JP4541528B2 - 薄肉射出成形品 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,軽量で剛性が要求される薄肉射出成形品に関する。
【0002】
【従来技術】
射出成形部品の薄肉化を図ると,一般に,部品の剛性が不足する。したがって,かかる薄肉部品に用いる樹脂は,第1に薄肉部の高剛性化,第2に射出時の樹脂の高流動化という相反する特性を満足する必要がある。
そこで,従来,樹脂にガラスファイバーを添加して剛性を向上させることが行われていた。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,ガラスファイバーを樹脂に添加すると,樹脂溶融時の流動性が低下し,薄肉品の成形性が低下する。この成形性を改良すべく,成形を高速高圧で行うなど成形条件を厳しくして無理に射出成形すると,樹脂と金型によるせん断発熱により樹脂の劣化が生じるおそれがある。
また,薄肉樹脂部品には,軽量で電気絶縁性が高いことも要求される。
なお,ガラスファイバーに代えて,有機化クレイをポリマーに添加することも考えられている(特開平11−92677号公報)。
【0004】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み,剛性が高く,電気絶縁性に優れ軽量の薄肉射出成形品を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,ポリマー中に有機化クレイを分散させた樹脂複合材により構成された薄肉射出成形品であって,
上記ポリマーは,ポリフェニレンオキサイドと,ブタジエン−スチレン共重合体とからなり,
かつ上記薄肉射出成形品における上記樹脂複合材の最長流動長Lと上記薄肉射出成形品の平均肉厚tとの関係においてL/t≧70を満足することを特徴とする薄肉射出成形品である。
【0006】
ポリフェニレンオキサイド(以下,PPOともいう。)とブタジエン−スチレン共重合体(以下,BS共重合体ともいう。)とからなるポリマーは,有機化クレイと相溶性が高い。また,上記ポリマーと有機化クレイとからなる樹脂複合材は,射出成形時に,高い剛性を確保できる。このため,射出成形品の薄肉化を実現できる。また,射出成形品の比重が軽くなり,電気絶縁性も優れる。
【0007】
さらに,上記薄肉射出成形品における上記樹脂複合材の最長流動長Lと上記薄肉射出成形品の平均肉厚tとの関係においてL/t≧70を満足する。そのため,流動性が高く,射出成形品の薄肉化を実現できる。一方,L/t<70の場合には,射出成形品の薄肉化を図ることができなくなる。
したがって,本発明によれば,剛性が高く,電気絶縁性に優れ軽量の薄肉射出成形品を提供することができる。
【0008】
PPOとBS共重合体とからなるポリマーとしては,たとえば,変性ポリフェニレンオキサイド(以下,変性PPOともいう。)がある。上記変性PPOとは,PPOを,HIPS(High Impact Poly Styrene)により変性させた樹脂をいう。ここでいう「変性」とは,PPOとHIPSとを溶融状態で混練することを意味する。HIPSとは,ブタジエンとスチレンとのブロック共重合体をいう。
PPOとBS共重合体とからなるポリマーは,BS共重合体を含まないPPOのみからなるポリマーよりも,クレイの分散性,樹脂流動性及び靭性などの物性に優れている。中でも,変性PPOは,絶縁破壊度がさらに高い。
【0009】
有機化クレイとは,クレイ(粘土鉱物)が有機化剤により有機化されたものをいう。
クレイとしては,モンモリロナイト,サポナイト,ヘクトライト,バイデライト,スティブンサイト,ノントライト,バーミキュライト,ハロサイト,マイカ,フッ素化マイカ,カオリナイト,パイロフィライト等が挙げられる。また,天然物でも,合成物でもよい。また,モンモリロナイトなどの層状珪酸塩が,より機械的強度等を向上させることができ,望ましい。
【0010】
有機化剤としては,たとえば,有機オニウムイオンがある。
有機オニウムイオンとしては,1〜4級のアンモニウムイオンで,例えば,ヘキシルアンモニウムイオン,オクチルアンモニウムイオン,2−エチルヘキシルアンモニウムイオン,デシルアンモニウムイオン,ドデシルアンモニウムイオン,ラウリルアンモニウムイオン,ヘキサデシルアンモニウムイオン,オクタデシルアンモニウムイオン,ジオクチルジメチルアンモニウムイオン,トリオクチルアンモニウムイオン,ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン,トリオクタデシルアンモニウムイオンなどが用いることができる.
