JP4536155B2 - 電流抑制素子、記憶素子、及びこれらの製造方法 - Google Patents

電流抑制素子、記憶素子、及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高集積化および高速化に適した不揮発性記憶素子に用いる電流抑制素子、それを用いた記憶素子およびその製造方法に関する。
近年、デジタル技術の進展に伴って携帯情報機器や情報家電等の電子機器が、より一層高機能化している。これらの電子機器の高機能化に伴い、使用される不揮発性記憶装置の大規模化、高集積化、高速化が急速に進んでおり、またその用途も急速に拡大している。
その中でも、不揮発性の抵抗変化素子を記憶素子として利用してそれをマトリクス状に配設する形態の記憶装置が提案され、3次元メモリとしてさらなる大規模化、高集積化、高速化が期待されている。
この抵抗変化素子は、主として金属酸化物からなる材料により構成される薄膜を有している。この薄膜に電気パルスを印加すると、その電気抵抗値が変化し、かつ、その変化した後の電気抵抗値が保存される。従って、この薄膜の高抵抗状態と低抵抗状態とを、それぞれ、例えば2値データの“1”と“0”とに対応させると、抵抗変化素子に2値データを記憶させることが可能になる。尚、抵抗変化素子の薄膜に印加する電気パルスの電流密度や、電気パルスの印加により発生する電界の大きさは、薄膜の物理的な状態を変化させるには十分であり、かつ、薄膜を破壊しない程度であればよい。
また、2値をとる抵抗変化素子においては、同一の極性で異なる電圧の電気パルスを印加することにより抵抗値が変化する抵抗変化素子(いわゆるユニポーラ型)と異なる極性の電気パルスの印加により抵抗値が変化する抵抗変化素子(いわゆるバイポーラ型)がある。一般的に、ユニポーラ型抵抗変化素子は、低抵抗状態から高抵抗状態にする(いわゆるリセット)時に、高抵抗状態から低抵抗状態にする(いわゆるセット)時より書き込み時間を要する特性を有する。一方、バイポーラ型抵抗変化素子では、セット/リセット時ともに短い時間で書き込みが可能である。
このような、抵抗変化素子が、それぞれ互いに接触せずに直交する複数のワード線と複数のビット線との各々の立体交差部に複数配設されてなる記憶装置(いわゆる、クロスポイント型の記憶装置)においては、ある抵抗変化素子にデータを書き込む際に、迂回電流により他の抵抗変化素子の電気抵抗値が変化してしまうという障害(以下、この障害を「書き込みディスターブ」という)が発生する場合がある。そのため、このようなクロスポイント型の記憶装置を構成する場合には、書き込みディスターブの発生を防止するための格別な構成を別途設ける必要がある。
ユニポーラ型抵抗変化素子においては、同一の極性の電気パルスにより抵抗変化素子に抵抗変化を起こすことができるので、p−n接合ダイオードやショットキーダイオードのような単極性の電流抑制素子(1つの電圧の極性の電圧範囲において高抵抗状態と低抵抗状態を持つ非線形の電圧電流特性を有する)を抵抗変化素子に直列に配置することにより、書き込みディスターブの発生を防止できる。
このような書き込みディスターブの発生を防止することが可能な記憶装置として、記憶素子が抵抗変化素子とショットキーダイオード(電流抑制素子)との直列回路により構成されている記憶装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる提案された記憶装置では、データを書き込むべき記憶素子(選択記憶素子)以外の記憶素子において、抵抗変化素子への迂回電流がショットキーダイオードにより阻止される。これにより、クロスポイント型の記憶装置において、書き込みディスターブの発生が防止される。ここで、この提案された記憶装置では、抵抗変化素子へのデータの書き込みは、同じ極性の電気パルスを抵抗変化素子に印加することにより行われる。従って、抵抗変化素子に対して直列に接続されたショットキーダイオードによりデータの書き込みが阻害されることはない。
一方、バイポーラ型抵抗変化素子を用いる場合、抵抗変化素子に対して書き込みに双極性の電気パルスを用いるため、双極性の電流抑制素子(正/負の極性の電圧範囲において、それぞれ高抵抗状態と低抵抗状態を持つ非線形の電圧電流特性を有する)を抵抗変化素子に直列に配置する必要がある。このような特性を備える素子としては、例えば、MIMダイオード(Metal−Insulator−Metal;金属−絶縁体−金属の意味)、MSMダイオード(Metal−Semiconductor−Metal;金属−半導体−金属の意味)、或いは、バリスタ等の二端子素子が知られている。
図17は電流抑制素子の電流−電圧特性を模式的に示す特性図であって、図17(a)はMIM、MSM、あるいはバリスタ等の双極性の電流抑制素子の電圧−電流特性図であり、図17(b)はショットキーダイオードの電圧−電流特性図である。
図17(b)に示すように、ショットキーダイオードは、非線形の電気抵抗特性を示すものの、その電流−電圧特性は印加電圧の極性に対して全く対称ではない。
これに対して、図17(a)に示すように、MIMダイオード、MSMダイオード、バリスタ等の二端子素子は、非線形の電気抵抗特性を示し、かつ、その電流−電圧特性は印加電圧の極性に対して実質的に対称となる。即ち、正の印加電圧に対する電流の変化と、負の印加電圧に対する電流の変化とが、原点0に対して実質的に点対称となる。また、これらの二端子素子では、印加電圧が第1の臨界電圧(範囲Aの下限電圧)以下でありかつ第2の臨界電圧(範囲Bの上限電圧)以上である範囲(つまり、範囲C)では電気抵抗が非常に高く、その一方で、第1の臨界電圧を超えるか、または、第2の臨界電圧を下回ると、電気抵抗が急激に低下する。即ち、これらの二端子素子は、印加電圧が第1の臨界電圧を超えるか第2の臨界電圧を下回る場合に大電流が流れるという、非線形の電気抵抗特性を有している。
従って、これらの双極性の電流抑制素子として利用すれば、セット/リセットにおいて共に高速動作が可能なバイポーラ型抵抗変化素子を用いたクロスポイント型の不揮発性記憶装置において、書き込みディスターブの発生を回避することが可能となる。
ところで、抵抗変化型の記憶装置においては、抵抗変化素子へのデータの書き込み時、抵抗変化素子に電気パルスを印加することによりその電気抵抗値を変化させて、抵抗変化素子の状態を高抵抗状態或いは低抵抗状態とするためには、抵抗変化素子の材料やその構成等にも大きく依存するが、通常は、抵抗変化素子に大電流を流す必要がある。例えば、抵抗変化素子を備える記憶装置の動作において、バリスタを用いて抵抗変化素子へのデータの書き込み時に30000A/cm以上の電流密度で電流を流すことが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、タングステンには、α態、β態、アモルファス態の3種類が存在する。特許文献3では、配線材料として用いるタングステンとして、β−タングステンが用いられている。
特開2004−319587号公報 特開2006−203098号公報 特開平3−57214号公報
先行特許文献で示されたように、高速で動作可能なバイポーラ型抵抗変化素子を用いたクロスポイント型の不揮発性記憶装置を実現するためには、上述した双極性の電流抑制素子が必要であるが、記憶装置が備える抵抗変化素子へのデータの書き込み時、抵抗変化素子に電気パルスを印加することによりその電気抵抗値を変化させて、抵抗変化素子の状態を高抵抗状態或いは低抵抗状態とするためには、抵抗変化素子の材料やその構成等にも大きく依存するが、通常は、抵抗変化素子に大電流を流す必要がある。この観点に基づけば、MIMダイオードは絶縁膜を電極間にはさんだ構造で、あまり大きな電流は流すことができないという課題がある。また、バリスタは電極間にはさまれた材料の結晶粒界の特性により整流特性を得るため、積層構造の多層メモリ等に適用した場合、電流抑制素子特性にばらつきが発生するという課題がある。また、MSMダイオードは金属電極間に半導体をはさんだ構造であり、MIMダイオードより高い電流供給能力が期待でき、また結晶粒界等の特性を使用しないので、製造工程中の熱履歴等に左右されにくくばらつきの少ない電流抑制素子を得ることが期待できるが、特許文献2で開示されているような30000A/cm以上の電流を供給できるMSMダイオードは報告されていない。
本発明は、上記課題に鑑み、大電流密度の電流供給能力とプロセス安定性を併せ持つ、双極性のMSMダイオードに有用な半導体材料と電極材料を開示し、バイポーラ型抵抗変化素子を組み合わせて、クロスポイント型の不揮発性記憶装置としている。
