JP4545486B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波流量計に関する。
従来、都市ガス、水などの流体の流量を計測する装置として、超音波流量計が知られている。超音波流量計は、流路の流体流れ方向上流側および下流側に一対の超音波センサを備え、これら超音波センサ間で超音波の送受信を行なうことにより、流路を流れる流体の平均流速および流量を求める仕組みである。
測定原理の一つには、流れ方向上流側の超音波センサから流れ方向下流側の超音波センサに到達するまでの時間(以下、順方向到達時間という)と、流れ方向下流側の超音波センサから流れ方向上流側の超音波センサに到達するまでの時間(以下、逆方向到達時間という)とを計測して、両者の時間の逆数差から流路を流れる流体の平均流速および流量を求める方法がある。他の測定原理の一つには、超音波の位相比較制御により流量計測を行なう方法がある。
上記のような超音波流量計においては、受信側の超音波センサで反射され、さらに送信側の超音波センサで反射されて再び受信側に戻ってくる第3次反射波(サードパス、1.5往復反射波ともいう)が、ノイズとなって直接到達波に重畳され、S/N低下を招き、計測精度の向上を妨げることが知られている。こうした問題を回避するために、第3次反射波の到達時刻を予測して超音波の送信タイミングをずらす制御や、反射波が十分減衰するまで待ってから次の送信を行なう制御が採用されている。
特開平11−23333号公報 特開2002−071411号公報
しかしながら、第3次反射波が検出されることを回避するために、わざわざ送信タイミングを遅らせたりすることは、計測時間を短縮化して計測精度の向上、低消費電力化を図るという技術の流れに逆行する。低消費電力化の問題は、そのことが最重要課題の一つである電池駆動の超音波流量計で特に重要性を帯びてくる。また、超音波の送信タイミングの制御も複雑化する。
本発明は、制御の複雑化や計測時間の拡大といったマイナス要因を伴うことなく反射波の影響が低減され、計測精度の向上が図られた超音波流量計を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために本発明は、流体が流通する流通管の上流側と下流側とにセンサ取り付け凹部が形成され、センサ取り付け凹部のそれぞれに超音波センサが流体と直接接するように配置された超音波流量計において、センサ取り付け凹部によって形成された凹所に、超音波を減衰させる超音波減衰体が配置され、
超音波減衰体は、超音波センサの音響整合層に固定する面接触形で配置されていることを主要な特徴とする。
上記本発明は、流通管内に超音波センサが露出する構造の超音波流量計である。こうした構造の超音波流量計では、センサ取り付け凹部が流通管の上流側と下流側とに一対設けられる。超音波センサは、このセンサ取り付け凹部の底をなすような形で配置される。ただし、センサ取り付け凹部は、超音波センサを取り付けた後にも凹所が形成される(図1参照)。この凹所には、通常、流体の淀みが形成される。そして、本発明では、この凹所に超音波減衰体を配置している。超音波減衰体は、直接到達波の受信時にノイズとなる不要反射波(特に3次反射波)を大きく減衰させる。したがって、わざわざ送信タイミングを遅らせるような制御を行なわなくても高いS/Nが得られるようになり、高精度計測・低消費電力を実現できる。超音波減衰体により直接到達波も減衰を受けるが、3次反射波の減衰分を考慮したトータルのS/Nは、超音波減衰体を設けない場合よりも確実に高くなる。
一方、こうした超音波減衰体は、流通管の壁面と面一となるように配置することで、次のような効果も見込める。すなわち、超音波減衰体がセンサ取り付け凹部を塞ぐ(蓋をする)ように配置されている場合、超音波センサに隣接して形成された凹所に流体が流れ込み難くなる。すると、センサ取り付け凹部の周辺において、流れに乱れが生じ難くなり、より高精度の流量計測が可能となる。
