JP4536919B2 - キレート化剤としての1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸誘導体 - Google Patents
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Description
本発明は、式(I)の新規な1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸誘導体、常磁性金属イオンとのその錯体、および生理学的に適合するその塩、ならびにその製造、およびキレート化剤の製造のためのその使用に関する。
【0002】
【化14】
【0003】
特に、本発明は、式(X)の新規な化合物である1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸の誘導体、常磁性金属イオンとのそのキレート化錯塩、および生理学的に適合するその塩、ならびにその製造、およびキレート化剤の製造のためのその使用に関する。
【0004】
【化15】
【0005】
一般式(I)の化合物、特に式(X)の化合物は、二価または三価の金属イオンのための新規なキレート化剤であり、1−位および4−位で対称的に官能化された、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン誘導体のキレート化剤の合成のための、重要な中間体でもある。
【0006】
したがって、一般式(I)の化合物は、そのうちのいくつかが生物医学分野に用途を有する、異なる金属を錯化することができる多座誘導体、たとえば、磁気共鳴の手法(磁気共鳴造影、MRI)のための造影剤として診断に用いられる、該誘導体のガドリニウム錯体の合成のための出発材料となる。
【0007】
特に、「磁気共鳴造影」(M.R.I.)による医学的診断は、臨床的医療における強力な診断手段であることが公知であって〔Stark, D.D., Bradley, W.G., Jr.編、“Magnetic Resonance Imaging” The C. V. Mosby Company, St. Louis, Missouri(米国)、1988〕、好ましくは、アミノポリカルボン酸および/または誘導体もしくはその類似体との二価および三価の常磁性金属イオンとのキレート化錯塩を含有する、常磁性医薬組成物を主に利用している。
【0008】
現在、それらのうち何種類かは、M.R.I.造影剤(Gd−DTPA、すなわちジエチレントリアミノ五酢酸とのガドリニウム錯体のN−メチルグルカミン塩、MAGNEVIST(登録商標)、Scherring;Gd−DOTA、すなわち1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸とのガドリニウム錯体のN−メチレングルカミン塩、DOTAREM(登録商標)、Guerbet)として、診療所で用いられている。
【0009】
この診断の分野における、従来の技術を示す重要な特許文献のリストは、例示的であるにすぎず、不完全ではあるが、下記のとおりである:ヨーロッパ特許第71564号公報(Schering)、米国特許第4639365号明細書(Sherry)、米国特許第4615879号明細書(Runge)、ドイツ国特許公開第3401052号明細書(Schering)、ヨーロッパ特許第130934号公報(Schering)、ヨーロッパ特許第65728号公報(Nycomed)、ヨーロッパ特許第230893号(Bracco)、米国特許第4826673号明細書(Mallinckrodt)、米国特許第4639365号明細書(Sherry)、ヨーロッパ特許第299795号公報(Nycomed)、ヨーロッパ第258616号公報(Salutar)、国際公開特許第8905802号公報(Bracco)。
【0010】
本発明の目的は、一般式(I):
【0011】
【化16】
【0012】
〔式中、Rは、水素原子;非置換であるか、または1〜10個の酸素原子で置換された直鎖状もしくは分岐鎖状または環状のC1〜C6アルキル基であるか;あるいはフェニレン(このものは、非置換であるか、または1〜3個のC1〜C7の基で置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1〜C6アルキル基で置換されている)で場合により中断されたC1〜C20アルキル基であり;芳香族の基は、非置換であるか、またはアルコキシ、カルボキシル、スルファモイル、ヒドロキシアルキルもしくはアミノ基で置換されている〕
で示される化合物;
【0013】
あるいは20〜31、39、42、43、44、49、または57〜83の間で変化しうる原子番号を有する二価もしくは三価の金属イオンとのその錯体;あるいは、たとえば、酢酸、コハク酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸よりなる群から選ばれる、生理学的に許容しうる有機酸アニオンとの、またはハロ酸イオン、すなわち塩化物、臭化物、ヨウ化物のような無機酸アニオンとの、その塩である。一般式(I)の新規なキレート化剤との錯塩を製造するのに適する金属イオンは、主として、20〜31、39、42、43、44、49、または57〜83の間で変化しうる原子番号を有する元素の、二価もしくは三価のイオンであり;特に好ましいものは、Fe(2+)、Fe(3+)、Cu(2+)、Cr(3+)、Gd(3+)、Eu(3+)、Dy(3+)、La(3+)、Yb(3+)もしくはMn(2+)、または51Cr、67Ga、68Ga、111In、99mTc、140La、175Yb、153Sm、166Ho、90Y、149Pm、177Lu、47Sc、142Pr、159Gd、212Biのような放射性同位元素である。
【0014】
好ましくは、Rは、上記に定義されたとおり、H、または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(このものは、ヒドロキシル基で置換されているか、または1〜10個の酸素原子で中断されている)、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびイソブチル基よりなる群から選ぶことができる。
【0015】
R中に芳香族の基が存在するとき、特に好ましいのは、フェニルおよびベンジル基である。
【0016】
特に好ましいものは、α,α′−ジメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸、α,α′−ジエチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸およびα,α′−ジベンジル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸よりなる群から選ばれる式(I)の化合物である。
【0017】
本発明のキレート化錯体を塩化するのに適する好適な無機酸アニオンは、特に、塩化物、臭化物、ヨウ化物のようなハロ酸イオン、または硫酸のようなその他のイオンを含む。
【0018】
上記の目的に好適な有機酸のアニオンは、塩基性物質の塩化のために薬剤技術に慣用される酸、たとえば酢酸、コハク酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸のそれを含む。
【0019】
好適なアミノ酸アニオンは、たとえば、タウリン、グリシン、リシン、アルギニンもしくはオルニチン、またはアスパルギン酸およびグルタミン酸のそれを含む。
【0020】
錯体金属塩の形成は、好ましくは水中、または適切な水−アルコール混合物中で、化合物(I)と金属塩(酸化物またはハロゲン化物)とを反応させることによって、慣用的な方法で実施するが、温度は、25〜100℃、好ましくは40〜80℃の範囲であることができる。
【0021】
金属イオン、およびいかなる中和イオンの選択も、製造しようとする錯体の意図される用途に密接に関連する。
【0022】
この新規な化合物、すなわち中性の形態であり、そのため、生理学的に適合する塩の形成を必要としない、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸のマンガン錯体の製造は、実験の部に記載される。
【0023】
【化17】
【0024】
本発明の新規な化合物は、良好な許容性を有し;そのうえ、その水溶性、およびその溶液の低い浸透圧モル濃度は、さらに好都合な特徴であって、それらを核磁気共鳴の用途に特に適するようにしている。
【0025】
可溶性および難溶性の化合物は、双方とも、経口および経腸投与に、かつそのため胃腸管の造影に有用である。
【0026】
非経口投与に関する限りでは、該化合物は、好ましくは、無菌の水溶液または懸濁液として配合され、そのpHは、たとえば6.0〜8.5の範囲であることができる。
【0027】
これらの水溶液または懸濁液は、0.002〜1.0モルにわたる濃度で投与することができる。
【0028】
これらの配合物は、凍結乾燥し、使用前の再構成に向けてそのまま供給することができる。胃腸への使用、または体腔への注入用には、そのような薬剤は、適切な添加物、たとえば増粘剤を含有する溶液または懸濁液として配合することができる。
【0029】
経口投与においては、製剤の慣習に一般的に用いられる調剤法に従って、被覆配合物としてでも配合して、胃液に代表的であるpHで特に発生する、キレート化された金属イオンの放出を防ぐことによって、胃酸のpHからのさらなる保護を得ることができる。
【0030】
その他の賦形剤、たとえば甘味料および/または香味料も、薬剤配合の既知の技法に従って加えることができる。
【0031】
本発明のキレート化錯塩は、核医学における放射性医薬として、診断および治療部門の双方で用いることもできる。
【0032】
しかし、この場合、キレート化される金属イオンは、放射性同位元素、たとえば51Cr、67Ga、68Ga、111In、99mTc、140La、175Yb、153Sm、166Ho、90Y、149Pm、177Lu、47Sc、142Pr、159Gdおよび212Biである。
【0033】
本発明の化合物は、場合により、適切な高分子と化学的に共役させるか、または適切な担体に含ませることができる。
【0034】
式(II)のトリエチレンテトラミンから出発して、一般式(I)の化合物を製造する方法も、本発明の一つの目的であって、反応式1に示される下記の工程:
【0035】
【化18】
【0036】
(a)水もしくは水溶性溶媒、またはそれらの混合物中、化学量論量もしくはやや過剰量の水酸化カルシウムの存在下に、0〜50℃の温度で、式(II)のトリエチレンテトラミンと、グリオキサール誘導体(グリオキサール水和物、またはベルタニーニの塩)とを縮合させて、式(III)のオクタヒドロ−3H,6H−2a,5,6,8a−テトラアザアセナフチレンを得る工程;
【0037】
(b)工程(a)からの化合物と、アルキル化剤X−CH2−CH2−X(式中、XはClまたはBrである)の、化合物(III)の1モルあたり1〜5モルの量とを、双極性非プロトン溶媒中、アルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる塩基の、化合物(III)の1モルあたり5〜10モルの量の存在下に、25〜150℃の温度で、NaY(YはIまたはBrである)の、化合物(III)の1モルあたり0.1〜2モルの量を触媒として加えて縮合させて(XおよびYは同時にBrではない)、式(IV)のデカヒドロ−2a,4a,6a,8a−テトラアザシクロペンタ〔fg〕アセナフチレンを得る工程;
【0038】
(c)化合物(IV)を、pH4〜5において臭素で酸化して、式(V)の2,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H,5H−4a,6a−ジアザ−2a,8a−アゾニアシクロペンタ〔fg〕アセナフチレンジブロミドを得る工程;
【0039】
(d)化合物(V)の溶液への過塩素酸イオンの添加によって、水に難溶性である式(VI)の2,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H,5H−4a,6a−ジアザ−2a,8a−アゾニアシクロペンタ〔fg〕アセナフチレン二過塩素酸塩を形成させる工程;
【0040】
(e)式R−CH(X)COOH(式中、Xはハロゲンであり、Rは上記に定義されたとおりである)で示されるアルキル化剤により、式(VI)の化合物を塩基性条件下でアルキル化して、式(VII)の新規な化合物を得る工程;
【0041】
(f)化合物(VII)のホルミル基を、塩基性条件下で加水分解して、式(VIII)の新規な化合物を得る工程;
【0042】
(g)式R−CH(X)−COOH(式中、XおよびRは、上記に定義された意味を有する)で示されるアルキル化剤により、化合物(VIII)を塩基性条件下でアルキル化して、式(IX)の新規な化合物を得る工程;および
【0043】
(h)化合物(IX)を塩基性条件下で最終的に加水分解して、式(I)の化合物を得る工程
を含む。
【0044】
本発明の方法は、中間体化合物の単離を全く必要としないが、様々な分析手法を用いてそれを実施して、それらの構造を正しく特定している。
【0045】
本発明の方法は、化合物(I)を、高価な大環状誘導体の代わりに、トリエチレンテトラミンのような廉価な前駆体から製造することを可能にするため、工業的観点から特に有用である。
【0046】
工程(a)および(b)は、本出願人名によるイタリア国特許第MI 97A000783号公報の目的であり、化合物(IV)を良好な収率で提供する。
【0047】
特に、工程(b)では、アルキル化剤は、一般に、化合物(III)の1モルあたり1〜5モルの量で加える。
【0048】
反応は、好ましくはDMAC(ジメチルアセトアミド)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)およびN−メチルピロリドンよりなる群から選ばれる、双極性非プロトン溶媒中で、無機塩基、好ましくはアルカリ金属炭酸塩の存在下で実施する。
【0049】
温度は、溶媒およびアルキル化剤に応じて、25〜150℃、好ましくは30〜80℃の範囲であることができる。反応時間は、1〜48時間である。
【0050】
より具体的には、1,2−ジクロロエタンおよびNaBrを用いるとき、温度は50〜80℃の範囲であり、反応時間は2〜5時間の範囲である。
【0051】
1,2−ジクロロエタンおよびNaIを用いるときは、温度は30〜50℃の範囲であり、反応時間は5〜15時間の範囲である。
