JP4388219B2 - エアバッグ用ガス発生器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアバック用ガス発生器及びエアバック装置であって、2つ以上の点火手段及び2つ以上のガス発生手段を有し、ガスの排出又は流れの挙動を調節する。
【0002】
【従来技術】
自動車を始め各種車両等に搭載されているエアバッグシステムは、該車両が高速で衝突した際に、ガスによって急速に膨張したエアバッグ(袋体)で搭乗者を支持し、搭乗者が慣性によりハンドルや前面ガラス等の車両内部の硬い部分に激突して負傷すること等を防ぐことを目的とする。このようなエアバッグシステムは、通常、車両の衝突によって作動してガスを放出するガス発生器と、該ガスを導入して膨張するエアバッグとから構成されている。
【0003】
かかるエアバッグシステムは、乗員の体格(例えば座高の高い人若しくは低い人、又は大人若しくは子供等)や、その搭乗姿勢(例えばハンドルにしがみついた姿勢)等が異なる場合であっても、乗員を安全に拘束可能であることが望ましい。そこで従来、作動時初期の段階に於いて、乗員に対してできる限り衝撃を与えないで作動する様なエアバッグシステムの提案がなされている。このようなガス発生器は、特開平8−207696号公報、米国特許第4,998,751号及び米国特許第4,950,458号等に開示されおり、特開平8−207696号公報では、1つの点火器で2種類のガス発生剤のカプセルを着火し、二段階でガスを発生させるガス発生器が、米国特許第4,998,751号、米国特許第4,950,458号では、ガス発生器の作動機能を規制するため二つの燃焼室を設けて、ガス発生剤の燃え広がりにより二段階でガスを発生するガス発生器がそれぞれ提案されている。
【0004】
しかしながらこの様なガス発生器では、その内部構造が複雑であり、容器の大きさが大きくなり、コスト高の要因となるという欠点を有する。また各段階で燃焼するガス発生剤の表面積と、その燃焼をコントロールするノズルの面積の比が全てにおいて好ましいものとなっていないため、ハウジングの内部圧力は、一段目の燃焼では低すぎたり、二段目の燃焼では高すぎたりと適正なコントロールができない。
【0005】
更に特開平9-183359号、及び独国特許第19620758号では、ハウジング内に、ガス発生剤が収容された燃焼室を2室設けて、それぞれの燃焼室毎に点火器を配置し、各点火器の作動タイミングを調整することにより、ガス発生器の作動出力を調整可能としたガス発生器が開示されている。しかしながら、何れのガス発生器も、各燃焼室毎に配置される点火器は、それぞれ別個に配置されることから、その組み付け(製造)も困難なものとなり、またガス発生器の構造自体も複雑で、容積も大きいものとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
依って本発明は、容器の全体的な大きさを抑え、且つ簡易な構造であって製造容易且つ軽量としながらも、その作動初期の段階に於いて、乗員に対してできる限り衝撃を与えないで作動し、且つ乗員の体格(例えば座高の高い人若しくは低い人、又は大人若しくは子供等)や、その搭乗姿勢(例えばハンドルにしがみついた姿勢)等が異なる場合であっても、乗員を安全に拘束可能な様に、任意にガス発生器の作動出力、及び出力上昇のタイミングを調整可能とし、且つ燃焼性能が安定したガス発生器を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のエアバッグ用ガス発生器は、ハウジング内に、2つ以上の点火手段を設けたガス発生器であって、ハウジングに形成されたガス排出口とこれを閉塞するシールテープなどの遮断手段の組合せに特徴を有する。ハウジング内に複数の燃焼室を設けた場合には、各燃焼室に収容されたガス発生手段は、異なる点火手段により、独立して同時又は時間差をつけて着火・燃焼させられるが、ガス排出口の開口径(開口面積)及び/又はガス排出口を閉塞するシールテープの厚さを制御することにより、ガス発生手段が燃焼した際のハウジング内の圧力(以下「燃焼内圧」とする)を均等化し、燃焼性能を安定化させることが可能である。
【0008】
即ち本発明は、衝撃によって着火する2つ以上の点火手段と、該点火手段により夫々着火・燃焼し、エアバッグを膨張させる燃焼ガスを発生する2つ以上のガス発生手段を収容し、外殻容器を形成するハウジングに複数のガス排出口が形成され、該ガス排出口はハウジングの内部圧力を一定圧まで保持する遮断手段により閉塞されているエアバッグ用ガス発生器において、2種以上の該ガス排出口及び/又は2種以上の該遮断手段によって、該遮断手段を破裂させる破裂圧力を複数段階に調節したことを特徴とするエアバッグ用ガス発生器である。
【0009】
好ましくは各々の点火手段が作動した時のハウジング最大内部圧力の差が抑えられている。
【0010】
破裂圧力はガス排出口の開口径、開口面積及び遮断手段の厚さのいずれか又はこれらを組み合わせて調節できる。すなわち、開口径の大きさは1〜8mm、又は1.2〜4mmの間で変化させる。遮断手段を破裂する破裂圧力が隣り合うガス排出口について、その異なる破裂圧力の比は1.1/1以上、さらに好ましくは4/1〜1.1/1である。
【0011】
開口面積及び開口面積比はガス発生剤の薬量または薬表面積に応じて変化させる。遮断手段の厚みは開口面積比またはガス発生剤の薬量または薬表面積に応じて変化させる。
【0012】
ガス発生剤の量と形状は複数の燃焼室でそれぞれ任意に設定できる。点火数、点火タイミングによりガス発生量は大きく変化する。よって単一点火手段に比べて、ガス発生挙動、すなわち出力特性が複数あり、そのいずれかを選択できる。燃焼内圧はガス発生剤の表面積とガス排出口の開口面積との比に依存する。複数のガス発生剤の場合は点火数、点火タイミングによりガス発生剤表面積、即ち燃焼表面積が変化する。
【0013】
前記の破裂圧力の調節は、前記ガス排出口の開口径および/または開口面積を2種類以上に制御することによってなされる。而して前記ハウジングに形成された2種類以上のガス排出口のうち、その開口径の大きさが隣り合う2種類の開口について、大径ガス排出口/小径ガス排出口の比が4/1〜1.1/1であり、また開口面積比が97/3〜3/97であることが好ましい。
【0014】
また前記の破裂圧力の調節は、前記遮断手段の厚さを2種類以上に制御することによってなされる。而して前記2種類以上の厚さの遮断手段は、その隣り合う厚さの比が1.1/1〜12/1であることが好ましい。破裂圧力の調節を、2種類以上に厚さが異なる遮断手段で遮断した2種以上の排出口の面積比が97/3〜3/97であるようにして行うことができる。更に本発明に於いては、ガス排出口の開口径および/または開口面積を2種類以上に制御すると共に遮断手段の厚さを2種類以上に制御することによっても行うことができる。その場合も、破裂圧力の調節を、2種以上に厚さが異なる遮断手段で遮断した2種以上の排出口の面積比が97/3〜3/97であるようにすることができる。
【0015】
前記遮断手段は20μm〜200μmの厚さを有するシール層と5〜100μmの厚さを有する接着層、または粘着層とからなるシールテープであることが好ましい。本発明に於いてシールテープの厚さとは、このシール層と接着層又は粘着層とで構成されたものの厚さのことである。シールテープなどの遮断手段は、その破裂圧力がガス排出口の大きさ及び/又はその厚さ等により調整されるものであり、ガス発生手段が燃焼した時のハウジング内の最大内部圧力(以下「燃焼最大内圧」とする)やガス発生手段の燃焼性能を調整するものではない。即ち、本発明のガス発生器に於いては、ガス発生手段の燃焼時に於ける燃焼最大内圧の調整は、ガス排出口の開口面積により調整される。その結果、シールテープが破裂した後に於いても、その開口面積とガス発生手段の燃焼性能との関係によりハウジング内圧を調整することができる。また、この遮断手段(特にシールテープの場合)は、ハウジング内に湿気が進入するのを防止する防湿機能も有していることが望ましいが、本発明に於いては、ガス発生手段の様に防湿の必要性のある構成要素について別途防湿手段を施す場合には、この遮断手段は、専らその破裂圧力が複数段階に調節されていれば十分である。かかる別途防湿手段としては、例えばガス発生手段などの場合には、それを防湿シートで包む等の手段がある。
【0016】
本発明のガス発生器に於ては、ハウジング内に複数の燃焼室を設けて、燃焼ガスを発生するガス発生手段を各々別個の燃焼室に収容し、更に各燃焼室内のガス発生手段を各々の点火手段により独立に点火することにより、他のガス発生手段の燃焼によって伝火されない様にすることもできる。各燃焼室に収容されるガス発生手段は、その単位重量当りの表面積が互いに異なっている固体のガス発生剤であることが望ましい。例えば、ハウジング内にガス発生手段を収容する燃焼室を2つ設ける場合には、各燃焼室をハウジングの半径方向に隣接して同心円に設けるか、或いはハウジングを最外径よりも軸芯長の方が長い円筒形状として、各燃焼室をハウジングの軸方向及び/又は半径方向に隣接させて同軸に設けることができる。この場合、各燃焼室同士を相互に連通可能とする連通孔を設けることもできる。このように設けた燃焼室には、各燃焼室毎に収容されたガス発生手段を別々に燃焼させることができる。この燃焼室は、専らガス発生手段を収容する為の室である点に於いて、前記点火手段が伝火薬を含んで構成されているとしても、該伝火薬が収容された空間とは区別することができる。
【0017】
本発明に係る複数の開孔を設けて、燃焼内圧を均等化(燃焼性能を安定)したデュアルパイロインフレータの構成要件は点火手段2つ以上と、ガス発生剤を収容するハウジングを有し、該ハウジングには開口径/開口面積の異なるノズルが2種類以上設けられること及び/又はガス排出口を閉塞する遮断手段の厚さを2種類以上に制御することである。例えば、大きなノズルと小さなノズルが開孔しており、大きなノズルはデュアルパイロインフレータの作動の最初の段階、即ち第1室のガス発生剤の着火で破れ、小さい方のノズルは後段、即ち第2室のガス発生剤の着火、或は2つの点火器が同時着火し両室のガス発生剤が燃焼した時に、大きいノズルより遅れて又は同時に開口するといった仕組を特徴とする。本発明では特にプロペラント充てん量の違い(第1室と第2室)もカバーすることを目的とする。例えば内圧100kg/cm2で大きなノズルが開孔し、内圧150kg/cm2以上になれば小さなノズルも開孔する。それを達成させるため、シールテープ厚さ一定でガス排出口のノズル径を変えたり、或はノズル径一定でシールテープの厚さを変えたりすることが可能である。この様にガス排出口の開口面積及び/又は遮断手段の破裂圧力を調整することにより、例えばハウジング内に2つの燃焼室を設けて、第一のガス発生手段と第二のガス発生手段を各燃焼室に分離して収容する場合には、何れのガス発生手段の燃焼に際しても、常に理想的な燃焼条件(例えば燃焼内圧等)で燃焼させることができる。つまり、全てのガス排出口が最初から開口すると、第一及び第二のガス発生手段が同時に燃焼する時には適切な燃焼環境を実現可能となるが、第二のガス発生手段が約30ミリ秒程度遅れて燃焼する場合には、その間に第一のガス発生手段の燃焼ガスが放出されることから、該第二のガス発生手段が燃焼する時の燃焼内圧は2つ同時に燃焼した時に比べてやや低くなってしまい、第二のガス発生手段が燃焼する上で最適な燃焼環境とはならない。これを補うためにガス排出口の開口面積を小さく調整すると、10ミリ秒、20ミリ秒遅らせて第二のガス発生手段を燃焼させた場合、或いは同時に燃焼させた場合には、その燃焼時の圧力が高いものとなる。従って、最初から一種類のガス排出口を一斉に開口させると、全ての燃焼モードをカバーすることが困難となる。その結果、第一のガス発生剤が燃焼した時の燃焼内圧は低く、第二のガス発生剤が燃焼した時の燃焼内圧との間に大きな差が生じる。そこで、かかるガス発生器に於いて、第一のガス発生手段が燃焼した時に開口するガス排出口と、第二のガス発生手段が燃焼した時に開口するガス排出口の様に、複数のガス排出口を、各ガス発生手段の燃焼に応じて異なるタイミングで開口させることにより、各ガス発生手段を常に理想的な燃焼条件(燃焼内圧)において燃焼させることができる。
