JP4534130B2 - 磁性体面走行車 - Google Patents

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Description

本発明は、磁力を利用して配管、空調ダクト等の内部を磁気吸着しながら走行する磁性体面走行車に関する。
ガス配管や空調ダクト等の検査・補修を行うために、これらの内部を磁気吸着しながら走行する磁性体面走行車が用いられる。図8は、従来の磁性体面走行車の構成を示すものである。同図に示すように、磁性体面走行車40は、走行車本体41と、走行車本体41の走行方向Xの前後方向に設けられ走行面Aに磁気吸着するマグネット車輪42とを備えて構成されており、磁気吸着により鉛直面や天井面をも走行し得るようになっている。
ところで、このような磁性体面走行車40が、互いに直交する走行面、例えば水平な走行面から鉛直な走行面へ移動する際には、図9に示すように、水平面と鉛直面の双方に車輪が吸着した状態となり、マグネット車輪42が水平面から離反できず、走行が停止してしまうことがあった。そこで、このような問題に対処すべく、従来、上記走行車40にエアシリンダ装置を搭載し、これによりマグネット車輪42を水平面から強制的に離反させて鉛直面へ乗り移ることが提案されている。
また、下記特許文献1に記載された「三次元自由走行車」は、図10の(A)及び(B)に示すように、円環状の周部壁を有した外輪51と、該外輪51の内周面上を転動し得る内輪52、または外輪51の中心部に回転自在に装着されたアーム53と、該内輪52又はアーム53に磁力を付与する磁石54とを備えた車輪55を備えている。かかる構成により、例えば、水平面から鉛直面に移動する場合に、外輪51内で内輪52又はアーム53が回動し、その磁力により吸着作用を水平面から鉛直面に乗り移ることができる。
特開平5−185964号公報
しかしながら、エアシリンダ装置により車輪を走行面から離反させる場合には、例えば鉛直面から天井面への乗り移りの際に、車輪と走行面との距離が大きくなり過ぎると磁気吸着力の低下により走行車が落下してしまう恐れがある。
また、上記特許文献1の「三次元自由走行車」においても同様に、外輪51内を内輪52又はアーム53が回動する際に、磁気吸着力を有する内輪52又はアーム53と走行面との距離が大きく変化するため、磁気吸着力の低下により走行車が落下してしまう恐れがある。さらに、走行面に対してアーム53が正対するようにアームの角度を制御する機構が別途必要となる。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、直交する走行面を移動することができ、この移動の際に磁気吸着力が低下し過ぎて走行車が落下することがなく、しかも簡単な構造でこれを実現することができる磁性体面走行車を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の磁性体面走行車は、走行車本体と、該走行車本体の走行方向の前後に設けられ磁力により走行面に吸着するマグネット車輪と、前方側のマグネット車輪の近傍に配置され、互いに直交する走行面を前方側のマグネット車輪が移動する際に、前方側のマグネット車輪と前記直交する走行面のうち手前側の走行面との間に挟まれる非磁性体材料からなるプレートと、前記走行車本体に設けられ前記プレートを前方側のマグネット車輪の下方前方付近に位置する所定の待機位置から前方側のマグネット車輪と前記手前側の走行面との間に挟むように移動させるプレート移動装置とを備え、少なくとも前方側のマグネット車輪は駆動輪として構成されており、前記プレートの厚さは、該プレートが前方側のマグネット車輪と前記手前側の走行面との間に挟まれた状態においても前方側のマグネット車輪が重力によって走行面から離反しないように設定されている、ことを特徴としている(請求項1)。
上記本発明によれば、互いに直交する走行面をマグネット車輪が移動する際に、駆動輪となる前方側のマグネット車輪と手前側の走行面との間に、非磁性体材料からなるプレートを挟むので、移動後に離反することとなる手前側の走行面に対するマグネット車輪の吸着力を小さくして、移動後に走行することになる奥側の走行面に対するマグネット車輪の吸着力を相対的に大きくすることができる。これにより、前方側のマグネット車輪の駆動力でもって自力で直交する走行面を移動することが可能となる。また、プレートの厚さはマグネット車輪が重力によって走行面から離反しないように設定されるので、マグネット車輪の吸着力が低下し過ぎて走行車が落下することを防止することができる。
また、上記本発明の磁性体面走行車において、好ましくは、前記プレート移動装置は、前記走行車本体の前方に設けられ前方側のマグネット車輪が互いに直交する走行面を移動するときに前方に相対する走行面に当接して走行車本体に対して後方に移動するバンパと、前記バンパの後方移動を機械的に伝達し、前記プレートを前記所定の待機位置から走行方向前方側のマグネット車輪と前記手前側の走行面との間に移動させる伝達機構とを備えるものとする(請求項)。
