JPH11281424A - ガスメータ - Google Patents

ガスメータ

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JPH11281424A
JPH11281424A JP10079482A JP7948298A JPH11281424A JP H11281424 A JPH11281424 A JP H11281424A JP 10079482 A JP10079482 A JP 10079482A JP 7948298 A JP7948298 A JP 7948298A JP H11281424 A JPH11281424 A JP H11281424A
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JP
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gas
sound absorbing
absorbing member
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gas meter
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JP10079482A
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Toshihiro Harada
鋭博 原田
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス導通路の内壁表面における超音波の反射
の発生や、ガス導通路内におけるガス流に乱流や大きな
渦が発生することを抑止して、ガス流の正確な流量の計
測が可能なガスメータを提供する。 【解決手段】 ガス導通路108の内壁表面には、前記
超音波を吸収する多孔質の表面を備えた吸音部材112
がほぼ全面に形成されている。また、前記吸音部材11
2の前記多孔質の表面の孔201はさらに、前記ガス導
通路108を通過する前記ガス100の流れの前記吸音
部材112の表面付近に積極的に微細な渦203あるい
は表面抵抗を増大させることによって、大きな渦や乱流
の発生を防ぐように機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスメータに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から広く一般に用いられて来たガス
メータとして膜方式のガスメータがあるが、この膜方式
のガスメータは、ガスメータの筐体内部にガス流の圧力
によって振動を繰り返す膜を有しており、この膜の振動
に対応してガスの流量を計測するという、いわば機械的
な動作を用いてそのガスの体積量を直接計測する方式の
メータである。
【0003】その簡易で実用的な構造と高い耐久性を備
えているといった特質から、従来から広く盛んに利用さ
れて来た。しかしその一方で、このような従来の膜方式
のガスメータでは、前記の如く機械式であるという特質
もあって近年のガスメータのデジタル化に対しては馴染
み難いという不都合がある。
【0004】ここで、ガスメータは大別すると前記の膜
方式ガスメータのような機械的には直接にガス量を計測
する方式のものの他に、ガスの流速など、ガス流の流体
としての物理的数値を計測し、その計測値に対応してガ
ス流量の数値を算出するという、いわゆる推量式のガス
メータが案出されている。
【0005】即ち、推量式のガスメータは、ガス流量の
数値をその計測段階からデジタル信号として取り扱って
いるので、ガス流量の値をその計測後もデジタルデータ
として伝送〜処理〜記憶することができる。従って、そ
のようなデータ管理を行うシステム等にも極めて良好に
馴染むという特質を備えているので、近年のデジタル化
が進むガスメータにおいては特に好適な技術として注目
されている。
【0006】このような推量式のガスメータには、超音
波の伝搬時間差を用いた超音波計測方式をはじめとし
て、ガス流によるタービンの回転数をロータリエンコー
ダのような機器で計数し、これに基づいてガス流量の値
を演算するといったタービン計測方式や、ガス流によっ
て生じる2地点での圧力差を用いた差圧計測方式など、
幾種類かの方式が提案されているが、いずれもガスの流
量を連続値で精確に測定できるものとして注目されてい
る。
【0007】その中でも、特に超音波計測方式は、小型
