JP4546753B2 - スパークプラグ - Google Patents

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Description

本発明は、中心電極が挿設された絶縁碍子を保持する主体金具の表面上にめっき層を形成した内燃機関用のスパークプラグに関するものである。
従来、内燃機関には点火のためのスパークプラグが用いられている。一般的なスパークプラグは、中心電極が挿設された絶縁碍子を保持する主体金具と、この主体金具の先端部に溶接された接地電極を有しており、この接地電極の他端部と、中心電極の先端部とが対向して火花放電ギャップを形成している。そして、中心電極と接地電極との間で火花放電が行われる。
ところで、このようなスパークプラグは、特許文献1のように、主体金具に形成された係合部の外周面とエンジンヘッドに設けられた取付孔の内周面とが係合するように主体金具の係合部が取付孔に挿入され、エンジンヘッドに取り付けられる。そして、中心電極先端部の熱が絶縁碍子を介して主体金具に伝熱され、さらに主体金具の係合部からエンジンヘッドに向けて放熱されるようになっている。
特開2002−83661号公報
近年、スパークプラグの小型化の傾向に伴って、絶縁碍子および主体金具にかかる熱負荷が高くなってきている。この絶縁碍子および主体金具の熱負荷を軽減するためには、中心電極先端部の熱をエンジンヘッドに向かって放熱する放熱性の向上が要求され、そのためには主体金具とエンジンヘッドとの間に高い密着性が要求される。
ところが、エンジン駆動後、エンジンヘッドの取付孔と主体金具の係合部との間に間隙ができることがあった。これは、一般に、エンジンヘッドは、軽量化および自身の熱の放熱性向上のために、アルミニウムを主成分とする合金から形成される。一方、スパークプラグの主体金具は、絶縁碍子の保持や主体金具の強度等を考慮し、S10C(JIS規格)やS15Cというような鋼鉄材料を使用している。よってアルミニウムからなるエンジンヘッドの熱膨張率は、鋼鉄材料からなる主体金具の熱膨張率よりも大きいので、スパークプラグの温度が上がるにつれて、エンジンヘッドの取付孔の熱膨張と主体金具の熱膨張とに違いが生じ、間隙が生じると考えられる。つまり、スパークプラグの中心電極先端部が高温になればなるほど、エンジンヘッドと主体金具の係合部との密着性が低下し、スパークプラグからエンジンヘッドへの放熱性が低下し、スパークプラグの絶縁碍子および主体金具に熱負荷がかかる虞があった。
また、主体金具の係合部が、該係合部の外周面を雄ねじ状に形成されたねじ部を有するスパークプラグがある。このスパークプラグは、エンジンヘッドの取付孔に形成された雌ねじ部と上記ねじ部とにより、エンジンヘッドと主体金具とが螺合することで、エンジンヘッドに取り付けられる。しかしながら、アルミニウムからなるエンジンヘッドの熱膨張率は、鋼鉄材料からなる主体金具の熱膨張率よりも大きいので、スパークプラグの温度が上がるにつれて、エンジンヘッドの取付孔の熱膨張と主体金具の熱膨張とに違いが生じ、螺合して取り付いたエンジンヘッドと主体金具とが緩むことがある。これにより、エンジンヘッドと主体金具の係合部との密着性が低下し、スパークプラグからエンジンヘッドへの放熱性が低下し、スパークプラグの絶縁碍子および主体金具に熱負荷がかかる虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、スパークプラグが高温になったとしても、スパークプラグの絶縁碍子および主体金具にかかる熱負荷を低減することができるスパークプラグを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグは、中心電極と、軸線方向に貫通する軸孔を有し、その軸孔の先端側で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲みつつ、該絶縁碍子を保