JP2005260737A - 撮影装置及びその撮影条件設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 トリミングエリアを自由に決定しつつ、トリミング撮影時に適切なWB補正を行う。
【解決手段】 デジタルカメラ10のAE検出回路51は、レリーズボタン19の半押しで、撮影モードがトリミング撮影モードになっているか否かを判定する。AE検出回路51は、トリミング撮影モードになっていると判定したときは、測光エリアを全撮影エリアからトリミングエリアに再設定するとともに、この測光エリアを複数の分割エリアに分割して、分割測光を行う。AWB検出回路52は、トリミング撮影モード時でも、WB補正用の画像データを取得するエリアを全撮影エリアに設定するとともに、各分割エリア毎にR、G、B信号の色別の積算値の比R/G、B/Gを算出する。これにより、トリミングエリアを自由に決定しつつ、トリミング撮影時に適切なWB補正を行うことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 デジタルカメラ10のAE検出回路51は、レリーズボタン19の半押しで、撮影モードがトリミング撮影モードになっているか否かを判定する。AE検出回路51は、トリミング撮影モードになっていると判定したときは、測光エリアを全撮影エリアからトリミングエリアに再設定するとともに、この測光エリアを複数の分割エリアに分割して、分割測光を行う。AWB検出回路52は、トリミング撮影モード時でも、WB補正用の画像データを取得するエリアを全撮影エリアに設定するとともに、各分割エリア毎にR、G、B信号の色別の積算値の比R/G、B/Gを算出する。これにより、トリミングエリアを自由に決定しつつ、トリミング撮影時に適切なWB補正を行うことができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、通常の撮影を行う通常撮影モードの他に、トリミング撮影を行うトリミング撮影モードを有する撮影装置及びその撮影条件設定方法に関するものである。
撮影装置として、CCDイメージセンサ(CCD)などの撮像素子で撮像した被写体画像をデジタルの画像データに変換し、内蔵メモリやメモリカードなどの記憶媒体に保存するデジタルカメラがある。デジタルカメラには、誰でも簡単に良好な撮影画像が撮れるように、自動露光(AE)調整、自動焦点(AF)調整、オートホワイトバランス(AWB)補正などの各種機能が備えられているのが通常である。さらに、これらの機能の他に、撮影フレーム内の不要部分を予めカットできるように、通常撮影時の撮影エリアの中から所定のトリミングエリアを撮影者が決定して、このトリミングエリア内の撮影画像に対応する画像データのみをメモリカード等の記録媒体に記録するトリミング撮影機能を有するデジタルカメラが多く市販されるようになっている。
トリミング撮影は、トリミングエリア内にある被写体のみを撮像するため、特にAE調整時に撮影エリア全体の画像データを元に測光値を算出し、この算出結果に基づいて露出値を算出しても、例えば、トリミングエリア外に太陽等の高輝度被写体がある場合には、その影響を受けてトリミングエリア内のみを撮影するのに適正な露出値が算出されないおそれがある。そこで、例えば、特許文献1に記載されているように、撮影エリアを複数の分割エリアに分割して測光を行う分割測光方式の測光方法を用いるとともに、複数の分割エリアから構成される領域をトリミングエリアとして設定する。つまり、トリミングエリアのサイズを複数の分割エリアから構成される領域に合わることで、トリミングエリア内のみを測光して、得られた測光値を元に、トリミングエリア内のみを撮影するのに適切な露出値を算出するようにしている。
しかしながら、前記特許文献1記載のデジタルカメラでは、複数の分割エリアから構成される領域をトリミングエリアとして設定しているので、選択可能なトリミングエリアのサイズが限定されてしまう。そのため、撮影者の希望のトリミングエリアが、個々の分割エリア大きさや配置などの関係で設定されていない場合には、このデジタルカメラで撮像した撮像画像の画像データを、例えば、PCの画像処理ソフト等を使用してトリミング処理する必要があるので、改善が望まれていた。
また、AE調整時と逆に、AWB補正時には、トリミング撮影を行う際にトリミングエリア内の画像データのみに基づいて、被写体を照明する光源(昼光、蛍光灯、タングステン光源など)を特定してしまうと、エリアの範囲が狭いため、光源の種類を誤判定して、実際の光源に対応したホワイトバランス(WB)補正が行えないおそれがある。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、トリミング撮影時のトリミングエリアのサイズを自由に決定でき、且つ、適切なWB補正を行えるようにしたデジタルカメラ及びその撮影条件設定方法を提供することを目的とする。