で比較的簡易な構造でありながら精確な流量を計測でき
るガスメータに好適な技術として知られている。超音波
計測方式のガスメータは、図3にその構造の概要を示す
ように、気密構造に形成された気密室を2つの室つまり
第1室501および第2室502に分割する圧力吸収壁
である隔壁503と、上流側のガス配管504に接続さ
れて前記第1室501にガス505を導入する導入口5
06と、下流側のガス配管507に接続されて前記第2
室502からガス505を送出する送出口508と、前
記隔壁503を貫通するように配置され、前記第1室5
01から前記第2室502へとガス505を通過させる
筒状のガス導通路509と、前記ガス導通路509を通
過するガス505の流速を計測し、この流速の値に基づ
いてガス505の流量を算出するために、ガス導通路5
09の入り口側と出口側とにそれぞれ配置されて、それ
ら両者の間で前記の超音波を送受振する超音波発/受振
器510,511とから、その主要部が形成されてい
る。なお、この超音波発/受振器510,511は、図
3に示すように反射板512,513で前記超音波を一
旦反射させて送受するようにしても良いし、あるいは図
示は省略したが中心線に対して平行方向に所定の長さを
取って対向配置するようにしても良い。
【0008】超音波計測方式のガスメータは、このよう
に比較的簡易な構造によって、精確なガス流量を計測す
ることが可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の超音波計測方式のガスメータに用いられる
計測手段の主要部であるガス導通路509および超音波
発/受振器510,511を中心とした部分では、超音
波を含めて空気やガス中を伝搬する音波は一般に、発振
されてからその伝搬方向に広がりを持って伝搬して行く
のであるから、図3にその一例を示すように、超音波発
/受振器510または511から発振された超音波は、
ガス導通路509の中心部を伝搬する音514と、ガス
導通路509の内壁表面で反射されながら伝搬して行く
音515とが生じることになる。
【0010】すると、ガス導通路509の管路直径(ガ
ス導通路509の断面形状が一般的な円筒型であるとし
て)が大きければ大きいほど、その実質的な伝搬方向の
広がり(角度θ)も大きな角度に亙るものとなり、その
結果、計測するごとに異なった経路の伝搬音の伝搬時間
を計測することになってしまうので、正確な計測ができ
なくなるという問題が生じる。
【0011】しかし、そのような伝搬方向の広がりに起
因した問題を避けるためには、ガス導通路509の管路
直径を小さくすることも考えられるが、しかしそのよう
にガス導通路509の管路直径を小さくすると、今度は
導通可能なガス流量の上限が制限されてしまうので、例
えば大流量メータの場合などには圧力損失が大きくなる
などして、実用上十分なガス流量が得られなくなるとい
う問題がある。
【0012】また、一般に管路中を流れて行く流体に
は、管路内壁とガス流との接触面における摩擦抵抗に起
因して、図4に示すような垂直断面内での速度分布が生
じて行く。そしてそのようなガス流の垂直断面内での速
度分布の勾配が次第に大きくなって行き、最後には層流
の仮想上下面の間に作用する剪断応力がその間のガスの
分子間粘性力の限界よりも大きくなって前記の層流が乱
れて乱流となり、図5に一例を示すように、大小の大き
さや発生位置が乱雑な、管路直径の半分以上にも亙る大
きさの、大きな渦520が多数発生する。
【0013】また、例えばガスヒートポンプのようなガ
ス燃焼機器をガスメータの下流側つまりユーザーサイド
で使用中には、比較的短周期のガスの脈動が発生しやす
いが、このようなガスの脈動に起因して、上記のような
多数の乱雑な大きな渦520の発生はさらに助長されて
しまう。
【0014】あるいは、例えば集合式住宅の場合などに
は、隣家で使用中のガス燃焼機器の影響を受けて、自家
で使用中のガスあるいはガスを使用休止中であってもガ
スメータ内部の導通路内のガスに脈動が発生する場合も
あり、このようなガスの脈動に起因して、上記のような
多数の乱雑な大きな渦520の発生はさらに助長されて
しまう。
【0015】上記のように、大きな渦520が多数発生
する極めて乱雑な乱流状態になると、前記の超音波発/
受振器510と超音波発/受振器511との間で伝搬さ
れる超音波の伝搬時間は極めて乱雑に乱されてしまい、
その結果、ガス流量の正確な計測が困難になるという問
題がある。
【0016】しかも、そのような発生位置やタイミング
