JP2021107851A - 光学部材 - Google Patents

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Masahiro Goto
正浩 後藤
関口 博
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Abstract

【課題】特定の方向から入射する光を遮光し、それ以外の方向から入射する光の多くを透過させることができ、かつ、透過光量の大きい光学部材を提供する。【解決手段】光学部材1は、特定の角度範囲から入射する光を遮光するものであり、一方の面に第1単位光学形状21が配列された第1光学形状層20と、その一方の面に対向する面に第2単位光学形状41が配列された第2光学形状層40と、第1光学形状層20と第2光学形状層40との間の少なくとも一部に設けられ、第1光学形状層20よりも屈折率が低い低屈折率層30とを備える。第1単位光学形状21による光学形状と第2単位光学形状41による光学形状とは対応しており、第1単位光学形状21の配列方向及び光学部材1の厚み方向に平行な断面において、第1単位光学形状21は、断面形状が三角形形状であり、第2の面23と厚み方向がなす角度βは、第1の面22と厚み方向がなす角度αよりも小さい。【選択図】図2

Description

本発明は、光学部材に関するものである。
従来、光を透過する光透過部と光を吸収する光吸収部とが配列され、外部から入射する光を制限するルーバーフィルム等の光学部材の技術が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1のルーバーフィルムは、光透過部である光透過帯と光吸収部である遮光帯とが交互に複数配列されている。この特許文献1のルーバーフィルムは、その光透過帯及び遮光帯の配列方向に平行であって厚み方向に平行な断面において、正面方向(正面方向)から入射した光の多くを透過し、斜め方向から入射した光の多くを遮光帯により吸収して遮光している。
特開2018−87899号公報
しかし、従来の光学部材では、その使用用途によっては、入射する光を吸収しすぎてしまい、透過光量が不足してしまう場合がある。また、このような光学部材に対して、特定の方向(角度範囲)から入射する光の入射のみを制限し、それ以外の方向から入射する光を透過させたい、例えば、光透過部及び光吸収部の配列方向において一方側から斜めに入射する光を遮光し、正面方向から入射する光や他方側から斜めに入射する光を透過したいという要望があった。
また、従来の光学部材は、光吸収部の断面形状が矩形形状であり、光吸収部の配列方向における寸法よりも高さ方向(光学部材の厚み方向)の寸法が大きい。そのため、従来の光学部材において、透過光量を大きくしたり、回折現象を抑制したりするために、光吸収部の配列ピッチを大きくすると、遮光したい光の入射角度範囲等の光制御性能を維持するために光学部材の厚みが大きくなり、ハンドリング性等が低下するという問題があった。
特許文献1のルーバーフィルムでは、光透過帯及び遮光帯の配列方向において、配列方向の両側から斜めに入射する光を遮光してしまうため、例えば、配列方向の一方側から斜めに入射する光等、特定の方向から入射する光のみを制限することができなかった。また、このようなルーバーフィルムは、透過光量も十分得られない。
本開示の実施形態の課題は、特定の方向から入射する光を遮光し、それ以外の方向から入射する光の多くを透過させることができ、かつ、透過光量の大きい光学部材を提供することである。
本開示の実施形態は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の開示の実施形態は、入射する光のうち特定の角度範囲から入射する光を遮光する光学部材であって、光透過性を有し、一方の面に第1単位光学形状(21)が配列された第1光学形状層(20)と、光透過性を有し、前記第1光学形状層の前記一方の面に対向する位置に設けられ、前記一方の面に対向する面に第2単位光学形状(41,241)が配列された第2光学形状層(40)と、前記第1光学形状層と前記第2光学形状層との間の少なくとも一部に設けられ、光透過性を有し、前記第1光学形状層よりも屈折率が低い低屈折率層(30)と、を備え、前記第1単位光学形状による光学形状と前記第2単位光学形状による光学形状とは対応しており、前記第1単位光学形状の配列方向に平行であって該光学部材の厚み方向に平行な断面において、前記第1単位光学形状は、断面形状が三角形形状であり、第1の面(22)と、前記第1の面に対向する第2の面(23)を有し、前記第2の面と前記厚み方向がなす角度(β)は、前記第1の面と前記厚み方向がなす角度(α)よりも小さい光学部材(1,2,3)である。
第2の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態の光学部材において、前記第1単位光学形状(21)の配列方向における前記第2の面(23)の幅は、前記第1の面(22)の幅よりも小さい光学部材(1,2,3)である。
第3の開示の実施形態は、第1又は第2の開示の実施形態の光学部材において、前記低屈折率層(30)は、空気層である光学部材(1,2,3)である。
第4の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第3の開示の実施形態までのいずれかの光学部材において、前記第1光学形状層(20)は、隣り合う前記第1単位光学形状(21)の間に平坦部(24)を有し、前記平坦部において前記第1光学形状層と前記第2光学形状層(40)とが接合されている光学部材(1,2,3)である。
第5の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第4の開示の実施形態までのいずれかの光学部材において、前記第2の面(23)は、前記低屈折率層(30)に接する光学部材(3)である。
第6の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第4の開示の実施形態までのいずれかの光学部材において、前記第1光学形状層(20)と前記第2光学形状層(40)との間に、光を吸収又は反射して遮光する遮光部(70,270)を備え、前記遮光部は、前記第2の面(23)に接する位置に設けられ、前記第1単位光学形状(21)の配列方向に沿って、前記低屈折率層(30)と交互に配置されている光学部材(1,2)である。
第7の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第4の開示の実施形態までのいずれかの光学部材において、前記第1光学形状層(20)と前記第2光学形状層(40)との間に、光を吸収又は反射して遮光する遮光部(270)を備え、前記第2の面(23)は、前記低屈折率層(30)に面し、前記遮光部は、前記第2の面に対応する前記第2光学形状層(40)上の領域に設けられている光学部材(3)である。
第8の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第7の開示の実施形態までのいずれか光学部材において、前記第1単位光学形状(21)は、前記第2光学形状層(40)側に凸となり、前記第2単位光学形状(41,241)は、前記第1光学形状層(20)側に凸となり、前記第1単位光学形状は、隣り合う前記第2単位光学形状の間の谷部に対応する位置に設けられている光学部材(1,2,3)である。
本開示の実施形態によれば、特定の方向から入射する光を遮光し、それ以外の方向から入射する光の多くを透過させることができ、かつ、透過光量の大きい光学部材を提供することができる。
第1実施形態の光学部材1の使用状態の一例を示す図である。 第1実施形態の光学部材1を説明する図である。 第1実施形態の光学部材1に表面側(+Z側)から入射する光の進み方を説明する図である。 第2実施形態の光学部材2を説明する図である。 第2実施形態の光学部材2の別の形態を示す図である。 第3実施形態の光学部材3を説明する図である。 第3実施形態の光学部材3の別の形態を示す図である。 光学部材の変形形態を示す図である。 光学部材の変形形態を示す図である。 光学部材の変形形態を示す図である。
