JP4541680B2 - 潤滑油組成物 - Google Patents
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また、前記潤滑油組成物は、さらに(C)無灰分散剤、(D)酸化防止剤、及び(E)金属系清浄剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有することが好ましい。
また、前記潤滑油組成物は、硫黄含有摩耗防止剤の含有量が、硫黄元素換算量で0.1質量%以下であることが好ましい。
また、潤滑油基油の全芳香族分が3質量%以下で、硫黄分が0.05質量%以下であることが好ましい。
また、前記潤滑油組成物は、内燃機関用であることが好ましい。
また、前記内燃機関が、硫黄分50質量ppm以下の燃料を用いる内燃機関であることが好ましい。
また、前記内燃機関が、直打型又はローラー型動弁機構を有する内燃機関であることが好ましい。
さらに本発明は、前記潤滑油組成物を用いることを特徴とする内燃機関の摩擦低減方法にある。
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油は、特に制限はなく、通常の潤滑油に使用される鉱油系基油及び/又は合成系基油が使用できる。
鉱油系基油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるGTL WAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化する手法で製造される潤滑油基油等が例示できる。
なお、上記全芳香族分とは、ASTM D2549に準拠して測定した芳香族留分(aromatic fraction)含有量を意味する。通常この芳香族留分には、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンの他、アントラセン、フェナントレン、及びこれらのアルキル化物、ベンゼン環が四環以上縮合した化合物、又はピリジン類、キノリン類、フェノール類、ナフトール類等のヘテロ芳香族を有する化合物等が含まれる。
また、鉱油系基油中の硫黄分は、特に制限はないが、0.05質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下であることがさらに好ましく、0.001質量%以下であることが特に好ましい。鉱油系基油の硫黄分を低減することで、よりロングドレイン性に優れる低硫黄の潤滑油組成物を得ることができる。
上記シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基を挙げることができる。
上記アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である)を挙げることができる。
上記アルキルアリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意である)を挙げることができる。
上記アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアリールアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)を挙げることができる。
(3)有機酸アミドとヒドラジン又はヒドラジン類との反応
酸としては、ホウ酸、リン酸、カルボン酸が好ましく用いられ、塩としてはホウ酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩が挙げられる。また、これらの混合物も用いることができる。これらの中でも、ホウ酸およびホウ酸塩が特に好ましい。
これらの合成方法は任意の方法を使用可能であるが、例えば、上記窒素含有化合物に、ホウ酸、リン酸、あるいはカルボン酸をヘキサン、トルエン、キシレン等の有機溶媒中に採取し、必要に応じて水を加え、反応温度50〜99℃で0.5〜5時間反応させ、次いで100℃以上で水分を留去した後に有機溶媒層を冷却して白色結晶を析出させ、減圧濾過することで得られる。また、必要に応じ、得られた白色結晶をトルエンおよびメタノールの有機溶媒で、白色結晶が有機溶媒に溶解しにくい温度、例えば室温で洗浄し、白色結晶に付着した有機溶媒を留去すれば純度の高いものが得られるので好ましい。
なお、一般式(1)で表される窒素含有化合物と、酸又はその塩との反応割合は、特に限定されるものではないが、好ましくは前記窒素含有化合物1モルに対し、酸又はその塩を0.2〜1モル、好ましくは0.5〜1モルの割合で反応させる。
リン化合物としては、亜リン酸モノエステル、モノチオ亜リン酸モノエステル、ジチオ亜リン酸モノエステル、トリチオ亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル、モノチオ亜リン酸ジエステル、ジチオ亜リン酸ジエステル、トリチオ亜リン酸ジエステル、リン酸モノエステル、モノチオリン酸モノエステル、ジチオリン酸モノエステル、トリチオリン酸モノエステル、リン酸ジエステル、モノチオリン酸ジエステル、ジチオリン酸ジエステル、トリチオリン酸ジエステル、ホスホン酸モノエステル、モノチオホスホン酸モノエステル、ジチオホスホン酸モノエステル等のOH基又はSH基を有するリン化合物;(チオ)(亜)リン酸トリエステル類、(チオ)ホスホン酸ジエステル等およびこれらの誘導体;上記OH基又はSH基を有するリン化合物に、金属塩化物、金属水酸化物、金属酸化物等の金属塩基を作用させたリン化合物の金属塩(ジチオリン酸亜鉛を除く);上記OH基又はSH基を有するリン化合物又は上記リン化合物の金属塩にアミン化合物を作用させたリン化合物のアミン塩又はアミン錯体)等が挙げられる。
