JP2017083353A - クランプオン式超音波流量計の設置キット、及びクランプオン式超音波流量計の設置方法 - Google Patents

クランプオン式超音波流量計の設置キット、及びクランプオン式超音波流量計の設置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設置が容易で流体の流量を正確に計測可能なクランプオン式超音波流量計の設置方法を提供する。【解決手段】流体が流れる配管10に対して第1の超音波信号を入射する第1の超音波トランスデューサ101を設置することと、第1の超音波信号を受信可能な位置に、配管10に対して第2の超音波信号を入射する第2の超音波トランスデューサ102を設置することと、配管10に、音響整合塗料を塗布し、音響整合層22を形成することと、音響整合層22の上に、配管内の超音波ノイズ成分を吸収する超音波吸収材21を配置することと、を備えるクランプオン式超音波流量計の設置方法。音響整合層22が、超音波ノイズ成分を配管10から超音波吸収材21に透過させる。【選択図】図1

Description

本発明は流体計測技術に関し、特にクランプオン式超音波流量計の設置キット、及びクランプオン式超音波流量計の設置方法に関する。
クランプオン式超音波流量計は、配管の外側の上流側と下流側にそれぞれ配置される超音波トランスデューサを備える。クランプオン式の流量計は一般に超音波を利用するため、以下、本明細書においては、「クランプオン式超音波流量計」のことを、単に「クランプオン式流量計」と略す場合がある。クランプオン式流量計は、配管の中を流れる流体に向かって超音波を送り込み、流体の上流から下流方向に従って伝播する超音波の伝播時間と、下流から上流方向に逆らって伝播する超音波の伝播時間と、に基づき、配管内を流れる流体の流速及び流量を算出する(例えば、特許文献1、2参照。)。
クランプオン式流量計は、配管の外側に超音波トランスデューサを押し当てればよいため、設置する際に配管を切断する必要がない、配管内の空洞部を流れる流体に触れないため、測定対象の流体が腐食性であってもよい、測定対象の流体の純度に影響を与えない、並びに配管内に構造物が挿入されないため、圧力損失が生じない、等の利点を有する。
クランプオン式流量計において、配管内部を流れる流体に向かって超音波を照射すると、配管の壁内部を反射しながら伝搬する壁内伝搬波が発生し得る。流体を通過し、再び配管の壁内部に入射した超音波が、壁内伝搬波と混ざり合うと、壁内伝搬波が、ノイズ成分になり得る。そのため、配管の外周に超音波吸収材(「ダンピング材」ともいう。)を貼り付けることによって、ノイズ成分である壁内伝搬波を減衰させ、流体を通過した超音波を精度よく検出することが提案されている(例えば、特許文献3、4参照。)。超音波吸収材は、例えば、未架橋ブチルゴムを含む(例えば、特許文献6参照。)。
欧州特許第1173733号明細書 特開平7−260532号公報 米国特許第6626049号明細書 米国特許出願公開第2004/0123666号明細書 特公平4−49948号公報 特開2014−157129号公報
本発明は、設置が容易で流体の流量を正確に計測可能なクランプオン式超音波流量計の設置キット、及びクランプオン式超音波流量計の設置方法を提供することを目的とする。ここで、流体とは、気体及び液体を含む。
本発明の態様によれば、(a)流体が流れる配管に対して第1の超音波信号を入射する第1の超音波トランスデューサと、(b)第1の超音波信号を受信可能な位置に配置され、配管に対して第2の超音波信号を入射する第2の超音波トランスデューサと、(c)配管に配置される、配管内の超音波ノイズ成分を吸収する超音波吸収材と、(d)配管と超音波吸収材の間に配置される、超音波ノイズ成分を配管から超音波吸収材に透過させる音響整合層を形成するための、配管に塗布される音響整合塗料と、を備える、クランプオン式超音波流量計の設置キットが提供される。
上記のクランプオン式超音波流量計の設置キットにおいて、音響整合塗料が、常温乾燥塗料であってもよい。音響整合塗料が、粒子、例えばタングステン粒子又は硫酸バリウム粒子を含んでいてもよい。
上記のクランプオン式超音波流量計の設置キットにおいて、超音波吸収材がブチルゴム又はシリコーンゴムを含んでいてもよい。ブチルゴムが未架橋ブチルゴムであってもよい。あるいは、超音波吸収材が、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、天然ゴム、ニトリルゴム、及びスチレンゴムからなる群から選択される少なくとも一つを含んでいてもよい。
上記のクランプオン式超音波流量計の設置キットが、第1の超音波信号が配管内を経て第2の超音波トランスデューサに到達するまでの第1の時間と、第2の超音波信号が配管内を経て第1の超音波トランスデューサに到達するまでの第2の時間と、に基づき、配管内の流体の流速を算出する流速算出部をさらに備えていてもよい。