持する鋼鉄材料からなる主体金具を備えたスパークプラグであって、前記主体金具は、前記スパークプラグをエンジンヘッドに組み付けた際に、そのエンジンヘッドに係合する雄ねじ状のねじ部を有し、少なくとも前記ねじ部の表面上には、前記主体金具のその他の表面上よりも厚く、かつ、10μm以上、300μm以下の厚みを有し、亜鉛を主成分とする金属層が形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明のスパークプラグは、少なくとも主体金具のねじ部の表面上に、亜鉛を主成分とする金属層を形成した。これにより、エンジンヘッドのアルミニウムおよび主体金具の鋼鉄材料よりも熱膨張率が大きい亜鉛または亜鉛を主成分とする合金からなる金属層が、スパークプラグをエンジンヘッドに取り付けた際に、エンジンヘッドの雌ねじ部と主体金具のねじ部とに挟まれた状態となる。そして、スパークプラグの温度が上昇しても、金属層が熱膨張することで、螺合により取り付いたエンジンヘッドと主体金具とが緩むことがなくなり、エンジンヘッドの雌ねじ部と主体金具のねじ部との密着性が維持される。よって、スパークプラグからエンジンヘッドへの放熱性が維持され、スパークプラグの絶縁碍子および主体金具にかかる熱負荷を低減することができる。なお、金属層は、主体金具のねじ部の表面上にのみ形成してもよいし、主体金具全体の表面上に形成してもよい。
さらに、この金属層の厚みを、10μm以上300μm以下となるように構成した。これにより、スパークプラグの温度が上昇しても、金属層により十分にエンジンヘッドと主体金具とが緩むことがなくなり、エンジンヘッドの雌ねじ部と主体金具のねじ部との密着性が維持される。よって、スパークプラグの絶縁碍子および主体金具にかかる熱負荷を低減することができる。なお、金属層の厚みが10μm未満であると、上記効果を得ることができず、エンジンヘッドと主体金具とが緩むことがある。一方、金属層の厚みが300μmを越えると、エンジンヘッドの雌ねじ部と主体金具のねじ部とに挟まれた金属層自身がエンジンヘッドと主体金具との螺合を邪魔し、スパークプラグのエンジンヘッドへの組み付けが難しくなることがある。
以下、本発明を具体化したスパークプラグの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、第1の実施の形態におけるスパークプラグの一例としてのスパークプラグ100の構造について説明する。図1は、第1の実施の形態のスパークプラグ100の部分断面図である。なお、図1に示す軸線O方向(図中一点鎖線Oで示す)において、中心電極2が設けられた側をスパークプラグ100の先端側とし、端子金具4が設けられた側を後端側として説明する。
図1に示すように、スパークプラグ100は、概略、絶縁体を構成する絶縁碍子1と、この絶縁碍子1を保持する主体金具5と、絶縁碍子1内に軸線O方向に延びるようにして保持された中心電極2と、主体金具5の先端面57に一端部62を溶接され、他端部61が中心電極2の先端部22に対向する接地電極60と、絶縁碍子1の後端部に設けられた端子金具4とから構成されている。
まず、このスパークプラグ100の絶縁体を構成する絶縁碍子1について説明する。絶縁碍子1は筒形状を有し、周知のようにアルミナ等を焼成して形成される。この絶縁碍子1の先端部(軸線O方向における先端側の端部)には、内燃機関の燃焼室に曝される脚長部13が設けられている。また、絶縁碍子1の軸中心には軸線O方向に延びる軸孔12が形成される。
中心電極2は、インコネル(商標名)600または601等のニッケル系合金等で形成され、内部に熱伝導性に優れる銅等からなる金属芯23を有している。中心電極2の先端部22は絶縁碍子1の先端面から突出している。また、中心電極2は、軸孔12の内部に設けられたシール体14および抵抗体3を経由して、上方の端子金具4に電気的に接続されている。そして端子金具4には高圧ケーブル(図示外)がプラグキャップ(図示外)を介して接続され、外部回路より高電圧が印加されるようになっている。
