JP4543418B2 - 人体局部洗浄装置と洗浄ノズル - Google Patents

人体局部洗浄装置と洗浄ノズル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体局部を洗浄する人体局部洗浄装置及び洗浄ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の洗浄ノズルとして、図13に示すようなもの(例えば、特開昭62−153428号公報)や図14(例えば、特公昭63−60182号公報)に示すようなものがあった。
【0003】
図13において、9aは振動ホースであり、9bは振動ホース9aに連結された可動自在な吐出口である。この振動ホース9aの内面にカマボコ型の突起9cを千鳥状に形成させることで、洗浄水の通過に伴ってこの振動ホース9aが振動し、吐出口9bからの洗浄水吐出方向が振動的に変化し、電気的駆動を必要とすることなく洗浄効果を高めるものである。
【0004】
また、図14において、9dは流体発振素子であり、9eは長方形状の吐出口である。流体発振素子9dに流入した洗浄水は一方向に揺動し、洗浄水を広範囲に吐出し、上記従来技術と同様に、電気的駆動を必要とすることなく洗浄効果を高めるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図13の洗浄ノズルは、振動ホース内部で振動ホースを自励させるため、吐出の揺動範囲が狭く、また揺動範囲が一定せず、広い範囲の洗浄や安定した洗浄を行うには不向きであるという課題を有していた。
【0006】
図14の洗浄ノズルは、洗浄水自体が長方形の吐出口内を動くため、不必要な飛び散りが多く、また吐出後の洗浄水が散らばりやすく、図13の洗浄ノズル同様、安定した洗浄を行うには不向きであるという課題を有していた。
【0007】
従って、電気的駆動を必要としないので、漏電や電気的故障といったことがなく、安全性や構造の簡略化が望めるが、所望の範囲を飛び散りもなく安定して洗浄したいという要望に十分に応えることができなかった。
【0008】
一方、所望の範囲を洗浄する洗浄水の水量を低減することは、近年問題化している水不足から重要な課題である。また温水を用いる場合は、水温を高めるために多くの熱量が必要なため、省エネルギーの観点からも、所望の範囲を洗浄する洗浄水の水量を低減することは、大変重要な課題である。
【0009】
但し、使い勝手を損なわず所望の範囲を洗浄する洗浄水の水量を低減するためには、洗浄水を所望の範囲に効果的に分散させ、洗浄力や洗浄感を落とさないために、洗浄水の流速を高めることが必要である。
【0010】
しかしながら、図13の洗浄ノズルは、吐出の揺動範囲が狭く、また揺動範囲が一定しないため、洗浄水を効果的に分散させることができず、使い勝手を損なわず所望の範囲を洗浄する洗浄水の水量を低減することができない。
【0011】
図14の洗浄ノズルも、洗浄水自体が長方形の吐出口内を動くため、不必要な飛び散りが多く、洗浄力や洗浄感を落とさないために洗浄水の流速を高めると、不必要な飛び散りが多くなる傾向がより顕著に現れ、使い勝手を損なわず所望の範囲を洗浄する洗浄水の水量を低減することができない。
【0012】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、乱流室で発生した水流による乱流渦から力を受けた可動部が、接続部で支持されながら揺動することによって、吐出口から吐出される洗浄水を揺動させ、所望の洗浄範囲を不要な飛び散りもなく安定して洗浄させる洗浄ノズル及びそれを用いた洗浄装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、洗浄水の水量を低減して洗浄水の流速を上げた場合でも、不要な飛び散りを生じさせることなく所望の洗浄範囲に効果的に洗浄水を分散させることができ、使用勝手を損なうことなく洗浄水の水量を従来に比べ低減することができる洗浄ノズル及びそれを用いた洗浄装置を提供することにある。
また、本発明でいう水流より発生した乱流渦や水流より発生した乱れとは、周期的または非周期に発生する渦構造のことである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記目的を達成するために請求項1に記載した本発明は、洗浄水を吐出して人体局部を洗浄する洗浄ノズルを組み込んだ人体局部洗浄装置において、乱流室と、該乱流室内に洗浄水を供給する単数又は複数の出水口と、が設けられた固定部と、前記乱流室内に収容された単数又は複数の可動部であって、前記乱流室内で発生した乱流渦による力を受ける受力部と、前記乱流室内の洗浄水を内部に受け入れる単数又は複数の入水口と、前記入水口から入った洗浄水を外部に向かって吐出する単数又は複数の吐出口と、が設けられた前記可動部と、前記可動部を前記固定部に対して揺動自在に接続する単数又は複数の接続部と、を有し、前記乱流室内に供給された洗浄水は、乱流渦を発生させて前記可動部を揺動させるとともに、前記可動部に設けられた入水口を介して前記吐出口より吐出されることを特徴とする洗浄ノズルを組み込んだ人体局部洗浄装置である。
【0015】
こうすることによって、請求項1に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]受力部で受けた力により、接続部又はその近傍を支点として、接続部の拘束力で決まる一定の振れ角内で、可動部(吐出口)が効率よく揺動することによって、洗浄水を揺動させながら、人体局部を洗浄する。
よって、人体局部の所望の範囲を飛び散りなく安定して洗浄させることができる。また、人体局部のマッサージ感や脈動感を高めることができる。さらに、マッサージ感や脈動感を高めることができるので、人体局部の血行が促進され、痔疾の改善や予防を行うこともできる。さらに、洗浄水量を低減し洗浄水流速を上げても、洗浄水が効果的に分散するので、使い勝手を損なうことなく節水及び省エネを図ることができる。さらに、電気的な駆動を利用しないで洗浄水の分散を行うので、漏電や電気的故障により人体が感電するといった心配もなく、安全性に非常に優れ、構造の簡略化が望める。
【0016】
上記目的を達成するために請求項2に記載した本発明は、 洗浄水を吐出して所望の範囲を洗浄する洗浄ノズルにおいて、乱流室と、該乱流室内に洗浄水を供給する単数又は複数の出水口と、が設けられた固定部と、前記乱流室内に収容された単数又は複数の可動部であって、前記乱流室内で発生した乱流渦による力を受ける受力部と、前記乱流室内の洗浄水を内部に受け入れる単数又は複数の入水口と、前記入水口から入った洗浄水を外部に向かって吐出する単数又は複数の吐出口と、が設けられた前記可動部と、前記可動部を前記固定部に対して揺動自在に接続する単数又は複数の接続部と、を有し、前記乱流室内に供給された洗浄水は、乱流渦を発生させて前記可動部を揺動させるとともに、前記可動部に設けられた入水口を介して前記吐出口より吐出されることを特徴とする洗浄ノズルである。
【0017】
こうすることによって、請求項2に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]受力部で受けた力により、接続部又はその近傍を支点として、接続部の拘束力で決まる一定の振れ角内で、可動部(吐出口)が効率よく揺動することによって、洗浄水を揺動させながら、所望の範囲を洗浄する。
よって、所望の洗浄範囲を飛び散りなく安定して洗浄させることができる。さらに、洗浄水量を低減し洗浄水流速を上げても、洗浄水が効果的に分散するので、使い勝手を損なうことなく節水及び省エネを図ることができる。さらに、電気的な駆動を利用しないで洗浄水の分散を行うので、漏電や電気的故障により人体や周囲の環境が感電するといった心配もなく、安全性に非常に優れ、構造の簡略化が望める。
【0018】
上記目的を達成するために請求項3に記載した本発明は、前記乱流室と前記出水口の少なくとも一方に凹凸形状を設けたことを特徴とする請求項2記載の洗浄ノズルである。
【0019】