また、本発明の態様によれば、(a)流体が流れる配管に対して第1の超音波信号を入射する第1の超音波トランスデューサを設置することと、(b)第1の超音波信号を受信可能な位置に、配管に対して第2の超音波信号を入射する第2の超音波トランスデューサを設置することと、(c)配管に、音響整合塗料を塗布し、音響整合層を形成することと、(d)音響整合層の上に、配管内の超音波ノイズ成分を吸収する超音波吸収材を配置することと、を備え、(e)音響整合層が、超音波ノイズ成分を配管から超音波吸収材に透過させる、クランプオン式超音波流量計の設置方法が提供される。
上記のクランプオン式超音波流量計の設置方法において、音響整合塗料が、常温乾燥塗料であってもよい。音響整合塗料が、粒子、例えばタングステン粒子又は硫酸バリウム粒子を含んでいてもよい。
上記のクランプオン式超音波流量計の設置方法において、超音波吸収材がブチルゴム又はシリコーンゴムを含んでいてもよい。ブチルゴムが未架橋ブチルゴムであってもよい。あるいは、超音波吸収材が、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、天然ゴム、ニトリルゴム、及びスチレンゴムからなる群から選択される少なくとも一つを含んでいてもよい。
上記のクランプオン式超音波流量計の設置方法が、第1の超音波信号が配管内を経て第2の超音波トランスデューサに到達するまでの第1の時間と、第2の超音波信号が配管内を経て第1の超音波トランスデューサに到達するまでの第2の時間と、に基づき、配管内の流体の流速を算出する流速算出部を設置することをさらに備えていてもよい。
本発明によれば、設置が容易で流体の流量を正確に計測可能なクランプオン式超音波流量計の設置キット、及びクランプオン式超音波流量計の設置方法を提供可能である。
本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の設置方法を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の設置方法を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の設置方法を示す模式的断面図である。 本発明の実施の形態に係るクランプオン式流量計の設置方法を示す模式的断面図である。 本発明の比較例に係るクランプオン式流量計の設置方法を示す模式的断面図である。
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
実施の形態に係るクランプオン式超音波流量計の設置方法は、図1に示す流体が流れる配管10に対して第1の超音波信号を入射する第1の超音波トランスデューサ101を設置することと、第1の超音波信号を受信可能な位置に、配管10に対して第2の超音波信号を入射する第2の超音波トランスデューサ102を設置することと、配管10に、音響整合塗料を塗布し、音響整合層22を形成することと、音響整合層22の上に、配管10内の超音波ノイズ成分を吸収する超音波吸収材21を配置することと、を備える。音響整合層22が、超音波ノイズ成分を配管10から超音波吸収材21に透過させる。
例えば、第1の超音波トランスデューサ101は配管10内を流れる流体の上流側に配置され、第2の超音波トランスデューサ102は下流側に配置される。ここで、流体とは、気体又は液体を含む。第1の超音波トランスデューサ101から発せられた第1の超音波信号は、配管10を経て第2の超音波トランスデューサ102で受信される。第2の超音波トランスデューサ102から発せられた第2の超音波信号は、配管10を経て第1の超音波トランスデューサ101で受信される。例えば、第1の超音波トランスデューサ101と第2の超音波トランスデューサ102は、交互に駆動信号が印加され、交互に超音波信号を発する。
第1の超音波トランスデューサ101及び第2の超音波トランスデューサ102は、中央処理装置(CPU)300に電気的に接続されている。CPU300は、例えば、第1の超音波信号が第1の超音波トランスデューサ101から発せられてから配管10内を経て第2の超音波トランスデューサ102に到達するまでの第1の時間、及び第2の超音波信号が第2の超音波トランスデューサ102から発せられてから配管内を経て第1の超音波トランスデューサ101に到達するまでの第2の時間を計測する時間計測部301と、第1の時間と、第2の時間と、に基づき、配管10内の流体の流速を算出する流速算出部302と、を含む。