次に、主体金具5について説明する。主体金具5は絶縁碍子1を保持し、エンジンヘッド40(図3参照)にスパークプラグ100を固定するための円筒状の金具である。主体金具5は絶縁碍子1を取り囲むようにして保持している。主体金具5はS10C(JIS規格)やS15C等の低炭素鋼材(熱膨張率12〜15×10−6/K)で形成され、図示外のスパークプラグレンチが嵌合する工具係合部51と、エンジンヘッド40の雌ねじ部43(図3参照)に螺合する雄ねじ部52とを備えている。なお、雄ねじ部52が、本発明における「ねじ部」に相当する。
さらに、主体金具5は工具係合部51の後端側にかしめ部53を有している。そのかしめ部53をかしめることにより、板パッキン8を介して絶縁碍子1が主体金具5の段部56に支持されて、主体金具5と絶縁碍子1とが一体にされる。かしめによる密閉を完全なものとするため、主体金具5と絶縁碍子1との間に環状のリング部材6,7が介在され、リング部材6,7の間にはタルク(滑石)9の粉末が充填されている。また、主体金具5の中央部には鍔部54が形成され、雄ねじ部52の後端側近傍、すなわち鍔部54の座面55にはガスケット10(薄板を折りたたんだ環状のパッキン)が嵌挿されている。
次に、接地電極60について説明する。接地電極60は耐腐食性の高い金属から構成され、一例として、インコネル(商標名)600または601等のニッケル合金が用いられる。この接地電極60は、自身の長手方向の横断面が略長方形を有しており、一端部62が主体金具5の先端面57に溶接により接合されている。また、接地電極60の他端部61は、中心電極2の先端部22に対向するように屈曲されている。
図2は、スパークプラグ100の雄ねじ部52の拡大断面図である。図2に示すように、スパークプラグ100の主体金具5の表面上に亜鉛めっき層50(熱膨張率は約30×10−6/K)が形成されている。また、膜厚が100μmに形成されている。なお、亜鉛めっき層50が、本発明における「金属層」に相当する。
このスパークプラグ100は、次のように製造する。ただし、本実施の形態の要部の製造方法を中心に説明し、公知部分については、説明を省略または簡略化する。
まず、主原料にアルミナを使用し、高温で所定の形状に焼成することによって絶縁碍子1を形成する。また、鋼鉄材料を使用し、所定の形状に塑性加工することによって、主体金具5を形成する。この際、主体金具5に工具係合部51、雄ねじ部52、かしめ部53および鍔部54を所定の形状に作成している。次いで、ニッケル系合金からなる棒状の中心電極2、接地電極60を作成する。なお、中心電極2の形成時には、金属芯23を挿入して形成している。
そして、接地電極60を主体金具5の先端面に抵抗溶接等を用いて接合し、接地電極60付き主体金具5を形成する。そして、この接地電極60付き主体金具5に公知のバレルめっき装置を用いて電気めっき処理を行い、接地電極60付き主体金具5に亜鉛めっき層50を形成する。
次に、公知の手法により中心電極2、端子金具4等が固設された絶縁碍子1を、接地電極60付き主体金具5に組み付ける。そして、接地電極60が中心電極2の先端部22に対向するように、接地電極60を曲げ、図1に示すような、内燃機関用スパークプラグ100が完成する。
このスパークプラグ100は、内燃機関のエンジンヘッド40に組み付けられて使用される。図3は、スパークプラグ100をエンジンヘッド40に組み付けた状態を示す縦断面図である。
エンジンヘッド40は、JIS H 4140(2001年)に記載されたアルミニウム合金・A2018や、アルミニウム合金・A4032や、JIS H 5202(2001年)に記載されたアルミニウム合金・AC4Bや、アルミニウム合金・AC4C、アルミニウム合金・AC4D等からなるアルミニウム合金(熱膨張率23〜24×10−6/K)で構成され、図3に示すように、スパークプラグ100を取り付けるためのプラグ孔41が形成されている。プラグ孔41には雌ねじ部43が形成され、プラグ孔41により外部と燃焼室42内を連結している。