こうすることによって、請求項3に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]乱流室と出水口の少なくとも一方に設けた凹凸形状により、乱流渦の発生を促進することができる。
よって、低水圧でも効率的に可動部を揺動させることができ、洗浄ノズルを小型化することができる。また、本発明洗浄ノズルの適用範囲を広げることができる。
【0020】
上記目的を達成するために請求項4に記載した本発明は、前記接続部として弾性体を用いたことを特徴とする請求項2または3記載の洗浄ノズルである。
【0021】
こうすることによって、請求項4に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]受力部での受力に応じて、接続部としての弾性体が柔軟に変形し、小さな力で効率的に可動部を揺動させることができる。
よって、乱流室をひいては洗浄ノズルを小型化することができる。また、可動部揺動のための必要水圧も低減でき、本発明洗浄ノズルの適用範囲を広げることができる。また、可動部が揺動することにより発生する振動を弾性体が吸収するので、振動や騒音の発生を極力抑えることができる。
【0022】
上記目的を達成するために請求項5に記載した本発明は、前記接続部から水が漏れないように前記接続部は完全シール構造であることを特徴とする請求項2〜4何れか記載の洗浄ノズルである。
【0023】
こうすることによって、請求項5に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]接続部が完全シール構造なので、不必要な部分に水が流出したり、飛び散ったりしない。
よって、濡らしたくないところを濡らすことがなく、不快感を得ることがない。また、水の流出によるエネルギーロスを防ぐことができるので、必要最小限の水圧で可動部を揺動させることができ、本発明洗浄ノズルの適用範囲を広げることができる。
【0024】
上記目的を達成するために請求項6に記載した本発明は、前記乱流室内の水流に空気を混入する空気混入手段を有し、該空気混入手段により、該可動部を揺動させ、又は該可動部の揺動を補助することを特徴とする請求項2〜5何れか記載の洗浄ノズルである。
【0025】
こうすることによって、請求項6に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]空気を混入することにより水流の乱流渦を増幅することができる。また、空気と水との密度の違いから、受力部の受ける力を受力部内の場所や時間によって、変えることができる。
よって、乱流渦を発生させるための乱流室の構造を複雑にすることなく、可動部揺動を容易に行うことができ、揺動の信頼性を向上できる。また、空気混入量を周期的に変えることにより、可動部の揺動状態も周期的に変えることができるので、空気混入手段の空気混入量を制御することによって、洗浄範囲や洗浄感を変更することができる。また、空気混入手段と水圧を同時に制御することにより、洗浄水の瞬間水量を変えることなく可動部の揺動を可変でき、ひいては洗浄面積や洗浄感を瞬間水量と独立して変更することができる。さらに、空気混入手段の空気混入方法によって(例えば、エゼクター混入と強制混入の違い、混入部形状の違いなど)、気泡径や気泡混入状態が変わるので、使用目的の揺動幅や揺動周期に応じて、空気混入方法は決めればよい。また、空気混入による洗浄水の分散効果で、所望の範囲を洗浄する洗浄水の水量を使い勝手を損なうことなく減らすこともできる。また、人体洗浄の場合では、よりソフトな洗浄感を得ることができる。
【0026】
上記目的を達成するために請求項7に記載した本発明は、前記可動部を揺動させる水流の一部を、前記吐出口とは別の場所から排出することを特徴とする請求項2〜6何れか記載の洗浄ノズルである。
【0027】
こうすることによって、請求項7に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]揺動させるに十分な水流が乱流室内を流れ、その内の洗浄に必要な水量の洗浄水だけが可動部の入水口に流入する。
よって、少ない水量しか必要ないときでも、乱流室内で揺動に十分な乱流渦を発生させることができ、最適な水量と揺動状態で洗浄を行うことができる。
【0028】
上記目的を達成するために請求項8に記載した本発明は、前記可動部を揺動させる水流と洗浄水とを独立させて供給することを特徴とする請求項2〜7何れか記載の洗浄ノズルである。
【0029】
こうすることによって、請求項8に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]可動部を揺動させる水流と洗浄水とを独立させて供給することにより、洗浄水の水量に関係なく、可動部を揺動させたり、揺動状態を変更できる。
よって、水圧が小さく、また必要な洗浄水の水量が少ない場合でも、可動部をひいては洗浄水を十分に揺動させることができる。また、使用状態や目的に合わせて、揺動状態を可変にしたい場合でも、洗浄水の水量を揺動状態に従属させて変更することなく揺動状態を可変にできるので、揺動状態に関係なく常に最適な水量で洗浄を行うことができる。
【0030】
上記目的を達成するために請求項9に記載した本発明は、前記可動部の少なくとも一部は弾性体であることを特徴とする請求項2〜8何れか記載の洗浄ノズルである。
【0031】
こうすることによって、請求項9に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]受力部での受力に応じて、可動部の一部の弾性体も柔軟に変形し、より小さな力で効率的に可動部を揺動させることができる。
よって、より広範囲に洗浄水を揺動させたり、乱流室や可動部の小型化を図ることができる。また、可動部により複雑な動きをさせることも可能となり、多様な揺動状態で所望の範囲を洗浄でき、適用使用条件が広がる。
【0032】
上記目的を達成するために請求項10に記載した本発明は、前記受力部に凹凸形状を設けたことを特徴とする請求項2〜9何れか記載の洗浄ノズルである。
【0033】
こうすることによって、請求項10に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]凹凸形状が乱流渦により発生する力を効率よく可動部に伝達することができる。また、水流が凹凸形状と干渉しそれにより乱流渦の発生が促進され、さらに可動部の揺動効率が上がる。
よって、より広範囲に洗浄水を揺動させたり、乱流室や可動部の小型化を図ることができる。また、凹凸の形状や位置によっては、可動部により複雑な動きをさせることも可能となり、多様な揺動状態で所望の範囲を洗浄でき、適用使用条件が広がる。
【0034】
上記目的を達成するために請求項11に記載した本発明は、前記接続部が洗浄ノズル上面又は上面近傍にあることを特徴とする請求項2〜10何れか記載の洗浄ノズルである。
【0035】
こうすることによって、請求項11に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]揺動の支点としての接続部が上面にあるため、洗浄ノズル内部にある受力部が乱流室内でスムーズに揺動する。
よって、可動部ひいては洗浄水の揺動を効率的に行うことができ、より広範囲に洗浄水を揺動させたり、乱流室や可動部の小型化を図ることができる。また、吐出口の動きが小さくなるにも関わらず、可動部が十分に傾くため洗浄水は偏向させながら吐出することができ、所望の範囲を十分に洗浄することができる。
【0036】
上記目的を達成するために請求項12に記載した本発明は、前記受力部に前記入水口を設けたことを特徴とする請求項2〜11何れか記載の洗浄ノズルである。
【0037】
こうすることによって、請求項12に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]乱流室内の水流は、受力部に乱流渦により発生する力を伝達しながら可動部内に洗浄水として流入する。
よって、可動部の小型化が達成でき、ひいては洗浄ノズルを大変コンパクトにすることができる。
【0038】