すなわち、本発明は、上記で説明した双極性の電流抑制素子であり、かつ30000A/cm以上の電流を供給可能なMSMダイオードとその製造方法を開示し、不揮発性記憶装置の、より一層の大規模化、高集積化、高速化を可能とする電流抑制素子、それを用いた記憶素子、ならびにその製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る電流抑制素子は、極性が正または負の電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子であって、前記電流抑制素子は、第1の電極と、電流抑制層と、第2の電極と、を備え、前記電流抑制層が、SiNにより構成され、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方が体心立法格子(bcc)構造を有するα−タングステン(α−W)により構成されている。ここで、SiNとは、いわゆる窒化シリコンのことであり、xの値は窒化の程度を示している。
かかる構成とすることにより、第1の電極と第2の電極に隣接する電流抑制層との間に形成される電位障壁による整流性を得ることができ、極性の異なる電気パルスを印加する場合でも書き込みディスターブの発生を防止することが可能であり、選択された抵抗変化素子には抵抗変化に必要な電流を流すことが可能で、かつ非選択の抵抗変化素子には抵抗変化に必要な電流を流さない特性を有する電流抑制素子を提供することが可能になる。
SiNは、xの値(即ち、SiNの窒化の程度)を制御することにより、電流抑制層の禁制帯幅を制御することが可能である。従って、電流抑制層と共に電流抑制素子を構成する電極の材料の種類に応じて電流抑制層の禁制帯幅を制御することにより、電極と電極に隣接する電流抑制層との間に形成される電位障壁の大きさを制御することが可能となり、電流抑制素子を構成する電極として様々な電極材料を使用することが可能となる。これにより、電流制御素子、及び、これを備えた記憶素子の製造プロセスにおける自由度が大きくなるという利点が得られる。更に、SiNは、半導体産業において既に使用実績のある材料である。そのため、半導体製造ラインの保守及び保全方法や、成膜或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であり、生産性に優れた電流制御素子を提供することが可能になる。
また、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方としてα−Wを適用する。Wは半導体産業において既に使用実績のある材料であるため、半導体製造ラインの保守及び保全方法や、成膜或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であり、生産性に優れた電流抑制素子を提供することが可能になる。更に、Wはエレクトロマイグレーション耐性の高い材料であるため、電流抑制素子の信頼性上の観点から、より好ましい。
上記電流抑制素子において、前記電流抑制層が、SiN(0<x≦0.85)により構成されていてもよい。
更に、前記電流抑制層がSiN(0.3≦x≦0.6)により構成される構成とすることにより、良好な整流性に加えて、第1の電極と第2の電極に隣接する電流抑制層との間に形成される電位障壁の高さをより好適にすることができ、電流抑制素子に流すことができる電流密度を30000A/cm以上にすることが可能になる。その結果、抵抗変化素子へのデータ書き込み時に30000A/cm以上の電流密度の電流を流すことが実現可能となる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る電流抑制素子の製造方法は、第1の電極を形成する工程と、SiNからなる電流抑制層を形成する工程と、第2の電極を形成する工程と、を含む、極性が正または負の電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子の製造方法であって、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方をα−Wにより形成する工程を含み、前記電球抑制層を形成する工程は、多結晶シリコンからなるターゲットを用い、窒素を含む雰囲気中においてスパッタリングする工程を含んでいる。
かかる方法とすると、電流抑制層であるSiNのxの値は、スパッタリング時の雰囲気(窒素のガス流量比)のみによって制御することが可能であるため、xを制御したSiNの成膜が容易となる。また、多結晶シリコンをターゲット材に用いるため、半導体製造プロセスで従来多用されているDCスパッタ法が適用可能であり、設備信頼性の観点からより好ましい。さらに、多結晶シリコンをターゲット材に用いるため、高い純度を保ちながらターゲットを大口径化することが容易である。このため、不純物の少ない(従って、xの値によって、その特性がよく制御された)SiNの大面積成膜が容易となり、結果として使用ウエハの大口径化が容易になる等といった、品質管理や生産性に関して優れた製造方法が得られる。
上記電流抑制素子の製造方法において、SiNからなる電流抑制層を形成する工程は、SiN(0<x≦0.85)からなる電流抑制層を形成する工程であってもよい。
上記電流抑制素子の製造方法において、α−タングステンを形成する工程は、タングステンからなるターゲットを用い、圧力が0.8Pa以下の、アルゴンを含む雰囲気中においてスパッタリングする工程を含んでもよい。
また、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方として、bcc構造を有するα−Wを形成する方法を含み、Wは半導体産業において既に使用実績のある材料であるため、半導体製造ラインの保守及び保全方法や、成膜或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であり、生産性に優れた電流抑制素子の製造方法を提供することが可能になる。更に、Wはエレクトロマイグレーション耐性の高い材料であるため、信頼性に優れた電流抑制素子の製造方法を提供することが可能になる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る記憶素子は、極性が正または負の電気パルスの印加によりその電気抵抗値が変化しかつ該変化した後の電気抵抗値を維持する抵抗変化素子と、前記抵抗変化素子に前記電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子と、を備え、前記電流抑制素子は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配設された電流抑制層と、を備え、前記電流抑制層が、SiNにより構成され、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方がα−Wにより構成されている。
かかる構成とすると、極性の異なる電気パルスを印加する場合でも書き込みディスターブの発生を防止することが可能であり、かつ抵抗変化素子の抵抗変化層に金属酸化物材料を使用する場合であっても抵抗変化素子に大電流を流すことが可能である、データを問題無く確実に書き込むことが可能な記憶素子を提供することが可能になる。
特に、SiNを電流抑制層に適用する場合、xの値(即ち、SiNの窒化の程度)を制御することにより、電流抑制層の禁制帯幅を制御することが可能である。従って、電流抑制層と共に電流抑制素子を構成する電極の材料の種類に応じて電流抑制層の禁制帯幅を制御することにより、電極と電極に隣接する電流抑制層との間に形成される電位障壁の大きさを制御することが可能となり、電流抑制素子を構成する電極として様々な電極材料を使用することが可能となる。これにより、記憶素子の構成の自由度が大きくなるという利点が得られる。更に、SiNは、半導体産業において既に使用実績のある材料である。そのため、半導体製造ラインの保守及び保全方法や、成膜或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であり、生産性に優れた記憶素子を提供することが可能になる。
上記記憶素子において、前記電流抑制層が、SiN(0<x≦0.85)により構成されていてもよい。
また、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方として、bcc構造を有するα−タングステンを適用すると、Wは半導体産業において既に使用実績のある材料であるため、半導体製造ラインの保守及び保全方法や、成膜或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であり、生産性に優れた電流抑制素子を提供することが可能になる。更に、Wはエレクトロマイグレーション耐性の高い材料であるため、記憶素子の信頼性上の観点から、より好ましい。
更に、前記電流抑制層がSiN(0.3≦x≦0.6)で構成することにより、良好な整流性に加えて、第1の電極と第2の電極に隣接する電流抑制層との間に形成される電位障壁の高さをより好適にすることができ、電流抑制素子に流すことができる電流密度を30000A/cm以上にすることが可能になる。その結果、抵抗変化素子へのデータ書き込み時に30000A/cm以上の電流密度の電流を流すことが実現可能となる。
