JP4545260B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非晶質半導体薄膜を結晶化して形成された結晶質半導体膜を利用した半導体装置の作製方法に関するものであり、特に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)等の半導体装置およびその作製方法に関する。本発明の半導体装置は、薄膜トランジスタ(TFT)やMOSトランジスタ等の素子だけでなく、これら絶縁ゲート型トランジスタで構成された半導体回路を有する表示装置やイメージセンサ等の電気光学装置をも含むものである。加えて、本発明の半導体装置は、これらの表示装置および電気光学装置を搭載した電子機器をも含むものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラス基板等に上にTFTを形成して半導体回路を構成する技術が急速に進んでいる。そのような半導体回路としてはアクティブマトリクス型液晶表示装置のような電気光学装置が代表的である。
【0003】
アクティブマトリクス型液晶表示装置とは、同一基板上に画素部とドライバー回路とを設けたモノシリック型表示装置である。さらにメモリ回路やクロック発生回路等のロジック回路を内蔵したシステムオンパネルの開発も進められている。
【0004】
このようなドライバー回路やロジック回路は高速動作を行う必要があるので、活性層として非晶質珪素膜(アモルファスシリコン膜)を用いることは不適当である。そのため、現状では結晶質珪素膜(ポリシリコン膜)を活性層としたTFTが主流になりつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
TFTは透明なガラス基板に軽視することができるので、アクティブマトリクス型表示装置への応用開発が積極的に進められてきた。ポリシリコン膜を利用したTFTは高移動度が得られるので、同一基板上に機能回路を集積させて高精細な画像表示を実現することが可能とされている。
【0006】
アクティブマトリクス型表示装置は画面の解像度が高精細になるに従い、画素だけでも100万個のTFTが必要になってくる。さらに機能回路を付加すると、それ以上の数のTFTが必要となり、液晶表示装置を安定に動作させるためには、個々のTFTの信頼性を確保して安定に動作させる必要があった。
【0007】
アクティブマトリクス型表示装置の画素部はnチャネル型TFTで構成されていて、振幅15〜20V程度のゲート電圧が印加されるためオン領域とオフ領域の両方の特性を満足する必要があった。一方、画素部を駆動するために設けられる周辺回路はCMOS回路を基本として構成され、主にオン領域の特性が重要であった。
【0008】
ところが、ポリシリコン膜を利用したTFTはオフ電流(リーク電流)が大きくなりやすく、長期にわたって動作させると、移動度やオン電流が低下するといった現象がしばしば確認された。このような現象がおこる原因の一つとして、チャネル電界の増大に伴って発生するホットキャリアによる特性の劣化が考えられた。
【0009】
このホットキャリアによる特性の劣化を低減して信頼性を向上させる技術として、LDD(Lightly Doped Drain )構造が知られている。この構造はソース・ドレイン領域の内側に、さらに低濃度の不純物領域を設けたものであり、この低濃度不純物領域をLDD領域と呼んでいる。LDD構造とすることで、通常のTFT構造と比較してオフ電流を下げることができるとともに、電界の緩和効果を増大させてホットキャリア耐性を高めることができる。
【0010】
このLDD構造を形成するためには、LDD領域となる領域に相当する半導体材料にドーパント(N型またはP型を付与する不純物)の添加を行ない、所望の不純物濃度(ソース領域及びドレイン領域の不純物濃度より低い)とする必要がある。しかしながら従来のドーピング方法では不純物濃度にバラツキが生じ、個々のTFT特性のバラツキが大きくなっていた。
【0011】
本発明は上記問題点を鑑みて成されたものであり、低温プロセスの特徴を活かしたまま珪素を含む結晶質半導体膜へ13族に属する不純物元素および15族に属する不純物元素を制御性良く添加するための技術を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明は、薄い絶縁膜を介して不純物のドーピングを行い、低濃度不純物領域(LDD領域)を形成する工程を主要な構成とする。本発明を利用することによって、珪素を含む結晶質半導体膜へ13族に属する不純物元素および15族に属する不純物元素を制御性良く添加(ドーピング)する。
【0013】
本発明の基本的な目的は、珪素を含む結晶質半導体膜へ13族に属する不純物元素および15族に属する不純物元素を制御性良くドーピングすることであり、そのための手段として薄い絶縁膜を介してドーピングを行う。
【0014】
本明細書で開示する本発明の第1の構成は、
絶縁表面上にゲート電極と、
前記ゲート電極に接するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に接し、高濃度不純物領域、チャネル形成領域、及び前記高濃度不純物領域と前記チャネル形成領域との間に形成された低濃度不純物領域からなる活性層と、
前記低濃度不純物領域上に接する絶縁膜とを有することを特徴とする半導体装置である。
【0015】
また、本発明の第2の構成は、
絶縁表面上にゲート電極と、
前記ゲート電極に接するゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に接し、高濃度不純物領域、チャネル形成領域、及び前記高濃度不純物領域と前記チャネル形成領域との間に形成された低濃度不純物領域からなる活性層と、
前記チャネル形成領域上に接する第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜を覆う第2の絶縁膜とを有し、
前記第2の絶縁膜は、前記低濃度不純物領域上に接することを特徴とする半導体装置である。
【0016】
また、本発明の第3の構成は、
ゲート配線が形成された絶縁表面にゲート絶縁膜と非晶質半導体膜とを順次積層形成する工程と、
前記非晶質半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜を得る工程と、
前記結晶質半導体膜上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜をパターニングしてチャネル形成領域となるべき領域上に保護膜を形成する工程と、
13族または15族に属する不純物元素の添加を前記結晶質半導体膜に行い高濃度不純物領域を選択的に形成する工程と、
前記保護膜を覆って第2の絶縁膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜を介して13族または15族に属する不純物元素の添加を前記結晶質半導体膜に行い低濃度不純物領域を形成する工程と、
を有する半導体装置の作製方法である。
【0017】
【本発明の実施の形態】
本実施の形態を図1〜3を用いて説明する。ここでは逆スタガ型TFTを作製する場合の例について説明する。
【0018】
まず、基板101を用意する。基板101としては、ガラス基板、石英基板、結晶性ガラスなどの絶縁性基板、セラミックス基板、ステンレス基板、金属(タンタル、タングステン、モリブデン等)、半導体基板、プラスチック基板(ポリエチレンレフラレート基板)等を用いることができる。ただし、絶縁性表面を形成するために、基板101がステンレス基板、金属(タンタル、タングステン、モリブデン等)、半導体基板等の場合は、下地絶縁膜(以下、下地膜と呼ぶ)を設けた方が好ましい。なお、絶縁性基板の場合にも基板からの不純物の拡散を防止してTFTの電気特性を向上させるための下地膜を設ける構成としてもよい。
下地膜を設ける場合、その下地膜の材料としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOx y )、またはこれらの積層膜等を100〜500nmの膜厚範囲で用いることができ、形成手段としては熱CVD法、プラズマCVD法、蒸着法、スパッタ法、減圧熱CVD法等の形成方法を用いることができる。
【0019】
次いで、単層構造または積層構造を有するゲート配線(ゲート電極含む)102を形成する。(図1(A))ゲート配線102の形成手段としては熱CVD法、プラズマCVD法、減圧熱CVD法、蒸着法、スパッタ法等を用いて10〜1000nm、好ましくは30〜300nmの膜厚範囲の導電膜を形成した後、公知のパターニング技術で形成する。また、ゲート配線102の材料としては、導電性材料または半導体材料を主成分とする材料、例えばTa(タンタル)、Mo(モリブデン)、Ti(チタン)、W(タングステン)、クロム(Cr)等の高融点金属材料、これら金属材料とシリコンとの化合物であるシリサイド、N型又はP型の導電性を有するポリシリコン等の材料、低抵抗金属材料Cu(銅)、Al(アルミニウム)等を主成分とする材料層を少なくとも一層有する構造であれば特に限定されることなく用いることができる。なお、ゲート配線の下層を低抵抗金属材料とし上層を高融点金属材料とした積層構造が好ましく、例えばAl(下層)とTa(上層)の積層構造、Al(下層)とW(上層)の積層構造、Al(下層)とCu(上層)の積層構造が望ましい。また、ゲート配線を保護するための陽極酸化膜または酸化膜を形成する構成としてもよい。
【0020】
次いで、ゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOx y )、有機樹脂膜(BCB(ベンゾシクロブテン)膜)、またはこれらの積層膜等を100〜400nmの膜厚範囲で用いることができる。下地膜の形成手段としては熱CVD法、プラズマCVD法、減圧熱CVD法、蒸着法、スパッタ法、塗布法等の形成方法を用いることができる。ここでは図1(A)に示すように、積層構造のゲート絶縁膜103a、103bを用いた。下層のゲート絶縁膜103aは、基板やゲート配線からの不純物の拡散を効果的に防止する窒化シリコン膜等を膜厚10nm〜60nmの膜厚範囲で形成する。
【0021】