【0011】
また,有機オニウムイオンとしては,ホスフォニウムイオンを用いることができる。ホスフォニウムイオンとしては,テトラエチルホスフォニウムイオン,トリエチルベンジルホスフォニウムイオン,テトラ−n−ブチルホスフォニウムイオン,トリ−n−ブチルヘキサデシルホスフォニウムイオン,トリ−n−ブチルベンジルホスフォニウムイオン等が用いることができる。
【0012】
請求項2の発明のように,上記有機化クレイの含有量は,上記ポリマー100重量部に対して,1〜15重量部であることが好ましい。1重量部未満の場合には,成形品の剛性が不足するおそれがある。15重量部を超える場合には,成形品が脆くなり破壊しやすくなるおそれがある。
【0013】
更に好ましくは,上記有機化クレイの含有量は,上記ポリマー100重量部に対して,3〜7重量部である。これにより,成形品の剛性及び耐破壊衝撃性が更に向上する。
【0014】
請求項3の発明のように,有機化クレイは,2種類以上の有機化剤によりクレイが有機化されたものであることが好ましい。かかる有機化クレイを用いることによって,さらに,L/tを大きくでき,薄肉な射出成形品を成形できる。
上記2種類以上の有機化剤は,前述の1〜4級のアンモニウムイオンやホスフォニウムイオンから選択できる。例えば,ドデシルアンモニウムイオンとオクタデシルアンモニウムイオンとの組合せで,ドデシルアンモニウムイオン/オクタデシルアンモニウムイオン=0.01〜100の比率であることが好ましい。2種以上の有機化剤とその配合比率は,自由に選択できる。
【0015】
上記のように2種類以上の有機化剤で有機化した有機化クレイを用いることによって更にL/tを大きくでき,薄肉な成形品を成形できるのは,以下の理由による。
図1に示すごとく,有機化クレイ1の中のクレイ11は,有機化剤12によって覆われている。1種類の有機化剤12でクレイ11を処理することにより得られた有機化クレイ1の表面は,有機化剤12の単一の長さの炭素鎖で覆われて均一となっている。一方,図2に示すごとく,2種類以上の有機化剤12でクレイ11を処理することにより得られた有機化クレイ1は,有機化剤121,122の長さ,立体構造などが異なるため,表面が不均一となっている。ポリマーの中のPPO(20)は,クレイ11と水素結合やファンデルワールス力によって結合するとともに,クレイ11表面の有機化剤12や有機化剤12に結合した炭素鎖とも相互作用し,結合している。PPOとBS共重合体とからなるブレンド物は,剛直であるので,有機化クレイが均一な炭素鎖で覆われた表面ほど相互作用しやすい。2種類以上の有機化剤で有機化したクレイは表面が不均一となっているので,PPOとの間の相互作用力にばらつきが生じる。場合によっては,相互作用しない部分もある。このように,相互作用力にばらつきのある2種類以上の有機化剤で有機化したクレイは,射出成形時に生じるせん断力によって,有機化クレイとPPOとが剥がれやすい。従って,ポリマーと有機化クレイとからなる樹脂複合材の流れ性はさらに向上し,1種類のオニウムイオンを用いた場合より薄肉な成形品を成形できる。
【0016】
また,有機化剤で有機化したクレイを2種類以上用いることによっても上記効果を達成でき,薄肉な成形品を成形できる。これは,上記理由と同じで,2種類以上のクレイを組み合わせることにより,PPOとの間の相互作用力にばらつきが生じ,有機化クレイとPPOとが剥がれやすくなるためである。
【0017】
図3に示すごとく,有機化クレイ1はポリマー2の中で分散している。
有機化クレイは,ポリマー2の中で,層構造が消失して,単層で分散していることが好ましい。これにより,有機化クレイにより拘束されるポリマーの割合が大きくなり,有機化クレイの補強効果が増加する。