また、本発明に係る記憶素子の製造方法は、極性が正または負の電気パルスの印加によりその電気抵抗値が変化しかつ該変化した後の電気抵抗値を維持する抵抗変化素子を形成する工程と、前記抵抗変化素子に前記電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子を形成する工程と、を含み、前記電流抑制素子を形成する工程は、第2の電極を形成する工程と、SiNからなる電流抑制層を形成する工程と、第1の電極を形成する工程と、を含み、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方をα−Wにより形成する工程を含み、前記電球抑制層を形成する工程は、多結晶シリコンからなるターゲットを用い、窒素を含む雰囲気中においてスパッタリングする工程を含んでいる。
かかる方法とすると、電流抑制層であるSiNのxの値は、スパッタリング時の雰囲気(窒素のガス流量比)のみによって制御することが可能であるため、xを制御したSiNの成膜が容易となる。また、多結晶シリコンをターゲット材に用いるため、半導体製造プロセスで従来多用されているDCスパッタ法が適用可能であり、設備信頼性の観点からより好ましい。さらに、多結晶シリコンをターゲット材に用いるため、高い純度を保ちながらターゲットを大口径化することが容易である。このため、不純物の少ない(従って、xの値によって、その特性がよく制御された)SiNの大面積成膜が容易となり、結果として使用ウエハの大口径化が容易になる等といった、品質管理や生産性に関して優れた記憶素子の製造方法が得られる。
上記記憶素子の製造方法において、SiNからなる電流抑制層を形成する工程は、SiN(0<x≦0.85)からなる電流抑制層を形成する工程であってもよく、SiN(0.3≦x≦0.6)からなる電流抑制層を形成する工程であってもよい。
上記記憶素子の製造方法において、α−タングステンを形成する工程は、タングステンからなるターゲットを用い、圧力が0.8Pa以下の、アルゴンを含む雰囲気中においてスパッタリングする工程を含んでもよい。
上記記憶素子の製造方法において、α−タングステンを形成する工程は、CVDによりα−タングステンを堆積させる工程を含んでもよい。
また、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方として、bcc構造を有するα−Wを形成する方法を含み、Wは半導体産業において既に使用実績のある材料であるため、半導体製造ラインの保守及び保全方法や、成膜或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であり、生産性に優れた記憶素子の製造方法を提供することが可能になる。更に、Wはエレクトロマイグレーション耐性の高い材料であるため、信頼性に優れた記憶素子の製造方法を提供することが可能になる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る記憶装置は、極性が正又は負の電気パルスの印加によりその電気抵抗値が変化しかつ該変化した後の電気抵抗値を維持する抵抗変化素子と、該抵抗変化素子に前記電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子とを備え、該電流抑制素子は第1の電極と第2の電極と該第1の電極と該第2の電極との間に配設された電流抑制層とを備え、該電流抑制層がSiNにより構成され、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方がα−タングステンにより構成されているている複数の記憶素子と、複数のビット線と、前記複数のビット線に各々立体交差する複数のワード線と、を備え、前記複数の記憶素子は前記抵抗変化素子と前記電流抑制素子との直列回路を備え、前記複数の記憶素子が、前記ビット線と前記ワード線とが立体交差する各々の部分に配設され、該各々の部分において、前記直列回路の一端がその対応する前記ビット線に、前記直列回路の他端がその対応する前記ワード線に、各々接続されている。
上記記憶装置において、該電流抑制層がSiN(0<x≦0.85)により構成されていてもよく、前記電流抑制層が、SiN(0.3≦x≦0.6)により構成されていてもよい。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明に係る電流抑制素子、記憶素子及びこれらの製造方法は、極性の異なる電気パルスを印加する場合でも書き込みディスターブの発生を防止することが可能であり、かつ抵抗変化素子に大電流を流すことが可能である、データを問題無く書き込み可能な電流抑制素子、記憶素子及びこれらの製造方法を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態に係る電流抑制素子を備える記憶装置の構成を模式的に示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る電流抑制素子の構成を模式的に示す断面図である。 図3は、窒素ガスの流量比を変化させて成膜した複数のSiN膜におけるxの値をラザフォード後方散乱分光法により測定した結果を示す相関グラフである。 図4は、SiNからなる膜厚10nmの電流抑制層とW(タングステン)からなる一対の電極とを備える電流抑制素子の電流−電圧特性を測定した結果を示す特性グラフである。 図5は、SiNからなる膜厚10nmの電流抑制層とWからなる一対の電極とを備える電流抑制素子の電流−電圧特性を測定した結果を示す特性グラフである。 図6は、DCマグネトロンスパッタ法で成膜したWのX線回折パターンを示すグラフである。 図7は、(a)はWの膜のSEM観察写真による断面写真、(b)はWの膜のSEM観察写真による斜め上方向から見た上面写真である。 図8は、(a)はWの膜のSEM観察写真による断面写真、(b)はWの膜のSEM観察写真による斜め上方向から見た上面写真である。 図9(a)はWの膜のSEM観察写真による断面写真、図9(b)はWの膜のSEM観察写真による斜め上方向から見た上面写真である。 図10(a)はWの膜のSEM観察写真による断面写真、図10(b)はWの膜のSEM観察写真による斜め上方向から見た上面写真である。 図11は、4種類のWの膜の抵抗率を測定した結果を示すグラフである。 図12は、SiNからなる膜厚10nmの電流抑制層とWからなる一対の電極とを備える電流抑制素子の電流−電圧特性を測定した結果を示す特性グラフであって、(a)はx=0.3の場合の特性グラフ、(b)はx=0.6の場合の特性グラフである。 図13(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係る記憶素子の構成例を模式的に示す断面図である。 図14(a)、(b)は、本発明の実施の形態に係る記憶素子の構成例を模式的に示す断面図である。 図15は、本発明の実施の形態に係る記憶素子の製造方法の一例を説明するフローチャートである。 図16は、CVD法を用いて形成したα−タングステン膜を、スパッタで形成したタングステン膜と比較したX線回折スペクトルである。 図17は、電流抑制素子の電流−電圧特性を模式的に示す特性図であって、(a)はバリスタ等の二端子素子の特性図、(b)はショットキーダイオードの特性図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る記憶素子を備える記憶装置の構成を模式的に示すブロック図である。尚、図1では、本発明を説明するために必要となる構成要素のみを図示し、その他の構成要素は図示を省略している。
図1に示すように、本実施の形態に係る記憶装置21は、いわゆるクロスポイント型の記憶装置である。この記憶装置21は、記憶素子アレイ20と、記憶素子アレイ20を駆動するための周辺回路(例えば、ビット線デコーダ4、読み出し回路5、ワード線デコーダ6,7)とを備えている。
ここで、実際の記憶素子アレイは、通常、複数のビット線と複数のワード線とを有しているが、本明細書では、図1に示すように、記憶素子アレイの構成を容易に理解可能とするため、4本のビット線BL0〜BL3と4本のワード線WL0〜WL3とを備える記憶素子アレイ20を例示する。
本実施の形態に係る記憶素子アレイ20では、4本のビット線BL0〜BL3と、4本のワード線WL0〜WL3とが、互いに直角に立体交差するように配設されている。そして、これらの4本のビット線BL0〜BL3と4本のワード線WL0〜WL3との立体交差部11の各々には、記憶素子3(いわゆる、セル)が配設されている。換言すれば、本実施の形態に係る記憶素子アレイ20では、記憶素子3が4行4列のマトリクス状に配設されている。ここで、記憶素子3の各々は、抵抗変化素子1と、この抵抗変化素子1に対して直列に接続された電流抑制素子2との直列回路により構成されている。そして、この直列回路の一端及び他端が、各々、その立体交差部11に対応するビット線BL0〜BL3及びワード線WL0〜WL3に接続されている。