次いで、非晶質半導体膜104を成膜する。(図1(B))非晶質半導体膜104としては、珪素を含む非晶質半導体膜、例えば非晶質珪素膜、微結晶を有する非晶質半導体膜、微結晶珪素膜、非晶質ゲルマニウム膜、Six Ge1-x (0<X<1)で示される非晶質シリコンゲルマニウム膜またはこれらの積層膜を10〜80nm、より好ましくは15〜60nmの膜厚範囲で用いることができる。非晶質半導体膜104の形成手段としては熱CVD法、プラズマCVD法、減圧熱CVD法、蒸着法、スパッタ法等の形成方法を用いることができる。
【0022】
なお、上記ゲート絶縁膜103a、103bと非晶質半導体膜104とを大気にさらすことなく連続成膜すれば不純物がゲート絶縁膜と非晶質半導体膜との界面に混入しないため良好な界面特性を得ることができる。
【0023】
次いで、非晶質半導体膜104の結晶化処理を行い、結晶質半導体膜105を形成する。(図1(C))結晶化処理としては、公知の如何なる手段、例えば熱結晶化処理、赤外光または紫外光の照射による結晶化処理(以下レーザー結晶化と呼ぶ)、触媒元素を用いた熱結晶化処理、触媒元素を用いたレーザー結晶化処理等、またはこれらの結晶化処理を組み合わせた処理を用いることができる。なお、図1(C)ではレーザー光の照射による結晶化処理を示す。また、結晶化処理の直前に非晶質半導体膜表面の自然酸化膜をバッファーフッ酸等のフッ酸系のエッチャントで除去すると、表面付近のシリコンの結合手が水素終端されて不純物と結合しにくくなり、良好な結晶質半導体膜を形成することができる。
【0024】
こうして形成された結晶質半導体105上に絶縁膜106を形成する。この絶縁膜106は後の工程によりパターニングされて不純物の添加工程時にチャネル形成領域を保護する。この絶縁膜106としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOx y )、有機樹脂膜(BCB膜)、またはこれらの積層膜等を100〜400nmの膜厚範囲で用いることができる。そして、絶縁膜106上に公知のパターニング技術、例えば通常の露光や裏面露光等を用いてチャネル保護膜を形成するためのマスクを形成する。(図1(D))なお、図1(D)ではフォトマスクを使用しない裏面露光により形成されたレジストマスク107を示す。
【0025】
次いで、レジストマスク107を用いてウエットエッチングまたはドライエッチングにより絶縁膜106を選択的に除去して絶縁膜(以下、チャネル保護膜と呼ぶ)108を形成した後、レジストマスク107を除去する。(図1(E))この工程により結晶質半導体膜の表面が露呈されるため、レジストマスク107の除去後に表面の汚染を防止するための薄い酸化膜を、オゾン水による酸化処理、酸化雰囲気での熱処理またはUV光の照射等により形成する工程を加えてもよい。
【0026】
次いで、フォトマスクを用いてnチャネル型TFTの一部またはpチャネル型TFTを覆うレジストマスク109を形成し、結晶質半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、第1の不純物領域(n+ 領域)110aを形成する。(図2(A))半導体材料に対してn型を付与する不純物元素としては、15族に属する不純物元素、例えばP、As、Sb、N、Bi等を用いることができる。この工程では、プラスマドーピング法によりドーピング条件(ドーズ量、加速電圧等)を適宜設定して表面が露出している結晶質半導体膜にP(リン)を添加する。また、この第1の不純物領域110aは高濃度不純物領域であり、後のソース/ドレイン領域となるのでTFT作製完了時のシート抵抗が 500Ω以下(好ましくは 300Ω以下)となるように、ドーズ量を設定する。
【0027】
次いで、レジストマスク109を除去した後、低濃度不純物領域(以下、LDD領域と呼ぶ)を形成するための絶縁膜(以下、制御絶縁膜と呼ぶ)111aを形成する。(図2(B))
【0028】
次いで、制御絶縁膜111aが表面に設けられた結晶質半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、第2の不純物領域(n- 領域)112を形成する。(図2(C))こうして形成される第2の不純物領域112は低濃度不純物領域(LDD領域)として機能するものである。よって、第2の不純物領域112のリンの濃度は、SIMS分析で1×1018〜1×1019atoms /cm3 の範囲とすることが望ましい。この工程において、さらに不純物が添加されて第1の不純物領域110bが形成され、チャネル保護膜の直下には真性な結晶質半導体領域が残る。
【0029】
なお、本明細書中で真性とは、シリコンのフェルミレベルを変化させうる不純物を一切含まない領域を指し、実質的に真性な領域とは、電子と正孔が完全に釣り合って導電型を相殺させた領域、即ち、しきい値制御が可能な濃度範囲(SIMS分析で1×1015〜1×1017atoms /cm3 )でN型またはP型を付与する不純物を含む領域、または意図的に逆導電型不純物を添加することにより導電型を相殺させた領域を示す。
【0030】
ただし、図2(C)に示した工程では、絶縁膜111aを介してその下の結晶質半導体膜に不純物を添加するために、絶縁膜111aの膜厚を考慮に入れ、適宜ドーピング条件を設定する必要がある。
【0031】
上記図2(B)の工程で形成される制御絶縁膜111aの膜厚によりLDD領域の不純物濃度が決定される。図17に、ドーピング(ドーピング条件:加速電圧90kV、RF電力5W、イオンビーム電流密度0.64μA/cm2 、ドーズ量1.2×1013atoms /cm2 )によって珪素膜に注入されたドーパント(リン)の濃度の分布を示す。なお、図17は縦軸がリンの濃度、横軸が珪素膜の表面からの深さを表している。本発明において制御絶縁膜を形成した理由は、表面の露呈した半導体膜に1×1018〜1×1019atoms /cm3 の濃度となるように添加することが困難なためである。このように本発明においては、図17のような分布で被ドーピング膜に添加される性質を利用する。
【0032】
また、制御絶縁膜を設けることで、大気または製造装置からの不純物の汚染を防止する機能も有している。特に、大気に含まれるボロンによる表面汚染に効果がある。本発明は、この制御絶縁膜111aを形成することによりイオンドープ工程以外の不純物を半導体に混入させないことで、制御性よく、所望の濃度のリンを含む不純物領域、特にLDD領域を形成することを特徴としている。
【0033】
上記制御絶縁膜111aとしては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOx y )、有機樹脂膜(BCB膜)、またはこれらの積層膜等を1〜200nm、好ましくは10〜150nmの膜厚範囲で用いることができる。制御絶縁膜111aの形成手段としては熱CVD法、プラズマCVD法、減圧熱CVD法、蒸着法、スパッタ法、塗布法等の形成方法を用いることができる。また、オゾン水による酸化処理、酸化雰囲気での熱処理またはUV光の照射等により形成してもよい。
【0034】
次いで、フォトマスクを用いてnチャネル型TFTを覆うレジストマスク114を形成し、結晶質半導体膜にp型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、第3の不純物領域(p+ 領域)113を形成する。(図2(D))半導体材料に対してp型を付与する不純物元素としては、13族に属する不純物元素、例えばB、Al、Ga、In、Tl等を用いることができる。
【0035】
次いで、レジストマスク114を除去した後、ファーネスアニール、レーザーアニールまたはランプアニールにより不純物イオンの活性化およびイオン添加時の損傷の回復を図る。その後、公知のパターニング技術により所望の形状を有する活性層を形成する。(図3(A))この時、活性層を覆う絶縁膜111aもパターニングされて絶縁膜111bが形成される。
【0036】
以上の工程を経て、nチャネル型TFTのソース領域115、ドレイン領域116、低濃度不純物領域117、118、チャネル形成領域119が形成され、pチャネル型TFTのソース領域121、ドレイン領域122、チャネル形成領域120が形成される。
【0037】
次いで、全面に層間絶縁膜123を形成する。層間絶縁膜123としては酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜、有機性樹脂膜(ポリイミド膜、BCB膜等)のいずれか或いはそれらの積層膜を用いることができる。
【0038】
そして、公知の技術を用いてコンタクトホールを形成し、ソース配線124、126、ドレイン配線125、127を形成して、図3(C)に示す状態を得る。最後に水素雰囲気中で熱処理を行い、全体を水素化してnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTが完成する。
【0039】
本実施例で示すnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTを用いて相補的に結合させた回路はCMOS回路と呼ばれ、半導体回路を構成する基本回路である。このような基本回路を組み合わせたりすることでNAND回路、NOR回路のような基本論理回路を構成したり、さらに複雑なロジック回路をも構成することができる。
【0040】
また、本発明は上記本実施の形態でのドーピング順序(n+ 領域→n- 領域→p+ 領域)に限定されず、例えば、p+ 領域→n- 領域→n+ 領域の順とすることも可能である。
【0041】
また、上記本実施の形態において結晶化工程の前に非晶質半導体膜へ不純物の添加を行ない、TFTのしきい値制御を行う工程を加えてもよい。しきい値制御を行う工程としては、例えば、非晶質半導体上に制御絶縁膜(膜厚100〜200nm)を設けて、ボロンをしきい値制御が可能な濃度範囲(SIMS分析で1×1015〜1×1017atoms /cm3 )に添加し、その後、制御絶縁膜を除去する工程とすればよい。
【0042】
図18に、ドーピング(ドーピング条件:加速電圧50kV、RF電力5W、イオンビーム電流密度0.47μA/cm2 、ドーズ量3.0×1013atoms /cm2 )によって珪素膜に注入されたドーパント(ボロン)の濃度の分布を示す。