【0018】
ガス発生器の作動性能、特にガス放出量の経時変化をより特徴的に調整する場合には、2つ以上の燃焼室内には、各燃焼室毎に、燃焼速度、組成、組成比又は量が少なくとも1つ以上異なるガス発生手段を収容し、それらを任意のタイミングで独立に着火・燃焼させることができる。また各燃焼室毎に、単位時間当たりの発生ガス量が異なるガス発生手段を充填することもできる。
【0019】
ガス発生手段としては、従来から広く使用されている無機アジド、例えばナトリウムアジド(アジ化ナトリウム)に基づくアジド系ガス発生剤の他、無機アジドに基づかない非アジド系ガス発生剤を使用することができる。但し、安全性を考慮すれば、非アジド系ガス発生剤が望ましく、かかる非アジド系ガス発生剤組成物としては、例えば、テトラゾール、トリアゾール、又はこれらの金属塩等の含窒素有機化合物とアルカリ金属硝酸塩等の酸素含有酸化剤を主成分とするもの、トリアミノグアニジン硝酸塩、カルボヒドラジッド、ニトログアニジン等を燃料及び窒素源とし、酸化剤としてアルカリ金属又はアルカリ土類金属の硝酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩などを使用した組成物など種々のものを用いることができる。その他にもガス発生手段は、燃焼速度、非毒性、燃焼温度及び分解開始温度等の要求に応じて適宜選定される。各燃焼室毎に異なる燃焼速度のガス発生手段を用いる場合には、例えば、アジ化ナトリウム等の無機アジド又はニトログアニジン等の非アジドを燃料及び窒素源として用いる等、その組成や組成比自体が異なるガス発生手段を用いる他、ペレット状、ウエハー状、中空円柱状、ディスク状、又は単孔体状若しくは多孔体状等の様に組成物の形状を変えるか、或いは成形体の大きさ等により表面積を変えたガス発生手段を用いることができる。特に、ガス発生手段の形状を貫通孔が複数個存在する多孔体に形成する場合には、その孔の配置は特に制限はないが、ガス発生器性能の安定化のため、成形体の外端部と孔の中心との距離及び相互の孔の中心間距離がほぼ等しくなる配置構造が望ましい。具体的には、例えば成形体の断面が円型である円筒状成形体においては、中心に1個とその周囲に相互に等距離となる正三角形の頂点の位置に孔の中心を有する6個の孔を配置した構造が好ましい。更に同様にして中心に1個と周囲に18個の孔が存在する配置も考えられる。これらの孔数と配置構造はガス発生剤の製造のしやすさ、及び製造コストと性能の兼ね合いで決定されるものであり、特に限定されるものではない。
【0020】
またハウジング内には、ガス発生手段の燃焼によって発生した燃焼ガスを冷却するクーラント手段を含んで収容することもできる。このクーラント手段は、ガス発生手段の燃焼によって生じた燃焼ガスを冷却及び/又は浄化する目的でハウジング内に配設されるものであり、例えば、従来使用されている燃焼ガスを浄化する為のフィルタ及び/又は発生した燃焼ガスを冷却するクーラントを使用する他、適宜材料からなる金網を環状の積層体とし、圧縮成形した積層金網フィルタ等も使用できる。この積層金網クーラントは、望ましくは、平編のステンレス鋼製金網を円筒体に形成し、この円筒体の一端部を外側に繰り返し折り曲げて環状の積層体を形成し、この積層体を型内で圧縮成形するか、或いは平編のステンレス鋼製金網を円筒体に形成し、この円筒体を半径方向に押圧して板体を形成し、該板体を筒状に多重に巻回して積層体を形成して、これを型内で圧縮成形する等によって成形することができる。またその内側と外側とを異なる積層金網体として二重構造として、内側にクーラント手段の保護機能、外側にクーラント手段の膨出抑止機能を有するものとすることもできる。なお、該クーラント手段の外周を、積層金網体、多孔円筒体又は環状ベルト体等からなる外層で支持することにより、その膨出を抑止することもできる。
【0021】
また2つ以上の燃焼室に収容されたガス発生手段の燃焼により発生する燃焼ガスが、各燃焼室毎に異なった流路でガス排出口に到達し、一の燃焼室内に収容されたガス発生手段が、他の燃焼室内で発生した燃焼ガスにより、直接着火されることのないガス発生器とする場合には、各燃焼室内のガス発生手段は、それぞれの燃焼室毎に完全に独立して燃焼することから、より確実に、各燃焼室内に収容されたガス発生手段の着火・燃焼を独立して行うことができる。その結果、2つ以上の点火手段の作動タイミングを相当ずらした場合に於いても、最初に作動した点火手段により着火された1の燃焼室内のガス発生手段の火炎が、他の燃焼室内のガス発生手段を燃焼することはなく、安定した作動出力を得ることができる。この様なガス発生器は、例えばハウジング内に、流路形成部材を配置して流路を形成し、1の燃焼室内で発生する燃焼ガスをそのままクーラント手段に導くことによって行うことができる。
【0022】
上記ハウジングは、ガス排出口を有するディフューザシェルと、該ディフューザシェルと共に収容空間を形成するクロージャシェルとを鋳造、鍛造又はプレス加工などにより形成し、両シェルを接合して形成することができる。両シェルの接合は各種溶接法、例えば電子ビーム溶接、レーザ溶接、ティグ溶接、プロセクション溶接などにより行うことができる。このディフューザシェルとクロージャシェルとは、ステンレス銅板等の各種鋼板をプレス加工して形成した場合には、両シェルの製造が容易になると共に、製造コストの低減も達成される。また両シェルを円筒形の単純、簡単な形状に形成することによりそのプレス加工が容易となる。ディフューザシェルとクロージャシェルの材料に関しては、ステンレス鋼板が望ましいが、鋼板にニッケルメッキを施したものでもよい。
【0023】
上記ハウジング内には、更に衝撃を感知して作動し、ガス発生手段を着火・燃焼させる2つ以上の点火手段も収容される。この点火手段は、本発明のガス発生器では衝撃を感知した衝撃センサ等から伝達される電気信号(又は作動信号)により作動する電気着火式点火手段が使用される。電気着火式点火手段は、半導体式加速度センサなど専ら電気的な機構により衝撃を感知する電気式センサから伝達される電気信号に基づいて作動する点火器を含んで構成され、必要に応じて該点火器の作動により着火・燃焼する伝火薬とを含んで構成される。この伝火薬は、その燃焼ガスでガス発生手段を燃焼させるものであり、直接、エアバッグを膨張させるためのものでない点に於いて、前記ガス発生手段とは区別される。また、2つ以上の点火手段がそれぞれ点火器を含んで構成される場合には、該点火器の取付を容易なものとするためには、各点火器同士を1つのイニシエータカラーに軸方向を揃えて設けることが望ましい。点火手段として更に前記点火器の作動によって着火され燃焼する伝火薬をも含む場合には、該伝火薬は、前記各点火器毎に区分され、それぞれの点火器毎に独立して着火・燃焼し、何れか1の点火器に対応する伝火薬の燃焼した火炎が、他の点火器に対応する伝火薬を直接着火しないように形成することが望ましい。この様な構造としては、例えば、各点火器をそれぞれ独立した点火器収容室に配置し、この点火器収容室内に伝火薬を配置するか、或いは別個独立とした各燃焼室内であって、点火器の作動により着火・燃焼され得る箇所に配置することができる。伝火薬を点火器毎に区分した場合には、2つ以上の燃焼室内に収容されたガス発生手段を、それぞれ異なる区分の伝火薬が燃焼した火炎により着火・燃焼することができる。そして、各々の燃焼室に収容されたガス発生手段が燃焼することに応じて、複数のガス排出口の内、何れかのガス排出口を開口させることにより、各燃焼室内のガス発生手段を理想的な燃焼内圧で燃焼させることができる。
【0024】
ハウジング内に配置される2つ以上の点火手段は、それぞれ電気信号によって作動する点火器を含んで構成されており、該点火器は、軸方向を揃えて1つのイニシエータカラーに設けられ、各点火器を、ハウジングの中心軸に対して偏心して配置することができる。各点火器に接続される電気信号を伝えるリードワイヤーは、同一平面上で、同一方向に引き出されていることが望ましく、また該リードワイヤーをそれぞれコネクタを介して接続し、該コネクタを、同一平面上に平行に並べて配置することが望ましい。このコネクタは、各リードワイヤーをハウジングの軸方向を直交する方向であって、且つ同一方向に引き出すことが望ましく、更に該コネクターは、接続する点火器毎に形状が異なる、又は凹凸を設ける等、何れか一の点火器にのみ接続を可能とする位置決め手段を有することが望ましい。
【0025】
本発明は衝撃によって着火する2つ以上の点火手段と、該点火手段により夫々着火・燃焼し、エアバッグを膨張させる燃焼ガスを発生する2つ以上のガス発生手段を収容し、外殻容器を形成するハウジングに複数のガス排出口が形成され、該ガス排出口はハウジングの内部圧力を一定圧まで保持する遮断手段により閉塞されているエアバッグ用ガス発生器において、先に燃焼し始める第一の燃焼室と後に燃焼し始める第二の燃焼室は連通孔を有する壁により隔てられており、前記連通孔には伝火防止手段が設けられていて、第一の燃焼室での燃焼により、第二の燃焼室での燃焼が起こらないことを特徴とするエアバッグ用ガス発生器も含む。
【0026】
伝火防止手段は例えば遮蔽部材、例えばシールテープ、遮蔽板などである。遮蔽部材は連通孔を第一の燃焼室側から遮蔽していてもよい。
【0027】
さらに本発明は衝撃によって着火する2つ以上の点火手段と、該点火手段により夫々着火・燃焼し、エアバッグを膨張させる燃焼ガスを発生する2つ以上のガス発生手段を収容し、外殻容器を形成するハウジングに複数のガス排出口が形成され、該ガス排出口はハウジングの内部圧力を一定圧まで保持する遮断手段により閉塞されているエアバッグ用ガス発生器において、先に燃焼し始める第一の燃焼室は後に燃焼し始める第二の燃焼室より壁により隔てられ、それぞれに発生したガスは異なった流路を通ってガス排出口に達することを特徴とするエアバッグ用ガス発生器も含む。
【0028】
流路形成部材により異なった流路が形成してもよい。
【0029】
上記のエアバッグ用ガス発生器は、該ガス発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッグ(袋体)と共にモジュールケース内に収容され、エアバッグ装置となる。このエアバッグ装置は、衝撃センサが衝撃を感知することに連動してガス発生器が作動し、ハウジングのガス排出口から燃焼ガスを排出する。この燃焼ガスはエアバッグ内に流入し、これによりエアバッグはモジュールカバーを破って膨出し、車両中の硬い構造物と乗員との間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づき、本発明のエアバッグ用ガス発生器を説明する。
