JP4538196B2 - パンチング装置およびパンチング方法 - Google Patents

パンチング装置およびパンチング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックスグリーンシートや樹脂シートに連続的に複数の孔を形成するパンチング装置およびパンチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やデジタルカメラ、ノート型パソコン等の小型化、高機能化、軽量化に伴って、これらに使用されるセラミックチップやフレキシブルケーブル(フレキシブル基板)に形成されるスルーホールの小径化と高密度化、高精度化が強く求められている。従来、セラミックチップの製造に用いられるセラミックスグリーンシートやポリイミド樹脂フィルムの表面に銅等をコーティングしてなるフレキシブル基板等の穿孔を行うパンチング装置として、圧電素子の変位を拡大してパンチピンを駆動するヘッドエレメントを用いたものが提案されている(例えば、特許文献1)。このようなパンチング装置においては、パンチが動作していないときにパンチが被加工物に接触しないようにパンチと被加工物との間に所定のクリアランスが形成されるようになっている。一般に被加工物には多数の孔を形成する必要があり、一回のパンチ動作が終わるたびに移動されながら孔加工される。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−103290号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パンチが駆動された状態から元の位置に戻る時には、直ちに元に戻るのではなくリバウンドと称する振動をしながら静止する。そして、この振動の振幅がパンチと被加工物との間のクリアランスよりも大きい間は被加工物を移動させることができず、この振幅がパンチと被加工物との間のクリアランスよりも小さくなって初めて次の孔形成のために被加工物を移動させることができる。したがって、このリバウンドが1回のパンチ動作時間を増加させてパンチ速度を律速し、孔開け加工のスループット向上を妨げる原因となっている。クリアランスを大きくすれば、このようなリバウンドの影響を排除することはできるが、パンチの移動距離が長く効率が悪くなってしまい現実的ではない。
【0005】
一方、パンチに関しては、上記のように多数の孔を高速で形成することが一般的なニーズであるが、逆に形成する孔の数は少ないが強いパンチ力が要求される場合もある。例えば、位置のガイド孔等は孔の数は少ないが、直径の大きな孔が要求される。このような孔を形成する際には、上記装置では圧電素子のパワーが不足して、十分に対応できないことが生じるおそれがある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、高スループットで孔開け加工を行うことができるパンチング装置およびパンチング方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、大きなパンチ力を要求される場合に対応が可能なパンチング装置およびパンチング方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、シート状の被加工物に連続的に複数の孔を形成するパンチング装置であって、圧電素子および該圧電素子の変位を拡大する変位拡大機構からなる圧電アクチュエータと前記変位拡大機構に取り付けられたパンチとを含むパンチエレメントを備えたパンチヘッドと、前記圧電素子に電圧を供給して前記圧電素子を駆動させる駆動電気回路と、前記駆動電気回路を制御する制御機構と、前記パンチに対向して設けられ、被加工物を支持するとともに、前記パンチが突出した際に前記パンチの先端部が挿通される孔を有するダイ部材と、一の孔形成動作から次の孔形成動作の間に前記ダイ部材の上で被加工物を移動させる移動機構とを具備し、前記制御機構は、前記移動機構により被加工物を移動させる時間の少なくとも一部の時間において、前記パンチのリバウンドによる振動をシフトさせるように、前記駆動電気回路が前記圧電素子にパンチ駆動時の電圧と逆極性の電圧を印加するように前記駆動電気回路を制御することを特徴とするパンチング装置を提供する。
【0009】
この場合に、前記駆動電気回路は、前記圧電素子に正の電圧を与える第1の直流電源部と、前記圧電素子に負の電圧を与える第2の直流電源部と、前記第1の直流電源部から前記圧電素子への正電圧印加のオン・オフを切り換える第1のスイッチ手段と、前記第2の直流電源部から前記圧電素子への負電圧印加のオン・オフを切り換える第2のスイッチ手段とを有し、前記制御機構は、前記第1および第2のスイッチ手段のオン・オフを制御する構成とすることができる。