そして、図1に示すように、4本のビット線BL0〜BL3の一端が、ビット線デコーダ4に接続されている。また、ビット線BL0〜BL3の他端が、読み出し回路5に接続されている。一方、4本のワード線WL0〜WL3の両端が、ワード線デコーダ6,7に接続されている。
このように、2つのワード線デコーダ6,7をワード線WL0〜WL3の両端に配設することにより、例えば、偶数番目のワード線をワード線デコーダ6に接続し、奇数番目のワード線をワード線デコーダ7に接続するというように、ワード線WL0〜WL3をワード線デコーダ6とワード線デコーダ7とに交互に接続することができる。本実施の形態では、図1では具体的には図示してはいないが、このような接続形態を採用している。かかる構成とすることにより、ワード線WL0〜WL3の間隔を小さくすることができると共に、ワード線デコーダ6,7の回路配置に関する自由度を大きくすることができる。
かかる記憶装置21では、ビット線デコーダ4が、制御器(図示せず)からの指令に応じて、ビット線BL0〜BL3を選択する。また、ワード線デコーダ6,7は、制御器からの指令に応じて、ワード線WL0〜WL3を選択する。そして、ビット線デコーダ4とワード線デコーダ6,7とは、制御器からの指令がデータの書き込み(以下、単に「書き込み」という)であるか、或いは、データの読み出し(以下、単に「読み出し」という)であるかに応じて、ビット線BL0〜BL3における選択されたビット線とワード線WL0〜WL3における選択されたワード線との間に、その電圧が所定の書き込み電圧Vwである電気パルス(正確には、電圧パルス)、または、その電圧が所定の読み出し電圧Vrである電気パルス(正確には、電圧パルス)を印加する。一方、読み出し時、読み出し回路5は、ビット線BL0〜BL3における選択されたビット線に流れる電流値を検出して、選択された記憶素子3に記憶されたデータを読み出し、これを制御器に向けて出力する。ここで、図1に示すビット線デコーダ4、読み出し回路5、ワード線デコーダ6,7等の周辺回路は、例えば、MOSFETにより構成される。また、記憶装置21は、通常、半導体の製造プロセスにより作製される。
尚、本実施の形態では、電流抑制素子2を構成する第1の電極32,及び第2の電極31(図2参照)は、各々、抵抗変化素子1の一方の電極(図示せず)及びワード線WL0〜WL3の何れかに接続されている。一方、抵抗変化素子1の他方の電極(図示せず)は、ビット線BL0〜BL3の何れかに接続されている。しかし、このような形態に限定されることはなく、例えば、電流抑制素子2の第1の電極32(または、第2の電極31)を抵抗変化素子1の一方の電極と共用とする構成としてもよい。
次に、本実施の形態に係る記憶素子を構成する抵抗変化素子の構成について詳細に説明する。
図1に示す抵抗変化素子1は、対向する一対の電極(図示せず)の間に抵抗変化材料からなる薄膜(図示せず:以下、この薄膜を「抵抗変化薄膜」という)が配設され構成されている。この抵抗変化薄膜に所定の電気パルスを印加すると、所定の低抵抗状態(以下、この状態を単に「低抵抗状態」という)と所定の高抵抗状態(以下、この状態を単に「高抵抗状態」という)との間で、抵抗変化薄膜の状態が遷移する。ここで、この抵抗変化薄膜は、所定の電気パルスを印加しない限り、その遷移した後の状態を維持する。本実施の形態では、この低抵抗状態と高抵抗状態とに、各々、2値データの“0”及び“1”の何れか一方及び他方が割り当てられており、抵抗変化薄膜の状態を低抵抗状態と高抵抗状態との間で遷移させるために、極性の異なる電気パルスを印加する。このような、抵抗変化薄膜を構成するための抵抗変化材料としては、ペロブスカイト型の金属酸化物や、典型金属または遷移金属の酸化物等を用いることができる。
具体的には、抵抗変化薄膜を構成するための抵抗変化材料としては、Pr(1−x)CaMnO(0<x<1)、TiO、NiO(x>0)、ZrO(x>0)、FeO(x>0)、CuO(x>0)、TaO(0<x<2.5)等や、これらの置換体、または、これらの混合物や積層構造物等が挙げられる。勿論、抵抗変化材料は、これらの抵抗変化材料に限定されることはない。
次に、本発明の実施の形態に係る記憶素子を構成する抵抗変化素子の製造方法について説明する。
抵抗変化素子を形成する場合には、所定の基板の主面上に電極(図示せず:以下、この電極を「下部電極」という)、抵抗変化薄膜、下部電極と対をなす電極(図示せず:以下、この電極を「上部電極」という)を、この順に形成する。先ず、下部電極の成膜であるが、成膜条件は、使用する電極材料等によって変わるが、例えば、Pt(白金)を下部電極の材料に用いる場合はDCマグネトロンスパッタ法を用い、成膜の際の圧力を0.5Paとし、DCパワーを200Wとし、Ar(アルゴン)流量を6sccmとし、厚さが20〜100nmとなるよう成膜時間を調節する。なお、下部電極の成膜方法はスパッタ法に限定されるものではなく、いわゆる化学気相堆積法(CVD法)やスピンコート法等を使用してもよいことを付記しておく。
次に、下部電極の主面上に、抵抗変化薄膜を形成する。この成膜方法も、使用する抵抗変化薄膜の材料によって変わるが、例えば、FeO(酸化鉄)を抵抗変化薄膜の材料に用いる場合は、RFマグネトロンスパッタ法を用い、酸化鉄ターゲットをAr雰囲気の下でスパッタリングすることによりFeO薄膜を形成する。具体的には、圧力を0.5〜2Paとし、基板温度を20〜300℃とし、Ar流量を20sccmとし、RFパワーを200〜300Wとした上で、FeO膜の厚さが20〜100nmとなるよう成膜時間を調節する。なお、抵抗変化薄膜の成膜方法はスパッタ法に限定されるものではなく、いわゆるCVD法やスピンコート法等を使用してもよい。
最後に、抵抗変化薄膜の主面上に、上部電極をスパッタ法により形成する。ここで、上部電極の成膜条件は、使用する電極材料等によって変わるが、例えば、Ptを上部電極の材料に用いる場合には、下部電極の成膜時と同様にしてDCマグネトロンスパッタ法を用い、成膜の際の圧力を0.5Paとし、DCパワーを200Wとし、Ar流量を6sccmとし、厚さが20〜100nmとなるよう成膜時間を調節する。なお、上部電極の成膜方法はスパッタ法に限定されるものではなく、いわゆるCVD法やスピンコート法等を使用してもよいことを付記しておく。
次に、本実施の形態に係る電流抑制素子の特徴的な構成について詳細に説明する。
本実施の形態において、電流抑制素子は、対向する一対の電極の間に電流抑制層を配設することにより構成している。この構成は、先に述べたMIMダイオード或いはMSMダイオードの構成と同じ構成である。そして、本実施の形態に係る電流抑制素子は、非線形の電気抵抗特性を示し、かつ、電流−電圧特性が印加電圧の極性に対して実質的に対称となる。そのため、本実施の形態に係る電流抑制素子によれば、極性の異なる電気パルスを印加する場合でも、書き込みディスターブの発生を防止することが可能になる。
また、本実施の形態に係る電流抑制素子の電流−電圧特性は、電極と電極に隣接する電流抑制層との間に形成される電位障壁に大きく依存し、この電位障壁により整流性が生じるため、非線形の電気抵抗特性が得られる。本実施の形態では、かかる特性を有効に利用しながら、電位障壁の高さをある程度以下の高さに抑制することにより、大電流を流すことができる電流抑制素子を提供する構成について説明する。
以下、本実施の形態に係る電流抑制素子の具体的な構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る電流抑制素子の構成を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、電流抑制素子2は、第1の電極32と、第2の電極31と、これらの第1の電極32及び第2の電極31の間に配設された電流抑制層33とにより構成されている。
本実施の形態では、前記第1の電極あるいは前記第2の電極として、タングステン(W)を適用している。Wは、半導体産業において既に使用実績のある材料であるため、半導体製造ラインの保守及び保全方法や、成膜或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であり、生産性に優れた電流抑制素子を提供することが可能になる。更に、Wはエレクトロマイグレーション耐性の高い材料であるため、電流抑制素子の信頼性上の観点から、より好ましい。本願の発明者らは、鋭意検討の結果、電極材料としてWを用い、導通状態に流すことができる電流密度を十分に大きくすることが可能な電流抑制素子2の製造には、Wの中でも、体心立方格子構造(bcc構造)を有するα−Wを電極材料として使用することが好ましいことを見い出した。なお、W電極適用時の電流抑制素子特性の電極依存性に関しては、後で詳細に説明する。
そして、本実施の形態では、電流抑制層33がSiN(0<x≦0.85)により構成されている。