本発明は、被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、出力された前記画像データを記録する記録媒体とを備えるとともに、通常の撮影を行う通常撮影モードと、前記通常撮影モード時の撮影エリアをトリミングして、前記トリミングされたトリミングエリア内の前記画像データのみを前記記録媒体に記録するトリミング撮影モードとを含む複数の撮影モードを有する撮影装置において、前記通常撮影モード時に、被写体輝度の測光を行う測光エリアを前記撮影エリアに合わせて設定するとともに、前記トリミング撮影モード時には、前記測光エリアを前記トリミングエリアに合わせて設定して、前記設定された前記測光エリア内の輝度を測光する測光手段と、前記測光手段で得た測光値を元に露出値を算出し、算出された前記露出値となるように、絞りまたは露出時間の少なくともいずれかを制御する露出制御手段とを備えたことを特徴とする。また、前記測光手段は、前記通常撮影モード時には、前記撮影エリアを複数のエリアに分割して、エリア毎の前記輝度を測光するとともに、前記トリミング撮影モード時には、前記トリミングエリア内を、前記通常撮影モード時と同一エリア数になるように分割して、前記トリミングエリア内のエリア毎の前記輝度を測光することが好ましい。
また、前記露出制御手段は、前記エリア毎の測光値に重み付けを行って前記露出値を算出するとともに、少なくとも前記通常撮影モード時と前記トリミング撮影モード時とでは同じ重み付けを行っていることが好ましい。さらに、前記画像データのホワイトバランス補正値を決定するホワイトバランス決定手段と、この決定結果に基づいて、前記画像データのホワイトバランスの補正を行うホワイトバランス補正手段とを設け、前記ホワイトバランス決定手段は、前記トリミング撮影モード時に、前記通常撮影モード時の撮影エリア内の前記画像データを元に光源の種類を判定し、この判定結果に基づいて、前記ホワイトバランス補正値を決定することが好ましい。
また、本発明は、被写体を撮像して画像データを出力し、出力された前記画像データを記録媒体に記録するとともに、通常の撮影を行う通常撮影モードと、前記通常撮影モード時の撮影エリアをトリミングして、前記トリミングされたトリミングエリア内の画像データのみを前記記録媒体に記録するトリミング撮影モードとを含む複数の撮影モードを有する撮影装置の撮影条件設定方法において、前記通常撮影モード時に、被写体輝度の測光を行う測光エリアを前記撮影エリアに合わせて設定し、前記トリミング撮影モード時には、前記測光エリアを前記トリミングエリアに合わせて設定して、前記設定された前記測光エリア内の輝度を測光するとともに、得られた測光値を元に露出値を算出し、算出された前記露出値となるように、絞りまたは露出時間の少なくともいずれかを制御することを特徴とする。また、前記通常撮影モード時には、前記撮影エリアを複数のエリアに分割して、エリア毎の前記測光値を測光するとともに、前記トリミング撮影モード時には、前記トリミングエリア内を前記通常撮影モード時と同一エリア数になるように分割して、前記トリミングエリア内のエリア毎の前記輝度を測光することが好ましい。
また、前記露出値は、前記エリア毎の測光値に重み付けを行って算出されたものであり、少なくとも前記通常撮影モード時と前記トリミング撮影モード時とでは同じ重み付けが行われていることが好ましい。さらに、前記トリミング撮影モード時に、前記通常撮影モード時の撮影エリア内の前記画像データを元に光源の種類を判定し、この判定結果に基づいて、前記トリミングエリア内の前記画像データのホワイトバランス補正値を決定することが好ましい。
本発明の撮影装置及びその撮影条件設定方法は、通常の撮影を行う通常撮影モードと、前記通常撮影モード時の撮影エリアをトリミングして、前記トリミングされたトリミングエリア内の画像データのみを前記記録媒体に記録するトリミング撮影モードとを含む複数の撮影モードを有し、前記通常撮影モード時に、被写体輝度の測光を行う測光エリアを前記撮影エリアに合わせて設定し、前記トリミング撮影モード時には、前記測光エリアを前記トリミングエリアに合わせて設定して、前記設定された前記測光エリア内の輝度を測光するとともに、得られた測光値を元に露出値を算出して、算出された前記露出値となるように、絞りまたは露出時間の少なくともいずれかを制御するようにしたので、トリミング撮影を行う際のトリミングエリアのサイズを自由に決定することができる。