「実施の形態1」
図1は、本発明のエアバッグ用ガス発生器の第一の実施の形態の縦断面図であり、特に運転席側に配置するのに適した構造となっている。
【0031】
このガス発生器は、ガス排出口を有するディフューザシェル1と、該ディフューザシェルと共に内部収容空間を形成するクロージャシェル2とを接合してなるハウジング3内に、略円筒形状の内筒部材4を配置して、その外側を第一の燃焼室としている。また、該内筒部材の内側には段欠き部を設け、該段欠き部に略平板円形の隔壁を配置しており、この隔壁で該内筒内を更に2室に画成し、ディフューザシェル側に第二の燃焼室、クロージャシェル側に点火手段収容室8を形成している。その結果、このガス発生器では、第一の燃焼室5aと第二の燃焼室5bとは、ハウジング3内に同心円に設けられて、該ハウジングの半径方向に隣接している。この第一及び第二の燃焼室内には、衝撃をうけて作動した点火手段によって燃焼し、燃焼ガスを発生するガス発生剤(9a,9b)が収容され、点火手段収容室8内には、衝撃によって作動する点火手段が収容されている。第一の燃焼室5aと第二の燃焼室5bとを画成する内筒部材4には貫通孔10が設けられており、この貫通孔は、シールテープ11により閉塞されている。但しこのシールテープ11は、ガス発生剤が燃焼すると破裂することから、両燃焼室は、該貫通孔10により連通することができる。このシールテープ11は第二の燃焼室5bのガス発生剤9bが燃焼した時にのみ破れるように、その材質や厚さを調整する必要がある。本実施の形態では厚さ40μmのステンレス製のシールテープを用いている。また貫通孔10は、ガス排出口26bよりも開口面積を広げており燃焼室5b内の内部圧力をコントロールする機能は有していない。
【0032】
点火手段は、センサーが衝撃を感知する事に基づいて出力される作動信号によって作動する2つの電気着火式点火器(12a,12b)を含んで構成されており、該点火器同士は、1つのイニシエータカラー13に互いに平行に、その頭部を突起させて設けられている。この様に1つのイニシエータカラー13に2つの点火器(12a,12b)を設けることにより、該2つの点火器はイニシエータカラー13に固定されて単一の部材となり、ガス発生器への組付けが容易となる。特にこの図に示すガス発生器では、該イニシエータカラー13を、内筒部材4内に挿入可能な大きさとする事により、2つの点火器(12a,12b)を設けたイニシエータカラー13を該内筒4内に挿入した後、内筒部材4の下端をかしめて該イニシエータカラーを固定することにより、点火器を容易且つ確実に固定することができる。また、2つの点火器(12a,12b)をイニシエータカラー13に配置する際には、それぞれの点火器の向きを容易に規制することができる。
【0033】
この実施の形態では、イニシエータカラー13と隔壁7との間の空間に、何れか1つの点火器12b(以下、「第二の点火器」とする)を包囲するように略円筒形状の分離筒14を配置して、その外側に第一の伝火薬収容室15a、内側に第二の伝火薬収容室15bを画成し、そして各収容室内に、点火器と、該点火器と共に点火手段を構成する伝火薬とを収容している。その結果、点火器と共に点火手段を構成する伝火薬(16a,16b)は、各点火器(12a,12b)毎に確実に区分されることとなる。この第一の伝火薬収容室15aは、その中に収容された伝火薬16aが燃焼すると、内筒部材4に形成された伝火孔17を閉塞するシールテープ18が破裂して第一の燃焼室5aと連通する。また第二の伝火薬収容室15bも、その中の伝火薬16bが燃焼すると隔壁7に形成された伝火孔19を閉塞するシールテープ20が破裂して第二の燃焼室5bと連通する。依って、このガス発生器は、作動に際して、第一の点火器12aが着火(作動)したときの火炎は、その収容室15a内にある伝火薬16aを着火・燃焼させ、その火炎が内筒部材4に形成された伝火孔17を通り、該収容室15aの半径方向に位置する第一の燃焼室5a内に収容された7孔のガス発生剤9aを着火燃焼させる。また第二の点火器12bは、その収容室15b内の第二の伝火薬16bを着火・燃焼させ、その火炎が該収容室15bの軸方向に設けられた伝火孔19を通り、その延長上にある第二の燃焼室5b内に収容された単孔のガス発生剤9bを着火・燃焼させる。この第二の燃焼室9b内で発生した燃焼ガスは、内筒部材4のディフューザシェル1側に設けられた貫通孔10を通り第一の燃焼室5a内に流入する。特に、図1に示すガス発生器では、イニシエータカラーと隔壁との間に配置される分離筒14は、隔壁7の下面とイニシエータカラー13の上面に該分離筒14の外形に相当する穴部21を設け、それぞれの穴部に分離筒14の上端又は下端を嵌入して配置されている。この様に分離筒14を配置していることにより、何れか一の伝火薬燃焼室内で発生する伝火薬の火炎が、他の伝火薬収容室内の伝火薬を直接燃焼させることはなく、2つの燃焼室内に収容されたガス発生剤は、それぞれ異なる区分の伝火薬が燃焼した火炎により着火・燃焼される。即ち、通常、該分離筒14内(即ち第二の伝火薬収容室内)で伝火薬が燃焼した場合には、その燃焼によって生じるガスの圧力は、該分離筒を半径方向に押し広げるようにも働くこととなるが、分離筒を配置することにより、該分離筒の上下端部はそれぞれが嵌入する穴部の周壁に確実に支持されていることとなり、単に分離筒を隔壁とイニシエータカラーとの間で挟持した場合に比べ、より確実に伝火薬の燃焼ガス・火炎の漏洩を阻止することができる。
【0034】
またハウジング3内には、ガス発生剤(9a,9b)の燃焼によって発生した燃焼ガスを浄化・冷却するためのクーラント・フィルタ22が配設されており、そのディフューザシェル1側の内周面は、クーラント・フィルタ22の端面とディフューザシェル1天井部内面28との間を燃焼ガスが通過することのない様に、ショートパス防止部材23で覆われている。該クーラント・フィルタ22の外側には、燃焼ガスの通過などによる該フィルタ22の膨出を抑止するための外層24を配置している。この外層24は、例えば、積層金網体を用いて形成する他、周壁面に複数の貫通孔を有する多孔円筒状部材、或いは所定巾の帯状部材を環状にしたベルト状抑止層を用いて形成することもできる。更に該外層24の外側には、燃焼ガスが該フィルタ22の全面を通過することができるように、間隙25が形成されている。
【0035】
本発明のガス発生器に於てはディフューザシェル1に形成されるガス排出口及び/又はこれを閉塞するシールテープの構成に特徴を有する。図1に示すガス発生器のディフューザシェル1の周壁部には径の異なるガス排出口26a,26bが2種類具備されており、各排出口数はそれぞれ同数とすることができる。この場合、ガス排出口26aの径はガス排出口26bの径より大きく、各孔数は同一であることから総開口面積もガス排出口26aの方がガス排出口26bよりも大きいものとなる。本実施例ではガス排出口26aの径はφ3.0mmで孔数は10個、ガス排出口26bは径φ2mmで孔数10個の構造を示している。これらの排出口26a,26bにはハウジング外部の湿度等の環境の影響からガス発生剤を保護するため、シールテープ27をディフューザシェル1周壁部内周面から貼りつけてある。このシールテープ27はガス発生器の軸方向に並ぶ2種類のガス排出口を同時に塞いでもさらに余裕のある幅で、各排出口26a,26bの上端、あるいは下端から、シールテープの上端、或は下端まで2〜3mmの余裕があることが望ましく、20μm〜200μmの厚さを有するアルミ製のシール層と5〜100μmの厚さを有する接着層、あるいは粘着層とからなるシールテープを用いることが好ましいが、所望の効果を発揮するのであれば特にシールテープの種類や構造は問わない。本実施例ではアルミシール層の厚さが50μm、接着層、あるいは粘着層の厚みが50μmのシールテープを使用している。本実施例では各排出口26a,26bの配列は、ガス発生器ハウジングの軸方向に並んでいるが、本発明の効果を得るためには、たとえば各々の排出口がディフューザシェル周壁部に円周状に交互に配列されていても構わない。このようなガス排出口とシールテープとの組み合わせによって、シールテープの破裂する圧力を2段階に調節している。
【0036】
径3mmの開口は0.71cm2の面積を有し、径2mmの開口は0.31cm2の面積を有し、それぞれ10個あると総開口面積は10.2cm2である。径が隣り合う開口の開口径比は1.5である。開口面積比は2.29/1である。
【0037】
この構造においてガス発生器が作動したとき、例えば燃焼室5aの7孔ガス発生剤を着火させる点火器通電後、30msec等の時間をおいて燃焼室5bの単孔ガス発生剤を着火させる点火器が作動した場合にはガス排出口26aの開口面積(孔径と孔数)を燃焼室5aのガス発生剤の燃焼表面積と相関させ、またガス排出口26bの開口面積(孔径と孔数)を燃焼室5bのガス発生剤の燃焼表面積と相関させる。従来は1種類の孔径のものしか排出口がなかったため開口面積を燃焼室5aのガス発生剤の表面積に相関させるか、燃焼室5aと5bの全ガス発生剤の表面積に相関させるかのどちらかでしか可能でなかった。この場合前者は燃焼室5aのガス発生剤が燃焼した場合には条件的には最適であるが、引き続き燃焼室5b或は燃焼室5aと5bのガス発生剤が燃焼した場合には燃焼圧力が高くなり、出力の過剰なガス発生器となりうる。また後者の場合は燃焼室5aのみのガス発生剤がまず燃焼した場合、反対に出力が緩やかになりすぎて、エアバッグ展開初期の充分な拘束性能を得ることが困難である。
【0038】
本発明によれば本実施例に示した様に開口面積の異なる排出口を2種類設け、各燃焼室のガス発生剤の表面積と相関させることで、それぞれのガス発生剤の着火のタイミングに関係なく最適なエアバッグの展開がえられる。ここではガス排出口の開口面積を2種類としたが、さらに種類を増やし、シールテープの破裂圧力を多段階に調節することで環境温度による出力性能の差を抑えることも可能となる。この様な本発明による効果は、例えば以下のタンク燃焼試験によっても確認することができる。
<タンク燃焼試験>
内容積60リットルのSUS(ステンレス鋼)製タンク内に、エアバッグ用ガス発生器を固定し、室温においてタンクを密閉後、外部着火電気回路に接続する。別にタンクに設置された圧力トランスデューサーにより、着火電気回路スイッチを入れた(着火電流印加)時間を0として、タンク内の圧力上昇変化を時間0〜200ミリ秒の間測定する。各測定データをコンピュータ処理により最終的にタンク圧力/時間曲線として、ガス発生剤成型体の性能を評価する曲線(以下「タンクカーブ」とする)を得る。燃焼終了後はタンク内のガスを一部抜き取り、CO及びNOx等のガス分析に供することもできる。
【0039】