また,単層で分散したクレイによって絶縁破壊強度が高くなる。これは,クレイが絶縁性であるため,破壊電流が通らず,迂回するためである。すなわち,あたかも厚さが厚くなったごとくに作用するためである。
【0018】
有機化クレイは,ポリマーの中で1μm以下の大きさで分散していることが好ましい。これにより,成形品の機械的物性が向上する。また,ポリマーがクレイ層間に介入していることが好ましい。これにより,クレイ表面とポリマーとの界面が大きくなり,クレイによるポリマーの補強効果が増大する。
【0019】
PPOが,クレイの層間に挿入されることによって,有機化クレイの層間距離は,50オングストローム以上離れて分散しているのが望ましい。これにより,クレイの弾性率等に対する補強効果が増大する。さらに有機化クレイの層間距離は,100オングストローム以上離れて分散しているのが望ましい。これにより,補強効果を最大限に発揮できる。
有機化クレイは,上記のようにクレイの層間が離れているのが望ましいが,すべてのクレイの層間が離れている必要はない。クレイの有機化処理のばらつきなどがあり,一部凝集したクレイがあってもかまわない。一部であれば,補強効果は十分に発揮される。
【0020】
本発明において,薄肉射出成形品における樹脂複合材の最長流動長Lと,薄肉射出成形品の平均肉厚tとの関係において,L/t≧70が成立する。「薄肉射出成形品における樹脂複合材の最長流動長」とは,射出成形用のゲートの起点Aと,キャビティ内で成形された薄肉射出成形品における上記起点Aから最も離れた最遠部Bとの間の距離をいう。起点Aは,ゲートのうち,最遠部Bに最も近い部位をいう。
【0021】
例えば,図4(a)に示すごとく,筒状の薄肉射出成形品を成形するための筒形のキャビティ4では,ゲート41の起点Aと,筒端面における最遠部Bとの間の距離が,最長流動長Lとなる。図4(b)に示すごとく,キャビティ4にゲート41が複数設けられている場合には,各ゲート41の起点A’,A’’の最長流動長L’,L’’の中で最も長い流動長が,本発明でいう最長流動長Lとなる。図4(b)のように,2つのゲート41の起点A’,A’’からの最長流動長L’,L’’が同じ場合には,L’,L’’は,いずれも,薄肉射出成形品における樹脂複合材の最長流動長Lとなる。
【0022】
ゲートとは,射出成形用金型において,溶融した樹脂複合材がランナーからキャビティに入る部分の狭い開口部をいう。
図4に示すごとく,ゲート41には,点状に開口したピンゲート(図4(a),(b)),直線状に開口したフィルムゲート(図4(c)),円状に開口したリングゲート(図4(d))などがある。いずれのゲートの場合にも,ゲートにおける,最遠部Bに最も近い部位を起点Aとして,上記最長流動長Lが決定される。
ゲート41には,溶融した樹脂複合材が供給されるスプルー43が,スプルー43からゲート41に樹脂複合材を導くランナー42を介して,連結されている。
【0023】
本発明において,「薄肉射出成形品の平均肉厚t」とは,薄肉射出成形品の肉厚の平均値をいう。
薄肉射出成形品の平均肉厚tは0.3〜2.0mmであることが好ましい。0.3mm未満の場合には,射出成形品の剛性が保持できないおそれがあり,2.0mmを超える場合には,射出成形品の軽量化が妨げられるおそれがある。
【0024】
薄肉射出成形品の形状は,薄肉であれば特に限定しないが,例えば,平板形(図5(a)),筒形(図5(b)),フィルム形,湾曲形,屈曲形がある。
本発明の薄肉射出成形品は,例えば,イグニッションコイルのボビン,携帯電話などの各種ケースハウジングなどに用いることができるが,これらに限定されない。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る薄肉射出成形品について,図6〜図10に示すごとく,実施例1〜6及び比較例1〜6を用いて説明する。
