留寄生モード(スリット・モードなど)を除去し、前記ポン・タ・エール41の下流では主としてコプレーナ・モードで伝送することができるようになっている。
本発明は、先に述べて図面に示した実施態様に対して、多くの変形例を対象とすることもできるのは自明である。
特に、図1〜6に示された装置のスイッチの位置は、以下の配置にしたがって逆にすることができる。すなわち、直列スイッチは、移相器手段と直列コプレーナ線路の接続端部との間において、前記移相器手段の直近に配置され、並列スイッチは、移相器手段と、並列コプレーナ線路の接続端部との間において、前記移相器手段から距離を開けて、より詳細には、直列スイッチと向き合って位置している並列線路の点から、導波管における伝播の平均波長の四分の一にほぼ等しい距離だけ離れて配置される。換言すれば、並列スイッチは、下流に向かって(受信時)直列スイッチに対してλ/4に等しい距離だけずらされている。
また、各コプレーナ線路は、それぞれ、伝送用の中心導体に対して必ずしも対称ではない(移相器手段は除く)。逆に、移相器手段に相対する平行する接地パターン(図示された接地パターン8)が好適には幅を制限されていることで、寸法の小さな装置が得られるようになる。
さらに、本発明による移行装置は、電波の送信ユニットに組み込むことができ、該送信ユニットにおいて、信号処理回路は、それぞれSSPAタイプ(Solid State power amplifier)のパワー・アンプで構成される。
また、本発明による移行装置を、その他の受信用途(マイクロ波で、とりわけ60GHz周辺のV帯においてであるが、その他の周波数においても同様に)または送信用途で利用することもできる。
本発明による移行装置の、信号処理回路を通過する横断面(導波管の長手方向の伝播方向に直角な面)に沿った断面概略図。 導波管の全体を除いて表示した、図1の装置の上面概略図。 寸法設定が指示されている図2の再現図。 導波管の全体を除いて表示した、図1の装置の下面概略図。 装置のコプレーナ線路の移相器手段を通過する横断断面に沿った、図1の装置の断面概略図。 寸法設定が指示されている図5の再現図。 本発明による、もう一つの装置における、コプレーナ線路の一部の上面概略図。 本発明による、もう一つの装置における、コプレーナ線路の一部の上面概略図。 本発明による互いに向き合ったコプレーナ線路二本が形成する四端子回路の電子的動作の概略図。
符号の説明
1 導波管
2、3 信号処理回路
4 基板
5、6 コプレーナ線路
7 中心導体
8、9 接地パターン
10 中心導体
11、12 接地パターン
13、14 先端小口
15 先端小口
16 伝搬用端部
17 接続端部
18、19 スイッチ
21、22、23、24 スリット
25、26 移相手段
27、28 基板の面
29、30 不連続導体の二つの部分
32 移相手段
33 コプレーナ線路
34 中心導体
35、36 接地パターン
37 伝搬用端部
39、40、50、51 先端小口
41 ポン・タ・エール
42、44 先端辺
43、45 中心の角
46、47 スリット
48 長手方向の延長部分

Claims (25)

  1. 電磁波の導波管(1)と、信号処理回路と呼ばれる少なくとも二つの冗長回路(2、3)の間における移行冗長装置であり、この移行冗長装置は、基板と呼ばれる誘電性材料製の板の上に形成されたコプレーナ線路(5、6)を二本含み、該コプレーナ線路が、それぞれ、同一平面に、伝送用の中心導体(7;10)と、電磁波の導波スリット(21、22;23、24)によって前記中心導体から隔てられた、前記中心導体の両側にある平行する接地パターン(8、9;11、12)を二本含み、前記中心導体および接地パターンが主として線路の長手方向と呼ばれる方向に沿って伸びており、該コプレーナ線路(5)が、それぞれ、信号処理回路の一方(2)と接続することを目的とした、前記コプレーナ線路に固有の長手方向の端部である接続用端部(17)を有する装置であって、
    該移行冗長装置が、
    −前記コプレーナ線路(5、6)二本が、同一の基板(4)の両側に、該基板の相対する二つの主要面(27、28)において伸びていることと、
    −前記コプレーナ線路(5、6)二本が、少なくとも部分的には導波管(1)の内部で伸びていることと、
    −前記コプレーナ線路(5)が、それぞれ、前記接続端部(17)と相対し、導波管と前記コプレーナ線路のスリット(21、22)の間で電磁波を導波する長手方向の伝搬用端部(16)を有することと、