そして、エンジンヘッド40のプラグ孔41に、ガスケット10がエンジンヘッド40に当接するまでスパークプラグ100をねじ込むと、接地電極60および中心電極2の先端部22がエンジンの燃焼室42内に露出する。このとき、主体金具5は、雄ねじ部52にてエンジンヘッド40のプラグ孔41の雌ねじ部43に螺合する。雄ねじ部52の表面には亜鉛めっき層50(図2参照)が形成されており、エンジンヘッド40は、亜鉛めっき層50を間に挟み、主体金具5に密接する。
このように、スパークプラグ100の主体金具5の雄ねじ部52の表面上に、亜鉛を主成分とする、厚みが10μm以上、300μm以下の亜鉛めっき層50を形成した。これにより、亜鉛めっき層50がエンジンヘッド40の雌ねじ部43と主体金具5の雄ねじ部52とに挟まれた状態となる。すると、スパークプラグ100の温度が上昇しても、亜鉛めっき層50が熱膨張することで、エンジンヘッド40と主体金具5との螺合が緩むことがなくなり、エンジンヘッド40の雌ねじ部43と主体金具5の雄ねじ部52との密着性が維持される。よって、スパークプラグ100からエンジンヘッド40への放熱性が維持され、スパークプラグ100の絶縁碍子1および主体金具5にかかる熱負荷を低減することができる。
[実施例1]
次に、エンジンヘッド40と主体金具5との密着状態を効果的に維持することができるように、亜鉛めっき層50の厚みを確認するための評価試験を行った。以下、図4,図5を参照し、評価試験の方法およびその結果について説明する。図4は、亜鉛めっき層50の厚みの測定を行う方法を説明するための図である。図5は、亜鉛めっき層50の厚みによる密着性に対する評価試験の結果を示す表である。
まず、評価試験を行うにあたり、ねじ径がM14のスパークプラグ100を用意した。このスパークプラグ100の主体金具5の材料としてS10Cを用いた。また、主体金具5の雄ねじ部52の軸方向の長さを19mmとした。
そして評価試験では、亜鉛めっき層50の厚みが異なる8つのサンプルのそれぞれに対し、ねじの強度、熱間緩み、耐熱性についての評価を行った。ねじの強度についての評価は、エンジンヘッド40を模したアルミニウム合金(AC4C)製のブッシュに主体金具5を取り付ける際の締め付けにおいて、雄ねじ部52が破損、または主体金具5が破断したときのトルクによって評価した。締め付けトルクが7.0Kg・m未満で雄ねじ部52の破損または主体金具5の破断が発生したとき、亜鉛めっきを施すことによって主体金具5の強度が低下したと判断して、「×」と評価した。また、締め付けトルクが7.0Kg/m以上で雄ねじ部52の破損が発生したとき、亜鉛めっきを施すことによって主体金具5の強度がやや低下したと判断して、「△」と評価した。そして、締め付けトルクが7.0Kg/m以上で主体金具5の破断が発生したとき、亜鉛めっきを施しても主体金具5の強度は保たれたと判断して、「○」と評価した。
熱間緩みについての評価は、ねじ強度試験と同じエンジンヘッド40を模したアルミニウム合金製のブッシュに主体金具5を規定トルク(1.5kg・m)で締め付け、約50〜200℃の熱と、50〜500Hzの振動とを印加した後に主体金具5を取り外し、そのときの緩めトルクを測定して評価を行った。加熱は、常温(25℃)から30分かけて昇温し、200℃で30分固定の後、60分かけて常温に降温させる熱サイクルを繰り返した。加振は、1分間で50Hzから500Hzにし、次の1分間で500Hzから50Hzにする処理を行い、これを1サイクルとして繰り返すことによって行った。このとき、主体金具5における軸線O方向と、軸線O方向と直交する方向とのそれぞれに8時間、振動を印加した。