【0052】
工程(c)は、pH4〜5(酸の添加によって達成し、反応の間は、塩基、好ましくはNaOHまたはKOHの添加によって保つ)の水溶液中における、臭素の、化合物(IV)の1モルあたり2〜2.5モルの量による酸化である。
【0053】
反応温度は、17〜30℃の範囲であり、反応時間は、通常、16時間である。
【0054】
反応の終点、すなわち本発明の工程(d)では、過塩素酸ナトリウムまたは過塩素酸を、化合物(IV)の1モルあたり2.5〜3モルの範囲の量で加え、それによって、化合物(VI)を良好な収率で沈殿させる。
【0055】
工程(e)のアルキル化の条件は、文献中に一般的である。
【0056】
特に好ましいのは、Xが臭素または塩素である、式R−CH(X)−COOHのアルキル化剤であり、最も好ましいものは、Rが水素原子であり、Xが臭素または塩素である、式XCH2COOHのアルキル化剤である。
【0057】
アルキル化反応は、通常、下記の条件下で実施する:反応温度は、30〜70℃の範囲であり;反応時間は、通常、10〜25時間の範囲であり;塩基、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの添加によって、10〜12の塩基性pHを達成し;アルキル化剤の量は、化学量論的であるか、またはやや過剰量(0.5モルまで)である。
【0058】
工程(f)は、塩基、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの添加によって、塩基性にしたpHの水溶液中、50〜100℃の範囲の温度における化合物(VII)の加水分解である。
【0059】
工程(g)は、工程(e)についてすでに述べたとおりに実施する。
【0060】
工程(h)は、3〜7モルの塩基、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの添加によって塩基性にしたpHの水溶液中、150〜220℃の範囲の温度における化合物(IX)の加水分解である。
【0061】
特に好ましいのは、化合物(X)の製造のための本発明の方法であって、下記の反応式2:
【0062】
【化19】
【0063】
〔ここで、工程(e)および(g)で、アルキル化剤は、式XCH2COOHの化合物である〕に従い、新規な中間体化合物:
【0064】
式(VIIa)の、7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;式(VIIIa)の、1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;式(IXa)の、1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸の形成を介して実施する。
【0065】
アルキル化剤としてのBrCH2COOHの存在下における好適な条件は、出発生成物の1モルあたり少なくとも1.5モルのアルキル化剤;温度が45℃;反応時間が21時間;およびpHが11.5である。
【0066】
工程(e)および(g)は、同じアルキル化剤、すなわちBrCH2COOHを用いて実施し、したがってまた、この2工程については、同じ条件を用いることができる。
【0067】
そのうえ、下記の反応式に示すように、出発生成物の1モルあたり少なくとも4モルのXCH2COOH、好ましくはBrCH2COOHにより、90℃の温度、塩基性のpHで、化合物(V)または化合物(VI)を、上記の中間体を形成する工程なしに直ちにアルキル化して、化合物(IXa)を得ることが可能である:
【0068】
【化20】
【0069】
本発明のさらなる目的は、Rが上記に定義されたとおりである、一般式(VII)、(VIII)および(IX)で示される新規な化合物、より特定的には、Rが水素原子である、式(VIIa)、(VIIIa)および(IXa)で示されるものであって:
【0070】
【化21】
【0071】
これらの化合物は、反応式1に示した方法における中間体として有用である。
【0072】
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸と同様に、新規なキレート化剤、すなわち式(I)のRがメチルである、α,α′−ジメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸;Rがエチル基である、α,α′−ジエチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸;およびRがベンジルである、α,α′−ジベンジル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸を製造した。
【0073】
この場合も、新規なキレート化錯体を製造する方法は、新規な中間体化合物、すなわちα−メチル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;α−メチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;α,α′−ジメチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸;
【0074】
【化22】
【0075】
α−エチル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸、α−エチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸、α,α′−ジエチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸;
【0076】
【化23】
【0077】
α−ベンジル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸、α−ベンジル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸、α,α′−ジベンジル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸を必要とする。
【0078】
【化24】
【0079】
予期しなかったことに、化合物(VII)および(VIII)、そして特に(VIIa)および(VIIIa)の、塩基、好ましくはNaOHまたはKOHの添加によって達成される塩基性条件(pH>13)下で、高温度(150〜220℃、好ましくは180〜200℃)および加圧下における加水分解は、Rが上記に定義されたとおりである式(XI)の化合物を生じることも見出された。
【0080】
【化25】
【0081】
該化合物は、金属イオンのためと、さまざまに置換されたキレート化剤の製造のためとの、両方のキレート化剤として有用である。
【0082】
この方法は、Rが水素原子であるとき、既知の化合物である1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1−酢酸の製造に、特に好適である〔Meunierら, Can. J. Chem., 73, 685, 1995を参照されたい〕。
【0083】
【化26】
【0084】