以下、図面等を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、板、シート等の言葉を使用している。これらは、一般的に、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本明細書中において、シート面とは、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであり、本明細書中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いている。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の光学部材1の使用状態の一例を示す図である。
図2は、第1実施形態の光学部材1を説明する図である。図2では、光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行であって、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。
ここで、理解を容易にするために、図1及び図2を含め以下に示す各図において、適宜、XYZ直交座標系を設けて示している。この座標系では、光学部材1の厚み方向をZ方向とし、Z方向に直交する方向のうち、後述する第1単位光学形状21の配列方向をX方向とし、X方向及びZ方向に直交する光学部材1の幅方向をY方向とする。また、厚み方向(Z方向)のうち、+Z側を光学部材1の表面側とし、−Z側を光学部材1の裏面側とする。
光学部材1は、特定の方向(角度範囲)から入射する光を遮光する機能を有するシート状の部材である。光学部材1のシート面は、XY面に平行である。
光学部材1は、図2に示すように、表面側(+Z側)から順に、第1基材層10、第1光学形状層20、低屈折率層30、接合部60、遮光部70、第2光学形状層40、第2基材層50が積層されている。
本実施形態では、光学部材1は、その厚み方向(Z方向)に平行な方向から見て矩形形状に形成され、図1に示すように、建造物100の屋根110の天窓120に備えられている。光学部材1は、太陽光等の外光のうち、特定の方向(角度範囲)から入射する光を遮光して室内に入射することを極力抑制する。例えば、太陽光の西日(西側から入射する光)のみを遮光できるように光学部材1を作製し、天窓120に配置することによって、室内への西日の入射を制限し、室内環境をより快適に維持することができる。
本実施形態では、光学部材1は、図2に示す断面において、表面側(+Z側)から入射する光のうち、+X側から−X側へ斜めに入射する光を遮光する部材である例を挙げて説明する。
本実施形態では、光学部材1は、表面(+Z側の面)が天窓120側になるようにして、天窓120の室内側(−Z側)に不図示の透明な接着剤により貼付されて使用される例を挙げて説明する。しかし、これに限定されるものでなく、光学部材1は、裏面(−Z側の面)が天窓120側になるようにして、天窓120の室外側(+Z側)に貼付されて使用されてもよい。
また、光学部材1は、建造物100に配置される例に限定されるものでなく、自動車や船舶等の乗り物の窓や、パーテーション等に用いてもよい。
第1基材層10は、光透過性を有するシート状の部材であり、裏面側(−Z側)の面に、第1光学形状層20が一体に形成されている。第1基材層10は、第1光学形状層20を形成する基材(ベース)となる層である。
第1基材層10は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
第1基材層10は、光学部材1の使用用途等に応じてその厚みを適宜選択できる。
第1光学形状層20は、第1基材層10の裏面側(−Z側)の面に形成された光透過性を有する層であり、図2に示すように、一方の面(−Z側の面)に第1単位光学形状21がX方向に複数配列されている。
第1光学形状層20は、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。本実施形態の第1光学形状層20は、紫外線硬化型のウレタンアクリレート樹脂(屈折率n1=1.55)により形成されている。
なお、第1光学形状層20を構成する樹脂は、上述の紫外線硬化型樹脂に限定されるものでなく、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂や、熱可塑性樹脂でもよい。
第1単位光学形状21は、光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行であって第1単位光学形状21の配列方向(X方向)に平行な断面における断面形状が、光学部材1の裏面側(−Z側)に凸となる三角形形状であり、第1単位光学形状21の配列方向に交差する方向にその断面形状が延在するように帯状に形成されている。本実施形態では、第1単位光学形状21の延在方向は、第1単位光学形状21の配列方向に直交する方向(Y方向)であり、光学部材1の幅方向に平行である。
第1単位光学形状21は、前述のように、光学部材1の裏面側(−Z側、第2光学形状層40側)に凸となる形状であり、稜線r1を挟んで第1の面22と第2の面23とを有している。図2に示す断面においては、この稜線r1上の点である頂点t1を挟んで第1の面22と第2の面23とが位置しており、第1の面22と第2の面23とにより第1単位光学形状21の凸形状が形成されている。
図2に示す光学部材1の断面において、第1の面22は、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)において、頂点t1に対して+X側に設けられた面であり、光学部材1の厚み方向(Z方向)に対して角度α[°]をなす。
第2の面23は、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)において、頂点t1に対して−X側に設けられた面であり、光学部材1の厚み方向(Z方向)に対して角度β[°]をなす。
第2の面23が光学部材1の厚み方向(Z方向)となす角度βは、第1の面22が光学部材1の厚み方向(Z方向)となす角度αよりも小さく、α>βである。
平坦部24は、隣り合う第1単位光学形状21の間に配置された部分であり、裏面側(−Z側)に凸となる第1単位光学形状21に対して谷部となる部分である。本実施形態の平坦部24は、光学部材1のシート面(XY面)に平行である。この平坦部24は、接合部60を介して後述する第2光学形状層40の第2単位光学形状41の第3の面44が接合されている。
平坦部24は、図2に示す断面において、前述のように光学部材1のシート面に平行であることが好ましいが、例えば、第2の面23側(+X側)の端部が第1の面22側(−X側)の端部よりも裏面側(−Z側)に傾斜する等していてもよい。
低屈折率層30は、光学部材1の第1光学形状層20と第2光学形状層40との間に設けられ、第1光学形状層20よりも屈折率が低い層である。本実施形態では、低屈折率層30は、空気が充填されており、空気層となっている。本実施形態では、低屈折率層30は、第1単位光学形状21の第1の面22に接する位置に設けられている。
接合部60は、第1光学形状層20と第2光学形状層40とを接合する部分であり、第1光学形状層20の平坦部24と、第2光学形状層40の第2単位光学形状41の第3の面44との間に設けられている。
接合部60は、接着材や粘着材等により形成される。接合部60は、光透過性を有していてもよいが、平坦部24を透過して迷光となる光を抑制する観点から、光吸収性を有する等、遮光する機能を有することが好ましい。本実施形態では、接合部60は、灰色や黒色等の粒子や、染料、顔料等の着色材等により着色が施されて、光吸収性を有している。
図2に示すように、本実施形態の低屈折率層30と後述する遮光部70と接合部60とは、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)に沿って順番に配列されている。