【0010】
また、前記駆動電気回路は、第1のスイッチ手段および第2のスイッチ手段のいずれもがオフの場合に、圧電素子に残留する電荷を逃がす回路要素を有することが好ましく、また、前記駆動電気回路は、前記圧電素子に過大な電流が流れ込むことを阻止する回路要素を有することが好ましい。
【0011】
さらに、前記パンチヘッドは、複数のパンチエレメントを密接させて一方向に配列してなることが好ましい。
【0012】
本発明の第2の観点では、圧電素子および該圧電素子の変位を拡大する変位拡大機構からなる圧電アクチュエータと前記変位拡大機構に取り付けられたパンチとを含むパンチエレメントを備えたパンチヘッドと、前記パンチに対向して設けられ、被加工物を支持するとともに、前記パンチが突出した際に前記パンチの先端部が挿通される孔を有するダイ部材とを有するパンチング装置を用いてシート状の被加工体を移動させながら連続的に複数の孔を形成するパンチング方法であって、一の孔形成動作から次の孔形成動作の間に被加工物を移動させる時間の少なくとも一部の時間において、前記パンチのリバウンドによる振動をシフトさせるように、前記駆動電気回路が前記圧電素子にパンチ駆動時の電圧と逆極性の電圧を印加することを特徴とするパンチング方法を提供する。
【0013】
本発明の第1および第2の観点においては、前記移動機構により被加工物を移動させる時間の少なくとも一部の時間において、前記駆動電気回路が前記圧電素子にパンチ駆動時の電圧と逆極性の電圧を印加するので、1回のパンチング動作が終了したパンチを基準位置よりも上昇させることができ、リバウンドの振動を上方にずらすことができる。したがって、次の孔形成のために被加工物を移動させるまでの時間を短縮することができ、孔開け加工を高スループットで行うことができる。
【0014】
また、本発明の第3の観点では、シート状の被加工物に連続的に複数の孔を形成するパンチング装置であって、圧電素子および該圧電素子の変位を拡大する変位拡大機構からなる圧電アクチュエータと前記変位拡大機構に取り付けられたパンチとを含むパンチエレメントを備えたパンチヘッドと、前記圧電素子に電圧を供給して前記圧電素子を駆動させる駆動電気回路と、前記駆動電気回路を制御する制御機構と、前記パンチに対向して前記パンチが基準位置にある場合に前記パンチとの間に所定のクリアランスをおいて設けられ、被加工物を支持するとともに、前記パンチが突出した際に前記パンチの先端部が挿通される孔を有するダイ部材とを具備し、前記制御機構は、孔形成前に、前記駆動電気回路が前記圧電素子に前記パンチの変位が前記クリアランスを超えないように短時間の電圧を印加し、その後、孔形成のための電圧を前記圧電素子に印加するように前記駆動電気回路を制御することを特徴とするパンチング装置を提供する。
【0015】
本発明の第4の観点では、圧電素子および該圧電素子の変位を拡大する変位拡大機構からなる圧電アクチュエータと前記変位拡大機構に取り付けられたパンチとを含むパンチエレメントを備えたパンチヘッドと、前記パンチに対向して前記パンチが基準位置にある場合に前記パンチとの間に所定のクリアランスをおいて設けられ、被加工物を支持するとともに、前記パンチが突出した際に前記パンチの先端部が挿通される孔を有するダイ部材とを有するパンチング装置を用いてシート状の被加工体を移動させながら連続的に複数の孔を形成するパンチング方法であって、孔形成前に、駆動電気回路が前記圧電素子に前記パンチの変位が前記クリアランスを超えないように短時間の電圧を印加し、その後、孔形成のための電圧を前記圧電素子に印加することを特徴とするパンチング方法を提供する。
【0016】
本発明の第3および第4の観点においては、孔形成前に、前記駆動電気回路が前記圧電素子に前記パンチの変位がパンチと被加工物との間のクリアランスを超えないように短時間の電圧を印加した際に、戻りのパンチは基準位置よりも上方側まで振れるので、その際の基準位置への戻り変位と、その後、孔形成のための電圧を前記圧電素子に印加した際の変位とが加算されるようにすることができる。その結果、パンチの発生変位がより大きくなり、発生するパンチ力もより大きくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明のパンチング装置について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパンチング装置示す正面図、図2は図1のパンチング装置に設けられたパンチエレメント11の一実施形態を示す平面図である。パンチング装置1は、パンチヘッド10を有している。パンチングヘッド10は、積層型の圧電素子12および圧電素子12の変位を拡大する変位拡大機構13からなる圧電アクチュエータ14と変位拡大機構13に取り付けられたパンチ15とからなる複数のパンチエレメント11を治具16により密接させて1列に配列した構造を有している。