この場合も、この化合物を製造する方法は、文献中にすでに述べられたものより効率的であり、より工業的適用に適している。
【0085】
化合物(I)を製造する方法であって、下記の反応式3:
【0086】
【化27】
【0087】
〔ここで、前記の反応式の工程(d)を省略し、化合物(V)を、反応式1の工程(e)に記載の手順に従って直接にアルキル化して、化合物(VII)を得る〕で示される工程を含む方法もまた、本発明の目的である。
【0088】
特に好ましいのは、Rが水素原子である化合物(X)の製造のための、反応式3による方法である。
【0089】
一般式(I)の化合物は、それら自体、一般式(XII):
【0090】
【化28】
【0091】
〔式中、
Rは、上記に定義されたのと同じ意味を有し、
R1は、水素原子;非置換であるか、または1〜10個の酸素原子で置換された直鎖状もしくは分岐鎖状または環状のC1〜C6アルキル基であるか;あるいはフェニレン、フェニレンオキシまたはフェニレンジオキシ(このものは、非置換であるか、または1〜7個のヒドロキシル基、もしくは1〜3個のC1〜C7の基で置換された直鎖状もしくは分岐鎖状のC1〜C6アルキル基で置換されている)で場合により中断されたC1〜C20アルキル基であり;芳香族の基は、非置換であるか、またはアルコキシ基、もしくはハロゲン、カルボキシル、カルバモイル、アルコキシカルボニル、スルファモイル、ヒドロキシアルキル、アミノ、アシルアミノ、アシル、ヒドロキシアシルで置換されており、
Zは、下記の基:
【0092】
【化29】
【0093】
の1種であり、
R′は、R1とは独立に、水素原子を除いてR1と同じ意味を有する〕
の化合物の製造に有用な基質である。
【0094】
式(XII)の化合物は、ヨーロッパ特許第325762号公報の実施例に記載されたように、NMR診断用造影剤の製造のための、常磁性金属イオンのキレート化剤として有用である。
【0095】
特に好ましいものは、一般式(XIII):
【0096】
【化30】
【0097】
〔式中、RおよびR1は、上記に定義された意味を有する〕
で示される化合物である。
【0098】
化合物(I)から出発して、公知の方法により、過剰量の式(XIV)のアルキル化剤R1−CH(X1)−COYによるアルキル化によって、化合物(XIII)を製造する方法もまた本発明の目的であって、下記の反応式4:
【0099】
【化31】
【0100】
〔式中、
R1およびRは、上記に定義されたとおりの意味を有し;
X1は、ハロゲンまたはスルホン酸反応性残基であり;
Yは、−OHまたは−OR2基であって、R2は、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C4アルキル基であり;Yが−OR2のとき、エステル基を加水分解して、式(XIII)の化合物を得る〕
で示される。
【0101】
X1が臭素または塩素である化合物R1−CH(X1)−COOHに相当する、式(XIV)のアルキル化剤が好ましく、特に好ましいのは、R1が水素原子であり、X1が臭素または塩素である、式X1CH2COOHのアルキル化剤である。
【0102】
その他の場合は、式(XIV)のアルキル化剤は、すでに商業的に入手できるか、もしくはその製造が、文献にすでに記載されているか〔たとえば国際公開特許第93/24469号またはヨーロッパ特許第325762号公報を参照されたい〕、またはいまだ合成されていないが、たとえば適切な前駆体の製造のための既知の方法を用い〔たとえば、アシルクロリドのα−ハロゲン誘導体については、Harppら, J. Org. Chem., 40, 3420, 1975を参照されたい〕、ついで、目的生成物に変換した化合物から選ぶことができる。
【0103】
好ましくは、R1は、上記に定義されたとおり、H、または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(このものは、ヒドロキシル基で置換されているか、または酸素原子で中断されている)、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびイソブチル基よりなる群から選ぶことができる。
【0104】
R1に芳香族の基が存在するとき、特に好ましいのは、フェニル、ベンジル、フェニルメトキシメチル基である。
【0105】
特に好ましいものは、3−(フェニルメトキシ)プロパン酸の反応性誘導体、たとえば2−ブロモ−3−(フェニルメトキシ)プロパン酸〔その製造は、Grossmanら, Chem. Ber., 91 538, 1958に記載〕、および臭素化誘導体と同様に製造される2−クロロ−3−(フェニルメトキシ)プロパン酸(CAS登録番号第124628-32-6号)である。
【0106】
他方、R2は、好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、ブチルおよびtert−ブチルよりなる群から選ばれる。
【0107】
反応性の基X1は、たとえば、すでに述べたとおり、ハロゲン(Cl、Br、I)よりなる群から選ぶことができるか、またはメシラート(MeSO2O-)、ベンゼンスルホニルオキシ(PhSO2O-)、ニトロベンゼンスルホニルオキシ(p−NO2PhSO2O-、トシラート(TsO-)もしくはトリフラート(CF3SO3 -)基であることができる。
【0108】
化合物(I)のアルキル化は、Yがヒドロキシル基であるときは、好都合には、上記の反応式1に示したとおりに実施することができる。
【0109】
特に好ましいものは、Yがヒドロキシル基である、一般式(XIV)のアルキル化剤であって、ブロモ酢酸(商業的に入手できる製品)、2−ブロモプロピオン酸(商業的に入手できる製品)、2−ブロモ酪酸(商業的に入手できる製品)に相当する。
【0110】
反応溶媒は、適切には、双極性非プロトン溶媒から、特にジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CH3CN)およびN−メチルピロリドンから選ぶことができ、反応は、有機塩基、好ましくは、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミンおよびトリブチルアミンから選ばれる第三級脂肪族アミンの存在下で実施する。
【0111】
この場合、やはり、式(I)の化合物に存在する酸の基を、エステル基−OR2に変換して、アルキル化剤自体の反応性に応じて、アルキル化反応を促進するのが好都合であることができる。
【0112】
反応温度は、この場合、選ばれたアルキル化剤の反応性に応じて、0〜80℃の範囲になる。
【0113】
この場合、アルキル化反応の後、得られたジエステルを、続いて慣用の条件下で塩基性加水分解して、一般式(XIII)の目的化合物を得ることになる。
【0114】
この合成経路が与える膨大な潜在的可能性を例示するため、実験の部は、新規な化合物であるα,α′−ビス(メチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸:
【0115】
【化32】
【0116】
の合成とともに、α,α′−ビス〔(フェニルメトキシ)メチル〕−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸:
【0117】
【化33】
【0118】
