JP4542699B2 - エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃から乗員を保護するエアバッグ用ガス発生器であって、特にその作動性能に特徴を有するエアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両には、該車両が高速で衝突した際に、慣性により搭乗者がハンドルや前面ガラス等の車両内部の硬い部分に激突して負傷又は死亡することを防ぐために、ガスによりバッグを急速に膨張させ、搭乗者の危険な箇所への衝突を防ぐエアバッグシステムが搭載されている。
【0003】
かかるエアバッグシステムは、乗員の体格(例えば座高の高い人若しくは低い人、又は大人若しくは子供等)や、その搭乗姿勢(例えばハンドルにしがみついた姿勢)等が異なる場合であっても、乗員を安全に拘束可能であることが望ましい。そこで従来、乗員に対してできる限り衝撃を与えないで作動する様なエアバッグシステムの提案がなされている。
【0004】
また、ガス発生器の作動に関しては、車両の衝突直後に於いて迅速に作動し、乗員が車両内の構造物に激突する前に、両者間にクッションを形成する必要がある。
【0005】
その為、衝撃を感知したセンサーから受領した作動信号によって、直ちに作動し、且つエアバッグを膨張させるために十分な量の作動ガスを迅速に生じさせるガス発生器が要求される。
【0006】
かかる課題は、従来提供されている多くのガス発生器によっても、既に解決されている。
【0007】
しかし、従来提供されているガス発生器では、それに使用されるガス発生剤、即ち実際にエアバッグを膨張させる為の作動ガスを生じさせる組成物毎に設計されたものであることから、使用されるガス発生剤の特性(例えば、燃焼性能など)が変わった場合には、十分な作動性能を得ることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のガス発生器に使用されているガス発生剤よりも、着火性の劣るガス発生剤であっても使用可能とした構造を有するエアバッグ用ガス発生器を提供するものであり、このようなガス発生剤であっても、作動初期の段階に於いて十分な作動性能を発揮し得るガス発生器を提供するものである。またこのガス発生器を用いたエアバッグ装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、ガス排出口を有するハウジング内に、略筒状の内筒部材を配置して、該内筒部材の内側に点火手段を収容する点火手段収容室、外側にガス発生剤を収容する燃焼室を形成したエアバッグ用ガス発生器であって、該内筒部材の周面には、点火手段の作動によって生じた火炎を第一燃焼室内に噴出させる複数の伝火孔が形成されており、該伝火孔は、前記内筒部材の端部からの距離が、該内筒部材の軸方向長さの30〜70%となる範囲内に形成されていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器によって達成される。
【0010】
また、内筒部材の周面には、点火手段収容室と燃焼室とを連通可能とする複数の連通部が周方向に形成されており、該複数の連通部は、隣り合う連通部同士の中心角が60°以下、好ましくは45°以下となるように調整されていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器によっても達成される。
【0011】
上記内筒部材は、ハウジングの内側に配置されるものであり、内側に点火手段収容室、外側に燃焼室を形成を区画するものである。依って、この内筒部材の内側には、少なくとも点火手段収容室を設ける必要があるが、更に他の室、例えば内筒部材の外側とは別に存在する燃焼室(即ち、第二の燃焼室)を設けても良い。点火手段収容室は、ガス発生器の作動を開始させる点火手段を収容する室であり、燃焼室は、作動した点火手段によって着火・燃焼されるガス発生手段を収容する室である。そして、伝火孔は、ガス発生手段を着火するための点火手段の火炎を、燃焼室に噴出させるための貫通孔である。また、この内筒部材は、少なくとも筒状の周壁面を有するものであれば、その端部開口にはフランジを備えたものも含む。
【0012】