なお、図18は縦軸がボロンの濃度、横軸が珪素膜の表面からの深さを表している。
【0043】
また、上記本実施の形態においては、活性層のパターニングを活性化工程の後に行う例を示したが、特に限定されず、例えば結晶化工程前、またはドーピング前に行ってもよい。
【0044】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明するが、特にこれらの実施例に限定されないことは勿論である。
【0045】
[実施例1] 以下、図1〜3を用いて、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0046】
まず、基板101としてガラス基板(コーニング1737;歪点667℃)を用意した。次いで、基板101上に積層構造(簡略化のため図示しない)のゲート配線(ゲート電極を含む)102を形成した。(図1(A))本実施例では、スパッタ法を用いて窒化タンタル膜(膜厚50nm)とタンタル膜(膜厚250nm)を積層形成し、公知のパターニング技術であるフォトリソグラフィー法を用いて積層構造を有するゲート配線(ゲート電極を含む)102を形成した。
【0047】
次いで、ゲート絶縁膜、非晶質半導体膜104を順次大気開放しないで積層形成した。(図1(B))本実施例では作製工程中において基板やゲート配線からの不純物が半導体膜及びゲート絶縁膜へ拡散するのを防ぐため窒化珪素膜103a(膜厚50nm)と酸化珪素膜103b(膜厚125nm)をプラズマCVD法により積層形成し、積層構造のゲート絶縁膜とした。本実施例では二層の絶縁膜をゲート絶縁膜として採用しているが、単層または三層以上の積層構造としてもよい。また、本実施例ではゲート絶縁膜上に非晶質半導体膜104として、膜厚54nmの非晶質珪素膜(アモルファスシリコン膜)をプラズマCVD法により形成した。なお、いずれの層の界面にも大気からの汚染物質が付着しないようにするため順次大気開放せずに積層形成した。その後、半導体膜の結晶化を妨げる非晶質珪素膜中の水素濃度を低減するための加熱処理(500℃、1時間)を行った。
【0048】
こうして図1(B)の状態が得られたら、非晶質半導体膜104に対して赤外光または紫外光の照射による結晶化(レーザー結晶化)を行い結晶質半導体膜(結晶を含む半導体膜)105を形成した。(図1(C))結晶化技術として紫外光を用いる場合はエキシマレーザー光または紫外光ランプから発生する強光を用いればよく、赤外光を用いる場合は赤外線レーザー光または赤外線ランプから発生する強光を用いればよい。本実施例ではKrFエキシマレーザー光を線状にビーム形成して照射した。なお、照射条件としては、パルス周波数が30Hz、オーバーラップ率は96%、レーザーエネルギー密度は100〜500mJ/cm2であり本実施例では360mJ/cm2とした。なお、レーザー結晶化の条件(レーザー光の波長、オーバーラップ率、照射強度、パルス幅、繰り返し周波数、照射時間等)は、非晶質半導体膜104の膜厚、基板温度等を考慮して実施者が適宜決定すればよい。なお、レーザー結晶化の条件によっては、初期半導体膜が溶融状態を経過して結晶化する場合や、初期半導体膜が溶融せずに固相状態、もしくは固相と液相の中間状態で結晶化する場合がある。この工程により非晶質半導体膜104は結晶化され、結晶質半導体膜105に変化する。本実施例において結晶質半導体膜とは多結晶珪素膜(ポリシリコン膜)である。
【0049】
次に、こうして形成された結晶質半導体105上にチャネル形成領域を保護する絶縁膜(後にチャネル保護膜となる)106を形成した。本実施例では酸化珪素膜(膜厚200nm)を形成した。次いで、裏面からの露光を用いたパターニング(レジスト膜の成膜、露光、現像)によって、絶縁膜106に接してレジストマスク107を形成した。(図1(D))裏面からの露光によるレジストマスクの形成はマスクを必要としないため、製造マスク数を低減することができる。
図示したようにレジストマスクの大きさは光の回り込みによって、わずかにゲート配線の幅より小さくなった。
【0050】
次いで、レジストマスク107をマスクに用いて絶縁膜106をエッチングして、チャネル保護膜108を形成した後、レジストマスク107を除去した。(図1(E))この工程により、チャネル保護膜108と接する領域以外の結晶質珪素膜の表面を露呈させた。このチャネル保護膜108は、後のドーピング工程でチャネル形成領域となる領域にドーパントが添加されることを防ぐ役目を果たす。
【0051】
次いで、フォトマスクを用いたパターニングによってnチャネル型TFTの一部またはpチャネル型TFTを覆うレジストマスク109を形成し、表面が露呈された結晶質半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、第1の不純物領域(n+ 領域)110aを形成した。(図2(A))本実施例では、n型の導電性を付与する不純物としてリン元素を用いた。ドーピングガスとして水素で1〜10%(本実施例では5%)に希釈したフォスフィン(PH3 )を用い、ドーズ量5×1014atoms /cm2 、加速電圧は10kVとした。また、上記レジストマスク109のパターンを実施者が適宜設定することによりn+ 型領域の幅が決定され、所望の幅を有するn- 型領域、及びチャネル形成領域を得ることが比較的容易にできる。
【0052】
次いで、レジストマスク109を除去した後、LDD領域を形成するための絶縁膜111aを形成した。(図2(B))本実施例では、絶縁膜111aとして、酸化珪素膜(膜厚50nm)をプラズマCVD法により形成した。
【0053】
次いで、絶縁膜111aが表面に設けられた結晶質半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、第2の不純物領域(n- 領域)112を形成した。(図2(C))ただし、絶縁膜111aを介してその下の結晶質半導体膜に不純物を添加するために、絶縁膜111aの膜厚を考慮に入れ、適宜ドーピング条件を設定することが重要である。本実施例ではドーピングガスとして水素で1〜10%(本実施例では5%)に希釈したフォスフィンを用い、ドーズ量3×1013atoms /cm2 、加速電圧は60kVとした。この絶縁膜111aを介して不純物元素を添加することにより所望の濃度(SIMS分析で1×1018〜1×1019atoms /cm3 )の不純物領域を形成することができた。また、こうして形成される第2の不純物領域112はLDD領域として機能する。なお、この時、さらに不純物が添加されて第1の不純物領域110bが形成され、チャネル保護膜の直下には真性な結晶質半導体領域が残った。ただし、図示しないが実際には多少チャネル保護膜の内側に回り込んで不純物元素が添加される。
【0054】
次いで、フォトマスクを用いてnチャネル型TFTを覆うレジストマスク114を形成し、結晶質半導体膜にp型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、第3の不純物領域(p+ 領域)113を形成した。(図2(D))本実施例ではp型を付与する不純物元素としてB(ボロン)を用いた。ドーピングガスには水素で1〜10%に希釈されたジボラン(B2 6 )を用い、ドーズ量4×1015atoms /cm2 、加速電圧は30kVとした。
【0055】
次いで、レジストマスク114を除去してレーザーアニールまたは熱アニールによる不純物の活性化処理を行なった後、水素雰囲気中で熱処理(350℃、1時間)を行い、全体を水素化した。その後、公知のパターニング技術により所望の形状を有する活性層を形成した。(図3(A))この時、活性層を覆う絶縁膜111aもパターニングされて絶縁膜111bが形成された。
【0056】
以上の工程を経て、nチャネル型TFTのソース領域115、ドレイン領域116、低濃度不純物領域117、118、チャネル形成領域119が形成され、pチャネル型TFTのソース領域121、ドレイン領域122、チャネル形成領域120が形成された。
【0057】
次いで、nチャネル型TFT及びpチャネル型TFTを覆って、プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化珪素膜と、TEOSと酸素(O2 )を原料ガスに用いた膜厚940nmの酸化珪素膜との積層構造の層間絶縁膜123を形成した。(図3(B))
【0058】
そして、コンタクトホールを形成してソース配線124、126、ドレイン配線125、127を形成して、図3(C)に示す状態を得た。最後に水素雰囲気中で熱処理を行い、全体を水素化してnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTが完成した。
【0059】
なお、本実施例においては、工程順序を変更し非晶質半導体膜のパターニング後に結晶化処理を行ってもよい。
【0060】
[実施例2] 実施例1では、レーザー光によって非晶質珪素膜を結晶化させたが、本実施例では、実施例1と異なる方法で非晶質半導体膜の結晶化を行う例を示す。以下、図4〜6を用いて本実施例を説明する。
【0061】
まず、実施例1と同様に基板101上に、ゲート電極102、ゲート絶縁膜103a、103b、非晶質珪素膜104aを形成した。ここまでの工程は実施例1と同一であるため、符号は図1と同じものを用いた。
【0062】
次に、酸素雰囲気中においてUV光を照射することにより非晶質珪素膜204bの表面に図示しない極薄い酸化膜を形成する。この酸化膜は後に塗布されるニッケルを含んだ溶液の濡れ性を向上させる機能を有する。
【0063】
次にニッケルを含有する溶液を非晶質珪素膜104a表面に塗布する。ニッケル含有量(重量換算)は0.1〜50ppm、より好ましくは1ppm〜30ppmとすればよい。これは、非晶質珪素膜104a中のニッケル濃度を1015〜1019atoms/cm3 のオーダとするためである。1015atoms/cm3 以下であるとニッケルの触媒作用を得られることができない。1019atoms/cm3 程度の濃度であれば、ゲッタリングを実施しない場合でも動作可能なTFTを作製可能であり、ゲッタリング工程を効率良く行うためでもある。なお、上記のニッケルの濃度はSIMSによる測定値の最大値で定義される。
