JP2004266380A - Nrdガイドモードサプレサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平行な一対の導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路1によって電磁波を伝搬するNRDガイドの誘電体線路1の近傍に金属体3を配置し、LSEモードを抑制する。この金属体3は、任意形状であって、円盤、楕円盤、角柱状であってもよい。また、金属体3を誘電体線路1に沿って等しい距離dを維持させ、この距離dを変化させることによって、位相定数差を制御することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、超高速・大容量無線通信を実現する要素技術であるNRDガイド(非放射性誘電体線路:Nonradiative Dielectric Wave Guide)内の寄生モードであるLSEモードの電磁界を抑制して伝送することができるNRDガイドモードサプレサに関し、特にミリ波帯のNRDガイドモードサプレサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、超高速・大容量無線通信の実現が強く要望されており、この実現には、電波法での免許が不要なミリ波帯が有用である。特に59〜66GHz帯をカバーする広帯域な回路素子の開発が重要である。これによって、超高速無線LAN、ホームリンク、ケーブルテレビ無線伝送、車車間通信システムなどが、たとえば400Mbpsを超える伝送速度で実現することができる。
【0003】
このようなミリ波、マイクロ波の伝送回路として従来からNRDガイドが用いられている。このNRDガイドは、図17(a)に示すように、平行な一対の導体板102a,102b間に、たとえば比誘電率εr=2.04のテフロン(R)などの誘電体線路101が設けられる。この導体板102a,102bの幅すなわち誘電体線路101の高さは、この誘電体線路101を伝搬する電磁波の周波数の1/2波長未満にし、誘電体線路101の幅を1/2波長程度にしている。たとえば、動作周波数が60GHzである場合、誘電体線路101の高さを2.25mmとし、誘電体線路101の幅を2.5mmとしている。この結果、誘電体線路101には、動作周波数の電磁波が伝搬することができるが、誘電体線路101外であって誘電体線路101の幅方向には、動作周波数の電磁波が伝搬することができず、いわば動作周波数の電磁波が誘電体線路101内に閉じ込められて伝搬することになる。
【0004】
この誘電体線路101内を伝搬する動作周波数の電磁波の動作モード(LSMモード)は、図17(a)に示すように、断面内の電磁界が発生するが、誘電体線路101の曲げや分岐などによって、図17(b)に示すように、不要な寄生モードであるLSEモードが発生する。
【0005】
このLSEモードを抑制するため、従来は、図18に示すように、誘電体線路101内に1/4波長チョーク構造のモードサプレサ103を挿入していた。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−341003号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のモードサプレサ103は、誘電体線路101に挿入する場合、一度作成した誘電体線路101を長手方向に切り開き、この切り開いた部分にモードサプレサ103を挿入し、貼着するという煩雑で時間と労力とがかかる作業が必要であるという問題点があった。
【0008】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、寄生モードであるLSEモードを効果的に抑制することができるNRDガイドモードサプレサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかるNRDガイドモードサプレサは、平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路によって電磁波を伝搬するNRDガイドの該誘電体線路の近傍に導体を配置したことを特徴とする。
【0010】
この請求項1の発明によれば、平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路によって電磁波を伝搬するNRDガイドの該誘電体線路の近傍に導体を配置するという簡単な外付けのみによって不要な寄生モードであるLSEモードを効果的に抑圧することができる。
【0011】