上記目的を達成するために請求項13に記載した本発明は、前記受力部とは別に前記入水口を設けたことを特徴とする請求項2〜11何れか記載の洗浄ノズルである。
【0039】
こうすることによって、請求項13に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]可動部の中でも揺動動作が大きい受力部とは別に入水口があるので、入水口への洗浄水の入水をスムーズに行わせることができる。
よって、入水時のエネルギーロスも小さいので、必要以上の水圧をかけないと所望の洗浄水量を得られないといったことがない。
【0040】
上記目的を達成するために請求項14に記載した本発明は、一つの前記乱流室内に複数の前記可動部を内包することを特徴とする請求項2〜13記載の洗浄ノズルである。
【0041】
こうすることによって、請求項14に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]複数の可動部を一つの乱流室に内包しているので、小型化を達成しながら、可動部が複数あるので、各々の揺動により吐出される洗浄水の、より複雑で多様な分散をおこなうことができる。
よって、より広範囲の洗浄に適するばかりか、より複雑で多様な洗浄水の分散を行うので、所望の範囲をムラなく洗浄することができる。
【0042】
上記目的を達成するために請求項15に記載した本発明は、前記洗浄ノズルは、人体を洗浄するシャワー洗浄装置に組み込まれたことを特徴とする請求項2〜14何れか記載の洗浄ノズルである。
【0043】
こうすることによって、請求項15に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]人体の所望の洗浄範囲に、揺動による脈動流として洗浄水を当てることができる。
よって、マッサージ感や脈動感といった洗浄感に非常に優れ、洗浄範囲の増大をもたらす人体洗浄を行わせることができる。また、電気的な駆動を利用しないで洗浄水の分散を行うので、漏電や電気的故障により人体が感電するといった心配もなく、安全性に非常に優れ、構造の簡略化が望める。
【0044】
上記目的を達成するために請求項16に記載した本発明は、前記洗浄ノズルは、携帯して人体局部を洗浄する携帯型人体局部洗浄装置に組み込まれたことを特徴とする請求項2〜14何れか記載の洗浄ノズルである。
【0045】
こうすることによって、請求項16に記載した本発明は、以下の作用・効果を得ることができる。
[作用・効果]タンクを付属させるか、又は使用場所近傍の給水源(水道の蛇口など)につなげることにより、場所を選ばず、洗浄水を揺動させながら人体洗浄を行うことができる。
よって、本発明の洗浄ノズルは、洗浄水量を低減し洗浄水流速を上げても、洗浄水が効果的に分散することにより、使い勝手を損なうことなく節水及び省エネを図ることができるので、タンクを付属させて洗浄を行う場合は、従来に比べ洗浄の持続時間を大幅に長くすることができ、大変使い勝手がよい。さらに、電気的な駆動を利用しないで洗浄水の分散を行うので、漏電や電気的故障により人体が感電するといった心配もなく、安全性に非常に優れ、構造の簡略化が望める上に、洗浄水の揺動のためにバッテリーを用いる必要が無く、携帯性に大変優れる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面をもとに詳細に説明する。
図1は本発明の洗浄ノズルを人体局部洗浄装置に組み込んだ第1実施例の水路構成図である。水の流れに順じて上流側から、洗浄水中のゴミやスケールを除去する為に設けられたフィルタW1と、洗浄水が上流の1次側に逆流しないように設けられた逆止弁W2と、1次側の水圧をあらかじめ設定された所定の水圧に調整する為の調圧弁W3と、洗浄水の通水と止水を制御する為の電磁弁W4と、調圧弁W3が作動しない時に設定以上の水圧が下流にかからない様に設けられた逃がし弁W5と、洗浄水を加熱して温水にする貯湯式もしくは瞬間式の熱交換器W6と、洗浄水量をあらかじめ設定された水量に調整する為の流量調整弁W7と、洗浄水を人体局部に向かって吐出する洗浄ノズルN1と、洗浄ノズルN1を洗浄時に所定の位置まで進出させるノズル駆動モータW8とから構成されている。
【0047】
以上の構成にて、洗浄水を吐出する場合、使用者が操作手段を操作して洗浄開始の信号が制御手段に送られると、洗浄ノズルN1がノズル駆動モータW8によって所定の洗浄位置まで進出させられた状態で、電磁弁W4が開いて洗浄水が通水状態となり、下流に設けられた洗浄ノズルN1より人体局部に向かって洗浄水を吐出して洗浄を行なう。
【0048】
この洗浄水の吐出に際し、第1実施例の洗浄ノズルは、図2に示すような構成をとる。図2において、図2(a)は洗浄ノズルN1の進出長手方向の断面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA−A断面図である。
洗浄ノズルN1内の洗浄水の流れは、以下の通りである。洗浄ノズルN1に流入した洗浄水は、固定部N1−1に設けられ乱流室N1−2に向けられた出水口N1−3から、乱流室N1−2に向かって所定の流速を持って供給される。乱流室N1−2に流入した洗浄水は、乱流室内を旋回しながら可動部N1−4に設けられた2つの入水口N1−5に向かって流入し、同じく可動部N1−4に設けられた吐出口N1−6から洗浄ノズルN1外部に向かって吐出される。
【0049】
吐出口N1−6の穴径としては、φ0.5〜φ2mm程度が望ましく、特におよそφ1.5mm以下であれば、以下で説明する洗浄水の揺動吐出による効果的な分散で、1000cc/min以下の水量で十分な洗浄を行うことができる。
また、およそφ1mm程度以下にすれば、さらに洗浄水量を減らすことができるが、洗浄水吐出に必要な水圧も吐出口の穴径を小さくするに応じて、必要になってくるので、使用場所の水道元圧や想定する最低水圧、水ポンプ使用の有無、使用する熱交換器W6の加熱方法・最大消費電力等によって、使用最大水量と吐出口N1−6の穴径は決めればよい。
【0050】
ここで、乱流室N1−2には乱流室凸部N1−7が、設けられているので、洗浄水が乱流室N1−2内を旋回するときに、乱流室凸部N1−7により乱流室N1−2内で乱流渦が発生し、生じた乱流渦により力を可動部N1−4に設けられた受力部N1−9及び受力部N1−9に設けられた可動部凸部N1−8が受ける。可動部N1−4は、洗浄ノズルN1上面近傍で、接続部N1−10により固定部N1−1に揺動自在に接続されているため、受力部N1−9が乱流室内で受けた力により、接続部N1−10を支点として、揺動ガイドN1−11に規制された範囲内で、効率よく揺動する。よって、吐出口N1−6の動きは小さいにも関わらず、可動部N1−4が接続部N1−10を支点として十分に傾くため、可動部N1−4の揺動に応じて、吐出口N1−6から外部に向かって吐出される洗浄水も揺動しながら吐出される。
【0051】
接続部N1−10の材質は、例えば、オレフィン系もしくはスチレン系のエラストマーが耐久性、成形性の面で最も適しているが、ゴムやバネといった弾力性を有する弾性体であれば本実施例を実施することが出来る。また、弾性体N1−12の材質に応じて、可動部N1−4の揺動時拘束力ひいては洗浄水の揺動振幅が決まるので、目的の洗浄範囲に合わせ、弾性体N1−12の材質や厚さ、形状、面積等を決めてあげればよい。
【0052】
このように所望の洗浄範囲を安定して分散洗浄させることができるから、使い勝手を損なうことなく節水洗浄を行うことができる。また、一般に人体局部洗浄では温水を用いるので、節水洗浄により熱交換器W6の消費電力を低く抑えることができ、省エネを図ることができる。また、洗浄水の分散を行うに際し、電気的駆動を利用しないので、構造が簡単で、漏電や電気的故障により人体や周囲の環境が感電するといった心配もなく、安全性に非常に優れている。
【0053】
また上記のように、受力部N1−9での受力に応じて、接続部N1−10としての弾性体が柔軟に変形し、小さな力で効率的に可動部N1−4を揺動させることができることから、乱流室N1−2をひいては洗浄ノズルN1を小型化することができる。さらに、可動部N1−4揺動のための必要水圧も低減でき、洗浄ノズルN1の適用範囲を広げることができる。さらに、可動部N1−4が揺動することにより発生する振動を弾性体が吸収するので、振動や騒音の発生を極力抑えることができる。