【0018】
パンチング装置1は、上記パンチングヘッド10の他、さらに、パンチ15に対向して設けられ、被加工物20を支持するとともに、パンチ15が突出した際にパンチ15の先端部が挿通される孔18aを有するダイ部材18と、一の孔形成動作から次の孔形成動作の間にダイ部材18の上で被加工物20を移動させる移動機構22と、圧電素子12に電圧を供給して圧電素子12を駆動させる駆動電気回路24と、駆動電気回路24を制御する制御機構26とを有する。また、基準位置において、パンチ15と被加工物20との間には所定のクリアランスが形成されている。
【0019】
パンチエレメント11の積層型の圧電素子12は、圧電体と金属電極とが交互に積層され、この金属電極が一層おきに接続されて一対の分極用かつ駆動用の電極が形成された構造を有しており、この駆動用電極に分極方向と同じ方向に電界が掛かるように所定の電圧を印加することにより、圧電体が33モードの縦変位を起こして積層方向に伸張するものである。
【0020】
図2に示すように、圧電アクチュエータ14を構成する圧電素子12はその伸縮方向が鉛直になるように配置されており、伸縮方向に垂直な方向に2個並列に設けられている。並列接続数を多くするとより大きな力でパンチ15を突出させることができるので、必要なエネルギーに応じて圧電素子12の並列配置数が適宜決定される。また、圧電素子12の変位量が小さい場合には、2個または3個以上、直列に配置して変位量を増大させてもよい。
【0021】
変位拡大機構13は、2個の圧電素子12が挿入される切り欠き部31aを有し、圧電素子12の上端を支持する第1の支持部材31と、圧電素子12の下端部を支持するとともに切り欠き部31aの下端部に位置する第2の支持部材32と、第1の支持部材31の切り欠き部31aを挟んだ部分のそれぞれに、第1のヒンジ33aを介して接続され、かつ第2の支持部材32にもそれぞれ第2のヒンジ33bを介して接続された一対のアーム34とを有している。第1の支持部材31と各アーム34との間には与圧ばね39が設けられている。
【0022】
第1の支持部材31には、ボルトを貫通させるための3つの孔部31bが設けられており、前記治具16およびボルト・ナットにより複数のパンチエレメント11の変位拡大機構13をその厚み方向に密接させるようになっている。
【0023】
一対のアーム34は下方に行くに従って外側に拡がるように設けられており、これらアーム34の下端には板バネ35が跨設されている。また、一対のアーム34の中央にはセンターピース36が設けられ、このセンターピース36に両方のアーム34の先端から延びた板ばね35が接続される。板ばね35は、アーム34が基準位置にある状態で、センターピース36部分が最高点になるように凸状に形成されている。センターピース36には、鉛直方向にパンチ15が接続されている。パンチ15は、大径の基端部15aと実際の孔開けに用いられる先端部15bとからなっている。パンチ15の周囲には、パンチ15を被加工物20の所定の位置にガイドするパンチガイド38が設けられている。
【0024】
駆動電気回路24は、図3に示すように、圧電素子12に正の電圧を与える第1の直流電源部41と、圧電素子12に負の電圧を与える第2の直流電源部42と、第1の直流電源部41から圧電素子12への正電圧印加のオン・オフを切り換える第1のスイッチ素子43と、第2の直流電源部42から圧電素子12への負電圧印加のオン・オフを切り換える第2のスイッチ素子44と、これら第1および第2のスイッチ素子を駆動制御するスイッチ制御回路45とを有している。また、駆動電気回路24は、第1のスイッチ素子43および第2のスイッチ素子44のいずれもがオフの場合に、圧電素子に残留する電荷を逃がす機能を有する抵抗46と、圧電素子12に過大な電流が流れ込むことを阻止するコイル47とをさらに有している。制御機構26は、スイッチ制御回路45にプラスオン信号またはマイナスオン信号を出力し、圧電素子12がパンチ15に所望の動作をするように、駆動電気回路24を制御する。なお、ここでは、圧電素子12は正(プラス)の電圧が印加されたときに伸長し、負(マイナス)の電圧が印加されたときに縮小するように構成されている。
【0025】