また、請求項2にかかるNRDガイドモードサプレサは、上記の発明において、前記導体は、前記NRDガイドを含む装置のハウジングであることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3にかかるNRDガイドモードサプレサは、上記の発明において、前記導体は、互いに近接しかつ屈曲した誘電体線路によって形成された方向性結合器の近傍に設けられたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4にかかるNRDガイドモードサプレサは、上記の発明において、前記導体は、前記誘電体線路に沿って等間隔に近接して設けられ、前記誘電体線路の屈曲部の曲率半径は任意であって、該誘電体線路を伝搬する電磁波の振幅は、前記屈曲部の角度によって決定されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5にかかるNRDガイドモードサプレサは、上記の発明において、前記誘電体線路と前記導体との距離を変化させて、該誘電体線路を伝搬する電磁波の位相定数差を調整することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6にかかるNRDガイドモードサプレサは、上記の発明において、前記誘電体線路と前記導体との距離は、0.5mm近傍であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項7にかかるNRDガイドモードサプレサは、上記の発明において、前記導体は、棒状であり、該金属体の長さを変化させて、前記誘電体線路に生じる寄生モードの抑圧周波数を変化させることを特徴とする。
【0017】
また、請求項8にかかるNRDガイドモードサプレサは、上記の発明において、前記誘電体線路は、約180度の屈曲部を形成し、該屈曲部の内側に前記導体を設け、該導体の曲率半径を変化させて、該誘電体線路に生じる寄生モードの抑圧周波数を変化させることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるNRDガイドモードサプレサの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1であるNRDガイドモードサプレサの概要構成を示す模式図である。また、図2は、図1に示したNRDガイドモードサプレサのA−A線断面図である。図1および図2において、このNRDガイドモードサプレサは、平行な導体板2a,2bに挟まれた誘電体線路1を有する。誘電体線路1は、比誘電率εr=2.04、tanδ=1.5×10−4程度のテフロン(R)によって実現され、高さaは2.25mm、幅bは2.5mmである。誘電体線路1を伝搬する電磁波の動作周波数を60GHzとすると、その波長λは約5mmであり、高さaは、λ/2未満となり、誘電体線路1以外の導体板2a,2b間には、動作周波数の電磁波は伝搬しない。これに対して、誘電体線路1内は、波長λが短縮され、動作周波数の電磁波が伝搬することができる。この結果、動作周波数帯において、電磁波が誘電体線路1内のみを伝搬するNRDガイドを形成する。
【0020】
ここで、誘電体線路1は、曲率半径Rで屈曲した構造となっており、この場合、上述した動作モードであるLSMモード以外に、寄生モードであるLSEモードの電磁波が発生する。ここで、誘電体線路1の近傍に、導体である金属体3を設けるとLSEモードが抑制される。この金属体3と誘電体線路1との間の距離dは、0であってもよく、動作周波数が60GHz帯のときに、0.5mm程度であると、LSEモードの電磁波が効果的に抑制される。なお、金属体3の形状は任意であり、たとえば、円盤、楕円盤、角柱状の各種の形状であってもLSEモードの抑制効果を得ることができる。
【0021】
図3は、金属体3を棒状の金属体13とした場合におけるNRDガイドモードサプレサの構成を示す図である。誘電体線路1に相当する誘電体線路11は、その曲率半径Rが12mmであり、その断面形状および材質は、図1および図2に示した誘電体線路1と同じである。金属体13は、誘電体線路1との最短距離を距離dとしている。また、金属体13の断面形状は、H型をなし、H型をなす各辺はλ/4をなしている。
【0022】
図4は、図3に示したNRDガイドモードサプレサの一端でありポートP1からLSMモードの電磁波を入力した場合に、他端であるポートP2から出力されるLSMモードとLSEモードの出力レベルの周波数依存性を示す図である。ここで、図4では、距離dを0.5mmのときと、距離dを無限大、すなわち金属体13を設けなかった場合のときについて示している。図4に示すように、金属体13を設けない場合には、特に低い周波数帯でLSMモード出力が低下し、LSEモードの発生は、−4dB〜−10dBと大きな値を示している。これに対して、金属体13を設けた場合、ポートP1から入力されたLSMモードの電磁波は、ほとんどそのレベルを変えずに、ポートP1から出力されているとともに、発生するLSEモードは、−15dB以下に抑えられ、しかも動作周波数が61GHz近傍では約−40dB程度まで抑制されている。
【0023】
さらに、図5は、図3に示した構造におけるポート1から入力されたLSMモード出力に対するポート2から出力されたLSMモード出力の実験結果を示す図である。図5に示すように、金属体13を設けない場合には、スパイク状のリップルを有する周波数依存性を示すが、金属体13を設けた場合には、ほぼ一定で減衰が極めて少ない周波数依存性を示し、安定な出力特性を得ることができる。
【0024】
