JP4029173B2 - 伝送線路接続構造および送受信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばマイクロ波、ミリ波等の高周波信号を伝送する伝送線路接続構造および該伝送線路接続構造を用いて構成される送受信装置に関する。
一般に、従来技術による伝送線路接続構造として、例えば誘電体基板の表面に形成された表面電極に対して所定間隔のスロットを形成することによってスロット線路を構成すると共に、該スロット線路を複数接続したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような従来技術では、2つのスロット線路の表面電極を一定間隔の隙間を挟んで互いに対向した状態で配置すると共に、各表面電極には隙間側の片端が開放された略四角形の切欠きからなる片端開放のスロット共振器をそれぞれ設けている。そして、各スロット共振器にスロット線路をそれぞれ接続すると共に、これら2つのスロット共振器を互いに結合させ、2つのスロット線路間を高周波信号が伝搬可能な状態で接続していた。また、このような伝送線路接続構造を用いて通信機装置等の送受信装置を構成したものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−308601号公報 特開2003−101301号公報
ところで、特許文献1の従来技術では、2つの表面電極間に隙間に向けてスロット共振器の片端が開放しているから、このスロット共振器の開放端側から隙間内に向けて高周波信号が漏洩することがある。このとき、特許文献2のようにパッケージ内に伝送線路接続構造を用いた送受信装置を収容したときには、一般に、表面電極は、パッケージ内の導体壁面に接触して例えばグランドに接続されている。従って、隙間の先端は、パッケージ内の壁面で短絡されている。即ち、表面電極間の隙間が漏洩線路として機能すると共に、この漏洩線路の先端がパッケージで短絡されている。このため、パッケージによる漏洩線路のショート端(短絡端)には漏洩した高周波信号による実電流が流れるから、スロット共振器の共振周波数は、表面電極とパッケージとの接続状態の影響を受け易い。この結果、2つのスロット線路の接続特性が不安定になるという問題がある。
また、スロット共振器の共振周波数はスロット共振器からパッケージまでの距離によっても変化する。このため、スロット線路間の接続特性を一定に保持するためには、誘電体基板、表面電極、パッケージ等の部品の寸法精度やパッケージ内に誘電体基板を実装するときの実装精度を高める必要がある。これにより、通信機装置等のモジュールを構成する製造コストが高くなるという問題もある。
さらに、パッケージとスロット共振器との間の漏洩線路の距離寸法に応じてスロット共振器の共振周波数が変化するから、パッケージの寸法毎にパッケージと表面電極との接続構造を設計する必要がある。このため、設計自由度が低いという問題もある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、伝送線路の電極間の隙間に漏洩電流が伝搬するのを抑制し、伝送線路間の接続特性を安定化させ、製造コストの低減、設計自由度の向上を図ることができる伝送線路接続構造および送受信装置を提供することにある。
(1).上述した課題を解決するために、本発明は、誘電体基板と、該誘電体基板の片面に形成された片面電極と、該片面電極に形成された所定間隔のスロットとによって伝送線路を構成し、該伝送線路を複数接続する伝送線路接続構造において、前記複数の伝送線路の片面電極を隙間を挟んで互いに離間して設け、前記複数の片面電極には、前記各伝送線路に接続され隙間側が開放された片端開放の共振器を互いに結合可能な状態でそれぞれ設け、前記複数の片面電極のうち少なくとも1つの片面電極には、当該複数の片面電極間の隙間を通じた信号の漏洩を抑制するスタブを設け、前記伝送線路を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、該スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、前記共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2よりも十分に小さい値に設定する構成としたことを特徴としている。
本発明によれば、隙間を挟んで離間した複数の片面電極には共振器をそれぞれ設け、該各共振器に伝送線路を接続している。このため、複数の共振器を互いに結合させることによって、複数の伝送線路を接続することができ、これらの伝送線路間に高周波信号を伝搬させることができる。このとき、共振器は隙間側が開放されているから、共振器の開放端を通じて片面電極間の隙間に高周波信号が漏洩する傾向がある。これに対し、複数の片面電極のうち少なくとも1つの片面電極にはスタブを設けたから、該スタブを用いて隙間を通じた高周波信号の漏洩を抑制することができる。このため、隙間の先端側が例えばパッケージ内壁等によって短絡されているときでも、この短絡端に高周波信号による実電流が流れることがなく、共振器の共振周波数を安定させることができる。この結果、伝送線路の接続状態を安定させることができると共に、誘電体基板、片面電極等の寸法精度、実装精度を高める必要がなく、製造コストの低減、設計自由度の向上を図ることができる。
また、スタブの長さ寸法は、奇モードの高周波信号の波長λg_oddの1/4程度の値に設定している。このため、奇モードの高周波信号が隙間を通じて漏洩するときでも、この高周波信号に対して隙間とスタブとの分岐位置(スタブの基端側)を仮想的な開放端にすることができる。これにより、漏洩した高周波信号に対する反射特性が向上するから、漏洩した高周波信号をスタブで確実に遮断することができ、共振器の共振周波数の安定性をさらに高めることができる。この結果、誘電体基板等の各種の寸法に比較的大きなばらつきが生じたときでも、2つの伝送線路間で所望の通過帯域幅を確保することができると共に、2つの伝送線路の接続損失を軽減することができる。
さらに、共振器とスタブとの間の長さ寸法は、奇モードの高周波信号の波長λg_oddの1/2よりも十分に小さい値に設定している。このため、2つの共振器が互いに逆方向の電界が形成される奇モードで共振したときには、共振器の長さ寸法、共振器とスタブとの間の長さ寸法およびスタブの長さ寸法とを合計した値がλg_odd/2程度の値となる共振周波数で2つの共振器は共振する。
このとき、2つの共振器を互いに同じ方向の電界が形成される偶モードでも共振させるためには、高周波信号の伝搬方向に沿って延びる共振器の長さ寸法は、偶モードの共振周波数の波長λg_evenの1/4程度の値に設定するのが適当である。また、2つの共振器が偶モードで共振するときは、高周波信号は、隙間に漏洩しない。このため、偶モードの共振周波数は、共振器とスタブとの間の長さ寸法に拘わらず、ほぼ一定の値となる。一方、奇モードの共振周波数は、共振器とスタブとの間の長さ寸法とスタブの長さ寸法とによって変化する。このため、共振器とスタブとの間の長さ寸法等によって、奇モードの共振周波数を設定することができる。この結果、偶モードと奇モードとの結合を利用して2段の帯域通過フィルタを構成することができると共に、奇モードの共振周波数を偶モードの共振周波数とは独立して設定でき、接続構造の設計性を向上することができる。