また、アミン化合物としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジアミン、ポリアミン、アルカノールアミン、(C)成分の項に記載される無灰分散剤又はアミン化合物として例示されている窒素化合物が挙げられる。
(C)無灰分散剤としては、潤滑油に用いられる任意の無灰分散剤を用いることができるが、例えば、炭素数40〜400の直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有する含窒素化合物又はその誘導体、あるいはアルケニルコハク酸イミドの変性品等が挙げられる。これらの中から任意に選ばれる1種類あるいは2種類以上を配合することができる。
このアルキル基又はアルケニル基の炭素数は40〜400、好ましくは60〜350である。アルキル基又はアルケニル基の炭素数が40未満の場合は化合物の潤滑油基油に対する溶解性が低下し、一方、アルキル基又はアルケニル基の炭素数が400を越える場合は、潤滑油組成物の低温流動性が悪化するため、それぞれ好ましくない。このアルキル基又はアルケニル基は、直鎖状でも分枝状でもよいが、好ましいものとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーやエチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基や分枝状アルケニル基等が挙げられる。
(C−1)炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するコハク酸イミド、あるいはその誘導体
(C−2)炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するベンジルアミン、あるいはその誘導体
(C−3)炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を分子中に少なくとも1個有するポリアミン、あるいはその誘導体
これらのコハク酸イミドの製法は特に制限はないが、例えば炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を有する化合を無水マレイン酸と100〜200℃で反応させて得たアルキル又はアルケニルコハク酸をポリアミンと反応させることにより得ることができる。ポリアミンとしては、具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミン等が例示できる。
このベンジルアミンの製造方法は何ら限定されるものではないが、例えば、プロピレンオリゴマー、ポリブテン、及びエチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィンをフェノールと反応させてアルキルフェノールとした後、これにホルムアルデヒドとジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンをマンニッヒ反応により反応させることにより得ることができる。
R24‐NH−(CH2CH2NH)k‐H (8)
このポリアミンの製造法は何ら限定されるものではないが、例えば、プロピレンオリゴマー、ポリブテン、及びエチレン−α−オレフィン共重合体等のポリオレフィンを塩素化した後、これにアンモニアやエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及びペンタエチレンヘキサミン等のポリアミンを反応させることにより得ることができる。
上記フェノール系酸化防止剤とアミン系酸化防止剤は組み合せて配合しても良い。
(E)金属系清浄剤としては、例えば、アルカリ金属スルホネート又はアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネート又はアルカリ土類金属フェネート、アルカリ金属サリシレート又はアルカリ土類金属サリシレートあるいはこれらの混合物等が挙げられる。
アルカリ金属スルホネート又はアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネート又はアルカリ土類金属フェネート、及びアルカリ金属サリシレート又はアルカリ土類金属サリシレートには、アルキル芳香族スルホン酸、アルキルフェノール、アルキルフェノールサルファイド、アルキルフェノールのマンニッヒ反応生成物、アルキルサリチル酸等を、直接、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物や水酸化物等の金属塩基と反応させたり、又は一度ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩としてからアルカリ土類金属塩と置換させること等により得られる中性塩(正塩)だけでなく、さらにこれら中性塩(正塩)と過剰のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩やアルカリ金属塩基又はアルカリ土類金属塩基(アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物や酸化物)を水の存在下で加熱することにより得られる塩基性塩や、炭酸ガス又はホウ酸若しくはホウ酸塩の存在下で中性塩(正塩)をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等の塩基と反応させることにより得られる過塩基性塩(超塩基性塩)も含まれる。なお、これらの反応は、通常、溶媒(ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤、軽質潤滑油基油等)中で行われる。