SiNのようなシリコン化合物は、四配位の結合を形成するテトラヘドラル系アモルファス半導体を形成し、このテトラヘドラル系アモルファス半導体は基本的には単結晶シリコンやゲルマニウムの構造に近い構造を有しているため、シリコン以外の元素を導入することによる構造の違いが物性に反映され易いという特徴を有している。このため、シリコン化合物を電流抑制層33に適用すれば、シリコン化合物の構造制御作用により電流抑制層33の物性を制御することが容易となる。従って、これにより、第1の電極32及び第2の電極31との間に形成される電位障壁の制御がより一層容易となるという効果が得られる。
特に、SiNを電流抑制層33として使用すると、SiN中の窒素の組成を変化させることにより禁制帯幅を連続的に変化させることが可能であるため、第1の電極32及び第2の電極31とこれらに隣接する電流抑制層33との間に形成される電位障壁の大きさが制御可能となり、より一層好ましい。
更に、SiNは、半導体の製造工程において極一般的に使用されるシリコン及び窒素をその成分として有しており、現在の半導体の製造工程において広く使用されている。このため、SiNの導入に起因する新たな不純物汚染の発生はなく、半導体製造ラインの保守保全上好都合である。また、加工面では、成膜或いはエッチング等に関して既存の設備の転用が容易であり、加工条件についても、既存の成膜或いはエッチング条件の転用で対応可能であるという利点を有する。
さて、極性の異なる電気パルスを印加してデータを確実に書き込み可能なクロスポイント型の記憶装置を構成するためには、電流抑制素子が「非線形の電気抵抗特性を示し、かつ電流−電圧特性が印加電圧の極性に対して実質的に対称な素子」でありかつ「抵抗変化素子へのデータ書き込み時に必要な電流密度の電流を流すことができる素子」であることが求められる。また、記憶素子の微細化或いは高集積化といった観点からは、電流抑制素子の微細化が可能であり、かつ、特性のばらつきが小さいことが望ましい。
かかる観点に基づくと、電流抑制素子として適用可能な二端子素子(例えば、MIMダイオード、MSMダイオード、バリスタ等)の内、MIMダイオードは、絶縁体を金属間に挟んだ構造を有するため、大電流を定常的に流す用途には基本的に不向きであると考えられる。また、バリスタは、その特性が結晶粒界に起因することが知られているが、結晶の粒径分布の相違に基づく特性ばらつきが原理的に発生するため、微細化時の動作特性ばらつきが不可避となり、この点において電流抑制素子としては好ましくないと考えられる。また、MSMダイオードは、アモルファス半導体を使用する場合には半導体の構造に起因する特性ばらつきは原理的に発生しにくいと考えられるため、微細化時の動作特性ばらつきを回避することができるが、大電流を定常的に流す用途には報告がなされていない。
電流抑制層33にSiNを適用する場合、先に述べたように、電流抑制層33の電気伝導特性はxの値によって大きく変化する。具体的には、いわゆる化学量論組成(x=1.33、つまりSi)では絶縁体であるが、これより窒素の比率を小さくすると(即ち、xの値を小さくすると)SiNは次第に半導体として振舞うようになる。そのため、xの値を適切に制御することにより、電流抑制層33を有する電流抑制素子2をMSMダイオードとして機能させることが可能となる。ここで、MSMダイオードは、印加電圧が第1の臨界電圧以下でありかつ第2の臨界電圧以上である範囲では電気抵抗が非常に高く、第1の臨界電圧を超えるか、または、第2の臨界電圧を下回ると、電気抵抗が急激に低下する。即ち、MSMダイオードは、印加電圧が第1の臨界電圧を超えるか第2の臨界電圧を下回る場合に大電流が流れる(以下、この大電流が流れる状態を「導通状態」という)という、非線形の電気抵抗特性を有している。本実施の形態では、このようなMSMダイオードの電気抵抗特性を有する電流抑制素子2を抵抗変化素子1に直列に接続することにより、迂回電流を確実に抑制する。
本願の発明者らは、鋭意検討の結果、SiNにおけるxの値を所定の範囲内の値に制御することにより、MSMダイオードと同様の電気抵抗特性を付与しながら、導通状態に流すことができる電流密度を十分に大きくすることが可能な電流抑制素子2の製造が可能であることを見い出した。尚、このSiNにおける適切なxの値については、後に詳細に説明する。
次に、本発明の実施の形態に係る記憶素子を構成する電流抑制素子の製造方法について説明する。
電流抑制素子を製造する場合には、先ず、所定の基板の主面上に第1の電極32としてWを形成する。Wの成膜にはDCマグネトロンスパッタ法を用い、基板温度を20〜25℃、Ar流量を50sccm、DCパワーを200〜300W、成膜時の圧力を0.4〜0.8Paに設定し、厚さが20〜100nmとなるよう成膜時間を調節する。
次に、第1の電極32の主面上に、電流抑制層33としてのSiN膜を形成する。この成膜の際には、例えば、多結晶シリコンターゲットをArと窒素との混合ガス雰囲気の下でスパッタする手法(いわゆる、反応性スパッタ法)を用いる。そして、典型的な成膜条件として、圧力を0.08〜2Paとし、基板温度を20〜300℃とし、窒素ガスの流量比(Arと窒素との総流量に対する窒素の流量の比率)を0〜40%とし、DCパワーを100〜1300Wとした上で、SiN膜の厚さが5〜20nmとなるよう成膜時間を調節する。
最後に、電流抑制層33の主面上に、第2の電極31としてWを形成する。Wの成膜にはDCマグネトロンスパッタ法を用い、基板温度を20〜25℃、Ar流量を50sccm、DCパワーを200〜300W、成膜時の圧力を0.4〜0.8Paに設定し、厚さが20〜100nmとなるよう成膜時間を調節する。
本実施の形態においては、電流抑制層33としてのSiN膜の形成には、多結晶シリコンからなるターゲットをArと窒素との混合ガス雰囲気の下でスパッタする、いわゆる反応性スパッタ法を用いている。シリコンをターゲットに用いてスパッタ法を適用する場合、単結晶シリコンをターゲットに用いた場合は、ターゲットの電気抵抗が大きいため、半導体製造プロセスで従来多用されているDCスパッタ法が適用できず、RFスパッタ法の成膜設備が必要となる、といった問題点がある。また、単結晶シリコンによるターゲットは、高純度なまま大口径化することが難しい。これに対して、多結晶シリコンをターゲット材に用いる場合は、半導体製造プロセスで従来多用されているDCスパッタ法が適用可能であり、設備信頼性の観点からより好ましい。また、多結晶シリコンをターゲット材に用いる場合は、高い純度を保ちながらターゲットを大口径化することが容易である。このため、不純物の少ない(従って、xの値によって、その特性がよく制御された)SiNの大面積成膜が容易となり、結果として使用ウエハの大口径化が容易になる等といった、品質管理や生産性に関して優れた製造方法が得られる。
本実施の形態において、SiN膜におけるxの値は、多結晶シリコンからなるターゲットをスパッタリングする条件(Arと窒素とのガス流量比等)を変えることにより、適宜変化させることが可能である。
図3は、窒素ガスの流量比を変化させて成膜した複数のSiN膜におけるxの値をラザフォード後方散乱分光法により測定した結果を示す相関グラフである。図3において、横軸は窒素ガスの流量比(Arと窒素との総流量に対する窒素の流量の比率)を示し、縦軸はSiN膜におけるx値を示している。なお、図3には、2種類のDCスパッタ成膜装置(以下、装置A、および装置Bと称する)を用いて成膜したSiN膜に関するデータを示している。ここで、装置Aでは直径150mmの多結晶シリコンターゲットを用い、圧力を0.4Pa、基板温度を20℃、DCパワーを300Wと設定して成膜した試料の測定結果を示している。また、装置Bでは直径300mmの多結晶シリコンターゲットを用い、総ガス流量を15sccm(このときの圧力は約0.08〜0.1Paであった)、基板温度を20℃、DCパワーを1000〜1300Wと設定して成膜した試料の測定結果を示している。
図3に示すように、装置Aおよび装置Bのいずれの成膜装置を使用した場合も、窒素ガスの流量比を0%から40%まで連続的に変化させることにより、SiN膜におけるxの値を連続的に変化させることが可能となる。このように、SiN膜における窒素の組成を窒素ガスの流量比により変化させることで、禁制帯幅を連続的に変化させることが可能となる。これにより、第1の電極32及び第2の電極31とこれらに隣接する電流抑制層33との間に形成される電位障壁の大きさを適切に制御することが可能となる。そして、これにより、電流抑制素子2にMSMダイオードと同様の電気抵抗特性を付与しながら、導通状態に流すことができる電流密度を十分に大きくすることが可能となる。
以下、SiNにおける適切なxの値の検討内容について説明する。
図4は、SiNからなる膜厚10nmの電流抑制層とタングステン(W)からなる一対の電極とを備える電流抑制素子の電流−電圧特性を、印加電圧を−2〜2Vの範囲で0.25V毎に測定した結果を示す特性グラフである。図4において、横軸は電流抑制素子への印加電圧を示し、縦軸は電流抑制素子に流れる電流の絶対値を示している。