また、共振器とスタブとの間の長さ寸法は、λg_odd/2よりも十分に小さい値に設定している。このため、奇モードの共振周波数を偶モードの共振周波数よりも低く設定することができ、偶モードの共振周波数に対して低域側に通過帯域を設けることができる。さらに、共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2よりも十分に小さい値に設定したから、共振器とスタブとを近付けて配置することができ、伝送線路の接続構造を小型化することができる。
(2).また、本発明では、誘電体基板と、該誘電体基板の両面にそれぞれ形成された両面電極と、該両面電極に形成され前記誘電体基板を挟んで互いに対向した所定間隔のスロットとによって伝送線路を構成し、該伝送線路を複数接続する伝送線路接続構造において、前記複数の伝送線路の両面電極を隙間を挟んで互いに離間して設け、前記複数の両面電極には、前記各伝送線路に接続され隙間側が開放された片端開放の共振器を互いに結合可能な状態で設け、前記複数の両面電極のうち少なくとも1つの両面電極には、当該複数の両面電極間の隙間を通じた信号の漏洩を抑制するスタブを設け、前記伝送線路を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、該スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、前記共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2よりも十分に小さい値に設定する構成としたことを特徴としてもよい。
この場合、前述では、誘電体基板の片面に片面電極を設けるのに対し、誘電体基板の両面に両面電極を設けている点で異なる。しかし、該両面電極に対してスロット、共振器、スタブを設けている点は、前述の構成と同様である。また、スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2よりも十分に小さい値に設定する点も、前述の構成と同じである。従って、誘電体基板の両面に両面電極を設けた場合も、前述のように、誘電体基板の片面に片面電極を設けた場合とほぼ同様の作用効果を奏する。
(3).また、本発明では、誘電体基板と、該誘電体基板の片面に形成された片面電極と、該片面電極に形成された所定間隔のスロットとによって伝送線路を構成し、該伝送線路を複数接続する伝送線路接続構造において、前記複数の伝送線路の片面電極を隙間を挟んで互いに離間して設け、前記複数の片面電極には、前記各伝送線路に接続され隙間側が開放された片端開放の共振器を互いに結合可能な状態でそれぞれ設け、前記複数の片面電極のうち少なくとも1つの片面電極には、当該複数の片面電極間の隙間を通じた信号の漏洩を抑制するスタブを設け、前記伝送線路を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、該スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、前記共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2程度の値に設定する構成としたことを特徴としてもよい。
この場合も、複数の片面電極のうち少なくとも1つの片面電極にはスタブを設けている。このため、該スタブを用いて隙間を通じた高周波信号の漏洩を抑制することができる。また、スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定している。このため、奇モードの高周波信号が隙間を通じて漏洩するときでも、この高周波信号に対して隙間とスタブとの分岐位置(スタブの基端側)を仮想的な開放端にすることができる。これにより、漏洩した高周波信号に対する反射特性が向上するから、漏洩した高周波信号をスタブで確実に遮断することができ、共振器の共振周波数の安定性をさらに高めることができる。この結果、誘電体基板等の各種の寸法に比較的大きなばらつきが生じたときでも、2つの伝送線路間で所望の通過帯域幅を確保することができると共に、2つの伝送線路の接続損失を軽減することができる。
また、共振器とスタブとの間の長さ寸法は、奇モードの高周波信号の波長λg_oddの1/2程度の値に設定している。このため、2つの共振器が互いに逆方向の電界が形成される奇モードで共振したときには、共振器の長さ寸法、共振器とスタブとの間の長さ寸法およびスタブの長さ寸法とを合計した値が波長λg_odd程度の値となる共振周波数で2つの共振器は共振する。
このとき、2つの共振器を互いに同じ方向の電界が形成される偶モードでも共振させるためには、高周波信号の伝搬方向に沿って延びる共振器の長さ寸法は、偶モードの共振周波数の波長λg_evenの1/4程度の値に設定するのが適当である。また、2つの共振器が偶モードで共振するときは隙間に高周波信号は漏洩しないから、偶モードの共振周波数は、共振器とスタブとの間の長さ寸法に拘わらず、ほぼ一定の値となる。一方、奇モードの共振周波数は、共振器とスタブとの間の長さ寸法とスタブの長さ寸法とによって変化する。このため、共振器とスタブとの間の長さ寸法等によって奇モードの共振周波数は設定することができるから、偶モードと奇モードとの結合を利用して2段の帯域通過フィルタを構成することができると共に、奇モードの共振周波数を偶モードの共振周波数とは独立して設定でき、接続構造の設計性を向上することができる。
また、共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2程度の値に設定したから、奇モードの共振周波数を偶モードの共振周波数よりも高く設定することができ、偶モードの共振周波数に対して高域側に通過帯域を設けることができる。
(4).また、本発明では、誘電体基板と、該誘電体基板の両面にそれぞれ形成された両面電極と、該両面電極に形成され前記誘電体基板を挟んで互いに対向した所定間隔のスロットとによって伝送線路を構成し、該伝送線路を複数接続する伝送線路接続構造において、前記複数の伝送線路の両面電極を隙間を挟んで互いに離間して設け、前記複数の両面電極には、前記各伝送線路に接続され隙間側が開放された片端開放の共振器を互いに結合可能な状態で設け、前記複数の両面電極のうち少なくとも1つの両面電極には、当該複数の両面電極間の隙間を通じた信号の漏洩を抑制するスタブを設け、前記伝送線路を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、該スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、前記共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2程度の値に設定する構成としたことを特徴としてもよい。
この場合でも、共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2程度の値に設定するから、前述とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
さらに、本発明の伝送線路接続構造を用いて通信装置、レーダ装置等の送受信装置を構成してもよい。