    −前記コプレーナ線路(5、6)が、それぞれ、移相器手段であって、前記コプレーナ線路の伝送用の中心導体(7、10)の一方の電界の位相を反転する移相器手段(25、26)を備えていることで、前記伝送用の中心導体に沿って、主としてコプレーナ・モードによって電気エネルギーを移相器手段と前記信号処理回路の間で伝送し、導波管の中で前記伝搬用端部(16)の先へと、主として導波管モードで電気エネルギーを伝送するようになっていること、
    とを特徴とする、移行冗長装置。
  2. 前記コプレーナ線路(5、6)二本が、基板(4)の両側で互いに向き合って伸びていることを特徴とする、請求項1に記載の移行冗長装置。
  3. 前記コプレーナ線路(5、6)二本が、導波管の伝播方向に沿って伸びていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の移行冗長装置。
  4. 前記基板(4)が導波管(1)の長手方向の中央面の中で伸びていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  5. 前記コプレーナ線路(5、6)が、それぞれ、スイッチ(18、19)を備えていることで前記コプレーナ線路の起動または停止するようになっていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  6. 前記スイッチ(18、19)を、コプレーナ線路が、各瞬間にそれぞれ動作と停止である相対する状態を呈するように制御できるように適合化することを特徴とする、受信ユニットを目的とした、請求項5に記載の移行冗長装置。
  7. −直列コプレーナ線路と呼ばれるコプレーナ線路の一方(6)が、互いの延長に伸びている距離をあけた二つの部分(29、30)で形成された不連続の伝送用の中心導体(10)を有し、並列コプレーナ線路と呼ばれる他方のコプレーナ線路(5)が連続した伝送用の中心導体(7)を有することと、
    −直列スイッチと呼ばれる直列コプレーナ線路のスイッチ(19)が、伝送用の中心導体の距離をあけた二つの部分(29、30)を接続するように直列に取り付けられていることで、直列スイッチが、通過状態と呼ばれる、伝送用の中心導体の二つの部分の間における電気接続を実現する状態にあるとき、直列コプレーナ線路(6)が動作中となることと、
    −並列スイッチと呼ばれる並列コプレーナ線路のスイッチ(18)が、伝送用の中心導体(7)を前記並列コプレーナ線路の二つの平行する接地パターン(8、9)に接続するように並列に取り付けられていることで、並列スイッチが通過状態と呼ばれる、伝送用の中心導体と平行する接地パターンの間における電気接続を実現する状態にあるとき、並列コプレーナ線路(5)が停止となることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の移行冗長装置。
  8. 前記スイッチの少なくとも一つが、ダイオードを含んでいることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  9. 前記スイッチ(18、19)の少なくとも一つが、MEMスイッチと呼ばれるマイクロエレクトロメカニカルスイッチであることを特徴とする、請求項5〜8のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  10. 二本のコプレーナ線路のスイッチ(18、19)が、基板の長手方向に沿って、導波される波長と呼ばれる波長の四分の一にほぼ等しい相対的な距離だけずらされていることを特徴とする、請求項5〜9および請求項2のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  11. 前記コプレーナ線路(5、6)のそれぞれの平行する接地パターン(8、9)の少なくとも一つが、前記コプレーナ線路の伝搬用端部(16)に、接地パターンの伝搬用の先端小口と呼ばれる、コプレーナ線路の中心部分から横断して長手方向に離れるように斜めに伸びている先端小口(13、14)を有していることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  12. 平行する接地パターン(8、9)の伝搬用の先端小口(13、14)が、線路の長手方向に沿って、コプレーナ線路の伝送用の中心導体(7)から突出して伸びていることを特徴とする、請求項11に記載の移行冗長装置。
  13. 平行する接地パターンの伝搬用の先端小口(50、51)が丸みを帯びた曲線または指数曲線あるいは双曲線であることを特徴とする、請求項11または請求項12に記載の移行冗長装置。
