JP4535458B2 - ブリーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダヘッドの上方を覆う弁腕室内に構成される、エンジンのブリーザ装置の構成に関する。
従来から、シリンダヘッドの上方を覆う弁腕ケース内にブリーザ室を形成して、該ブリーザ室によりオイルミストを含んだブローバイガスをガス成分とオイル成分とに分離するように構成したエンジンが知られている。このブリーザ室は、弁腕ケースの内壁面や弁腕ケースの上面に対して一定間隔を空けて設けられる遮蔽板などで囲まれた空間にて構成されており、ブリーザ室内に配置した、ろ網によりブローバイガス中のオイル分を捕獲するように構成されている(特許文献1参照)。
特開2003−90204号公報
しかし、前述のブリーザ室におけるブローバイガスの入口部は、前記底板から下方へ延出するダクトに構成されており、ダクト内には突起などは形成されておらずフラットな形状となっている。従って、シリンダヘッド面の油が激しく揺れた場合(例えばバルブ等によって油面が振動した場合)に、油がダクト内へ直接侵入してしまい、所定のブリーザ性能を確保することができなくなってしまうことがある。そこで、本発明では、油が激しく揺れた場合でも、油がダクト内に直接に侵入することがないように構成したブリーザ装置を提供するものである。
上記課題を解決するブリーザ装置は、以下の特徴を有する。
請求項1においては、ブローバイガス中のオイルミストを除去するためのエンジンのブリーザ装置において、弁腕ケース(2)内に弁腕室(20)を構成し、該弁腕室(20)内において、該弁腕ケース(2)の上面(2a)に対して一定間隔を空けて遮蔽板(5)を取付け、該遮蔽板(5)と弁腕ケース(2)の上面(2a)とで、ブリーザ室(21)を構成し、該ブリーザ室(21)の入口部である前記遮蔽板(5)の開口部(5a)から、下方へ入口ダクト(6)を突設し、記入口ダクト(6)は、底面視で略四角筒形状に形成されるガイド部(6a)と、該ガイド部(6a)の下端部の開口部(6c)と、該ガイド部(6a)の下端に設けたバッフル板により構成し、該バッフル板は、前記ガイド部(6a)における一面の下端から斜め下方へ延出する斜め板(6b)と、該斜め板(6b)の下端から水平方向へ延出した水平板(6d)とにより構成し、前記入口ダクト(6)の下端における、バッフル板の基端部側とは反対側のガイド部(6a)を構成する板を切り欠いて切り欠き部(6e)を形成し、該切り欠き部(6e)により、前記入口ダクト(6)の開口部(6c)の面積を拡大したものである。
本発明によれば、シリンダヘッド内の潤滑油の油面から潤滑油が上方へ飛散した場合、飛散した潤滑油が入口ダクト内に侵入することが防止され、油切りや油の移行などのブリーザ装置の性能を向上することができる。
また、ブリーザ室外へ排出されるオイルミスト量を減少することができる。
また、シリンダヘッド内の潤滑油の液面が、例えば、バルブ等によって振動するなど、激しく揺れて、油面から潤滑油が上方へ飛散した場合、飛散した潤滑油がバッフル板の斜め板(6b)に当たって下方に落下するため、入口ダクト内に侵入することが防止され、油切りなどのブリーザ装置の性能を向上することができる。
また、切り欠き部が設けられているので、入口ダクト下端の開口部の面積を拡大して、入口ダクトの開口面積を広く確保することができ、開口部を通過するブローバイガスの流速を遅くすることができ、入口ダクト内へ侵入するオイルミストの量を減少させることができる。
また、入口ダクトでは、斜め板の下端から水平板をさらに延出させて、ガイド部下端の開口している部分を、底面視にて斜め板および水平板により完全に覆うようにして、入口ダクト内への潤滑油の侵入防止効果をさらに高めることができる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
本発明のブリーザ装置について説明する。
図1に示すように、エンジンのシリンダヘッド1の上方には弁腕ケース2が配設されており、弁腕ケース2内には弁腕室20が構成されており、弁腕室20の上部にはブリーザ室21が構成されている。
弁腕室20内には、弁腕ケース2の上面2aに対して一定間隔を空けて遮蔽板5が設けられており、ブリーザ室21は、該遮蔽板5と、弁腕ケース2の上面2aや側面といった内壁面とで囲まれた空間にて構成されている。また、遮蔽板5からは、入口ダクト6が下方へ延出しており、該入口ダクト6により、弁腕室20とブリーザ室21とが連通している。