締め付けトルクに対する緩めトルクが90%以上であった場合、緩みによる影響はないと判断して、「☆」と評価した。締め付けトルクに対する緩めトルクが80%以上、90%未満であった場合、緩みによる影響はほとんどないと判断して、「○」と評価した。締め付けトルクに対する緩めトルクが70%以上、80%未満であった場合、緩みによる影響があると判断して、「△」と評価した。そして、締め付けトルクに対する緩めトルクが70%未満であった場合、締め付けが維持されないものと判断して、「×」と評価した。
耐熱性についての評価は、実機にて行った。エンジンとして4気筒1.6リットルのものを用いた。そして、エンジンを5500rpm・全負荷にて駆動し、スパークプラグ100の点火時期を進めていったときに、プレイグニッション(過早着火)が発生した時期を測定して評価した。亜鉛めっき層50の厚みが5μmであるスパークプラグを基準に、進角が+4°以上であった場合は耐熱性に問題ないと判断して、「☆」と評価した。進角が+2°以上、+4°未満であった場合、耐熱性は保たれると判断して、「○」と評価した。進角が+0°以上、+2°未満であった場合、耐熱性に問題有りと判断して、「△」と評価した。そして、進角が+0°未満であった場合、耐熱性に劣ると判断して、「×」と評価した。
そして、上記3つの評価のうち、1つでも「△」または「×」と評価されれば、亜鉛めっき層50の厚みは不十分であると判断し、総合評価としては「△」または「×」と評価した。
また、主体金具5の表面上に形成した亜鉛めっき層50の厚みについて、以下のように測定した。めっき厚の測定には、セイコー電子社製、蛍光X線膜厚計(SFT3000)を利用した。図4に示すように、スパークプラグ100の主体金具5の先端面57より後端側に向かって略10mm離れた位置で、主体金具5の雄ねじ部52に向けて、軸線O方向に対して45度の角度から蛍光X線を照射して測定を行った。このとき、蛍光X線のスポット径は直径0.2mmとし、雄ねじ部52のねじ山の略中央にスポットが当たるように、照射位置の微調整を行い測定した。
図5に示すように、亜鉛めっき層50の厚みが0μm、すなわち、亜鉛めっきを施さなかった場合、ねじの強度については問題がなく「○」と評価されたが、熱間緩みと耐熱性についてはそれぞれ「×」,「×」と評価され、総合評価として「×」となった。亜鉛めっき層50の厚みが5μmであった場合、ねじの強度については問題がなく「○」と評価されたが、熱間緩みと耐熱性についてはそれぞれ「△」,「△」と評価され、総合評価として「△」となった。
亜鉛めっき層50の厚みが10μmおよび20μmであった場合、ねじの強度、熱間緩み、耐熱性のいずれの面においても問題がなく「○」と評価され、総合評価として「○」となった。亜鉛めっき層50の厚みを100μmとした場合、ねじの強度、耐熱性についてはそれぞれ「○」,「○」と評価された。そして、熱間緩みについては「☆」と評価された。総合評価としては「○」とした。亜鉛めっき層50の厚みを300μmとした場合、ねじの強度については「○」と評価された。そして、熱間緩みおよび耐熱性についてはそれぞれ「☆」,「☆」と評価された。総合評価としては「○」とした。
亜鉛めっき層50の厚みが500μmとした場合、ねじの強度については「△」と評価された。熱間緩み、耐熱性についてはそれぞれ「☆」,「☆」と評価された。このため、総合評価としては「△」とした。亜鉛めっき層50の厚みが800μmの場合は、ねじの強度が「×」と評価された。熱間緩みや耐熱性に関しては試験を行うまでもなく、総合評価は「×」となった。
この結果から、亜鉛めっき層50の厚みを10μm以上、300μm以下とするとよいことがわかった。
次に、第2の実施の形態のスパークプラグ200について、図6〜図8を参照して説明する。図6は、第2の実施の形態のスパークプラグ200の部分断面図である。図7は、スパークプラグ200の差し込み部152の部分拡大断面図である。図8は、スパークプラグ200をエンジンヘッド140に組み付けた状態を示す縦断面図である。