また、前記トリミング撮影モード時に、前記通常撮影モード時の撮像エリア内の前記画像データから光源の種類を特定し、この特定結果に基づいて、前記トリミングエリア内の前記画像データのホワイトバランス補正値を決定するようにしたので、トリミング撮影モード時に、光源の種類を判定する際の誤判定を少なくすることができる。
図1及び図2は、本発明を実施したデジタルカメラ10の正面斜視図、及び背面斜視図を示したものである。デジタルカメラ10の正面には、矢印方向にスライド操作自在なレンズバリア12が設けられている。このレンズバリア12を図1に示す開放位置にスライドさせることにより、撮像レンズ13、ストロボ発光部14が露呈して撮影可能な状態となる。
撮像レンズ13の背後には、CCD36(図3参照)が配置されている。CCD36からの撮像信号は、A/D変換器40(図3参照)によりデジタルの画像データに変換される。この画像データは、デジタルカメラ10の背面に設けられた液晶表示器(LCD)15で、いわゆるスルー画像として表示される。また、デジタルカメラ10には,光学ファインダを構成するファインダ対物窓16およびファインダ接眼窓17が設けられており、これらを通して被写体画像のフレーミングが行われる。
デジタルカメラ10の上面には、レリーズボタン19が設けられている。このレリーズボタン19は、2段階押しのスイッチとなっており、LCD15または光学ファインダによるフレーミングの後にレリーズボタン19を軽く押圧(半押し)すると、自動露出調整(AE)、自動焦点調整(AF)、オートホワイトバランス補正(AWB)用の補正値の設定などの各種撮影条件の設定、つまり、撮影準備処理が行われる。
撮影準備処理が施された撮像信号は、レリーズボタン19を離すまでデータロックされる。そして、この状態でレリーズボタン19をもう1度強く押圧(全押し)すると、撮影準備処理が施された1画面分の撮像信号が画像データに変換され、各種画像処理及び圧縮処理を施した後に、メモリカードスロット21に着脱自在に装填されるメモリカード22などの記憶媒体に保存される。
デジタルカメラ10の背面には、LCD15のほかに、電源のオン/オフ切替えを行う電源ボタン24、撮像レンズ13のズームレンズをワイド側、テレ側に変倍するズーム操作ボタン25、各種モードを選択するモード切替えスイッチ26、およびLCD15に表示されるメニュー画面内でカーソルを移動させる十字キーなどの操作キー27が設けられている。
モード切替スイッチ26によって選択される動作モードとしては、例えば、静止画撮影を行う撮影モード、撮影した静止画像をLCD15に表示する再生モード、および各種設定を行うセットアップモードなどがある。これら各動作モードは、モード切替えスイッチ26をスライド操作させることで、切替可能である。
デジタルカメラ10の撮影モードとしては、カメラに全ての制御をまかせたオートモードや、AE、AFを行わずに撮影者が露出や焦点の調整を手動で行う手動撮影モードがあり、それぞれにおいて、画角を全て使った通常撮影モードと、トリミングを行うトリミング撮影モードとが選択できる。これら各撮影モードは、LCD15に撮影モード選択メニュー(図示せず)を表示させ、操作キー27を用いて、この撮影モード選択メニュー(図示せず)内から所望の撮影モードを選択することで切替可能である。ここで、撮影モード選択メニュー(図示せず)を表示させる代わりに、例えば、撮影モード切替スイッチを設けてもよい。
デジタルカメラ10の電気的構成を示す図3において、撮像レンズ13および絞り30には、レンズモータ31およびアイリスモータ32が接続されている。これらのモータ31、32は、CPU33に接続されたモータドライバ34、35を介して駆動制御され、レリーズボタン19の半押しにより撮影準備処理を行う。
レンズモータ31は、ズーム操作ボタン25の操作に連動して、撮像レンズ13のズームレンズをワイド側、あるいはテレ側に移動させ、撮像レンズ13のズーミングを行う。また、フォーカスレンズを移動させ、撮影条件が最適となるように撮像レンズ13の焦点調整を行う。アイリスモータ32は、絞り30を動作させ、撮像レンズ13の露光調整を行う。
撮像レンズ13の背後には、撮像レンズ13を透過した被写体光が撮像されるCCD36が配置されている。CCD36には、CPU33によって制御されるタイミングジェネレータ(TG)37が接続され、このTG37から入力されるタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタのシャッタ速度が決定される。