上記の様に形成されたガス発生器では、点火手段収容室8内であって該分離筒14の外に配置された第一の点火器12aが作動すると、第一の伝火薬収容室15a内に収容された伝火薬16aが着火・燃焼し、その火炎が内筒部材4の伝火孔17を通って、第一の燃焼室5a内に収容された7孔を有する多孔円筒状の第一のガス発生剤9aを燃焼させる。また分離筒14に包囲される第二の点火器12bが作動すると、第二の伝火薬収容室15b内に収容された伝火薬16bが着火・燃焼し、その火炎は第二の燃焼室5b内に収容された単孔円筒状の第二のガス発生剤9bを着火・燃焼させる。その結果、第一の点火器を作動させた後に第二の点火器を作動させるか、或いは第一と第二の点火器を同時に作動させるかによって点火器(12a,12b)の着火タイミングを調整することで、ガス発生器の出力形態(作動性能)を任意に調整することができ、衝突時の車両の速度や環境温度など様々な状況において、後述のエアバッグ装置とした場合に於けるエアバッグの展開を最大限適正なものとすることができる。特にこの図に示すガス発生器では、各燃焼室(5a,5b)毎に形状の異なるガス発生剤(9a,9b)が使用されており、第一の燃焼室5aには多孔円筒状の第一のガス発生剤9aが、第二の燃焼室5bには単孔円筒状の第二のガス発生剤9bがそれぞれ収容されている。また各燃焼室(5a,5b)に収容されるガス発生剤の量も異なり、第一の燃焼室5a内には35g、第二の燃焼室5b内には6gのガス発生剤(9a,9b)がそれぞれ収容されている。その結果、このガス発生器では、より的確にその出力形態を調整することが可能となっている。なお、ガス発生剤の形状、組成、組成比及び量等は、勿論、所望の出力形態を得るために、適宜変更することができる。
【0040】
本発明によればこの様な2個以上の点火器と2種類以上のガス排出口の組み合わせにより、ガス発生器の作動時の内圧を均等化し、燃焼性能を安定化させることが出来る。
【0041】
図2に示したガス発生器はハウジングのディフューザシェルに設けるガス排出口とそれを閉塞するシールテープの構成を変化させた以外は図1に示すものと構造が同一であり、図1と同一部材には同じ符号を付して、その説明を省略する。即ち図2ではシールテープの破裂する圧力を2段階に調節するため、各ガス排出口の開口面積(孔径と孔数)は同一であるが、シールテープの厚さを変化させる様にした実施例である。径3mmの開口26a、26bを20個有し、80ミクロンのアルミ層と50ミクロンの粘着層よりなるシールテープ27aを14個及び 160ミクロンのアルミ層と50ミクロンの粘着層よりなるシールテープ27bを6個で開口を遮断したガス発生器では、厚さの比が1.61/1であり、それぞれの厚さに対応した開口面積の比が70/30である。この場合、ガス排出口26aとガス排出口26bはハウジング軸方向に縦に配列しており、ガス排出口26aを塞ぐシールテープ27aの厚さに対して、ガス排出口26bを塞ぐシールテープ27bの厚さを厚くしている。但し、このシールテープの厚は、ガス発生器の出力性能(作動性能)を調整するために規制されるものであり、ガス発生剤の燃焼時に於けるハウジング内圧の調整は、ガス排出口の開口面積によって調整される。つまり、このシールテープは最大燃焼内圧には影響を与えないものである。ガス排出口26aと26bの開口面積(孔径と孔数)はいずれも同一である。この場合は例えば燃焼室5aのガス発生剤9aが燃焼したときにガス排出口26aを覆うシールテープ27aがすべて破裂されるように、排出口26aの開口面積とシールテープ27aの厚みを調節する。引き続いて燃焼室5bのガス発生剤9bが燃焼した場合、あるいは燃焼室5aと5bのガス発生剤9a,9bが同時に燃焼した場合には、更に高い燃焼内圧が発生するので、その時には全ての排出口26a,26bを覆うシールテープ27a,27bが破裂するように、厚さを厚くしたシールテープ27bを排出口26bに貼り付ける。即ち、ガス排出口26aのシールテープ27aは燃焼室5aのみのガス発生剤9aの燃焼によって破裂する厚さに調節されているため、排出口26bのシールテープ27bまでを破裂させることはない。よって燃焼室5aのガス発生剤はその表面積が排出口26aのみの開口面積と相関されるため、最適な燃焼を呈する。またその後燃焼室5bのガス発生剤9bが遅れて燃焼した時、或は両燃焼室のガス発生剤9a,9bが同時に燃焼したときは、更に高い燃焼圧力が発生するため、ガス排出口26bのシールテープ27bまで破裂させ、内圧の上昇を抑え、着火のタイミングに関係なく最適なエアバッグ展開が可能となる。この場合も図1で述べたようにシールテープの材質、構造や、排出口の配列の仕方等は目的の効果を得るための限定要因ではなく、任意の仕様が可能である。また厚さを多段階に変更させることで同様に環境温度等の影響が少ないガス発生器となる。
【0042】
図1及び図2に示したこれらの2つの実施例ではそれぞれ排出口の開口面積のみ、或はシールテープの厚さのみを幾種類か変更した実施例を挙げたが、その両方を調整することも可能である。
「実施の形態2」
図3は、本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の実施の形態を示す縦断面図である。このガス発生器は、特に助手席側に配置するのに適した構造となっている。
【0043】
この図に示すガス発生器は、最外径よりも軸芯長の方が長い円筒形状であって、その周壁に複数のガス排出口を有するハウジング103内に、衝撃によって作動する点火手段と、該点火手段によって着火・燃焼されエアバッグを膨張させる為の燃焼ガスを発生するガス発生剤(9a,9b)と、該ガス発生剤の燃焼によって発生した燃焼ガスを冷却及び/又は浄化するクーラント・フィルタ122とを含んで収容している。そして、ハウジング103内に設けられる2つの燃焼室(105a,105b)は、ハウジング103の軸方向に隣接して同軸上に設けられており、各燃焼室(105a,105b)同士を相互に連通可能とする連通孔110が設けられている。
【0044】
本実施の形態に示すガス発生器は、そのハウジングが軸方向に長い円筒形状であることから、軸方向に長い形状となっているが、この様な形状のガス発生器では、特に、上記のように2つの燃焼室(105a,105b)を同軸上に隣接して設け、両燃焼室を連通可能とすることにより、任意にガス発生器の作動出力、及び出力上昇のタイミングを調整可能としながらも、簡易な構造であって製造容易なガス発生器となる。
【0045】
そして前記点火手段は、衝撃によって作動する点火器を2個以上含んで構成され、各点火器(12a,12b)は、1つのイニシエータカラー113に、互いに平行に設けられていることから、その組み付けも容易なものとなる。
【0046】
またハウジング103内には、複数のガス排出口126a,126bが形成されたハウジング内周面と対向して略円筒形状のクーラント・フィルタ122が配設されており、該フィルタ122とハウジング内周との間には所定の間隙125が確保されている。このクーラント・フィルタ122が収容される空間に隣接して第一の燃焼室105aが画成されており、2つの点火器(12a,12b)を含んで構成される点火手段は、この第一の燃焼室105aに隣接して同軸上に配設されている。そして該点火手段の半径方向には、環状の第二の燃焼室105bが画成されていることから、第一の燃焼室105aと第二の燃焼室105bとは、ハウジング103の軸方向に隣接して設けられることとなる。この第一、第二の燃焼室内には、それぞれ異なるガス発生剤(9a,9b)が充填されており、この図に示すガス発生器では、第一の燃焼室105a内には多孔円筒状の第一のガス発生剤9a、第二の燃焼室105bには単孔円筒状の第二のガス発生剤9bがそれぞれ収容されている。
【0047】
前記点火手段は、点火器(12a,12b)の作動により着火・燃焼し、その火炎でガス発生剤(105a,105b)を着火する伝火薬を含んで構成されており、この伝火薬は、各点火器毎に画成され、それぞれの点火器毎に独立して着火・燃焼する。この点火器毎に画成された伝火薬が収容される空間は、筒状部材により画成されており、第一の伝火薬116aが収容される第一の伝火薬収容室115aは、点火手段と第一の燃焼室105aの間に配設される隔壁107の伝火孔119で第一の燃焼室105aと連通し、第二の伝火薬116bが収容される第二の伝火薬収容室115bは、該収容室115bを画成する筒状部材104に形成された伝火孔117で第二の燃焼室105bと連通している。そして第一の燃焼室105aと第二の燃焼室105bとは、前記隔壁107に形成された貫通孔110で連通している。
【0048】
この図に示すガス発生器では、第一の点火器12aが作動すると、第一伝火薬収容室115a内の伝火薬116aが着火・燃焼し、その火炎が隔壁部材107の伝火孔119を通って、第一の燃焼室105a内に配置されたガス発生剤9aを着火・燃焼させ、燃焼ガスを発生させる。この燃焼ガスは、クーラント・フィルタ122を通過する間に浄化・冷却され、ガス排出口から放出される。一方、第二の点火器12bが作動すると、第二の伝火薬収容室115b内の伝火薬116bが着火・燃焼し、その火炎で第二の燃焼室105b内のガス発生剤9bを着火・燃焼させる。この第二の燃焼室105b内で発生したが燃焼ガスは、隔壁107の貫通孔110を通って第一の燃焼室105a内を通過し、クーラント・フィルタ122を通過する間に浄化・冷却され、ガス排出口から放出される。また、この図に示すガス発生器に於いても、第一の燃焼室と第二の燃焼室とを連通する貫通孔110は、専ら第二の燃焼室内のガス発生剤の燃焼に依って破裂するシールテープ111で閉塞されている。なお、本実施の形態でも、図1のガス発生器と同じくガス排出口は大径のガス排出口126aと小径のガス排出口126bが設けられ、これらはシールテープ127により閉塞されている。即ち図3に示した実施例では図1の様にシールテープの厚さは一定にして、ガス排出口の開口面積を2種類にすることで、シールテープの破裂圧力をコントロールし燃焼室105aと105bのガス発生剤9a,9bの燃焼タイミングに関わらず、常に最適な出力が調整可能である。ガス排出口は円筒形のハウジングの周壁部にあり、燃焼室105aのガス発生剤9aの表面積とガス排出口126aを、また燃焼室105bのガス発生剤9bの表面積と排出口126bの開口面積を相関付けている。作動原理は図1と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0049】
また第一の燃焼室105aとクーラント・フィルタ122が収容される空間とを画成する画成部材160には、両室を連通する連通孔161か設けられており、前記第一及び第二の燃焼室(105a,105b)内で発生した燃焼ガスは、この連通孔161を通ってクーラント・フィルタ122の収容空間に到達する。この実施の形態では、該画成部材160には、クーラント・フィルタ122の内径とほぼ同じ大きさの連通孔161が形成されている。そして、この連通孔161には、第一の燃焼室105a内のガス発生剤9aが、その燃焼に際してクーラント・フィルタ122が収容される空間側に移動することのない様に金網162が設置されている。この金網162は、燃焼中に於ける第一のガス発生剤9aの移動を阻止できる大きさの網目であって、燃焼性能をコントロールする様な通気抵抗を持つものでなければ、その種類は問わない。
【0050】