【0054】
また接続部N1−10としては、接続部N1−10から水が外部に漏れないように、シート状の部材を用いており、シール構造をとっている。よって、洗浄に寄与しない洗浄ノズルN1外の不必要な個所に水が流出したり、飛び散ったりしない。このようなことから、濡らしたくないところを濡らすことがなく、不快感を得ることがない。また、水の不必要な流出によるエネルギーロスを防ぐことができるので、必要最小限の水圧で可動部N1−4を揺動させることができる。
【0055】
また、可動部N1−4に設けた可動部凸部N1−8でできる受力部N1−9の凹凸形状は、水流が凹凸形状と干渉しそれにより乱流渦の発生が促進され、乱流渦により発生する力を効率よく可動部N1−4に伝達する役割を果たす。よってこの凹凸形状は、より広範囲に洗浄水を揺動させたり、乱流室N1−2や可動部N1−4の更なる小型化を図るのに適している。また、乱流室凸部N1−7や可動部凸部N1−8の形状や位置を変更することにより、可動部N1−4により複雑な動きをさせることも可能となり、多様な揺動状態で所望の範囲を洗浄でき、このことは適用使用条件を広げることに寄与する。
【0056】
また、洗浄ノズルN1の上面近傍で、接続部N1−10を支点として可動部N1−4を揺動させることは、洗浄水が円錐状に広がりながら吐出することから、可動部N1−4の動きに比べて広範囲を洗浄することができ、乱流室N1−2や可動部N1−4をはじめ洗浄ノズルN1全体の小型化に寄与している。
【0057】
また、図2の通り、受力部N1−9とは別に入水口N1−5を設けているので、乱れの多い受力部N1−9近傍で可動部N1−4に入水させる場合に比べ、入水口N1−5への洗浄水の入水をスムーズに行わせることができる。よって、受力部N1−9とは別に入水口N1−5を設けることは、所望の洗浄水量、揺動振幅、揺動周波数で洗浄水を吐出するための必要水圧を低減することができる。特に受力部N1−9の下流であって吐出口N1−6にできるだけ近い部分に入水口N1−5を設けると、可動部N1−4内の狭い流路を通る距離も小さくでき、より効果が大きい。
【0058】
上記のような構成で人体局部に向けて洗浄水を吐出することから、人体局部の所望の範囲を飛び散りなく安定して洗浄させることができる。また、揺動吐出によって、人体局部のマッサージ感や脈動感を高めることができる。さらに、マッサージ感や脈動感を高めることができるので、人体局部の血行が促進され、痔疾の改善や予防を行うこともできる。特に、熱交換器W6を用いた温水吐水や温水・冷水を周期的に繰り返す温冷吐水と組み合わせると、血行促進のマッサージ刺激との相乗効果がある。
【0059】
さらに、洗浄水量を低減し洗浄水流速を上げても、洗浄水が効果的に分散するので、使い勝手を損なうことなく節水することができ、温水をつくる熱交換器W6が瞬間加熱式の場合、加熱電気容量を低減でき省エネを図ることができる。熱交換器W6が貯湯加熱式の場合は、温水吐出時間を延ばしたり、熱交換器W6のタンク容量を小さくすることができる。
【0060】
また、近年の人体局部洗浄装置の普及によって、公共トイレ等でも人体局部洗浄装置を使用したいというニーズは高いが、公共トイレには人体局部洗浄装置が設置されていないことも多く、そのような場合は、携帯型の人体局部洗浄装置を持ち歩き使う。しかし、従来の携帯型局部洗浄装置は、タンク式の場合、タンク容量が小さい上に、洗浄水量を低減すると洗浄感や洗浄力に問題が生じるため、使用時間を犠牲にして(短くして)使用していた。
【0061】
しかし、第1実施例の洗浄ノズルN1は、携帯型人体局部洗浄装置に組み込んだ場合でも、洗浄水量を低減し洗浄水流速を上げるための洗浄水の効果的な分散を行うのに、電気的駆動を必要としないので、従来の携帯型人体局部洗浄装置のノズル部分だけを第1実施例の洗浄ノズルN1に交換するだけで、タンク容量が小さいにも関わらず、マッサージ感や脈動感を高め使い勝手を損なうことなく使用時間を延ばすことができる。
【0062】
また使用場所近傍の給水源(水道の蛇口など)につなげて使用する場合でも、例えばマッサージ感や脈動感といった質の高い洗浄感を手軽に得ることができる。
また、以下で説明するすべての実施例の洗浄ノズルについても、洗浄水の効果的な分散を行うのに電気的駆動を必要としないので、従来の携帯型局部洗浄装置の洗浄ノズルと交換するだけで使用することができる。
【0063】
次に、第1実施例と同様、人体局部洗浄装置に組み込んだ本発明の洗浄ノズルの第2実施例を図3に基づいて説明する。なお、以下のすべての実施例において、第1実施例と同一の部材については同一の部材名とその符号をそのまま用い、同一の機能を果たす部材については同一の部材名を用いることとする。
図3において、図3(a)は洗浄ノズルN2の進出長手方向の断面図であり、図3(b)は図3(a)におけるA−A断面図である。
【0064】
洗浄水を揺動させながら吐出する機構について説明すると、出水口N2−3から吐出した洗浄水は一部が、可動部凸部N2−8に衝突しながら乱流室N2−2に流入する。乱流室N2−2には乱流室凸部N2−7が設けられており、これにより第1実施例と同様乱流渦が発生し、生じた乱流渦により力を受力部N2−9が受ける。よって、受力部N2−9は、水流が可動部凸部N2−8に衝突することによって、可動部N2−4を矢印B1方向に傾かせる作用をする。また入水口N2−5は、可動部凸部N2−8の下流側に配置されているため、洗浄水は可動部凸部N2−8に衝突しつつ入水口N2−5に流入する。また洗浄水が可動部凸部N2−8及び入水口N2−5に衝突するので、受力部N2−9は可動部N2−4を矢印B2方向に傾かせる作用も併せ持つ。
【0065】
このようなことから可動部N2−4は、接続部N2−10を支点とした矢印B1→B2→B1の繰り返し動作と、乱流室凸部N2−7により生じた乱流渦により可動部N2−4は揺動させる動作と、を組み合わせた揺動軌跡で揺動し、それに応じて洗浄水を揺動させながら吐出する。よって、洗浄水は矢印B1→B2→B1の繰り返し動作による比較的振幅の大きな揺動と、乱流渦による比較的振幅の小さな揺動と、を組み合わせた揺動軌跡となり、洗浄にムラができないばかりか、人体局部のマッサージ感や脈動感をさらに高めることができる。
【0066】
また、受力部N2−9に入水口N2−5を設けていることから、受力部N2−9は乱流渦により発生する力を伝達しながら、同時に可動部N2−4内に洗浄水を流入させるので、入水口N2−5を別途設ける必要がなく、可動部N2−4をさらに小型にすることができる。
【0067】
図3(c)は、第2実施例の変形例で、吐出口N2−6と接続部N2−10の間に、空気導入口N2−13を有している。この空気導入口N2−13により、吐出される洗浄水は、エゼクター効果により気泡混入状態となり、気泡によるエアクッション効果によりソフトな洗浄感を得ることができる。また、空気を混入することにより、洗浄水の分散効果はさらに高まるので、使い勝手を損なうことなく第1実施例以上に所望の範囲を洗浄する洗浄水の水量を減らすことができる。
【0068】
次に、第3実施例として、図4に示すような本発明の洗浄ノズルN3について説明する。
図4において、図4(a)は洗浄ノズルN3の進出長手方向の断面図であり、図4(b)は図4(a)におけるA−A断面図である。
第3実施例の洗浄水を揺動させながら吐出する機構について説明すると、図4に示すとおり、洗浄ノズルN3に流入した洗浄水には、空気混入部N3−14で、空気ポンプN3−15から圧送された空気を混入される。その後、空気を含む洗浄水は、出水口N3−3から乱流室N3−2に流れ込み乱流室N3−2内にある受力部N3−9の頂部N3−16及びその周辺に衝突する。
【0069】