CCD36から出力された撮像信号は、相関二重サンプリング回路(CDS)38に入力され、CCD36の各セルの蓄積電荷量に正確に対応したR、G、Bの画像データとして出力される。CDS38から出力された画像データは、増幅器(AMP)39で増幅され、A/D変換器(A/D)40でデジタルな画像データに変換される。
画像入力コントローラ41は、バス42を介してCPU33に接続され、CPU33の制御命令に応じてCCD36、CDS38、AMP39、およびA/D変換器40を制御する。A/D変換器40から出力された画像データは、LCDドライバ43を介してLCD15に表示されるとともに、SDRAM44に格納される。
画像信号処理回路45は、階調変換、ホワイトバランス(WB)補正、γ補正処理などの各種画像処理を画像データに施す。画像信号処理回路45で各種処理を施された画像データは、YC変換処理回路46により輝度信号Yと色差信号Cr、Cbとに変換される。圧縮伸長処理回路47は、この変換された画像データに対して、所定の圧縮形式(例えばJPEG形式)で画像圧縮を施す。圧縮された画像データは、メディアコントローラ48を経由してメモリカード22に記録される。
CPU33には、前述のレリーズボタン19、モード切替スイッチ26、操作キー27の他に、EEPROM49が接続されている。EEPROM49には、各種制御用のプログラムや設定情報などが記録されている。CPU33は、これらの情報をEEPROM49から作業用メモリであるSDRAM44に読み出して、各種処理を実行する。
バス42には、撮影レンズ13の焦点が撮影に適切か否かを検出するためのAF検出回路50と、適正露出値、すなわちCCD36の電子シャッタのシャッタ速度、撮影感度、および絞り30の絞り値が撮影に適切か否かを検出するためのAE検出回路51と、ホワイトバランス補正が撮影に適切か否かを検出するためのAWB検出回路52とが接続されている。各検出回路50〜52は、レリーズボタン19の半押し時に、バス42を介してCPU33に検出結果を逐次送信する。CPU33は、各検出回路50〜52から送信される検出結果に基づいて、撮像レンズ13、絞り30、及びCCD36等の動作を制御する。
AF検出回路51は、レリーズボタン19の半押しで、CCD36から出力され、A/D変換器40でデジタル化された画像データに基づいて、撮影レンズ13のフォーカスレンズの焦点調整が撮影に最適となるAF検出値を検出する。CPU33は、このAF検出値に基づいてレンズモータ31を駆動して、撮影レンズ13のフォーカスレンズを最適な位置に移動させる。
AE検出回路51は、本発明を適用したものであり、前記特許文献1に記載されているように、撮影エリアの全範囲(以下、単に全撮影エリアという)を複数の分割エリアに分割して、分割測光を行う。本実施例のデジタルカメラ10は、トリミング撮影機能を備えているので、通常撮影モード時には、全撮影エリアの輝度値(測光値)から適正露出値を算出するとともに、トリミング撮影モード時には、トリミングエリア内の測光値のみを用いて、適正露出値を算出する。この際に、前記特許文献1に記載されているように、複数の分割エリアから構成可能な測光エリアに合わせるようにトリミングエリアを設定すると、選択可能なトリミングエリアの数が限定されてしまう。
そこで、本実施例では、トリミング撮影モード時に、測光エリアをトリミングエリアに合わせて再設定する。そして、この再設定された測光エリア(トリミングエリア内)を、通常撮影モード時の分割エリアの数と同数だけ分割して分割測光を行うことで、個々の分割エリア大きさや配置などの関係なくトリミングエリアを決定できるようにする。
また、本実施例では、トリミング撮影時のトリミングエリアのサイズ(設定)を、トリミングエリアのアスペクト比が16:9または3:2になるように通常撮影モード時の撮影エリアの上下をトリミングした「16:9トリミング」(図6参照)及び「3:2トリミング」(図8参照)、通常撮影モード時の撮影エリアの左右をトリミングした「左右トリミング」(図10参照)、撮影エリアの全周囲をトリミングした「全周トリミング」(図12参照)の計4種類から選択できるようにしている。なお、トリミングエリアの設定としては、上記の4種類に限定されるものではなく、必要に応じて、各種サイズのトリミングエリアを選択できるようにしてよい。
さらに、各トリミングエリアの選択は、撮影モード選択時と同様に、トリミング撮影モード選択時に、LCD15にトリミングエリア選択メニュー(図示せず)を表示させ、操作キー27を用いて、このメニュー内から撮影者が所望のトリミングエリアを選択する。また、トリミングエリア選択メニュー(図示せず)を表示させる代わりに、例えば、トリミングエリア切替スイッチを設けるなどしてもよい。