上記の超音波減衰体は、非金属材料であることが望ましい。具体的には、不織布等の繊維集合体や、グラスウール、ロックウール等の多孔質材料で構成することができる。たとえば、センサ取り付け凹部を金網のようなもので覆う場合、金網の通孔以外の部分では全反射がおこる。また、通孔を通る超音波は、金網による減衰作用をほとんど受けない。一方、繊維集合体や多孔質材料で超音波減衰体を構成すれば、(a)固体部分での吸収による減衰作用と、(b)空孔部分を伝搬する超音波と、固体部分を伝搬する超音波との干渉による減衰作用と、を見込めるので超音波の減衰効果を十分に得ることができる。
また、本発明の超音波流量計の超音波減衰体は、超音波センサが配置される側とは反対側の表面が、平面波を反射して球面波を生成する凹凸形状を呈するものである。超音波減衰体の表面が凹凸になっている場合、凸面に入射した平面波が球面波に変換される。球面波は拡散減衰(距離の逆二乗に比例)するので、媒質による吸収減衰(距離の逆数に比例)だけのときよりも減衰量が大きくなる。つまり、本発明によれば、不要反射波がいち早く減衰し、流路内に反射波が残存しにくい。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、一般住宅用ガスメータ等として用いられる超音波流量計100の一実施例の基本構成を示す。流通管10には、流路1が形成されている。流路1には、ガスが流れ方向軸線Oに沿って図示の流れ方向に流通(平均流速v)する。流通管10の上流側と下流側には、一対のセンサ取り付け凹部10a,10bが形成されている。センサ取り付け凹部10a,10bには、超音波センサ2a,2bが個別に取り付けられている。超音波センサ2a,2bは流路1に露出しており、流路1を流れるガスと直接接する配置となっている。図1の実施形態では、超音波センサ2aと2bは、流路1を隔てて反対側に位置しているが、同じ側に位置する形態もある。
流通管10は、超音波センサ2a−超音波センサ2b間において流れ方向軸線Oが直線状であり、軸断面の形状および断面積が流れ方向において同一に形成されている。測定対象がガスの場合、流通管10の軸断面形状は、たとえば、円形状、楕円形状、正方形状、矩形状等のいずれを採用してもよい。本実施形態において、流通管10は流れ方向軸線Oと直交する断面が矩形状を呈するものである。
超音波センサ2a,2bは、圧電素子、電極、音響整合層およびハウジング等で構成されたトランスデューサであり、これら超音波センサ2a,2bを発振させるための駆動電圧回路等から構成される送信手段22、あるいは超音波センサ2a,2bの発生電圧を検出するための電圧検出回路等から構成される受信手段32に接続される。超音波センサ2a,2bの接続先の切り替えは、アナログスイッチ等で構成される切替手段3によって行なわれる。切替手段3は、マイクロコンピュータ9によって制御される。たとえば、上流側の超音波センサ2aから下流側の超音波センサ2bに向けて超音波を送信する場合には、超音波センサ2aが送信側(発振元)となるので、切替手段3は、始め、送信手段22と超音波センサ2aとを接続し、受信手段32と超音波センサ2bとを接続することとなる。
超音波流量計100は、計測部として、超音波センサ2a,2bにより得られる超音波受信出力を増幅する増幅器5と、ゼロクロス法により出力波形から超音波到達時点を検出するゼロクロスポイント検出手段6と、マイクロコンピュータ9とを備える。増幅器5の後段には、帯域通過フィルタ4を設けており、この帯域通過フィルタ4を通過した受信波のみがゼロクロスポイント検出手段6に入力される。時間計測手段としてのマイクロコンピュータ9は、超音波センサ2a,2bの一方が超音波を発振してから、他方がその超音波を受信するまでの直接到達時間を計測し、該計測結果より流量演算を行なう。