弁腕ケース2には、ガス通路22が形成されるとともに、圧力制御室8が構成されている。圧力制御室8は、ブリーザ室21とガス通路22との間に介装されており、通常は、圧力制御室8のダイアフラム8が閉じて、ブリーザ室21とガス通路22とが分断されている。また、ブリーザ室21内の圧力が一定圧以上になると、その圧力によりダイアフラム8が開いて、ブリーザ室21とガス通路22とが連通するように構成されている。
ブリーザ室21とガス通路22とが連通すると、弁腕室20内のブローバイガスが入口ダクト6を通じてブリーザ室21内に侵入する。ブリーザ室21内に侵入したブローバイガスは、ブリーザ室21内でオイル成分が除去された後に、ガス通路22を通過して外部へ排出される。
ブリーザ室21内の入口ダクト6の上方には、ろ網などのオイルトラップ材11が配置されており、ブローバイガスがオイルトラップ材11を通過する際に、該オイルトラップ材11によりブローバイガス中のオイルミストが捕獲されて、オイル成分が除去されることとなる。また、ブローバイガスが入口ダクト6内を通過する際にも、入口ダクト21の内壁面にオイルミストが付着して、ブローバイガス中のオイル成分が除去される。
次に、入口ダクト6の構成について説明する。図2、図3に示すように、入口ダクト6は、略四角筒形状に形成されるガイド部6aと、ガイド部6aにおける一面の下端から斜め下方へ延出する斜め板6bとを備えている。ガイド部6aは遮蔽板5の下面に取り付けられており、遮蔽板5の開口部5aと接続されている。また、遮蔽板5上面における開口部5aの部分には前記オイルトラップ材11が配置されている。
このように構成される入口ダクト6や、前記ブリーザ室21などにてブリーザ装置が構成されており、該入口ダクト6においては、弁腕室20内のブローバイガスは、ガイド部6a下端の斜め板6b形成側とは反対側に開口する開口部6cからガイド部6a内に侵入して、該ガイド部6aにより遮蔽板5の開口部5aへ案内され、オイルトラップ材11を通過しながらブリーザ室21内へ侵入する。
また、シリンダヘッド1内の潤滑油の油面が、例えばバルブ等によって振動するなど、激しく揺れた場合には、油面から潤滑油が上方へ飛散する場合がある。このような場合、飛散した潤滑油は、ガイド部6a下端に形成される斜め板6bに当たって下方に落下するため、ガイド部6a内に侵入することが防止される。すなわち、斜め板6bは、飛散する潤滑油が入口ダクト6内に侵入することを防止するためのバッフル板の役目をしており、この斜め板6bにより、油切りなどのブリーザ装置の性能を向上することができる。
特に、図3に示すように、ガイド部6a下端の開口している部分を、底面視にて斜め板6bにより略覆うようにして、上方へ向かって飛散する潤滑油が入口ダクト6内へ直接侵入することの防止効果を高めている。
前記斜め板6bはガイド部6aの下端を斜めに屈曲して一体的に形成しているので、ガイド部6aと斜め板6bとを一枚の板金部材で形成することができ、入口ダクト6の構造を簡単にして、低コスト化を図ることができる。
また、図3に示す入口ダクト6では、ガイド部6aの下端から下方へ延出する斜め板6bにて構成されるバッフル板は、図4に示すように、前記斜め板6b、および斜め板6bの下端から水平方向へ延出する水平板6dにて構成することもできる。このように、図4に示す入口ダクト6では、斜め板6bの下端から水平板6dをさらに延出させて、ガイド部6a下端の開口している部分を、底面視にて斜め板6bおよび水平板6dにより完全に覆うようにして、入口ダクト6内への潤滑油の侵入防止効果をさらに高めている。
また、図3や図4に示す入口ダクト6のように、ガイド部6aの下端にバッフル板を設けた場合、入口ダクト6下端部の開口部6cの開口面積が、該バッフル板によりバッフル板を設けない場合よりも(バッフル板を設けない場合は開口部6c下端部の全面積全体が開口面積となる)、小さくなる傾向にある。ここで、ブローバイガスの入口に当たる開口部6cの開口面積が小さくなると、開口部6cを通過するブローバイガスの流速が上昇し、ブローバイガスが入口ダクト6内へ侵入する際に、ブローバイガスにつられて入口ダクト6内へ侵入するオイルミストの量が増加することとなる。
そこで、図5、図6に示す入口ダクト6では、ガイド部6aの下端における、斜め板6bの基端部側(図5における右側)とは反対側(図5における左側)を切り欠いた切り欠き部6eを形成して、ブローバイガスの導入口となる開口部6cの開口面積の拡大を図っている。このように、切り欠き部6eを形成して入口ダクト6の開口部6cの面積を拡大することで、入口ダクト6の開口面積を広く確保することができ、開口部6cを通過するブローバイガスの流速を遅くすることができ、入口ダクト6内へ侵入するオイルミストの量を減少させることができる。また、切り欠き部6eはガイド部6aを板金により成形する時に同時に形成することができるので、低コスト化を図ることができる。