以下、通常撮影モード時が選択されている場合のAE調整についての説明を行う。AE検出回路51は、通常撮影モードが選択されているときは、レリーズボタン19の半押しで、測光エリアを全撮影エリア55に設定するとともに、この全撮影エリア55を、図4に示すように、例えば8×8=64個のエリアに分割する。そして、SDRAM44に格納された画像データに基づき、各分割エリア毎にR、G、B信号の輝度成分を色別に積算して、その積算値と、その時の絞り30の絞り値、電子シャッタのシャッタ速度とから、標準の撮影感度時の各分割エリアの測光値を算出して、SDRAM44に格納する。ここで、測光エリア(全撮影エリア55)の分割数は64個に限定されるものではなく、必要に応じて増減してよい。また、また、測光値を算出する方法として、R、G、B信号の輝度成分を積算する代わりに、YC変換処理回路46により変換された画像データの輝度信号Yを積算してもよい。
CPU33は、SDRAM44に格納された各分割エリアの測光値に重み付けを行って、適正露出値を算出する。この重み付けは、図5に示すように、各分割エリアごとの加重係数を定めた重み付けパターン56に従って行われる。この重み付けパターン56のパターン情報は、予めSDRAM44等に格納されている。なお、図5は、通常撮影モード時における各分割エリアへの加重係数の割り付けの一例を示したものであり、他に、夜景撮影時やスポーツ撮影時専用の重み付けパターン情報もSDRAM44に格納されている。従って、夜景、スポーツ、風景などの各種撮影に対応した重み付けを行うことができる。
CPU33は、SDRAM44に格納された各分割エリアの測光値Lvi (i=0〜63)、及び重み付けパターンの加重係数Wi (i=0〜63)を、予めEEPROM49に記憶されている下記の露出値算出式に代入して、
適正露出値(Ev)=Log2 [(Σ(Wi ×2Lvi )/ΣWi ]
(i=0〜63)
適正露出値を算出する。そして、CPU33は、適正露出値が算出されたら、この値に基づいてTG37やアイリスモータ32の駆動などを制御して、CCD36の電子シャッタのシャッタ速度、絞り30等の調整を行う。
適正露出値(Ev)=Log2 [(Σ(Wi ×2Lvi )/ΣWi ]
(i=0〜63)
適正露出値を算出する。そして、CPU33は、適正露出値が算出されたら、この値に基づいてTG37やアイリスモータ32の駆動などを制御して、CCD36の電子シャッタのシャッタ速度、絞り30等の調整を行う。
次に、トリミング撮影モードが選択されている場合のAE調整についての説明を行う。トリミング撮影モードが選択され、トリミングエリアが、例えば「16:9トリミング」に設定されている場合は、AE検出回路51は、レリーズボタン19の半押しで、図6に示すように、測光エリアを全撮影エリア55からトリミングエリア58aに再設定するとともに、この測光エリア(トリミングエリア58a)を通常モード撮影時と同様に64個の分割エリアに分割する。ここで、図6は、「16:9トリミング」を行う際の測光エリアの設定例を示した説明図であり、トリミングエリア58a外は、図中斜線で示している。
AE検出回路51は、SDRAM44に格納された画像データ(トリミングエリア58a内のデータ)に基づいて、再設定された各分割エリア毎にR、G、B信号を積算するとともに、その積算結果に基づき、各分割エリアの測光値を算出して、SDRAM44に格納する。
CPU33は、上述の露出値演算式に基づいて、SDRAM44に格納された各分割エリアの測光値に重み付けを行って、適正露出値を算出する。この際に、通常撮影モード時とトリミング撮影モード時とでは、分割エリアの大きさや位置は変わっているが、エリア数は変わっていないので、図7に示すように、同じ重み付けパターン59aを用いて、重み付けを行う。その結果、通常撮影モードとトリミング撮影モードとを切り替えるときに、重み付けパターンを変更する必要がなくなるため、露出値演算を簡単に行うことができる。さらに、算出された適正露出値は、トリミングエリア58a内の測光値に基づいて算出されているので、トリミングエリア58a外にある高輝度被写体の影響を受けるおそれはなく、良好な適正露出値が得られる。
また、トリミング撮影モード時に、トリミングエリアが、「3:2トリミング」、「左右トリミング」、「全周トリミング」にそれぞれ設定されている場合にも同様に、AE検出回路51は、レリーズボタン19の半押しで、図8、図10、図12に示すように、測光エリアを全撮影エリアから、それぞれのトリミングエリア58b,58c,58dに再設定する。ここで、図8、図10、図12は、「3:2トリミング」、「左右トリミング」、「全周トリミング」を行う際の測光エリアの設定例を示した説明図である。