ここで、さらに図3に示したNRDガイドモードサプレサの金属体13の長さlを図6に示すように変化させると、抑制されるLSEモードの出力は、図7に示すような周波数依存性を呈する。すなわち、曲率半径R=12mm、距離d=0.5mmのままとして、金属体13の長さlを5.00mm、7.50mm、10.0mmに順次長くしていくと、LSEモードの極小値は、約61.8GHz、約62.3GHz、約63.7GHzに順次シフトする傾向がある。したがって、動作周波数に合わせた金属体13の長さlを、LSEモードの極小値に設定することによって、一層、LSEモードの抑制を良好に行うことができる。
【0025】
なお、上述した金属体3は、任意形状でもLSEモードを抑制する効果が得られるため、たとえば、図8に示すように、NRDガイドのハウジングであって、導体で形成されるハウジング4を、金属体13と同様に、屈曲した誘電体線路1に近づけるようにしてLSEモードを抑制することもできる。この場合、ハウジング4は、ハウジング本来の機能とともに、モードサプレサとしての金属体13の機能を発揮することになり、NRDガイドの小型軽量化を促進することができる。
【0026】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、NRDガイドの誘電体線路1が一般的に屈曲している場合においてLSEモードを抑制するものであったが、この実施の形態2では、3dB結合器として機能するNRDガイドにおけるLSEモードを抑制するものである。
【0027】
図9は、この発明の実施の形態2である3dB結合器に適用したNRDモードサプレサの概要構成を示す模式図である。図9において、この3dB結合器は、屈曲した半円形の一端が互い近接した誘電体線路21,22が設けられ、誘電体線路21の他端のポートP1から入力された動作周波数の電磁波は、互いに近接する誘電体線路21,22間において3dB結合し、誘電体線路22の他端のポートP4から動作周波数の電磁波が出力される。ここで、実施の形態1と同様に、金属体13に対応する金属体23が、誘電体線路21,22の双方に近接するように配置すると、実施の形態1と同様に、誘電体線路21,22を伝搬するLSEモードが抑制される。
【0028】
図10は、金属体23を配置した場合と配置しない場合とにおけるポートP1での反射(S11)とポートP2での出力(S21)との周波数依存性を示している。ここで、金属体23を配置したときと配置しないときとでは、いずれも、ほほ同じ周波数依存性を示しているが、金属体23を設けた場合における誘電体線路21,22の曲率半径Rは、12mmであるのに対し、金属体23を設けない場合における誘電体線路の曲率半径Rは、22.65mmとなっている。すなわち、同じ反射および出力の伝送特性を得る場合、金属体23を設けることによって、長さ的には半分の大きさ、面積的には1/4程度の大きさにすることができる。
【0029】
このように誘電体線路の曲率半径Rを小さくすることができるのは、上述したように、屈曲で多く発生するLSEモードを、金属体23の設置によって抑制しているからである。これによって、小型化された3dB結合器を実現することができる。この場合、金属体23を実施の形態1と同様に、ハウジングの側壁を用いるとさらに3dB結合器の小型軽量化を促進することができる。
【0030】
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3では、LSEモードを抑圧しつつ、入力されたLSMモードを完全に再現することができるNRDガイドモードサプレサを実現している。
【0031】
まず、この実施の形態3の動作原理について説明する。図11に示すようなNRDガイドの誘電体線路31を考え、誘電体線路31の一端のポートP1から動作周波数の電磁波が入力され、誘電体線路31内を伝搬して他端のポートP2から出力されるものとする。また、この誘電体線路31の曲率半径はRであり、ポートP1から所定の誘電体線路31上の位置までの角度をθであり、ポートP1から所定の誘電体線路31上の位置までの距離をzとする。
【0032】
ポートP1に入力された電磁波は、LSMモードとLSEモードとが混在した状態で伝搬し、それぞれの電磁波をa1(z),a2(z)とすると、LSMモードとLSEモードとの各電磁波の振幅|a1(z)|,|a2(z)|は、次式(1),(2)として表すことができる。
|a1(z)|=√(cos2(Γ・z/2)+(Δβ/Γ)2
・sin2(Γ・z/2)) ・・・(1)
|a2(z)|=(2・c/Γ)|sin(Γ・z/2)| ・・・(2)
ただし、
Γ=√(4c2+Δβ2) ・・・(3)
ここで、zは、ベンド上の伝搬長、cは、モード結合係数、Δβは、LSMモードとLSEモードの位相定数差である。
【0033】
一方、誘電体線路31が幅2.5mm、高さ2.25mmのテフロン(R)によって形成され、この誘電体線路31と金属体33との距離dとしたときの位相定数差Δβを計算すると、図12に示すようになる。図12では、距離dの増大とともに、位相定数差Δβが減少する。ここで、注目すべきことは、距離dが0.5mmのときに、位相定数差Δβが0になることである。このとき、上述した式(1),(2)は、次式(4),(5)に示す簡単な式になる。