  14. 前記コプレーナ線路のそれぞれの伝送用の中心導体(7)が、前記線路の伝搬用端部(16)に、尖端を形成する導体の伝搬用の先端小口と呼ばれる先端小口(15)を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  15. コプレーナ線路の移相器手段(25、26)が、伝送用の中心導体の相対する側部における電界の位相を反転するように適合化されていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  16. 少なくとも一つのコプレーナ線路(5、6)の移相器手段が、移相器用側方延長部と呼ばれる、前記コプレーナ線路の伝送用の中心導体(7、10)の側方延長部(25、26)によって形成されていることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  17. 少なくとも一つのコプレーナ線路(5、6)前記移相器手段(25、26)が、前記伝送用の中心導体(7、10)の連続した側方延長部二つによって形成され、該側方延長部が前記導体の同一側部から伸び、およそπ/2の移相をそれぞれの電界にかけることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  18. 伝送用の中心導体の少なくとも一つの移相用側方延長部(25、26)が台形の形状を呈することを特徴とする、請求項16または請求項17に記載の移行冗長装置。
  19. 伝送用の中心導体の少なくとも一つの移相用側方延長部が円盤(32)の一部の形状を呈することを特徴とする、請求項16〜18のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  20. 少なくとも一つのコプレーナ線路(5、6)の前記移相器手段(25、26)が、一方では、線路の長手方向、他方の平行する接地パターン(35)の長手方向およびコプレーナ線路の伝送用の中心導体(34)の長手方向に沿って、突出した長手方向延長部を形成し、該コプレーナ線路の伝搬用端部(37)に平行する接地パターンの一方(36)の長手方向の延長部(48)を有し、他方では、エアブリッジ
    と呼ばれ、伝送用の中心導体を跨ぎ、前記接地パターン(35、36)間を接続する、導電性材料製のものであるエアブリッジ(41)を含んでいることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  21. 二本のコプレーナ線路の移相器手段(25、26)が同一のタイプであることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  22. 前記コプレーナ線路の伝送用の中心導体(7)とスリット(21、22)がそれぞれ、信号処理回路(2)の入力インピーダンスが雑音の制限という意味で最適化されるように適合化された規定の幅を有していることを特徴とする、請求項1〜21のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  23. 前記コプレーナ線路(5、6)の伝送用の中心導体(7、10)とスリット(21、22)の幅がそれぞれ、LNA増幅器の入力インピーダンスが50Ωとなるような幅を有していることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  24. 前記基板(4)が、誘電率εrが5より小さく、厚み(e)が0.5mmを超えることと、前記コプレーナ線路(5、6)が、それぞれ、移相器手段と信号処理回路への第一の接続点の間の伝送用の中心導体(7、10)の長さ(L)が3.5mmより小さいことを特徴とする、27GHzと31GHzの間に含まれる周波数のマイクロ波の受信アンテナを目的とする、請求項1〜23のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
  25. 前記基板(4)が、誘電率εrが5より小さく、厚み(e)が0.5mmを超えることと、前記コプレーナ線路(5、6)が、それぞれ、移相器手段と信号処理回路への第一の接続点の間の伝送用の中心導体(7、10)の長さ(L)が3mmより小さいことを特徴とする、45GHzと50GHzの間に含まれる周波数のマイクロ波の受信アンテナを目的とする、請求項1〜24のいずれか一つに記載の移行冗長装置。
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