図6に示すように、第2の実施の形態のスパークプラグ200の主体金具105には、雄ねじ部52がなく、代わりに、エンジンヘッド140(図8参照)に形成された雌ねじの無いプラグ孔141に挿入される円筒状の差し込み部152が形成されている。従って、主体金具105には、工具係合部がなく、代わりに鍔部154が大きく突出されている。図8に示すように、この鍔部154をねじ144によりエンジンヘッド140に固定されるプラグ固定金具145により固定することにより、スパークプラグ200がエンジンヘッド140に固定される。なお、差し込み部152が、本発明における「係合部」に相当する。
図7に示したように、このような雄ねじ部のないスパークプラグ200においても、第1の実施の形態と同様に、主体金具105の表面上に亜鉛めっき層150を形成している。この亜鉛めっき150の厚みは100μmである。
このように、スパークプラグ200の主体金具105の差し込み部152の表面上に、亜鉛を主成分とする、厚みが10μm以上の亜鉛めっき層50を形成した。これにより、亜鉛めっき層50がエンジンヘッド140のプラグ孔141と主体金具105の差し込み部152とに挟まれた状態となる。すると、スパークプラグ200の温度が上昇しても、亜鉛めっき層50が熱膨張することで、エンジンヘッド140と主体金具105との間隙を埋める状態となり、エンジンヘッド140と主体金具105の差し込み部152との密着性が維持される。よって、スパークプラグ200からエンジンヘッド140への放熱性が維持され、スパークプラグ200の絶縁碍子1および主体金具105にかかる熱負荷を低減することができる。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、亜鉛めっき層の表面上に、三価クロムを主成分とするクロメート被膜層を形成してもよい。クロメート被膜層を形成することで、亜鉛めっき層を保護して耐食性を高めることができ、また、スパークプラグ100の外観を見栄えよくすることができる。
また、第1,第2の実施の形態では、亜鉛めっき層50,150をバレルめっきにより形成したため、主体金具5,105の全体に形成されたが、本発明に係るめっき厚を有する亜鉛めっき層は雄ねじ部52,差し込み部152に形成すれば足り、他の部位には、従来のめっき厚(例えば5μm)の亜鉛めっき層を形成してもよい。
本発明は内燃機関に用いられるスパークプラグに適用することができる。
第1の実施の形態のスパークプラグ100の部分断面図である。 スパークプラグ100の雄ねじ部52の拡大断面図である。 スパークプラグ100をエンジンヘッド40に組み付けた状態を示す縦断面図である。 亜鉛めっき層50の厚みの測定を行う方法を説明するための図である。 亜鉛めっき層50の厚みによる密着性に対する評価試験の結果を示す表である。 第2の実施の形態のスパークプラグ200の部分断面図である。 スパークプラグ200の差し込み部152の部分拡大断面図である。 スパークプラグ200をエンジンヘッド140に組み付けた状態を示す縦断面図である。
1 絶縁碍子
2 中心電極
5,105 主体金具
12 軸孔
50,150 亜鉛めっき層
52 雄ねじ部
100,200 スパークプラグ
152 差し込み部

Claims (1)

  1. 中心電極と、軸線方向に貫通する軸孔を有し、その軸孔の先端側で前記中心電極を保持する絶縁碍子と、前記絶縁碍子の径方向周囲を取り囲みつつ、該絶縁碍子を保持する鋼鉄材料からなる主体金具を備えたスパークプラグであって、
    前記主体金具は、前記スパークプラグをエンジンヘッドに組み付けた際に、そのエンジンヘッドに係合する雄ねじ状のねじ部を有し、
    少なくとも前記ねじ部の表面上には、前記主体金具のその他の表面上よりも厚く、かつ、10μm以上、300μm以下の厚みを有し、亜鉛を主成分とする金属層が形成されていることを特徴とするスパークプラグ。
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