第2光学形状層40は、第1光学形状層20の第1単位光学形状21等が形成された面に対面する位置に設けられている。第2光学形状層40は、低屈折率層30や接合部60、遮光部70を介して第1光学形状層20の裏面側(−Z側)に位置し、光透過性を有し、図2に示すように、第1光学形状層20の第1単位光学形状21が配列された面に対向する面(+Z側の面)に第2単位光学形状41がX方向に複数配列されている。
第2光学形状層40は、前述の第1光学形状層20を形成する樹脂と同様の紫外線硬化型樹脂や、電離放射線硬化型樹脂、熱可塑性樹脂を用いて形成することができる。また、第2光学形状層40は、第1光学形状層20と屈折率が同じ、もしくは、第1光学形状層20との屈折率差が可能な限り小さいことが、光学部材1を通して観察する映像(透過映像)のずれを抑制する観点から好ましい。
本実施形態の第2光学形状層40は、第1光学形状層20と同様に、紫外線硬化型のウレタンアクリレート樹脂(屈折率n1=1.55)により形成されている。
第2単位光学形状41は、光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行であって第2単位光学形状41の配列方向(X方向)に平行な断面における断面形状が、第1光学形状層20側(+Z側)に凸となる略台形形状であり、第2単位光学形状41の配列方向に交差する方向にその断面形状が延在するように帯状に形成されている。本実施形態では、第2単位光学形状41の延在方向は、第2単位光学形状41の配列方向に直交する方向(Y方向)であり、これは光学部材1の幅方向に平行である。
第2単位光学形状41は、図2に示す断面において、光学部材1の表面側(+Z側、第1光学形状層20側)に凸となっており、第1の面42、第2の面43、第3の面44を備えている。この第1の面42、第2の面43、第3の面44により、第2単位光学形状41の凸形状が形成されている。
第1の面42は、第2単位光学形状41の配列方向(X方向)において、−X側に設けられた面であり、低屈折率層30を介して第1単位光学形状21の第1の面22に対向している。
本実施形態の第1の面42は、第1単位光学形状21の第1の面22に平行であり、光学部材1の厚み方向(Z方向)に対して角度α[°]をなす。
第2の面43は、第2単位光学形状41の配列方向(X方向)において、+X側に設けられた面であり、後述する遮光部70を介して第1単位光学形状21の第2の面23に対向している。
本実施形態の第2の面43は、第1単位光学形状21の第2の面23に平行であり、光学部材1の厚み方向(Z方向)に対して角度β[°]をなす。
第3の面44は、第2単位光学形状41の配列方向(X方向)において、第1の面42と第2の面43との間に位置し、最も表面側(+Z側)となる面である。すなわち、第3の面44は、図2に示す光学部材1の断面において、表面側に凸となる第2単位光学形状41の断面形状の頂部となる面である。本実施形態の第3の面44は、第1光学形状層20の平坦部24に平行であり、光学部材1のシート面(XY平面)に対して平行である。
第3の面44は、第1単位光学形状21の間の平坦部24に対向し、前述のように接合部60を介して平坦部24と接合されている。
上述のように、第1光学形状層20の裏面側(−Z側)に形成された第1単位光学形状21及び平坦部24による光学形状に対して、第2光学形状層40の表面側(+Z側)に形成された第2単位光学形状41による光学形状が対応する形となっている。すなわち、図2に示すように、凸部である第1単位光学形状21が、隣り合う第2単位光学形状41の間の谷部に対向し、凸部である第2単位光学形状41が、隣り合う第1単位光学形状21の谷部となる平坦部24に対向する。
また、平坦部24と第3の面44とが接合部60によって接合されることにより、第1光学形状層20と第2光学形状層40とのX方向の位置が決められ、かつ、低屈折率層30の厚さが一定に維持されている。
図2に示す光学部材1の断面において、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)における第1単位光学形状21の配列ピッチをPとし、第1単位光学形状21の幅(X方向の寸法)をWとする。このとき、P>Wとなる。
また、第1の面22とその+X側に位置する平坦部24との交点をt2、第2の面23とその−X側に位置する平坦部24との交点をt3とし、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)における頂点t1から点t2までの寸法(第1単位光学形状21の配列方向における第1の面22の寸法)をWa、第1単位光学形状21の配列方向における点t1から点t3までの寸法(第1単位光学形状21の配列方向における第2の面23の寸法)をWb、第1単位光学形状21の配列方向における平坦部24の寸法をWcとする。このとき、W=Wa+Wb、P=Wa+Wb+Wcである。また、寸法Wa,Wb,Wcは、Wa>Wb>Wcという式を満たすことが、+X側の特定の方向(角度範囲)から光学部材1に入射する光を十分に遮光し、それ以外の方向から光学部材1に入射する光を透過させるという観点から好ましい。
第1光学形状層20と第2光学形状層40との間には、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)に沿って、遮光部70が配列されている。本実施形態の遮光部70は、第1単位光学形状21の第2の面23と第2単位光学形状41の第2の面43とに接する位置に設けられている。
遮光部70は、層状又は膜状であり、光を吸収して遮光する機能を有する。
このような遮光部70は、例えば、第2単位光学形状41の第1の面42及び第3の面44をPVA(ポリビニルアルコール)でマスキングした後、低圧環境下で銀、ビスマス等を第2の面43に蒸着し、PVAのマスキングを除去することにより形成される。遮光部70は、これに限らず、例えば、第1単位光学形状21の第1の面22をマスキングし、第2の面23に銀等を蒸着する等によって形成してもよい。
また、遮光部70は、上記の例に限らず、例えば、遮光性を有する金属膜や、金属化合物による膜によって形成してもよいし、カーボン等を膜状又は層状に形成して設けてもよいし、黒色の顔料等を塗布する等により形成してもよい。
上述のような遮光部70を備えることにより、光学部材1は、第1単位光学形状21の第2の面23へ入射する光を吸収して遮光することができる。
前述のように、第1単位光学形状21の第1の面22は、低屈折率層30に接している。これにより、第1の面22は、光学部材1に入射する光のうち、遮光したい方向からの光を全反射させて遮光し、かつ、透過したい方向から光を透過する機能を有する。
本実施形態では、光学部材1の表面側(+Z側)から入射する光のうち、+X側から斜めに、特定の方向(角度範囲)から入射する光は、第1の面22に対して臨界角以上の入射角で入射して全反射するように、角度αが設定されている。したがって、角度αは、第1光学形状層20における臨界角より大きい角度となっている。
第1の面22で全反射した光は、光学部材1の表面側(+Z側)や、第2の面23側へ向かう。また、特定の方向(角度範囲)以外の方向から光学部材1に入射する光は、第1の面22に対して臨界角未満の角度で入射し、低屈折率層30を透過して第2単位光学形状の第1の面42へ入射し、第2光学形状層40及び第2基材層50を透過して、光学部材1の裏面側から室内側(−Z側)へ出射する。
第2の面23は、遮光部70と接している。したがって、第1の面22で全反射して第2の面23に入射する光は、遮光部70により吸収され、遮光される。また、光学部材1を透過させたい方向から入射する光(例えば、正面方向や−X側から斜めに入射する光)が、第2の面23に直接入射する光量を可能な限り低減できるように、角度βが設定されている。
本実施形態では、角度α=75°、角度β=45°である例を挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、第1光学形状層20及び第2光学形状層40の屈折率や、遮光した方向(角度範囲)に応じて、適宜設定できる。