この連通部としては、例えば、内筒部材に、その半径方向に貫通する1又は2以上の伝火孔によって形成することができる。即ち、例えば1つの伝火孔を連通部とした場合には、実質的に前記連通部と伝火孔は同義となるが、各貫通部が、それぞれ複数の伝火孔で形成されている場合には、複数の伝火孔で構成された所謂伝火孔群が、内筒部材の周方向に、上記所定間隔毎に形成されることとなる。
【0013】
特に 連通部を1つの伝火孔で形成する場合、この伝火孔は、内径1〜4mm、好ましくは1.8〜3.2mmに形成されていることが望ましい。
【0014】
更に、上記ガス発生器に於いて、前記複数の連通部は、そこから噴出する点火手段の火炎や熱ミストの噴出角が、該連通部中心との直交軸を中心として、左右に60°以上、好ましくは90°以上となる水平角範囲内に調整されていることが望ましい。
【0015】
また、前記解決課題は、ガス発生器の作動に際し、着火電流印加後5〜20ミリ秒後に、前記ハウジングの内部圧力が最大となるガス発生器によっても解決できる。この場合、点火器に着火電流を印加した後2ミリ秒に着火しているガス発生剤の表面積が、当初燃焼室内に収容した全ガス発生剤の表面積の30〜90%以上、より好ましくは40〜60%以上であることが望ましい。
【0016】
上記本発明のガス発生器に依れば、前記連通部から噴出される点火手段の火炎により、燃焼室内に収容されたガス発生剤が一気に着火されて、燃焼を開始することができる。即ち、ガス発生器作動開始初期の段階に於けるガス発生剤の着火性を向上させることができる。
【0017】
このようなガス発生器の作動性能は、以下に示すタンク燃焼試験によっても確認することができる。
<タンク燃焼試験>
内容積60リットルのSUS(ステンレス鋼)製タンク内に、エアバッグ用ガス発生器を固定し、室温においてタンクを密閉後、外部着火電気回路に接続する。別にタンクに設置された圧力トランスデューサーにより、着火電気回路スイッチを入れた(着火電流印加)時間を0として、タンク内の圧力上昇変化を時間0〜200ミリ秒の間測定する。各測定データをコンピュータ処理により最終的にタンク圧力/時間曲線として、ガス発生器の作動性能を評価する曲線(以下「タンクカーブ」とする)を得る。燃焼終了後はタンク内のガスを一部抜き取り、CO及びNOx等のガス分析に供することもできる。
【0018】
そして、同様に、ハウジング内部の圧力も、着火電流印加時間を0として、その圧力上昇変化を時間0〜200ミリ秒の間測定し、ハウジング内部圧力の経時変化を得る。これにより、ハウジングの内部圧力が最大となるまでの時間、即ち最大内圧到達時間を特定することができる。
【0019】
本発明に於けるタンク最大圧力とは、このタンク燃焼試験に於けるSUS製タンク内の最大圧力のことであり、また最大内圧とはガス発生器を作動させた際のハウジング内の最大圧力のことである。
【0020】
上記本発明にかかるエアバッグ用ガス発生器では、少なくともハウジング内を燃焼室と点火手段収容室とに区画する内筒部材を配置し、且つこの内筒部材の周面に、周方向に形成され、両室を連通可能とする連通部は、隣り合う連通部同士の中心角が60°以下に調整されている必要があるが、これ以外の構成、例えばガス発生手段の組成や形状、ガス発生手段の燃焼によって発生した作動ガスを冷却及び/又は浄化するためのクーラントやフィルターの有無、或いはハウジングの全体形状等は適宜作動性能に合わせて調整することができる。例えば、燃焼して作動ガスを発生するガス発生手段に関しては、従来から広く使用されている無機アジド、例えばナトリウムアジド(アジ化ナトリウム)に基づくアジド系ガス発生剤の他、無機アジドに基づかない非アジド系ガス発生剤等も使用することが可能である。またハウジングに形成されるガス排出口の大きさや数、ハウジングサイズや全体形状等は、作動性能や収容スペースなどに応じて適宜調整することができる。
【0021】
上記のエアバッグ用ガス発生器は、該ガス発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッグ(袋体)と共にモジュールケース内に収容され、エアバッグ装置となる。このエアバッグ装置は、衝撃センサが衝撃を感知することに連動してガス発生器が作動し、ハウジングのガス排出口から作動ガスを排出する。この作動ガスはエアバッグ内に流入し、これによりエアバッグはモジュールカバーを破って膨出し、車両中の硬い構造物と乗員との間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づき、本発明のエアバッグ用ガス発生器のハウジング、及びこれを使用したエアバッグ用ガス発生器を説明する。