【0064】
本実施例では、ニッケルを10ppm含有するニッケル酢酸塩溶液を塗布した。そして、スピンコーターにより基板101を回転して、余分なニッケル酢酸塩溶液を吹き飛ばして除去し、非晶質珪素膜104aの表面に極薄いニッケル含有層205を形成する。(図4(A))
【0065】
図4(A)に示す状態を得たら、窒素雰囲気中で温度550℃、4時間加熱して、非晶質珪素膜104aを結晶化した。この結晶化工程により結晶質珪素膜204bが得られた。この結晶成長はニッケル(Co、Fe、Pd、Pt、Cu、Auから選ばれた少なくとも一つの元素でも良い)を添加した非晶質珪素膜104a表面から基板101の方(縦方向)へ進行するため、本明細書では縦成長と呼ぶことにする(図4(B))。なお、本実施例では全面にニッケル含有層を形成する構成としたが、レジスト等を用い選択的にニッケル含有層を形成して基板表面と平行な方向(横方向)へ結晶化を進行させる構成としてもよい。
【0066】
なお、この結晶化工程に従えば粒界を含む多結晶シリコン膜が形成されるが、異なる条件で微結晶状態のシリコン膜を形成することができる。
【0067】
また、上記加熱処理は電熱炉において500〜700℃、より好ましくは550〜650℃の温度で行うことができる。この時、加熱温度の上限は耐熱性を考慮して、使用するガラス基板101のガラス歪点より低くすることが必要である。ガラス歪点を超えるとガラス基板の反り、縮み等が顕在化してしまう。また、加熱時間は1〜12時間程度とすればよい。この加熱処理はファーネスアニール(電熱炉内での加熱処理)によって行われる。なお、レーザーアニールまたはランプアニール等の加熱手段を用いることも可能である。
【0068】
次に、得られた結晶質珪素膜204bに対してレーザー光の照射を行い、結晶性の改善された結晶質珪素膜204cを得る。本実施例では、パルス発振型のKrFエキシマレーザー(波長248nm)を用いた(図4(C))。なお、レ─ザー光の照射前に、溶液の濡れ性を向上させるために形成された極薄い酸化膜を除去してもよい。
【0069】
パルス発振型のレーザとして、短波長(紫外線領域)のXeClエキシマレーザーや、長波長のYAGレーザー等を用いる。本実施例で用いたエキシマレーザーは紫外光を発振するので、被照射領域において瞬間的に溶融固化が繰り返される。そのため、エキシマレーザー光を照射することにより、一種の非平衡状態が形成され、ニッケルが非常に動きやすい状態となる。
【0070】
また、図4(B)に示す結晶化工程で得られる結晶質珪素膜204bは非晶質成分が不規則に残存する。しかし、レーザー光の照射によってそのような非晶質成分を完全に結晶化することができるので、結晶質珪素膜204cの結晶性は大幅に改善されている。
【0071】
なお、このレーザー照射工程を省略することは可能であるが、レーザー照射することによって、結晶性の改善の他に、後のゲッタリング工程の効率を向上させるという効果が得られる。レーザー照射後では、結晶性珪素膜204c中の残留ニッケル濃度のSIMSの最高値は、1×1019〜2×1019atoms/cm3 程度である。
【0072】
上記結晶化工程の後に、結晶質珪素膜中に残存する触媒元素を除去または低減するゲッタリング技術(特開平10-270363 号公報)を用いてもよい。なお、同公報には、リン元素を全面または選択的に添加した後に加熱処理(300〜700℃、1〜12時間)を行う技術が記載されている。また、高温の硫酸を用いた液相による方法やハロゲン元素を含む気相による方法やボロンを添加して加熱する方法を用いる方法を用いてもよい。
【0073】
次いで、実施例1の図1(D)に示した工程と同様に結晶質半導体204c上に膜厚200nmのチャネル形成領域を保護する絶縁膜(後にチャネル保護膜となる)206を形成した。次いで、裏面からの露光を用いたパターニングによって、絶縁膜206に接してレジストマスク207を形成した。(図4(D))
【0074】
次いで、レジストマスク207をマスクに用いて絶縁膜206をエッチングして、チャネル保護膜208を形成した後、レジストマスク207を除去した。(図4(E))
【0075】
次いで、フォトマスクを用いたパターニングによってnチャネル型TFTの一部またはpチャネル型TFTを覆うレジストマスク209を形成し、表面が露呈された結晶質半導体膜にn型を付与する不純物元素(リン)を添加する工程を行ない、第1の不純物領域(n+ 領域)210aを形成した。(図5(A))本実施例では、ドーピングガスとして水素で1〜10%(本実施例では5%)に希釈したフォスフィン(PH3 )を用い、ドーズ量5×1014atoms /cm2 、加速電圧は10kVとした。
【0076】
次いで、レジストマスク209を除去した後、LDD領域を形成するための制御絶縁膜(本実施例では、膜厚50nmの酸化珪素膜)211aを形成した。(図5(B))
【0077】
次いで、制御絶縁膜211aが表面に設けられた結晶質半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、第2の不純物領域(n- 領域)212を形成した。(図5(C))本実施例ではドーピングガスとして水素で1〜10%(本実施例では5%)に希釈したフォスフィンを用い、ドーズ量3×1013atoms /cm2 、加速電圧は60kVとした。この制御絶縁膜211aを介して不純物元素を添加することにより所望の濃度(SIMS分析で1×1018〜1×1019atoms /cm3 )の不純物領域を形成することができた。また、こうして形成される第2の不純物領域212はLDD領域として機能する。なお、この時、さらに不純物が添加されて第1の不純物領域210bが形成され、チャネル保護膜の直下には真性な結晶質半導体領域が残った。
【0078】
次いで、フォトマスクを用いてnチャネル型TFTを覆うレジストマスク214を形成し、結晶質半導体膜にp型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、第3の不純物領域(p+ 領域)213を形成した。(図5(D))本実施例ではドーピングガスには水素で1〜10%に希釈されたジボラン(B2 6 )を用い、ドーズ量4×1015atoms /cm2 、加速電圧は30kVとした。
【0079】
次いで、レジストマスク214を除去して、300〜700℃、1〜12時間の加熱処理を行ない、ニッケル濃度を低減する技術(特開平8-330602号公報)を本実施例に適用した。本実施例では600℃、8時間の加熱処理を行ない、LDD領域およびチャネル形成領域の内部に残存するニッケルを高濃度不純物領域(ソース領域及びドレイン領域)の方に移動させる。(図6(A))こうしてニッケル濃度が低減されたチャネル形成領域(SIMS分析で1×1018atoms /cm3 以下、好ましくは1×1016atoms /cm3 以下)が得られる。この加熱処理による触媒元素の低減と同時に、ドーピング時の結晶性の損傷の回復、熱アニールによる不純物の活性化処理が行なわれる。加えてファーネスアニール、レーザーアニールまたはランプアニールを行ってもよい。その後、水素雰囲気中で熱処理(350℃、1時間)を行い、全体を水素化した。
【0080】
その後、公知のパターニング技術により所望の形状を有する活性層を形成した。(図6(B))この時、活性層を覆う絶縁膜211aもパターニングされて絶縁膜211bが形成された。
【0081】
以上の工程を経て、nチャネル型TFTのソース領域215、ドレイン領域216、低濃度不純物領域217、218、チャネル形成領域219が形成され、pチャネル型TFTのソース領域221、ドレイン領域222、チャネル形成領域220が形成された。
【0082】
次いで、nチャネル型TFT及びpチャネル型TFTを覆って、プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化珪素膜と、TEOSと酸素(O2 )を原料ガスに用いた膜厚940nmの酸化珪素膜との積層構造の層間絶縁膜223を形成した。(図6(C))
【0083】
そして、コンタクトホールを形成してソース配線224、226、ドレイン配線225、227を形成して、図6(D)に示す状態を得た。最後に水素雰囲気中で熱処理を行い、全体を水素化してnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTが完成した。
【0084】
[実施例3] 上記実施例1及び2の作製工程を用いたnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTを備えた半導体装置について、図7(A)〜(C)及び図8(A)〜(C)を用いてその構造の一例を説明する。
【0085】
なお、本発明にかかる半導体装置は、同一基板上に周辺駆動回路部と画素部とを備えている。本実施例では図示を容易にするため、周辺駆動回路部の一部を構成するCMOS回路を図7に示し、画素部の一部を構成する画素TFT(Nチャネル型TFT)とを図8に示した。なお、実施例1及び2の作製工程に加え、0.2〜0.4μmのパッシベーション膜319を形成した。パッシベーションとしては窒素を含む膜、例えば窒化珪素膜を用いることが好ましい。
【0086】
図7で示すCMOS回路はインバータ回路とも呼ばれ、半導体回路を構成する基本回路である。このようなインバータ回路を組み合わせたりすることでNAND回路、NOR回路のような基本論理回路を構成したり、さらに複雑なロジック回路をも構成することができる。
【0087】
図7(A)は図7(B)の上面図に相当する図であり、図7(A)において、点線A−A’で切断した部分が、図7(B)のCMOS回路の断面構造に相当する。また、図7(C)は、図7(A)及び図7(B)に対応するインバータ回路の回路図である。
【0088】