このように構成したことにより、装置内部に複数の伝送線路を配置したときでも、これらの伝送線路を共振器を用いて接続することができる。また、複数の伝送線路の電極間に隙間が形成されるときでも、電極に設けたスタブによって、隙間内に漏洩した高周波信号が伝搬するのを抑制することができる。このため、伝送線路の接続状態を安定させることができるから、送受信装置全体の特性を安定化することができ、信頼性を高めることができる。さらに、誘電体基板、電極、パッケージ等の寸法精度、実装精度に拘わらず伝送線路の接続特性を安定させることができるから、送受信装置全体の製造コストの低減、設計自由度の向上を図ることができる。
図1は第1の実施の形態による伝送線路接続構造を示す斜視図である。 図2は図1中の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図3は図1中のスロット共振器が偶モードで共振した状態を示す平面図である。 図4は図1中のスロット共振器が奇モードで共振した状態を示す平面図である。 図5は図1中の伝送線路接続構造の反射係数、透過係数の周波数特性を示す特性線図である。 図6は図1中の伝送線路接続構造の反射損失の周波数特性をシミュレーションした結果を示す特性線図である。 図7は比較例による伝送線路接続構造の反射損失の周波数特性をシミュレーションした結果を示す特性線図である。 図8は図1中の伝送線路接続構造の反射損失の周波数特性を実測した結果を示す特性線図である。 図9は第1の実施の形態による伝送線路接続構造のスロットスタブをスロット共振器の近傍に配置した状態を示す平面図である。 図10は第1の実施の形態による伝送線路接続構造のスロットスタブを図9に比べてスロット共振器の遠方に配置した状態を示す平面図である。 図11はスロットスタブとスロット共振器との間の距離寸法に対する共振周波数を示す特性線図である。 図12は第1の変形例の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図13は第2の変形例の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図14は第3の変形例の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図15は第4の変形例の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図16は第5の変形例の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図17は第6の変形例の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図18は第7の変形例の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図19は第2の実施の形態による伝送線路接続構造を示す斜視図である。 図20は図19中の伝送線路接続構造を拡大して示す平面図である。 図21は第3の実施の形態による通信装置を示す分解斜視図である。 図22は図21中の通信装置を示すブロック図である。
符号の説明
1 スロット線路(伝送線路)
2,22 誘電体基板
2A,22A 表面
2B,22B 裏面
3 表面電極(片面電極)
4,25,26 スロット
5,27 隙間
6 スロット共振器(共振器)
7,29 整合部
8,11,12,13,14 スロットスタブ(スタブ)
21 PDTL(伝送線路)
23 表面電極(両面電極)
24 裏面電極(両面電極)
28 PDTL共振器(共振器)
30 PDTLスタブ(スタブ)
以下、本発明の実施の形態による伝送線路接続構造および送受信装置を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1ないし図4は第1の実施の形態による伝送線路接続構造を示している。図において、1は伝送線路としてのスロット線路を示している。該スロット線路1は、誘電体基板2、表面電極3およびスロット4によって構成されている。
ここで、誘電体基板2は、樹脂材料、セラミックス材料、またはこれらを混合して焼結した複合材料を用いて比誘電率εrをもった平板状に形成され、表面2A、裏面2Bを有している。また、誘電体基板2の表面2Aには、例えば導電性金属材料を用いて薄膜状に形成された表面電極3(片面電極)が設けられている。さらに、表面電極3には、一定の幅寸法をもって帯状(溝状)に開口したスロット4が形成され、該スロット4は、例えばマイクロ波、ミリ波等の高周波信号の伝送方向(図1中の矢示A方向)に沿って延びている。
そして、スロット線路1は、高周波信号の伝送方向に沿うように例えば直線状に並んで2個配置されている。このとき、2個のスロット線路1の誘電体基板2は互いに離間して配置されている。また、2個のスロット線路1が互いに対向する位置では、表面電極3の端縁3Aは、例えば誘電体基板2の端面よりも中央部側(内側)に離間して配置されている。このため、誘電体基板2のうち表面電極3の端縁3Aよりも相手方の誘電体基板2に向けて突出した部分は、誘電体基板2の表面2Aが露出している。
5は2個のスロット線路1を構成する2つの表面電極3間に形成された隙間を示している。該隙間5は、2つの表面電極3の端縁3A間に一定の間隔寸法Gをもって形成され、2つの表面電極3を離間した状態で互いに対向させている。これにより、隙間5は、2つの表面電極3間に挟まれている。
6は2個の表面電極3にそれぞれ設けられた片端開放のスロット共振器を示している。該各スロット共振器6は、スロット4に連続した略四角形の切欠きによって形成され、スロット線路1にそれぞれ接続されている。ここで、スロット共振器6のうち高周波信号の伝送方向に沿った長さ寸法Lrは、スロット線路1を伝搬する偶モードの高周波信号の波長をλg_evenとしたときに、例えばλg_even/4程度の値に設定されている(Lr=λg_even/4)。これにより、2個のスロット共振器6が互いに同じ向きの電界Eをもった偶モードで共振するときには、スロット共振器6の共振周波数は波長λg_evenに対応した値となる。
また、スロット共振器6の長さ方向(高周波信号の伝送方向)一端側は、表面電極3の端部側(端縁3A近傍)に位置して隙間5に向けて開放されている。一方、スロット共振器6の長さ方向他端側は、表面電極3の中央側に向けて延びると共に、その幅方向中心部位にスロット線路1が接続されている。そして、2個のスロット共振器6は、隙間5を挟んで互いに対向すると共に、両者が直接的に電磁結合が可能となるように近付けて配置されている。
また、スロット共振器6とスロット線路1との間には、スロット幅が階段状に広がるようになった整合部7が設けられている。そして、整合部7は、スロット共振器6とスロット線路1との間のインピーダンス整合性を高め、これらの間の結合量の最適化を図っている。