超音波流量計100は、伝搬時間逆数差法により流量を計測する装置として構成されている。図1において、ガスの平均流速をv、ガス中を伝搬する音速をc、超音波の進行方向(超音波センサ2a,2bを結ぶライン)とガスの流れ方向(流れ方向軸線O)とのなす角をθ、超音波センサ2a−超音波センサ2b間の距離をLとすると、超音波が距離Lだけ伝搬するときの順方向到達時間Tdおよび逆方向到達時間Tuはそれぞれ次のように表わされる。
Td=L/(c+v・cosθ)…(1)
Tu=L/(c−v・cosθ)…(2)
(1)、(2)式の逆数をとり、その差をとれば次式が得られる。
1/Td−1/Tu=2v・cosθ/L…(3)
したがって、順方向到達時間Tdと逆方向到達時間Tuの測定から、ガスの平均流速vと流量Qが次式により求められる。“A”は流路1の断面積である。
v=(1/2Td−1/2Tu)L/cosθ…(4)
Q=v・A…(5)
このように、ガスの温度・含有成分等に依存する音速cを(4)式から消去することで、測定値(到達時間Td,Tu)と一定値(L,θ)とから流速vが得られる利点を有している。
図1に示すごとく、本発明の超音波流量計100では、センサ取り付け凹部10a,10bに超音波センサ2a,2bを取り付けた後も残る凹所に、不織布で構成された超音波減衰体7,8が配置されている。超音波減衰体7,8は、ガス中を伝搬するだけの場合よりも、超音波を減衰させる作用を持つ。本実施形態では超音波減衰体7,8を不織布で構成しているが、不織布のような繊維集合体や、グラスウール、ロックウールのような多孔質材料で構成されたものであればよい。不織布の材料としては特に限定されるものではないが、安価であり入手が容易な樹脂、たとえばナイロン、ポリウレタン等の樹脂製のものが好適である。さらに、パルプ繊維をシート状や塊状に成形したもの、たとえばティッシュペーパーのようなものも本発明でいう不織布に含まれる。要するに、緩衝材や吸音材として用いることができる素材を、超音波減衰体7,8に好適に利用できる。音響インピーダンスの大小関係としては、(超音波センサ2a,2bの送受信面をなす音響整合層)>(超音波減衰体7,8)>(媒質:ガス)である。
超音波減衰体7,8をセンサ取り付け凹部10a,10bに固定する方法としては、接着剤を用いて固定する方法や、当該超音波減衰体7,8の弾性を利用する方法がある。弾性を利用する方法とは、センサ取り付け凹部10a,10bの作る空間よりもやや大きめに作製した超音波減衰体7,8を嵌め込んで固定する方法である。なお、これら2つの方法を併用してもよい。
図2(a)に、図1のセンサ取り付け凹部10bの拡大断面図を示す。なお、以下の説明は、他方のセンサ取り付け凹部10aにもそのまま援用できる。図2(a)に示すごとく、超音波減衰体8は、円柱を断面が楕円となるように切断したときに得られる形状、つまり超音波センサ2bを取り付けた後のセンサ取り付け凹部10b内の空間とほぼ同じ形状を有している。一方、超音波減衰体8と超音波センサ2bとは離間しており、両者の間(詳しくは超音波センサ2bの音響整合層との間)には、一定厚みdの空隙層Hbが形成されている。空隙層Hbを設けると、超音波を減衰させる効果が高い。
空隙層Hbは、超音波センサ2bの送受信面(音響整合層の表面)と、超音波減衰体8とのギャップであるが、この寸法は全くいい加減にするべきではない。たとえば、本発明の超音波流量計100が、単一の周波数f(圧電素子の一の共振周波数f)のみを使用して流量計測を行なうように構成されているとする。そして、周波数fの超音波が媒質中(本実施形態ではガス)を伝搬するときの波長をλgとする。仮に、空隙層Hbの厚みdが超音波の送受信方向においてλg/2に略一致するように超音波減衰体8の形状・配置調整がなされているとする。すると、超音波センサ8の送受信面で反射した超音波が超音波減衰体8に透過していく度合い(透過度)が急激に増し、不要な超音波(反射波)を増大させてしまい、S/Nの向上を妨げる恐れがある。この事実は、図2(a)の構造をモデル化し、計算機で解析することによって知ることができる。したがって、超音波の送受信方向における空隙層Hbの厚みdが、少なくともn*λg/2±0.05λg(n:自然数)の範囲内から外れ、λg/4よりも大きい値であり、尚且つ直接到達波の減衰率が50%以上にならないように、超音波減衰体8の大きさ、材質、配置等を調整するとよい。空隙層Hbの厚みdをλg/4よりも大きくするのは、配置調整の容易性等を考慮してのことである。波長λgの5%のマージンは、温度等の不確定要素の考慮分である。