上記の通り、この態様のガス発生器においても、それぞれの燃焼室(105a,105b)に収容されたガス発生剤(9a,9b)は、二つの点火器(12a,12b)の作動タイミングを調節することにより、独立して着火・燃焼されることとなり、ガス発生器の出力形態(作動性能)を任意に調整することができる。その結果、衝突時の車両の速度や環境温度など様々な状況において、後述のエアバッグ装置とした場合に於けるエアバッグの展開を最大限適正なものとすることができる。
【0051】
図3に於て、ハウジング内に設けられる2つの燃焼室は、ハウジングの軸方向及び半径方向に隣接するように設けられている。具体的には、この図3に示すガス発生器では、第一の燃焼室105aと、点火手段及び第二の燃焼室105bとを画成する隔壁107を、軸方向に屈曲させた後、その先端をフランジ形状としてハウジング内周に当接させることにより、第二の燃焼室105bをハウジングの軸方向に拡張している。その結果、この図3に示すガス発生器では、該第二の燃焼室が軸方向に拡張し、即ち第一の燃焼室側に突起することにより、第一の燃焼室と第二の燃焼室とは、ハウジングの軸方向及び半径方向に隣接されている。この図3に示すガス発生器は、第二の燃焼室の容積を大きくすることが可能であることから、第二のガス発生剤を多く使用する場合に好都合となる。
【0052】
図4は図3と同じく主に助手席乗員を拘束するガス発生器の実施例の断面図で、図2に示したように各排出口の開口面積は一定にしておき、シールテープの厚さを変更させて破裂圧力を調節する実施例を示している。即ちガス排出口126aとガス排出口126bはハウジング軸方向に縦に配列しており、ガス排出口126aを塞ぐシールテープ127aの厚さに対して、ガス排出口126bを塞ぐシールテープ127bの厚さを厚くしている。ガス排出口126aと126bの開口面積(孔径と孔数)はいずれも同一である。この図4に示したガス発生器の作動では図3と同一部材には同じ符号を付してその説明を省略する。又ガス排出口とシールテープの構成及び作動説明は図2と同様であるので、それらの作動の説明は省略する。
【0053】
図3及び図4に示した助手席乗員拘束用ガス発生器の場合も同様に、排出口の開口面積の種類を更に増やしたり、シールテープの厚さの種類を増やすことで、外部温度などの影響を受け難くするための更に細かな調節が可能である。無論排出口開口面積とシールテープの厚さを同時に組み合わせてもよい。
「実施の形態3」
図5は、他の実施の形態に於ける本発明のエアバッグ用ガス発生器を示す縦断面図である。この実施の形態に示すガス発生器も、図1及び図2に示すガス発生器同様に特に運転席に配置するのに適した構造を有する。
【0054】
この図5に示すガス発生器は、内筒部材内を第二の燃焼室と点火手段収容室とを画成する隔壁の構造以外は図1に示すものと構造が同じであり、依って、図1と同一部材には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0055】
特にこの図に示すガス発生器は、内筒部材の内側を第二の燃焼室と点火手段収容室とに画成する略平板円形の隔壁307は、図6の分解斜視図に示すように、内筒部材304の段欠き部306に係止する区画円形部材350と、該区画円形部材350に係合するシールカップ部材360とで構成されている。
【0056】
この区画円形部材350は、略平板円形状であって、後述するシールカップ部材360の伝火薬収容部361を内嵌する開口部351と、底面を円形状に刳り抜き、点火器312bの上部を収容する円形穴部352と、該円形穴部の略中央に貫通して穿設された第二の伝火孔319とを有している。また、シールカップ部材360は、前記区画円形部材350の開口部351内に嵌入して第二の燃焼室305b内に突出する筒状の伝火薬収容部361と、前記区画円形部材350の円形穴部352と対向する位置に形成され、伝火薬収容部361と反対側に延在する筒状の点火器収容口362とを有している。この伝火薬収容部361の内側には、第一の伝火薬316aが収容されており、また点火器収容口362には、第二の点火器312bが内嵌されている。この区画円形部材350とシールカップ部材360とは、該シールカップ部材360の伝火薬収容部361を前記区画円形部材350の開口部351に嵌入して係合しており、点火器収容口362に内嵌された第二の点火器312bの上部は、区画円形部材350の円形穴部352内に突出している。
【0057】
この区画円形部350とシールカップ部材360とからなる隔壁307は、図5に示すように、内筒部材304の内周面に形成された段欠き部306に係止される。即ち、区画円形部材350の周縁が段欠き部306に支持され、シールカップ部材360は、該区画円形部材350に当接して支持されている。またこのシールカップ部材360の周縁は、点火器収容口362と同一方向に曲折して形成されており、この曲折部363は内筒部材304の内周面に設けられた溝364内に嵌入している。これにより、前記区画円形部350は、シールカップ部材360に支持されて、ハウジング3の軸方向への移動が阻止されている。また、このシールカップ部材360周縁の曲折部363を、内筒部材304内周面の溝364内に嵌入することにより、隔壁307(即ちシールカップ部材360)と内筒部材304とは隙間なく係合している。従って、内筒部材304内に於いて、クロージャシェル2側に設けられる点火手段収容室308と、ディフューザシェル1側に設けられる第二の燃焼室305bとは、該シールカップ部材360と溝364との組み合わせからなる点火手段シール構造により確実に区画されている。
【0058】
前記シールカップ部材360に形成される点火器収容口362は、その裾部を袴状に開いており、その内側、即ち、該収容口362に収容された第二の点火器312bとの間には、Oリング381が配置され、該収容口362と第二の点火器312bとの間のシールが行われている。またこのOリング381は、2つの点火器312a,312bを単一のイニシエータカラー313に固定する点火器固定部材382にも圧接していることから、この第二の点火器312bは、区画円形部材の円形穴部352−シールカップ部材の点火器収容口362−Oリング381−点火器固定部材382によって区画された空間内に配置されている。この区画された空間内は、第二の点火器312bが作動することにより、区画円形部材350の円形穴部352に形成された第二の伝火孔319を閉塞するシールテープ320が破裂し、第二の燃焼室305bと連通する。そして第一の点火器312aと第二の点火器312bとは、点火器収容口362の裾部−Oリング381−点火器固定部材382からなるシール構造(以下、「点火器シール構造」とする)に依って、確実に分離されている。これにより、何れかの点火器の作動によって発生する火炎は、他の点火器が収容された空間内に直接流入することはない。点火器固定部材382は、イニシエータカラー313の上面を覆うような形状であって、各点火器の上部を挿通し、且つ肩部383を支持する穴部384を有している。イニシエータカラー313に配置された2つの点火器312a,312bは、イニシエータカラー313に外嵌する点火器固定部材382に固定されている。この様な点火器固定部材382を用いることにより、2つの点火器312a,312bを容易にイニシエータカラー313に組み合わせることができる。なお、この実施の形態に示すガス発生器に於いては、第一の点火器312aと第二の点火器312bとは異なる大きさに形成され、その作動出力が異なるものが使用されているが、同じ作動出力の点火器を使用することもできる。
【0059】
この図に示すガス発生器に於いても、図1に示すガス発生器と同様に、ハウジングに形成される複数のガス排出口(26a,26b)は、その開口径および/または開口面積が2種類以上に制御されている。その結果、各々の点火手段が作動した時のハウジング最大内部圧力の差を抑えることができ、ガス発生器の作動時の内圧を均等化し、燃焼性能が安定したエアバッグ用ガス発生器となる。また、この実施の形態に於けるガス発生器に於いても、前記図2に示すガス発生器と同様に、各ガス排出口の開口面積は一定にしておき、シールテープ27等の遮断手段の厚さを変更して破裂圧力を調節することにより、各々の点火手段が作動した時のハウジング最大内部圧力の差を抑えることもできる。更に、ガス排出口の開口径および/または開口面の制御と遮断手段の厚さの制御を併用することも当然可能である。
「実施の形態4」
図7は、他の実施の形態に於ける本発明のエアバッグ用ガス発生器を示す縦断面図である。この実施の形態に示すガス発生器も、前記実施の形態1及び3に示すガス発生器同様に、特に運転席に配置するのに適した構造を有する。
【0060】
特にこの実施の形態に示すガス発生器は、ハウジング内に設けられる2つの燃焼室の配置、及び形成方法に特徴を有する。
【0061】
本実施の形態に於いても、ディフューザシェル401に形成されるガス排出口410は、径の異なるガス排出口410a,410bが2種類具備されており、これらはハウジング外部の湿度等の環境の影響からガス発生剤452を保護するためのシールテープ429で閉塞されている。内径(及び開口面積)が異なる2種類のガス排出口410a,410bを設けることにより、作動時に於けるハウジング403内の燃焼内圧を均等化(燃焼性能を安定)することができる。この作用については実施の形態1で既に説明したので、ここでは省略する。以下では、本実施の形態に於けるガス発生器の構造を説明する。
【0062】
即ち、この実施の形態に示すガス発生器は、複数のガス排出口410を有するディフューザシェル401と、該ディフューザシェル401と共に内部収容空間を形成するクロージャシェル402とを摩擦圧接により接合してなる円筒形状ハウジング403内に、水平断面形状が円形であって上端を閉塞したカプセル形状のインナーシェル404をハウジング中心軸に対して偏心して配置・固定し、その外側を第一の燃焼室450、内側を第二の燃焼室460としている。
【0063】
ハウジング403内に配置されるインナーシェル404の、ハウジング403に対する偏心度は、所望とする燃焼室の容積比などに応じて適宜変更可能であり、またハウジング403内の構造、例えばクーラント・フィルタ425の有無などによっても変わり得る要素である。例えば、この図に示すガス発生器のように、ハウジング403の周壁面と対向させて、クーラント・フィルタ425を配置する場合には、10〜75%の範囲で適宜選択することができる。但し、この数値範囲も点火器(451,461)の大きさ等に起因して変化し得ることから、この数値範囲は、図7に示すガス発生器に於けるインナーシェル404の偏心の目安を示すものである。
【0064】
このインナーシェル404は、その水平断面形状を矩形、楕円形など各種形状とすることも可能であるが、クロージャシェル402等への接合容易性を考慮すれば、特に円形とすることが望ましい。つまり、このインナーシェル404を摩擦圧接によりクロージャシェル402に接合する場合には、該インナーシェル404の水平断面形状は円形とする必要があり、またレーザー溶接によって接合する場合に於いても、レーザーの照射距離を一定に保つ必要があるためである。
【0065】