のそれも記載するが、それらは、ヨーロッパ特許第325762号公報の実施例6に記載されたとおり、接触水素化によって、α,α′−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸を生じる。
【0119】
【化34】
【0120】
他方、化合物(XII)で、Zがホスホンまたはホスフィン基であるとき、該化合物は、文献中に既知の方法に従って製造される。より具体的には、ホスホン誘導体は、対応する環状アミンの塩酸塩または臭化水素酸塩から、ホルムアルデヒドおよびリン酸(H3PO3)との反応によって得られる〔Sherryら, Inorg. Chem., 28, 3336, 1989を参照されたい〕。ホスフィン化合物は、無水溶媒中における、対応するホスフィン誘導体(たとえばジエトキシメチルホスフィン(EtO)2PMe)およびパラホルムアルデヒドとの反応による、従来のエステル化(たとえばtert−ブチルエステルの形成)によって、化合物(I)から得られる。縮合から得られたジエステルは、高温の酸溶液中で加水分解して、対応するアルキルホスフィン酸を得る〔たとえば、Parkerら, J. Chem. Soc. Chem. Commun., 1738, 1990を参照されたい〕。
【0121】
文献中に既知の方法に従って、化合物(I)から出発する、式(XV)の新規な化合物1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸−7,10−ジメチレンジホスホン酸の合成を、実験の部で報告する。
【0122】
【化35】
【0123】
以下、本発明の方法によるいくつかの製造例を報告する。
【0124】
実験の部
実施例1
2,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H,5H−4a,6a−ジアザ−2a,8a−アゾニアシクロペンタ〔fg〕アセナフチレン二過塩素酸塩
【0125】
【化36】
【0126】
(A)トリエチレンテトラミン水和物
商業的なトリエチレンテトラミン(出発純度62%、GCによる面積%による)520gを、トルエン800mlに溶解した。撹拌しつつ水80mlを加え、混合物を25℃に冷却し、精製したトリエチレンテトラミンを種結晶として加えた。懸濁液を20℃で45時間撹拌し、ついで、5〜10℃で1時間冷却した。晶出した固体を濾過し、いくらかのトルエンで洗浄し、ついで減圧下に、30℃で8時間乾燥した。目的生成物365gを得た。
収率:91%(理論値に対して)
含水量:17%
GC:97%(面積%)
【0127】
(B)3H,6H−2a,5,6,8a−オクタヒドロテトラアザアセナフチレン
【0128】
【化37】
【0129】
水(1L)中のトリエチレンテトラミン水和物(100g、0.54モル)の溶液に、水酸化カルシウム80g(1.08モル)を加えた。乳状の懸濁液を、温度5℃まで冷却し、ついで、撹拌しつつ5%グリオキサール水溶液(626g、0.54モル)を加えた。2時間後、反応が完了した(トリエチレンテトラミンは不存在、GC分析による)。温度20℃に加温した後、不溶性の無機固体を濾別し、水洗した。濾液を、ロータリーエバポレーターにより、減圧下で濃縮乾固した。
【0130】
目的の中間体100gを、無色油状液体の形態で得た(GC純度:>75%)。
収率:70%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0131】
(C)2a,4a,6a,8a−デカヒドロテトラアザシクロペンタ〔fg〕アセナフチレン
【0132】
【化38】
【0133】
3H,6H−2a,5,6,8a−オクタヒドロテトラアザアセナフチレン266g(1.58モル)に、ジエチルアセトアミド4.4L、Na2CO3837g(7.9モル)およびNaBr81.3g(0.79モル)を加えた。懸濁液を58℃に加熱し、ついで、DMAC800mlに溶解した1,2−ジクロロエタン469g(4.74モル)を、撹拌しつつ加えた。混合物を80℃に加熱し、3時間反応させた。懸濁液を冷却し、塩を濾別し、濾液にセライト192gを加え、溶媒を減圧下で留去した。残留物をヘキサンに溶解し、4回の固−液抽出を行った。有機物の抽出物を濃縮乾固して、目的生成物184g(0.94モル)を得た。
収率:59%
GC:98.5%(面積%)
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0134】
(D)2,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H,5H−4a,6a−ジアザ−2a,8a−アゾニアシクロペンタ〔fg〕アセナフチレン二過塩素酸塩
【0135】
2a,4a,6a,8a−デカヒドロテトラアザシクロペンタ〔fg〕アセナフチレン50.4g(0.259モル)を、脱イオン水955gに溶解した。pH4.5になるまで1規定HCl290gを加え、ついで溶液を20℃に冷却し、臭素104.93g(0.65モル)を加え、同時に、1規定NaOH1.256kgをこれに滴下して、pHを4.5に保った。混合物を室温で終夜反応させ、溶液を減圧下、50℃で、0.73kgの重量まで濃縮し、ついで25℃に冷却し、撹拌しつつ過塩素酸ナトリウム一水和物の50重量%水溶液146gを加えた。2時間後、沈殿を濾取し、水洗した。静置型乾燥器中で、減圧下に、50℃で乾燥した後、生成物61.34g(0.156モル)を得た。
収率:60%
【0136】
【0137】
実施例2
7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸の合成
【0138】
【化39】
【0139】
実施例1で製造した化合物(VI)20g(0.051モル)を、脱イオン水200mlに懸濁させた。2規定NaOHを加えて、pH12に到達させ、混合物を45℃に加熱した。80重量%ブロモ酢酸水溶液(19.5g、0.11モル)および2規定NaOHを同時に滴下して、pH12に保った。混合物を45℃で5時間反応させた。溶液を冷却し、34重量%HClでpH1.1まで酸性化した。懸濁液を22℃で3時間撹拌し、吸引濾過し、フィルター上の固体を脱イオン水で洗浄した。静置型乾燥器中で、減圧下で乾燥した後、目的生成物18.67g(0.048モル)が得られ、過塩素酸塩として単離した。
収率:94%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0140】
同様にして、
α−メチル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;
α−エチル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;
α−ベンジル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸
を製造した。
【0141】
実施例3
1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸の合成
【0142】
【化40】
【0143】