また、超音波減衰体8は、該超音波センサ2bが配置される側とは反対側の表面8pが、流通管10の流路1を形成する内壁面10pとほぼ面一となるように調整されている。つまり、超音波減衰体8によってセンサ取り付け凹部2bの入口が塞がれる形となっている。このようにすれば、流路1を流通するガスの流れを妨げることが無いうえ、センサ取り付け凹部10b内へのガスの流入を抑制することが可能となる。そして、他端面8qが一定厚みdの空隙層Hbを形成するように超音波センサ2bの送受信面と対向しており、これによりセンサ取り付け凹部10b内を充填する形となっている。図3に、ガスの流入抑制効果を説明する模式図を示す。
図3(a)は超音波減衰体8を設けた場合であり、図3(b)は超音波減衰体を有さずセンサ取り付け凹部10bが開放している従来例の場合を示している。図3(a)に示すごとく本発明では、超音波減衰体8によってセンサ取り付け凹部10b内へのガスの流入が抑制され、センサ取り付け凹部10b周りのガスの流れがスムーズになっている。超音波減衰体8による流入抑制作用は、低流量時も高流量時も変わらず得られるため、センサ取り付け凹部10bの影響を流量演算の補正に組み込みやすい。つまり、超音波減衰体8によって高精度計測が容易化する。図3(a)(b)の模式図からも理解できるように、超音波減衰体7,8は、ガスの流れを整える作用も有する。
他方、図3(b)のごとく、超音波減衰体を有さず、センサ取り付け凹部10bの入口が開放している場合、センサ取り付け凹部10b内にガスが流れ込んで渦流が発生する。この渦流は、低流量時と高流量時とで発生状態が大きく相違する。そのため、流量演算で複雑な補正が必要になり、ひいては高精度計測を行なうことが困難になる。
次に、超音波減衰体8の表面8pの構造について説明する。図4に示すごとく、超音波減衰体8の超音波センサ2bが配置される側とは反対側の表面8pは、平面波を反射して球面波を生成する凹凸形状を呈している。超音波センサ2aで発振され、他方の超音波センサ2bで受信される超音波は平面波である。ところが、超音波減衰体8の表面8pが半球面状のような凸部を持っていると、その凸部に入射した超音波は球面波に変換されつつ反射される。球面波は、伝搬距離の逆二乗に比例して減衰するので、不要反射波が流路1内に残存しにくくなる。
超音波減衰体8の厚さは、直接到達波の減衰率が30%以上50%未満となるように調整するとよい。不織布やグラスウールのような多孔質材料によって超音波減衰体8を構成するので、厚みや密度の調整も容易である。また、当該超音波流量計100が、単一の周波数f(圧電素子の一の共振周波数f)を使用して流量計測を行なうように構成され、周波数fの超音波が超音波減衰体8を伝搬するときの波長をλkとするとき、不織布や多孔質材料の平均空孔は、波長λkよりも小さく調整されていることが望ましい。好適には、λk/12以上λk/4以下程度である。また、多孔度としては、50%以上70%以下とすることが望ましい。このような範囲内に調整した超音波減衰体8を用いることにより、超音波の透過を直接到達波の検出に影響の無いレベルとしつつ、不要反射波を十分に低減できるようになる。また、センサ取り付け凹部10a,10bへのガスの流れ込みを極力抑えることができる。