前記の通り、この実施の形態に於いては、第一の燃焼室450と第二の燃焼室460とはインナーシェル404によって画成されている。つまり第一の燃焼室450はインナーシェル404の外側に設けられ、第二の燃焼室460はインナーシェル404の内側に設けられている。第一の燃焼室450と第二の燃焼室460との容積比(第一の燃焼室容積:第二の燃焼室容積)は、本実施の形態に於いては、3.3:1としているが、その他にも97:1〜1:1.1の範囲で、適宜選択することができる。但しこの容積比に関しても、点火器(451,461)の大きさやガス発生剤(452,462)の形状などに起因して、適宜その選択範囲は変化し得るものである。依って、前記の数値範囲は、この図に示すガス発生器の構造に於いて選択し得る範囲を示すものである。
【0066】
上記のようにインナーシェル404によって隔離された第二の燃焼室460と第一の燃焼室450には、それぞれガス発生剤(452,462)が収容されている。第一の燃焼室450内には第一のガス発生剤452が、第二の燃焼室460内には第二のガス発生剤462がそれぞれ収容されている。本実施の形態に於いては、第一のガス発生剤452と第二のガス発生剤462とは形状等が同じガス発生剤が使用されているが、各燃焼室毎に、燃焼速度、組成、組成比又は量が少なくとも1つ以上異なるガス発生手段を収容することもできる。
【0067】
第一の燃焼室450と第二の燃焼室460とを画成するインナーシェル404は、ハウジング403の中心軸に対して偏心して配置されており、このインナーシェル404の内側に設けられた第二の燃焼室460もハウジング403に対して偏心している。この第一の燃焼室450と第二の燃焼室460には、それぞれ点火器が配置されており、この内、第二の燃焼室460に配置される第二の点火器461は、このハウジング403の中心軸に対して偏心する第二の燃焼室460の中央に配置されている。その結果、該点火器461が作動して発生する火炎は、第二のガス発生剤462を均等に燃焼させることができる。そしてこの第二の点火器461と、第一の燃焼室450に配置される第一の点火器451とは、共にハウジング403の中心軸に対して偏心して配置されている。この様に第一及び第二の点火器、並びにインナーシェル404をハウジング403の中心軸に対して偏心させることにより、第一及び第二の燃焼室の容積比の変化を幅広くすることができ、またハウジング403の径方向の大きさを極力抑えることができる。
【0068】
各燃焼室毎に配置される点火器の内、第一の燃焼室450内に配置された点火器451は、その周囲及び上方向に伝火薬408を配置している。この伝火薬408はガス発生器の組立の際の便宜上、更には車両に搭載中に受ける衝撃や振動で、伝火薬408が第一の燃焼室450内に散乱して、第一のガス発生剤452への着火性を低減させることがないように、伝火薬容器426の中に収納されている。この伝火薬容器426は内部の伝火薬408の燃焼によって容易に破裂して、火炎をその周囲に伝火させるような厚さ(例えば200μm程度)のアルミニウムによって形成されている。一方、第二の燃焼室460内には第一の燃焼室450内に配置されたような伝火薬は必ずしも必要としない。これは第一のガス発生剤452が燃焼して第一の燃焼室450内の圧力が上昇しても、後述するインナーシェル404の孔406を塞ぐ破裂部材407は、第二の燃焼室460の内部圧力が第一の燃焼室450内の内部圧力以上に上昇しないと破裂しないため、この間、第二の燃焼室460は密閉状態となり、その間圧力が高まり、第二のガス発生剤462は、第一のガス発生剤452よりも着火しやすいためであるが、必要に応じて伝火薬を使用することもできる。
【0069】
第一の燃焼室450内には、第一の点火器451とその上方に配置された伝火薬408の半径方向外側を囲む様にして筒状部材436が設置されている。この筒状部材436は、上下両端を開放した円筒形状で、その片端部は点火器451を固定した部分の外周に、隙間が生じないように外嵌し、他端部はディフューザシェル401天井部内面近傍に存在するリテーナー411により挟持されて所定箇所に固定されている。この筒状部材436の周壁には、複数の伝火孔437が形成されており、伝火薬408の燃焼によって生じた火炎は、この伝火孔437から噴出され、該当状部材の外側に存在する第一のガス発生剤452を着火・燃焼させる。この筒状部材436は、ハウジング403と同一材質の部材であることが望ましい。
【0070】
特にこの実施の形態に示すガス発生器では、第一の燃焼室450は、図8の平面図に示すように、円形の内側を丸く打ち抜いた三日月形に近似した環状となっており、第一のガス発生剤452はこの中に設置される。従って第一の燃焼室450に於いては、第二の燃焼室460とは異なり、ガス発生剤452と点火器451との距離は、ガス発生剤452の収容場所により異なっている。依って点火器451の着火の際に第一のガス発生剤452への着火・燃焼に斑が生じる。そこで内筒部材436の周壁に設けられる伝火孔437は、図8中矢印で示す方向に伝火薬408の火炎を配向させるように、その向きを規制している。これによって第二の燃焼室460(即ちインナーシェル404)の陰になった部分のガス発生剤452も斑なく燃焼させることができる。更に前記内筒部材436に代え、図8中、矢印で示した方向に孔の開いた噴出方向規制手段(図示せず)を使用することができる。この噴出方向規制手段は、第一のガス発生剤452を効果的に燃焼させることを目的として、該第一のガス発生剤452を着火するための第一の点火手段(図7に於いては点火器451と伝火薬408)の作動によって生じる火炎の噴出方向を規制するものである。この噴出方向規制手段としては、例えば円筒部材でその片端部を閉じたカップ状の容器で、その周壁部に所望の方向(図8中、矢印で示す方向)に、点火手段の火炎を配向させるためのノズルを設けたものを使用することができる。この場合、該噴出方向規制手段は、第一の点火手段の周りに取り付け(かぶせ)て使用される。かかる噴出方向規制手段を使用する場合に於いても、その内側に配置される第一の点火手段は、点火器と該点火器の作動に依って着火・燃焼する伝火薬とを含んで構成することが望ましい。
【0071】
第一の燃焼室450と第二の燃焼室460とを画成するインナーシェル404は、上記の通りカプセル形状であって、その周壁に複数の開口部405が形成されている。この開口部405は第二の燃焼室460内に配置された第二のガス発生剤462の燃焼によってのみ開口し、第一の燃焼室450内に収容された第一のガス発生剤452の燃焼によっては開口しないものとして形成されている。本実施の形態に於いては、この開口部405は、インナーシェル404周壁に設けられた複数の孔406と、この孔を閉塞する破裂部材407とから成り、破裂部材407としてはステンレス製のシールテープが使用されている。この破裂部材407は、第二のガス発生剤462の燃焼によってのみ、破裂、剥離、焼失又は外れる等により孔406を開口し、第一のガス発生剤452の燃焼によっては破裂等しないものとして形成されている。
【0072】
上記のインナーシェル404は、その開放した下方413を、クロージャシェル402に接続して固定される。このクロージャシェル402が、点火器を固定する為のカラー部分402aを含んで構成される場合には、該インナーシェル404は、このカラー部分402aに取り付けることもできる。図7に示すガス発生器に於いては、このクロージャシェル402は、ディフューザシェル401に接合する筒状殻部402bの底面に、2つの点火器を固定可能な大きさとした円形のカラー部分を一体状に接合して形成されており、該インナーシェル404は、このカラー部分402aに接合されている。但し、このカラー部分402aは、各点火器毎に固定可能な大きさの円形として該筒状殻部402bの底面に一体状に形成することも可能であり、また筒状殻部402bの底面に一体形成することも可能である。この様な場合には、該インナーシェル404は、クロージャシェルのカラー部分402a以外、筒状殻部402bの底面に直接取り付けることができる。
【0073】
本実施の形態に於いて、インナーシェル404とクロージャシェル402との接続は、摩擦圧接、かしめ、抵抗溶接等の他、凹凸継合により行うことができる。特に摩擦圧接により両者を接合する場合、望ましくは、クロージャシェル402側を固定して行う。これにより、インナーシェル404とクロージャシェル402の軸心が整合していなくとも、安定して摩擦圧接を行うことができる。つまり、仮にインナーシェル404を固定し、クロージャシェル402を回転させて摩擦圧接を行った場合には、クロージャシェル402の重心は、回転中央からずれているため、安定した摩擦圧接が不可能となる。そこで、本発明に於いては、クロージャシェル402側を固定し、インナーシェル404側を回転させて摩擦圧接を行うものとする。また、摩擦圧接に際して、インナーシェル404を、常に所定の位置に取り付けることができるように、このクロージャシェル402は、位置決めして固定されることが望ましい。依って、このクロージャシェル402には、適宜位置決め手段が施されることが望ましい。このインナーシェル404内には、クロージャシェル402との接続を安全且つスムーズに行うためにガス発生剤固定部材414が配置されている。このガス発生剤固定部材414は、インナーシェル404をクロージャシェル402に摩擦圧接する際に、ガス発生剤462が直接インナーシェル404に接触しないように、またインナーシェル404で形成された空間内に点火器461の設置スペースを確保する目的で使用される。このインナーシェル404をクロージャシェル402に取り付けるときは、前述の摩擦圧接だけではなく、かしめ、抵抗溶接等の他、凹凸継合等により取り付けることができるが、その場合もガス発生剤固定部材414を使用することで、組立性が向上する。このガス発生剤固定部材414は、ここでは一例として、アルミ製で、ガス発生剤462の燃焼によって容易に破裂する程度の厚さを有するキャニスタを使用しているが、その他にも金網等を用いてなる多孔状部材など、かかる目的を達成可能な適宜部材(材質、形状などは問わない)を使用することができる。なお、このようなガス発生剤固定部材414を使用しない場合には、単孔円筒状のガス発生剤462をインナーシェル404の内部空間と同一形状に固めたガス発生剤の固まりを形成し、これをインナーシェル404内に設置することもできる。この場合、ガス発生剤固定部材414は省略しても良い。
【0074】
本実施の形態に於いて、クロージャシェル402のカラー部分402aは、二つの点火器451,461を横並びに固定可能な大きさに形成されている。これにより2つの点火器451,461を、予めカラー部分402aにかしめ等により固定しておけば、このカラー部分402aを筒状殻部402bに一体化してクロージャシェル402を形成すれば、2つの点火器451,461をクロージャシェル402に固定することができる。図面上、第一の点火器451と第二の点火器461とは、同じ大きさに記載されているが、これらは各燃焼室毎に異なる出力を有するものとすることもできる。またこの実施の形態に於いては、各点火器451,461毎に接続して作動信号を伝えるためのケーブル415は、同一方向に引き出されている。
【0075】