実施例2で製造した化合物(VIIa)10g(0.026モル)を、脱イオン水100mlに懸濁させた。pH12になるまで2規定NaOHを加えて、混合物を、2規定NaOHの添加によって所望のpHに保ちつつ、90℃に5時間加熱した。溶液を22℃に冷却し、34重量%HClによる酸性化によって、pH1.1に調整した。ロータリーエバポレーター中で、溶液を部分的に濃縮し、無機物の沈殿を濾別した。溶液を、脱イオン水で溶離する0.38Lのポリスチレン吸着性樹脂XAD−1600で濾過した。塩化物イオンを含まない生成物を含有する画分を捕集し、合わせて、ロータリーエバポレーター中で濃縮して、残留物を得た。
【0144】
目的生成物5.35g(0.015モル)が、過塩素酸塩として得られた。
収率:57%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0145】
同様にして、
α−メチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;
α−エチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;
α−ベンジル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸
を製造した。
【0146】
実施例4
1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸の合成
【0147】
【化41】
【0148】
実施例1で製造した化合物(VI)20g(0.051モル)を、脱イオン水200mlに懸濁させた。pH11.5になるまで35重量%NaOHを加えて、80重量%ブロモ酢酸水溶液(22.06g、0.127モル)を滴下して、その添加の間に2規定NaOHを加えてpH11.5に保ちつつ、温度90℃に4時間加熱した。添加の終点で、溶液をさらに45℃に3時間保って、反応を完結させた。溶液を34重量%HCl溶液でpH1.1まで酸性化し、吸着性樹脂XAD−1600の2.2Lを含むカラムで濾過した。精製された、無機塩を含有しない画分を捕集し、濃縮して、固体残留物を得た。
【0149】
目的生成物13.2g(0.042モル)が得られた。
収率:82%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0150】
同様にして、
α,α′−ジメチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸;
α,α′−ジエチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸;
α,α′−ジベンジル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸;
を製造した。
【0151】
実施例5
実施例4に対する、化合物(VI)を回収しない代替例
実施例1で製造した化合物(IV)29.1g(0.15モル)を、脱イオン水570mlに溶解した。pH4.5になるまで1規定HCl174gを加え、ついで溶液を20℃に冷却し、臭素60g(0.375モル)および1規定NaOH0.75kgを同時に滴下して、pHを4.5に保った。室温で終夜反応させた後、溶液を減圧下、50℃で、200gまで濃縮した。得られた溶液に、80重量%ブロモ酢酸溶液104.3g(0.6モル)を、90℃で5時間、pH11.5を保ちつつ滴下した。得られた溶液を、このpH、およびこの温度に5時間保って溶液を得て、これを23℃まで冷却し、34重量%HCl溶液でpH1.1まで酸性化した。530gまで部分的に濃縮した後、溶液を、脱イオン水で溶離するポリスチレン吸着性樹脂XAD−1600の4.2Lを含むカラムで濾過し、有用で塩を含まない画分を捕集して、これを合わせ、濃縮して、固体残留物を得た。
【0152】
1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸33g(0.105モル)が得られた。
収率:70%
【0153】
実施例6
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸の合成
【0154】
【化42】
【0155】
実施例4で製造した化合物(IXa)11.63g(0.037モル)を、脱イオン水50ml、および30重量%NaOH24.9gを含有する溶液に懸濁させた。得られた溶液を、オートクレーブParrに入れ、195℃に22時間加熱し、ついで、34重量%HClの溶液20gの滴下によってpH4に酸性化し、紙を通して濾過した。得られた溶液を、強アニオン性イオン交換樹脂およびポリビニルピリジン樹脂で精製し、生成物を、メタノール/アセトン溶液からの再結晶によって回収した。
【0156】
目的生成物6.34g(0.022モル)が得られた。
収率:60%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0157】
同様にして、
α,α′−ジメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸;
α,α′−ジエチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸;
α,α′−ジベンジル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸;
を製造した。
【0158】
実施例7
【0159】
【化43】
【0160】
実施例2で製造した化合物(VIIa)15g(0.038モル)を、脱イオン水50ml、および30重量%NaOH25.3gに懸濁させた。懸濁液を、オートクレーブParrに入れ、195℃に16時間加熱した。得られた溶液を、強アニオン性イオン交換樹脂、ポリビニルピリジン樹脂および吸着性樹脂XAD−1600にて精製した。精製された生成物を含む、得られた画分を合わせ、濃縮して、固体残留物を得た。
【0161】
目的生成物5.1g(0.022モル)が得られた。
収率:58%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0162】
実施例8
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸−7,10−ジメチレンジホスホン酸の合成
【0163】
【化44】
【0164】
実施例6で得られた化合物(X)5.8g(0.02モル)を、15重量%HClの60mlおよびH3PO3(4.1g、0.05モル)に加えた。溶液を加熱して還流させ、ついで、37重量%ホルムアルデヒド溶液5.94ml(0.08モル)をこれに30分で滴下した。溶液を、5時間還流し、ついで濃縮して、油状残留物を得た。生成物を、水からの晶出によって精製し、ついで乾燥し、それによって目的生成物4.8g(0.01モル)を得た。
収率:50%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0165】
実施例9
α,α′−ビス(メチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸の合成
【0166】
【化45】
【0167】
