JP4544955B2 - 画像監視装置 - Google Patents
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本発明は、上記問題に鑑み、監視領域への光の照射による侵入者の誤検出を防止することができる画像センサを提供することを目的とする。
図1は、本発明の構成を表すブロック図である。
まず、同図を参照して、本発明の各構成要素について説明する。
以下、入力画像の各画素についてエッジ強度を求めたものを入力画像エッジ強度と呼び、IE(x,y)で表す。同様に、背景画像エッジ強度をBE(x,y)で表す。
エッジ強度の求め方は各種考えられるが、
IE(x,y)=0.5*|I(x+1,y)−I(x−1,y)|
+0.5*|I(x,y+1)−I(x,y−1)| …(1)
BE(x,y)=0.5*|B(x+1,y)−B(x−1,y)|
+0.5*|B(x,y+1)−B(x,y−1)| …(2)
としてエッジ強度を求める方法が一例として挙げられる。
詳細な根拠は後述するが、2値化閾値は背景画像エッジ強度に応じて画素毎に定められており、背景画像に強いエッジが含まれていても的確に侵入者に関するエッジを抽出することができるようになる。
実際の画像ではきれいにエッジが抽出されることは稀で、仮定している侵入者の大きさ等の条件から外れる小さなエッジ(変化画素の集合)も存在する。そこで、このようなエッジは処理の対象外とするといった、所謂ノイズ除去処理を行う。ノイズ除去には、画像処理で一般的に用いられているメディアンフィルタや多数決フィルタを用いればよい。
切り出す領域は外接矩形領域が処理には便利であるが、必ずしもそれを用いる必要はない。例えば、長軸方向を一致させた楕円形等も用いることができる。
上述の一連の処理によって抽出されたラベル領域は、出力部111に渡される。
背景画像は、日照変動等を考慮して適宜更新することとする。更新のアルゴリズムは、侵入者がいないと判断されたときの画像を用いるという条件の下で、一定間隔で全画面を置き換える方式、過去の複数の画像を用いた移動平均方式等があるが、設置条件に適したものを採用する。
本発明においては、適切な方法にて更新されていると仮定して中心となる処理を説明する。
2値化閾値は、背景画像エッジ強度に応じて画素毎(複数の画素からなる領域毎も含む)に変化させる。背景画像エッジ強度が高い領域(画像として複雑な領域)の画素は高い閾値、背景画像エッジ強度が低い領域(画像として単純な領域)の画素には低い閾値を用いるものとする。
上述したように、2値化手段17は、差分処理手段16から出力されるエッジ差分を2値化テーブル領域14に記憶されている画素毎に定められた2値化閾値に従って2値化する。
背景画像エッジ強度が低い領域では、侵入者がいない場合には、光が照射されてもエッジ差分が現れにくい。それに対し、背景画像エッジ強度が高い領域では、侵入者がいない場合でも、光が照射されるとエッジ差分が現れやすい。
なぜなら、ある画素における背景画像エッジ強度をEとすると、光が照射されたときのその画素におけるエッジ強度(すなわち、入力画像エッジ強度)は近似的にk*E(kは照射された光の強度に依るk>1なる定数)とみなすことができるので、エッジ差分は、(k−1)*Eとなり、元の背景画像エッジ強度Eがより大きい方が、光が照射された場合にエッジ差分も大きくなるからである。
それに対し、背景画像エッジ強度が高い領域では、光が照射されたときにエッジ差分が現れやすいため、2値化閾値を低めに設定すると照射された光を侵入者と誤検出する可能性が高くなるので、背景画像エッジ強度が低い領域と同じ(低めの)閾値を用いるのは望ましくない。
ただし、背景画像によるエッジと侵入者によるエッジとを十分区別できるような値に2値化閾値を設定する必要がある。
同図に示した例のように、上述の根拠に基づいて、本発明では2値化閾値を背景画像エッジ強度の関数として定義する。
例えばグラフが直線となる傾きが正の一次関数やグラフが曲線となる単調増加な関数等を採用することが考えられる。
この場合、差分処理手段16は、背景画像領域13から出力される背景画像エッジ強度BE(x,y)と特徴抽出手段15から出力される入力画像エッジ強度IE(x,y)とから差分絶対値(エッジ強度の変化量あるいはエッジ差分)|BE(x,y)−IE(x,y)|を求めることになる。
同図に従って、本発明の動作を示す。
このステップでは、以下に述べる処理に用いる現在の画像を取得すると共に、人がいないと判断された場合には背景画像の取得を行うことになる。