本実験では、基板の主面上にW,SiN,Wをこの順にスパッタ法により成膜して積層した後、通常のリソグラフィ及びドライエッチングを適用することにより、電極面積が1平方ミクロンメートルの電流抑制素子2を作成し、これを測定対象とした。ここで、SiNx薄膜は、多結晶シリコンターゲットをアルゴンと窒素との混合ガス雰囲気の下でスパッタリングすることにより成膜した。SiN薄膜におけるxの値は、スパッタ条件(アルゴンと窒素とのガス流量比等)を変えることにより変化させ、xの値は、それぞれ0.3、0.45、0.6、0.85であった。また、本実験におけるWの成膜にはDCマグネトロンスパッタ法を用い、基板温度を20〜25℃、Ar流量を50sccm、DCパワーを300W、成膜時の圧力を0.4Paに設定することにより、α−Wを成膜した(W電極適用時の電流抑制素子特性の電極依存性に関しては、後で詳細に説明する。)。
図4に示すように、第1及び第2の電極32,31にWを用い、電流抑制層33をSiNにより構成した電流抑制素子2は、非線形の電気抵抗特性を示し、かつ、電流−電圧特性が印加電圧の極性に対して実質的に対称な素子となることが判明した。また、電流抑制層33にSiNを適用する場合には、xの値が大きくなるに連れて第1及び第2の電極32,31とこれらに隣接する電流抑制層33との間に形成される電位障壁が大きくなることに対応して、導通状態となる電圧が大きくなることも図4より読み取れる。
実際、xの値が0.3から0.85までの範囲においては、第1の電極32と第2の電極31との間の印加電圧が−2Vあるいは2Vの時、印加電圧が0Vの時と比較して電流密度の絶対値が4桁以上増大しており、良好な双方向ダイオード特性を有していることがわかる。また、同一印加電圧で比較した場合、xの値がより小さい方が流れる電流密度が大きい。また、xの値が0.3未満の場合においても、更に大きな電流密度が得られることが推察される。従って、電流抑制層33にSiNを適用する場合には、xの値は0を超え0.85以下であることが好ましいと考えられる。この構成を採る場合、電流抑制層33は半導体として機能し、電流抑制素子2はMSMダイオードとして機能する。
図5は、図4で測定対象とした電流抑制素子のうち、SiNにおけるxの値が0.3,0.45,0.6の場合に関して、その電流−電圧特性を、図4より大きな印加電圧の領域まで測定した結果を示す特性グラフである。なお、図5では、便宜上、印加電圧の極性が負である場合の電流−電圧特性の図示を省略している。図5に示すように、SiNxにおけるxの値を0.3から0.6とすることで、印加できる電圧が、それぞれの条件に応じて、2.5Vから3.4Vとなり、何れの場合も30000A/cmを超える大きな電流密度を実現できることが判明した。従って、Wを電極に備える電流抑制素子を構成する場合、30000A/cmを超える大きな電流密度を実現するためには、xの値を0.3以上0.6以下とすることが好ましいと考えられる。
このように、第1及び第2の電極32,31とこれらに隣接する電流抑制層33との間に形成される電位障壁の大きさは、基本的には第1及び第2の電極32,31を構成する材料の仕事関数によって変化するが、電流抑制層33を構成するSiNのxの値を適切な値に設定することにより、所望の電位障壁の大きさを実現することが可能になる。つまり、本実施の形態によれば、電流抑制層33を構成するSiNのxの値を適切な値に設定することにより、電流抑制素子2の電気抵抗特性を所望の特性に制御することが可能となり、電流抑制素子2或いは記憶素子3の設計自由度が大きくなるという利点が得られる。
次に、電流抑制素子特性の電極材料依存性について説明する。
図6は、DCマグネトロンスパッタ法で成膜したタングステン(W)のX線回折パターンを示しており、X線を入射角度1度でタングステン薄膜のサンプルに入射させ、ディテクタの角度(θ、入射X線の延長線からディテクタまでの角度)を変化させた際の、X線回折強度を示している。
サンプルは、WターゲットをArガス雰囲気の下でスパッタリングすることにより、Wを成膜した。また、成膜条件としては、基板温度を20〜25℃、Ar流量を50sccm、DCパワーを200〜300Wとした上で、圧力が0.4Pa、0.8Pa、2Pa、4Paの4条件について試料を作成した。図6を見ると、成膜時の圧力によってWの膜の構造が異なることがわかる。成膜時の圧力が0.4Paあるいは0.8Paの時には、X線回折パターンにα−タングステン(α−W)に起因するピーク群(図中に『↓』で示した40.3°および73.2°の2つのピーク)が見られ、この事実から、Wは面心立法格子構造を有するα−Wからなる薄膜となっているものと考えられる。一方、成膜時の圧力が2Paあるいは4Paの場合は、α−Wに起因するピーク群が小さくなるか、あるいは消失すると共に、A15構造を有するβ−タングステン(β−W)に起因するピーク群(図中に『↓』で示した35.5°、39.9°、43.9°、75.2°の4つのピーク)が現れ、これらが大きくなっていることから、主としてβ−WからなるWの薄膜が形成されていると考えられる。
ここでは、X線回折法によりα−Wとβ−Wの存在を解析したが、透過型電子顕微鏡による電子線回折パターンでも解析は可能である。
図7(a)、(b)、図8(a)、(b)、図9(a)、(b)、図10(a)、(b)は、上に記した4条件で成膜した、膜厚が約50nmのWの膜のSEM写真である。図7(a)、図8(a)、図9(a)、図10(a)は、Wの成膜時の圧力がそれぞれ0.4Pa、0.8Pa、2Pa、4Paの時の、Wの膜の断面のSEM観察時に撮影した写真であり、図7(b)、図8(b)、図9(b)、図10(b)は、Wの成膜時の圧力がそれぞれ0.4Pa、0.8Pa、2Pa、4Paの時の、Wの膜の表面を斜め上方向からSEM観察した際に撮影した写真である。なお、図7〜図10では、図中でWの膜を『←W』で示している。これらの写真を見ると、図6と同様に、成膜時の圧力によってWの膜の構造が異なることがわかる。成膜時の圧力が0.4Pa(図7)あるいは0.8Pa(図8)の時(すなわち、α−Wの時)には、Wは稠密な膜構造を有し、その表面は平滑であることが観察される。一方、成膜時の圧力が2Pa(図9)あるいは4Pa(図10)の時には、Wの膜は柱状構造をとり、その表面には凹凸が見られる。
図11には、これら4種類のWの膜の抵抗率を測定した結果を示しているが、図6あるいは図7〜図10で見られるような構造的な変化を反映して、Wの膜の抵抗率は成膜時の圧力によって異なることがわかる。すなわち、図11に示したように、成膜時の圧力が0.4Paあるいは0.8Paの時(すなわち、α−Wの時)には、抵抗率は2×10−2mΩcm程度であるのに対し、成膜時の圧力が2Paの場合の抵抗率は4×10−1mΩcm、圧力4Paの時には、抵抗率は2mΩcmとなっている。
図12(a)及び図12(b)は、図4と同様に、SiNからなる膜厚10nmの電流抑制層とWからなる一対の電極とを備える電流抑制素子の電流−電圧特性を0.25V毎に測定した結果を示す特性グラフであり、横軸は電流抑制素子への印加電圧を示し、縦軸は電流抑制素子に流れる電流の絶対値を示している。ここで、図12(a)は、SiNにおけるxの値が0.3、図12(b)は、SiNにおけるxの値が0.6である場合の電流−電圧特性を示しており、図6と同様にWの成膜については上に記した4条件(圧力=0.4Pa、0.8Pa、2Pa、4Pa)を用いている。なお、電流抑制素子2の作成方法にいては図4で測定対象とした電流抑制素子の作成方法と同様である。W電極の成膜時の圧力が0.8Paの場合は、W電極の成膜時の圧力が0.4Paの場合と殆ど同じ電流−電圧特性を示していることから、電極材料がα−Wである電流抑制素子は電流抑制素子として良好な電流−電圧特性を示し、かつ、図5で既に見たように30000A/cmを超える大きな電流密度を実現できることがわかる。一方、W電極の成膜時の圧力が2Paあるいは4Paの(すなわち、電極材料が主としてβ−Wで構成される)場合は、電流抑制層を構成するSiNにおけるxの値にかかわらず、電流抑制素子への印加電圧が±0.5Vの時点で既に非常に大きな電流が流れている。したがって、印加電圧の正負にかかわらず、電極間の漏洩電流が極めて大きい電流抑制素子になっており、W電極の成膜時の圧力が0.4Paあるいは0.8Paの時のような電流−電圧特性を示さない。これは、図7〜図10で見られるようなW膜の表面状態の相違等に起因して、W電極の成膜時の圧力が2Paあるいは4Paの(すなわち、電極材料が主としてβ−Wで構成される)場合には、xの値にかかわらず、電流抑制層を構成するSiNとW電極との間に電位障壁が形成されていないためと考えられる。従って、電極材料としてWを使用することを考えた場合、電極材料の抵抗率がより低く、電流抑制素子に適用した時に良好な電流−電圧特性を示し、かつ、30000A/cmを超える大きな電流密度を実現可能である、α−Wを選択することが好ましい。なお、熱力学的な観点から見ると、α−Wの方がβ−Wより安定であり、β−Wは高温で体積変化(収縮)を伴ってα−Wに変わるため、電極材料としてWを使用する場合、α−Wを選択することは電流抑制素子の信頼性の観点からも好ましいと考えられる。
