JP4468121B2 - 視野角制御シートおよび表示装置 - Google Patents
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一方、例えば通勤電車の中で仕事をする場合等、周りの人から画面を覗かれては困ることがあり、このような場合にはディスプレイの観察者のみに見え、他人からは見えないような視野角の制御が望まれる。このような要求に対して、例えば図9に示すようなルーバータイプの視野角制御シートが開発されて使用されている。ルーバータイプの視野角制御シートは、外光を遮光してコントラストを上げる効果を示し、例えば、ルーバーにおける二重像(ゴーストと称する。)の発生を減少させた視野角制御シートが開示されている(特許文献1〜特許文献3参照。)。特許文献1の第5図には、ゴーストの説明図が記載されている。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる視野角制御シートS1の一方向の断面を示す図である。図1においては、図面右側に映像光源が配置されて拡散光が出射され、図面の左側に観察者が位置している。この視野角制御シートS1は、観察者側から映像源方向に順に、観察者側ベースシート11、レンズ部12、映像源側ベースシート13が貼り合わされて形成されている。レンズ部12は、屈折率がN1の物質で形成されている。さらに、図では上下に隣接する2つのレンズ部12の斜辺に挟まれた部分の断面形状は、観察者側に幅広の下底面17を有する楔形部をなし、レンズ部12と同一又は異なる材料物質が充填され、屈折率N2を有する物質で埋められている。以後の説明においてはこの屈折率N2の物質で埋められている部分を「楔形部14」という。楔形部14の断面形状は、映像源からの拡散光を効率良く反射するために、映像源側に楔形部の先端を有する略三角形又は略台形であることが好ましい。図1においては、楔形部14は略台形をなし、観察者側に下底面17、映像源側に先端となる幅の狭い上底面18を備えている。
(式1) N2−N1 ≧−0.01
また、楔形部14とレンズ部12とが接する斜面が、出光面の法線V(当該視野角制御シートS1に対する垂直入射光に平行な線)となす角度は所定の角度θ1 に形成されている。θ1 は0°〜15°の範囲である。
図2は、第二の実施形態にかかる視野角制御シートS2の一方向の断面を示す図である。図2においても、図面右側に映像光源が配置され、図面の左側に観察者が位置している。この視野角制御シートS2は、観察者側から映像源方向に順に、観察者側ベースシート21、レンズ部22、映像源側ベースシート23が貼り合わされて形成されている。レンズ部22は、屈折率がN1の物質で形成されている。さらに、図では上下に隣接する2つのレンズ部22の斜面に挟まれた断面形状台形の部分は、屈折率N2を有する物質で埋められている。以後の説明においてはこの屈折率N2の物質で埋められている部分を「楔形部24」という。楔形部24は、観察者側に幅広の下底面27、映像側に先端である幅の狭い上底面28を備えている。
図3は、本発明の第三の実施形態の視野角制御シートS3を示している。この視野角制御シートS3は、観察者側から映像源側方向に順に、映像源側ベースシート31、レンズ部32、観察者側ベースシート33が貼り合わされて配置されている。レンズ部32は屈折率N1を有する物質により形成されている。上下方向に隣接するレンズ部32の間に挟まれた楔形部34は映像源側に先端を有し、楔形部34の内部には、レンズ部32の屈折率N1と略同一の屈折率を有する物質が充填されている。さらに、図において楔形部34の斜面および上底面38は、屈折率N2を備え透明な物質により形成された層35(以下「透明屈折率層35」という。)により形成されている。
図4は、本発明の第四の実施形態にかかる視野角制御シートS4の断面を示している。この視野角制御シートS4は、観察者側から映像源側の方向に順に、映像源側ベースシート41、レンズ部42、観察者側ベースシート43が貼り合わされて配置されている。レンズ部42は屈折率N1を有する物質により形成されている。さらに、図面の上下方向に隣接する2つのレンズ部42にはさまれた断面形状台形の部分には、屈折率N2を備えた透明な物質(以下において「透明屈折率物質46」という。)中に光吸収粒子49が添加された材料で充填されている。以降の説明においては、この透明屈折率物質46が充填されている部分を「楔形部44」と呼ぶ。断面形状台形の楔形部44は、観察者側に下底面47、映像源側に先端である上底面48を備えている。
図5は、本発明の第五の実施形態の視野角制御シートS5を示している。この視野角制御シートS5も、観察者側から映像源方向に順に、観察者側ベースシート51、レンズ部52、映像源側ベースシート53が貼り合わされて配置されている。レンズ部52は屈折率N1を有する物質により形成されている。上下方向に隣接するレンズ部52の間に挟まれた部分は、断面形状台形の楔形部54を形成し、映像源側に先端を有し、楔形部54の斜面および上底面58は、屈折率N2を備え透明な物質により形成された層55(以下「透明屈折率層55」という。)により形成されている。さらに、楔形部54の内部には、光吸収粒子59が添加された材料が充填されている。
図4に示すような、断面形状等脚台形の楔形部を有し、さらに図示はされていないが、台形部の下底面にブラックストライプBSを設けた視野角制御シートを下記仕様にて作製した。BS率は視野角制御シートの楔形部下底面に形成されたブラックストライプBSの面積比率を示し、台形テーパー角度は台形の斜面部分が出光面の法線となす角度(θ)である。
BS率:25%