8は表面電極3に形成されたスロットスタブを示している。該スロットスタブ8は、隙間5から表面電極3の中央部側に向けて延びるスロットによって形成され、隙間5から分岐して略四角形の帯状をなしている。そして、スロットスタブ8は、隙間5を挟んで2個の表面電極3にそれぞれ設けられると共に、スロット共振器6を挟んで隙間5の伸長方向両側に設けられている。これにより、スロットスタブ8は、各表面電極3に2個ずつ合計4個設けられている。また、スロットスタブ8の長さ寸法Lsは、スロット線路1を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、例えばλg_odd/4程度の値に設定されている(Ls=λg_odd)。これにより、スロットスタブ8は、その基端側に位置する隙間5の途中部位を奇モードの高周波信号に対して仮想的な開放端にしている。
また、スロットスタブ8は、スロット共振器6との間の距離寸法Dsが、奇モードの高周波信号の波長λg_oddに対して、1/2よりも十分に小さい値(Ds≪λg_odd/2)、または1/2とほぼ同じ値(Ds≒λg_odd/2)に設定されている。即ち、スロットスタブ8とスロット共振器6との間に位置する隙間5の長さ寸法(距離寸法Ds)は、2個のスロット共振器6からなる2段のBPFの通過周波数帯域を偶モードの共振周波数の低域側に広げるか、高域側に広げるかによって適宜設定されるものである。
本実施の形態による伝送線路接続構造は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、一方のスロット線路1に高周波信号を入力すると、スロット4の幅方向に対して電界Eが形成されると共に、スロット4の長さ方向と誘電体基板2の厚さ方向とに対して磁界(図示せず)が形成される。そして、高周波信号は、スロット4の近傍に集中した状態でスロット4に沿って伝搬し、スロット線路1の端部に設けられたスロット共振器6に到達する。このとき、2個のスロット共振器6が互いに近接した状態で配置されているから、2個のスロット共振器6は互いに電磁結合する。このため、2個のスロット線路1はスロット共振器6を用いて互いに接続されるから、高周波信号は、互いに電磁結合した2個のスロット共振器6を介して一方のスロット線路1から他方のスロット線路1に向けて伝搬する。
然るに、各スロット線路1を構成する表面電極3は一定間隔の隙間5を挟んで互いに離間した状態で配置されている。また、2個のスロット共振器6は、隙間5を挟んで互いに対向して配置され、隙間5側が開放された構成となっている。このため、スロット共振器6の開放端から隙間5に向けて高周波信号が漏洩することがある。
このとき、図3に示すように、2個のスロット共振器6が互いに幅方向(伝送方向と直交した方向)に同じ向きの電界Eをもった偶モードで共振したときには、2つの表面電極3の中間に位置するO−O面が磁気壁になるために、隙間5を伝搬するモードは存在しない。これに対し、図4に示すように、2個のスロット共振器6が互いに幅方向に逆向きの電界Eをもった奇モードで共振したときには、O−O面が電気壁となるから、隙間5を伝搬してスロット共振器6から幅方向の両側に向けて漏洩するモードが存在する。このため、奇モードの共振周波数近傍の帯域では、スロット線路1を伝搬する高周波信号の一部が隙間5内に漏洩することがある。
一方、スロット線路1は一般にパッケージ等に収容されると共に、表面電極3はパッケージ内の導体壁面に接触して例えばグランドに接続されているから、隙間5の先端はパッケージ内の壁面によって短絡されている。このため、隙間5の先端に配置された導体壁面には、隙間5内に漏洩した高周波信号によって実電流が流れる。この結果、スロット共振器6の共振周波数は、表面電極3とパッケージとの接続状態の影響を受け易く、2つのスロット線路1の接続特性が不安定になる傾向がある。
これに対し、本実施の形態では、表面電極3には隙間5から分岐するスロットスタブ8を設けたから、スロットスタブ8を用いて隙間5を通じた高周波信号の漏洩を抑制することができる。このため、隙間5の先端側が例えばパッケージ内壁等によって短絡されているときでも、この短絡端に高周波信号による実電流が流れることがなく、スロット共振器6の共振周波数を安定させることができる。
そこで、本実施の形態による効果を確認するために、例えば60GHzの高周波信号に対して、本実施の形態の2つのスロット線路1の伝送特性を電磁界シミュレーションを用いて算出した。この結果を図5に示す。
なお、誘電体基板2の比誘電率εrは24.4(εr=24.4)とし、誘電体基板2の厚さ寸法Tsubは0.3mm(Tsub=0.3mm)とした。また、図1および図2中に示す各部の寸法として、整合部7の幅寸法Wqは0.2mm(Wq=0.2mm)、整合部7の長さ寸法Lqは0.225mm(Lq=0.225mm)、スロット共振器6の幅寸法Wrは0.3mm(Wr=0.3mm)、スロット共振器6の長さ寸法Lrは0.3mm(Lr=0.3mm)、隙間5の間隔寸法Gは0.1mm(G=0.1mm)とした。また、スロット共振器6とスロットスタブ8との間の隙間5の長さ寸法(距離寸法Ds)は0.3mm(Ds=0.3mm)、スロットスタブ8の幅寸法Wsは0.3mm(Ws=0.3mm)とすると共に、スロットスタブ8の長さ寸法Lsは、奇モードの高周波信号の波長λg_oddに対して1/4程度になるように、例えば0.33mm(Ls=0.33mm)とした。さらに、スロットスタブ8から隙間5の終端までの距離寸法Rは0.5mm(R=0.5mm)とした。
図5の結果より、2個のスロット共振器6を用いてスロット線路1を接続したから、60GHz帯において2段の帯域通過フィルタ(BPF)を用いた接続特性が得られている。このとき、反射損失RLが20dB以下となる通過帯域幅BWは、例えば10GHz以上となっている。
次に、本実施の形態によるスロット線路1の接続構造に対して、隙間5の終端位置(距離寸法R)を±0.2mmの範囲で変化させ、反射損失RLの周波数特性をシミュレーションを用いて算出した。この結果を図6に示す。なお、隙間5の終端は短絡されているものとした。
図6の結果より、スロットスタブ8から隙間5の終端までの距離寸法Rが±0.2mmの範囲で変化しても、反射損失RLが20dB以下となる通過帯域幅BWは、6GHz以上確保できることが分かる。これにより、スロット線路1の加工精度が低く、例えば誘電体基板2、表面電極3等が±0.2mmで寸法誤差が生じる場合でも、本実施の形態によるスロット線路1の接続構造では、高周波信号の周波数である60GHzに対して10%程度の通過帯域(比帯域10%)を確保できることが分かった。
一方、スロットスタブ8を省いた比較例によるスロット線路1の接続構造に対して、図6と同様の反射損失RLの周波数特性をシミュレーションを用いて算出した。この結果を図7に示す。ここで、隙間5の終端位置を±0.2mmの範囲で変化させると共に、隙間5の終端は短絡されているものとした。
図7の結果より、隙間5の終端位置に誤差が生じていないとき(ΔR=0mm)には、反射損失RLが20dB以下となる接続特性が実現できている。しかし、終端位置が±0.2mm変化したとき(ΔR=±0.2mm)には、反射損失RLが20dB以下となる接続特性は全く得られなくなる。そして、このような接続特性の劣化は、終端位置が例えば±0.05mmだけ変化した場合(ΔR=±0.05mm)でも生じるものであり、比較例では十分な接続特性が得られないことが分かった。
以上より、スロットスタブ8の効果として、隙間5の終端位置に誤差が生じたときでも、スロット線路1間で十分な接続特性が保持できることが確認できた。また、実際に作成したスロット線路1の接続構造についても、隙間5の終端位置±0.2mmの範囲で変えて、反射損失RLを計測した。この結果を図8に示す。図8の結果より、実際のスロット線路1で隙間5の終端位置±0.2mmの範囲で変えても、反射損失RLが20dB以下となる通過帯域幅BWを5GHz程度確保することができた。
