JP4544678B2 - パンチ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種の用紙にパンチ孔をあけることができるパンチ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、搬送される各種の用紙を、順次若しくはまとめてスタックさせた後、これらにパンチあなをあけることができるパンチ処理装置が各種開発されている。
【0003】
このパンチ処理装置としては、例えば、図4に示すように、プーリ100、ステー101及びポンチ102を有し、プーリ100の回転動作に応じて支軸Aを中心として上下に首振り運動するステー101を介し、圧縮ばね103の弾性力に抗してポンチ102を押下してパンチ孔をあける構成のものが知られている。さらに、図5に示すように、偏心カム104及び圧縮ばね105で上方への弾性力が付与されたポンチ106を有し、偏心カム104を回動させることにより、この偏心カム104と当接するポンチ106が、圧縮ばね105の弾性力に抗して下降してパンチ孔をあける構成のものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、前者のような構成では、ポンチ102の上下方向への動作は安定しているのでその点では都合がよいが、ステー101を設置している分だけ、スペースが余分に必要となり、パンチ処理装置の大型化を招く。
一方、後者のような構成では、構造が簡単な分、部品点数が削減されるので、パンチ処理装置の小型化に有効であり、かつ、低廉であるが、ポンチ106の上方への後退動作を圧縮ばね105の弾性力のみに頼っているので、パンチ動作の安定性や耐久性に欠ける。
【0005】
そこで、この請求項1に係る発明は、上記した事情に鑑み、低廉で省スペース化が可能であるとともに、パンチ動作が安定し、耐久性も満たすようにすることを目的とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、一層コストダウンを図ることができるようにすることを目的とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、回転体を駆動回転する手段が一つで済み、さらに小型化及びコストダウンを図ることができることを目的とする。
【0008】
そのため、請求項1に記載の発明は、用紙にパンチ処理を行うパンチ処理装置であって、軸と、
その軸が中心に設けられており、該軸を中心として回転自在に支持されているとともに、板面に軸に対して偏心状態でガイド部が設けられている円板状の回転部材と、
その回転部材のガイド部に係合するように設けられており、回転部材の回転動作に連動して往復動される係合部材と、
その係合部材を設けて該係合部材の往復動にともない進退動作されてパンチ処理を行うポンチと、
を備えたものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
円板状の回転部材の外周には、駆動源からの回転力を伝達するベルトが掛け渡されているものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のパンチ処理装置において、複数の円板状の回転部材が、軸により一体に連結されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について添付図面に基づき説明する。
図1には、この発明に係るパンチ処理装置の全体斜視図を示す。
この例のパンチ処理装置は、図示外の自動原稿給紙装置(以下、ADFとよぶ)内の適宜の位置にユニット化されて設置されており、大略構成として、回転体1と、ポンチ2と、回転体1に連動してポンチ2を上下動させる運動伝達手段3とを備えている。
【0012】
ADFは、周知のように、原稿を1枚ずつ給送してこの給送タイミングに合わせて読取るものであって、従来のものと同様に画像形成装置、例えば複写機に付設されており、内部には、給紙部、搬送部、排紙部を備えている。なお、この例のパンチ処理装置は、例えば、このADF内において、原稿内容読取後に原稿を排紙部へ向けて搬送する搬送部の一部(以下、パンチ処理位置とよぶ)に設置されており、そこで原稿搬送動作を一時的に停止させて、用紙であるその原稿にパンチ処理を行うようになっている。
【0013】
この例の回転体1は、同一形状の2つの円板状の回転部材であるプーリ1Aと、これらのプーリ1Aを一体につなぐ軸1Bとから構成されており、回転駆動手段として、図1に示す駆動用モータ4によって回転するようになっている。即ち、このプーリ1Aは、駆動用モータ4に設けた駆動プーリ4Aとの間に掛け渡したタイミングベルト5を介し、駆動用モータ4からの回転力を伝達して回転する。軸1Bは、回転部材であるプーリ1Aを回転自在に支持するため、ケーシング6に設けた図示外の軸受けに支持されている。
【0014】
ポンチ2は、一定間隔を保持して設けた2個1対のものからなり、それぞれ、ケーシング6に取付けたブラケット7に開口した孔7Aに上下方向のみ摺動可能に支持されている。なお、ブラケット7に開口した孔7Aには軸受け7Bが取付けてある。一方、ポンチ2の下端部は、軸受け6Bに支持されており、常時、上下の軸受け7B、6Bで拘束されており、上下方向のみ移動できるようになっている。
【0015】
なお、このポンチ2は、周方向に移動したり回転するのを防止するため、原稿のパンチ孔をあける刃を設けた下端部を除く部分が断面真円形状を避けた形状、例えば角形にしたり、軸受け7Bとの間でセレーション係合させるようにしてもよい。
【0016】