第1の超音波トランスデューサ101は、図2に示すように、例えば、第1の超音波信号を発する第1の振動子1と、第1の超音波信号が角度θwi1で配管10に向かって斜入射するように、配管10の外表面上に配置される第1のウェッジ11と、を備える。同様に、第2の超音波トランスデューサ102は、例えば、図3に示すように、第2の超音波信号を発する第2の振動子2と、第2の超音波信号が角度θwi2で配管10に向かって斜入射するように、配管10の外表面上に配置される第2のウェッジ12と、を備える。配管10は、例えばステンレス鋼等の金属材料からなる金属配管である。第1及び第2のウェッジ11、12は、例えばポリエーテルイミド等のプラスチック等の合成樹脂等からなる。
第1の超音波トランスデューサ101の第1のウェッジ11における超音波の音速をcW、配管10内の流体における超音波の音速をcaとし、第1ウェッジ11と配管10との界面に対する第1の超音波信号の入射角をθWi1、配管10内の流体に出射する第1の超音波信号の出射角をθao1とすると、スネルの法則から、下記式(1)を満足する。
sin(θWi1)/cW
=sin(θao1)/ca (1)
そのため、第1の超音波トランスデューサ101から発せられ、配管10内の流体に出射する第1の超音波信号の出射角をθao1は、下記(2)式で与えられる。
θao1=sin-1(sinθWi1・ca/cW) (2)
第1の超音波信号は配管10内の流体中を進み、配管10の管壁の出射した部分と対向する部分に入射する。さらに、第1の超音波信号は、配管10の管壁から角度θwi1と同じ角度θwo1で配管外部に出射して、第2の超音波トランスデューサ102で受信される。
また、第2の超音波トランスデューサ102の第2のウェッジ12における超音波の音速もcWであり、第2ウェッジ12と配管10との界面に対する第2の超音波信号の入射角をθWi2、配管10内の流体に出射する第2の超音波信号の出射角をθao2とすると、スネルの法則から、下記式(3)を満足する。
sin(θWi2)/cW
=sin(θao2)/ca (3)
そのため、第2の超音波トランスデューサ102から発せられ、配管10内の流体に出射する第2の超音波信号の出射角をθao2は、下記(4)式で与えられる。
θao2=sin-1(sinθWi2・ca/cW) (4)
第2の超音波信号は配管10内の流体中を進み、配管10の管壁の出射した部分と対向する部分に入射する。さらに、第2の超音波信号は、配管10の管壁から角度θwi2と同じ角度θwo2で配管外部に出射して、第1の超音波トランスデューサ101で受信される。
配管10の内部においては、流体が流速vで流れている。上述したように、第1の超音波トランスデューサ101は配管10内を流れる流体の上流側に配置され、第2の超音波トランスデューサ102は下流側に配置される。そのため、第1の超音波トランスデューサ101から発せられた第1の超音波信号は、配管10内の空洞部を流体の流れに従って伝播する。これに対し、第2の超音波トランスデューサ102から発せられた第2の超音波信号は、配管10内の空洞部を流体の流れに逆らって伝播する。よって、配管10内の空洞部において、第1の超音波信号の伝播時間と、第2の超音波信号の伝播時間と、で、流体の流速vによる差が生じる。
第1の超音波信号が配管10内の空洞部を横切るために必要な伝播時間t1は、下記(5)式で与えられる。
1=L/(ca+v・cos((π/2)−θao1)) (5)
また、第2の超音波信号が配管10内の空洞部を横切るために必要な伝播時間t2は、下記(6)式で与えられる。
2=L/(ca−v・cos((π/2)−θao2)) (6)
ここで、図4及び図5に示すように、Lは第1の超音波信号及び第2の超音波信号のそれぞれが配管10内の空洞部を横切る長さを表す。
また、θao2はθao1と等しいため、上記(6)式から、下記(7)式が得られる。
2=L/(ca−v・cos((π/2)−θao1)) (7)
上記(5)及び(7)式より、伝播時間t2と伝播時間t1との差Δtは、下記(8)式で与えられる。
Δt=t2−t1≒(2Lv・sinθao1)/ca 2 (8)
上記(8)式より、配管10内の空洞部を流れる流体の流速vは、下記(9)式で与えられる。
v=ca 2Δt/(2L・sinθao1) (9)
ここで、出射角θao1は上記(2)式より算出可能である。長さLは、配管10の直径と出射角θao1より算出可能である。また、配管10内の空洞部を流れる流体における音速caは、流体の種類や温度によって定まる定数である。したがって、第1及び第2の超音波信号の伝搬時間の差Δtを計測することにより、配管10内の空洞部を流れる流体の流速vを算出可能である。
なお、第1及び第2の超音波信号の伝播時間t1、t2の時間差Δtは、相関法により求めてもよい。この場合、第1の超音波信号の受信信号の波形全体と、第2の超音波信号の受信信号の波形全体と、の相互相関関数を求め、求められた相互相関関数のピークから、第1及び第2の超音波信号の伝播時間t1、t2の時間差Δtを求めることが可能である。