レンズ間ピッチ:0.1mm
レンズ部材料(樹脂)屈折率:1.56
楔形部材料屈折率:1.56
楔形部上底面幅:7μm
台形テーパー角度:5°
黒色光吸収粒子粒径:5μm
黒色光吸収粒子濃度:25%
上記のシートの視野角は略40°に制御可能であり、有効部に入射した映像光は反射して集束され、映像光からの拡散光は有効に利用され、コントラストが高く、楔形部斜面への入射角度の小さい光は楔形部で吸収されるので、ゴーストが抑えられた視野角制御シートが得られた。
BS率を50%とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製し、視野角は略20°であり、有効部に入射した映像光は反射して集束され、映像光からの拡散光は有効に利用され、コントラストが高く、楔形部斜面への入射角度の小さい光は楔形部で吸収され、ゴーストが抑えられた視野角制御シートが得られた。
断面形状台形の楔形部を有し、図6に示すように、台形の上側斜面のテーパーを10°、下側斜面のテーパーを0°とし、それ以外の条件は実施例1と同じである視野角制御シートを作製した。
この視野角制御シートも視野角は略40°に制御可能であり、有効部に入射した映像光は全反射して集束され、映像光からの拡散光は有効に利用され、コントラストが高く、楔形部斜面への入射角度の小さい光は楔形部で吸収されるので、ゴーストが抑えられた視野角制御シートが得られた。
レンズ部材料屈折率を1.565とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製した。
レンズ部材料屈折率を1.57とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製した。
レンズ部材料屈折率を1.58とした以外は、実施例1と同じ条件で視野角制御シートを作製した。
に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定さ
れるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に
反しない範囲で適宜変更可能である。
11、21、31、41、51、61、71 観察者側ベースシート
12、22、32、42、52、62、72 レンズ部
13、23、33、43、53、63、73 映像源側ベースシート
14、24、34、44、54、64、74 楔形部
35、55 透明屈折率層
17、27、37、47、57、67 下底面
18、28、38、48、58、68 上底面
46 透明屈折率物質
49、59 光吸収粒子
80 表示装置
L11、L12、L13、L21、L22、L23、L31、L32、L33、L41、L42、L43、L51、L52、L53、L6 光線
L14、L24、L34、L44、L54 斜面に小さな角度で入射する光
L15、L25、L35、L45、L55 外光
Claims (11)
- 断面形状が台形のレンズ部が所定の間隔で配列されるとともに、隣り合う前記レンズ部間の楔形部は、前記レンズ部と、同一又は異なる材料が充填され、
前記楔形部は映像源側に先端を有するとともに観察者側に底面を有し、
前記楔形部に光吸収効果があり、
前記楔形部の少なくとも斜面部分を構成する材料の屈折率Nxと、前記レンズ部を構成する材料の屈折率Nyとの間に
−0.01≦Nx−Ny≦0
なる関係を有することを特徴とする視野角制御シート。 - 前記楔形部の断面形状が観察者側に幅広の下底面を有する略台形であることを特徴とする請求項1に記載の視野角制御シート。
- 前記楔形部の斜面部分が出光面の法線となす角度をθとしたとき、θが0度〜15度の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の視野角制御シート。
- 前記楔形部に光吸収粒子が添加されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の視野角制御シート。
- 前記楔形部が観察者側に幅広の下底面を有する略台形であって、前記光吸収粒子の平均粒径が1μm以上で、前記略台形の上底面の幅以下であることを特徴とする請求項4に記載の視野角制御シート。
- 前記光吸収粒子の添加量が10〜50体積%であることを特徴とする請求項4又は5に記載の視野角制御シート。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の視野角制御シートの少なくとも一面側に、AR、AS、AG、タッチセンサーのうちのいずれか、又はこれらの内複数の付加機能が付与されていることを特徴とする視野角制御シート。
- 前記楔形部の2つの斜面部分が出光面の法線となす各々の角度が異なっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の視野角制御シート。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の視野角制御シートを横ストライプで用いることを特徴とする表示装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の視野角制御シートが映像源の観察者側に1枚、又は略直交して2枚積層して用いることを特徴とする表示装置。
- 請求項9又は10に記載の表示装置に用いる視野角制御シートにおいて、前記楔形部の2つの斜面部分が出光面の法線となす各々の角度は、上側の角度が下側の角度より大きいことを特徴とする表示装置。
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