次に、超音波減衰体の他のいくつかの形態について説明する。超音波減衰体の形状としては、図2(a)に示す形状に限定されるものではなく、ある一定の厚さを持つ超音波減衰体を、センサ取り付け凹部10a,10bに配置することも可能である。たとえば図2(b)は、センサ取り付け凹部10bに蓋をするような形で、板状の超音波減衰体81を配置する実施形態を示している。流通管10のセンサ取り付け凹部10bの開口に対応する部分に浅い座ぐり10qを設けておき、その座ぐり10に周縁部を着座させるようにして超音波減衰体81を配置し、接着剤等で固定している。座ぐり10qの深さと超音波減衰体81の厚さとを略同一に調整することにより、超音波減衰体81の表面81pは、流通管の内壁面10pとほぼ面一になる。なお、表面81pが凹凸形状である点や、材質、厚さ等の条件は既に説明した通りである。
次に、図2(c)は、超音波センサ2bに超音波減衰体82を直接貼り付けた実施形態を示している。超音波減衰体82は、所定の厚さを持つ板状の形態を有し、接着剤により超音波センサ2bの音響整合層に直接固定されている。つまり、超音波減衰体82と超音波センサ2bとが面接触している。超音波減衰体82は繊維集合体や多孔質材料で構成されるから、音響インピーダンスはとても小さい。したがって、超音波減衰体82の材質や厚さ等を適切に設定すれば、直接貼り付けても計測自体に大きな支障は生じないと考えられる。また、この実施形態では、センサ取り付け凹部10b内へのガスの流入を抑制することは難しいが、超音波減衰体82を超音波センサ2bに直接貼り付けるという方法を採用しているので、安価に製造できるという利点がある。さらに、超音波センサ2bと超音波減衰体82とが直接接しているので、超音波センサ2bの送受信面で2次反射波が発生することを抑制する作用も期待できる。なお、図2(b)と図2(c)の実施形態を合体した実施形態とすることも可能であり、その場合はセンサ取り付け凹部10b内へのガスの流入を抑制しつつ、不要反射波の低減効果を十分に得ることが可能になる。
次に、超音波減衰体7,8による3次反射波の減衰効果を、図5を参照しながら説明する。図5に示すごとく、超音波減衰体8を有さない場合に検出される直接到達波の振幅をe3、3次反射波の振幅をe3_3とすると、3次反射波の減衰率は下記(1)式で表わされる。
(3次反射波の減衰率)=20log10(e3_3)/(e3)…(1)
平面波は、伝搬距離が2倍になると1/2に減衰するので、3次反射波(1.5往復反射波)に関していえば、(e3_3)/(e3)=1/4である。故に、(3次反射波の減衰率)≒−12dBとなる。
他方、超音波減衰体7,8が40%の減衰率を持つ(片道を伝搬する毎に40%減衰する)とした場合に検出される直接到達波の振幅をe3’、3次反射波の振幅をe3_3’とすると、3次反射波の減衰率は下記(2)式で表わされる。
(3次反射波の減衰率)=20log10(e3_3’)/(e3’)…(2)
ここで、(e3_3’)/(e3’)=(1/4)*(3/5)となり、(3次反射波の減衰率)≒−21dBとなる。
また、超音波減衰体7,8を設けた場合と設けない場合のS/N比は、下記(3)式で与えられる。
1−{(e3_3’)/(e3’)}/{(e3_3)/(e3)}…(3)
(3)式=1−9/25であるから、結局、超音波減衰体7,8を設ける場合と設けない場合とで比べると、S/N比は理論上は約64%向上する。
ところで、計測精度を向上させる効果は、図1に示した帯域通過フィルタ4によって、いっそう高くなる。その理由を説明する。一般に、周波数の高い波と低い波とで比較すると、高い周波数の波のほうが減衰が大きいことは知られている。したがって、図6に示すごとく、送信周波数が200KHzだとしても、直接到達波は、たとえば195KHzで受信される。さらに、反射波ともなると、高周波成分が大きく減衰するので、中心周波数が低周波側にシフトする(たとえば170KHzぐらいまで)。したがって、増幅器5の後段に帯域通過フィルタ4を設け、反射波の寄与が大きい低周波成分がセロクロスポイント検出手段6に入力されることを阻止すれば、計測精度の向上を図ることが可能になる。