図1から図5に示す超音波吸収材21は、音響整合層22を介して配管10の外周表面に密着される。例えば、超音波吸収材21は、少なくとも第1の超音波トランスデューサ101と第2の超音波トランスデューサ102の間の配管10表面に配置される。超音波吸収材21は、配管10の壁内部を反射しながら伝搬する壁内伝搬波を、配管10内の超音波ノイズ成分として吸収する。
超音波吸収材21は、超音波の波長帯域の振動を吸収する材料を含み、例えば、ブチルゴム又はシリコーンゴムを含んでいる。ブチルゴムとは、イソブチレンと少量のイソプレンを低温重合したゴムである。ブチルゴムは、硫黄等によって架橋されていない、未架橋(未加硫)ブチルゴムであってもよい。あるいは、超音波吸収材21は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、天然ゴム、ニトリルゴム、及びスチレンゴムからなる群から選択される少なくとも一つを含んでいてもよい。
主に金属からなる配管10の音響インピーダンスは高く、主に樹脂からなる超音波吸収材21の音響インピーダンスは低い。そのため、通常、配管10の音響インピーダンスと、超音波吸収材21の音響インピーダンスと、は大きく異なる。したがって、通常、配管10に超音波吸収材21を直接配置しても、音響インピーダンスの差により、配管10内の超音波ノイズ成分は、配管10と超音波吸収材21の界面で反射されてしまう。これに対し、配管10の音響インピーダンスと、超音波吸収材21の音響インピーダンスと、の間の音響インピーダンスを有する音響整合層22を、配管10と、超音波吸収材21と、の間に配置することによって、配管10内の超音波ノイズ成分を超音波吸収材21に透過させることが可能となる。
音響整合層22は、配管10に、例えば粒子を含む音響整合塗料を塗布し、配管10上で音響整合塗料を乾燥させることにより形成される。粒子としては、主に樹脂からなる超音波吸収材21よりも高い音響インピーダンスを有する粒子が使用可能であり、そのような粒子としては、タングステン等からなる金属粒子、フェライト等からなる磁性粒子、及び硫酸バリウム等からなる無機化合物粒子が使用可能である。
音響整合塗料において、粒子は、樹脂塗料中に拡散している。樹脂塗料の材料としては、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、一液性エポキシ常温硬化樹脂、及び二液性エポキシ常温硬化樹脂等が使用可能である。音響整合塗料が、常温乾燥塗料であると、配管10に塗布後、加熱せずとも音響整合層22が形成されるため、好適である。ここで、常温乾燥塗料とは、例えば40℃以下、30℃以下、20℃以下、10℃以下、あるいは5℃以下で硬化する塗料をいう。乾燥の種類としては、塗料の種類に応じて、溶剤が揮発することによる揮発乾燥、溶剤が蒸発すると同時に酸化重合して固化する蒸発酸化重合乾燥、塗料中の成分相互の付加重合により固化する重合乾燥、及び溶剤が揮発すると同時に成分相互の付加重合により固化する蒸発重合乾燥等があるが、いずれも使用可能である。
樹脂塗料に対する粒子の配合量を増やすと、形成される音響整合層22の音響インピーダンスが高くなる傾向にある。したがって、樹脂塗料に対する粒子の配合量を適宜調整することにより、形成される音響整合層22の音響インピーダンスを任意に設定することが可能である。
音響整合層22は単層であってもよく、多重層であってもよい。例えば、図6に示すような配管10の表面に、第1の音響整合塗料を塗布して、図7に示すように、第1の音響整合層22Aを形成し、次に、第1の音響整合層22A上に、第1の音響整合塗料よりも音響インピーダンスが低い第2の音響整合塗料を塗布して、図8に示すように、第2の音響整合層22Bを形成し、図9に示すように、第2の音響整合層22B上に超音波吸収材21を配置してもよい。この場合、配管10、第1の音響整合層22A、第2の音響整合層22B、超音波吸収材21の順に、音響インピーダンスが低くなっていく。
図1から図5に示すCPU300の時間計測部301は、第1の超音波トランスデューサ101が第1の超音波信号を発したタイミングと、第2の超音波トランスデューサ102が第1の超音波信号を受信したタイミングと、を監視し、第1の超音波信号が第1の超音波トランスデューサ101から発せられてから配管10内を経て第2の超音波トランスデューサ102に到達するまでの第1の時間を計測する。