AE検出回路51は、これら各測光エリアを通常モード撮影時と同様に64個の分割エリアに分割するとともに、分割エリア毎の測光値を算出して、SDRAM44に格納する。CPU33は、上述の露出値演算式に基づいて、SDRAM44に格納された各分割エリアの測光値に重み付けを行って、適正露出値を算出する。この際に、上述の「16:9トリミング」時と同様に、各トリミング時の分割エリアの数は変わっていないので、それぞれの重み付けパターンは、図9、図11、図13に示すように、通常撮影モード時と同じ重み付けパターン59b,59c,59dが用いられている。
本実施例のデジタルカメラ10は、「16:9トリミング」、「3:2トリミング」、「左右トリミング」、「全周トリミング」の各トリミングエリア58a〜58dに合わせて、測光エリアを再設定するようにしているので、前記特許文献1に記載されているデジタルカメラと異なり、自由にトリミングエリアを決定することができる。また、本実施例では、測光エリアの分割数を通常撮影モード時とトリミング撮影モードとで同じにしているので、同じ重み付けパターンを用いて、適正露出値を算出することができる。
次に、WB補正について説明する。図3に示すように、AWB検出回路52は、レリーズボタン19の半押しで、AE調整時(図5参照)と同様に、64個に分割された分割エリア毎にR、G、B信号の色別の積算値を算出して、SDRAM44に格納する。この際に、WB補正用の画像データを取得するエリアは、照明光源の種類を正確に判定できるように、トリミング撮影モードが選択されているときでも、通常撮影モード時と同様に全撮影エリアに設定されている。つまり、トリミング撮影モード時には、測光値算出用の画像データを取得するエリアは、トリミングエリア内に設定されるが、WB補正用の画像データを取得するエリアは、全撮影エリア55に設定される。
CPU33は、SDRAM44に格納されたR、G、B信号の積算データに基づいて、各分割エリアごとに色別の積算値の比R/G、B/Gを算出する。次いで、CPU33は、算出された積算値の比R/G、B/Gに基づいて、昼光、蛍光灯、タングステン光源などの被写体を照明する光源の種類(または、その色温度)を判定する。この光源の判定方法としては、例えば、横軸をR/G、縦軸をB/Gとするグラフ上で、各種光源に対応する色分布の範囲を示す検出枠を予め設定しておく。そして、算出された各分割エリアの平均積算値の比R/G、B/Gを元に、検出枠に入る分割エリアの個数を求める。そして、この検出枠に入るエリアの個数に基づいて光源の種類を判定する方法がある(特開2000−224608号公報参照) 。なお、光源の種類を判定する方法は、この方法に限定されるものではない。
次いで、CPU33は、特定した光源に対応したRGB各色のWB補正値(WBゲイン)を決定する。このように、撮影モードがトリミング撮影モード時になっていたとしても、全撮影エリア55の画像データ、つまり、1画面分の画像データを用いて光源の種類を判別するようにしているので、光源の種類を正確に特定することができる。レリーズボタン19が、半押しされた状態から全押しされたときには、画像信号処理回路45は、決定されたWB補正値に基づいて、CCD36及びA/D変換器40を介して取り込まれた画像データに対してWB補正を行う。
次に、本実施例のデジタルカメラ10のAE調整及びWB補正の手順について、図14及び図15のフローチャートを用いて説明する。まず、モード切替スイッチ26により撮影モード(本説明ではオートモード)が選択されると、撮像レンズ13、絞り30を介して入射した被写体光がCCD36により光電変換され、CDS38でサンプリングされてRGBデータとしてAMP39に出力される(図3参照)。
CDS38から出力された画像データは、AMP39で増幅され、A/D変換器40でデジタルデータに変換される。デジタル変換された画像データは、画像入力コントローラ41を介してSDRAM44に格納され、LCD15にスルー画像として表示される。次いで、撮影者によって、レリーズボタン19が半押しされると、図14及び図15に示したフローチャートに従ってAE調整用の適正露出値の算出作業や、WB補正用のWB補正値の決定作業が開始される。
最初に適正露出値の算出作業の手順について説明する。AE検出回路51は、デジタルカメラ10の撮影モードとして、トリミング撮影モードが選択されているか否かを判定する。そして、トリミング撮影モード以外の撮影モード、例えば、通常撮影モードが選択されていると判定したときは、測光エリアを全撮影エリア55に設定するとともに、この測光エリアを64個に分割する(図4参照)。そして、SDRAM44に格納された画像データに基づき、各分割エリア毎にR、G、B信号の輝度成分を色別に積算し、この積算値を元に各分割エリアの測光値を算出して、SDRAM44に格納する。