【0023】
図1は、本発明のエアバッグ用ガス発生器の一実施形態を示す縦断面略図である。
【0024】
この図に示すガス発生器は、ガス排出口11を有するハウジング3内に、電気式点火器6と伝火薬7とで構成された点火手段と、該点火手段の作動によりエアバッグを膨脹させるための作動ガスを発生するガス発生手段(即ち、ガス発生剤8)とを含んで収容し、更にガス発生剤8が収容される燃焼室9とハウジング3の周壁部との間には、ガス発生剤8の燃焼によって発生した作動ガスを冷却するクーラント/フィルター手段(即ち、クーラント5)を配設している。そして、このクーラント5のディフューザシェル1側端部には、筒状部19を有するデフレクター部材18を配置している。
【0025】
ハウジング3は、有蓋筒体形状のディフューザシェル1と有底筒体形状のクロージャシェル2とによって形成されており、両シェルは、それぞれの開口に形成された外向きフランジ部53,58で溶接一体化されている。この内、クロージャシェルの周壁は、フランジ部53側が半径方向外側に広がるものとして形成されている。
【0026】
このハウジング内には、ハウジングの天井部内面に接合するフランジ部24を備えた筒状の内筒部材4が配置されており、この内筒部材4の内側を点火手段収容室10、外側を燃焼室9としている。両室は、内筒部材4の周面に形成された複数の連通部によって連通可能なものとして形成されている。本実施の形態に於いて、この連通部は伝火孔14として具体化されており、各連通部は、内径1.8〜3.2mmに形成された1つの伝火孔14によって構成されている。但し、これよりも小径とした複数の伝火孔を組み合わせて(伝火孔群として)、連通部とすることもできる。
【0027】
この伝火孔14を、内筒部材4の端部からの距離(L)が、該内筒部材の軸方向長さ(L1)の30〜70%となる範囲内に形成すれば、ガス発生剤8の着火性能を向上させることができる。例えば、図1に示すように軸方向長さ(L1)が29mmの内筒部材を使用して、ディフューザシェル側端部から10mmの位置に伝火孔14を形成した場合、着火電流印加後、大凡8.2ミリ秒後にハウジングの内部圧力が最大となる。内筒部材4の軸方向長さは、原則としてガス発生器内に配置した状態を基準とするが、殆どの場合、ガス発生器に組み付ける前の状態を基準としても特段の差違は生じない。
【0028】
そして点火手段収容室10内には、作動信号(即ち、作動の為の着火電流)を受領して作動する点火器6と、該点火器の作動によって着火・燃焼する伝火薬7とで構成された点火手段が収容されている。点火手段を構成する点火器6は、その下端が内筒部材4の下端開口をかしめることによって固定されており、伝火薬7は点火器6の直上に配置されている。また燃焼室9には、点火手段の火炎(本実施の形態では伝火薬7の火炎)によって着火・燃焼し、エアバッグを膨出させるための作動ガスを発生させるガス発生剤8が収容されている。
【0029】
前記内筒部材4の周面に形成される伝火孔14は、図2の内筒部材4の水平断面図に示すように、隣り合う連通部同士の中心角αが60°以下となるように調整されている。これにより、隣り合う伝火孔14同士の間隔を小さくすることができ、該伝火孔14から噴出する伝火薬の火炎と燃焼室内のガス発生剤との接触面積を増大させることができる。従って、ガス発生器作動初期の段階に於けるガス発生剤8の着火面積を大きくすることができ、これによりガス発生剤8の着火性能を向上させることができる。この連通部が1つの伝火孔14に依って形成される場合、例えば、内筒部材4には、内径1.85mmの伝火孔14を周方向に12個(即ち、隣り合う連通部同士の中心角を30°で)、内径2.2mmの伝火孔を周方向に8個(即ち、隣り合う連通部同士の中心角を45°で)、内径2.6mmの伝火孔14を周方向に6個(即ち、隣り合う連通部同士の中心角を60°で)形成することができる。
【0030】
このように形成した連通部(本実施の形態に於ける伝火孔14)は、連通部の総面積がほぼ一定の場合、隣り合う連通部同士の中心角αを小さくする程、ガス発生剤の初期着火性能を向上させることができる。
【0031】
また、この複数の連通部(本実施の形態に於ける伝火孔14)から噴出する点火手段(本実施の形態では伝火薬7)の火炎や熱ミストは、伝火孔14との直交軸Lを中心として、左右に60°以上となる水平角βの範囲内に噴出するように調整されていることが望ましい。
【0032】