図7(B)において、いずれのTFT(薄膜トランジスタ)も基板301上に形成されている。CMOS回路のPチャネル型TFTの場合には、ゲート電極302が形成され、その上に窒化珪素からなる第1絶縁膜303、酸化珪素からなる第2絶縁膜304が設けられている。第2絶縁膜上には、活性層としてp+ 領域312(ドレイン領域)、315(ソース領域)とチャネル形成領域314とが形成される。上記実施例1及び2では工程数を低減するため、Pチャネル型TFTに前記高濃度不純物領域と前記チャネル形成領域の間に低濃度不純物領域(LDD領域)を設けていないが、作製してもよい。チャネル形成領域314は絶縁膜313で保護される。なお、p+ 領域312、315は活性層と同一パターニング形状を有する絶縁膜(制御絶縁膜)308で保護される。絶縁膜308の上を覆う第1の層間絶縁膜317にコンタクトホールが形成され、p+ 領域312、315に配線318、320が接続され、さらにその上にパッシベーション膜319が形成される。簡略化のため図示しないがさらにその上に第2の層間絶縁膜が形成され、配線320に引き出し配線が接続されて、その上を覆って第3の層間絶縁膜が形成される。
【0089】
一方、Nチャネル型のTFTは、活性層としてn+ 領域(ソース領域)305、n+ 領域311(ドレイン領域)と、チャネル形成領域309と、前記n+ 型領域とチャネル形成領域の間にn- 型領域306、310が形成される。なお、ドレイン領域に接するn- 型領域310はn- 型領域306より幅を大きく形成して信頼性を向上させた。絶縁膜308の上を覆う第1の層間絶縁膜317にコンタクトホールが形成され、n+ 型領域305、311には配線316、318が形成され、さらにその上にパッシベーション膜319が形成される。簡略化のため図示しないがさらにその上に第2の層間絶縁膜が形成され、配線320に引き出し配線が接続されて、その上を覆って第3の層間絶縁膜が形成される。なお、活性層以外の部分は、上記Pチャネル型TFTと概略同一構造であり簡略化のため説明を省略する。307は313と同じ機能を有する絶縁膜である。
【0090】
また、図8(A)は図8(B)の上面図に相当する図であり、図8(A)において、点線A−A’で切断した部分が、図8(B)の画素部の断面構造に相当する。また、図8(C)は、図8(A)及び図8(B)に対応する回路図である。
【0091】
画素部に形成されたNチャネル型TFTについては、基本的に、CMOS回路のNチャネル型TFTと同一構造である。基板上401にゲート電極403が形成され、その上に窒化珪素からなる第1絶縁膜402、酸化珪素からなる第2絶縁膜404が設けられている。第2絶縁膜上には、活性層としてn+ 領域405、404、414と、チャネル形成領域407、411と、前記n+ 型領域とチャネル形成領域の間にn- 型領域406、413が形成される。また、チャネル形成領域407、411は絶縁膜408、412で保護される。なお、n- 型領域及びn+ 領域は活性層と同一パターニング形状を有する絶縁膜(制御絶縁膜)410で保護される。絶縁膜410の上を覆う第1の層間絶縁膜419にコンタクトホールが形成され、n+ 領域405に配線416が接続され、n+ 領域414に配線417が接続され、さらにその上にパッシベーション膜418が形成される。そして、その上に第2の層間絶縁膜420が形成される。さらに、その上に第3の層間絶縁膜422が形成され、ITO、SnO2 等の透明導電膜からなる画素電極423が接続される。また、421は画素電極423と隣接する画素電極である。
【0092】
なお、画素部の容量部は、第1絶縁膜及び第2絶縁膜を誘電体として、容量配線415と、n+ 領域414とで形成されている。
【0093】
本実施例では一例として透過型のLCDを作製したが特に限定されない。例えば、画素電極の材料として反射性を有する金属材料を用い、画素電極のパターニングの変更、または幾つかの工程の追加/削除を適宜行えば反射型のLCDを作製することが可能である。
【0094】
なお、本実施例では、画素部の画素TFTのゲート配線をダブルゲート構造としているが、オフ電流のバラツキを低減するために、トリプルゲート構造等のマルチゲート構造としても構わない。また、開口率を向上させるためにシングルゲート構造としてもよい。
【0095】
本実施例を実施して作製されたTFTは、よりばらつきの少ない電気特性を示す。また、本実施例を実施例1、実施例2と組み合わせることは可能である。
【0096】
〔実施例4〕 実施例1では、形成順序(ドーピング順序)をn+ 領域→n- 領域→p+ 領域としたが、本実施例では、形成順序をp+ 領域→n- 領域→n+ 領域の順とする例を示す。
【0097】
本実施例は、実施例1と図1(E)の工程までは同一であり、簡略化のため説明は省略する。
【0098】
実施例1に従い図1(E)に示す状態を得たら、フォトマスクを用いてnチャネル型TFTを覆うレジストマスク501を形成し、表面が露呈した結晶質半導体膜にp型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、p+ 領域502、503を形成した。(図9(A))本実施例ではドーピングガスには水素で1〜10%に希釈されたジボラン(B2 6 )を用いた。
【0099】
次いで、レジストマスク501を除去した後、LDD領域を形成するための制御絶縁膜(本実施例では、膜厚50nmの酸化珪素膜)511aを形成した。(図9(B))
【0100】
次いで、制御絶縁膜511aが表面に設けられた結晶質半導体膜にn型を付与する不純物元素を添加する工程を行ない、n- 領域504を形成した。(図9(C))ここでは全面にドーピングを行ったが、Pチャネル型TFTを覆うレジストマスクを形成してもよい。
【0101】
次いで、フォトマスクを用いたパターニングによってnチャネル型TFTの一部またはpチャネル型TFTを覆うレジストマスク505を形成し、絶縁膜511aを選択的に除去して絶縁膜511bを形成した。次いで、表面が露呈された結晶質半導体膜にn型を付与する不純物元素(リン)を添加する工程を行ない、第1の不純物領域(n+ 領域)506を形成した。(図9(D))
【0102】
次いで、レジストマスク505を除去してレーザーアニールまたは熱アニールによる不純物の活性化処理を行なった後、水素雰囲気中で熱処理(350℃、1時間)を行い、全体を水素化した。その後、公知のパターニング技術により所望の形状を有する活性層を形成した。この時、pチャネル型TFTの活性層を覆う絶縁膜もパターニングされて絶縁膜511cが形成された。なお、nチャネル型TFTの活性層を覆う絶縁膜511bの端部は、n+ 領域とn- 領域の境界と一致する。
【0103】
以上の工程を経て、nチャネル型TFTのソース領域515、ドレイン領域516、低濃度不純物領域517、518、チャネル形成領域519が形成され、pチャネル型TFTのソース領域521、ドレイン領域522、チャネル形成領域520が形成された。(図10(A))
【0104】
次いで、nチャネル型TFT及びpチャネル型TFTを覆って、プラズマCVD法により膜厚100nmの酸化珪素膜と、TEOSと酸素(O2 )を原料ガスに用いた膜厚940nmの酸化珪素膜との積層構造の層間絶縁膜523を形成した。(図10(B))
【0105】
そして、コンタクトホールを形成してソース配線524、526、ドレイン配線525、527を形成して、図10(C)に示す状態を得た。最後に水素雰囲気中で熱処理を行い、全体を水素化してnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTが完成した。
【0106】
本実施例を実施して作製されたTFTは、よりばらつきの少ない電気特性を示す。また、本実施例を実施例1、実施例2、実施例3と組み合わせることは可能である。
【0107】
[実施例5] 実施例4の作製工程を用いたnチャネル型TFT及びpチャネル型TFTを備えた半導体装置について、図11(A)〜(C)を用いてその構造の一例を説明する。
【0108】
なお、本発明にかかる半導体装置は、同一基板上に周辺駆動回路部と画素部とを備えている。本実施例では図示を容易にするため、周辺駆動回路部の一部を構成するCMOS回路のみを図11に示した。また、画素部においては、実施例3と同一とすればよい。なお、実施例4の作製工程に加え、0.2〜0.4μmのパッシベーション膜321を形成した。パッシベーションとしては窒素を含む膜、例えば窒化珪素膜を用いることが好ましい。
【0109】
図11(A)は図11(B)の上面図に相当する図であり、図11(A)において、点線A−A’で切断した部分が、図11(B)のCMOS回路の断面構造に相当する。また、図11(C)は、図11(A)及び図11(B)に対応するインバータ回路の回路図である。
【0110】
図11(B)において、いずれのTFT(薄膜トランジスタ)も基板601上に形成されている。CMOS回路のPチャネル型TFTの場合には、ゲート電極602が形成され、その上に窒化珪素からなる第1絶縁膜603、酸化珪素からなる第2絶縁膜604が設けられている。第2絶縁膜上には、活性層としてp+ 領域614(ドレイン領域)、618(ソース領域)とチャネル形成領域615が形成される。チャネル形成領域615は絶縁膜616で保護される。なお、p+ 領域614、618は活性層と同一パターニング形状を有する絶縁膜(制御絶縁膜)618で保護される。絶縁膜618の上を覆う第1の層間絶縁膜620にコンタクトホールが形成され、p+ 領域614に配線622が接続され、p+ 領域618に配線623が接続され、さらにその上にパッシベーション膜621が形成される。簡略化のため図示しないがさらにその上に第2の層間絶縁膜が形成され、配線623に引き出し配線が接続されて、その上を覆って第3の層間絶縁膜が形成される。
【0111】
一方、Nチャネル型のTFTは、活性層としてn+ 領域608と、n+ 領域(ソース領域)605と、n+ 領域613(ドレイン領域)と、チャネル形成領域606、610と、前記n+ 型領域とチャネル形成領域の間にn- 型領域609、612が形成される。なお、ドレイン領域に接するn- 型領域612はn- 型領域609より幅を大きく形成して信頼性を向上させた。なお、n- 型領域609、612に接して絶縁膜611が形成され、絶縁膜611の端部はn+ 型領域とn- 型領域の境界と一致している。絶縁膜611の上を覆う第1の層間絶縁膜620にコンタクトホールが形成され、n+ 型領域605には配線619には接続され、n+ 型領域613には配線622が形成され、さらにその上にパッシベーション膜621が形成される。簡略化のため図示しないがさらにその上に第2の層間絶縁膜が形成され、配線619に引き出し配線が接続されて、その上を覆って第3の層間絶縁膜が形成される。607は616と同じ機能を有する絶縁膜である。