また、ブリーザ装置の入口ダクト6からブリーザ室21内へオイルミストが侵入することを防止するために、入口ダクト6を次のような構造に構成することもできる。図9に示す入口ダクト6は、略四角筒形状に形成されるガイド部6aにて構成されており、該ガイド部6aの下端が開口して開口部6cとなっている。ガイド部6a内には、複数の仕切り板6g・6gが設けられ、この複数の仕切り板6g・6gは、上下複数段に配置されるとともに、前後(図9における左右)に互い違いに配置されている。
本例では、2枚の仕切り板6g・6gが設けられており、上方の仕切り板6gは、ガイド部6aの後側(図9における右側)壁面から前側へ突出しており、下方の仕切り板6gは、ガイド部6aの前側(図9における左側)壁面から後側へ突出している。また、互い違いに配置される複数の仕切り板6g・6gは、平面視にてオーバーラップしている。
このように、入口ダクト6のガイド部6a内に、複数の仕切り板6g・6gを設けて、この複数の仕切り板6g・6gを互い違いに配置することで、開口部6cからガイド部6a内に侵入してくるブローバイガスとともに侵入しようとするオイルミストが、ガイド部6a内を通過する途中に、仕切り板6g・6gに衝突して除去されることとなる。また、仕切り板6g・6gを設けることで、ガイド部6a内部でのブローバイガスが通過する経路を長くすることができる。これにより、ブリーザ室21へのオイルミストの侵入を減少することができ、入口ダクト6の油切り性能を向上させることができる。
また、図7、図8に示すように、弁腕室20内には弁腕支持台22が配置されており、ブリーザ装置の入口ダクト6は、弁腕支持台25と弁腕ケース2の側壁2aとの間に配置されている。このように、弁腕支持台25と側壁2aとの間に配置される入口ダクト6は、前記図2、図3に示したような断面積が四角形状の入口ダクト6であった場合、弁腕支持台25と側壁2aとの間の隙間寸法が大きくとれない場合には、ガイド部6aの断面積(ブローバイガスの通路面積)や開口部6cの開口面積が大きくとれない場合がある。
そこで、図7、図8に示した入口ダクト6においては、ガイド部6aの左右端部(図8における上下端部)を弁腕支持台25側へ延出して、弁腕支持台25の外側端部(図7における右側端部)を囲むように、平面視略「コ」字状に形成している。つまり、ガイド部6aは、四角形状に形成されるガイド部本体6pと、ガイド部本体6pの左右端部から弁腕指示台25側へ延出された左右延出部6q・6rとで構成されている。
このように、ガイド部6aをガイド部本体6pと左右延出部6q・6rとで構成することにより、ガイド部6aを四角形状のガイド部本体6pのみで形成した場合に比べて、ガイド部6a下端の開口部6cの開口面積を大きく確保することができる。これにより、開口部6cからガイド部6a内に侵入するブローバイガスの流速を遅くすることができ、油切りや油の移行といったブリーザ性能を向上することが可能となる。
また、ブリーザ装置は、次のように構成することもできる。図10に示すブリーザ装置では、遮蔽板5の開口部5aから下方へ入口ダクト6が延出し、開口部5aにはオイルトラップ材11が配置されている。本ブリーザ装置では、開口部5aに配置されるオイルトラップ材11に加えて、ブリーザ室20内に複数のオイルトラップ材を設けている。
具体的には、ブリーザ室20内には第一ブリーザ室内トラップ材12および第二ブリーザ室内トラップ材13が設けられており、第一ブリーザ室内トラップ材12は第二ブリーザ室内トラップ材13よりも上流側に配置されている。両トラップ材12・13は、例えばろ網にて構成されている。第一ブリーザ室内トラップ材12は、第二ブリーザ室内トラップ材13よりも目が細かく構成されている。また、オイルトラップ材11は第一ブリーザ室内トラップ材12よりも粗い目に構成されている。
このように構成されるブリーザ装置では、弁腕室20内のブローバイガスが開口部6cから入口ダクト6内へ侵入し、オイルトラップ材11を通過した後にブリーザ室21内へ侵入する。オイルトラップ材11は目を粗く構成して、オイルトラップ材11に付着したオイルミストにより形成された油滴が落下して戻るようにしているため、ブローバイガスに含まれる細かなオイルミストやガス状のオイルミストは、オイルトラップ材11を通り抜けてブリーザ室20内へ侵入することとなる。