図4(a)及び図4(b)は、それぞれ、S31で得られた背景画像と入力画像の例を示す図である。
図4(b)では、斜め右上から光が当たっており、明るく照らされた領域内に侵入者41がいる。
図5は、図4(b)の入力画像からエッジ強度を抽出した結果を示す図である。
同図に示すように、背景と侵入者41のエッジが抽出されているが、照射された光の輪郭(図4(b)参照)は抽出されていない。
光の領域の輪郭はグラデーションになっているため、入力画像エッジ強度は強くないことが実験により知られている。
図6は、図4(a)の背景画像からエッジ強度を抽出した結果を示す図である。
なお、このステップは毎回実行する必要はなく、S31で人がいないと判断され背景画像が取得された場合にのみ実行し、記憶しておいてもよい。
図7は、上述の例に関して、背景画像エッジ強度(図6参照)と入力画像エッジ強度(図5参照)との差分結果(エッジ差分)を示す図である。
同図において、侵入者41のエッジに加え、光が照射された領域の背景画像のエッジが現れている。
これは、光が照射された領域では、入力画像エッジ強度が背景画像エッジ強度に比して強くなるためエッジ差分が生じるためである。
上述したように、この2値化閾値は、S33で求めた背景画像エッジ強度の関数により求められた値である(図2参照)。
そのため、高い背景画像エッジ強度を有するエッジ差分の画素は、高い閾値で2値化されるため、ある程度の大きさのエッジ差分までは2値化処理によって”0”に割り当てられやすくなる。
ただし、侵入者の(輪郭)部分の画素は、”1”に割り当てられるような程度に閾値を定めておく。
図7に示したようにエッジ差分は侵入者41のエッジと光が照射された領域の背景画像のエッジとを合わせたものとなっているが、上述のような画素毎の2値化によって背景画像のエッジは”0”に割り当てられ、図8に示すように侵入者41のエッジのみが的確に”1”として抽出される。
侵入者によるものか否かの最終判定は、上述したラベル領域の情報のみではなく、入力画像中での位置の輝度情報等の付加的情報も併用してもよい。
前記付加的情報としては、「人間であると仮定できる大きさ、縦横比」、「人間として現実的に考えられる移動速度」、「輝度分布やテクスチャ情報」等が考えられる。
エッジ差分を利用するため、照射された光のように輪郭がグラデーションとなっているものを排除することができ、光による誤報を避けることができる効果がある。
また、前記関数による閾値を用いると、エッジ強度の変化量(エッジ差分)は大きいが侵入者によるものではない領域を抽出しないようにすることができるため、光の照射による侵入者の誤検出を防止しつつも、強い光の中から侵入者だけを抽出することができる効果がある。
12 画像入力I/F
13 背景画像記憶領域
14 2値化閾値テーブル領域
15 特徴抽出手段
16 差分処理手段
17 2値化手段
18 ラベル領域抽出手段
19 背景画像更新手段
110 2値化閾値算出手段
111 出力部
112 侵入判定部
Claims (3)
- 監視領域を撮像した画像を取得する画像入力手段と、
前記画像のエッジを抽出する特徴抽出手段と、
基準となる背景画像から前記特徴抽出手段によって抽出された背景画像エッジ又は前記背景画像を記憶する背景記憶手段と、
監視対象である入力画像から前記特徴抽出手段によって抽出された入力画像エッジと前記背景画像エッジとを比較し各画素におけるエッジ強度の変化量を求める差分処理手段と、
前記背景画像エッジのエッジ強度に基づいて前記各画素における所定の2値化閾値を設定する2値化閾値設定手段と、
前記各画素における前記エッジ強度の変化量と前記各画素における前記所定の2値化閾値とを比較し該2値化閾値以上となる変化画素を抽出する変化画素抽出手段と、
少なくとも前記変化画素が形成する領域に基づいて監視領域における移動体の存在を判定する移動体判定手段と、
を備えることを特徴とする画像監視装置。 - 前記2値化閾値設定手段は、前記背景画像エッジの各画素におけるエッジ強度に基づいて前記各画素における前記所定の2値化閾値を求め、該求めた所定の2値化閾値を画素毎に対応させて設定する請求項1に記載の画像監視装置。
- 前記2値化閾値設定手段は、前記背景画像エッジのエッジ強度の増加関数として求まる値を前記各画素における前記所定の2値化閾値に設定する請求項1又は2に記載の画像監視装置。
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