次に、スロットスタブ8とスロット共振器6との間の距離寸法Dsと共振周波数との関係を検討した。その結果を図11に示す。なお、スロット共振器6の長さ寸法Lrは、スロット線路1を伝搬する偶モードの高周波信号の波長をλg_evenとしたときに、λg_even/4程度の値(Lr=λg_even/4)に設定されているものとした。
図11の結果より、スロットスタブ8とスロット共振器6との間の距離寸法Dsが奇モードの高周波信号の波長λg_oddに対して1/2よりも十分に小さい値(Ds≪λg_odd/2)に設定したときには、偶モードの共振周波数Fevenよりも低い低次の奇モードの共振周波数Foddが偶モードの共振周波数Fevenに近い値になる。このとき、2個のスロット共振器6は、図9に示すような状態で共振すると共に、その共振周波数Foddは、スロット共振器6の長さ寸法Lr、スロットスタブ8とスロット共振器6との間の距離寸法Dsおよびスロットスタブ8の長さ寸法Lsとの和が波長λg_oddの1/2程度(Lr+Ds+Ls=λg_odd/2)となるような周波数となる。
一方、スロットスタブ8とスロット共振器6との間の距離寸法Dsが奇モードの高周波信号の波長λg_oddに対して1/2とほぼ同じ値(Ds≒λg_odd/2)に設定したときには、偶モードの共振周波数Fevenよりも高い高次の奇モードの共振周波数Foddが偶モードの共振周波数Fevenに近い値になる。このとき、2個のスロット共振器6は、図10に示すような状態で共振すると共に、その共振周波数Foddは、スロット共振器6の長さ寸法Lr、スロットスタブ8とスロット共振器6との間の距離寸法Dsおよびスロットスタブ8の長さ寸法Lsとの和が波長λg_oddと同程度(Lr+Ds+Ls≒λg_odd)となるような周波数となる。この結果、距離寸法Dsを奇モードの共振周波数Foddを決定するための自由度として利用することができる。
また、図11の結果より、距離寸法Dsを変化させたときに、奇モードの共振周波数Foddは変化するものの、偶モードでの共振では隙間5に高周波信号が漏洩しないため、偶モードの共振周波数Fevenは殆ど変化しないことが分かる。このため、奇モードの共振周波数Foddを偶モードの共振周波数Fevenと独立して決定することができるから、接続構造の設計性を向上することができる。
かくして、本実施の形態では、表面電極3にスロットスタブ8を設けたから、隙間5から漏洩した高周波信号を、スロットスタブ8の帯域阻止効果によって反射させることができる。このため、隙間5を通じた高周波信号の漏洩を抑制することができるから、隙間5の終端で実電流が流れることがなくなる。この結果、スロット線路1をパッケージ内に実装するときの導電性接着剤の塗布ばらつき、パッケージの寸法ばらつき、誘電体基板2の実装位置のばらつき等によって、隙間5の終端位置が変化した場合でも、スロット共振器6の共振周波数を安定させて、2つのスロット線路1間で十分な通過帯域を確保することができる。
また、スロット線路1の誘電体基板2とパッケージとの実装位置精度やパッケージの寸法精度が緩和されるから、パッケージ内にスロット線路1を容易に取付けることができ、製造コストの低減、設計自由度の向上を図ることができる。
さらに、スロットスタブ8の長さ寸法Lsをスロット共振器6が奇モードで共振するときの高周波信号の波長λg_oddに対して1/4程度の値に設定したから、奇モードの高周波信号が隙間5を通じて漏洩するときでも、この高周波信号に対して隙間5とスロットスタブ8との分岐位置(スロットスタブ8の基端側)を仮想的な開放端にすることができる。これにより、漏洩した高周波信号に対する反射特性が向上するから、漏洩した高周波信号をスロットスタブ8で確実に遮断することができ、スロット共振器6の共振周波数の安定性をさらに高めることができる。この結果、誘電体基板2等の各種の寸法に比較的大きなばらつきが生じたときでも、2つのスロット線路1間で所望の通過帯域幅を確保することができると共に、2つのスロット線路1の接続損失を軽減することができる。
また、本実施の形態では、スロットスタブ8とスロット共振器6との間の距離寸法Dsを奇モードの高周波信号の波長λg_oddに対して、1/2よりも十分に小さい値(Ds≪λg_odd/2)、または1/2とほぼ同じ値(Ds≒λg_odd/2)に設定している。これにより、距離寸法Dsの値に応じて低次または高次の奇モードのうちいずれのかの奇モードの共振周波数Foddを偶モードの共振周波数Fevenに近付けることができる。このため、2個のスロット共振器6によるBPFの通過帯域を偶モードの共振周波数Fevenの低周波側または高周波側に設定することができ、2つのモードの結合を用いて通過帯域幅を広げることができる。
また、距離寸法Dsを調整することによって、偶モードの共振周波数Fevenとは独立して奇モードの共振周波数Foddを決定することができる。このため、距離寸法Dsを奇モードの共振周波数Foddを決定するための自由度として利用できると共に、接続構造の設計性を向上できる。
さらに、スロット共振器6とスロットスタブ8との間の隙間5の長さ寸法(距離寸法Ds)をλg_odd/2よりも十分に小さい値に設定した場合には、スロット共振器6とスロットスタブ8とを近付けて配置することができ、スロット線路1の接続構造を小型化することができる。
なお、第1の実施の形態では、略四角形の帯状をなすスロットスタブ8を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、図12に示す第1の変形例のように、先端部が円弧状に形成されたスロットスタブ11を用いる構成としてもよい。この場合、スロットスタブ11の先端側に角隅がなくなるから、角隅の電流集中が緩和され、高周波信号の損失を低減することができる。
また、第1の実施の形態では、直線状に延びるスロットスタブ8を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、図13に示す第2の変形例のように、途中位置で折返した形状をなすスロットスタブ12を用いる構成としてもよい。これにより、スロットスタブ12を小型化することができる。
また、第1の実施の形態では、帯状をなすスロットスタブ8を用いる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、図14に示す第3の変形例のように、略円形状のスロットスタブ13を用いる構成としてもよく、図15に示す第4の変形例のように、略扇形状のスロットスタブ14を用いる構成としてもよい。これらの場合、高周波信号の損失を低減できるのに加えて、広帯域で高周波信号の漏洩を抑制することができる。
さらに、第1の実施の形態では、互いに離間して設けられた2つの表面電極3にはいずれにもスロット共振器6を挟んで幅方向両側にスロットスタブ8を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図16に示す第5の変形例のように、2つの表面電極3のうちいずれか一方の表面電極3にだけスロット共振器6を挟んで幅方向両側にスロットスタブ8を設ける構成としてもよい。