なお、α−Wを形成する方法としては、先に述べたようにスパッタ法が適用可能であるが、これに限定されるものではなく、いわゆるCVD法等を使用してもよい。また、α−Wを形成する方法としてスパッタ法を適用する場合は、先の実験結果より、Wターゲットを圧力0.8Pa以下のArガス雰囲気の下でスパッタリングすればよい。
次に、本発明の実施の形態に係る記憶素子の構成およびその製造方法について説明する。
図13は、本発明の実施の形態に係る記憶素子に関し、いくつかの構成例を模式的に示す断面図である。図13(a)は、下部電極40、抵抗変化薄膜41、上部電極42からなる抵抗変化素子1と、第1の電極32、電流抑制層33、第2の電極31からなる電流抑制素子2を備えた記憶素子3であり、電流抑制素子2は上部電極42上に形成されている。記憶素子3の構成はこれに限られたものではなく、上部電極42を第1の電極32と共用する構成(図13(b))や、あるいは、上部電極42と第2の電極32の間に密着メタル層43を配置する構成(図13(c))としてもよい。また、上部電極42と第1の電極32をビア配線44で接続する構成(図13(d))としてもよい。この類型として、ビア配線44と第1の電極32を同一材料で構成(図14(a)および図14(b))することが考えられる。ビアホールへの埋込性に優れたWをビア配線44および第1の電極32に用いることにより、微細加工に適した記憶素子が得られる。さらに、図13(a)〜(d)、図14(a)〜(b)に示すような、電流抑制素子2を抵抗変化素子1の上に形成した構成に代えて、上下の配置を逆転して、電流抑制素子2を抵抗変化素子1の下に形成(図示せず)してもよい。なお、本発明の実施の形態に係る記憶素子の構成は、以上で説明した構成に限定されるものではないことを付記しておく。
図15は、本発明の実施の形態に係る記憶素子の製造方法の一例を説明するフローチャートである。明確化のために、番号を付した一連の工程を示したが、その番号はそれぞれの工程順を必ずしも示さない。これらの工程の一部を省略し、または平行して行うことも可能であり、一連の順序を厳密に維持することを要求するものではない。
以下には、図13(a)を例にして説明を行なう。
まず、工程110において基板を用意し、工程120において、所定の基板の主面上に下部電極40、抵抗変化薄膜41、上部電極42を、この順に形成することにより、抵抗変化素子1を形成する。
次に、工程130において、電流制御素子2を形成する第1の電極32としてα−Wを抵抗変化素子の上部電極上に形成する。工程130では、スパッタ法やCVD法等の方法が適用可能である。工程130においてスパッタ法を用いる場合、DCマグネトロンスパッタ法を用いることが可能である。典型的な成膜条件は、圧力が0.4〜0.8Pa、DCパワーが200〜300W、Ar流量が50sccmであるが、これに限定されることはない。また、第2の電極32の厚さは約20〜100nmであることが好ましい。
W(特にα−W)を第1の電極32として選択することは、電流抑制素子のオン電流や、電流抑制素子の信頼性、更には現在の半導体の製造プロセスとの親和性という観点から、より好ましい。さらに、Wを選択した場合、Wはシリコン半導体の種々の工程において既に使用実績のある材料であり、スパッタ法やCVD法等種々の成膜方法或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であるという利点がある。
次に、工程140において、電流抑制層33を構成するSiNを第1の電極32上に形成する。工程140では、スパッタ法やCVD法等の方法が適用可能である。工程140においてスパッタ法を用いる場合は、多結晶シリコンターゲットをArと窒素との混合ガス雰囲気の下でスパッタリングする、反応性スパッタ法が適用可能である。典型的な成膜条件は、圧力が0.08〜2Pa、基板温度が20〜300℃、窒素ガスの流量比(Arと窒素との総流量に対する窒素の流量の比率)が0〜40%、DCパワーが100〜1300Wであるが、これに限定されることはない。また、SiN膜の厚さは約5〜20nmであることが好ましい。
次に、工程150において、電流制御素子2を形成する第2の電極31としてα−Wを抵抗変化素子の上部電極上に形成する。工程150では、スパッタ法やCVD法等の方法が適用可能である。工程150においてスパッタ法を用いる場合、DCマグネトロンスパッタ法を用いることが可能である。典型的な成膜条件は、圧力が0.4〜0.8Pa、DCパワーが200〜300W、Ar流量が50sccmであるが、これに限定されることはない。また、第1の電極31の厚さは約20〜100nmであることが好ましい。
W(特にα−W)を第1の電極31として選択することは、電流抑制素子のオン電流や、電流抑制素子の信頼性、更には現在の半導体の製造プロセスとの親和性という観点から、より好ましい。さらに、Wを選択した場合、Wはシリコン半導体の種々の工程において既に使用実績のある材料であり、スパッタ法やCVD法等種々の成膜方法或いはエッチング等に関する既存の設備及びその設備のための処理条件の転用が容易であるという利点がある。
なお、工程130における第1の電極32、および工程150における第2の電極31の構成材料の選択については、先に述べたようにα−Wが好ましいが、記憶素子3の製造プロセス全体の整合性(電流抑制素子2と抵抗変化素子1とを接続する層の密着性の確保、等が挙げられる)から、第1の電極32あるいは第2の電極31のどちらか一方にW以外の電極材料を使用することが好ましい場合がある。この場合、W以外の電極材料としては、Al、Cu、Ti、Ir、Cr、Ni、Nb等の金属や、これらの金属の混合物(合金)或いは積層構造物、或いは、TiN、TiW、TaN、TaSi、TaSiN、TiAlN、NbN、WN、WSi、WSiN、RuO、In、SnO、IrO等の導電性を有する化合物、または、これらの導電性を有する化合物の混合物或いは積層構造物から選択される。中でも、エレクトロマイグレーション耐性の高い材料である、Cr、Mo、Nb、Ta、Ti、V、Zr、Hf等の遷移金属や、シリサイド、ナイトライド、炭化物、硼化物等の化合物から選択されることが好ましい。勿論、電極材料はこれらの材料に限定されるわけではなく、電流抑制層33との間で形成される電位障壁により整流性が生じるような材料であればよい。
図15は、図13(a)に示された記憶素子の製造方法の一例を説明するフローチャートとなっているが、これに対して工程の追加あるいは変更等を行なうことにより、図13(b)〜(d)や図14(a)〜(b)に示された記憶素子の製造方法の一例を示すことが可能となる。例えば、図14(b)に示された記憶素子を製造する場合は、図15で工程130を省略すればよい。また、図13(c)に示された記憶素子を製造する場合は、図15において、工程120と工程130の間に密着メタル層43を上部電極40上に形成する工程を追加すればよい。さらに、図13(d)に示された記憶素子を製造する場合は、工程120と工程130の間に、抵抗変化素子1上を絶縁膜45で被覆する工程と、絶縁膜45を貫通して上部電極42に至るビアホール(図示せず)を形成する工程と、ビアホール(図示せず)をW等の導電性材料で充填してビア配線44を形成する工程と、を追加し、工程130において、第2の電極32をビア配線44と導通があるように形成すればよい。なお、以上は記憶素子の製造方法の一例であり、製造方法はこれらに限らないことを付記しておく。
以上、本発明によれば、記憶素子へのデータの書き込みの際、データを書き込むべき抵抗変化素子には大きな絶対値の電圧が印加され、それ以外の抵抗変化素子には小さな絶対値の電圧が印加されるよう電気パルスの電圧を設定すると、データを書き込むべき抵抗変化素子には大電流が流れ、それ以外の抵抗変化素子には電流が流れないようになる。従って、金属酸化物材料を用いて抵抗変化素子を構成する場合でも、選択された記憶素子にはデータが確実に書き込まれ、それ以外の記憶素子にはデータは書き込まれない。
しかも、本発明に係る電流抑制素子は、極性が正及び負の何れの印加電圧に対してもMIMダイオードやバリスタ等の電気抵抗特性と同様の電気抵抗特性を示すので、異なる極性の書き込み電気パルスを用いても、迂回電流が確実に抑制される。これにより、記憶装置における書き込みディスターブの発生が確実に防止される。
更には、本発明によれば、電流抑制素子を半導体の製造プロセス及びその製造設備を用いて製造することができるので、電流抑制素子を微細化することが容易になると共に、高品質の電流抑制素子を製造することが可能になる。これにより、極性の異なる電気パルスを印加してデータを書き込む記憶素子及びそれをマトリクス状に配設してなる記憶装置の小型化及び高品質化が実現される。
以下、電極としてα−Wを形成する方法として、CVD法を利用する場合について説明する。この方法は、電流抑制素子、記憶素子、記憶装置のいずれの製造方法においても使用できる。