ここで衝突した洗浄水は、頂部N3−16を境に図面上の上下に分かれるが、衝突により受力部N3−9が水流の力を受け、接続部N3−10を支点として、図面上の右方向に傾く。一方、洗浄水中に含まれる空気と水との密度の違いから、受力部N3−9の受ける力が受力部N3−9内の場所や時間によって変わるため、可動部N3−4は図面上の右方向に傾くだけではなく、気泡混入状態に応じて図面上の上下や左方向にも傾き、揺動する。つまり、洗浄水に空気を混入することによって乱流渦を発生させ、その発生した乱流渦による力を受力部N3−9が受けることによって、可動部N3−4及び洗浄水を揺動させる。よって、第3実施例の空気混入部N3−14と空気ポンプN3−15は、本発明でいう空気混入手段として機能する。
【0070】
また、空気混入を行うことにより、吐出される洗浄水の揺動分散はさらに高まるので、使い勝手を損なうことなく第1実施例以上に所望の範囲を洗浄する洗浄水の水量を減らすことができる。さらに、気泡によるエアクッション効果によりソフトな洗浄感を得ることができる。
【0071】
第3実施例では、空気ポンプN3−15を用い強制的に空気を圧送し混入させる方式であるが、流路に大気解放された空気導入口を設け、洗浄水の流速を高めることによって空気導入口から空気を取り入れ、空気を洗浄水に混入させるエゼクタ効果を利用することもできる。この場合は、混入量が混入部での洗浄水流速や混入部形状に大きく依存するが、簡単な構成で空気を混入することができ、簡単に可動部N3−4を揺動させることができる。
【0072】
一方、空気ポンプN3−15を用いた場合は、以下のような利点がある。
空気ポンプN3−15のポンプ駆動を制御し、圧送する空気量を変更すれば、混入空気量が変わるので、乱流室内での乱流渦の発生状態を変更でき、その結果、受力部N3−9が受ける力を変更でき、可動部N3−4の揺動幅や揺動周期を変更することができる。よって、吐出される洗浄水の揺動幅(洗浄範囲)や揺動周期を、空気ポンプN3−15のポンプ駆動を制御することによって可変に制御し、例えば排便後の局部洗浄で、洗浄初期は広めの洗浄範囲で洗浄させ、その後中心を集中的に洗浄させるとか、洗浄初期は短い揺動周期で連続的な洗浄感を感じさせ、その洗浄感覚に慣れてくるに従い長い揺動周期に変更し、連続感を薄れさせ逆に脈動感を感じさせて、洗浄時全般にわたって単調にならない良好な洗浄感で洗浄させるといったことが可能となる。
【0073】
また、洗浄水の供給水圧も同時に制御すれば、洗浄水量と揺動状態を独立して制御できるばかりか、揺動幅や揺動周期の微調整も可能となる。具体的には、空気混入量、供給水圧ともに高めれば、洗浄水量を増やすことなく受力部N3−9に衝突する洗浄水の流速を高めることができるので、揺動振幅を大きくできる。また、容積型の空気ポンプを使いプランジャーのストローク周期を制御すれば、例えば、時間平均的には同一空気量であっても長周期長ストロークでの押し出しと、短周期短ストロークでの押し出しと、で空気混入状態つまり統計的な気泡径を変えることができるので、結果として受力部N3−9が受ける乱流渦からの粗密の力周期を変えることができ、揺動の周期を変更できる。
また、空気ポンプN3−15のポンプ駆動を周期的に可変制御すれば、受力部N3−9が受ける乱流渦からの粗密の力周期を周期的に変更できるので、マッサージ感を使用者に与えることができる。この場合、洗浄水の供給水圧も空気ポンプN3−15と連動させれば、洗浄水量を一定に保つことや、より強いマッサージ感を与えることができる。
【0074】
よって、空気ポンプN3−15のポンプ駆動と供給水圧の少なくとも一方の制御を通して、洗浄水の揺動状態を可変に制御でき、使用者のニーズにあったきめ細かな局部洗浄を提供することができる。
また、第3実施例では、空気ポンプN3−15の駆動で可動部N3−4を揺動させる実施例であったが、揺動幅を大きくとる必要がない場合は、受力部N3−9が頂部N3−16を持つことから、可動部N3−4と出水口N3−3の配置によっては、洗浄水が元々持つ乱流渦の強度のみで図面上下方向の力のバランスが崩れ、可動部N3−4を揺動させることもできる。
また第1実施例で示した流量調整弁W7は、通水流路の開度を調整することによって流量を調整しているので、供給水圧の制御には流量調整弁W7を用い、これにより供給水圧を制御しても良いし、水ポンプを別途用いても良い。
【0075】
また、図4(c)に示すように、乱流室N3−2の出水口N3−3と受力部N3−9の間にポールN3−17を設け、ポールN3−17によって洗浄水の乱流渦の発生を促進させて、可動部N3−4を揺動させることもできる。この場合、ポールN3−17の数、直径、断面形状、ポールN3−17同士の相対的位置、出水口N3−3や可動部N3−4との相対的位置等をパラメーターとして、ポールN3−17により生じる後流渦のサイズや発生周期を洗浄水の流速や流量に応じて決めることができるので、局部洗浄に最適な揺動幅、揺動周期になるように、適宜設計すればよい。
【0076】
また図5は、第3実施例の変形例で、受力部N3−9に可動部凹部N3−18を設けることによって、凹凸形状を形成している。こうすることによって、凹凸形状が乱流渦により発生する力を効率よく可動部N3−4に伝達することができ、水流が凹凸形状と干渉しそれにより乱流渦が促進され、さらに可動部N3−4の揺動効率が上がる。
【0077】
よって、より広範囲に洗浄水を揺動させたり、乱流室N3−2や可動部N3−4の小型化を図ることができる。また、図5では、頂部N3−16を境に図面上の上下方向対称に可動部凹部N3−18を設けているが、非対称にしたり、サイズの違う凹部を配することによって、可動部N3−4に複雑な動きをさせることもでき、多様な揺動状態で所望の範囲を洗浄できるようになって、適用使用条件が広げることができる。
【0078】
また、可動部の形状は円筒形状に限定されるものではなく、多角形状や複雑な凹凸のある形状など乱流渦により発生する力を受けて、可動部を効率よく揺動できるもの、可動部が、乱流渦により発生した力を増幅し、その増幅した力を効率よく受力できるものであれば、第3実施例で示したように形状が限定されるものではない。
【0079】
上記のように、出水口N3−3と可動部N3−4の配置によるだけで十分な揺動幅や揺動周期が得られる場合や、図4(c)に示すようなポールN3−17といった乱流促進体で乱流渦を発生させる場合、図5に示すような受力部N3−9表面に凹凸形状を形成させる場合等には、空気ポンプを補助的に使えば、洗浄水の揺動幅や揺動周期の細かい微調整が可能で、より質の高い洗浄を使用者に提供することができる。
【0080】
次に、第4実施例として、図6に示すような本発明の洗浄ノズルN4について説明する。
図6において、図6(a)は洗浄ノズルN4の進出長手方向の横断面図であり、図6(b)は図6(a)におけるA−A断面図である。
第4実施例の洗浄水を揺動させながら吐出する機構について説明すると、洗浄ノズルN4に流入した洗浄水は、出水口N4−3から、受力部N4−9にある頂部N4−16及びその周辺に向かって、乱れ(乱流渦)を伴って衝突する。この衝突によって、図面上の上下方向に力の均衡が崩れ、可動部N4−4は図面上の上方向もしくは下方向のどちらかに、接続部N4−10を支点として傾く。例えば図6(a)のように上方向に傾くと、図面上の下方向の流路N4−19が解放されるので、洗浄水は流路N4−19に流入し、可動部N4−4には入水口N4−5から主に流入する。入水口N4−5への流入に際し、洗浄水が洗浄水吐出方向へ方向転換することによって、方向転換時に入水口N4−5の静圧が上昇し、可動部N4−4は図面上の下方向に傾き始める。その後、慣性力も加わって、頂部N4−16も中心線Bより図面上の下方向に移動し、出水口N4−3から図面上の上方向の流路N4−20が解放され、洗浄水の流れが逆になり、今度は入水口N4−21から主に洗浄水が流入する。その後、入水口N4−21で流れの方向転換時に入水口N4−21の静圧が上昇し、可動部N4−4は今度は図面上の上方向に傾き、上記一連の動作を繰り返すことになる。
【0081】
このようなことから、乱流室N4−2における洗浄水の乱れ(乱流渦)を基点として、可動部N4−4が図面上の上下方向に繰り返し揺動を始め、結果的に洗浄水が揺動しながら吐出される。
よって、上記実施例と同様に人体局部の洗浄時に、少ない水量でもマッサージ感や脈動感を高めながら、所望の範囲を飛び散りなく安定して洗浄させることができる。