しかし、ブリーザ室20内へ侵入したブローバイガス中の細かなオイルミストやガス状のオイルミストは、ブリーザ室20内の上流側に配置される第一ブリーザ室内トラップ材12により捕捉される。第一ブリーザ室内トラップ材12により捕捉されて油滴となったオイルミストは、捕捉された油量が多くなると成長して大きな粒となり、ブローバイガスの流れに乗って下流側へ向い、目が粗い第二ブリーザ室内トラップ材13に捕捉される。第二ブリーザ室内トラップ材13に捕捉された油滴は、オイルトラップ材11の場合と同様に下方へ落下する。
ここで、ブリーザ装置に設けるオイルトラップ材を、目が粗いオイルトラップ材11および第二ブリーザ室内トラップ材13とした場合、オイルトラップ材11および第二ブリーザ室内トラップ材13に捕捉されたオイルミストは下方へ落下してブリーザ装置の外部へ排出されることはないが、細かなオイルミストやガス状のオイルミストはオイルトラップ材11および第二ブリーザ室内トラップ材13を通り抜けるため捕捉することができず、ブリーザ室21外部へ排出されてしまう。一方、ブリーザ装置に設けるオイルトラップ材を、目が粗いオイルトラップ材11および目が細かい第一ブリーザ室内トラップ材12とした場合は、第一ブリーザ室内トラップ材12により細かなオイルミストやガス状のオイルミストを捕捉することができるが、捕捉したオイルミストの油滴が成長して大きな粒となりブリーザ室21外へ排出されてしまう。
しかし、本ブリーザ装置では、オイルトラップ材11に加えて、ブリーザ室21内に目が細かい第一ブリーザ室内トラップ材12と目が粗い第二ブリーザ室内トラップ材13とを備えているので、細かなオイルミストやガス状のオイルミストを第一ブリーザ室内トラップ材12にて捕捉できるとともに、捕捉した細かなオイルミストやガス状のオイルミストの油滴が成長した大きな油粒を第二ブリーザ室内トラップ材13にて捕捉することができ、ブリーザ室21外へ排出されるオイルミスト量を減少することができる。これにより、エンジンを吸気還元仕様で長時間運転した場合でも、吸気マニホールドや吸気バルブ等に付着する、潤滑油に起因するデポジットを減少させることができる。
また、通常、ターボチャージャー付きのエンジンなど、ブロバイガス量の多いエンジンでは、ブリーザ装置の下流側に接続されるブローバイホースからの油滴滴下を防ぐために、ブリーザ室21の下流側に油切り用のミストセパレータを設けている。例えば、図1に示すブリーザ装置のブリーザ室21の下流側に、図11に示すようなミストセパレータ30が設けられている。
ミストセパレータ30は、セパレート室31を隔壁32により上流側室31aと下流側室31bとに仕切り、ガス入口33aから侵入したブローバイガスの進路を屈曲させることでブローバイガス中のオイルミストを分離するように構成されている。そして、オイルミストが分離されたブローバイガスはガス出口33bから排出して大気開放され、分離されたオイルミストはセパレート室31下端のオイル戻し通路33cから回収されるように構成している。しかし、このように構成されるミストセパレータ30は、セパレート室31を隔壁32により仕切ってブローバイガスの進路を屈曲させて、重力によりオイルミストを分離させるといった簡単な構造であるので、非常に細かなオイルミストは捕捉しきれずに外部へ排出されてしまう。
そこで、本構成では、図12に示すように、ミストセパレータ30における上流側室31a内に第一オイルトラップ材35を、下流側室31b内に第二オイルトラップ材36を設けて、ブリーザ装置の油切り性能を向上させるようにしている。第一オイルトラップ材35および第二オイルトラップ材36はろ網などにより構成されており、第一オイルトラップ材35の目は第二オイルトラップ材36の目よりも細かく構成されている。
このように構成されるミストセパレータ30では、ガス入口33aから侵入したブローバイガスは上流側室31aを通過中に、細かい目の第一オイルトラップ材35により、通常の大きさのオイルミストのみならず細かなオイルミストやガス状のオイルミストまでもが捕捉される。第一オイルトラップ材35を通過したブローバイガス内に、まだオイルミストが残留していた場合でも、下流側室31b内の第二オイルトラップ材36により残ったオイルミスとを補足することができる。