遮光したい特定の方向(角度範囲)からの光を第1の面22で全反射させ、かつ、光学部材1の透明性を維持する観点から、第1の面22と第1の面42との間の低屈折率層30の厚さd1[μm]は、1μm以上であって第1単位光学形状21の配列ピッチPの1/10以下、より好ましくは、1μm以上であって第1単位光学形状21の配列ピッチPの1/100以下であることが好ましい。
厚さd1がこの範囲より小さいと、第1単位光学形状21と第2単位光学形状41とが接触しやすく破損等が生じやすい。また、厚さd1がこの範囲よりも大きいと、光学部材1を通して向こう側を観察する際の光学部材1の透明性が低下したり、光漏れが生じたり、光学部材1を通して観察した映像(透過映像)にずれが生じたりするので好ましくない。したがって、低屈折率層30の厚さd1は、上記範囲が好ましい。
図3は、第1実施形態の光学部材1に表面側(+Z側)から入射する光の進み方を説明する図である。図3では、図2と同様に、第1単位光学形状21及び第2単位光学形状41の配列方向(X方向)に平行であって光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行な断面の一部を拡大して示しており、XZ面内における光の進み方を示している。また、図3では、理解を容易にするために、第1基材層10と第1光学形状層20との界面、第2光学形状層40と第2基材層50との界面には屈折率差はないものとして示している。
本実施形態の光学部材1は、前述の図1に示すように、建造物100の天窓120に設けられており、天窓120から(+Z側から)入射する太陽光等の外光のうち、+X側の特定の方向(角度範囲)から入射する外光を遮光する。本実施形態では、光学部材1の厚み方向(Z方向)が建造物100の鉛直方向に一致し、光学部材1のシート面(XY平面)が水平方向に一致するようにして配置されている例を挙げて説明する。
また、本実施形態の光学部材1は、第2基材層50が鉛直下側(−Z側)に位置するように配置され、光学部材1から見て+X側に傾斜した特定の方向(角度範囲)から入射する光を遮光するために、第1単位光学形状21において、第1の面22が頂点t1(図2参照)に対して+X側に位置するように配置される。
まず、第1の面22に入射する光について説明する。
光学部材1に入射する太陽光等の外光のうち光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行な光L1は、図3に示すように、第1基材層10を透過して、第1光学形状層20の第1単位光学形状21の第1の面22に対して臨界角未満の角度で入射する。光L1の一部は反射するが、その多くが低屈折率層30を透過し、第2光学形状層40、第2基材層50を透過して、室内側(−Z側)へ出射する。
また、光学部材1から見て−X側に傾斜した方向から入射する光L2,L3は、図3に示すように、第1単位光学形状21の第1の面22に対して臨界角未満の角度で入射する。したがって、光L2,L3は、第1の面22で、一部が反射するが、その多くが低屈折率層30を透過し、第2光学形状層40、第2基材層50を透過して、室内側(−Z側)へ出射する。
また、光学部材1から見て+X側に傾斜した方向から入射し、遮光したい特定の方向(角度範囲)から光学部材1に入射する、光L4,L5は、第1の面22に対して臨界角以上の角度で入射する。したがって、光L4,L5は、第1の面22で全反射して、一部は第2の面23へ向かい、一部は光学部材1の表面側(+Z側)へ向かう。図3においては、光L4は、第2の面23に入射して、遮光部70に吸収される。また、光L5は、光学部材1の表面側(+Z側)へ向かい、室外側へ出射したり、空気との界面(本実施形態では、光学部材1の表面側が接合された天窓120の室外側界面)で全反射して光学部材1内部へ向かう等というように全反射を繰り返して、光学部材1内で減衰したりする。
光L4,L5よりも光学部材1への入射角度が小さく、遮光したい特定の方向(角度範囲)以外から光学部材1に入射する光L6は、図3に示すように、第1の面22へ臨界角未満の角度で入射し、一部は反射するがその大半は低屈折率層30、第2光学形状層40、第2基材層50を透過して、室内側(−Z側)へ透過する。
次に、第2の面23へ入射する光について説明する。
前述のように、光学部材1に対して、−X側に傾斜した方向から入射する光(図3に示す光L2,L3に相当する光)は、第2の面23と同様の方向へ傾斜しており、さらに、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)における第2の面23の寸法Wbは、第1の面22の寸法Waに比べて小さいので、そのような光が第2の面23に入射する光量は少なく、その多くが、光学部材1内を透過して、室内側(−Z側)へ出射する。
光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行な方向から入射する光L7は、図3に示すように、第2の面23に入射して遮光部70により吸収される。
光L7は、光学部材1を透過したい方向から入射する光であるが、上述のように遮光部70により遮光される。しかし、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)における第2の面23の寸法Wbは、第1の面22の寸法Waに比べて小さく、光L7のような光の光量は、十分に小さいため、光学部材1の透過光量への影響は小さい。
光学部材1から見て+X側に傾斜した方向から入射する光であって、遮光したい特定の方向(角度範囲)から光学部材1に入射する光L8,L9は、図3に示すように、第2の面23へ入射する。したがって、光L8,L9は、遮光部70により吸収される。
光学部材1から見て+X側に傾斜した方向から入射する光であって、光L8,L9よりも光学部材1への入射角度が小さく、遮光したい特定の方向(角度範囲)以外から光学部材1に入射する光L10も、第2の面23へ入射して、遮光部70により吸収される。しかし、前述の光L7と同様に、このような光の光量は十分に小さいため、光学部材1の透過光量への影響は小さい。
次に、平坦部24へ入射する光L11について説明する。
光L11は、平坦部24に入射して接合部60へ入射する。接合部60は、光吸収性を有しているので、光L11は、光学部材1への入射角度(平坦部24への入射角度)に関わらず、吸収される。
前述のように、第1単位光学形状21の配列方向における平坦部24の寸法Wcは、第1単位光学形状21の配列方向における第2の面23の寸法Wbよりも小さく、第1の面22の寸法Waより大幅に小さい。したがって、透過させたい方向から光学部材1へ入射する光のうち、平坦部24へ入射する光は、非常に少なく、光学部材1の透過光量への影響は小さい。
以上のことから、本実施形態の光学部材1は、第1単位光学形状21及び第2単位光学形状41の配列方向(X方向)に平行であって光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行な面(XZ面)において、表面側(+Z側)から入射する光のうち、厚み方向や、−X側に傾斜した方向から入射する光を透過する(図3に示す光L1,L2,L3)。
また、本実施形態の光学部材1は、第1単位光学形状21及び第2単位光学形状41の配列方向(X方向)に平行であって光学部材1の厚み方向(Z方向)に平行な面(XZ面)において、+X側に傾斜した方向から入射する光については、特定の方向(角度範囲)から入射する光(図3に示す光L4,L5,L8,L9)を遮光し、特定の方向(角度範囲)以外の方向から入射する光を透過する(図3に示す光L6)。
したがって、本実施形態によれば、光学部材1は、特定の方向(角度範囲)からの光を遮光して室内側に出射してしまうのを極力防ぐことができ、かつ、その他の方向から入射する光の多くを透過するので、室内の明るさを維持できる。