(実施例1〜4,比較例1〜6)
まず,表1に示す組成からなる樹脂複合材を調製した。ポリマーとしては,変性PPO,PBT(ポリブチレンテレフタレート),PPS(ポリフェニレンサルファイド),ナイロン66を用いた。
【0026】
変性PPOと有機化クレイとからなる樹脂複合材を,実施例1〜4とした。変性PPOのみからなる樹脂材を,比較例1とした。有機化クレイとしては,ステアリルアンモニウムで有機化されたモンモリロナイトを用いた。有機化クレイに代えてガラスファイバーを添加した樹脂複合材を,比較例2,3とした。PBT,PPS,NY66のみからなる樹脂材を,比較例4,5,6とした。
【0027】
上記樹脂(複合)材を図6(a)〜(c),図7(d)〜(f)に示すごとく,スプルー43及びランナー42を通じてゲート41よりキャビティ4内に射出成形した。キャビティ4は,筒状薄肉成形品を成形するために,該成形品の外側面と同じ形状をしている。また,キャビティ4の内部には,該成形品の内側面と同じ形状の中子40が予め装着されている。キャビティの厚みは0.7mmとした。
得られた薄肉射出成形品3は,図5(b)に示すごとく,平均肉厚tが0.7mmで,中央に中空部30を有する筒形となった。
【0028】
(実施例5)
有機化クレイとして,ステアリルアンモニウムとドデシルアンモニウムで有機化したモンモリロナイトを用いた。ステアリルアンモニウムとドデシルアンモニウムはステアリルアンモニウム/ドデシルアンモニウム(重量比)=0.8/0.2で混合してモンモリロナイトを処理した。その他の条件は実施例2と同じにして,樹脂複合材を調製した。
【0029】
(実施例6)
有機化クレイとして,ステアリルアンモニウムとヘキサデシルアンモニウムで有機化したモンモリロナイトを用いた。ステアリルアンモニウムとヘキサデシルアンモニウムはステアリルアンモニウム/ヘキサデシルアンモニウム(重量比)=0.5/0.5で混合して,モンモリロナイトを処理した。その他の条件は実施例3と同じにして,樹脂複合材を調製した。
【0030】
得られた薄肉射出成形品における樹脂(複合)材のスパイラルフロー長,最長流動長/平均肉厚(L/t),薄肉射出成形品の引張弾性率及び絶縁破壊強度を測定し,その結果を表1に示した。なお,スパイラルフロー長とは,一般的な樹脂の流動性試験の測定値である。薄肉射出成形品の最長流動長とは,図4(c)に示されたゲート41の起点Aと筒端面における最遠部Bとの間の距離をいう。
【0031】
同表より,本発明にかかる実施例1〜6については,L/tが大きく,引張弾性率及び絶縁破壊強度も高かった。実施例5,6では,L/tが大きくなった。このことから,2種類の有機化剤で有機化したクレイを用いた場合には,複合樹脂材の流動性が一層高くなり,更に成形性及び薄肉化を高めることができることがわかる。
【0032】
これに対して,変性PPOのみからなる比較例1では,L/tは大きかったが,引張弾性率及び絶縁破壊強度は低かった。変性PPO以外のポリマーからなる比較例4〜6の絶縁破壊強度は,変性PPOのみからなる比較例1よりも更に低かった。
【0033】
また,ガラスファイバーを変性PPOに添加した樹脂複合材(比較例2,3)では,ガラスファイバーの添加量が10重量部,20重量部と多いために,有機化クレイを変性PPOに添加した樹脂複合材(実施例1〜4)よりも,L/tが小さかった。
また,実施例2,3では,比較例1,2,3に比べて,絶縁破壊強度が高く,クレイにより絶縁破壊強度が向上したことがわかる。
【0034】
【表1】
Figure 0004541528
【0035】