端部をかしめて点火器6を固定した内筒部材4は、後述するクロージャシェル2の開口部60内に収容され、点火器6を固定した状態に於いてクロージャシェル2に溶接・一体化されている。具体的には、開口部60に、ハウジング3の内側に曲折する筒状部61を一体状に形成し、この筒状部61と内筒部材4とを溶接している。筒状部61をハウジング3の内側に曲折していることから、当該筒状部61だけがハウジング3の軸方向外側に突出することはなく、その分、ハウジング3自体の全体の高さを抑えることができ、ひいてはガス発生器全体の高さを抑えることができる。逆に、このように形成したガス発生器を、筒状部61をハウジング3の外側に曲折したガス発生器と同じ高さに形成した場合には、同じ高さ及び外径であっても、ハウジングの内部容積を十分に大きくすることができる。また、筒状部61により、ガス発生手段を支持する略環状のアンダープレート22を支持することができる。
【0033】
積層金網等を用いて形成された筒状のクーラント5は、各シェル1,2の端部に形成された曲折部によって支持されて、ハウジングの内周面と略対向上に配置される、そしてこのクーラント5の外周面とハウジング3の内周面との間には、作動ガスの流路となる間隙20が形成されている。この間隙20により、クーラント5は全面的に且つ効果的に機能することができる。
【0034】
このクーラント5は、作動ガスの通過に際しても、その圧力により、半径方向外側に膨出しないものが好適に使用される。これは、仮にクーラント5がガス発生手段の通過によって膨出した場合には、クーラント5とハウジング内周面との間に確保される間隙20が閉塞され、事実上ガス流路として機能し得なくなるためである。依って、この実施の形態に示すクーラント5は、半径方向への引張り強度が12054N(1230kgf)に形成されている。
【0035】
このクーラント5の端面と、ディフューザシェル1内面との間には、デフレクター部材18が配置されている。このデフレクター部材18は、ガス発生剤8として、燃焼によって流動体又は半流動体の燃焼生成物を生じさせるものを使用した場合に有用である。
【0036】
即ち、ガス発生剤の燃焼に依って生じた燃焼生成物を、このデフレクター部材18の筒状部19に付着、又は衝突後落下させることで除去できるためである。またこのデフレクター部材18中、クーラント5の端面に当接する環状部16は、適宜弾性を有するものとして形成されていることから、燃焼室9の半径方向外側に配置されるクーラント5として、軸方向への伸縮の少ない金網製クーラント5を使用することもできる。更にデフレクター部材18は、クーラント5の内周面に当接する壁部17を環状部16に一体形成している。これにより、クーラント5の位置決め及び固定、並びに作動ガスがクーラントを通過することなく排出される所謂ショートパスを阻止することができる。
【0037】
上記のように形成されたガス発生器では、作動の為の着火電流が印加されて作動した点火器6により、伝火薬7が着火されて燃焼し、その火炎は内筒部材4の伝火孔14を通って、ガス発生剤8の収容空間内に放出される。この伝火薬7の火炎は、ガス発生剤8を着火・燃焼させることとなるが、その一部が直接クーラント5を通過した場合であっても、デフレクター部材18の筒状部19に当たり、そのままガス排出口11から噴出する事態を阻止することができる。伝火薬7の火炎によって着火されたガス発生剤8から発生する作動ガスは、クーラント5を通過して、クーラント5外周面とハウジング3内周面との間に確保された間隙20内に到達する。クーラント5を通過した作動ガス中に流動体又は半流動体の燃焼生成物が含まれている場合には、間隙20内に配置されたデフレクター部材18の筒状部19に衝突・付着して、作動ガス中から除去されることとなる。
【0038】
図1中、ガス排出口11及び伝火孔14は、それぞれシールテープ15により閉塞されており、ガス発生剤8は、アンダープレート22によって支持され、燃焼室内に収容されている。また、本実施の形態に於いてデフレクター部材18として記載した部材は、同様の構造によりミスト捕集部材、又は防炎板としても機能することができる。
「実施の形態2」
図3に、電気着火式点火手段を用いたガス発生器を含んで構成された本発明のエアバッグ装置の実施例を示す。
【0039】