第1および第2のスイッチ素子43および44としては、例えば各々pnpまたはnpnパワーMOSトランジスタを挙げることができる。この場合に、パワーMOSトランジスタの性質により、これらスイッチ素子には、機械的な接点を持つスイッチとは異なる性質を持たせている。すなわち、pnpパワーMOSトランジスタの場合には、そのスイッチ素子が接続されている電源側の電位が高い場合のみスイッチとして機能し、逆の電位関係の場合にはスイッチにならず、常にオンになるようになっている。これは、逆電圧を加えられるとパワーMOS自体が壊れるので、ダイオードを用いて逆電流は自由に流れるようにしているためである。npnパワーMOSトランジスタの場合は、逆に電源側の電位が低い場合のみスイッチとして機能し、逆の電位関係の場合は同様に常にオンになるようになっている。
【0026】
このように第1および第2のスイッチ素子43および44は、オン状態では常に電源側の電位が高い(pnpパワーMOSトランジスタの場合)または低い(npnパワーMOSトランジスタの場合)ことがいえる。しかし、これらスイッチ素子がともにオフになった場合には、圧電素子12に残る電位が正であるか負であるかは明確ではない。したがって、第1および第2のスイッチ素子43および44がともにオフになった場合に、圧電素子12に残る電荷を逃がす必要があるが、MOSトランジスタのみではこれを実現することは困難である。そのため、図3の回路では抵抗46により圧電素子12に残留する電荷を逃がすようにしている。抵抗46は、第1のスイッチ素子43または第2のスイッチ素子44がオンになった場合には、電源の負荷になるので、その意味からは抵抗値は高いほうが望ましい。一方、圧電素子12に残留する電荷を逃がす観点からは抵抗値は低いほうが望ましい。したがって、抵抗46の抵抗値は、これらを考慮して両方の中間的な値を取ることが適切である。パンチ動作は間欠的に行われるので次のパンチ動作までの間に電荷を逃がすことができる時定数を選ぶことが適切である。
【0027】
次に、以上のように構成されるパンチング装置1の動作について説明する。
まず、パンチング装置1にシート状の被加工物20をセットする。この際に、ダイ部材18の上には、被加工物20の最初に孔を形成する部分が載せられている。動作する前の待機状態では、パンチ15は、図4に示すように、その先端が被加工物20から所定のクリアランスCを有する基準位置にある。
【0028】
この状態で孔形成を開始する。最初に、制御機構26からの指令により、駆動電気回路24の第1の直流電源部41の第1のスイッチ素子43をオンにして圧電アクチュエータ14の圧電素子12に例えば80Vの正の電圧を印加し、圧電素子12を基準位置から伸長変位させる。この場合、圧電素子12の伸長とともに第2の支持部材32が下方に移動し、第1の支持部材31は移動しないから、アーム34は、矢印Aで示すような第1のヒンジ33aを支点として外側へ回転変位する。したがって、一対のアーム34の先端は矢印Bに示すように外側に開くように移動する。このとき、センターピース36の部分で上に凸状となっている板バネ35はアームの移動によって外側に引っ張られ、センターピース36は下降するから、パンチ15はセンターピース36とともに下降し、図5に示すように、ダイ部材18上の被加工物20に孔を形成する。
【0029】
次いで、圧電素子12への電圧印加を解除することにより圧電素子12をもとの長さに戻し、アーム34を基準位置に戻してパンチ15を図4の位置まで戻す。この状態で、次の孔形成のために、移動機構22により被加工物を次の孔形成予定位置まで移動させる。
【0030】
この場合に、パンチ15は直ちに元に戻るのではなく、リバウンドと称する振動をしながら静止する。そして、この振動の振幅がパンチ15と被加工物20との間のクリアランスよりも大きい間はパンチ15が被加工物20に当たっているかあるいは形成した孔の中に入っている状態であるから被加工物20を移動させることができず、この振幅がパンチと被加工物との間のクリアランスよりも小さくなって初めて次の孔形成のために被加工物20を移動させることができる。孔形成後、単に電圧を解除しただけの場合には、図6に示すように、このようなリバウンドの最初の2つ目の山まではクリアランスよりもその幅が大きく、それを超えて被加工物の移動が可能となるから、その待ち時間を含めてパンチ所要時間が約6msecと長い。
【0031】
そこで、本実施形態では、図7に示すように、圧電素子12への正の電圧の印加を停止すると同時に、駆動電気回路24の第2の直流電源部42をオンにするように第2のスイッチ素子44を制御し、圧電アクチュエータ14の圧電素子12に例えば25Vの負の電圧(−25V)を印加する。そうすると、圧電素子12が縮小し、アーム34は第1のヒンジ33aを支点として内側へ回転変位する。したがって、一対のアーム34は矢印Bとは逆に内側に閉じるように移動し、パンチ15が上昇する。これにより、基準位置におけるパンチ15と被加工物との位置関係を変えることなくパンチ15と被加工物20との間のクリアランスが拡がったのと同じこととなり、リバウンドの影響が回避され、パンチ所要時間が約3msecと負の電圧を印加しない場合に比べて約半分となる。したがって、孔開け加工を従来の倍の極めて高いスループットで行うことができる。