実施例6に従って製造した、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸5g(0.017モル)を、水45gで希釈し、水40mlに2−ブロモプロピオン酸8.04g(0.051モル)を溶解して調製した溶液に、徐々に加えた。混合物を、2規定NaOHの添加によってpHを10.5〜11に保ちつつ、45℃で12時間反応させ、室温に冷却し、濃塩酸でpH2に酸性化した。1時間後、沈殿した固体を濾取し、フィルターを脱イオン水で洗浄した。粗生成物を、ポリビニルピリジン樹脂(PVP)600mlに再溶解して、繰返し水で溶離しつつ、有用な画分を合わせ、減圧下で濃縮乾固し、静置型乾燥器中で、減圧下に50℃で乾燥し、それによって、目的生成物5.7g(0.013モル)を得た。
収率:76%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0168】
実施例10
α4,α7−ビス〔(フェニルメトキシ)メチル〕−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸の合成
【0169】
【化46】
【0170】
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸を、DMF中の2−ブロモ−3−(フェニルメトキシ)プロパン酸メチルエステルまたは2−トリフルオロメタンスルホン酸−2−(フェニルメトキシ)プロパン酸メチルエステルと、トリエチルアミンの存在下で反応させた。メチルエステルが加水分解されて、目的生成物を得た。
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0171】
実施例11
α1,α4−ビス(ヒドロキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸の合成
【0172】
【化47】
【0173】
実施例10で得た生成物を、5%Pd/Cの存在下で接触水素化に付して、必要な水素の吸着後に、目的生成物を得た。
【0174】
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
【0175】
実施例12
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸マンガン錯体の製造
【0176】
【化48】
【0177】
実施例6に記載のとおり製造した化合物(X)8.66g(30ミリモル)を、水30mlに溶解した。1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−D−グルシトール(0.3ml;0.3ミリモル)の溶液の添加によって、pHを6.8に調整し、その後、1−デオキシ−1−(メチルアミノ)−D−グルシトール(28.2ml;28.2ミリモル)の添加によってpHを6.8に保ちつつ、MnCl2(30ml、30ミリモル)を2時間かけて加えた。24時間後、溶液をMillipore(登録商標)フィルター(HA−0.22mm)を通して濾過し、ナノ濾過し、溶媒を蒸発させ、残留物をP2O5上で乾燥して、目的生成物(5.0g;14.65ミリモル)を得た。目的生成物を含有する透過物を、50mlに濃縮し、得られた固体(塩化メグルミン)を濾取した。溶液から溶媒を蒸発させて、残留物を得、それをMeOH(50ml)から晶出させて、目的生成物の第二の回収分3g(8.0ミリモル)を得た。
収率:76%
1H−NMR、13C−NMR、IRおよびMSスペクトルは、指示された構造に一致した。
Claims (29)
- 式(I):
(a)水もしくは水溶性溶媒、またはそれらの混合物中、化学量論量もしくは0.5モルまでの過剰量の水酸化カルシウムの存在下に、0〜50℃の温度で、式(II)のトリエチレンテトラミンと、グリオキサール誘導体とを縮合させて、式(III)のオクタヒドロ−3H,6H−2a,5,6,8a−テトラアザアセナフチレンを得る工程;
(b)化合物(III)と、アルキル化剤X−CH2−CH2−X(式中、XはClまたはBrである)の、化合物(III)の1モルあたり1〜5モルの量とを、双極性非プロトン溶媒中、アルカリまたはアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる塩基の、化合物(III)の1モルあたり5〜10モルの量の存在下に、25〜150℃の温度で、NaY(YはIまたはBrである)の、化合物(III)の1モルあたり0.1〜2モルの量を触媒として加えて縮合させて(XおよびYは同時にBrではない)、式(IV)のデカヒドロ−2a,4a,6a,8a−テトラアザシクロペンタ〔fg〕アセナフチレンを得る工程;
(c)化合物(IV)を、pH4〜5において臭素で酸化して、式(V)の2,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H,5H−4a,6a−ジアザ−2a,8a−アゾニアシクロペンタ〔fg〕アセナフチレンジブロミドを得る工程;
(d)化合物(V)の溶液への過塩素酸イオンの添加によって、水に難溶性である式(VI)の2,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H,5H−4a,6a−ジアザ−2a,8a−アゾニアシクロペンタ〔fg〕アセナフチレン二過塩素酸塩を形成させる工程;
(e)式R−CH(X)COOH(式中、Xはハロゲンであり、Rは上記に定義されたとおりである)で示されるアルキル化剤により、式(VI)の化合物を塩基性条件下でアルキル化して、式(VII)の化合物を得る工程;
(f)化合物(VII)のホルミル基を、塩基性条件下で加水分解して、式(VIII)の化合物を得る工程;
(g)式R−CH(X)−COOH(式中、XおよびRは、上記に定義された意味を有する)で示されるアルキル化剤により、化合物(VIII)を塩基性条件下でアルキル化して、式(IX)の化合物を得る工程;および
(h)化合物(IX)を塩基性条件下で最終的に加水分解して、式(I)の化合物を得る工程
を含む方法。 - Rが、H;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチル基よりなる群から選ばれる、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(これらの基は、非置換であるか、ヒドロキシル基で置換されているか、酸素原子1〜10個で中断されている);あるいはフェニルまたはベンジルである、請求項1記載の方法。
- 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸;α,α′−ジメチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸;α,α′−ジエチル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸;α,α′−ジベンジル−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸よりなる群から選ばれる、請求項2記載の方法。
- 1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸の製造のための請求項3の方法。
- 工程(b)において、30〜80℃の温度で、アルキル化剤を、化合物(III)の1モルあたり1〜5モルの量で加え;