ハウジング403内には、ガス発生剤の燃焼によって発生した燃焼ガスを浄化・冷却するためのフィルター手段としてクーラント・フィルタ425が配設されている。第一及び第二のガス発生剤の燃焼によって発生したしたガスは、共にこのクーラント・フィルタ425を通過することとなる。この燃焼ガスが、クーラント・フィルタ425の端面とディフューザシェル401天井部内面との間を通過するショートパスを防止する場合には、内向きフランジを有する筒状のショートパス防止部材で、クーラント・フィルタ425の上下内周面とハウジング内面を覆うこともできる。特に、図7に示すガス発生器では、その上下端面を半径方向外側に窄めるように傾斜させた自緊式構造のクーラント・フィルタ425が使用されている。この自緊式構造のクーラント・フィルタ425については、図11に基づき後述する。この実施の形態に於いても、図1のガス発生器同様に、クーラント・フィルタ425の外側には、燃焼ガスの流路となる間隙428が形成されている。
【0076】
前述の通り、図7に示すガス発生器では、点火器451,461及びインナーシェル404を、ハウジング403に対して偏心して配置している。この様なガス発生器に於いては、ディフューザシェル401とクロージャシェル402とを摩擦圧接により接合する際には、クロージャシェル402側を固定して摩擦圧接を行うことにより、両シェルの接合を安定して行うことができる。特に、インナーシェル404をクロージャシェル402に摩擦圧接により直接取り付ける場合には、図7に示すように、クロージャシェル402側に、ガス発生器をモジュールケースに取り付けるためのフランジ部432を設け、このフランジ部432を構成する部分、例えば突出部433等に、その周縁を切り欠いて位置決め部を形成することが望ましい。この様に形成した場合、クロージャシェル402は、該位置決め部に基づき、常に一定の向きに固定されることから、インナーシェル404を所定の位置に確実に取り付けることができる。
【0077】
上記の様に形成されたガス発生器では、インナーシェル404の外側に設けられた第一の燃焼室450内に配置される第一の点火器451が作動すると、該燃焼室450内の第一のガス発生剤452が着火・燃焼して燃焼ガスを発生させる。そして、インナーシェル404とクーラント・フィルタ425との間には、僅かな隙間が確保されており、この隙間は、クーラント・フィルタ425とインナーシェル404との間にガスの流れを作ることから、該燃焼ガスは、フィルター425の全面を有効に使うことが可能となる。この燃焼ガスはクーラント・フィルタ425を通過する間に浄化・冷却され、その後ガス排出口410から排出される。
【0078】
一方、インナーシェル404内に配置された第二の点火器461が作動すると、第二のガス発生剤462が着火・燃焼して燃焼ガスを発生させる。この燃焼ガスはインナーシェル404の開口部405を開口させ、該開口部405から、第一の燃焼室450内に流入する。その後、前記第一のガス発生剤452の燃焼ガスと同様にクーラント・フィルタ425を通過し、ガス排出口410から排出される。ガス排出口410を閉塞するシールテープ429は、ハウジング403内で発生した燃焼ガスの通過によって破裂する。この第二のガス発生剤462は、第二の点火器461の作動によって着火・燃焼され、第一のガス発生剤452の燃焼によって直接燃焼することはない。これは、インナーシェル404の開口部405が、第二のガス発生剤462の燃焼によってのみ開口し、第一のガス発生剤452の燃焼によっては開口しないためである。
【0079】
上記のように形成されたガス発生器は、第一の点火器451を作動させた後、第二の点火器461を作動させるか、或いは第一の点火器451と第二の点火器461とを同時に作動させるか等、2つの点火器の着火タイミングを調整することで、ガス発生器の出力形態(作動性能)を任意に調整することができ、衝突時の車両の速度や環境温度など様々な状況において、後述のエアバッグ装置とした場合に於けるエアバッグの展開を最大限適正なものとすることができる。特に図7に示すガス発生器では、2つの燃焼室を半径方向に並べて設けていることから、ガス発生器の高さを極力抑えることができる。
【0080】
この図に示すガス発生器に於いても、図1に示すガス発生器と同様に、ハウジング403に形成される複数のガス排出口410は、その開口径および/または開口面積が2種類以上に制御されていることから、各々の点火手段が作動した時のハウジング最大内部圧力の差を抑えることができ、ガス発生器の作動時の内圧を均等化し、燃焼性能が安定したエアバッグ用ガス発生器となる。また、この実施の形態に於けるガス発生器に於いても、前記図2に示すガス発生器と同様に、各ガス排出口410の開口面積は一定にしておき、シールテープ等の遮断手段429の厚さを変更して破裂圧力を調節することにより、各々の点火手段が作動した時のハウジング最大内部圧力の差を抑えることもできる。更に、ガス排出口410の開口径および/または開口面の制御と積遮断手段429の厚さの制御を併用することも当然可能である。
「他の実施の構成」
上記実施の形態1〜4に示したエアバッグ用ガス発生器に於いては、その他にも、任意に図9〜12に示す構成を有するものとすることができる。
〈燃焼室同士の貫通孔に関する実施の態様〉
図9は第二のガス発生剤の燃焼により開口し、第一の燃焼室と第二の燃焼室とを連通する開口部の他の実施の態様を示す。
【0081】
即ち、図9aは、第一の燃焼室550と第二の燃焼室560とを画成する隔壁504(インナーシェルを含む)に形成されるの開口部505を、外側から適宜形状の遮蔽板590、例えば帯状部材を環状に形成した遮蔽板等で覆い、第一のガス発生剤の燃焼火炎が直接接触しないものとした態様を示す。符号522は、第二のガス発生剤を示す。また図9bは、該隔壁504の周壁にノッチ512を形成して開口部505とした態様を示す。更に図9cは該隔壁504の周壁の肉厚を部分的に薄く形成して開口部505を形成した態様を示す。
【0082】
従って、上記実施の形態1〜4に示すガス発生器に於いて、第一の燃焼室と第二の燃焼室とを連通する開口部を図9に示す態様に形成し、第一の燃焼室と第二の燃焼室とを連通させることができる。
〈点火器とケーブルとの位置決め構造に関する実施の態様〉
図10は、上記実施の形態1〜4に於いて使用される2つの点火器と、各点火器に作動信号を伝えるために接続されるケーブルとの位置決め構造を示す。
【0083】
即ち、上記実施の形態1〜4に示すガス発生器は、2つの点火器を含んで構成されており、通常、この点火器には、作動信号を伝えるためのケーブル515が接続される。上記実施の形態1〜4に示すガス発生器に於いては、このケーブル515は、各点火器の作動タイミングを調整するために、異なる作動信号を伝えることもある。この場合、何れかの点火器に、誤って異なるケーブル515を接続してしまうと、所望とする作動出力を得ることができなくなる。そこで点火器に位置決め手段を設け、何れか一のケーブル515にのみ接続できるようにすれば、接続の誤りを阻止することができる。この様な位置決め手段は、例えば、図10a〜dの要部拡大図に示すように、各点火器毎に異なる形式のコネクター516を使用することによって行うことができる。図10aに示す位置決め手段では、コネクター516に位置決め用の溝(又は突起)517を形成し、この位置決め用の溝(又は突起)517に対応する突起(又は溝)518の形成位置が、各点火器538毎に異なるものとしている。即ち、ガス発生器にコネクター516を取り付けるとき、正規の向きにコネクター516を取り付けないとコネクター同士が干渉して、きちんと取り付けることができないように、各コネクター516の溝(又は突起)517の位置をかえている。図10bに示す位置決め手段では、何れか一のコネクター521にだけ位置決め用の溝(又は突起)519を設けている。即ち、溝(又は突起)519を設けたコネクター521Aは、突起(又は溝)520を設けていない側の点火器522bには継合することができるが、溝(又は突起)519を設けていないコネクター521Bは、突起(又は溝)520を設けた側の点火器522aには継合する事ができない。その結果、コネクター521の接続の間違えは、組立時に容易に気づくことができる。図10cは、各コネクター539の接続継合する部分523自体の形状が、それぞれ異なるものとしている。また図10dでは、二つのコネクターを一つにして、更に位置決め溝(又は突起)524を形成している。この位置決め手段としては、その他にも、コネクターの接続の誤りをなくすための手段を適宜実施することができる。
【0084】
この様に、上記実施の形態1〜4に示すガス発生器に於いて、それぞれの点火器に接続されるケーブル515が特定されるような位置決め手段を設けた場合には、ガス発生器の作動の調整をより確実に行うことのできるエアバッグ用ガス発生器が実現する。
【0085】
また、それぞれの点火器に接続されるリードワイヤーは、図10に示すように、同一平面上で、同一方向に引き出すことができる。特に、この図に示すように該リードワイヤーをそれぞれコネクタを介して接続し、該コネクタを、同一平面上に平行に並べて配置することが望ましい。このコネクタは、各リードワイヤーをハウジングの軸方向を直交する方向であって、且つ同一方向に引き出すことが望ましい。
〈クーラント・フィルタに関する実施の態様〉
図11は、ハウジング内に配置され、ガス発生手段の燃焼によって発生した燃焼ガスを浄化及び/又は冷却するためのクーラント・フィルタ530の構造に関し、特にハウジング内面531の形状との関係により、ハウジング内面531と該フィルタ530との間を燃焼ガスが通過するショートパスを防止可能とした自緊式構造のクーラント・フィルタ530に関する。
【0086】
即ち、クーラント・フィルタ530の上下端面を半径方向外側に窄めるように傾斜させ、ハウジングの上下内面に当接させてハウジング内に配置する。その際、ハウジングの上下内面531も、クーラント・フィルタ530上下端面の傾斜に合わせて傾斜するものとして形成されることが望ましい。その結果、燃焼ガスにより半径方向外側に押し出されたクーラント・フィルタ530は、その上下端面がハウジング内面531に当接し、両者間に於ける燃焼ガスのショートパスを防止することができる。
〈自動発火材料(AIM)に関する実施の態様〉
図12は、第二の燃焼室内に、ハウジング1等から伝わる第一のガス発生剤309aの燃焼熱により発火する自動発火材料(AIM)385を収容した態様のエアバッグ用ガス発生器を示す。この実施の態様に示すガス発生器は、第一のガス発生剤309aだけを燃焼させ、第二の燃焼室305b内に配置された第二のガス発生剤309bが、ガス発生器の作動後に於いてもそのまま残った場合に、これを第一のガス発生剤309aの燃焼に起因して、間接的に燃焼させようとするものである。そこで、この実施の態様を前記実施の形態3に示すエアバッグ用ガス発生器に基づいて説明する。
【0087】