図8には,実施例1〜6及び比較例1〜3の引張弾性率と最長流動長との関係を示した。同図より,変性PPOと有機化クレイとの複合材(実施例1〜4)は,変性PPOとガラスファイバーとの複合材(比較例2,3)に比べて,同一の最長流動長を有する成形品の剛性を高くすることができることがわかる。
さらに,実施例5,6の実験結果より,2種類の有機化剤で有機化したクレイを用いることにより,最長流動長を大きくすることができることがわかる。
【0036】
図9には,実施例1〜6及び比較例1,2のフィラー(有機化クレイまたはガラスファイバー)含有量と成形品の引張弾性率との関係を示した。図9において,横軸は,ポリマー100重量部に対するフィラー含有率を,縦軸は,比較例1の引張弾性率を1.0としたときの引張弾性率の相対比を示している。
同図より,変性PPOと有機化クレイとの複合材の剛性は,変性PPOとガラスファイバーとの樹脂複合材に比べて,同じフィラー含有量での補強効率は2倍であった。
【0037】
次に,図10に示すごとく,製品に要求される剛性(3〜5GPa)を満足するL/tを測定したところ,有機化クレイと変性PPOとの樹脂複合材の方が,ガラスファイバーと変性PPOとの樹脂複合材よりも,L/tが大きいことがわかる。したがって,変性PPOに有機化クレイを分散させた樹脂複合材によれば,薄肉で軽量で,かつ剛性に優れた射出成形品を成形することができることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における,1種類の有機化剤により有機化されたクレイとPPOとの関係を示す説明図。
【図2】本発明における,2種類以上の有機化剤により有機化されたクレイとPPOとの関係を示す説明図。
【図3】本発明における,有機化クレイ及びポリマーの説明図。
【図4】本発明における,種々の形状のゲートと最長流動長とを示すための,射出成形用のキャビティの斜視図(a)〜(d)。
【図5】本発明における,薄肉射出成形品の斜視図(a),(b)。
【図6】実施形態例1における,キャビティ内への樹脂の流動状況を示すための説明図(a)〜(c)。
【図7】図6に続く,キャビティ内への樹脂の流動状況を示すための説明図(f)〜(f)。
【図8】実施形態例1の薄肉射出成形品における,引張弾性率とL/tとの関係を示すための線図。
【図9】実施形態例1の薄肉射出成形品における,フィラー含有率と引張弾性率の相対比との関係を示すための線図。
【図10】実施形態例1における,製品に要求される剛性を有する薄肉射出成形品の最長流動長LとL/tとの関係を示すための線図。
【符号の説明】
1...有機化クレイ,
2...ポリマー,
20...変性PPO,
3...薄肉射出成形品
30...中空部,
4...キャビティ,
40...中子,
41...ゲート,
42...ランナー,
43...スプルー,

Claims (3)

  1. ポリマー中に有機化クレイを分散させた樹脂複合材により構成された薄肉射出成形品であって,
    上記ポリマーは,ポリフェニレンオキサイドと,ブタジエン−スチレン共重合体とからなり,
    かつ上記薄肉射出成形品における上記樹脂複合材の最長流動長Lと上記薄肉射出成形品の平均肉厚tとの関係においてL/t≧70を満足することを特徴とする薄肉射出成形品。
  2. 請求項1において,上記有機化クレイの含有量は,ポリマー100重量部に対して,1〜15重量部であることを特徴とする薄肉射出成形品。
  3. 請求項1または2において,上記有機化クレイは,2種類以上の有機化剤によりクレイが有機化されたものであることを特徴とする薄肉射出成形品。
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