また、断面形状が矩形形状である光吸収部と光透過部とを配列した従来の光学部材を用いて、本実施形態の光学部材1と同様の光制御性能を発揮しようとした場合、従来の光学部材では、透過したい−X側から入射する光についても遮光してしまうことに加え、透過光による回折現象を抑制するために光吸収部の配列ピッチを大きくすると、遮光したい光の入射角度範囲等の光制御性能を維持するために光学部材の厚みが大きくなってしまう。これに対して、本実施形態によれば、光学部材1は、特定の方向(角度範囲)からの光のみを遮光でき、透過光量を高く維持できる。さらに、同様の光制御性能を有する従来の光学部材に比べて遮光部70の配列ピッチが大きく、回折現象を抑制できる。さらに、本実施形態によれば、光学部材1は、光制御性能を維持しながら、従来の光学部材に比べて厚みを薄くできる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態の光学部材2を説明する図である。図4では、前述の図2と同様に、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)に平行であって、光学部材2の厚み方向(Z方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。
第2実施形態の光学部材2は、第1単位光学形状21及び第2単位光学形状241の配列方向(X方向)に沿って、第2単位光学形状241の断面形状が三角形形状であり、第3の面を備えておらず、隣り合う第2単位光学形状241の間に平坦部245が設けられている点等以外は、前述の第1実施形態の光学部材1と同様の形態である。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の光学部材2は、表面側(+Z側)から順に、第1基材層10、第1光学形状層20、低屈折率層30、遮光部270、第2光学形状層40、第2基材層50を備えている。
本実施形態では、第1単位光学形状21の第2の面23が光学部材3の厚み方向(Z方向)となす角度βは、0°である。図4ではβ=0°であるため、角度βの記載を省略して示している。
第2光学形状層40は、第2単位光学形状241と、平坦部245とが、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)に沿って交互に配置されている。第2単位光学形状241は、図4に示すように、その配列方向(X方向)及び光学部材2の厚み方向(Z方向)に平行な断面における断面形状が三角形形状である。図4に示す光学部材1の断面において、第2単位光学形状41は、この三角形形状の稜線r2に相当する頂点t4に対して−X側に位置する第1の面42と、頂点t4に対して+X側に位置する第2の面43とを有する。
第2の面43は、遮光部270を介して第1単位光学形状21の第2の面23と対向している。
また、本実施形態の第2の面43は、第1単位光学形状21の第2の面23に平行であり、光学部材2の厚み方向(Z方向)となす角度が0°である。
遮光部270は、光吸収性を有し、入射した光を吸収して遮光する部分である。本実施形態の遮光部270は、図4に示す断面形状が矩形形状であり、各辺が第1光学形状層20の平坦部24及び第1単位光学形状21の第2の面23と、第2光学形状層40の平坦部245及び第2単位光学形状241の第2の面43とにそれぞれ接している。また、遮光部270は、この断面形状が各単位光学形状の延在方向(Y方向)に沿って延在している。
低屈折率層30と遮光部270とは、第1単位光学形状21及び第2単位光学形状241との間に、その配列方向(X方向)に沿って交互に配列されている。
遮光部270は、灰色や黒色等の粒子や、染料、顔料等の着色材等により着色が施されており、光吸収性を有している。
遮光部270の母材としては、PET等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリルスチレン樹脂、PC樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC樹脂、MS(メタクリルスチレン)樹脂、MBS(メタクリルブタジエンスチレン)樹脂、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂等が好適である。また、母材として、前述の第1光学形状層20と同様の材料を用いてもよい。
また、遮光部270に用いる着色材としては、灰色系や黒色系等の暗色系の粒子や、暗色系の染料、顔料等や、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩等が挙げられる。
遮光部270は、その屈折率n2が、第1光学形状層20の屈折率n1以上であることが望ましい(n2≧n1)。これにより、第1単位光学形状21を透過する光のうち、第2の面23等に入射する光を全反射させることなく遮光部270に入射させ、遮光部270により確実に吸収させて遮光することができる。
着色材を含有する母材により遮光部270が形成されている場合には、特に母材となる材料の屈折率n2を、第1光学形状層20の屈折率n1以上にすることが、同様の理由から好ましい。
本実施形態の遮光部270は、第1光学形状層20と同様のウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂(屈折率n2=1.56)を母材とし、平均粒径が約3μmの黒色粒子を着色材として用いて形成されている。
なお、第1光学形状層20の屈折率n1と遮光部270の屈折率n2との差は、大きすぎると、たとえ全反射をしなくても屈折率界面における反射が大きくなるので、0.1以下であることが望ましい。すなわち、第1光学形状層20の屈折率n1と遮光部270の屈折率n2との差Δn(=n2−n1)は、0≦Δn≦0.1を満たすことが望ましい。
このような遮光部270を備える光学部材2は、前述の遮光部70を備える光学部材1と同様の光学性能を発揮することができる。よって、本実施形態によれば、光学部材2は、前述の第1実施形態の光学部材1と同様に、特定の方向(角度範囲)から入射する光を遮光し、それ以外の方向から入射する光の多くを透過することができ、透過光量を高く維持できる上に、従来のものに比べて厚みを薄くできる。
また、本実施形態によれば、遮光部270の高さ(厚み方向の寸法)を調整することにより、低屈折率層30の厚みを容易に調整できる。
なお、上述の第2実施形態では、遮光部270の断面形状を、図4に示すように矩形形状としたが、これに限らず、例えば、平行四辺形形状や、不当辺四角形形状や、角部が曲線となる四角形形状としてもよいし、五角形形状等の多角形形状や、他の形態としてもよい。
図5は、第2実施形態の光学部材2の別の形態を示す図である。図5では、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)及び光学部材2の厚み方向(Z方向)に平行な光学部材2の断面の一部を拡大し、さらに、理解を容易にするために、第1基材層10及び第2基材層50を省略して示している。
図5に示すように、例えば、遮光部270は、断面形状を三角形形状としてもよい。図5では、第1単位光学形状21の第2の面23が光学部材2の厚み方向となす角度βは、前述の第1実施形態と同様である。遮光部270をこのような形態とした場合も、前述の図4に示す第2実施形態の光学部材2と同様な効果を奏することができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態の光学部材3を説明する図である。図6では、前述の図2と同様に、第1単位光学形状21の配列方向(X方向)に平行であって光学部材3の厚み方向(Z方向)に平行な断面の一部を拡大して示している。
第3実施形態の光学部材3は、遮光部70と第1単位光学形状21の第2の面23との間にも低屈折率層30が位置する点以外は、前述の第1実施形態の光学部材1と同様の形態である。したがって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態の光学部材3は、表面側(+Z側)から順に、第1基材層10、第1光学形状層20、低屈折率層30、接合部60、遮光部70、第2光学形状層40、第2基材層50を備えている。