【0032】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
ここでは、装置構成自体は上記実施形態と同じであるが、パンチの駆動方式が異なっている。図8は、本実施形態の駆動方法を説明するための図である。この図に示すように、本実施形態では、孔形成前に、圧電素子12にパンチ15の変位がパンチ15と被加工物20との間のクリアランスを超えないように短時間の電圧を印加し、その後、孔形成のための電圧を圧電素子12に印加するように制御機構26が駆動電気回路24を制御する。
【0033】
この場合に、短時間電圧印加後の戻りのパンチ15は基準位置よりも上方側まで振れるので、その後の孔形成のための電圧印加を、短時間電圧印加の際の基準位置よりも上方から基準位置への戻り変位と、孔形成のための電圧印加の際の変位を前記圧電素子に印加した際の変位とが加算されるようなタイミングにするように制御機構26が駆動電気回路24を制御すれば、パンチ15の発生変位がより大きくなり、発生するパンチ力もより大きくすることができる。したがって、位置のガイド孔等、形成する孔の数は少ないが強いパンチ力が要求される場合に適している。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では複数のパンチングエレメントを密接して一方向に配置した場合について示したが、これに限らず他の配置であってもよいし、一つのパンチングエレメントを有するものであってもよい。また、圧電素子の構造および配列も上記実施形態に限るものではない。さらに、上記実施形態ではパンチを下降させる際に正の電圧を圧電素子に印加するようにしたが、逆に負の電圧を印加するようにしてもよい。さらにまた、駆動電気回路も上記のものに限定されるものではなく、同様な機能を有する回路であればどのようなものであってもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、移動機構により被加工物を移動させる時間の少なくとも一部の時間において、駆動電気回路が圧電素子にパンチ駆動時の電圧と逆極性の電圧を印加するので、1回のパンチング動作が終了したパンチを基準位置よりも上昇させることができ、リバウンドの振動を上方にずらすことができる。したがって、次の孔形成のために被加工物を移動させるまでの時間を短縮することができ、孔開け加工を高スループットで行うことができる。
【0036】
また、本発明によれば、孔形成前に、駆動電気回路が圧電素子にパンチの変位がパンチと被加工物との間のクリアランスを超えないように短時間の電圧を印加し、その後、孔形成のための電圧を前記圧電素子に印加するので、最初の短時間の電圧印加により、戻りのパンチは基準位置よりも上方側まで振れ、その際の基準位置への戻り変位と、その後、孔形成のための電圧を前記圧電素子に印加した際の変位とが加算されるようにすることができる。その結果、パンチの発生変位がより大きくなり、発生するパンチ力もより大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパンチング装置を示す正面図。
【図2】図1のパンチング装置のパンチヘッドに用いられるパンチエレメントの構造を示す側面図。
【図3】図1のパンチング装置に用いられる駆動電気回路を示す図。
【図4】図2のパンチエレメントにおける孔形成前のパンチ周辺の状態を拡大して示す側面図。
【図5】図2のパンチエレメントにおける孔形成の際のパンチ周辺の状態を拡大して示す図。
【図6】孔形成の際の電圧のみを印加した場合の電圧印加とパンチの変位とを示す図。
【図7】本発明に従って孔形成の際の電圧を印加後、逆極性の電圧を印加した場合の電圧印加とパンチの変位とを示す図。
【図8】本発明の他の実施形態に係るパンチ駆動方式を採用した場合の電圧印加とパンチの変位との関係を示す図。
【符号の説明】
1;パンチング装置
10;パンチヘッド
11;パンチエレメント
12;圧電素子
13;変位拡大機構
14;圧電アクチュエータ
15;パンチ
18;ダイ部材
20;被加工物
22;移動機構
24;駆動電気回路
26;制御機構
41;第1の直流電源部(正電圧)
42;第2の直流電源部(負電圧)
43;第1のスイッチ素子
44;第2のスイッチ素子
45;スイッチ制御回路

Claims (8)

  1. シート状の被加工物に連続的に複数の孔を形成するパンチング装置であって、
    圧電素子および該圧電素子の変位を拡大する変位拡大機構からなる圧電アクチュエータと前記変位拡大機構に取り付けられたパンチとを含むパンチエレメントを備えたパンチヘッドと、