【0082】
次に、第5実施例として、図7に示すような本発明の洗浄ノズルN5について説明する。
図7において、図7(a)は洗浄ノズルN5の進出長手方向の断面図であり、図7(b)は図7(a)におけるA−A断面図である。
第5実施例の洗浄水を揺動させながら吐出する機構について説明すると、図7に示すとおり、可動部N5−4の揺動機構は図2で示した第1実施例と同じであるので省略する。しかし、以下の点が第1実施例と相違する。
第5実施例は、受力部N5−9の下流、入水口N5−5近傍に揺動調節バルブN5−21を設け、局部へ吐出する以外の洗浄水を、便器内に排出することができる機構を有する。
【0083】
こうすることによって、出水口N5−3から流れてきた洗浄水は乱流室N5−2内で受力部N5−9に、所望の洗浄範囲を洗浄させるに十分な力を与えて、その後必要な洗浄水量だけを人体局部に向けて吐出できる。
一方、局部を洗浄するときの洗浄強さは、使用者によって好みがあり、局部洗浄装置には水勢調節つまみが搭載されていることが一般的である。また、洗いたい洗浄範囲についても使用者の好みがあり、従来は、洗浄ノズル自身をノズル進出方向に前後させるムーブ洗浄つまみを搭載することによって、このような好みに対応してきた。
【0084】
このようなことから、任意の洗浄水量(洗浄強さ)で広い範囲から狭い範囲まで洗浄できるようにするために、第5実施例で示した洗浄ノズルを以下のように設計・制御する。
まず、揺動調節バルブN5−21を全閉もしくは全閉に近い状態で、吐出口N5−6から吐出される洗浄水量が強い洗浄強さの洗浄水量で、可動部N5−4の揺動振幅が所望の狭い洗浄範囲になるように、可動部N5−4の大きさや受力部N5−9や可動部凸部N5−8の形状、乱流室凸部N5−7の形状等を、設計する。また、揺動ガイドN5−11と可動部N5−4のクリアランス、接続部N5−10の材質・形状等は、所望の広い洗浄範囲に応じた可動部の揺動振幅が得られるように適宜設計する。
【0085】
こうすることによって、例えば洗浄水量の少ない弱い洗浄強さで、広い範囲を洗浄させたい場合は、吐出口N5−6から吐出される洗浄水量が弱い洗浄強さの水量で、揺動調節バルブN5−21から排出される洗浄水の量が多くなるように、揺動調節バルブN5−21又は、揺動調節バルブN5−21と供給水圧を調節する。こうすることによって、受力部N5−9を流れる洗浄水量は、局部に向かって吐出される洗浄水量より大幅に多くなり、その結果受力部N5−9が水流により発生する乱流渦から受ける力も大きくなり、可動部N5−4を大きな振幅で揺動させることができ、広い範囲を少ない洗浄水量で洗浄させることができる。弱い洗浄強さで洗浄範囲のみを狭くしたい場合は、揺動調節バルブN5−21を閉じる方向に調整し、供給水圧は小さくなるように調節することによって、局部に向かって吐出される洗浄水量が変わらないようにすればよい。
【0086】
一方、強い洗浄強さで狭い範囲を洗浄したい場合は、上記のように、揺動調節バルブN5−21が全閉又は全閉に近い状態で、吐出口N5−6から吐出される洗浄水量が強い洗浄強さの水量になるように、揺動調節バルブN5−21又は、揺動調節バルブN5−21と供給水圧を調節すればよいし、強い洗浄強さで洗浄範囲を広くしたい場合は、局部に向かって吐出される洗浄水量が強い洗浄強さの水量のままで、受力部N5−9の水流により発生する乱流渦から受ける力が大きくなるように、揺動調節バルブN5−21を開く方向に調整し、供給水圧は大きくなるように調節すればよい。
【0087】
このように、第5実施例の洗浄ノズルは、可動部N5−4を揺動させる水流の内、一部を吐出口N5−6とは別の場所から排出し、残りを局部を洗浄するための洗浄水として用いることによって、洗浄強さと洗浄範囲を独立して制御できるので、使用者の多岐にわたるニーズに十分に対応することができる。
【0088】
次に、第6実施例として、図8に示すような本発明の洗浄ノズルN6について説明する。
図8において、図8(a)は洗浄ノズルN6の進出長手方向の断面図であり、図8(b)は図8(a)におけるA−A断面図、図8(c)は図8(a)におけるB−B断面図である。
【0089】
第6実施例の洗浄水を揺動させながら吐出する機構について説明すると、図8(a)に示すとおり、まず局部に向かって吐出される洗浄水は、通水通水流路N6−22から給水口N6−23へ、便器内に排出される水は、通水流路N6−24から出水口N6−3へと流れるように、洗浄ノズルN6は2系統の通水流路を有する。次に、出水口N6−3から吐出される水は、図8(b)に示すとおり、乱流室N6−2に偏心した位置から流入する。
【0090】
そして、第1実施例や第5実施例で説明したのと同じように、乱流室N6−2内を旋回しながら、乱流室凸部N6−7や可動部凸部N6−8の存在により、受力部N6−9が水流から力を受け、可動部N6−4は接続部N6−10を支点として揺動する。可動部N6−4を揺動させた水流は、図8(c)に示す空隙N6−25を通って、便器内に排出される。一方、給水口N6−23は空隙N6−26を介して入水口N6−5に対向しているが、入水口N6−5がテーパ形状をしており、また入水口N6−5が給水口N6−23を内包した位置関係をとっているため、可動部N6−4が出水口N6−3からの水流によって揺動している場合であっても、給水口N6−23から吐出される洗浄水のほとんどは、入水口N6−5から吐出口N6−6に流れ、局部に向かって吐出される。
【0091】
ここで、給水口N6−23と入水口N6−5の関係は、給水口N6−23からの洗浄水のほとんどを吐出口N6−6に導くことが目的であるので、図8のように完全に内包していても良いが、図8(d)で示すとおり、出水口N6−3から乱流室N6−2を通過してきた水流によって給水口N6−23からの洗浄水が妨げられない程度に、空隙N6−26を設けていても良い。
【0092】
このように、可動部N6−4を揺動させるための水の通水流路N6−24と、局部に向かって洗浄水を吐出するための通水流路N6−22と、が独立しているため、局部に向かって吐出される洗浄水の水量に関係なく、可動部を揺動させたり、揺動状態を変更できる。
【0093】
よって、水圧が小さかったり、必要とされる洗浄水の水量が少なかったりして、局部に向かって吐出させる洗浄水だけでは可動部を揺動させるに不十分な場合であっても、可動部N6−4をひいては洗浄水を十分に揺動させることができる。また、使用状態や目的に合わせて、揺動状態を可変にしたい場合でも、洗浄水の水量を揺動状態に従属させて変更することなく揺動状態を可変にできるので、揺動状態に関係なく常に最適な水量で洗浄を行うことができる。また局部洗浄装置では、洗浄水に温水を使うのが一般的であるが、第6実施例のように洗浄用の水と揺動用の水を別系統で供給することにより、洗浄用の水のみを昇温すれば良く、無駄がない。
【0094】
次に、第7実施例として、図9に示すような本発明の洗浄ノズルN7について説明する。第7実施例は、浴室等で使用されるシャワーヘッドに本発明の洗浄ノズルを適用した実施例である。
図9において、図9(a)は洗浄ノズルN7の進出長手方向の断面図(図9(b)におけるB−B断面)であり、図9(b)は図9(a)におけるA−A断面図である。
第7実施例では、乱流室N7−2内に複数の可動部N7−4を内包し、それぞれの可動部N7−4が揺動することによって、それぞれの可動部N7−4に設けられた吐出口N7−6から吐出される洗浄水が、独立に揺動しながら人体を洗浄するものである。
【0095】
洗浄水を揺動させながら吐出する機構について説明すると、出水口N7−3から流入した洗浄水は、乱流室N7−2内に設けられたポールN7−17によって乱流渦の発生が促進され、発生した乱流渦による力を乱流室N7−2内に内包する複数の受力部N7−9がそれぞれ受ける。図面上では受力部N7−9に可動部凸部は設けていないが、上記実施例にて説明したような可動部凸部を設けることによって、使用条件に応じた揺動幅や揺動周期となるよう適宜最適化を図ることもできる。
【0096】