本実施形態において、遮光部70と第1単位光学形状21の第2の面23との間には、低屈折率層30が設けられている。したがって、第2の面23は、低屈折率層30に接している。
また、第2の面23と遮光部70との間の低屈折率層30の厚さd2[μm]は、本実施形態では、第1の面22と第1の面42との間の低屈折率層30の厚さd1と同等であり、d2=d1を満たすが、これに限定されるものではない。
遮光部70の表面側(+Z側)にも低屈折率層30が位置することにより、光学部材3は、図6に示す光L12(図3に示す光L4に相当)のように、遮光したい特定の方向(角度範囲)からの入射光であって、第1単位光学形状21の第2の面23へ臨界角以上の角度で入射する光については、全反射して光学部材3の表面側(+Z側)へ出射させて、遮光する。また、光学部材3は、図6に示す光L13,L14(図3に示す光L8,L9に相当)のように、遮光したい特定の方向(角度範囲)からの入射光であって、第1単位光学形状21の第2の面23へ臨界角未満の角度で入射する光を、低屈折率層30を透過させて遮光部70で吸収して遮光することができる。
以上のことから、本実施形態によれば、光学部材3は、前述の第1実施形態と同様に、特定の方向(角度範囲)から入射する光を遮光し、それ以外の方向から入射する光の多くを透過することができ、透過光量を高く維持できる上に、従来の光学部材に比べて厚みを薄くできる。
また、本実施形態によれば、遮光部70が吸収する光量が減るので、光を吸収することによる遮光部70の発熱することを抑制できる。
なお、第3実施形態では、光学部材3は、層状の遮光部70を備える例を示したが、これに限らず、他の形状の遮光部としてもよい。
図7は、第3実施形態の光学部材3の別の形態を示す図である。図7では、第1単位光学形状21の配列方向及び光学部材3の厚み方向に平行な光学部材の断面の一部を拡大し、さらに、理解を容易にするために、第1基材層10及び第2基材層50を省略して示している。
図7に示すように、例えば、第2単位光学形状についても第2実施形態の第2単位光学形状241とし、遮光部として、前述の第2実施形態の図5に示したような断面形状が三角形形状である遮光部270を設けてもよい。図7において、第1単位光学形状21の第2の面23が光学部材3の厚み方向(Z方向)となす角度βは、前述の図6に示す第3実施形態と同様である。このような遮光部としても、前述の図6に示す第3実施形態の光学部材3と同様な効果を奏することができる。
(変形形態)
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の実施形態の範囲内である。
(1)各実施形態において、遮光部70,270を備える例を示したが、これに限らず、遮光部を備えない形態としてもよい。
図8は、光学部材の変形形態を示す図である。
変形形態の光学部材5は、接合部や遮光部を備えておらず、第1単位光学形状21の第2の面23は、低屈折率層30に接している。そのため。第2の面23が厚み方向(Z方向)となす角度βは、前述のように第1光学形状層20の臨界角以上であって、かつ、第1の面22で全反射して第2の面に入射する光の少なくとも一部を、全反射させて光学部材1の表面側(+Z側)へ向けられるように、設定されている。
このとき、第2の面23が光学部材5の厚み方向となす角度βは、前述の第1実施形態等と同様に、第1の面22が光学部材5の厚み方向となす角度αに比べて小さい(β<α)。
このような光学部材5とすることにより、遮光した特定の方向(角度範囲)からの光のうち、一部の光(光L15,L16)は、第2の面23に臨界角未満の入射角度で入射して低屈折率層30を通って光学部材5内を進み裏面側(−Z側)へ出射する。しかし、そのような光は少量であるので、第1実施形態等の光学部材1,2,3に比べて遮光性能はやや劣るが、許容範囲内である。
また、この変形形態の光学部材5は、光を吸収する暗色系の光吸収部を備えていないので、遮光部が縞状に視認される等の問題がなく、吸収した光により光吸収部が発熱し、光学部材が変形したり、劣化したりする恐れがない。
なお、図8に示す光学部材5において、前述の各実施形態に示したような接合部60を設けてもよい。
(2)第1,第3実施形態において、光学部材1,3は、隣り合う第1単位光学形状21の間に平坦部24を有し、第2単位光学形状41が第3の面44を有する例を示したが、これに限らず、平坦部24及び第3の面44を有しない形態としてもよい。すなわち、第1単位光学形状21が隣接して配列され、第2単位光学形状41の断面形状が三角形形状となり、接合部60を有しない形態としてもよい。このような形態とすることにより、平坦部24及び第3の面44に入射して接合部60に吸収されたり迷光となったりする光を低減できる。
(3)各実施形態において、第1光学形状層20と第1基材層10とは、別部材で形成される例を示したが、これに限定されるものでなく、第1光学形状層20と第1基材層10とが同一部材により一体に形成されるようにしてもよい。これにより、第1基材層10と第1光学形状層20との間に屈折率界面が形成され、両層間において入射光が屈折してしまうことを回避することができる。なお、第2光学形状層40と第2基材層50についても同様である。
(4)第1実施形態において、遮光部70が、第1光学形状層20と第2光学形状層40とを接合する機能を有していてもよい。すなわち、遮光部70が、接合部60と同様の材料で形成され、接合部60と一体に形成される形態としてもよい。
また、同様に、第2実施形態の遮光部270が、第1光学形状層20と第2光学形状層40とを接合する機能を有していてもよい。
(5)各実施形態において、低屈折率層30は、空気層である例を示したが、これに限らず、低屈折率層30は、第1光学形状層20及び第2光学形状層40よりも屈折率が低く、光透過性が高い材料、例えば、そのような条件を満たす樹脂、SiO、フッ素化合物等により形成してもよい。
(6)各実施形態において、光学部材を2枚の透明基材80,81、例えば、ガラス基板に挟持して、合わせガラス状の光学部材800の形態としてもよい。
図9は、光学部材の変形形態を示す図である。図9は、図2等と同様に、XZ面に平行な光学部材800(光学部材1)の断面を示しており、理解を容易にするために、光学部材1をまとめて1つの層として示している。
この場合、光学部材1と各透明基材80,81との間には透明な接合材82,83(例えば、PVB等)が設けられ、光学部材1と各透明基材80,81とが接合される。
また、第1基材層10及び第2基材層50をそれぞれ、透明基材(ガラス基板)に置き換えて合わせガラス状の光学部材を形成するようにしてもよい。これにより、合わせガラス状の光学部材の層構成をより単純化することができ、製造コストを低減し、製造効率を向上させることができる。
なお、ここでは、第1実施形態の光学部材1を透明基材80,81及び透明な接合材82,83で挟む例を示したが、これに限らず、他の実施形態の光学部材を用いてもよい。
(7)各実施形態において、光学部材の使用環境や使用目的等に応じて、例えば、反射防止機能、紫外線吸収機能、防汚機能、帯電防止機能等、適宜必要な機能を有する層を1つ又は複数選択して光学部材に設けてもよい。
(8)各実施形態において、角度α,βは、光学部材1,2,3の全面において一定である例を示したが、これに限定されるものでなく、光学部材1,2,3の使用用途や使用環境等に応じて、第1単位光学形状21及び第2単位光学形状41,241の配列方向において、連続的又は段階的に変化する形態としてもよい。このとき、角度α,βの双方が変化してもよいし、一方のみ(特に、角度α)のみが変化する形態としてもよい。
また、各実施形態において、角度α,βは、光学部材1,2,3の使用用途や使用環境等に応じて、光学部材上の領域ごとに角度α,βの少なくとも一方を変えてもよい。例えば、光学部材1,2,3上のある領域A(不図示)の角度α,βとその領域に隣接する領域B(不図示)における角度α,βとは異なるが、それぞれの領域内における角度α,βは第1単位光学形状21及び第2単位光学形状41,241の配列方向において一定である形態としてもよい。