また、例えば図17に示す第6の変形例のように、一方の表面電極3にはスロット共振器6の幅方向一側にスロットスタブ8を設け、他方の表面電極3にはスロット共振器6の幅方向他側にスロットスタブ8を設ける構成としてもよい。
さらに、第1の実施の形態では、一方の表面電極3に設けたスロットスタブ8と他方の表面電極3に設けたスロットスタブ8とは、スロット共振器6との間の距離寸法Dsが同じ位置に設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図18に示す第7の変形例のように、一方の表面電極3に設けたスロットスタブ8と他方の表面電極3に設けたスロットスタブ8とは、スロット共振器6との間の距離寸法が異なる位置に設ける構成としてもよい。これにより、広帯域で高周波信号の漏洩を抑制することができる。
また、前記第1の実施の形態では、誘電体基板2の表面2Aにだけ表面電極3を設けてスロット線路1を構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば誘電体基板2の裏面2Bに略全面に亘ってグランド電極を設け、グラウンデッドスロット線路を構成してもよい。
次に、図19および図20は本発明の第2の実施の形態による伝送線路接続構造を示し、本実施の形態の特徴は、誘電体基板の両面に同様なスロットパターン、共振器パターンおよびスタブパターンを対向配置して、平面誘電体線路(PDTL)、PDTL共振器、PDTLスタブを構成したことにある。
21は伝送線路としての両面対称スロット線路からなる平面誘電体線路(以下、PDTL21という)を示している。該PDTL21は、誘電体基板22、表面電極23、裏面電極24およびスロット25,26によって構成されている。
ここで、誘電体基板22は、第1の実施の形態による誘電体基板2とほぼ同様に、セラミックス材料等を用いて比誘電率εrをもった平板状に形成され、表面22A、裏面22Bを有している。また、誘電体基板22の表面22Aには導電性金属材料を用いて薄膜状に形成された表面電極23が設けられると共に、誘電体基板22の裏面22Bには導体薄膜からなる裏面電極24が形成されている。さらに、表面電極23には、一定の幅寸法をもって帯状(溝状)に開口したスロット25が形成されると共に、裏面電極24には、スロット25と誘電体基板22を挟んで対向する位置にスロット26が設けられている。そして、スロット25,26は、誘電体基板22の両面22A,22Bにほぼ対称に形成され、例えばマイクロ波、ミリ波等の高周波信号の伝送方向(図19中の矢示A方向)に沿って延びている。
また、PDTL21は、高周波信号の伝送方向に沿うように例えば直線状に並んで2個配置されている。このとき、2個のPDTL21の誘電体基板22は互いに離間して配置されている。また、2個のPDTL21が互いに対向する位置では、電極23,24の端縁23A,24Aは、例えば誘電体基板22の端面よりも中央部側(内側)に離間して配置されている。このため、誘電体基板22のうち電極23,24の端縁23A,24Aよりも相手方の誘電体基板22に向けて突出した部分は、誘電体基板22の表面22Aが露出している。
27は一方のPDTL21を構成する電極23,24(両面電極)と他方のPDTL21を構成する電極23,24間に形成された隙間を示している。該隙間27は、一方の電極23,24の端縁23A,24Aと他方の電極23,24の端縁23A,24Aとの間に一定の間隔寸法をもって形成され、一方の電極23,24と他方の電極23,24とを離間した状態で互いに対向させている。これにより、隙間27は、一方の電極23,24と他方の電極23,24との間に挟まれている。
28は各PDTL21の電極23,24に設けられた片端開放のPDTL共振器を示している。該各PDTL共振器28は、スロット25に連続して表面電極23に形成された略四角形の切欠き28Aと、スロット26に連続して裏面電極24に形成された切欠き28Bとによって構成されている。そして、これらの切欠き28A,28Bは誘電体基板22を挟んで互いに対向し、誘電体基板22の両面22A,22Bにほぼ対称に形成されている。また、PDTL共振器28のうち高周波信号の伝送方向に沿った長さ寸法は、例えばPDTL21を伝搬する偶モードの高周波信号の波長をλg_evenとしたときに、λg_even/4程度の値に設定されている。
また、PDTL共振器28の長さ方向一端側は、電極23,24の端部側(端縁23A,24A近傍)に位置して隙間27に向けて開放されている。一方、PDTL共振器28の長さ方向他端側は、電極23,24の中央側に向けて延びると共に、その幅方向中心部位にPDTL21が接続されている。そして、2個のPDTL共振器28は、隙間27を挟んで互いに対向すると共に、両者が直接的に電磁結合が可能となるように近付けて配置されている。
また、PDTL共振器28とPDTL21との間には、スロット幅が階段状に広がるようになった整合部29が設けられている。そして、整合部29は、PDTL共振器28とPDTL21との間のインピーダンス整合性を高め、これらの間の結合量の最適化を図っている。
30は電極23,24に形成されたPDTLスタブを示している。該PDTLスタブ30は、隙間27から電極23,24の中央部側に向けて延びるスロットスタブ30A,30Bによって構成されている。そして、スロットスタブ30A,30Bは、誘電体基板22を挟んで互いに対向して配置され、隙間27から分岐して略四角形の帯状をなしている。また、PDTLスタブ30は、隙間27を挟んで伝送方向両側の電極23,24にそれぞれ設けられると共に、PDTL共振器28を挟んで隙間27の伸長方向両側に設けられている。これにより、PDTLスタブ30は、各電極23,24に2個ずつ合計4個設けられている。また、PDTLスタブ30の長さ寸法は、PDTL21を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、例えばλg_odd/4程度の値に設定されている。これにより、PDTLスタブ30は、その基端側に位置する隙間27の途中部位を奇モードの高周波信号に対して仮想的な開放端にしている。
また、PDTLスタブ30は、第1の実施の形態によるスロットスタブ8とほぼ同様に、PDTL共振器28との間の距離寸法Dsが、奇モードの高周波信号の波長λg_oddに対して、1/2よりも十分に小さい値(Ds≪λg_odd/2)、または1/2とほぼ同じ値(Ds≒λg_odd/2)に設定されている。即ち、PDTLスタブ30とPDTL共振器28との間に位置する隙間27の長さ寸法(距離寸法Ds)は、2個のPDTL共振器28からなる2段のBPFの通過周波数帯域を偶モードの共振周波数の低域側に広げるか、高域側に広げるかによって適宜設定されるものである。
かくして、本実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、PDTLスタブ30は第1の実施の形態によるスロットスタブ8と同様に先端部が略四角形の直線状に延びる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第1の変形例と同様に、先端部を略円弧状に形成してもよく、第2の変形例と同様に、折返した形状に形成してもよく、第3,第4の変形例と同様に、円形状、扇形状に形成してもよい。また、PDTLスタブ30の配置も本実施の形態に限らず、例えば第5〜第7の変形例と同様に種々の配置が可能である。