|a1(z)|=|cos(c・z)| ・・・(4)
|a2(z)|=|sin(c・z)| ・・・(5)
【0034】
ここで、モード結合係数cは、曲率半径Rに反比例することが理論的に知られており、また、距離zは、曲率半径Rに比例することから、次式(6),(7)が得られる。
c=c0/R (c0:定数) ・・・(6)
z=R・θ ・・・(7)
そこで、この式(6),(7)を式(4),(5)に代入すると、次式(8),(9)が得られる。
|a1(z)|=|cos(c0・θ)| ・・・(8)
|a2(z)|=|sin(c0・θ)| ・・・(9)
同様のことは図12の左側挿入図に示すように誘電体線路を2本の金属体で挟んでも可能であり、そのときのΔβは同図破線で示すようになり、Δβ=0となる間隔は0.8mmとなる。
【0035】
この式(8),(9)から、LSMモードとLSEモードの各振幅は、曲率半径Rに全く無関係である。すなわち、曲率半径Rは、設計に全く無関係であり、任意に決定することができる。すなわち、どのような曲率半径の誘電体線路であっても、LSMモードは、ある一定の角度、すなわち完全結合角θ0を持たせることによって、再現することができる。
【0036】
図13および図14は、位相定数差Δβ=0となるように金属体43,53を装荷したNRDガイドモードサプレサの一例を示しており、図13における完全結合角θ0は195°、図14における完全結合角θ0は205°となってなる。なお、図13では、金属体43を誘電体線路31の外側に装荷し、図14では、金属体53を誘電体線路31の内側に装荷した場合を示している。なお、この場合、180°よりも大きな屈曲を示す結果となっているが、図13および図14に示したNRDガイドモードサプレサを180°の屈曲とする場合には、図12に示した関係を用いて距離dを変化させ、位相定数差Δβを調整し、最終的に最適化すればよい。また、同様にして任意の屈曲角を有する誘電体線路に対しても距離dを変化させて位相定数差Δβを調整することによって、最適化できる。
【0037】
たとえば、図15に示すような屈曲角が180°のNRDガイドモードサプレサを実現できる。すなわち、任意の曲率半径Rを有し、180°に屈曲する誘電体線路61の内側に半径rを有する円盤状の金属体63を設け、この半径rを変化させることによって、金属体63と誘電体線路61との間の距離dを変化させることができ、これによって位相定数差Δβを調整することができる。図15では、距離dを1mm程度とすることによって、LSMモードを再現することができる。なお、金属体63を設けない場合、LSEモードが発生し、全く使用に耐えることができない。
【0038】
さらに、この場合、図16に示すように半径r、すなわち距離dを変化させると、LSEモードの極小値の周波数をシフトさせることができ、LSEモードを効果的に抑制させることができるNRDガイドモードサプレサを実現できる。
【0039】
なお、上述した実施の形態1〜3では、いずれも金属体3,13,23,33,43,53,63として説明したが、これに限らず、導体であればよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路によって電磁波を伝搬するNRDガイドの該誘電体線路の近傍に導体を配置するという簡単な外付けのみによって不要な寄生モードであるLSEモードを効果的に抑圧することができるという効果を奏する。
【0041】
また、この発明によれば、前記導体を、前記NRDガイドを含む装置のハウジングとすることによって、ハウジング機能とモード抑圧機能との双方の作用効果を得ることができ、小型軽量化を促進することができるという効果を奏する。
【0042】
また、この発明によれば、前記導体を、互いに近接しかつ屈曲した誘電体線路によって形成された方向性結合器の近傍に設けることによって、屈曲部の曲げ半径を小さくすることができ、結果として小型軽量の方向性結合器を得ることができるという効果を奏する。
【0043】
また、この発明によれば、前記導体を、前記誘電体線路に沿って等間隔に近接して設けられ、前記誘電体線路の屈曲部の曲率半径は任意であって、該誘電体線路を伝搬する電磁波の振幅は、前記屈曲部の角度によって決定されるようにし、LSMモードの再現を確実に行うことができるという効果を奏する。
【0044】
また、この発明によれば、前記誘電体線路と前記導体との距離を変化させて、該誘電体線路を伝搬する電磁波の位相定数差を調整するようにしているので、任意の屈曲角度をもった屈曲部を得ることができ、柔軟なNRDガイドを実現することができるという効果を奏する。
【0045】
また、この発明によれば、前記誘電体線路と前記導体との距離を、0.5mm近傍とすることによって、標準形状のNRDガイドの位相定数差を0にすることができ、ベンドの出力ポートにおいてLSMモードを再現することができるという効果を奏する。
【0046】