従って、図12に示すミストセパレータ30は、図11に示したような従来から用いられているものに比べて、ガス出口33bから排出されるオイルミスト量が減少し、油切り性能を向上している。これにより、ブローバイホースからの油滴滴下も防止することができる。また、ブローバイガスからのオイルミストの分離を、重力のみで行うのではなく、主に第一オイルトラップ材35および第二オイルトラップ材36によるオイルミストの捕捉により行っているので、ミストセパレータ30の設置姿勢の制約を少なくすることができる。さらに、ターボチャージャー付きのエンジンでは、吸気還元を行うためには、従来のミストセパレータ30では油切り性能が不十分であったが、図12に示す本構成のミストセパレータ30のように構成することで、吸気還元を行うための油切り性能を確保することが可能となる。
なお、第一オイルトラップ材35により捕捉された油滴は、第一オイルトラップ材35の目が細かいため、成長して大きな粒となって、落下し易くなる。従って、第一オイルトラップ材35により捕捉した油滴をオイル戻し通路33cから回収し易くなる。また、第二オイルトラップ材36により捕捉された油滴は、第二オイルトラップ材36の目が粗いため大きく成長してガス出口33bから外部へ排出されることもない。
また、第一オイルトラップ材35および第二オイルトラップ材36を備えたミストセパレータ30は、図13に示すミストセパレータ30のように構成することもできる。つまり、セパレート室31を隔壁32により仕切らずに一つの部屋として構成し、このセパレート室31内に、第一オイルトラップ材35および第二オイルトラップ材36を直列的に配置して、ミストセパレータ30を構成する。
このように構成した場合も、図12に示したミストセパレータ30と同様に、ガス出口33bから排出されるオイルミスト量を減少して、油切り性能を向上することができる。これにより、ローバイホースからの油滴滴下も防止することができる。また、ブローバイガスからのオイルミストの分離を、重力のみで行うのではなく、主に第一オイルトラップ材35および第二オイルトラップ材36によるオイルミストの捕捉により行っているので、ミストセパレータ30の設置姿勢の制約を少なくすることができる。さらに、ターボチャージャー付きのエンジンでは、吸気還元を行うためには、従来のミストセパレータ30では油切り性能が不十分であったが、図13に示す本構成のミストセパレータ30のように構成することで、吸気還元を行うための油切り性能を確保することが可能となる。
第一構成例のブリーザ装置を備える弁腕ケースを示す側面断面図である。 ブリーザ装置の入口ダクトを示す側面断面図である。 ブリーザ装置の入口ダクトを示す底面図である。 入口ダクトの第一構成例を示す側面断面図である。 本発明の入口ダクトの第一実施例を示す側面断面図である。 入口ダクトの第一実施例を示す正面図である。 入口ダクトの第二構成例を示す側面断面図である。 入口ダクトの第二構成例を示す平面図である。 入口ダクトの第三構成例を示す側面断面図である。 ミストセパレータをブリーザ室に内蔵したブリーザ装置を示す側面断面図である。 従来のミストセパレータを示す側面断面図である。 ブリーザ装置が備えるミストセパレータを示す側面断面図である。 ミストセパレータの第二の構成例を示す側面断面図である。
6 入口ダクト
6a ガイド部
6b 斜め板
6c 開口部
11 オイルトラップ材
20 弁腕室
21 ブリーザ室

Claims (1)

  1. ブローバイガス中のオイルミストを除去するためのエンジンのブリーザ装置において、弁腕ケース(2)内に弁腕室(20)を構成し、該弁腕室(20)内において、該弁腕ケース(2)の上面(2a)に対して一定間隔を空けて遮蔽板(5)を取付け、該遮蔽板(5)と弁腕ケース(2)の上面(2a)とで、ブリーザ室(21)を構成し、該ブリーザ室(21)の入口部である前記遮蔽板(5)の開口部(5a)から、下方へ入口ダクト(6)を突設し、前記入口ダクト(6)は、底面視で略四角筒形状に形成されるガイド部(6a)と、該ガイド部(6a)の下端部の開口部(6c)と、該ガイド部(6a)の下端に設けたバッフル板により構成し、該バッフル板は、前記ガイド部(6a)における一面の下端から斜め下方へ延出する斜め板(6b)と、該斜め板(6b)の下端から水平方向へ延出した水平板(6d)とにより構成し、前記入口ダクト(6)の下端における、バッフル板の基端部側とは反対側のガイド部(6a)を構成する板を切り欠いて切り欠き部(6e)を形成し、該切り欠き部(6e)により、前記入口ダクト(6)の開口部(6c)の面積を拡大したことを特徴とするブリーザ装置。
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