次に、図21および図22は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、本発明によるスロット線路の接続構造を通信装置に適用したことにある。なお、本実施の形態では、第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は通信装置の外形をなす導電性金属材料のメッキ処理(メタライズ)が施された樹脂パッケージを示している。該樹脂パッケージ41は、上面側が開口した箱形状のケーシング42と、該ケーシング42の開口側を施蓋する略四角形の板状をなす蓋体43とによって構成されている。また、ケーシング42の外周側には、中間周波信号IFを入力、出力するための入力端子42A、出力端子42Bが設けられると共に、バイアス電圧Vdを入力するための電極42Cが設けられている。一方、蓋体43の中央部には、ケーシング42の内部と外部との間で電磁波の送受信が可能となるように、テーパ状に開口した開口部43Aが形成されると共に、該開口部43A内には無給電アンテナ43Bが設けられている。そして、無給電アンテナ43Bは、後述するアンテナブロック45の放射スロット45Aと対向し、放射スロット45Aの指向性、放射特性(放射パターン)を調整している。
44はケーシング42内に収容された誘電体基板をなすマルチチップ基板を示している。該マルチチップ基板44は、誘電体材料からなる例えば5個の分割基板44A〜44Eによって構成され、全体として略四角形の平板状をなしている。また、各分割基板44A〜44Eの表面には表面電極3が略全面に亘って形成されると共に、各分割基板44A〜44Eの表面電極3は互いに隙間5をもって離間している。そして、分割基板44A〜44Eには、機能ブロックとして、後述するアンテナブロック45、共用器ブロック46、送信ブロック47、受信ブロック48、発振器ブロック49がそれぞれ設けられている。
45は送信電波を送信し受信電波を受信するアンテナブロックを示している。該アンテナブロック45は、マルチチップ基板44の中央部側に配設された分割基板44Aに設けられている。そして、アンテナブロック45は放射スロット45Aによって構成され、該放射スロット45Aは、スロット線路1、スロット共振器6によって共用器ブロック46に接続されている。
46はアンテナブロック45に接続されたアンテナ共用器をなす共用器ブロックを示している。該共用器ブロック46は、分割基板44Aの後側に隣接した分割基板44Bに設けられ、四角形状の開口からなるスロット共振器46A等によって構成されている。そして、スロット共振器46Aは、スロット線路1、スロット共振器6によってアンテナブロック45、送信ブロック47、受信ブロック48にそれぞれ接続されている。
47は共用器ブロック46に接続されアンテナブロック45に向けて送信信号を出力する送信ブロックを示している。該送信ブロック47は、分割基板44Bに隣接した分割基板44Cに設けられている。そして、送信ブロック47は、電界効果トランジスタ等の電子部品を用いて形成され発振器ブロック49から出力される局部発振信号に対して中間周波信号IFを混合して送信信号にアップコンバートする混合器47Aと、該混合器47Aによる送信信号から雑音を除去する帯域通過フィルタ47Bと、バイアス電圧Vdによって作動する電子部品を用いて形成され送信信号の電力を増幅する電力増幅器47Cとによって構成されている。
そして、これらの混合器47A、帯域通過フィルタ47B、電力増幅器47Cは、スロット線路1を用いて相互に接続されている。一方、混合器47Aは、スロット線路1、スロット共振器6によって発振器ブロック49に接続されている。また、電力増幅器47Cは、スロット線路1、スロット共振器6によって共用器ブロック46に接続されている。
48は共用器ブロック46に接続されアンテナブロック45によって受信した受信信号が入力されたときに、該受信信号と発振器ブロック49から出力される局部発振信号とを混合して受信信号を中間周波信号IFにダウンコンバートする受信ブロックを示している。該受信ブロック48は、分割基板44Bに隣接した分割基板44Dに設けられている。また、受信ブロック48は、バイアス電圧Vdによって作動する電子部品を用いて形成され受信信号を低雑音で増幅する低雑音増幅器48Aと、該低雑音増幅器48Aによる受信信号から雑音を除去する帯域通過フィルタ48Bと、発振器ブロック49から出力される局部発振信号と該帯域通過フィルタ48Bから出力される受信信号とを混合して中間周波信号IFにダウンコンバートする混合器48Cとによって構成されている。
そして、これらの低雑音増幅器48A、帯域通過フィルタ48B、混合器48Cは、スロット線路1を用いて相互に接続されている。一方、低雑音増幅器48Aは、スロット線路1、スロット共振器6によって共用器ブロック46に接続されている。また、混合器48Cは、スロット線路1、スロット共振器6によって発振器ブロック49に接続されている。
49は送信ブロック47と受信ブロック48とに接続され所定周波数の局部発振信号(例えばマイクロ波、ミリ波等の高周波信号)を発振する発振器ブロックを示している。該発振器ブロック49は、分割基板44C,44Dに挟まれた分割基板44Eに設けられている。そして、発振器ブロック49は、バイアス電圧Vdによって作動する電子部品等を用いて形成されている。具体的には、発振器ブロック49は、制御信号Vcに応じた周波数の信号を発振する電圧制御発振器49Aと、該電圧制御発振器49Aによる信号を送信ブロック47と受信ブロック48とに供給するための分岐回路49Bとによって構成されている。
そして、これらの電圧制御発振器49A、分岐回路49Bは、スロット線路1を用いて相互に接続されている。また、分岐回路49Bは、スロット線路1、スロット共振器6によって送信ブロック47と受信ブロック48とに接続されている。
ここで、スロット共振器6は、隣接する2つの分割基板44A〜44Eに互いに近接してそれぞれ設けられ、両者が電磁結合することによって、隣接する分割基板44A〜44E間のスロット線路1を接続している。
また、各分割基板44A〜44E間を接続するスロット共振器6の幅方向両側にはスロットスタブ8が設けられている。これにより、表面電極3間の隙間5を通じて高周波信号が樹脂パッケージ41側に漏洩するの抑制している。
本実施の形態による通信装置は上述のように構成されるものであり、次にその作動について説明する。
まず、通信装置を用いて送信を行うときには、送信ブロック47に対して発振器ブロック49を用いて所定周波数の局部発振信号を入力すると共に、中間周波信号IFを入力する。これにより、送信ブロック47は、発振器ブロック49による局部発振信号と中間周波信号IFを混合してアップコンバートし、このアップコンバートされた送信信号を共用器ブロック46を介してアンテナブロック45に向けて出力する。この結果、アンテナブロック45は放射スロット45Aを通じて高周波の送信信号を放射し、無給電アンテナ43Bはこの送信信号の放射パターンを調整しつつ蓋体43の開口部43Aを通じて外部に向けて送信する。