このエアバッグ装置は、ガス発生器200と、衝撃センサ201と、コントロールユニット202と、モジュールケース203と、そしてエアバッグ204からなっている。ガス発生器200は、図1に基づいて説明したガス発生器が使用されており、その作動性能は、ガス発生器作動初期の段階において、乗員に対してできる限り衝撃を与えないように調整されている。
【0040】
衝撃センサ201は、例えば半導体式加速度センサからなることができる。この半導体式加速度センサは、加速度が加わるとたわむようにされたシリコン基板のビーム上に4個の半導体ひずみゲージが形成され、これら半導体ひずみゲージはブリッジ接続されている。加速度が加わるとビームがたわみ、表面にひずみが発生する。このひずみにより半導体ひずみゲージの抵抗が変化し、その抵抗変化を加速度に比例した電圧信号として検出するようになっている。
【0041】
コントロールユニット202は、点火判定回路を備えており、この点火判定回路に前記半導体式加速度センサからの信号が入力するようになっている。センサ201からの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始し、演算した結果がある値を越えたとき、ガス発生器200の点火器6に作動信号(即ち、作動の為の着火電流)を出力する。
【0042】
モジュールケース203は、例えばポリウレタンから形成され、モジュールカバー205を含んでいる。このモジュールケース203内にエアバッグ204及びガス発生器200が収容されてパッドモジュールとして構成される。このパッドモジュールは、自動車の運転席側取り付ける場合には、通常ステアリングホイール207に取り付けられている。
【0043】
エアバッグ204は、ナイロン(例えばナイロン66)、またはポリエステルなどから形成され、その袋口206がガス発生器のガス排出口を取り囲み、折り畳まれた状態でガス発生器のフランジ部に固定されている。
【0044】
自動車の衝突時に衝撃を半導体式加速度センサ201が感知すると、その信号がコントロールユニット202に送られ、センサからの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始する。演算した結果がある値を越えたときガス発生器200の点火器6に作動信号を出力する。これにより点火器6が作動してガス発生剤に点火しガス発生剤は燃焼してガスを生成する。このガスはエアバッグ204内に噴出し、これによりエアバッグはモジュールカバー205を破って膨出し、ステアリングホイール207と乗員の間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0045】
【実施例】
図1に示すガス発生器を用いてタンク燃焼試験を行い、着火電流印加後、ハウジングの内部圧力が最大となるまでの時間(以下、ハウジング最大内圧到達時間ともいう)を測定した。
【0046】
但し、点火手段収容室と燃焼室とを区画する内筒部材に、両室を連通可能とする連通部として、以下の(1)又は(2)に示す伝火孔を形成した。その結果を表1に示す。
【0047】
また、この実施例に用いたガス発生器の詳細は、前記実施の形態を参照して、その説明を省略する。
(1)内径2.2mmの伝火孔(エンハンサノズル)から成る連通部を、内筒部材の周方向に、8つ(即ち、隣り合う連通部同士の中心角を45°として)形成したガス発生器。
(2)内径1.85mmの伝火孔(エンハンサノズル)から成る連通部を、内筒部材の周方向に、12つ(即ち、隣り合う連通部同士の中心角を30°として)形成したガス発生器。
【0048】
上記(1)又は(2)に示すガス発生器を用いて得られたハウジング最大内圧到達時間を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004542699
【0050】
この結果からも明らかなように、連通部(本実施例では伝火孔)の数を多く形成することにより、即ち、隣り合う連通部同士の中心角を小さくすることにより、ガス発生剤の着火性能を向上させることができる。
【0051】
これにより、衝撃後、迅速にエアバッグを膨張させることのできるエアバッグ用ガス発生器が実現する。
【0052】