の乱雑な大きな渦520が多数発生しているガス流の中
に、前記の如く伝搬方向の広がりが大きな角度に亙って
いるような超音波を伝搬させると、その超音波の伝搬時
間は、さらに乱雑に大きく乱されてしまい、その結果、
ガス流の正確な流量の計測がさらに困難なものになると
いう問題がある。
【0017】本発明はこのような問題を解決するために
成されたものである。本発明は、ガス導通路509の内
壁表面における超音波の乱反射の発生や、ガス導通路5
09内におけるガス流に乱流や大きな渦が発生すること
を抑止して、ガス流の正確な流量の計測が可能なガスメ
ータを提供することを課題としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1に、本発明のガスメ
ータは、気密構造に形成された気密室と、該気密室を第
1室および第2室の2つの室に分割する隔壁と、上流側
のガス配管に接続されて前記第1室にガスを導入する導
入口と、下流側のガス配管に接続されて前記第2室から
ガスを送出する送出口と、前記隔壁を貫通するように配
置され、前記第1室から前記第2室へとガス流体を通過
させる筒状のガス導通路と、前記ガス導通路を通過する
ガスに超音波を伝搬させる2個で一対の超音波発/受振
器とを有して、前記超音波の伝搬時間に基づいて前記ガ
スの流量を算出するガスメータにおいて、前記ガス導通
路の内壁表面に、前記超音波を吸収する多孔質の表面を
備えた吸音部材を形成してなることを特徴とするガスメ
ータである。
【0019】即ち、本発明の技術によれば、ガス導通路
の内壁表面に、前記超音波を吸収する多孔質の表面を備
えた吸音部材を形成することによって、その多孔質の表
面で前記超音波を極めて効果的に吸収することができる
ので、ガス導通路の内壁表面における超音波の反射の発
生を抑止して、ガス流の正確な流量の計測を可能にする
ことができる。
【0020】第2に、本発明のガスメータは、上記第1
記載のガスメータにおいて、前記吸音部材は、入射して
来た前記超音波を減衰させる材質を用いてなる吸音部材
であることを特徴とするガスメータである。即ち、前記
吸音部材は、上記第1記載の如く前記多孔質の表面を備
えて、その多孔質の表面の多数の孔によって効果的に前
記超音波の反射を抑止しているが、さらにこの吸音部材
自体の材質を、前記超音波を減衰させる材質とすること
により、さらに効果的に前記ガス導通路の内壁表面にお
ける超音波の反射の発生を抑止して、ガス流の正確な流
量の計測を可能にすることができる。
【0021】第3に、本発明のガスメータは、上記第1
又は第2記載のガスメータにおいて、前記吸音部材は、
前記多孔質の表面の孔として略多角形の断面形状の孔を
備えた吸音部材であることを特徴とするガスメータであ
る。即ち、前記多孔質の表面の孔を、略多角形の断面形
状の孔とすることにより、さらに効果的に前記ガス導通
路の内壁表面における超音波の反射の発生を抑止して、
ガス流の正確な流量の計測を可能にすることができる。
【0022】第4に、本発明のガスメータは、上記第1
乃至第3いずれかに記載のガスメータにおいて、前記吸
音部材の前記多孔質の表面はさらに、前記ガス導通路を
通過する前記ガスの流れの前記吸音部材の表面付近に積
極的に微細な渦または表面抵抗を発生させることによっ
て、前記ガスの層流が前記吸音部材の表面から剥離して
渦が発生して乱流となることを防ぐ、あたかもボルテッ
クスジェネレータとして機能する、多孔質の表面である
ことを特徴とするガスメータである。
【0023】即ち、上記第1乃至第3いずれかに記載の
ガスメータの構成および作用にさらに加えて、前記吸音
部材の前記多孔質の表面は、前記ガス導通路を通過する
前記ガスの流れの前記吸音部材の表面付近に積極的に微
細な渦あるいは摩擦抵抗を発生させる多孔質の表面とす
ることによって、この表面をあたかもボルテックスジェ
ネレータ(渦発生装置)のように機能させることで、ガ
ス導通路内におけるガス流に、乱流や大きな渦が発生す
ることを抑止することができるものと考えられる。そし
てその結果、ガス流の正確な流量の計測を可能にするこ
とができる。
【0024】第5に、本発明のガスメータは、上記第1
又は第2記載のガスメータにおいて、前記吸音部材は、
前記多孔質の表面の代りに、前記超音波を吸収する多数
の突起を形成してなる吸音部材であることを特徴とする
ガスメータである。即ち、例えば先端が針先状の突起を
吸音部材の表面に多数配設することによって、その突起
によって前記超音波を吸収することができるので、その