つまり、実施の形態3に示すエアバッグ用ガス発生器に於いても、通常、第一のガス発生剤309aは第一の点火器312aの作動に依って、また第二のガス発生剤309bは第二の点火器312bの作動に依って、各々独立に着火・燃焼されるが、場合によっては第一の点火器312aだけに電流を流して点火させ、第一の燃焼室305a内のガス発生剤309aだけを着火・燃焼させる場合がある。即ち、第二のガス発生剤309b及び第二の点火器312bを燃焼させずに残す場合である。この様な場合は、後の処理・廃棄等の際に不都合を来すので、ガス発生器(第一の点火器312aのみ)の作動後に、第二の点火器312bを作動させる通常の遅延着火のタイミング(例えば10〜40ミリ秒など)よりも更に遅らせて(例えば100ミリ秒以上等)、第二の燃焼室305bのガス発生剤309bを燃焼させることが望ましい。そこで図12に示すように、第二の燃焼室305b内に、第一のガス発生剤309aの燃焼熱の伝導によって着火・燃焼する自動発火材料385を配置することもできる。この場合、自動発火材料385による第二のガス発生剤309bの着火は、第一の点火器312aの作動後、所定の時間遅延させて第二の点火器312bを作動させる場合の通常の遅延時間(即ち、点火器同士の作動間隔)よりも十分な時間が経過した後に行われる。つまり、ガス発生器の作動性能を調整することを目的として、第二のガス発生剤309bの燃焼を遅らせる(即ち、第二の点火器312bの作動を遅らせる)のとは異なる。ガス発生器の作動性能を調整するため、任意に第二の点火器312bへの作動電流を遅延させている間に、第二のガス発生剤309bが該自動発火材料385によって着火・燃焼されることもない。なおこの自動発火材料385は、第二の点火器に組み合わせて配置ることもできる。
【0088】
特にこの実施の態様は、前記実施の形態3に示したガス発生器に基づいて説明したが、当然、実施の形態1、2及び4に示すガス発生器に於いても、第二の燃焼室内に、上記自動発火材料を配置することができる。この場合、仮に該第二のガス発生剤がガス発生器の作動後に於いて残ってしまっても、第一のガス発生剤が燃焼した熱の伝導により、該第二のガス発生剤を燃焼させることが可能となる。
「実施の形態5」
図13は、電気着火式点火手段を用いたガス発生器を含んで構成した場合の本発明のエアバッグ装置の実施例を示す。
【0089】
このエアバッグ装置は、ガス発生器200と、衝撃センサ201と、コントロールユニット202と、モジュールケース203と、そしてエアバッグ204からなっている。ガス発生器200は、図1に基づいて説明したガス発生器が使用されており、その作動性能は、ガス発生器作動初期の段階において、乗員に対してできる限り衝撃を与えないように調整されている。
【0090】
衝撃センサ201は、例えば半導体式加速度センサからなることができる。この半導体式加速度センサは、加速度が加わるとたわむようにされたシリコン基板のビーム上に4個の半導体ひずみゲージが形成され、これら半導体ひずみゲージはブリッジ接続されている。加速度が加わるとビームがたわみ、表面にひずみが発生する。このひずみにより半導体ひずみゲージの抵抗が変化し、その抵抗変化を加速度に比例した電圧信号として検出するようになっている。
【0091】
コントロールユニット202は、点火判定回路を備えており、この点火判定回路に前記半導体式加速度センサからの信号が入力するようになっている。センサ201からの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始し、演算した結果がある値を越えたとき、ガス発生器200の点火器12に作動信号を出力する。
【0092】
モジュールケース203は、例えばポリウレタンから形成され、モジュールカバー205を含んでいる。このモジュールケース203内にエアバッグ204及びガス発生器200が収容されてパッドモジュールとして構成される。このパッドモジュールは、自動車の運転席側取り付ける場合には、通常ステアリングホイール207に取り付けられている。
【0093】
エアバッグ204は、ナイロン(例えばナイロン66)、またはポリエステルなどから形成され、その袋口206がガス発生器のガス排出口を取り囲み、折り畳まれた状態でガス発生器のフランジ部に固定されている。
【0094】
自動車の衝突時に衝撃を半導体式加速度センサ201が感知すると、その信号がコントロールユニット202に送られ、センサからの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロールユニット202は演算を開始する。演算した結果がある値を越えたときガス発生器200の点火器12に作動信号を出力する。これにより点火器12が作動してガス発生剤に点火しガス発生剤は燃焼してガスを生成する。このガスはエアバッグ204内に噴出し、これによりエアバッグはモジュールカバー205を破って膨出し、ステアリングホイール207と乗員の間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
「実施の形態6」
図14は、本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の実施の形態を示す縦断面図である。この図に示すガス発生器も、特に運転席側に配置するのに適した構造となっている。但し、第一の燃焼室5a内に流路形成部材51を配置し、該流路形成部材51とディフューザシェル天井部内面28との間に、第二の燃焼室5b内で発生した燃焼ガスが通過する流路52を形成している。
【0095】
流路形成部材51は、円形部材の内周及び外周を屈曲して内周壁53及び外周壁54を形成した環状であって、両周壁面を繋ぐ円形部55には、ディフューザシェル天井部内面28との間に空間を確保する為の支持壁56が一体形成されている。そしてこの流路形成部材51は、その内周壁53で内筒部材4を挟持し、また支持壁56をディフューザシェル天井部内面28に当接する事により、円形部55とディフューザシェル天井部内面28との間には一定の空間が確保される。そして、この支持壁には多数の貫通孔57が形成されていることから、該空間はガス流路52として機能することができる。このガス流路52は、第二の燃焼室5b内のガス発生剤9bが燃焼する事により、内筒部材4の貫通孔10で第二の燃焼室5bと連通することから、第二の燃焼室5bで発生する燃焼ガスは、該貫通孔10からガス流路52に放出され、クーラント・フィルタ22を通過して、ガス排出口26から放出される。
【0096】
【発明の効果】
以上記載した構造上の要件及び機能は2つ以上を組み合わせて本発明を実施できる。
【0097】
本発明によれば、容器の全体的な大きさを抑え、且つ簡易な構造であって製造容易としながらも、その作動の全段階に於いて安定な作動性能を示し、乗員に対してできる限り衝撃を与えないで作動し、且つ乗員の体格(例えば座高の高い人若しくは低い人、又は大人若しくは子供等)や、その搭乗姿勢(例えばハンドルにしがみついた姿勢)等が異なる場合であっても、乗員を安全に拘束可能な様に、任意にガス発生器の作動出力、及び出力上昇のタイミングを調整可能としたガス発生器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス発生器の一の実施態様を示す縦断面図。
【図2】 本発明のガス発生器の他の実施態様を示す縦断面図。
【図3】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の実施態様を示す縦断面図。
【図4】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図。
【図5】 本発明のガス発生器の他の実施態様を示す縦断面図。
【図6】 隔壁を示す分解斜視図。
【図7】 本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の実施態様を示す縦断面図。
【図8】 図7に示すガス発生器の透視平面図。
【図9】 開口部を示す要部断面図。
【図10】 点火器とケーブルの位置決め構造を示す要部斜視図。
【図11】 クーラント・フィルタの他の態様を示す要部断面図。
【図12】 自動発火材料を配置した態様を示す縦断面図。
【図13】 本発明のエアバッグ装置の構成図。
【図14】 本発明のエアバッグ装置の構成図で2つの流路を示す。
【符号の説明】
3 ハウジング
5a 第一の燃焼室
5b 第二の燃焼室
7 隔壁
9a 第一のガス発生剤
9b 第二のガス発生剤
12a 第一の点火器
12b 第二の点火器
13 イニシエータカラー
22 クーラント・フィルタ
26a 第一のガス排出口
26b 第二のガス排出口
27 シールテープ
27a 第一のシールテープ
27b 第二のシールテープ

Claims (9)

  1. ガス排出口を有するディフューザシェルと、該ディフューザシェルと共に内部収容空間を形成するクロージャシェルとを接合してなるハウジング内に、衝撃によって着火する2つ以上の点火手段と、該点火手段により夫々着火・燃焼し、エアバッグを膨張させる燃焼ガスを発生する2つ以上のガス発生手段収容され、該ガス排出口はハウジングの内部圧力を一定圧まで保持する遮断手段により閉塞されているエアバッグ用ガス発生器において、
    前記ハウジング内には略円筒形状の内筒部材が配置されており、
    前記内筒部材の外側が第一の燃焼室であり、
    前記内筒部材の内側が2室に画成され、ディフューザシェル側に第二の燃焼室、クロージャシェル側に点火手段収容室が形成されており、
    第一の燃焼室と第二の燃焼室が、ハウジング内において同心円で、かつ半径方向に隣接して設けられており、
    先に燃焼し始める第一の燃焼室と後に燃焼し始める第二の燃焼室は連通孔を有する内筒部材の壁により隔てられており、前記連通孔には伝火防止手段が設けられていて、第一の燃焼室での燃焼により、第二の燃焼室での燃焼が起こらず、第一の燃焼室の燃焼で生じたガスは第二の燃焼室内に入ることなくガス排出口から排出され、第二の燃焼室の燃焼で生じたガスは第一の燃焼室内を通ってガス排出口から排出されることを特徴とするエアバッグ用ガス発生器。
  2. 伝火防止手段が遮蔽部材である請求項1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  3. 遮蔽部材は連通孔を第一の燃焼室側から遮蔽している請求項2記載のエアバッグ用ガス発生器。
  4. 伝火防止手段が前記連通孔を第一の燃焼室側から遮蔽しているシールテープである請求項1〜3のいずれか1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  5. 伝火防止手段が遮蔽板である請求項1〜4のいずれか1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  6. 第一の燃焼室と第二の燃焼室にそれぞれ1つの点火手段が接続され、前記計2つの点火手段は1つのイニシエータカラーに固定されてハウジングに取り付けられている請求項1〜のいずれか1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  7. 2つの点火手段が互いに火炎が伝播しないように1つの分離筒で分離されている請求項1〜のいずれか1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  8. 点火手段が伝火薬を含んでおり、伝火薬が着火燃焼したときの圧力で分離筒が半径方向に押し広げられて互いの火炎が伝播されない請求項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  9. 第一の燃焼室と第二の燃焼室に収容されたガス発生手段の出力形態が異なる請求項1〜のいずれか1記載のエアバッグ用ガス発生器。
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