工程(c)において、pH4〜5の水溶液中、17〜30℃の温度で、臭素を、化合物(IV)の1モルあたり2〜2.5モルの量で加えて、酸化を実施し;
工程(d)において、過塩素酸ナトリウムまたは過塩素酸を、化合物(IV)の1モルあたり2.5〜3モルの量で加え;
工程(e)において、反応温度が30〜70℃の範囲で、pHが10〜12の範囲であって塩基の添加によって得られ、アルキル化剤の量が、化学量論量または過剰量であり;
工程(f)が、塩基性pHの水溶液中、50〜100℃の温度における化合物(VII)の加水分解であり;
工程(g)を、工程(e)についてすでに述べたとおり実施し;そして
工程(h)が、塩基性pHの水溶液中での式(IX)の化合物の加水分解であり、150〜220℃の温度での3〜7モルの塩基の添加によって達成される、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。 - 式R−CH(X)−COOHのアルキル化剤において、Xが臭素または塩素である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
- 工程(e)および(g)において、式R−CH(X)−COOHのアルキル化剤が、式XCH2COOHで示される化合物であり、Xが、塩素または臭素である、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸(X)を製造するための請求項4記載の方法。
- 工程(e)および(g)におけるアルキル化剤が、BrCH2COOHであり、45℃の温度およびpH11.5で、出発生成物の1モルあたり少なくとも1.5モルの量で加え、反応時間が21時間である、請求項7記載の方法。
- 化合物(V)または化合物(VI)を、その1モルあたり、少なくとも4モルのBrCH2COOHで、90℃の温度、および塩基性のpHで直接アルキル化させる、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸(X)を製造するための請求項4記載の方法。
- Rがメチル基である、α−メチル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;Rがエチル基である、α−エチル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;Rがベンジル基である、α−ベンジル−7−ホルミル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸よりなる群から選ばれる、請求項10記載の化合物。
- Rがメチル基である、α−メチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;Rがエチル基である、α−エチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸;Rがベンジル基である、α−ベンジル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4−酢酸よりなる群から選ばれる、請求項13記載の化合物。
- Rがメチル基である、α,α′−ジメチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸;Rがエチル基である、α,α′−ジエチル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸;Rがベンジル基である、α,α′−ジベンジル−1,4,7,10−テトラアザビシクロ〔8.2.1〕トリデカン−13−オン−4,7−二酢酸よりなる群から選ばれる、請求項16記載の化合物。
- 式(I):
で示される化合物を製造する方法であって、以下の工程;
式(V):
式(V)で示される化合物を式R−CH(X)COOH(ここでXはハロゲンであり、Rは上記に定義されたとおりである)で示されるアルキル化剤によって塩基性条件下でアルキル化し、式(VII):
式(VII)で示される化合物から式(I)で示される化合物を得るための、請求項1記載の工程f)〜h)
を含む方法。 - Rが水素原子である、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4−二酢酸を製造するための、請求項19記載の方法。
- 化合物(XIII):
請求項1記載の化合物(I)を得るための、請求項1記載の工程a)〜h)、および化合物(I)を、式(XIV)のアルキル化剤R1−CH(X1)−COYの過剰量によりアルキル化して化合物(XIII)を得る工程
を含む、方法
〔式中、
Rは、請求項1と同義であり、
R1は、水素原子;非置換であるか、ヒドロキシ基で置換されているか、または酸素原子1〜10個で置換されている、直鎖状もしくは分岐鎖状または環状のC1〜C6アルキル基であるか;あるいはフェニレン、ベンジルまたはフェニルメトキシメチルであり、
X1は、Cl、BrおよびIから選ばれるハロゲンであるか、またはメシラート、ベンゼンスルホニルオキシ、ニトロベンゼンスルホニルオキシ、トシラートもしくはトリフラートであり;
Yは、−OHまたは−OR2基であり、
R2は、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C4アルキル基であり、Yが−OR2のとき、エステル基を加水分解して、式(XIII)を得る〕。 - 式(XIV)のアルキル化剤が、式R1−CH(X1)−COOH〔式中、X1は、臭素または塩素であり、R1は、H;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルまたはイソブチル基よりなる群から選ばれる、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(これらの基は、ヒドロキシル基で置換されているか、または酸素原子1〜10個で中断されている)である〕で示される化合物である、請求項21記載の方法。
- 式(XIV)のアルキル化剤が、式R1−CH(X1)−COOH〔式中、R1は、水素であり、X1は、臭素または塩素である〕の化合物である、請求項22記載の方法。
- 式(XIV)のアルキル化剤が、ブロモ酢酸、2−ブロモプロピオン酸、2−ブロモ酪酸よりなる群から選ばれる、請求項22記載の方法。
- 式(XIV)のアルキル化剤において、R1が、フェニル、ベンジルおよびフェニルメトキシメチルよりなる群から選ばれ;X1が、メシラート、ベンゼンスルホニルオキシ、ニトロベンゼンスルホニルオキシ、トシラートおよびトリフラートよりなる群から選ばれ;R2が、メチル、エチル、イソプロピル、ブチルおよびtert−ブチルよりなる群から選ばれる、請求項21記載の方法。
- α,α′−ビス(メチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸およびα,α′−ビス〔(フェニルメトキシ)メチル〕−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸を製造するための、請求項24または25記載の方法。
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