ような突起を多数形成してなる吸音部材は、上記同様に
吸音部材として機能することができ、ガス流の正確な流
量の計測を可能とすることができる。
【0025】第6に、本発明のガスメータは、上記第4
又は第5記載のガスメータにおいて、前記吸音部材は、
前記多孔質の表面の代りに、前記ガス導通路を通過する
前記ガスの流れの前記吸音部材の表面付近に積極的に微
細な渦を発生させることによって、前記ガスの層流が前
記吸音部材の表面から剥離して渦が発生して乱流となる
ことを防ぐ(あたかもボルテックスジェネレータのよう
に機能する)、多数の突起を形成してなる吸音部材であ
ることを特徴とするガスメータである。
【0026】即ち、例えば先端が針先状の突起を吸音部
材の表面に多数配設することによって、その突起によっ
て前記ガス導通路を通過する前記ガスの流れの前記吸音
部材の表面付近に積極的に微細な渦を発生させる、あた
かもボルテックスジェネレータ(渦発生手段)のように
機能させて微小な渦を積極的に発生させることにより、
前記ガス流の層流の剥離を遅らせる、あるいは抑止し
て、ガス導通路内におけるガス流に乱流や大きな渦が発
生することを抑止することができるものと考えられる。
そしてその結果、ガス流の正確な流量の計測を可能にす
ることができる。
【0027】第7に、本発明のガスメータは、上記第1
乃至第6いずれかに記載のガスメータにおいて、前記吸
音部材は、材質として前記超音波を減衰させて該超音波
の反射を抑止する音波吸収ラバーを用いて形成された吸
音部材であることを特徴とするガスメータである。
【0028】即ち、前記吸音部材は、その材質として、
前記超音波を減衰させるものであることが望ましく、ま
たそのような超音波を減衰させるものであればどのよう
な材質であっても良いことになるが、しかし上記のよう
な多孔質の表面を備えるものとして形成するためには、
防振ゴムのような材質の音波吸収ラバーを好適に用いる
ことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガスメータの
一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は
本発明に係るガスメータの、特にガス導通路の部分を中
心としてその構造の概要を示す図である。なお、図1に
おいては図3と同様の部位や現象には同一の符号を付し
て示してある。
【0030】このガスメータ1の特にガス導通路108
を中心とした主要部は、気密構造に形成された気密室を
第1室101および第2室102の2つの室に分割する
隔壁103と、上流側のガス配管104に接続されて前
記第1室101にガス100を導入する導入口105
と、下流側のガス配管106に接続されて前記第2室1
02からガス100を送出する送出口107と、前記隔
壁103を貫通するように配置され、前記第1室101
から前記第2室102へとガス100を通過させる円筒
状のガス導通路108と、前記ガス導通路108を通過
するガス100の流速を計測してこのガス100の流量
を算出するガス流量算出手段(図示省略)とを有するガ
スメータである。そして前記のガス導通路108は、円
筒状に形成されており、その長手方向の両端部にはそれ
ぞれ反射板201a,201bが形成されているガス導
通路108である。
【0031】そして、反射板201aの下方には前記ガ
ス導通路108の中心線に直交する方向に中心線が向く
ように超音波発/受振器110が配置されている。また
反射板201bの下方には前記ガス導通路108の中心
線に直交する方向に中心線が向くように超音波発/受振
器111が配置されている。そしてこれら超音波発/受
振器110と超音波発/受振器111との間で互いに超
音波が発/受振され、その伝搬時間差に基づいて、その
ときのガス100の流量または流速が計測される。この
計測〜流量演算の手法については一般的な超音波方式の
ガスメータの計測〜演算の手法を好適に用いることがで
きることは言うまでもないので、本明細書では説明の簡
潔化を図るためにその詳述は省略する。
【0032】そしてさらには、前記ガス導通路108の
内壁表面には、前記超音波を吸収する多孔質の表面を備
えた吸音部材112がほぼ全面に形成されている。ただ
し、上記の反射板201a,201bの表面上には吸音
部材112は形成されておらず、効果的に超音波を反射
させるようにしていることは言うまでもない。
【0033】そして前記の吸音部材112は、入射して
来た前記超音波を減衰させる材質を用いてなる吸音部材