このように、受力部N7−9が乱流渦から力を受けるので、可動部N7−4は接続部N7−10を支点として効率よく揺動する。一方、乱流室N7−2に流入した洗浄水は、入水口N7−5を流れ主流方向(図面上では左→右方向)と反対向きに設けることによって、上記流れ主流方向最下流にある可動部N7−4にもムラなく流入するようにしている。よって、それぞれの入水口N7−5に流入した洗浄水は、可動部N7−4の揺動によって吐出口N7−6から揺動しながら吐出され、シャワーで一般に必要とされる広範囲のムラのない洗浄を実現することができる。
【0097】
さらに、通常のシャワーと違って、洗浄水が揺動するので、構造が簡略であるにもかかわらず、マッサージ感や脈動感といった洗浄感に非常に優れている上、マッサージ感や脈動感を実現するために電気的駆動を利用しないので、漏電や電気的故障により人体が感電するといった心配がなく、安全性に非常にも優れている。
【0098】
また、入水口N7−5の方向は、乱流室N7−2のサイズや可動部N7−4の数、配置に応じて決めてあげれば良く、吐出される洗浄水のムラをさらになくすために、上記流れ主流方向上流側の可動部N7−4の入水口N7−5は図面上の右側に設け、上記流れ主流方向下流側の可動部N7−4の入水口N7−5は図面上の左側に設け、その間にある可動部N7−4は、上記流れ主流方向下流側から上流側に向かって右側から左側に、上記流れ主流方向に対向する向きに徐々に入水口N7−5の位置が変わるようにしてもよい。
【0099】
また、第7実施例においては、可動部N7−4自身の存在によって、乱流室N7−2内での乱流渦の発生を促進させ、それに伴い下流にある可動部N7−4を揺動させることもできる。この場合は、ポールN7−17を設ける必要がなく、さらに構造の簡略化が図れる。
【0100】
また、図9上では、接続部N7−10としての弾性体に一つのシートを用いているが、それぞれの可動部N7−4ごとに独立した接続部N7−10を設けても良い。こうすることによって、それぞれの受力部N7−9が受ける力や、乱流室内での流れに応じて、それぞれの接続部N7−10の材質や大きさ、厚み等を変えることで、可動部N7−4の可動性をそれぞれの可動部N7−4ごとに制御することが可能となる。よって、揺動幅や揺動周期にわざと洗浄範囲内でムラを作り、使用者ごとのニーズに合った多様な洗浄感を実現することもできるし、洗浄範囲内のムラをなくすための微調整に用いても良い。
【0101】
次に、第8実施例として、図10に示すような本発明の洗浄ノズルN8について説明する。第8実施例も第7実施例と同様、浴室等で使用されるシャワーヘッドに本発明の洗浄ノズルを適用した実施例である。
図10において、図10(a)は洗浄ノズルN8の進出長手方向の断面図(図10(b)におけるB−B断面)であり、図10(b)は図10(a)におけるA−A断面図である。
第8実施例では、乱流室N8−2内に一つの可動部N8−4を内包し、この可動部N8−4が揺動することによって、可動部N8−4内に設けられた複数の吐出口N8−6から吐出される洗浄水が、揺動しながら人体を洗浄するものである。
【0102】
洗浄水を揺動させながら吐出する機構について説明すると、出水口N8−3から流入した洗浄水は、乱流室N8−2内に設けられたポールN8−17によって乱流渦の発生が促進される。一方、可動部N8−4に設けられた受力部N8−9は、可動部凸部N8−8を有している。また、受力部N8−9は、図10(b)に示すように、出水口N8−3からの流れ主流方向(図面上では左→右方向)下流に向かって数段の段N8−27を設け、入水口N8−5への流入が流れ主流方向下流に向かってスムーズになるよう、徐々に空隙N8−28が広くなるようにしている。また空隙N8−28が徐々に広くなる段N8−27の形状は、それぞれの吐出口N8−6から吐出される洗浄水にムラができないように決めてあげればよく、段形状ではなく滑らかなテーパ形状にしてもよい。
【0103】
こうすることによって、受力部N8−9及び可動部凸部N8−8が、乱流室N8−2内で発生した乱流渦によって、効率よく力を受け揺動するとともに、上記流れ主流方向下流に向かって空隙N8−28が大きくなるので、スムーズに洗浄水は入水口N8−5に導かれ、複数の吐出口N8−6から洗浄水は揺動しながら吐出される。本実施例では、それぞれの吐出口N8−6から吐出された洗浄水は、可動部N8−4の揺動に伴って連動揺動する。
【0104】
また、段N8−27の形状を変え、入水口N8−5への洗浄水の流入状態を変更することによって、意図的にそれぞれの吐出口N8−6から吐出される洗浄水に分布をつけることもできる。
【0105】
このように、可動部N8−4が単数であるので、非常にシンプルな構造であるにも関わらず、洗浄水を効果的に分散させて、人体の広い範囲に洗浄水を吐出することが出きる上に、マッサージ感や脈動感をも容易に得ることができる。
【0106】
上記すべての実施例では、接続部のみに弾性体を用いて説明したが、可動部を第1実施例で説明したような弾性体で形成させることもできる。
例えば同一材質を用いれば、可動部と接続部を一体で成形するすることも可能であり、生産性が向上する。また可動部が弾性体であれば、受力部での受力に応じて、可動部の一部の弾性体も柔軟に変形し、より小さな力で効率的に可動部を揺動させることができる。またこの場合、可動部が乱流室における受力と合わせて、可動部内部の洗浄水流路にも乱流渦発生機構(例えば凹凸形状)を設け、可動部内部でも発生する乱流渦から受力するようにすれば、可動部の柔軟性が高まっているので、さらに揺動をスムーズに行うことができる。
【0107】
また、上記すべての実施例では、一つの可動部を一つの接続部で接続して説明したが、図11に示すように、一つの可動部N9−4に材質の違う複数の接続部N9−10、接続部N9−10を接続させても良い。例えば、接続部N9−10に接続部N9−10より弾性係数の小さい弾性体を用いることができる。こうすれば、高水圧が可動部N9−4にかかってしう場合でも、接続部N9−10を水圧を受けるのに用いながら、接続部N9−10で可動部N9−4の安定した揺動をさせることができる。また、長期使用において、接続部N9−10に亀裂が生じるような場合でも、接続部N9−10がシール性を有するので、不必要な水が外部に漏れることがなく、耐久性を向上させることができる。
【0108】
また、接続部として弾性体を用いず、可動部が接続部を支点として揺動するときに可動部と接続部の間で線接触や面接触を行う摺動機構を用いても良い。この場合、接続部と可動部との間に洗浄水の漏れが生じ、不必要な部分に流出したり、飛び散ったりする恐れがあるが、このような漏れ水が洗浄面に当たらないように、遮流構造(例えば、漏れ方向にカバーを設け流出方向を変える)を設けたり、漏れ方向自体が違う方向に向かうような構造を採用したり、漏れ水が飛散しないように摺動抵抗を大きくとる(漏れ水の圧力を損失させる)、などすればよい。こうすれば、接着や圧入、インサート成形といった接続部を固定部や可動部へ固定する手間が省ける。
【0109】
また、上記すべての実施例では、単数の出水口で説明したが、図12(a)や(b)で示すように、複数の出水口N10−3からの水流の一部又はすべてが乱流室N10−2内で衝突するようにしても良い。こうすれば、乱流渦の発生をより高めることができ、揺動幅を大きくとったり、揺動周期をより短くすることができる。
またこれらとは逆に、図12(c)に示すように、それぞれの出水口N10−3からの噴流の衝突が生じにくいようにすることによって、乱流室N10−2内での周方向平均速度に分布ができにくいようにし、受力部が時間平均的には周方向からより均一に力を受けるようにしても良い。こうすれば、時間平均的な揺動幅や揺動周期をより安定させることができる。
【0110】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄ノズルを人体局部洗浄装置に組み込んだ水路構成図。
【図2】(a)第1実施例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の断面図。
(b)図2(a)におけるA−A断面図。