CVD法によりα−タングステン膜を形成する場合、まず、基板温度を400[℃]以上450[℃]以下、成膜圧力を30[Torr]以上80[Torr]以下、WFガスの流量を30[sccm]以上40[sccm]以下、SiHガスの流量を10[sccm]以上30[sccm]以下とし、SiHガスによりWFガスを還元することにより、タングステンの核となる層を形成する(核形成ステップ)。次いで、基板温度を400[℃]以上450[℃]以下、成膜圧力を80[Torr]以上100[Torr]以下、WFガスの流量を90[sccm]以上100[sccm]以下、Hガスの流量を700[sccm]以上1000[sccm]以下とし、HガスによりWFガスを還元することにより、タングステン膜を形成する(膜形成ステップ)。
図16は、CVD法を用いて形成したα−タングステン膜を、スパッタで形成したタングステン膜と比較したX線回折スペクトルである。
実験条件は、以下の通りである。先ず、基板温度=409[℃]、成膜圧力=30[Torr]、WFガスの流量=40[sccm]、SiHガスの流量=27[sccm]の条件で、SiHガスによりWFガスを還元することにより、タングステンの核となる層を形成した。次いで、基板温度=415[℃]、成膜圧力=90[Torr]、WFガスの流量=95[sccm]、Hガスの流量=700[sccm]の条件で、HガスによりWFガスを還元し、タングステン膜を形成した。
図16中、●はβ−タングステンのピーク、○および△はα−タングステンのピークを示す。●と○とが近接する場合もあるが、両者はそれぞれβ−タングステンおよびα−タングステンの固有のピークである。
図16を見れば分かるように、本実施例(CVD)においても、α−タングステン(α−W)に起因するピーク(40.3°および73.2°の2つのピーク)が確認できる。したがって、本実施例でもα−タングステンが形成されていることが分かる。なお、△で示すピーク(58.3°)は、本実施例(CVD)のみに見られ、スパッタにより形成されたα−タングステンには明瞭には見られない。これは、製造方法の相違により、得られるタングステン膜の配向性が異なるためと考えられる。
なお、スパッタリング法を用いる場合でもCVD法を用いる場合でも、あるいはさらに別の方法を用いる場合でもであっても、SiNにより構成された電流抑制層や、α−タングステンにより構成された電極に、他の不純物等が混入しうることは当然である。本発明は、上述した本発明の作用効果が失われない限度において、かかる不純物や他の材料が電流抑制層や電極に混入した態様を含む。
以上、いくつかの実施の形態を例として本発明に関する説明を行なったが、上記の実施の形態が本発明の範囲および精神から逸脱することなく、明らかな変更を受け得ることが可能なことを付記しておく。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明に係る電流抑制素子とその製造方法、および記憶素子とその製造方法、は、極性の異なる電気パルスを印加する場合でも書き込みディスターブの発生を防止することが可能であり、かつ抵抗変化素子に大電流を流すことが可能である、書き込みディスターブが発生することなくデータを問題無く書き込み可能な電流抑制素子として、産業上の利用可能性を十分に有している。
1 抵抗変化素子
2 電流抑制素子
3 記憶素子
3a 記憶素子(選択素子)
4 ビット線デコーダ
5 読み出し回路
6,7 ワード線デコーダ
11 立体交差部
20 記憶素子アレイ
21 記憶装置
31 第2の電極
32 第1の電極
33 電流抑制層
40 下部電極
41 抵抗変化薄膜
42 上部電極
43 密着メタル層
44 ビア配線
45 絶縁膜
WL0〜WL3 ワード線
BL0〜BL3 ビット線

Claims (9)

  1. 極性が正または負の電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子であって、
    前記電流抑制素子は、第1の電極と、電流抑制層と、第2の電極と、を備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記電流抑制層が配設されることによりMSMダイオードが構成され、
    前記電流抑制層が、SiN(0<x≦0.85)により構成され、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方がα−タングステンにより構成されている、電流抑制素子。
  2. 前記式中のxが0.3≦x≦0.6を満たすことを特徴とする、請求項1記載の電流抑制素子。
  3. 第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極上にSiN(0<x≦0.85)で構成された電流抑制層を形成する工程と、前記電流抑制層上に第2の電極を形成して前記第1の電極と前記電流抑制層と前記第2の電極によりMSMダイオードを構成する工程と、を含む、極性が正または負の電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子の製造方法であって、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方をα−タングステンにより形成する工程を含み、
    前記電流抑制層を形成する工程は、多結晶シリコンからなるターゲットを用い、窒素を含む雰囲気中においてDCスパッタリングする工程を含むことを特徴とする、電流抑制素子の製造方法。
  4. 極性が正又は負の電気パルスの印加によりその電気抵抗値が変化しかつ該変化した後の電気抵抗値を維持する抵抗変化素子と、前記抵抗変化素子に前記電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子と、を備える記憶素子であって、
    前記電流抑制素子は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配設された電流抑制層と、を備えることによりMSMダイオードを構成し
    前記電流抑制層が、SiN(0<x≦0.85)により構成され、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方がα−タングステンにより構成されている、記憶素子。
  5. 前記式中のxが0.3≦x≦0.6を満たすことを特徴とする、請求項記載の記憶素子。
  6. 極性が正または負の電気パルスの印加によりその電気抵抗値が変化しかつ該変化した後の電気抵抗値を維持する抵抗変化素子を形成する工程と、
    前記抵抗変化素子に前記電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子を形成する工程と、を含む記憶素子の製造方法であって、
    前記電流抑制素子を形成する工程は、第1の電極を形成する工程と、前記第1の電極上にSiN(0<x≦0.85)で構成された電流抑制層を形成する工程と、前記電流抑制層上に第2の電極を形成して前記第1の電極と前記電流抑制層と前記第2の電極によりMSMダイオードを構成する工程と、を含み、
    前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方をα−タングステンにより形成する工程を含み、
    前記電流抑制層を形成する工程は、多結晶シリコンからなるターゲットを用い、窒素を含む雰囲気中においてDCスパッタリングする工程を含むことを特徴とする、記憶素子の製造方法。
  7. 前記式中のxが0.3≦x≦0.6を満たすことを特徴とする、請求項に記載の記憶素子の製造方法。
  8. 極性が正又は負の電気パルスの印加によりその電気抵抗値が変化しかつ該変化した後の電気抵抗値を維持する抵抗変化素子と、該抵抗変化素子に前記電気パルスの印加時に流れる電流を抑制する電流抑制素子とを備え、該電流抑制素子は第1の電極と第2の電極と該第1の電極と該第2の電極との間に配設された電流抑制層とを備えることによりMSMダイオードを構成し、該電流抑制層がSiN(0<x≦0.85)により構成され、前記第1の電極及び前記第2の電極の少なくとも一方がα−タングステンにより構成されている複数の記憶素子と、
    複数のビット線と、
    前記複数のビット線に各々立体交差する複数のワード線と、を備え、
    前記複数の記憶素子は前記抵抗変化素子と前記電流抑制素子との直列回路を備え、
    前記複数の記憶素子が、前記ビット線と前記ワード線とが立体交差する各々の部分に配設され、該各々の部分において、前記直列回路の一端がその対応する前記ビット線に、前記直列回路の他端がその対応する前記ワード線に、各々接続されている、記憶装置。
  9. 前記式中のxが0.3≦x≦0.6を満たすことを特徴とする、請求項記載の記憶装置。
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