また、トリミング撮影モードが選択されていると判定したときは、AE検出回路51は、撮影者が上述のトリミングエリア選択メニュー(図示せず)で選択したトリミングエリア58a〜58dに合わせて、測光エリアを再設定するとともに、通常撮影モード時と同様に、この測光エリアを64個に分割して、各分割エリア毎にR、G、B信号の輝度成分を色別に積算する。そして、この積算データを元に各分割エリアの測光値を算出して、SDRAM44に格納する(図6、図8、図10、図12参照)。
各分割エリアの測光値がSDRAM44に格納されたら、CPU33は、SDRAM44に格納された分割エリア毎の測光値と、同じくSDRAM44に格納されている重み付けパターン情報に基づく重み付け係数とを上述の露出値演算式に代入して、適正露出値を算出する。この際に、通常撮影モードとトリミング撮影モードとで分割する分割エリアの数は変わらないため、同じ重み付けパターンを使用することができる。そのため、露出値演算を簡単に行うことができる。さらに、トリミング撮影モードが選択されている場合には、トリミングエリア内のみの測光値に基づいて適正露出値を算出しているので、トリミングエリア外にある高輝度被写体の影響を受けるおそれはなく、良好な適正露出値が得られる。
CPU33は、算出された適正露出値に合わせて、CCD36の電子シャッタのシャッタ速度、及び絞り30等の調整を行う。従来のように、全撮影エリアを複数の分割エリアに分割しておき、複数の分割エリアから構成可能な測光エリアに合わせるようにトリミングエリアを設定するのではなく、トリミングエリアに合わせて測光エリアを再設定するようにしたことで、トリミング撮影を行う際のトリミングエリアのサイズを自由に決定することができる。
次に、WB補正値の決定作業の手順について説明する。AWB検出回路52は、通常撮影モードとトリミング撮影モードとのいずれの撮影モードが選択されていたとしても、WB補正用の画像データを取得するエリアを全撮影エリア55に設定するとともに、このエリアをAE調整時と同様に64の分割エリアに分割する。そして、AWB検出回路52は、各分割エリア毎にR、G、B信号の色別の積算値を算出して、SDRAM44に格納する。
CPU33は、SDRAM44に格納されたR、G、B信号の積算データに基づいて、各分割エリアごとにR、G、B信号の色別の積算値の比R/G、B/Gを算出するとともに、算出された積算値の比R/G、B/Gに基づいて、昼光、蛍光灯、タングステン光源などの被写体を照明する光源の種類を判定する。そして、CPU33は、判定した光源に対応するRGB各色のWB補正値(WBゲイン)を決定する。画像信号処理回路45は、決定されたWB補正値に基づいて、CCD36及びA/D変換器40等を介して取り込まれた画像データに対してWB補正を行う。これにより、撮影モードがトリミング撮影モード時になっていたとしても、全撮影エリア55の画像データの画像データを用いて光源の種類を判定するので、光源の種類を判定する際の誤判定を少なくすることができる。その結果、適切なホワイトバランス補正を行うことができる。
なお、本実施例では、デジタルカメラを例に挙げて説明を行ったが、本発明は、デジタルカメラに限定されるものではなく、トリミング撮影機能を有する各種撮影装置、例えば,デジタルビデオカメラやカメラ付き携帯電話などに適用することができる。また、本実施例では、分割エリアが長方形状になるように測光エリアを分割しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、円、楕円、矩形、半月形状等の任意の形状になるように測光エリアを分割してもよい。
10 デジタルカメラ
19 レリーズボタン
30 絞り
33 CPU
36 CCD
37 TG
44 SDRAM
45 画像信号処理回路
51 AE検出回路
52 AWB検出回路
19 レリーズボタン
30 絞り
33 CPU
36 CCD
37 TG
44 SDRAM
45 画像信号処理回路
51 AE検出回路
52 AWB検出回路
Claims (8)
- 被写体を撮像して画像データを出力する撮像手段と、出力された前記画像データを記録する記録媒体とを備えるとともに、通常の撮影を行う通常撮影モードと、前記通常撮影モード時の撮影エリアをトリミングして、前記トリミングされたトリミングエリア内の前記画像データのみを前記記録媒体に記録するトリミング撮影モードとを含む複数の撮影モードを有する撮影装置において、
前記通常撮影モード時に、被写体輝度の測光を行う測光エリアを前記撮影エリアに合わせて設定するとともに、前記トリミング撮影モード時には、前記測光エリアを前記トリミングエリアに合わせて設定して、前記設定された前記測光エリア内の輝度を測光する測光手段と、