また、この発明によれば、前記導体が、棒状であり、該金属体の長さを変化させて、前記誘電体線路に生じる寄生モードの抑圧周波数を変化させ、あるいは、前記誘電体線路が、約180度の屈曲部を形成し、該屈曲部の内側に前記導体を設け、該導体の曲率半径を変化させて、該誘電体線路に生じる寄生モードの抑圧周波数を変化させるようにしているので、抑圧対象の動作周波数に対する効果的な抑圧を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるNRDガイドモードサプレサの概要構成を示す模式図である。
【図2】図1に示したNRDガイドモードサプレサのA−A線断面図である。
【図3】図1に示したNRDガイドモードサプレサの一例を示す図である。
【図4】図3に示したNRDガイドモードサプレサによるLSMモードとLSEモードの周波数依存性を示す図である。
【図5】図3に示したNRDガイドモードサプレサと金属体を設けないNRDガイドとによるLSMモードの周波数依存性の実験結果を示す図である。
【図6】図3に示したNRDガイドモードサプレサであって、金属体の長さを規定したNRDガイドモードサプレサの構成を示す模式図である。
【図7】図6に示したNRDガイドモードサプレサであって、金属体の長さをパラメータとした場合のLSEモードの周波数依存性を示す図である。
【図8】ハウジングを金属体として兼用したNRDガイドモードサプレサの一例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態である3dB結合器としてのNRDガイドモードサプレサの概要構成を示す模式図である。
【図10】図9に示したNRDガイドモードサプレサと金属体を設けない場合とにおける伝送特性の周波数依存性を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態3であるNRDガイドモードサプレサの動作原理の説明に用いる図である。
【図12】位相定数差に対する誘電体線路と金属体との間隔依存性を示す図である。
【図13】位相定数差が零になる完全結合角を実現するNRDガイドモードサプレサの一例を示す図である。
【図14】位相定数差が零になる完全結合角を実現するNRDガイドモードサプレサの他の一例を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態3であるNRDガイドモードサプレサの概要構成を示す模式図である。
【図16】図15に示したNRDガイドモードサプレサにおいて、誘電体線路と金属体との距離をパラメータとしたときのLSMモードおよびLSEモードの周波数依存性を示す図である。
【図17】LSMモードとLSEモードとの電界分布を示す図である。
【図18】従来のモードサプレサを用いたNRDガイドの概要構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,22,31,61 誘電体線路
2a,2b 導体板
3,13,23,33,43,53,63 金属体
4 ハウジング
P1〜P4 ポート
Claims (8)
- 平行導体板に挟まれ、その間隔が1/2波長未満とする誘電体線路によって電磁波を伝搬するNRDガイドの該誘電体線路の近傍に導体を配置したことを特徴とするNRDガイドモードサプレサ。
- 前記導体は、前記NRDガイドを含む装置のハウジングであることを特徴とする請求項1に記載のNRDガイドモードサプレサ。
- 前記導体は、互いに近接しかつ屈曲した誘電体線路によって形成された方向性結合器の近傍に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載のNRDガイドモードサプレサ。
- 前記導体は、前記誘電体線路に沿って等間隔に近接して設けられ、前記誘電体線路の屈曲部の曲率半径は任意であって、該誘電体線路を伝搬する電磁波の振幅は、前記屈曲部の角度によって決定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のNRDガイドモードサプレサ。
- 前記誘電体線路と前記導体との距離を変化させて、該誘電体線路を伝搬する電磁波の位相定数差を調整することを特徴とする請求項4に記載のNRDガイドモードサプレサ。
- 前記誘電体線路と前記導体との距離は、0.5mm近傍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のNRDガイドモードサプレサ。
- 前記導体は、棒状であり、該金属体の長さを変化させて、前記誘電体線路に生じる寄生モードの抑圧周波数を変化させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のNRDガイドモードサプレサ。
- 前記誘電体線路は、約180度の屈曲部を形成し、該屈曲部の内側に前記導体を設け、該導体の曲率半径を変化させて、該誘電体線路に生じる寄生モードの抑圧周波数を変化させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のNRDガイドモードサプレサ。
Priority Applications (5)
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