JP4536626B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
一方、例えば通勤電車の中で仕事をする場合等、周りの人から画面を覗かれては困ることがあり、このような場合にはディスプレイの観察者のみに見え、他人からは見えないような視野角の制御が望まれる。このような要求に対して、例えば図10に示すようなルーバータイプの視野角制御シートが開発され、使用されている。ルーバータイプの視野角制御シートは、外光を遮光してコントラストを上げる効果を示し、例えば、ルーバーにおける二重像(ゴーストと称する。)の発生を減少させた視野角制御シートが開示されている(特許文献1〜特許文献3参照。)。特許文献1の第5図には、ゴーストの説明図が記載されている。
Nx≦Ny
−0.01<Δn−cosθ<0.002
なる関係が成立し、
前記楔形部の断面形状が映像源側に幅広の底面を有することを特徴とする表示装置である。
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置において、視野角制御シートの前記レンズ部の前記配列のピッチが0.05mmであることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項5〜9のいずれか1項に記載の表示装置において、視野角制御シートの前記映像源側の開口率が70%であることを特徴とする。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる表示装置に備えられる視野角制御シートS1の一方向の断面を示す図である。図1においては、図面左側に映像光源が配置されて拡散光が出射され、図面の右側に観察者が位置している。この視野角制御シートS1は、映像源側から観察者方向に順に、映像源側ベースシート11、レンズ部12、観察者側ベースシート13が貼り合わされて形成されている。レンズ部12は、屈折率がNy1の物質で形成されている。さらに、図では上下に隣接するレンズ部12、12の斜辺に挟まれた部分の断面形状は、映像源側に幅広の底面17、及び観察者側に、観察者側に向かって幅を持った凸状曲面に形成された頂部18を有する楔形状をなしている。この楔形状をなしている部分は、レンズ部12の屈折率Ny1より低い屈折率Nx1を有する物質で埋められている。以後の説明においてはこの楔形状をなしている部分を「楔形部14」という。楔形部14は、観察者側に幅が狭い部分である頂部18と、映像源側に底面17とを備えている。
図2は、第二の実施形態にかかる表示装置に備えられる視野角制御シートS2の一方向の断面を示す図である。図2においても、図面左側に映像光源が配置され、図面の右側に観察者が位置している。この視野角制御シートS2は、映像源側から観察者方向に順に、映像源側ベースシート21、レンズ部22、観察者側ベースシート23が貼り合わされて形成されている。レンズ部22は、屈折率がNy2の物質で形成されている。さらに、図では上下に隣接するレンズ部22、22の斜面に挟まれた断面形状は映像源側に幅広の底面27、及び観察者側に、観察者側に向かって幅を有する凸状曲面に形成された28を有する楔形状をなしている。この楔形状をなしている部分は、レンズ部22の屈折率Ny2より低い屈折率Nx2を有する物質で埋められている。以後の説明においてはこの楔形状をなしている部分を「楔形部24」という。楔形部24は、映像源側に幅広の底面27、観察者側に頂部28を備えている。
図3は、本発明の第三の実施形態にかかる表示装置に備えられる視野角制御シートS3を示している。この視野角制御シートS3は、映像源側から観察者側方向に順に、映像源側ベースシート31、レンズ部32、観察者側ベースシート33が貼り合わされて配置されている。レンズ部32は屈折率Ny3を有する物質により形成されている。上下方向に隣接するレンズ部32、32の間に挟まれた断面形状が楔形状をなす楔形部34の内部には、レンズ部32の屈折率Ny3と略同一の屈折率を有する物質が充填されている。さらに、図において楔形部34の斜面及び頂部38は、Ny3より小さな屈折率Nx3を備え透明な物質である層35(以下「透明低屈折率層35」という。)により形成されている。
図4は、本発明の第四の実施形態にかかる表示装置に備えられる視野角制御シートS4の断面を示している。この視野角制御シートS4は、映像源側から観察者の方向に順に、映像源側ベースシート41、レンズ部42、観察者側ベースシート43が貼り合わされて配置されている。レンズ部42は屈折率Ny4を有する物質により形成されている。さらに、図面上下方向に隣接するレンズ部42、42にはさまれた断面形状が楔形状をなす部分には、Ny4より小さな屈折率Nx4を備えた透明な物質(以下において「透明低屈折率物質」という。)中に光吸収粒子49が添加された材料46で充填されている。以降の説明においては、この光吸収粒子49が添加された材料46が充填されている部分を「楔形部44」と呼ぶ。楔形部44は、映像源側に底面47、観察者側に頂部48を備えている。
図5は、本発明の第五の実施形態にかかる表示装置に備えられる視野角制御シートS5を示している。この視野角制御シートS5も、映像源側から観察者方向に順に、映像源側ベースシート51、レンズ部52、観察者側ベースシート53が貼り合わされて配置されている。レンズ部52は屈折率Ny5を有する物質により形成されている。上下方向に隣接するレンズ部52、52の間に挟まれた部分は、楔形部54を形成し、楔形部54の斜面及び頂部58は、Ny5より小さな屈折率Nx5を備え透明な物質により形成された層55(以下「透明低屈折率層55」という。)により形成されている。さらに、楔形部54の内部には、Nx5より高い屈折率を有する物質中に光吸収粒子59が添加された材料が充填されている。
また、視野角制御シートS4、S5における光吸収粒子49、59は、楔形部44、54の全体の体積に対して10〜50体積%であることが好ましい。かかる比率を維持することによって、十分な光吸収効果を保ちつつ、容易な製造条件を与えることができる。
楔形部の斜面部分が出光面の法線となす角度をθとし、楔形部の少なくとも斜面部分を構成する材料の屈折率Nxとレンズ部の屈折率Nyとの比をΔn(Δn=Nx/Ny)としたとき、図6(a)は、Δnが小さい値をとる場合であり、図のAの範囲で全反射する。図6(b)は、Δn−cosθ=0となる場合で、全反射した光が正面に到達する境界であり、図のBの範囲で全反射する。図6(c)は、Δnが大きい値をとる場合であり、反射光が正面まで行かず、図のCの範囲で全反射する。本発明においては、実用上の特性を加味した上で、
−0.01<Δn−cosθ<0.002