一方、通信装置を用いて受信を行うときには、アンテナブロック45から受信した受信信号は、共用器ブロック46を介して受信ブロック48に入力される。このとき、受信ブロック48に対して発振器ブロック49を用いて所定周波数の局部発振信号を入力する。これにより、受信ブロック48は、発振器ブロック49による局部発振信号と受信信号とを混合して中間周波信号IFにダウンコンバートする。
かくして、本実施の形態によれば、分割基板44A〜44Eのスロット線路1はスロット共振器6を用いて非接触な状態で電気的に接続すると共に、スロット共振器6の周囲にはスロットスタブ8を設けている。これにより、隙間5内に漏洩した高周波信号が伝搬するのを抑制することができる。このため、スロット線路1の接続状態を安定させることができるから、通信装置全体の特性を安定化することができ、信頼性を高めることができる。さらに、樹脂パッケージ41、マルチチップ基板44、表面電極3等の寸法精度、実装精度に拘わらずスロット線路1の接続特性を安定させることができるから、通信装置全体の製造コストの低減、設計自由度の向上を図ることができる。
なお、第3の実施の形態では、本発明による伝送線路接続構造を送受信装置としての通信装置に適用した場合を例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、送受信装置として例えばレーダ装置等に適用してもよい。
また、第3の実施の形態では、スロット線路1、スロット共振器6、スロットスタブ8を用いるものとした。しかし、本発明はこれに限らず、第2の実施の形態と同様に、PDTL、PDTL共振器、PDTLスタブを用いる構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、スロット線路1、PDTL21とスロット共振器6、PDTL共振器28との間には整合部7,29を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば整合部を省いてスロット線路、PDTLをスロット共振器、PDTL共振器に直接的に接続する構成としてもよい。
また、前記各実施の形態では、表面電極3,23、裏面電極24の端縁3A,23A,24Aは誘電体基板2,22の端面と異なる位置に配置した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば表面電極、裏面電極の端縁を誘電体基板の端面と同じ位置に配置する構成としてもよい。
さらに、前記各実施の形態では、2個のスロット線路1、PDTL21は2枚の誘電体基板2,22に別個に設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば1枚の同じ誘電体基板に2つの表面電極を離間して設けることによって2個のスロット線路を設ける構成としてもよく、2個のPDTLを1枚の誘電体基板に設ける構成としてもよい。

Claims (5)

  1. 誘電体基板と、該誘電体基板の片面に形成された片面電極と、該片面電極に形成された所定間隔のスロットとによって伝送線路を構成し、該伝送線路を複数接続する伝送線路接続構造において、
    前記複数の伝送線路の片面電極を隙間を挟んで互いに離間して設け、
    前記複数の片面電極には、前記各伝送線路に接続され隙間側が開放された片端開放の共振器を互いに結合可能な状態でそれぞれ設け、
    前記複数の片面電極のうち少なくとも1つの片面電極には、当該複数の片面電極間の隙間を通じた信号の漏洩を抑制するスタブを設け、
    前記伝送線路を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、該スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、前記共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2よりも十分に小さい値に設定する構成としたことを特徴とする伝送線路接続構造。
  2. 誘電体基板と、該誘電体基板の両面にそれぞれ形成された両面電極と、該両面電極に形成され前記誘電体基板を挟んで互いに対向した所定間隔のスロットとによって伝送線路を構成し、該伝送線路を複数接続する伝送線路接続構造において、
    前記複数の伝送線路の両面電極を隙間を挟んで互いに離間して設け、
    前記複数の両面電極には、前記各伝送線路に接続され隙間側が開放された片端開放の共振器を互いに結合可能な状態で設け、
    前記複数の両面電極のうち少なくとも1つの両面電極には、当該複数の両面電極間の隙間を通じた信号の漏洩を抑制するスタブを設け、
    前記伝送線路を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、該スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、前記共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2よりも十分に小さい値に設定する構成としたことを特徴とする伝送線路接続構造。
  3. 誘電体基板と、該誘電体基板の片面に形成された片面電極と、該片面電極に形成された所定間隔のスロットとによって伝送線路を構成し、該伝送線路を複数接続する伝送線路接続構造において、
    前記複数の伝送線路の片面電極を隙間を挟んで互いに離間して設け、
    前記複数の片面電極には、前記各伝送線路に接続され隙間側が開放された片端開放の共振器を互いに結合可能な状態でそれぞれ設け、
    前記複数の片面電極のうち少なくとも1つの片面電極には、当該複数の片面電極間の隙間を通じた信号の漏洩を抑制するスタブを設け、
    前記伝送線路を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、該スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、前記共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2程度の値に設定する構成としたことを特徴とする伝送線路接続構造。
  4. 誘電体基板と、該誘電体基板の両面にそれぞれ形成された両面電極と、該両面電極に形成され前記誘電体基板を挟んで互いに対向した所定間隔のスロットとによって伝送線路を構成し、該伝送線路を複数接続する伝送線路接続構造において、
    前記複数の伝送線路の両面電極を隙間を挟んで互いに離間して設け、
    前記複数の両面電極には、前記各伝送線路に接続され隙間側が開放された片端開放の共振器を互いに結合可能な状態で設け、
    前記複数の両面電極のうち少なくとも1つの両面電極には、当該複数の両面電極間の隙間を通じた信号の漏洩を抑制するスタブを設け、
    前記伝送線路を伝搬する奇モードの高周波信号の波長をλg_oddとしたときに、該スタブの長さ寸法をλg_odd/4程度の値に設定し、前記共振器とスタブとの間の長さ寸法をλg_odd/2程度の値に設定する構成としたことを特徴とする伝送線路接続構造。
  5. 前記請求項1ないし4のうちいずれかに記載の伝送線路接続構造を用いた送受信装置。
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