    前記圧電素子に電圧を供給して前記圧電素子を駆動させる駆動電気回路と、
    前記駆動電気回路を制御する制御機構と、
    前記パンチに対向して設けられ、被加工物を支持するとともに、前記パンチが突出した際に前記パンチの先端部が挿通される孔を有するダイ部材と、
    一の孔形成動作から次の孔形成動作の間に前記ダイ部材の上で被加工物を移動させる移動機構と
    を具備し、
    前記制御機構は、前記移動機構により被加工物を移動させる時間の少なくとも一部の時間において、前記パンチのリバウンドによる振動をシフトさせるように、前記駆動電気回路が前記圧電素子にパンチ駆動時の電圧と逆極性の電圧を印加するように前記駆動電気回路を制御することを特徴とするパンチング装置。
  2. 前記駆動電気回路は、前記圧電素子に正の電圧を与える第1の直流電源部と、前記圧電素子に負の電圧を与える第2の直流電源部と、前記第1の直流電源部から前記圧電素子への正電圧印加のオン・オフを切り換える第1のスイッチ手段と、前記第2の直流電源部から前記圧電素子への負電圧印加のオン・オフを切り換える第2のスイッチ手段とを有し、前記制御機構は、前記第1および第2のスイッチ手段のオン・オフを制御することを特徴とする請求項1に記載のパンチング装置。
  3. 前記駆動電気回路は、第1のスイッチ手段および第2のスイッチ手段のいずれもがオフの場合に、圧電素子に残留する電荷を逃がす回路要素を有することを特徴とする請求項2に記載のパンチング装置。
  4. 前記駆動電気回路は、前記圧電素子に過大な電流が流れ込むことを阻止する回路要素を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のパンチング装置。
  5. 前記パンチヘッドは、複数のパンチエレメントを密接させて一方向に配列してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のパンチング装置。
  6. 圧電素子および該圧電素子の変位を拡大する変位拡大機構からなる圧電アクチュエータと前記変位拡大機構に取り付けられたパンチとを含むパンチエレメントを備えたパンチヘッドと、前記パンチに対向して設けられ、被加工物を支持するとともに、前記パンチが突出した際に前記パンチの先端部が挿通される孔を有するダイ部材とを有するパンチング装置を用いてシート状の被加工体を移動させながら連続的に複数の孔を形成するパンチング方法であって、
    一の孔形成動作から次の孔形成動作の間に被加工物を移動させる時間の少なくとも一部の時間において、前記パンチのリバウンドによる振動をシフトさせるように、駆動電気回路が前記圧電素子にパンチ駆動時の電圧と逆極性の電圧を印加することを特徴とするパンチング方法。
  7. シート状の被加工物に連続的に複数の孔を形成するパンチング装置であって、
    圧電素子および該圧電素子の変位を拡大する変位拡大機構からなる圧電アクチュエータと前記変位拡大機構に取り付けられたパンチとを含むパンチエレメントを備えたパンチヘッドと、
    前記圧電素子に電圧を供給して前記圧電素子を駆動させる駆動電気回路と、
    前記駆動電気回路を制御する制御機構と、
    前記パンチに対向して前記パンチが基準位置にある場合に前記パンチとの間に所定のクリアランスをおいて設けられ、被加工物を支持するとともに、前記パンチが突出した際に前記パンチの先端部が挿通される孔を有するダイ部材と
    を具備し、
    前記制御機構は、孔形成前に、前記駆動電気回路が前記圧電素子に前記パンチの変位が前記クリアランスを超えないように短時間の電圧を印加し、その後、孔形成のための電圧を前記圧電素子に印加するように前記駆動電気回路を制御することを特徴とするパンチング装置。
  8. 圧電素子および該圧電素子の変位を拡大する変位拡大機構からなる圧電アクチュエータと前記変位拡大機構に取り付けられたパンチとを含むパンチエレメントを備えたパンチヘッドと、前記パンチに対向して前記パンチが基準位置にある場合に前記パンチとの間に所定のクリアランスをおいて設けられ、被加工物を支持するとともに、前記パンチが突出した際に前記パンチの先端部が挿通される孔を有するダイ部材とを有するパンチング装置を用いてシート状の被加工体を移動させながら連続的に複数の孔を形成するパンチング方法であって、
    孔形成前に、駆動電気回路が前記圧電素子に前記パンチの変位が前記クリアランスを超えないように短時間の電圧を印加し、その後、孔形成のための電圧を前記圧電素子に印加することを特徴とするパンチング方法。
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