112である。そしてその吸音部材112は、さらに具
体的には、前記多孔質の表面の孔として、図2(a)に
一例を示すように、かならずしも正確な多角形ではなく
むしろランダムな種々の多角形の断面形状の多数の孔2
01を備えている。また、この吸音部材112の内部に
は、孔201と同程度の大きさの気泡202も多数形成
されている。
【0034】上記の吸音部材112は、超音波を吸収す
る多孔質の表面を備えることによって、その多孔質の表
面の孔201によって図2(a)に模式的に示すように
前記超音波を極めて効果的にトラップして外部へ再び出
射させることなく吸収することができ、ガス導通路10
8の内壁表面における超音波の反射の発生を抑止して、
ガス100の流れの正確な流量計測を可能とすることが
できる。
【0035】また、吸音部材112の内部の気泡202
についても、前記の表面で吸収しきれないでさらに深く
吸音部材112の内部へと伝搬して来た超音波をも吸収
することができるので、反射波の原因となる超音波をさ
らに効果的に吸収して、その反射の発生を抑止すること
ができる。
【0036】しかも、上記の吸音部材112は、その材
質自体についても、入射して来た前記超音波を減衰させ
る材質を用いて形成されている。その吸音部材112の
材質は、さらに具体的には、前記超音波を減衰させて該
超音波の反射を抑止する音波吸収ラバーを用いて形成さ
れた吸音部材である。
【0037】即ち、その多孔質の表面の孔201によっ
て吸収される音波以外にも、吸音部材112自体の表面
で反射しようとする超音波をも効果的に減衰させること
ができ、その結果、ガス導通路108の内壁表面におけ
る超音波の反射の発生をさらに効果的に抑止して、ガス
100の流れの正確な流量計測を可能とすることができ
る。
【0038】しかも、前記吸音部材112の前記多孔質
の表面の孔201はさらに、前記ガス導通路108を通
過する前記ガス100の流れの前記吸音部材112の表
面付近に、図2(b)に模式的に示すように、積極的に
微細な渦203を発生させる、あるいは積極的に表面抵
抗を増大させることによって、前記ガス100の層流が
前記吸音部材112の表面から剥離することに起因して
生じていた(図5に一例を示したような)大きな渦や乱
流を、防ぐように機能する多孔質の表面の孔201であ
る。
【0039】即ち、一般に、層流境界層よりも乱流境界
層の方が、境界層が剥離し難く、従ってそのような境界
層の剥離に起因した大きな渦や乱流が発生し難い。しか
も、垂直断面内におけるガス流の速度分布の勾配も、層
流境界層よりも乱流境界層の方がむしろ小さいことが一
般的である。
【0040】そこで、図2(b)に模式的に示すよう
に、吸音部材112の表面で積極的に微小な渦あるいは
流体的抵抗を作り出すことで、その部分の境界層付近の
流れに積極的にエネルギを供給して(あるいは流れの断
面内でエネルギを再分配して)、前記のような乱流境界
層の剥離しにくい性質を利用することができるものと考
えられる。
【0041】つまり、前記の多孔質の表面の孔201を
利用して積極的に微細な渦203を発生させる、あるい
は積極的に表面抵抗を増大させることにより、前記ガス
100の層流が前記吸音部材112の表面から剥離する
ことを遅らせる、あるいは抑止することで、図5に一例
を示したような大きな渦の発生や大きく乱雑な乱流が発
生することを防いで、図2(b)に示すように垂直断面
内での速度勾配がむしろ小さく、少なくともガス導通路
108内の中心部には大きな渦や乱雑に大きく乱れた乱
流などの無いガス流を実現することができる。
【0042】しかもこのとき、そのように少なくともガ
ス導通路108内の中心部には大きな渦や乱雑に大きく
乱れた乱流などの無いガス流を吸音部材112によって
実現した上で、さらには既述の如く吸音部材112によ
って乱反射を吸収して、ほぼ直線的にガス導通路108
内の中心部を通る超音波のみを伝搬させることができる
ので、このガス導通路108内の中心部を伝搬する超音
波は上記の如く大きな渦の発生や大きく乱雑な乱流が解
消されているのであるから、従来のような外乱の無い、
正確な伝搬時間で伝搬される。こうして本発明の技術に
よれば、ガス導通路108の内壁表面における超音波の
乱反射の発生や、ガス導通路108内におけるガス流に
乱流や大きな渦が発生することを抑止して、ガス流の正
確な流量の計測を可能とすることができる。
【0043】実際に、本願発明者は、上記のような無数
の孔201が形成された多孔質の表面を備えた吸音部材