ここで、第1の超音波トランスデューサ101が駆動されたタイミングを、第1の超音波信号が第1の超音波トランスデューサ101から発せられたタイミングとしてもよい。また、第1の超音波信号が第2の超音波トランスデューサ102に到達したタイミングにおける第2の超音波トランスデューサ102の受信信号の強度が小さい場合は、受信信号の波形における特徴点が得られたタイミングから、第1の超音波信号が第2の超音波トランスデューサ102に到達したタイミングを逆算してもよい。受信信号の特徴点とは、例えば、受信信号の振幅波形における所定の数の極大点の後の受信信号の強度がゼロとなる点(ゼロクロス点)である。
また、時間計測部301は、第2の超音波トランスデューサ102が第2の超音波信号を発したタイミングと、第1の超音波トランスデューサ101が第2の超音波信号を受信したタイミングと、を監視し、第2の超音波信号が第2の超音波トランスデューサ102から発せられてから配管10内を経て第1の超音波トランスデューサ101に到達するまでの第2の時間を計測する。
ここで、第2の超音波トランスデューサ102が駆動されたタイミングを、第2の超音波信号が第2の超音波トランスデューサ102から発せられたタイミングとしてもよい。また、第2の超音波信号が第1の超音波トランスデューサ101に到達したタイミングにおける第1の超音波トランスデューサ101の受信信号の強度が小さい場合は、受信信号の波形における特徴点(例えば、ゼロクロス点)が得られたタイミングから、第2の超音波信号が第1の超音波トランスデューサ101に到達したタイミングを逆算してもよい。
時間計測部301は、計測した第2の時間と第1の時間の差の値を算出する。ただし、時間計測部301は、上述したように、相関法により、第2の時間と第1の時間の差を、直接求めてもよい。ここで、第1及び第2のウェッジ11、12及び配管10の管壁内部では、第1の超音波信号の伝播時間と、第2の超音波信号の伝播時間と、の間に、差が生じない。したがって、第2の時間と第1の時間の差は、上記(8)式で与えられる配管10内の空洞部における伝播時間t2と伝播時間t1との差Δtのみによって生じる。
時間計測部301は、第2の時間と第1の時間の差を、流速算出部302に伝送する。流速算出部302は、例えば、上記(2)式に基づき、配管10の管壁から空洞部に出射する第1の超音波信号の出射角θao1の値を算出する。なお、流速算出部302は、予め算出された出射角θao1を記憶していてもよい。
流速算出部302は、上記(9)式の右辺の変数に算出した値を代入して、配管10内の空洞部を流れる流体の流速vを算出する。なお、流速算出部302は、第1の時間の逆数と第2の時間の逆数の差に基づいて流速vを算出してもよい。
CPU300には、測定値保存部352及び出力装置401が接続されている。流速算出部302は、算出した流体の補正された流速vc及び流量qを、記憶装置である測定値保存部352に保存し、出力装置401に出力する。
例えば、予め成形されたシート状の音響整合層を配管に貼り付けようとしても、音響インピーダンスが高い粒子を含む音響整合層は硬くなる傾向にあり、図10に示すように、配管510の曲面に予め成形されたシート状の音響整合層522A、522Bを追随させることができないことがあり得る。そのため、配管510と、音響整合層522A、522Bと、の間に隙間が生じ、配管510内の超音波ノイズ成分を超音波吸収材521に透過させることが不可能になる場合がある。
これに対し、実施の形態に係るクランプオン式超音波流量計の設置方法によれば、予め成形されたシート状の音響整合層を用いず、図6から図9に示したように、音響整合塗料を配管10に塗布することによって、音響整合層22A、22Bを形成する。そのため、配管10がどのような形状であっても、配管10の表面に沿って音響整合層22A、22Bを形成することが可能となる。
(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、図1から図5においては、第1及び第2の超音波トランスデューサ101、102が対向して配置されている例を示した。これに対し、超音波信号を配管内で反射させる場合は、必ずしも第1及び第2の超音波トランスデューサが対向して配置されなくともよい。
また、配管10内の空洞部を流れる流体の流速vは、下記(10)式で与えられる伝播時間逆数差方式で求めてもよい。
v=(L/2cos(π/2−θao2)){(1/t1)−(1/t2)} (10)
伝播時間逆数差方式によれば、音速cが未知であっても、流体の流速vを算出可能である。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。
1 第1の振動子
2 第2の振動子
10 配管
11 第1のウェッジ
12 第2のウェッジ
21 超音波吸収材
22、22A、22B 音響整合層
101 第1の超音波トランスデューサ
102 第2の超音波トランスデューサ
300 中央演算処理装置
301 時間計測部
302 流速算出部
352 測定値保存部
401 出力装置