このような形態とすることにより、光学部材上の領域に応じて遮光したい光の方向(入射角度)が相違する場合に、適切に入射光の透過を制限することができる。
(9)各実施形態において、光学部材1,2,3は、厚み方向(Z方向)において、第1基材層10側を光の入射側とする例を挙げて説明したが、第2基材層50側を光の入射側として使用してもよい。このような形態で光学部材を使用しても、前述の各実施形態と同様の光制御効果が得られる。
(10)第1,第3実施形態において、接合部60を設ける例を示したが、これに限らず、接合部60等を設けず、平坦部24と第3の面44とが接する形としてもよい。
また、第1,第3実施形態において、接合部60は、光吸収性を有する例を挙げて説明したが、これに限らず、光透過性を有するものとしてもよい。この場合、接合部60は、第1光学形状層20、第2光学形状層40と屈折率が等しいことが、接合部60に入射した光が迷光となること等を抑制する観点から好ましい。また、接合部60は、光を反射して遮光する機能を有していてもよい。
(11)各実施形態において、遮光部70,270は、光を吸収する特性を有する例で説明したが、これに限定されるものでなく、例えば、入射した光の少なくとも一部を反射する機能を有していてもよい。
(12)各実施形態において、光の入射側となる第1基材層10が、黒色や灰色等の暗色透明に着色されていてもよい。この場合、第1の面22で全反射して第1基材層10に入射した光を減衰させて迷光を抑制する観点から、第1基材層10の透過率が20〜70%であることが好ましく、50%であることがより好ましい。第1基材層10の透過率が上記範囲よりも小さいと、光学部材を透過する光量が低下して好ましくない。また、第1基材層10の透過率が上記範囲よりも大きいと、十分な光減衰効果が得られない。したがって、第1基材層10の透過率は、上記範囲内であることが好ましい。
また、各実施形態において、光学部材1,2,3は、第2基材層50側が着色されている形態としてもよいし、第1基材層10及び第2基材層50がともに着色されている形態としてもよい。
(13)各実施形態において、第1単位光学形状21の配列ピッチPは、その配列方向において一定である例を示したが、これに限らず、例えば、配列ピッチPが連続的に変化したり、不規則に変化したりする形態としてもよい。すなわち、第1単位光学形状21の配列ピッチPは、一定でなくてもよい。
(14)各実施形態において、光学部材1,2,3は、建造物100の屋根110の天窓120に備えられている例を示したが、これに限らず、例えば、透明性を有する反射型のスクリーンに適用され、反射層よりも背面側に配置されてもよい。
図10は、光学部材の変形形態を示す図である。図10では、一例として、光学部材2を反射型のスクリーン900に用いた例を挙げて説明するが、これに限らず、光学部材1,3を用いてもよい。
スクリーン900は、不図示の映像源が投射した映像光を観察者側へ向けて反射し、映像を表示する反射型のスクリーンであり、かつ、スクリーン900の向こう側(背面側)の景色を観察できる透明性を有している。
図10は、スクリーン900の画面中央(画面の幾何学的中心)となる点を通り、画面上下方向に平行であって、スクリーン面に直交するスクリーン900の断面の一部を拡大して示している。
スクリーン900は、図2に示すように、その観察者側(映像源側)から順に、スクリーン部90、光学部材2を備えている。スクリーン部90と光学部材2とは、接合層96を介して一体に接合されている。
スクリーン900に対して映像光を投射する不図示の映像源は、スクリーン900の観察者側であってスクリーン900よりも下方に位置し、斜めに大きな入射角度で映像光がスクリーン900に入射するように配置されている。
スクリーン部90は、観察者側から順に、第1基材層91、レンズ層92、反射層93、平坦化層94、第2基材層95、接合層96を備えている。
光学部材2は、第1基材層10側をスクリーン部90側(観察者側)とし、第1単位光学形状21の配列方向(図2等に示すX方向)をスクリーン900の画面上下方向とし、画面上方が+X側となるようにしてスクリーン部90に対して積層されている。そのため、1つの第1単位光学形状21において第2の面23が第1の面22よりも画面上下方向上側に位置している。
第1基材層91は、光透過性を有するシート状の部材である。第1基材層91は、その背面側に、レンズ層92が一体に形成されており、レンズ層92を形成する基材(ベース)となる層である。
レンズ層92は、第1基材層91の背面側に形成された光透過性を有する層である。レンズ層92の背面側の面には、単位レンズ921が複数設けられている。
レンズ層92は、光透過性の高い紫外線硬化型樹脂により形成されるが、これに限らず、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
単位レンズ921は、スクリーン900の厚み方向から見て、真円の一部形状(円弧状)であり、スクリーン900の画面(表示領域)外の下方側に位置する点を中心として、同心円状に複数配列されている。すなわち、レンズ層92は、オフセット構造のサーキュラーフレネルレンズ形状を、背面側に有している。
ここでは、レンズ層92をスクリーン面の法線方向背面側から見たときに、サーキュラーフレネルレンズ形状の光学的中心点(フレネルセンター)は、画面左右方向の中央であって画面外下方に位置している。
なお、これに限らず、レンズ層92は、背面側の面に、画面左右方向に延在し、画面上下方向に配列された単位レンズ921によってリニアフレネルレンズ形状が形成される形態としてもよい。また、リニアフレネルレンズ形状に限らず、画面左右方向を稜線方向とする三角柱状の単位プリズム形状が、画面上下方向に配列される形態としてもよい。
単位レンズ921は、図10に示すように、スクリーン900の厚み方向に平行であって単位レンズ921の配列方向に平行な断面での断面形状が、背面側に凸となる三角形形状である。
単位レンズ921は、図10に示す断面において、映像光が直接入射するレンズ面921aと、レンズ面921aに対向する非レンズ面921bとを有している。本実施形態のスクリーン900の使用状態では、1つの単位レンズ921において、レンズ面921aは、頂点t5を挟んで非レンズ面921bよりも画面上下方向上側に位置している。
レンズ面921aがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ1である。また、非レンズ面921bがスクリーン面に平行な面となす角度は、θ2である。この角度θ1,θ2は、θ2>θ1という関係を満たしている。
単位レンズ921のレンズ面921a及び非レンズ面921bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。
単位レンズ921の配列ピッチや高さ(厚み方向における頂点t5から隣り合う単位レンズ921の間の谷底となる点までの寸法)、角度θ1,θ2は、映像源からの映像光の投射角度(スクリーン900への映像光の入射角度)や、映像源の画素(ピクセル)の大きさ、スクリーン900の画面サイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜設定してよい。
図10では、理解を容易にするために、角度θ1,θ2、単位レンズ921の配列ピッチや高さ等が一定であるように示している。しかし、実際には、単位レンズ921の配列方向において、配列ピッチ及び角度θ2が一定であるが、フレネルセンターとなる点から離れるにつれて、角度θ1及び高さh1が次第に大きくなる形態となっている。
反射層93は、単位レンズ921の少なくともレンズ面921aに形成された層である。ここでは、反射層93は、レンズ面921a及び非レンズ面921bに形成されている。
前述のように、レンズ面921a及び非レンズ面921bは、微細かつ不規則な凹凸形状を有しており、反射層93は、この微細かつ不規則な凹凸形状に追従して形成されている。また、この反射層93の厚みは、凹凸形状よりも十分に薄い。したがって、反射層93の反射面(レンズ層92側の面)と、背面側の面(平坦化層94側の面)は、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。