以上の説明では、位相時間逆数差法により流量計測を行なう超音波流量計100のセンサ取り付け凹部10a,10bに超音波減衰体7,8を配置した発明を説明した。センサ取り付け凹部10a,10bに超音波減衰体7,8を配置する技術は、位相比較制御により流量計測を行なう超音波流量計に適用しても、優れたノイズ除去効果、すなわち3次反射波の影響を小さくする効果が期待できる。
図7に示すのは、位相比較制御により流量計測を行なうようにした超音波流量計200のブロック図である。流通管10や超音波減衰体7,8については、図1の構成と同様であり、図7では省略している。図7に示すごとく、超音波流量計200は、超音波センサ2a,2b、送受切替部24、増幅器22,23、位相比較器26,27、ローパスフィルタ28,29、フィルタ切替手段、カウンタ36,37、VCO34,35、N波ブロック管理部32,33、センサ切替スイッチ25、CPU38を備えている。帯域通過フィルタ20,21は、増幅器22,23と位相比較器26,27との間に配置されている。CPU38は、周波数演算部、周波数切替判定部として機能する。
位相比較制御により流量計測を行なう超音波流量計200においては、流量計測に際して使用する周波数が変化する。つまり、図6で説明した反射波の中心周波数も変化する。そこで、増幅器22,23の後段に配置する帯域通過フィルタ20,21として、複数(たとえば4つ)の通過帯域を持つ帯域通過フィルタを使用する。そして、発振するべき超音波の周波数に応じて、アナログスイッチ等で構成されるフィルタ切替手段により上記帯域通過フィルタ20,21bの受信帯域を切り替えるようにすればよい。このようにすれば、前述した超音波減衰体7,8による不要反射波の減衰作用と相俟って、高いS/Nが得られるようになる。
本発明の超音波流量計を示す模式図。 超音波減衰体のいくつかの形態を示す断面模式図。 ガスの流入抑制効果を説明する概念図。 超音波減衰体の拡大断面模式図。 3次反射波の減衰量を説明するタイミング図。 反射波のピーク周波数のシフトを説明する図。 位相差法により流量計測を行なう超音波流量計の模式図。
符号の説明
1 流路
2a,2b 超音波センサ
4,20,21 帯域通過フィルタ
10 流通管
10a,10b センサ取り付け凹部
7,8,81,82 超音波減衰体
100,200 超音波流量計
Hb,Hb 空隙層

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  1. 流体が流通する流通管の上流側と下流側とにセンサ取り付け凹部が形成され、前記センサ取り付け凹部のそれぞれに超音波センサが前記流体と直接接するように配置された超音波流量計において、前記センサ取り付け凹部によって形成された凹所に、超音波を減衰させる超音波減衰体が配置され、
    前記超音波減衰体は、前記超音波センサの音響整合層に固定する面接触形で配置されていることを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記超音波減衰体は、前記超音波センサが配置される側とは反対側の表面が、平面波を反射して球面波を生成する凹凸形状を呈するものである請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記超音波減衰体は、不織布等の繊維集合体で構成されている請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  4. 前記超音波減衰体は、グラスウール、ロックウール等の多孔質材料で構成されている請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  5. 受信波を増幅する増幅器よりも後段に帯域通過フィルタを設けた請求項1ないしのいずれか1項に記載の超音波流量計。
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