但し、この実施例は、連通部(伝火孔)の形状や配置によるガス発生剤の着火性の向上を確認することを目的とするものである。依って、上記の(1)又は(2)に示すように連通部(伝火孔)の形状や配置が異なっており、それ以外の構成に於いては共通するガス発生器であれば、本実施例と略同様の効果を確認することができる。即ち、本発明の効果を確認する上では、上記の(1)又は(2)で使用するガス発生器で使用されるガス発生剤は、発生ガス量や線燃焼速度が同じであれば何でも良く、またガス発生器もガス発生剤の燃焼に寄与し得る空隙容積が同じであれば同様の効果を確認することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、着火性の劣るガス発生剤であっても使用可能とした構造を有するエアバッグ用ガス発生器であって、更にこのようなガス発生剤であっても、作動初期の段階に於いて十分な作動性能を発揮し得るガス発生器とすることができる。即ち、使用されるガス発生剤の特性(例えば、燃焼性能など)が変わった場合であっても、初期の作動性能、または此に近似する作動性能が得られるガス発生器が実現する。
【0054】
更に、このような効果を有するエアバッグ用ガス発生器が、簡易な構造によって実現されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス発生器の好ましい実施態様を示す縦断面図
【図2】 図1に示すガス発生器の要部水平断面図
【図3】 本発明のエアバッグ装置を示す略図
【符号の説明】
1 ディフューザシェル
2 クロージャシェル
3 ハウジング
4 点火器
5 伝火薬
6 ガス発生剤
7 クーラント・フィルタ

Claims (5)

  1. ガス排出口を有する有蓋筒体形状のディフューザシェルと有底筒体形状のクロージャシェルが開口部を合わせて一体化されたハウジング内に、ハウジングの周壁部との間に作動ガスの流路となる間隙を形成して筒状のクーラントが配置されており、
    筒状のクーラントの内側に略筒状の内筒部材を配置して、該内筒部材の内側に点火手段を収容する点火手段収容室、外側にガス発生剤を収容する燃焼室を形成したエアバッグ用ガス発生器であって、
    該内筒部材の周面には、点火手段の作動によって生じた火炎を燃焼室内に噴出させる複数の伝火孔が等間隔で形成されており、
    該複数の伝火孔が、内径が1.8〜3.2mmであり、内筒部材の中心と隣り合う伝火孔同士の中心軸を結ぶ線により形成される中心角αが30°〜60°となるように調整されており、
    該伝火孔は、ディフューザシェル蓋部側の前記内筒部材の端部からの距離が、該内筒部材の軸方向長さの30〜70%となる範囲内に形成されており、
    さらにガス排出口と筒状のクーラントの間のガス排出口に正対する位置にデフレクター部材が配置されていることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器。
  2. 前記複数の伝火孔が、内筒部材の中心と隣り合う伝火孔同士の中心軸を結ぶ線により形成される中心角αが30〜45°となるように調整されており、
    前記複数の伝火孔は、ディフューザシェル蓋部側の該内筒部材の端部からの距離が、内筒部材の軸方向長さの40〜60%となる範囲に形成されている請求項1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  3. 前記内筒部材のクロージャシェル底部側には、作動の為の着火電流が印加されて作動する点火器が収容されている請求項1又は2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  4. 前記点火手段収容室には、着火電流の印加により作動する点火器を含んで構成された点火手段が収容されており、一方、前記燃焼室には、点火手段の作動によって着火・燃焼されて燃焼ガスを生じさせるガス発生剤が収容されており、
    前記ハウジングの内部圧力は、着火電流印加後5〜20ミリ秒後に最大となる請求項1〜3の何れか一項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  5. エアバッグ用ガス発生器と、
    衝撃を感知して前記ガス発生器を作動させる衝撃センサと、
    前記ガス発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッグと、
    前記エアバッグを収容するモジュールケースとを含み、前記エアバッグ用ガス発生器が請求項1〜4の何れか1項記載のエアバッグのガス発生器であることを特徴とするエアバッグ装置。
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