反射層93は、入射した光の一部を反射し、その他の光の少なくとも一部を透過する半透過型の反射層、いわゆる、ハーフミラーである。
反射層93の反射率と透過率の割合は、適宜に設定できるが、映像光を良好に反射させるとともに、映像光以外の光(例えば、太陽光等の外界からの光)を良好に透過させる観点から、反射層93のみでの透過率が30〜80%、反射率が5〜60%の範囲であることが望ましい。
反射層93は、入射した光の一部を反射面の微細かつ不規則な凹凸形状により拡散して反射し、入射した光のうち反射しない他の光の少なくとも一部を拡散しないで透過するという機能を有している。
反射層93は、光反射性の高い金属を蒸着する等により形成されるが、製法はこの限りではなく、適宜選択できる。また、反射層93は、金属に限らず、高い透明性を有し、光の吸収損失が小さく、高い反射率を実現できる誘電体多層膜や誘電体単層膜を蒸着する等により形成されてもよい。
ここでは、反射層93は、単位レンズ921のレンズ面921a及び非レンズ面921b上に、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。
平坦化層94は、レンズ層92及び反射層93の背面側(−Z側)に設けられた光透過性を有する層である。平坦化層94は、単位レンズ921による凹凸の谷部を埋め、平坦にするために設けられている。
平坦化層94を設けることにより、反射層93を保護することができる。また、平坦化層94を設けることにより、第2基材層95や光学部材2を積層しやすくなる。
平坦化層94の屈折率は、レンズ層92と同等であることが望ましく、平坦化層94は、前述のレンズ層92と同じ樹脂を用いて形成することが、スクリーン900の透明性を向上させる観点から好ましい。ここでの平坦化層94は、レンズ層92と同じ樹脂材料によって形成されており、その屈折率がレンズ層92の屈折率に等しい。
第2基材層95は、平坦化層94の背面側(−Z側)に形成される層である。
第2基材層95は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材が用いられる。ここでは、第1基材層91と同様のシート状の部材を用いている。
上述のように、スクリーン部90は、光を拡散する作用(拡散作用)を有する粒子等の拡散材を含有しておらず、映像光の少なくとも一部は、反射層93の反射面の微細かつ不規則な凹凸形状で拡散反射されるが、スクリーン部90を透過する光は、拡散されない。
したがって、映像源から投射された映像光L20は、その一部(映像光L21)が反射層93で拡散反射して、観察者側へ出射して映像を表示する。
また、反射層93を透過した映像光L22,L23は、スクリーン部90の背面側に光学部材2が設けられているので、スクリーン900内を透過して、遮光部270に入射したり(映像光L22)、第1単位光学形状21の第1の面22で全反射して遮光部270へ入射したり(映像光L23)て吸収され、遮光される。これにより、透明性を有するスクリーン900を透過した一部の映像光により、天井等に生じる不要な映り込みを低減することができる。
また、スクリーン900の背面側上方からの外光G1は、第2単位光学形状41の第1の面42で全反射する等して遮光部270によって遮光されるので、映像のコントラストを向上させることができる。
また、背面側及び観察者側の正面方向からスクリーン面に対して小さい角度で入射する外光G2,G3に関しては、スクリーン900を透過するので、スクリーン900の透明性を維持できる。
ここでは、光学部材2が積層されるスクリーン部90として、反射層93が、レンズ層92の単位レンズ921のレンズ面921a及び非レンズ面921bに形成されているものを例として示したが、光学部材2が積層されるスクリーン部90の形状は、上記の例に限らず、例えば、反射層93がスクリーン面に沿った平面状であってその表面に不規則な凹凸形状を有するもの等、適宜その形態を選択してよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1,2,3 光学部材
10 第1基材層
20 第1光学形状層
21 第1単位光学形状
22 第1の面
23 第2の面
24 平坦部
30 低屈折率層
40 第2光学形状層
41,241 第2単位光学形状
42 第1の面
43 第2の面
44 第3の面
50 第2基材層
60 接合部
70,270 遮光部

Claims (8)

  1. 入射する光のうち特定の角度範囲から入射する光を遮光する光学部材であって、
    光透過性を有し、一方の面に第1単位光学形状が配列された第1光学形状層と、
    光透過性を有し、前記第1光学形状層の前記一方の面に対向する位置に設けられ、前記一方の面に対向する面に第2単位光学形状が配列された第2光学形状層と、
    前記第1光学形状層と前記第2光学形状層との間の少なくとも一部に設けられ、光透過性を有し、前記第1光学形状層よりも屈折率が低い低屈折率層と、
    を備え、
    前記第1単位光学形状による光学形状と前記第2単位光学形状による光学形状とは対応しており、
    前記第1単位光学形状の配列方向に平行であって該光学部材の厚み方向に平行な断面において、前記第1単位光学形状は、断面形状が三角形形状であり、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面を有し、
    前記第2の面と前記厚み方向がなす角度は、前記第1の面と前記厚み方向がなす角度よりも小さい
    光学部材。
  2. 請求項1に記載の光学部材において、
    前記第1単位光学形状の配列方向における前記第2の面の幅は、前記第1の面の幅よりも小さい
    光学部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学部材において、
    前記低屈折率層は、空気層である
    光学部材。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光学部材において、
    前記第1光学形状層は、隣り合う前記第1単位光学形状の間に平坦部を有し、
    前記平坦部において前記第1光学形状層と前記第2光学形状層とが接合されている
    光学部材。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光学部材において、
    前記第2の面は、前記低屈折率層に接する
    光学部材。
  6. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光学部材において、
    前記第1光学形状層と前記第2光学形状層との間に、光を吸収又は反射して遮光する遮光部を備え、
    前記遮光部は、前記第2の面に接する位置に設けられ、前記第1単位光学形状の配列方向に沿って、前記低屈折率層と交互に配置されている
    光学部材。
  7. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光学部材において、
    前記第1光学形状層と前記第2光学形状層との間に、光を吸収又は反射して遮光する遮光部を備え、
    前記第2の面は、前記低屈折率層に面し、
    前記遮光部は、前記第2の面に対応する前記第2光学形状層上の領域に設けられている
    光学部材。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の光学部材において、
    前記第1単位光学形状は、前記第2光学形状層側に凸となり、
    前記第2単位光学形状は、前記第1光学形状層側に凸となり、
    前記第1単位光学形状は、隣り合う前記第2単位光学形状の間の谷部に対応する位置に設けられている
    光学部材。
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