JP4539254B2 - 電子カメラおよび画像処理プログラム - Google Patents
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条件どおりに制御されないと、得られる画像に白飛びや黒潰れなどが発生する。
また、レンズ交換式の電子カメラに前述した特許文献1の発明を適用する場合には、各レンズ、各絞り値ごとに誤差量を予め測定して記憶しておかなければならない。この場合、想定される全ての交換レンズについて、予め測定して記憶しておくには、前述した手間がさらにかかり、また、記憶しておくメモリの容量も大きくなる。さらに、交換レンズがCPUを備えない場合には、電子カメラは装着された交換レンズがどのような交換レンズであるかを認識することができない。
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の電子カメラ100の概略構成図である。
電子カメラ100は、カメラ本体101、撮影レンズ102からなる。撮影レンズ102は、カメラ本体101に対し着脱可能であり、内部にレンズ1および開口絞り2を備える。なお、カメラ本体101は、撮影レンズ102以外の撮影レンズも着脱可能である。
非撮影時、すなわち撮影を行わない場合には、クイックリターンミラー3は、図1に示すように、光軸に対して45°の角度に配置される。そして、撮影レンズ102がカメラ本体101に装着された状態で、レンズ1および開口絞り2を通過した光束は、クイックリターンミラー3で反射され、拡散スクリーン4、コンデンサレンズ5、ペンタプリズム6を介して接眼レンズ7に導かれる。また、拡散スクリーン4によって拡散された光束の一部は、コンデンサレンズ5、ペンタプリズム6、測光用プリズム8、測光用レンズ9を介して測光素子10に導かれる。
図2は、電子カメラ100の機能ブロック図である。
電子カメラ100は、測光部13、演算部14、制御部15、操作部16、撮像部17、画像補正部18、メモリ部19を備える。
また、制御部15は、演算部14の演算結果に応じて、開口絞り2、クイックリターンミラー3、シャッタ11をそれぞれ駆動する。操作部16は、不図示のレリーズボタンやユーザによる露出補正値の設定(詳細は後述する)のための設定ボタン(露出補正ボタンや露出値を固定するためのAEロックボタンなど)などを備え、操作部16の出力は演算部14に接続される。
ところで、測光部13に含まれる測光素子10は、SPD(Silicon Photo Diode)やCCDなどの受光素子であり、図3に示す分割測光センサである。測光素子10は、被写界の略全面を25個の領域に分割して測光し、それぞれの領域の輝度値BV(1)〜BV(25)を検出する。電子カメラ100は、このような測光素子10を用いた測光に関して、3つの測光モードを有する。3つの測光モードとは、中央部分測光モード、スポット測光モード、多分割測光モードである。これらの測光モードは、操作部16を介して、ユーザにより設定される。
ユーザにより、不図示のレリーズボタンが半押しされると、ステップS1において、電子カメラ100は、測光部13の測光素子10の電源をONし、所定の初期化動作を行う。
ユーザにより、中央部分測光モードが設定された場合、測光部13の測光素子10は、図3のほぼ中央に当たる領域1〜9を測光対象とし、輝度値BV(1)〜BV(9)を検出する。また、ユーザにより、スポット測光モードが設定された場合、測光部13は、図3の中心のスポット領域5を測光対象とし、輝度値BV(5)を検出する。さらに、ユーザにより、多分割測光モードが設定された場合、測光部13の測光素子10は、図3の全面の領域1〜25を測光対象とし、輝度値BV(1)〜BV(25)を検出する。
つまり、ユーザにより中央部分測光モードが設定された場合、演算部14は、輝度値BV(1)〜BV(9)に基づいて、中央部分測光モードにおける代表輝度値BVcwを算出する。また、スポット測光モードが設定された場合、演算部14は、輝度値BV(5)に基づいて、スポット測光モードにおける代表輝度値BVspを算出する。さらに、多分割測光モードが設定された場合、演算部14は、輝度値BV(1)〜BV(25)に基づいて、多分割測光モードにおける代表輝度値BVaを算出する。すなわち、ユーザにより、中央部分測光モードが設定された場合は、代表輝度値BVexp=BVcwとなり、スポット測光モードが設定された場合は、代表輝度値BVexp=BVspとなり、多分割測光モードが設定された場合は、代表輝度値BVexp=BVaとなる。