112を内壁表面に貼設してなるガス導通路108を具
備するガスメータを試作して、実際のガス使用条件に合
わせた条件下での実験を行なったところ、ガス導通路1
08の管路内ではその中心部に至るほどの大きな渦や乱
流は発生せず、その結果、一定のガス流状態の下では常
に一定の正確なガス流量を計測することができること
が、実験的にも確認された。
【0044】なお、前記吸音部材112は、前記多孔質
の表面の代りに、前記超音波を吸収する多数の突起を形
成してなる吸音部材112としても良い。またその場合
には、前記吸音部材112は、前記多孔質の表面の代り
に、前記ガス導通路を通過する前記ガスの流れの前記吸
音部材の表面付近に積極的に微細な渦を発生させること
によって、前記ガス100の層流が前記吸音部材112
の表面から剥離して渦が発生して乱流となることを防ぐ
ように機能する多数の突起を形成してなる吸音部材11
2としても良い。
【0045】この突起としては、例えば図2(c)にそ
の断面図を示すように先端が針先状の突起210を吸音
部材112の表面に多数配設し、その突起210によっ
て、前記ガス導通路108を通過する前記ガス100の
流れの前記吸音部材112の表面付近に積極的に微細な
渦203を発生させる渦発生手段として機能させて、微
小な渦203を積極的に発生させることによって、前記
ガス流の層流剥離を遅らせる、あるいはそれを抑止し
て、ガス導通路内におけるガス流に乱流や大きな渦が発
生することを抑止することができ、その結果、ガス流の
正確な流量の計測が可能となる。
【0046】
【発明の効果】以上詳細な説明で明示したように、本発
明によれば、第1に、ガス導通路108の内壁表面に、
前記超音波を吸収する多孔質の表面を備えた吸音部材1
12を形成することによって、その多孔質の表面で前記
超音波を極めて効果的に吸収することができるので、ガ
ス導通路108の内壁表面における超音波の反射の発生
を抑止して、ガス流の正確な流量の計測を可能にするこ
とができる。
【0047】第2に、前記吸音部材112は、前記多孔
質の表面を備えて、その多孔質の表面の多数の孔201
によって効果的に前記超音波の反射を抑止しているが、
さらにこの吸音部材112自体の材質を、前記超音波を
減衰させる材質とすることにより、さらに効果的に前記
ガス導通路108の内壁表面における超音波の反射を抑
止して、ガス100の流量の正確な計測を可能とするこ
とができる。
【0048】第3に、前記多孔質の表面の孔201を、
ほぼ多角形の断面形状の孔とすることにより、さらに効
果的に前記ガス導通路108の内壁表面における超音波
の反射を抑止して、ガス流の正確な流量の計測を可能に
することができる。第4に、上記の構成および作用にさ
らに加えて、前記吸音部材112の前記多孔質の表面
は、前記ガス導通路108を通過する前記ガス100の
流れの前記吸音部材112の表面付近に積極的に微細な
渦203あるいは摩擦抵抗を発生させる多孔質の表面と
することによって、この表面をあたかもボルテックスジ
ェネレータ(渦発生装置)のように機能させることで、
ガス導通路108内におけるガス流に、乱流や大きな渦
520が発生することを抑止することができ、ガス11
0の正確な流量計測を可能とすることができる。
【0049】第5に、例えば先端が針先状の突起210
を吸音部材112の表面に多数配設することによって、
その突起210によって前記超音波を吸収することがで
きるので、そのような突起を多数形成してなる吸音部材
112は、上記同様に吸音部材112として機能するこ
とができ、ガス流の正確な流量の計測を可能とすること
ができる。
【0050】第6に、例えば先端が針先状の突起210
を吸音部材112の表面に多数配設することによって、
その突起210によって、前記ガス導通路108を通過
する前記ガス100の流れの前記吸音部材112の表面
付近に積極的に微細な渦203あるいは流体抵抗を発生
させる、あたかも渦発生手段として機能させて、前記の
如く微小な渦203を積極的に発生させることにより、
前記ガス流の層流の剥離を遅らせる、あるいは抑止し
て、ガス導通路108内におけるガス流に乱流や大きな
渦520が発生することを抑止することができ、その結
果、ガス流の正確な流量の計測を可能とすることができ
る。
【0051】第7に、前記吸音部材112は、その材質
として、前記超音波を減衰させるものであることが望ま
しく、またそのような超音波を減衰させるものであれば
どのような材質であっても良いことになるが、しかし上