【図3】(a)第2実施例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の断面図。
(b)図3(a)におけるA−A断面図。
(c)第2実施例の変形例を表す進出長手方向の断面図。
【図4】(a)第3実施例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の断面図。
(b)図4(a)におけるA−A断面図。
(c)第3実施例の変形例を表す断面図。
【図5】第3実施例の変形例を表す断面図。
【図6】(a)第4実施例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の横断面図。
(b)図6(a)におけるA−A断面図。
【図7】(a)第5実施例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の断面図。
(b)図7(a)におけるA−A断面図。
【図8】(a)第6実施例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の断面図。
(b)図8(a)におけるA−A断面図。
(c)図8(a)におけるB−B断面図。
(d)第6実施例の変形例を表す断面図。
【図9】(a)第7実施例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の断面図。
(b)図9(a)におけるA−A断面図。
【図10】(a)第8実施例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の断面図。
(b)図10(a)におけるA−A断面図。
【図11】本発明の変形例に係る洗浄ノズルの進出長手方向の断面図。
【図12】本発明の変形例に係る洗浄ノズルの乱流室及び可動部近傍の断面図。
【図13】従来技術の係る洗浄ノズルの一例。
【図14】従来技術の係る洗浄ノズルの一例。
【符号の説明】
W1…フィルタ
W2…逆止弁
W3…調圧弁
W4…電磁弁
W5…逃がし弁
W6…熱交換器
W7…流量調整弁
W8…ノズル駆動モータ
N1…洗浄ノズル
N1−1…固定部
N1−2…乱流室
N1−3…出水口
N1−4…可動部
N1−5…入水口
N1−6…吐出口
N1−7…乱流室凸部
N1−8…可動部凸部
N1−9…受力部
N1−10…接続部
N1−11…揺動ガイド
N1−12…弾性体
N2…洗浄ノズル
N2−2…乱流室
N2−3…出水口
N2−4…可動部
N2−5…入水口
N2−6…吐出口
N2−7…乱流室凸部
N2−8…可動部凸部
N2−9…受力部
N2−10…接続部
N2−13…空気導入口
N3…洗浄ノズル
N3−2…乱流室
N3−3…出水口
N3−4…可動部
N3−9…受力部
N3−10…接続部
N3−14…空気混入部
N3−15…空気ポンプ
N3−16…頂部
N3−17…ポール
N3−18…可動部凹部
N4…洗浄ノズル
N4−2…乱流室
N4−3…出水口
N4−4…可動部
N4−5…入水口
N4−9…受力部
N4−10…接続部
N4−16…頂部
N4−19…流路
N4−20…流路
N4−21…入水口
N5…洗浄ノズル
N5−2…乱流室
N5−3…出水口
N5−4…可動部
N5−5…入水口
N5−6…吐出口
N5−7…乱流室凸部
N5−8…可動部凸部
N5−9…受力部
N5−10…接続部
N5−11…揺動ガイド
N5−21…揺動調節バルブ
N6…洗浄ノズル
N6−2…乱流室
N6−3…出水口
N6−4…可動部
N6−5…入水口
N6−6…吐出口
N6−7…乱流室凸部
N6−8…可動部凸部
N6−9…受力部
N6−10…接続部
N6−22…通水流路
N6−23…給水口
N6−24…通水流路
N6−25…空隙
N6−26…空隙
N7…洗浄ノズル
N7−2…乱流室
N7−3…出水口
N7−4…可動部
N7−5…入水口
N7−6…吐出口
N7−9…受力部
N7−10…接続部
N7−17…ポール
N8…洗浄ノズル
N8−2…乱流室
N8−3…出水口
N8−4…可動部
N8−5…入水口
N8−6…吐出口
N8−8…可動部凸部
N8−9…受力部
N8−17…ポール
N8−27…段
N8−28…空隙
N9…洗浄ノズル
N9−4…可動部
N9−10…接続部
N10−2…乱流室
N10−3…出水口
N10−4…可動部

Claims (16)

  1. 洗浄水を吐出して人体局部を洗浄する洗浄ノズルを組み込んだ人体局部洗浄装置において、
    乱流室と、該乱流室内に洗浄水を供給する単数又は複数の出水口と、が設けられた固定部と、
    前記乱流室内に収容された単数又は複数の可動部であって、
    前記乱流室内で発生した乱流渦による力を受ける受力部と、
    前記乱流室内の洗浄水を内部に受け入れる単数又は複数の入水口と、
    前記入水口から入った洗浄水を外部に向かって吐出する単数又は複数の吐出口と、
    が設けられた前記可動部と、
    前記可動部を前記固定部に対して揺動自在に接続する単数又は複数の接続部と、を有し、
    前記乱流室内に供給された洗浄水は、乱流渦を発生させて前記可動部を揺動させるとともに、前記可動部に設けられた入水口を介して前記吐出口より吐出されることを特徴とする洗浄ノズルを組み込んだ人体局部洗浄装置。
  2. 洗浄水を吐出して所望の範囲を洗浄する洗浄ノズルにおいて、
    乱流室と、該乱流室内に洗浄水を供給する単数又は複数の出水口と、が設けられた固定部と、
    前記乱流室内に収容された単数又は複数の可動部であって、
    前記乱流室内で発生した乱流渦による力を受ける受力部と、
    前記乱流室内の洗浄水を内部に受け入れる単数又は複数の入水口と、
    前記入水口から入った洗浄水を外部に向かって吐出する単数又は複数の吐出口と、
    が設けられた前記可動部と、
    前記可動部を前記固定部に対して揺動自在に接続する単数又は複数の接続部と、を有し、
    前記乱流室内に供給された洗浄水は、乱流渦を発生させて前記可動部を揺動させるとともに、前記可動部に設けられた入水口を介して前記吐出口より吐出されることを特徴とする洗浄ノズル。
  3. 前記乱流室と前記出水口の少なくとも一方に凹凸形状を設けたことを特徴とする請求項2記載の洗浄ノズル。
  4. 前記接続部として弾性体を用いたことを特徴とする請求項2または3記載の洗浄ノズル。
  5. 前記接続部から水が漏れないように前記接続部は完全シール構造であることを特徴とする請求項2〜4何れか記載の洗浄ノズル。
  6. 前記乱流室内の水流に空気を混入する空気混入手段を有し、該空気混入手段により、該可動部を揺動させ、又は該可動部の揺動を補助することを特徴とする請求項2〜5何れか記載の洗浄ノズル。
  7. 前記可動部を揺動させる水流の一部を、前記吐出口とは別の場所から排出することを特徴とする請求項2〜6何れか記載の洗浄ノズル。
  8. 前記可動部を揺動させる水流と洗浄水とを独立させて供給することを特徴とする請求項2〜7何れか記載の洗浄ノズル。
  9. 前記可動部の少なくとも一部は弾性体であることを特徴とする請求項2〜8何れか記載の洗浄ノズル。
  10. 前記受力部に凹凸形状を設けたことを特徴とする請求項2〜9何れか記載の洗浄ノズル。
  11. 前記接続部が洗浄ノズル上面又は上面近傍にあることを特徴とする請求項2〜10何れか記載の洗浄ノズル。
  12. 前記受力部に前記入水口を設けたことを特徴とする請求項2〜11何れか記載の洗浄ノズル。
  13. 前記受力部とは別に前記入水口を設けたことを特徴とする請求項2〜11何れか記載の洗浄ノズル。
  14. 一つの前記乱流室内に複数の前記可動部を内包することを特徴とする請求項2〜13何れか記載の洗浄ノズル。
  15. 前記洗浄ノズルは、人体を洗浄するシャワー洗浄装置に組み込まれたことを特徴とする請求項2〜14何れか記載の洗浄ノズル。
  16. 前記洗浄ノズルは、携帯して人体局部を洗浄する携帯型人体局部洗浄装置に組み込まれたことを特徴とする請求項2〜14何れか記載の洗浄ノズル。
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