ステップS4において、演算部14は、測光部13により検出された補正参照領域の輝度値に基づいて、平均輝度値BVshtを算出する。
ユーザにより不図示のレリーズボタンが全押しされていない場合、ステップS7において、演算部14は、測光部制御パラメータを算出する。
ステップS7において、演算部14は、ステップS2の測光結果に基づいて、次の測光における測光条件を決定する。そのため、測光部13は、より状況に即した最適な測光を行うことができる。
ユーザにより不図示のAEロックボタンがONに設定されている場合、ステップS9において、測光部13の測光素子10は、ステップS2と同様に被写界を測光し、輝度を検出する。ただし、ステップS9においては、測光部13の測光素子10は、前述した補正参照領域を測光対象とし、輝度値BV(1)〜BV(9)、BV(13)、BV(14)、BV(17)、BV(18)、BV(21)、BV(22)を検出する。
電子カメラ100は、ユーザにより不図示のAEロックボタンがONに設定されている場合(ステップS8YES)には、レリーズボタンが全押しされる(ステップS6YES)まで、補正参照領域の測光と平均輝度値BVshtの算出と測光部制御パラメータの算出とを繰り返す。また、ユーザにより不図示のAEロックボタンがONに設定されていない場合(ステップS8NO)には、レリーズボタンが全押しされる(ステップS6YES)まで、測光と代表輝度値BVexpの算出と平均輝度値BVshtの算出と露出制御パラメータの算出と測光部制御パラメータの算出とを繰り返す。そして、ユーザにより不図示のレリーズボタンが全押しされると、ステップS11に進む。
制御部15は、演算部14によって算出されたシャッタ速度、絞り値および撮像素子12の感度に基づいて、開口絞り2、シャッタ11、クイックリターンミラー3、撮像部17を制御し、撮像部17は、被写界を撮像する。
そして、デジタルゲイン処理が行われると、ステップS13において、メモリ部19は、画像補正部18によって補正された画像データを記録し、一連の処理を終了する。
ステップS21において、演算部14は、まず、露出誤差量ExpErrを求める。
図6は、撮像部17の撮像素子12を示す図である。図6の一つ一つのマスは、撮像素子12の画素に対応する。そして、各画素から赤成分(R成分)、緑成分(G成分)、青成分(B成分)の画像データを画像補正部18へ出力する。
Y[i,j]=Kr×Dr[i,j]+Kg×Dg[i,j]+Kb×Db[i,j]・・・(式1)
式1において、i,jは画素番号を示し、DrはR成分の画像データ、DgはG成分の画像データ、DbはB成分の画像データを示す。また、Kr,Kg,Kbは画像データから輝度値を求めるための所定の係数である。
HT=2^(BVsht−BVexp+BVec+BVbkt)・・・(式2)
式2において、BVecは、操作部16を介してユーザにより設定された手動露出補正値である。ユーザは、この手動露出補正値BVecを例えば+1、−2のように設定することにより、明るめ、暗めなど、適正な露出から意図してずらした露出補正を行うことができる。また、式2において、BVbktは、操作部16を介してユーザにより設定されたブラケティング値である。ユーザは、このブラケティング値BVbktを、例えば「1刻みに3枚」と設定して連写を実行することにより、1回の撮影について、「適正」、「所定量暗め」、「所定量明るめ」と段階的に露出を変えて撮影を行うことができる。式2で説明したように、手動露出補正値BVecおよびブラケティング値BVbktを考慮して目標輝度出力補正係数HTを決めることにより、ユーザの意図を後述する補正に反映させることができる。
次に、演算部14は、撮影時目標輝度出力TgYを、次式を用いて求める。
TgY=TgS×HT・・・(式3)
式3において、撮影時目標輝度出力TgYは、制御部15による開口絞り2およびシャッタ11の制御誤差がない場合に撮像部17により出力される画像データのうち、測光部13の補正参照領域に対応する部分の画像データの平均輝度出力に相当する。また、TgSは、一様にグレー(中間調)の被写体を予め撮像し、この撮像により得られる画像データが好ましいグレーになる(中間調として再現される)ように予め定められた基準目標輝度出力である。ただし、この基準目標輝度出力TgSは、制御部15による開口絞り2およびシャッタ11の制御誤差がなく、手動露出補正値BVec=0かつ代表輝度値BVexp=平均輝度値BVshtの条件下でグレーの被写体を撮像し、本発明によるデジタルゲイン補正を行わない場合に得られる画像データが好ましいグレーになるように定める。つまり、制御誤差がなくデジタルゲイン補正を行わない状態での平均測光撮影結果がグレーになるように基準目標輝度出力TgSを定める。