前記測光手段で得た測光値を元に露出値を算出し、算出された前記露出値となるように、絞りまたは露出時間の少なくともいずれかを制御する露出制御手段とを備えたことを特徴とする撮影装置。 - 前記測光手段は、
前記通常撮影モード時には、前記撮影エリアを複数のエリアに分割して、エリア毎の前記輝度を測光するとともに、
前記トリミング撮影モード時には、前記トリミングエリア内を、前記通常撮影モード時と同一エリア数になるように分割して、前記トリミングエリア内のエリア毎の前記輝度を測光することを特徴とする請求項1記載の撮影装置。 - 前記露出制御手段は、前記エリア毎の測光値に重み付けを行って前記露出値を算出するとともに、少なくとも前記通常撮影モード時と前記トリミング撮影モード時とでは同じ重み付けを行っていることを特徴とする請求項2記載の撮影装置。
- 前記画像データのホワイトバランス補正値を決定するホワイトバランス決定手段と、
この決定結果に基づいて、前記画像データのホワイトバランスの補正を行うホワイトバランス補正手段とを設け、
前記ホワイトバランス決定手段は、前記トリミング撮影モード時に、前記通常撮影モード時の撮影エリア内の前記画像データを元に光源の種類を判定し、この判定結果に基づいて、前記ホワイトバランス補正値を決定することを特徴とする請求項1ないし3記載の撮影装置。 - 被写体を撮像して画像データを出力し、出力された前記画像データを記録媒体に記録するとともに、通常の撮影を行う通常撮影モードと、前記通常撮影モード時の撮影エリアをトリミングして、前記トリミングされたトリミングエリア内の画像データのみを前記記録媒体に記録するトリミング撮影モードとを含む複数の撮影モードを有する撮影装置の撮影条件設定方法において、
前記通常撮影モード時に、被写体輝度の測光を行う測光エリアを前記撮影エリアに合わせて設定し、前記トリミング撮影モード時には、前記測光エリアを前記トリミングエリアに合わせて設定して、前記設定された前記測光エリア内の輝度を測光するとともに、
得られた測光値を元に露出値を算出し、算出された前記露出値となるように、絞りまたは露出時間の少なくともいずれかを制御することを特徴とする撮影装置の撮影条件設定方法。 - 前記通常撮影モード時には、前記撮影エリアを複数のエリアに分割して、エリア毎の前記測光値を測光するとともに、
前記トリミング撮影モード時には、前記トリミングエリア内を前記通常撮影モード時と同一エリア数になるように分割して、前記トリミングエリア内のエリア毎の前記輝度を測光することを特徴とする請求項5記載の撮影装置の撮影条件設定方法。 - 前記露出値は、前記エリア毎の測光値に重み付けを行って算出されたものであり、少なくとも前記通常撮影モード時と前記トリミング撮影モード時とでは同じ重み付けが行われていることを特徴とする請求項6記載の撮影装置の撮影条件設定方法。
- 前記トリミング撮影モード時に、前記通常撮影モード時の撮影エリア内の前記画像データを元に光源の種類を判定し、この判定結果に基づいて、前記トリミングエリア内の前記画像データのホワイトバランス補正値を決定することを特徴とする請求項5ないし7記載の撮影装置の撮影条件設定方法。
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JP2004071532A JP2005260737A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 撮影装置及びその撮影条件設定方法 |
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Publications (1)
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JP2005260737A true JP2005260737A (ja) | 2005-09-22 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011077805A1 (ja) * | 2009-12-25 | 2011-06-30 | ソニー株式会社 | 撮像装置、撮像装置の制御方法及びプログラム |
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-
2004
- 2004-03-12 JP JP2004071532A patent/JP2005260737A/ja active Pending
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