記のような多孔質の表面を備えるものとして形成するた
めには、防振ゴムのような材質の音波吸収ラバーを好適
に用いて、さらに効果的に超音波の反射を抑止すること
ができる。
【0052】このように、本発明によれば、ガス流の正
確な流量の計測が可能なガスメータを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスメータの構造のうち、特にガ
ス導通路108の部分の構造の概要を示す図である。
【図2】本発明に係る吸音部材112の作用を模式的に
示す図である。
【図3】従来の超音波計測方式のガスメータの構造の概
要を示す図である。
【図4】従来の超音波計測方式のガスメータにおけるガ
ス導通路509の垂直断面内でのガス流の速度分布の変
化(推移)を模式的に示す図である。
【図5】従来の超音波計測方式のガスメータにおけるガ
ス導通路509内での渦520の発生状況に一例を示す
図である。
【符号の説明】
1…ガスメータ 100…ガス 108…ガス導通路 112…吸音部材 201…孔 210…突起

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密構造に形成された気密室と、該気密
    室を第1室および第2室の2つの室に分割する隔壁と、
    上流側のガス配管に接続されて前記第1室にガスを導入
    する導入口と、下流側のガス配管に接続されて前記第2
    室からガスを送出する送出口と、前記隔壁を貫通するよ
    うに配置され、前記第1室から前記第2室へとガス流体
    を通過させる筒状のガス導通路と、前記ガス導通路を通
    過するガスに超音波を伝搬させる2個で一対の超音波発
    /受振器とを有して、前記超音波の伝搬時間に基づいて
    前記ガスの流量を算出するガスメータにおいて、 前記ガス導通路の内壁表面に、前記超音波を吸収する多
    孔質の表面を備えた吸音部材を形成してなることを特徴
    とするガスメータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガスメータにおいて、 前記吸音部材は、入射して来た前記超音波を減衰させる
    材質を用いてなる吸音部材であることを特徴とするガス
    メータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のガスメータにおい
    て、 前記吸音部材は、前記多孔質の表面の孔として略多角形
    の断面形状の孔を備えた吸音部材であることを特徴とす
    るガスメータ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかに記載のガスメ
    ータにおいて、 前記吸音部材の前記多孔質の表面はさらに、前記ガス導
    通路を通過する前記ガスの流れの前記吸音部材の表面付
    近に積極的に微細な渦または表面抵抗を発生させること
    によって、前記ガスの層流が前記吸音部材の表面から剥
    離して渦が発生して乱流となることを防ぐ、多孔質の表
    面であることを特徴とするガスメータ。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載のガスメータにおい
    て、 前記吸音部材は、前記多孔質の表面の代りに、前記超音
    波を吸収する多数の突起を形成してなる吸音部材である
    ことを特徴とするガスメータ。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のガスメータにおい
    て、 前記吸音部材は、前記多孔質の表面の代りに、前記ガス
    導通路を通過する前記ガスの流れの前記吸音部材の表面
    付近に積極的に微細な渦または表面抵抗を発生させるこ
    とによって、前記ガスの層流が前記吸音部材の表面から
    剥離して渦が発生して乱流となることを防ぐ、多数の突
    起を形成してなる吸音部材であることを特徴とするガス
    メータ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6いずれかに記載のガスメ
    ータにおいて、 前記吸音部材は、材質として前記超音波を減衰させて該
    超音波の反射を抑止する音波吸収ラバーを用いて形成さ
    れた吸音部材であることを特徴とするガスメータ。
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