ExpErr=TgY/AveYref・・・(式4)
式4において、AveYrefは、撮像部17により出力された画像データのうち、測光部13の補正参照領域に対応する部分の画像データの平均輝度出力であり、次式を用いて求める。
ただし、式5において、i=x1〜x2であり、j=y1〜y2である。i=x1〜x2、j=y1〜y2の部分は、撮像部17により出力された画像データのうち、補正参照領域(図3領域1〜9、13、14、17、18、21、22)に略対応する部分であり、式5により、この部分の画像データの輝度出力の平均が算出される。なお、前述した基準目標輝度出力TgSは、制御部15による開口絞り2およびシャッタ11の制御誤差がない場合の平均輝度出力AveYrefと等しい。
CT=[(ExpErr−1)×AP+1]・・・(式6)
式6において、APは補正寄与率を示し、0〜1の値を取る(詳細は後述する)。なお、デジタルゲイン補正係数CTは、式4および式6から明らかなように、平均輝度出力AveYrefと撮影時目標輝度出力TgYとの比に基づいて算出される。
DA=DB×CT・・・(式7)
式7において、DAは補正後の画像データを示し、DBは撮像部17から出力された(補正前の)画像データを示す。
補正参照領域内にダイナミックレンジに達した画像データがある場合、平均輝度出力AveYrefは、被写体の本来の輝度よりも小さい値になる。したがって、デジタルゲイン補正係数CTは適切な値よりも大きくなってしまう。このような場合には、補正寄与率APを逆に小さくすれば良い。例えば、補正寄与率APを、次式に示すように、補正参照領域内のダイナミックレンジに達した画像データの関数にする。
式8において、countDYは補正参照領域内のダイナミックレンジに達した画像データ数である。また、βは予め実験等で求めた正の小数である。ただし、1<β×countDYの場合は補正寄与率AP=0とする。式8を用いて補正寄与率APを設定することにより、補正参照領域内(被写界の所定領域に対応する部分)において、ダイナミックレンジに達した画像データ(飽和レベルに達した画像データ)の数が多いほど、補正の度合が小さくなるようにデジタルゲイン補正係数CTを求めることができる。
AP=1−γ×difY・・・(式9)
式9において、difYは、補正参照領域内の画像データの最大値と最小値との差である。また、γは、予め実験等で求めた正の小数である。ただし、1<γ×difYの場合は、補正寄与率AP=0とする。式9を用いて補正寄与率APを設定することにより、補正参照領域内(被写界の所定領域に対応する部分)の最大輝度値と最小輝度値との差が大きいほど、補正の度合が小さくなるようにデジタルゲイン補正係数CTを求めることができる。
また、閃光装置を使用して撮影を行う場合は、撮影前に閃光装置が消灯している状態で代表輝度値BVexpや平均輝度値BVshtを取得し、撮影時に閃光装置が発光している状態で平均輝度出力AveYrefを取得する。したがって、適正な露出誤差量ExpErrを求められない場合がある。このような場合を考慮して、閃光装置の使用時は、補正寄与率AP=0とすれば良い。
また、第1実施形態によれば、測光部によって検出された輝度のうち、所定領域における輝度が低いほど、補正の度合が小さくなるように補正値を算出する。したがって、例えば夜景などを撮影する場合において、最適な露出で撮影を行った結果として一部の画像データがダイナミックレンジを遙かに超えている画像が得られた場合にも、補正後の画像に偽色が発生してしまうのを抑制することができる。
また、第1実施形態によれば、被写界の第一領域および第二領域に関する輝度を検出し、第一領域の輝度(代表輝度値BVexp)と、第二領域の輝度(平均輝度値BVsht)とに基づいて目標輝度値(目標輝度出力補正係数HT)を算出する。したがって、画像に適した目標輝度値をもとに補正値を算出して補正を行うので、適切な明るさの画像を得ることができる。