【0112】
なお、本実施例では、Nチャネル型TFTのゲート配線をダブルゲート構造としているが、オフ電流のバラツキを低減するために、トリプルゲート構造等のマルチゲート構造としても構わない。
【0113】
なお、本実施例を実施例1、実施例2、実施例3、実施例4と組み合わせることは可能である。
【0114】
[実施例6] 本実施例では、実施例1における図1(B)に相当する状態を得た後、図1(C)に相当する工程の前にフッ酸系のエッチャントにより半導体膜表面を水素終端させる例を図12を用いて示す。なお、本実施例は、実施例1と図1(B)の工程までは同一であり、簡略化のため説明は省略する。
【0115】
まず、実施例1に従い、図1(B)の状態を得る。図12(A)において、701は基板、702はゲート配線、703は第1絶縁膜、704は第2絶縁膜、704aは非晶質珪素膜である。
【0116】
そして、結晶化処理の直前に非晶質半導体膜表面をバッファーフッ酸等のフッ酸系のエッチャントで洗浄して清浄な表面を有する非晶質珪素膜704bを形成する。(図12(B))この工程においては、表面に付着した不純物を除去するとともにシリコン表面付近のシリコンの結合手が水素終端されて不純物と結合しにくくなり、良好な結晶質半導体膜を形成することができる。
【0117】
次いで、非晶質半導体膜104の結晶化処理を行い、結晶質半導体膜105を形成する。結晶化処理としては、公知の如何なる手段、例えば熱結晶化処理、赤外光または紫外光の照射による結晶化処理(以下レーザー結晶化と呼ぶ)、触媒元素を用いた熱結晶化処理、触媒元素を用いたレーザー結晶化処理等、またはこれらの結晶化処理を組み合わせた処理を用いることができる。
【0118】
本実施例を実施して作製されたTFTは、シリコン界面が清浄なため、よりばらつきの少ない電気特性を示す。また、本実施例を実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5と組み合わせることは可能である。
【0119】
[実施例7]本実施例では、実施例2における図4(A)に相当する状態を得た後、結晶化処理を行ない、液相による触媒元素の低減処理を行う例を図13を用いて示す。なお、本実施例は、実施例2と図4(A)の工程までは同一であり、簡略化のため説明は省略する。
【0120】
まず、実施例2に従い、図13(A)の状態を得る。図13(A)において、801は基板、802はゲート配線、803は第1絶縁膜、804は第2絶縁膜、804aは非晶質珪素膜、極薄いニッケル含有層805である。
【0121】
次いで、非晶質半導体膜104の結晶化処理を行い、結晶質半導体膜105を形成する。結晶化処理としては、公知の如何なる手段、例えば熱結晶化処理、赤外光または紫外光の照射による結晶化処理(以下レーザー結晶化と呼ぶ)、触媒元素を用いた熱結晶化処理、触媒元素を用いたレーザー結晶化処理等、またはこれらの結晶化処理を組み合わせた処理を用いることができる。本実施例では、熱結晶化処理後にレーザー照射工程を施し、結晶性の改善に加え、後のゲッタリング工程の効率を向上させた。
【0122】
上記結晶化工程の後に、液相と非晶質半導体膜を接触させて結晶質珪素膜中に残存する触媒元素を除去または低減する。(図13(B))液相と接触させて、触媒元素(本実施例ではニッケル)を液相(本実施例では硫酸)へと吸い出す。
特に、結晶質珪素膜と硫酸との接触方法は限定されないが、本実施例では基板をバッファーフッ酸で処理して酸化膜を除去した後、硫酸(300℃)中に10分浸漬した後、純水洗浄、乾燥させた。硫酸の温度は200℃以上、硫酸の沸点未満であり、好ましくは300℃以上とし、このような温度で数秒〜数十分、好ましくは3〜20分接触を行えばよい。なお、ニッケルが液相に移動しやすい状態とするためにファーネスアニール、レーザーアニールまたはランプアニール等の加熱手段を同時に施してもよい。なお、液相によるゲッタリング工程の前、島状領域の表面のパターニング時の残渣物(図示しない)や自然酸化膜(図示しない)を除去することが望ましい。また、液相によるゲッタリング工程の後、ゲッタリング時の残渣物(図示しない)をフッ酸系のエッチャント処理により除去することが好ましい。なお、結晶質珪素膜と硫酸とを接触させることにより結晶質珪素膜の表面の洗浄も同時に行われ、触媒元素として用いた元素以外の不純物元素、例えば、Fe、Cr、Co、Cu等の濃度も低減された。また、結晶質珪素膜と硫酸とを接触させた後、フッ酸系のエッチング処理を行ない残留物を除去することが好ましい。
【0123】
このようにして、液相による触媒元素の低減処理を行うことで十分にニッケル濃度が低減された結晶質珪素膜804cを得る。(図13(C))
【0124】
以上の工程を経て得られた結晶質珪素膜804cを用いて、実施例1で説明したプロセスを用いれば図3(c)に示したTFTが得られる。なお、本実施例においては、工程順序を変更しパターニング後に液相による触媒元素の低減処理を行ってもよい。
【0125】
また、リン元素による金属元素のゲッタリング効果を利用して結晶質珪素膜中に残存する触媒元素を除去又は低減する技術(特開平10-270363 号公報)と組み合わせるとさらに触媒元素を除去又は低減できる。
【0126】
また、ハロゲン元素(代表的には塩素またはフッ素)を含む雰囲気中において加熱処理を行い、ハロゲン元素による金属元素のゲッタリング効果を利用して結晶質珪素膜中に残存する触媒元素を除去又は低減する技術(特開平7-94757 号公報)と組み合わせるとさらに触媒元素を除去又は低減できる。
【0127】
また、本実施例を実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6と組み合わせることは可能である。なお、ニッケルに限らず、結晶質半導体膜中の不純物元素、例えば、Fe、Cr、Co等の濃度も低減され、表面の洗浄も同時に行われるため、実施例1と組み合わせることもできる。
【0128】
〔実施例8〕 本実施例においては結晶化工程の前に非晶質半導体膜へ不純物の添加を行ない、TFTのしきい値制御を行う工程を加えた例を図14を用いて説明する。
【0129】
まず、実施例1と同様に基板901上に、ゲート電極902、ゲート絶縁膜903a、903b、非晶質珪素膜904aを形成した。ここまでの工程は実施例1と同一であるため、説明を省略する。
【0130】
次いで、非晶質半導体上に制御絶縁膜905を形成する。本実施例では減圧熱CVD法により酸化珪素膜を130nmの膜厚で形成した。(図14(A))制御絶縁膜905としては酸化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜(SiOx y )、有機樹脂膜(BCB膜)、またはこれらの積層膜等を100〜200nmの膜厚範囲で用いることができる。制御絶縁膜905の形成手段としては熱CVD法、プラズマCVD法、減圧熱CVD法、蒸着法、スパッタ法、塗布法等の形成方法を用いることができる。また、オゾン水による酸化処理、酸化雰囲気での熱処理またはUV光の照射等により形成してもよい。
【0131】
次いで、絶縁膜905が表面に設けられた結晶質半導体膜にしきい値を制御する不純物元素を添加する工程を行ない、不純物領域904bを形成した。本実施例ではボロンをしきい値制御が可能な濃度範囲(SIMS分析で1×1015〜1×1017atoms /cm3 )に添加した。(図14(B))
【0132】
ただし、図18を基に、絶縁膜905を介してその下の結晶質半導体膜に不純物を添加するために、絶縁膜905の膜厚を考慮に入れ、適宜ドーピング条件を設定することが重要である。
【0133】
次いで、制御絶縁膜905をフッ酸処理で除去した。(図14(C))
【0134】
次いで、結晶化処理を行ない結晶質珪素膜904cを形成した。
【0135】
以上の工程を経て得られた結晶質珪素膜904cを用いて、実施例1で説明したプロセスを用いれば図3(c)に示したTFTが得られる。
【0136】
なお、実施例1〜実施例7のどの構成を採用しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いることが可能である。
【0137】
〔実施例9〕 本実施例では、本願発明によって作製された液晶表示装置の例を図15に示す。画素TFT(画素スイッチング素子)の作製方法やセル組工程は公知の手段を用いれば良いので詳細な説明は省略する。
【0138】
図15は、本実施例のアクティブマトリクス型液晶パネルの概略図である。図15に示すようにアクティブマトリクス基板と対向基板とが対向し、これらの基板間に液晶が挟まれている。アクティブマトリクス基板はガラス基板1000上に形成された画素部1001、走査線駆動回路1002、信号線駆動回路1003を有する。
【0139】
走査線駆動回路1002、信号線駆動回路1003はそれぞれ走査線1030、信号線1040によって画素部1001に接続されている。これら駆動回路1002、1003はCMOS回路で主に構成されている。
【0140】
画素部1001の行ごとに走査線1030が形成され、列ごとに信号線1040が形成されている。走査線1030、信号線1040の交差部近傍には、画素TFT810が形成されている。画素TFT1010のゲート電極は走査線1030に接続され、ソースは信号線1040に接続されている。更に、ドレインには画素電極1060、保持容量1070が接続されている。
【0141】
対向基板1080はガラス基板全面にITO膜等の透明導電膜が形成されている。透明導電膜は画素部1001の画素電極1060に対する対向電極であり、画素電極、対向電極間に形成された電界によって液晶材料が駆動される。対向基板1080には必要であれば配向膜や、ブラックマトリクスや、カラーフィルタが形成されている。
【0142】
アクティブマトリクス基板側のガラス基板にはFPC1031を取り付ける面を利用してICチップ1032、1033が取り付けられている。これらのICチップ1032、1033はビデオ信号の処理回路、タイミングパルス発生回路、γ補正回路、メモリ回路、演算回路などの回路をシリコン基板上に形成して構成される。