なる関係式を満たすことを好ましい範囲としている。(Δn−cosθ)の値が−0.01以下だと、全反射する光線が多くなり広い角度で全反射光が観察される。そのため、特に、斜め方向から全反射光が観察された場合には、ゴースト画像と実映像との距離が大きくなる。このため、ゴースト画像が非常に目立ってしまい、映像画質を低下させるからである。一方、(Δn−cosθ)の値が0.002以上だと、全反射する光線が少なく、有効映像光が観察者に届きにくくなるため、輝度の上昇効果が十分に得られない。
なお、本発明は、楔形部の断面形状が略二等辺三角形の場合でも、楔形部の頂部が幅を持っている場合のいずれでも適用し得るものである。
図7(a)は、斜面が直線にて形成されている場合を表している。この場合には、斜面と出光面法線とがなす角度θ11は斜面上のどの点においても一定である。
図7(b)は、斜面が滑らかな曲線で形成されている場合を表している。また図7(c)は、斜面が2本の直線にて構成されている場合を示している。これらの場合、斜面と出光面法線とがなす角度θ12、又はθ13もしくはθ14は、斜面上の位置により異なる。本発明において図7(b)や図7(c)の場合のように斜面と出光面法線のなす角度が一定でないときは、斜面の長さの90%以上において、以上に説明してきた条件を満たせば本発明の効果を得ることができる。
図4に示すような、断面形状が楔形をなす楔形部を有し、さらに図示されていないが、楔形部の映像光源側に位置する底面にブラックストライプBSを設けた視野角制御シートを下記仕様にて作製した。開口率は視野角制御シートの楔形部底面部の面積を除いたレンズ部の面積比率を示し、テーパー角度は楔形の斜面部分が出光面の法線となす角度(θ)である。
開口率:70%
レンズ間ピッチ:0.05mm
レンズ部材料(樹脂)屈折率:1.56
楔形部材料屈折率:1.55
楔形部頂部幅:3μm
テーパー角度:6°
黒色光吸収粒子粒径:5μm
黒色光吸収粒子濃度:25体積%
楔形部材料屈折率を1.54とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製した。
楔形部材料屈折率を1.554とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製した。
楔形部材料屈折率を1.53とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製した。
楔形部材料屈折率を1.558とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製した。
11、21、31、41、51、81 映像源側ベースシート
12、22、32、42、52、82 レンズ部
13、23、33、43、53、83 観察者側ベースシート
14、24、34、44、54、84 楔形部
35、55 透明低屈折率層
17、27、37、47、57 底面
18、28、38、48、58 頂部
46 光吸収粒子が添加された材料
49、59 光吸収粒子
90 表示装置
91 液晶ディスプレイパネル
92、93 視野角制御シート
94 機能性シート
L11、L12、L13、L21、L22、L23、L31、L32、L33、L41、L42、L43、L51、L52、L53 光線
L14、L24、L34、L44、L54 底面へ入射する光
L15、L25、L35、L45、L55 外光
Claims (12)
- 映像源及び、該映像源より観察者側に配置される視野角制御シートを備え、
前記視野角制御シートは、断面形状が台形のレンズ部が所定の間隔で配列されるとともに、隣り合う前記レンズ部間の楔形部は、前記レンズ部と、同一又は異なる材料が充填され、前記楔形部は観察者側に先端を有するとともに映像源側に底面を有し、さらに少なくともその斜面部分を構成する材料の屈折率をNx、前記レンズ部を構成する材料の屈折率をNy、前記屈折率NxのNyに対する比(Nx/Ny)をΔnとしたとき、
Nx≦Ny
−0.01<Δn−cosθ<0.002
なる関係が成立し、
前記楔形部の断面形状が映像源側に幅広の底面を有することを特徴とする表示装置。 - 前記視野角制御シートの前記楔形部の斜面部分が出光面の法線となす角度をθとしたとき、θが3度〜15度の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記視野角制御シートの前記楔形部が略二等辺三角形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
- 前記視野角制御シートの前記斜面部分が、観察者側面となす角が映像源側と観察者側とで異なるように、曲線、及び又は折れ線状の断面形状を持つことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記視野角制御シートの前記楔形部に光吸収効果があることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記視野角制御シートの前記楔形部に光吸収粒子が添加された材料が充填されていることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
- 前記視野角制御シートの前記楔形部が映像源側に幅広の底面を有する楔形であって、前記光吸収粒子の平均粒径が1μm以上であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
- 前記視野角制御シートの前記楔形部に充填された材料中の光吸収粒子の添加量が10〜50体積%であることを特徴とする請求項6又は7に記載の表示装置。
- 前記視野角制御シートの前記レンズ部の前記配列のピッチが0.05mmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記視野角制御シートの前記映像源側の開口率が70%であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の表示装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の視野角制御シートが映像源の観察者側に1枚、又は略直交して2枚積層されていることを特徴とする表示装置。
- 前記視野角制御シートの少なくとも一面側に、AR、AS、AG、タッチセンサーのうちのいずれか、又はこれらの内複数の付加機能が付与されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示装置。
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