なお、第1実施形態では、固定の基準目標輝度出力TgSを用いる例を示したが、例えば、ホワイトバランスのモードなどに応じて、基準目標輝度出力TgSを適宜変更するようにしても良い。このように基準目標輝度出力TgSを適宜変更することにより、より適切な補正を行うことができる。
以下、図面を用いて本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の機能ブロックについては、以下では、第1実施形態と同様の符号を用いて説明を行う。
図7は、第2実施形態のコンピュータ200の機能ブロック図である。
図7において、コンピュータ200は、外部の電子カメラ300と、読み出し部22を介して接続されている。
ただし、コンピュータ200は、撮像により得られた画像データ(処理対象の画像)とともに、その画像が撮像された際の撮像条件として被写界における測光領域など、第1実施形態の図4および図5で説明した補正と同様の補正ができる撮像条件を取得する。
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
2 開口絞り
3 クイックリターンミラー
4 拡散スクリーン
5 コンデンサレンズ
6 ペンタプリズム
7 接眼レンズ
8 測光用プリズム
9 測光用レンズ
10 測光素子
11 シャッタ
12 撮像素子
13 測光部
14 演算部
15 制御部
16 操作部
17 撮像部
18,20 画像補正部
19 メモリ部
21 表示部
22 読み出し部
100,300 電子カメラ
101 カメラ本体
102 撮影レンズ
200 コンピュータ
Claims (4)
- 被写界の一部に対応する第1領域、および、前記第1領域とは異なる第2領域の輝度値を検出する測光部と、
前記第1領域と対応する位置に配置された複数の第1撮像素子と、前記第2領域と対応する位置に配置された複数の第2撮像素子とを有し、前記測光部の前記第1領域および前記第2領域で検出された前記輝度値に基づいた設定で前記被写界を撮像し、前記複数の第1撮像素子から複数の第1画像信号を出力するとともに前記複数の第2撮像素子から複数の第2画像信号を出力することにより前記被写界に対応する画像を生成する撮像部と、
前記複数の第1画像信号を用いて求められた第1領域輝度値と、前記第1領域輝度値の目標値である第1領域目標輝度値との比に基づいて補正値を演算する演算部と、
前記演算部により演算された前記補正値に基づいて前記複数の第1画像信号および前記複数の第2画像信号のゲインを補正する補正部とを備え、
前記演算部は、前記複数の第1画像信号のうち、飽和レベルに達した前記第1画像信号の数が多いほど、前記補正部による補正の度合が小さくなるように前記補正値を演算する
ことを特徴とする電子カメラ。 - 請求項1に記載の電子カメラにおいて、
前記第1領域は、前記第2領域の内側の領域である
ことを特徴とする電子カメラ。 - 被写界の一部に対応する第1領域、および、前記第1領域とは異なる第2領域の輝度値を検出する測光部と、前記第1領域と対応する位置に配置された複数の第1撮像素子と、前記第2領域と対応する位置に配置された複数の第2撮像素子とを有し、前記測光部の前記第1領域および前記第2領域で検出された前記輝度値に基づいた設定で前記被写界を撮像し、前記複数の第1撮像素子から複数の第1画像信号を出力するとともに前記複数の第2撮像素子から複数の第2画像信号を出力することにより前記被写界に対応する画像を生成する撮像部とを備えた撮像装置により生成された前記画像を取得する取得手順と、
前記複数の第1画像信号を用いて求められた第1領域輝度値と、前記第1領域輝度値の目標値である第1領域目標輝度値との比に基づいて補正値を演算する演算手順と、
前記演算手順で演算された前記補正値に基づいて前記複数の第1画像信号および前記複数の第2画像信号のゲインを補正する補正手順とをコンピュータに実行させるための画像処理プログラムであって、
前記演算手順では、前記複数の第1画像信号のうち、飽和レベルに達した前記第1画像信号の数が多いほど、補正の度合が小さくなるように前記補正値を演算する
ことを特徴とする画像処理プログラム。 - 請求項3に記載の画像処理プログラムにおいて、
前記第1領域は、前記第2領域の内側の領域である
ことを特徴とする画像処理プログラム。
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