【0143】
さらに、本実施例では液晶表示装置を例に挙げて説明しているが、アクティブマトリクス型の表示装置であればEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置やEC(エレクトロクロミックス)表示装置に本願発明を適用することも可能であることは言うまでもない。
【0144】
また、本願発明を用いて作製できる液晶表示装置は透過型か反射型かは問わない。どちらを選択するのも実施者の自由である。この様に本願発明はあらゆるアクティブマトリクス型の電気光学装置(半導体装置)に対して適用することが可能である。
【0145】
なお、本実施例に示した半導体装置を作製するにあたって、実施例1〜実施例8のどの構成を採用しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いることが可能である。
【0146】
〔実施例10〕 本願発明は従来のIC技術全般に適用することが可能である。
即ち、現在市場に流通している全ての半導体回路に適用できる。例えば、ワンチップ上に集積化されたRISCプロセッサ、ASICプロセッサ等のマイクロプロセッサに適用しても良いし、液晶用ドライバー回路(D/Aコンバータ、γ補正回路、信号分割回路等)に代表される信号処理回路や携帯機器(携帯電話、PHS、モバイルコンピュータ)用の高周波回路に適用しても良い。
【0147】
また、マイクロプロセッサ等の半導体回路は様々な電子機器に搭載されて中枢回路として機能する。代表的な電子機器としてはパーソナルコンピュータ、携帯型情報端末機器、その他あらゆる家電製品が挙げられる。また、車両(自動車や電車等)の制御用コンピュータなども挙げられる。本願発明はその様な半導体装置に対しても適用可能である。
【0148】
なお、本実施例に示した半導体装置を作製するにあたって、実施例1〜実施例8のどの構成を採用しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いることが可能である。
【0149】
〔実施例11〕 本実施例では、本願発明を用いてEL(エレクトロルミネッセンス)表示装置を作製した例について説明する。
【0150】
図19(A)は本願発明を用いたEL表示装置の上面図である。図19(A)において、4010は基板、4011は画素部、4012はソース側駆動回路、4013はゲート側駆動回路であり、それぞれの駆動回路は配線4014〜4016を経てFPC4017に至り、外部機器へと接続される。
【0151】
このとき、少なくとも画素部、好ましくは駆動回路及び画素部を囲むようにしてカバー材6000、シーリング材(ハウジング材ともいう)7000、密封材(第2のシーリング材)7001が設けられている。
【0152】
また、図19(B)は本実施例のEL表示装置の断面構造であり、基板4010、下地膜4021の上に駆動回路用TFT(但し、ここではnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを組み合わせたCMOS回路を図示している。)4022及び画素部用TFT4023(但し、ここではEL素子への電流を制御するTFTだけ図示している。)が形成されている。これらのTFTは本発明のボトムゲート構造)を用いれば良い。
【0153】
本願発明は、駆動回路用TFT4022、画素部用TFT4023に際して用いることができる。
【0154】
本願発明を用いて駆動回路用TFT4022、画素部用TFT4023が完成したら、樹脂材料でなる層間絶縁膜(平坦化膜)4026の上に画素部用TFT4023のドレインと電気的に接続する透明導電膜でなる画素電極4027を形成する。透明導電膜としては、酸化インジウムと酸化スズとの化合物(ITOと呼ばれる)または酸化インジウムと酸化亜鉛との化合物を用いることができる。
そして、画素電極4027を形成したら、絶縁膜4028を形成し、画素電極4027上に開口部を形成する。
【0155】
次に、EL層4029を形成する。EL層4029は公知のEL材料(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層または電子注入層)を自由に組み合わせて積層構造または単層構造とすれば良い。どのような構造とするかは公知の技術を用いれば良い。また、EL材料には低分子系材料と高分子系(ポリマー系)材料がある。低分子系材料を用いる場合は蒸着法を用いるが、高分子系材料を用いる場合には、スピンコート法、印刷法またはインクジェット法等の簡易な方法を用いることが可能である。
【0156】
本実施例では、シャドーマスクを用いて蒸着法によりEL層を形成する。シャドーマスクを用いて画素毎に波長の異なる発光が可能な発光層(赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層)を形成することで、カラー表示が可能となる。その他にも、色変換層(CCM)とカラーフィルターを組み合わせた方式、白色発光層とカラーフィルターを組み合わせた方式があるがいずれの方法を用いても良い。
勿論、単色発光のEL表示装置とすることもできる。
【0157】
EL層4029を形成したら、その上に陰極4030を形成する。陰極4030とEL層4029の界面に存在する水分や酸素は極力排除しておくことが望ましい。従って、真空中でEL層4029と陰極4030を連続成膜するか、EL層4029を不活性雰囲気で形成し、大気解放しないで陰極4030を形成するといった工夫が必要である。本実施例ではマルチチャンバー方式(クラスターツール方式)の成膜装置を用いることで上述のような成膜を可能とする。
【0158】
なお、本実施例では陰極4030として、LiF(フッ化リチウム)膜とAl(アルミニウム)膜の積層構造を用いる。具体的にはEL層4029上に蒸着法で1nm厚のLiF(フッ化リチウム)膜を形成し、その上に300nm厚のアルミニウム膜を形成する。勿論、公知の陰極材料であるMgAg電極を用いても良い。そして陰極4030は4031で示される領域において配線4016に接続される。配線4016は陰極4030に所定の電圧を与えるための電源供給線であり、導電性ペースト材料4032を介してFPC4017に接続される。
【0159】
4031に示された領域において陰極4030と配線4016とを電気的に接続するために、層間絶縁膜4026及び絶縁膜4028にコンタクトホールを形成する必要がある。これらは層間絶縁膜4026のエッチング時(画素電極用コンタクトホールの形成時)や絶縁膜4028のエッチング時(EL層形成前の開口部の形成時)に形成しておけば良い。また、絶縁膜4028をエッチングする際に、層間絶縁膜4026まで一括でエッチングしても良い。この場合、層間絶縁膜4026と絶縁膜4028が同じ樹脂材料であれば、コンタクトホールの形状を良好なものとすることができる。
【0160】
このようにして形成されたEL素子の表面を覆って、パッシベーション膜6003、充填材6004、カバー材6000が形成される。
【0161】
さらに、EL素子部を囲むようにして、カバー材6000と基板4010の内側にシーリング材が設けられ、さらにシーリング材7000の外側には密封材(第2のシーリング材)7001が形成される。
【0162】
このとき、この充填材6004は、カバー材6000を接着するための接着剤としても機能する。充填材6004としては、PVC(ポリビニルクロライド)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。この充填材6004の内部に乾燥剤を設けておくと、吸湿効果を保持できるので好ましい。
【0163】
また、充填材6004の中にスペーサーを含有させてもよい。このとき、スペーサーをBaOなどからなる粒状物質とし、スペーサー自体に吸湿性をもたせてもよい。
【0164】
スペーサーを設けた場合、パッシベーション膜6003はスペーサー圧を緩和することができる。また、パッシベーション膜とは別に、スペーサー圧を緩和する樹脂膜などを設けてもよい。
【0165】
また、カバー材6000としては、ガラス板、アルミニウム板、ステンレス板、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムを用いることができる。なお、充填材6004としてPVBやEVAを用いる場合、数十μmのアルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることが好ましい。
【0166】
但し、EL素子からの発光方向(光の放射方向)によっては、カバー材6000が透光性を有する必要がある。
【0167】
また、配線4016はシーリング材7000および密封材7001と基板4010との隙間を通ってFPC4017に電気的に接続される。なお、ここでは配線4016について説明したが、他の配線4014、4015も同様にしてシーリング材7000および密封材7001の下を通ってFPC4017に電気的に接続される。
【0168】
〔実施例12〕 本願発明の電気光学装置は、様々な電子機器のディスプレイとして利用される。その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクター、プロジェクションTV、ゴーグルディスプレイ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図16に示す。
【0169】
図16(A)は携帯電話であり、本体2001、音声出力部2002、音声入力部2003、表示部2004、操作スイッチ2005、アンテナ2006で構成される。本願発明を音声出力部2002、音声入力部2003、表示部2004やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0170】
図16(B)はビデオカメラであり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、操作スイッチ2104、バッテリー2105、受像部2106で構成される。本願発明を表示部2102、音声入力部2103やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0171】