本発明においては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のスルホネート、フェネート、サリシレート等から選ばれる1種又は2種以上を併用して使用することができる。本発明においては、摩擦低減効果が大きい点、ロングドレイン性により優れる点でアルカリ金属サリシレート又はアルカリ土類金属サリシレートが特に好ましい。
また、本発明の潤滑油組成物を内燃機関に使用する場合、潤滑油基油、潤滑油添加剤及びこれに含まれる希釈油の選択により、組成物の硫黄含有量を、例えば0.3質量%以下とすることができ、0.2質量%以下とすることがより好ましく、0.15質量%以下とすることがさらに好ましく、0.1質量%以下とすることがさらに好ましく、0.05質量%以下とすることが特に好ましい。これにより内燃機関の排出ガス浄化触媒への硫黄被毒を著しく低減することができる。
また、本発明の上記のような低摩擦性が要求されるような潤滑油、例えば、自動又は手動変速機等の駆動系用潤滑油、グリース、湿式ブレーキ油、油圧作動油、タービン油、圧縮機油、軸受け油、冷凍機油等の潤滑油としても好適に使用することができる。
表1に示す組成の本発明の(A)窒素含有化合物及び(B)ジチオリン酸亜鉛以外のリン化合物を含有する潤滑油組成物(実施例1)、比較として(A)成分とジチオリン酸亜鉛を使用した潤滑油組成物(比較例1)、参考として、脂肪酸アミド系摩擦調整剤と(B)成分を使用した潤滑油組成物(参考例1)及び脂肪酸アミド系摩擦調整剤とジチオリン酸亜鉛を併用した潤滑油組成物(比較例2)及び、ジチオリン酸亜鉛を使用し摩擦調整剤を含まない基準油をそれぞれ調製した。
表1から明らかな通り、本発明の特定の窒素含有化合物とジチオリン酸亜鉛以外のリン化合物を含有する潤滑油組成物は、極めて優れた摩擦低減性能を示すことがわかる。それに対し、比較例1及び比較例2の組成物では、摩擦低減効果が小さいことがわかる。比較例1及び2から、ジチオリン酸亜鉛を併用する場合には、(A)成分は脂肪酸アミド系摩擦調整剤よりも摩擦低減効果が小さいことがわかる。また、参考例1の組成物は摩擦低減効果に優れるが、実施例1の摩擦低減率には及ばず、摩擦調整剤の摩擦低減効果は、ジチオリン酸亜鉛併用時と(B)成分併用時とで異なる挙動を示すことがわかる。なお、実施例1の組成物は、比較例1の組成物に比べ、優れた酸化安定性、塩基価維持性等のロングドレイン性能を有しているので、摩擦低減効果を初期だけでなく、長期間維持することができるものである。
Claims (10)
- 潤滑油基油に(A)下記一般式(1)で表される窒素含有化合物、該窒素含有化合物にホウ酸、リン酸及びカルボン酸あるいはこれらの塩を作用させて得られる該窒素含有化合物のホウ酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩及びこれらの混合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物、及び(B)ジチオリン酸亜鉛以外の下記一般式(2)で表されるリン化合物、これらの金属塩及びこれらのアミン塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする潤滑油組成物。
- 前記窒素含有化合物のR2〜R4が、それぞれ個別に、炭素数1〜4の炭化水素基又は水素であることを特徴とする請求項1に記載の潤滑油組成物。
- 前記リン化合物が、前記一般式(2)で表されるリン化合物の金属塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
- (C)無灰分散剤、(D)酸化防止剤、及び(E)金属系清浄剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- 硫黄含有摩耗防止剤の含有量が、硫黄元素換算量で0.1質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- 潤滑油基油の全芳香族分が3質量%以下で、硫黄分が0.05質量%以下であることを特徴する請求項1〜5のいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- 内燃機関用であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の潤滑油組成物。
- 前記内燃機関が、硫黄分50質量ppm以下の燃料を用いる内燃機関であることを特徴とする請求項7に記載の潤滑油組成物。
- 前記内燃機関が、直打型又はローラー型動弁機構を有する内燃機関であることを特徴とする請求項7又は8に記載の潤滑油組成物。
- 請求項1〜6のいずれかの項に記載の潤滑油組成物を用いることを特徴とする内燃機関の摩擦低減方法。
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