運動伝達手段3は、プーリ1Aの互いに対向する内面側に偏心状態で刻設した細幅真円状のガイド部である環状溝11と、ポンチ2の上部側方から突出し、環状溝11に係合する係合部材である支持ピン21とで構成されている。即ち、この運動伝達手段3は、プーリ1Aの回転によって環状溝11を変位させ、この変位動作に追従して支持ピン21を上下させるようになっている。なお、プーリ1Aには、環状溝11の替わりに、環状の孔を偏心状態で設け、このガイド部である環状孔に支持ピン21を貫通状態で挿入させるように構成してもよいし、プーリ1Aに設けるガイド部は、窪んだり、孔をあけずに突出させたりした構造でもよい。この場合、支持ピン21は、双方のポンチ2を一体に連結するように取付けてもよい。
【0017】
つぎに、この例のパンチ処理装置の作用について説明する。
この例では、ADFでの原稿搬送の際に、その原稿が所定の位置にくると、その搬送動作を一時的に停止させ、以下のようなパンチ孔処理が、原稿1枚ずつ自動的に行われる。
【0018】
即ち、初め、原稿が搬送されてくるまで、図2に示すように、プーリ1Aが初期位相状態で待機している。即ち、図3(A)に示すように、プーリ1Aにおいて、環状溝11が最上位置に達したところ(以下、HPとよぶ)で、待機しており、このとき支持ピン21は軸1Bに最も接近した最上位高さにある。
【0019】
その後、原稿がこのパンチ処理位置に達すると、原稿の搬送動作を一時中断して、駆動モータ4が作動を開始する。これにより、プーリ1Aが1回転、360度だけ回動(例えば、この例では、時計回りに回転する)する。
【0020】
即ち、支持ピン21を基準に説明すると、同図(B)のように、プーリ1Aが90度回動すると、支持ピン21は少し下方に向けて降下する。
【0021】
さらに、そこからプーリ1Aが回動を続け、支持ピン21がHP位置から半回転すると、同図(C)に示すように、支持ピン21は最下位置まで降下する。これにより、図1に示すように、支持ピン21と一体のポンチ2も、最下部まで降下し、刃を設けた下端部が図示外の原稿にパンチ処理を行う。
【0022】
その後、プーリ1Aがさらに回転を続けると、支持ピン21とともにポンチ2が上昇を始めるので、原稿から下端部が脱出する。そして、支持ピン21は、例えば、プーリ1Aが270度回動すると、少し上昇して図3(D)に示す位置へ移動する。
【0023】
そして、プーリ1Aが、HP位置から360度回動したところで、その回転動作が停止して元のHP状態に戻り、次の原稿到着まで待機する。
なお、パンチ処理が済んだ原稿は、一時的な停止状態が解除されて、搬送部が再び作動し、排紙部まで搬送されて排紙部で所定位置にその原稿がスタックされていく。
【0024】
このようにして、上記した一連のパンチ処理動作を繰り返すことにより、複数枚の原稿へのパンチ処理が自動的に、しかも、正確に行うことが可能となる。
なお、この例では、複写機、ファクシミリ、プリンタまたはそれらの複合機などの画像形成装置に備えたADFで給送する原稿に対してパンチ処理を行う場合について説明してきたが、画像形成装置或いはこれに備えた記録紙後処理装置で搬送中の記録紙にパンチ処理を行うものにも、使用することができる。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明のパンチ処理装置によれば、軸と、円板状の回転部材と、係合部材と、ポンチとで、つまり、従来のばねなどの弾性部材を必要とせずに、自動的にパンチ処理が行えるようになり、その分、低廉で省スペース化が可能であるとともに、パンチ動作が安定し、耐久性も満たすことができるから、小型で信頼度の高いものが提供できる。
【0026】
また、回転部材の回転動作だけで、用紙への孔あけ動作及びその穴あけ後の用紙からの待避動作を的確に行うことができるから、構造が簡単である分、コストダウンをさらに図ることができるので、便宜である。
【0027】
さらに、請求項3に係る発明によれば、複数の円板状の回転部材が、軸により一体に連結されており、例えば2個所のパンチ処理を一つのモータなどで駆動できるから、小型化が一層可能になるとともに、さらに製造コストの削減も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るパンチ処理装置を示す概略斜視図である。
【図2】そのパンチ処理装置におけるポンチの最上位まで後退したときの状態を示す斜視図である。
【図3】そのパンチ処理装置によるパンチ処理動作時のプーリと支持ピンとの相互位置関係を示す説明図であり、(A)はプーリがHPのときの状態、(B)はプーリが90度回動したときの状態、(C)は半回転してパンチ処理するときの状態、(D)はプーリが90度回動したときの状態を示す。
【図4】従来のパンチ処理装置を示す概略図である。
【図5】従来の他のパンチ処理装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 回転体
11 環状溝(ガイド部)
1A プーリ(円板状の回転部材)
1B 軸
2 ポンチ
21 支持ピン(係合部材)
3 運動伝達手段
4 駆動用モータ(駆動源)
4A 駆動プーリ
5 タイミングベルト
6 ケーシング
6A 孔
6B 軸受け
7 ブラケット
7A 孔
7B 軸受け
Claims (3)
- 用紙にパンチ処理を行うパンチ処理装置であって、
軸と、
その軸が中心に設けられており、該軸を中心として回転自在に支持されているとともに、板面に前記軸に対して偏心状態でガイド部が設けられている円板状の回転部材と、
その回転部材の前記ガイド部に係合するように設けられており、前記回転部材の回転動作に連動して往復動される係合部材と、
その係合部材を設けて該係合部材の往復動にともない進退動作されてパンチ処理を行うポンチと、
を備えたことを特徴とするパンチ処理装置。 - 前記円板状の回転部材の外周には、駆動源からの回転力を伝達するベルトが掛け渡されていることを特徴とする請求項1に記載のパンチ処理装置。
- 複数の前記円板状の回転部材が、前記軸により一体に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパンチ処理装置。
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