図16(C)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示部2205で構成される。本願発明は表示部2205やその他の信号制御回路に適用できる。
【0172】
図16(D)はゴーグルディスプレイであり、本体2301、表示部2302、アーム部2303で構成される。本発明は表示部2302やその他の信号制御回路に適用することができる。
【0173】
図16(E)はリア型プロジェクターであり、本体2401、光源2402、反射型の表示装置2403、偏光ビームスプリッタ2404、リフレクター2405、2406、スクリーン2407で構成される。本発明は反射型の表示装置2403やその他の信号制御回路に適用することができる。なお、ここでは単板式の例を示したが、三板式のフロントプロジェクションとしてもよい。
【0174】
図16(F)はフロントプロジェクションであり、本体2501、光源2502、反射型の表示装置2503、光学系(ビームスプリッターや偏光子等が含まれる)2504、スクリーン2505で構成される。スクリーン2505は会議や学会発表などのプレゼンテーションに利用される大画面スクリーンであるので、反射型の表示装置2503は高い解像度が要求される。なお、ここでは単板式の例を示したが、三板式のフロントプロジェクションとしてもよい。
【0175】
以上の様に、本願発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0176】
なお、本実施例に示した半導体装置を作製するにあたって、実施例1〜実施例8のどの構成を採用しても良いし、各実施例を自由に組み合わせて用いることが可能である。また、実施例9、10、11に示した電気光学装置や半導体回路を適宜組み合わせて用いても良い。
【0177】
【発明の効果】
本発明を用いることによって、結晶質半導体膜へ13族に属する不純物元素および15族に属する不純物元素を制御性よく添加(ドーピング)する。そのため、優れた電気特性と高い信頼性とを備えた半導体装置を得ることができる。
【0178】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のTFTの作製工程の説明図である。
【図2】 実施例1のTFTの作製工程の説明図である。
【図3】 実施例1の上面図及び断面図の説明図である。
【図4】 実施例2のTFTの作製工程の説明図である。
【図5】 実施例2のTFTの作製工程の説明図である。
【図6】 実施例2のTFTの作製工程の説明図である。
【図7】 実施例3の上面図及び断面図の説明図である。
【図8】 実施例3の上面図及び断面図の説明図である。
【図9】 実施例4のTFTの作製工程の説明図である。
【図10】 実施例4のTFTの作製工程の説明図である。
【図11】 実施例5の上面図及び断面図の説明図である。
【図12】 実施例6のTFTの作製工程の説明図である。
【図13】 実施例7のTFTの作製工程の説明図である。
【図14】 実施例8のTFTの作製工程の説明図である。
【図15】 アクティブマトリクス基板の構成を示す図である。
【図16】 電子機器の説明図である。
【図17】 リンの濃度分布を示す図である。
【図18】 ボロンの濃度分布を示す図である。
【図19】 EL表示装置の説明図である。

Claims (7)

  1. ゲート配線が形成された絶縁表面にゲート絶縁膜と非晶質半導体膜とを順次積層形成し、
    前記非晶質半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜を形成し、
    前記結晶質半導体膜上に第1の絶縁膜を形成し、
    前記第1の絶縁膜上に、裏面露光を用いて第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて前記第1の絶縁膜をパターニングして、チャネル形成領域となるべき領域上に保護膜を形成し、
    前記第1のレジストマスクを除去し、
    前記結晶質半導体膜の一部と前記保護膜の上に第2のレジストマスクを形成し、
    13族または15族に属する不純物元素の添加を前記結晶質半導体膜のソース領域及びドレイン領域となる領域に行い、高濃度不純物領域を選択的に形成し、
    前記第2のレジストマスクを除去し、
    前記保護膜を覆い、かつ前記結晶質半導体膜上に第2の絶縁膜を形成し、
    前記第2の絶縁膜を介して13族または15族に属する不純物元素の添加を前記結晶質半導体膜に行い、前記チャネル形成領域と前記高濃度不純物領域の間に低濃度不純物領域を形成し、
    前記結晶質半導体膜と前記第2の絶縁膜を同時にパターニングし、
    前記第2の絶縁膜を覆って第3の絶縁膜を形成し、
    前記第2の絶縁膜及び前記第3の絶縁膜にコンタクトホールを形成し、
    前記コンタクトホールに配線を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. ゲート配線が形成された絶縁表面にゲート絶縁膜と非晶質半導体膜とを順次積層形成し、
    珪素を含む非晶質半導体膜に前記非晶質半導体膜の結晶化を助長する触媒元素を添加し、
    前記非晶質半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜を形成し、
    前記結晶質半導体膜上に第1の絶縁膜を形成し、
    前記第1の絶縁膜上に、裏面露光を用いて第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて前記第1の絶縁膜をパターニングしてチャネル形成領域となるべき領域上に保護膜を形成し、
    前記第1のレジストマスクを除去し、
    前記結晶質半導体膜の一部と前記保護膜の上に第2のレジストマスクを形成し、
    13族または15族に属する不純物元素の添加を前記結晶質半導体膜のソース領域及びドレイン領域となる領域に行い、高濃度不純物領域を選択的に形成し、
    前記第2のレジストマスクを除去し、
    前記保護膜を覆い、かつ前記結晶質半導体膜上に第2の絶縁膜を形成し、
    前記第2の絶縁膜を介して13族または15族に属する不純物元素の添加を前記結晶質半導体膜に行い、前記チャネル形成領域と前記高濃度不純物領域の間に低濃度不純物領域を形成し、
    加熱処理によって、前記結晶質半導体膜中の前記触媒元素を前記高濃度不純物領域にゲッタリングさせ、
    前記結晶質半導体膜と前記第2の絶縁膜を同時にパターニングし、
    前記第2の絶縁膜を覆って第3の絶縁膜を形成し、
    前記第2の絶縁膜及び前記第3の絶縁膜にコンタクトホールを形成し、
    前記コンタクトホールに配線を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項2において、
    前記触媒元素として、Ni、Co、Fe、Pd、Pt、Cu、Auから選ばれた少なくとも一つの元素が用いられることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. nチャネル型TFTのゲート配線及びpチャネル型TFTのゲート配線が形成された絶縁表面にゲート絶縁膜と非晶質半導体膜とを順次積層形成し、
    前記非晶質半導体膜を結晶化して結晶質半導体膜を形成し、
    前記結晶質半導体膜上に第1の絶縁膜を形成し、
    前記第1の絶縁膜上に、裏面露光を用いて第1のレジストマスクを形成し、
    前記第1のレジストマスクを用いて前記第1の絶縁膜をパターニングしてチャネル形成領域となるべき領域上に保護膜を形成し、
    前記第1のレジストマスクを除去し、
    フォトマスクを用いて前記nチャネル型TFT上に第2のレジストマスクを形成し、
    前記第2のレジストマスクを用いて、前記結晶質半導体膜のうち前記pチャネル型TFTのソース領域及びドレイン領域となる領域に13族に属する不純物元素を添加し、
    前記第2のレジストマスクを除去し、
    前記保護膜を覆い、かつ前記結晶質半導体膜上に第2の絶縁膜を形成し、
    前記第2の絶縁膜を介して、前記結晶質半導体膜のうちnチャネル型TFTとなる領域に15族に属する不純物元素を添加して低濃度不純物領域を形成し、
    前記nチャネル型TFTの一部と前記pチャネル型TFT上に第3のレジストマスクを形成し、
    前記第2の絶縁膜を選択的に除去して前記結晶質半導体膜の前記nチャネル型TFTのソース領域及びドレイン領域となる領域を露呈させ、
    前記露呈させた前記結晶質半導体膜に15族に属する不純物元素の添加を行い高濃度不純物領域を形成し、
    前記第3のレジストマスクを除去し、
    前記第2の絶縁膜及び前記結晶質半導体膜を覆って第3の絶縁膜を形成し、
    前記nチャネル型TFTは、前記第3の絶縁膜に第1のコンタクトホールを形成し、
    前記pチャネル型TFTは、前記第2の絶縁膜及び前記第3の絶縁膜に第2のコンタクトホールを形成し、
    前記第1のコンタクトホール及び前記第2のコンタクトホールに配線を形成し、
    前記nチャネル型TFTの前記低濃度不純物領域を、前記nチャネル型TFTの前記チャネル形成領域と前記nチャネル型TFTの前記高濃度不純物領域の間に形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項2又は3において、
    前記結晶質半導体膜と液体とを接触させて、前記結晶質半導体膜に残存する前記触媒元素を低減させることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記ゲート絶縁膜の表面が大気にふれることなく、前記非晶質半導体膜を積層形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項1において、
    前記非晶質半導体膜の表面の自然酸化膜をフッ酸系のエッチャントにより除去した後、前記非晶質半導体膜を結晶化することを特徴とする半導体装置の作製方法。
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