510 配管
521 超音波吸収材
522A、522B 音響整合層

Claims (16)

  1. 流体が流れる配管に対して第1の超音波信号を入射する第1の超音波トランスデューサと、
    前記第1の超音波信号を受信可能な位置に配置され、前記配管に対して第2の超音波信号を入射する第2の超音波トランスデューサと、
    前記配管に配置される、前記配管内の超音波ノイズ成分を吸収する超音波吸収材と、
    前記配管と前記超音波吸収材の間に配置される、前記超音波ノイズ成分を前記配管から前記超音波吸収材に透過させる音響整合層を形成するための、前記配管に塗布される音響整合塗料と、
    を備える、クランプオン式超音波流量計の設置キット。
  2. 前記音響整合塗料が、常温乾燥塗料である、請求項1に記載の超音波流量計の設置キット。
  3. 前記音響整合塗料が、粒子を含む、請求項1又は2に記載の超音波流量計の設置キット。
  4. 前記音響整合塗料が、タングステン粒子又は硫酸バリウム粒子を含む、請求項1又は2に記載の超音波流量計の設置キット。
  5. 前記超音波吸収材がブチルゴム又はシリコーンゴムを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波流量計の設置キット。
  6. 前記ブチルゴムが未架橋ブチルゴムである、請求項5に記載の超音波流量計の設置キット。
  7. 前記超音波吸収材が、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、天然ゴム、ニトリルゴム、及びスチレンゴムからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の超音波流量計の設置キット。
  8. 前記第1の超音波信号が前記配管内を経て前記第2の超音波トランスデューサに到達するまでの第1の時間と、前記第2の超音波信号が前記配管内を経て前記第1の超音波トランスデューサに到達するまでの第2の時間と、に基づき、前記配管内の流体の流速を算出する流速算出部を更に備える、請求項1から7のいずれか1項に記載の超音波流量計の設置キット。
  9. 流体が流れる配管に対して第1の超音波信号を入射する第1の超音波トランスデューサを設置することと、
    前記第1の超音波信号を受信可能な位置に、前記配管に対して第2の超音波信号を入射する第2の超音波トランスデューサを設置することと、
    前記配管に、音響整合塗料を塗布し、音響整合層を形成することと、
    前記音響整合層の上に、前記配管内の超音波ノイズ成分を吸収する超音波吸収材を配置することと、
    を備え、
    前記音響整合層が、前記超音波ノイズ成分を前記配管から前記超音波吸収材に透過させる、クランプオン式超音波流量計の設置方法。
  10. 前記音響整合塗料が、常温乾燥塗料である、請求項9に記載の超音波流量計の設置方法。
  11. 前記音響整合塗料が、粒子を含む、請求項9又は10に記載の超音波流量計の設置方法。
  12. 前記音響整合塗料が、タングステン粒子又は硫酸バリウム粒子を含む、請求項9又は10に記載の超音波流量計の設置方法。
  13. 前記超音波吸収材がブチルゴム又はシリコーンゴムを含む、請求項9から12のいずれか1項に記載の超音波流量計の設置方法。
  14. 前記ブチルゴムが未架橋ブチルゴムである、請求項13に記載の超音波流量計の設置方法。
  15. 前記超音波吸収材が、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、天然ゴム、ニトリルゴム、及びスチレンゴムからなる群から選択される少なくとも一つを含む、請求項9から12のいずれか1項に記載の超音波流量計の設置方法。
  16. 前記第1の超音波信号が前記配管内を経て前記第2の超音波トランスデューサに到達するまでの第1の時間と、前記第2の超音波信号が前記配管内を経て前記第1の超音波トランスデューサに到達するまでの第2の時間と、に基づき、前記配管内の流体の流速を算出する流速算出部を設置することを更に備える、請求項9から15のいずれか1項に記載の超音波流量計の設置方法。
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WO2024046722A1 (de) * 2022-09-02 2024-03-07 Endress+Hauser Flowtec Ag Verfahren zur einrichtung eines clamp-on-ultraschall-messgeräts und ein clamp-on-ultraschall-messgerät

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