かかる構成によれば、バンパが前方の走行面に当接して移動すると、この動きを機械的に伝達して自動的にプレートを所定の待機位置からマグネット車輪と走行面との間に移動させることができる。したがって、プレートを移動させるための動力を別途設けることなく、プレート移動装置を構成することができ、走行車全体の構成を簡素化することができる。
また、上記本発明の磁性体面走行車において、好ましくは、前記伝達機構は、コイル部と該コイル部の一端から延び前記プレートと連結された腕部とを有するトーションスプリングと、該トーションスプリングの腕部と係合し該腕部を案内するガイド部材とから構成され、
前記バンパは、前記腕部を押す押付部を有し、該押付部の前記腕部と当接する当接面は該腕部をマグネット車輪の方向に押すように鉛直面であってマグネット車輪側に向いて傾斜しており、
前記トーションスプリングは、前記プレートが前記所定の待機位置となるように取り付けられており、
前記ガイド部材は、前記トーションスプリングの腕部が前記押付部によって押されることにより、前記プレートが所定の待機位置から前方側のマグネット車輪と前記手前側の走行面との間まで斜め下方に移動するように、前記腕部を案内するものとする(請求項1)。
かかる構成によれば、バンパが前方の走行面に当接して移動すると、バンパの押付部によりトーションスプリングの腕部が押されてガイド部に沿って移動するため、これに連結されたプレートを所定の待機位置から前方側のマグネット車輪と手前側の走行面との間に移動させることができる。また、トーションスプリングはプレートを所定の待機位置にするように取り付けられているので、マグネット車輪が奥側の走行面に移動し、プレートがマグネット車輪と走行面との間から開放されたときに、プレートをトーションスプリングの付勢力によって所定の待機位置に戻すことができる。
また、本発明の磁性体面走行車は、走行車本体と、該走行車本体の走行方向の前後に設けられ磁力により走行路面に吸着するマグネット車輪とを備え、
少なくとも前方側のマグネット車輪は駆動輪として構成されており、
前記マグネット車輪の外周面は、走行面に対する吸着力が相対的に小さい部分を周方向に少なくとも一箇所有し、
前記相対的に吸着力の小さい部分におけるその吸着力は、マグネット車輪が重力によって走行面から離反しないように設定されている、ことを特徴としている(請求項)。
上記本発明によれば、マグネット車輪の外周面は、走行面に対する吸着力が相対的に大きい部分と小さい部分とを周方向に少なくとも一箇所ずつ有するので、互いに直交する走行面の双方に対してマグネット車輪が吸着したときには、このマグネット車輪を駆動させて空転させることにより、マグネット車輪のうち吸着力が相対的に大きい部分が奥側の走行面に吸着し、吸着力が相対的に小さい部分が手前側の走行面に吸着したときに、マグネット車輪は手前側の走行面から離反することができる。したがって、マグネット車輪の駆動力のみで自力で直交する走行面を移動することが可能となる。また、相対的に吸着力の小さい部分におけるその吸着力は、マグネット車輪が重力によって走行面から離反しないように設定されるので、マグネット車輪の吸着力が低下し過ぎて走行車が落下することを防止することができる。また、マグネット車輪の吸着力を小さくするための動力を別途設ける必要がないため、走行車全体の構成を簡素化することができる。
また、上記本発明の磁性体面走行車において、好ましくは、前記マグネット車輪の外周面のうち、走行面に対する吸着力が相対的に小さい部分には、非磁性体材料からなるシートが被覆形成されているものとする(請求項)。
かかる構成によれば、マグネット車輪の外周面に非磁性体材料からなるシートを部分的に被覆形成することにより吸着力が相対的に小さい部分を構成するようにしたので、マグネット車輪の外周面において、吸着力の相対的に大きい部分と小さい部分とを簡単に設定することができる。
また、上記本発明の磁性体面走行車において、好ましくは、前記マグネット車輪の外周面は、外周の径が相対的に大きい大径部と外周の径が相対的に小さい小径部とを有し、該小径部に、前記シートがその周方向に隣接する大径部と段差のないように被覆形成されているものとする(請求項)。
かかる構成によれば、シートとマグネット車輪の外周面との段差をなくすことができるので、マグネット車輪の転動を円滑にすることができる。
上述したように、本発明の磁性体面走行車によれば、直交する走行面を移動することができ、この移動の際に磁気吸着力が低下し過ぎて走行車が落下することがなく、しかも簡単な構造でこれを実現することができる等の優れた効果が得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する。また、本明細書において、「手前側の走行面」、「奥側の走行面」とは、それぞれ、互いに直交する走行面のうちの手前側、奥側を意味するものとする。
図1は、本発明の第1の実施形態による磁性体面走行車を示す図であり、磁性体面走行車10は管内の走行面上を走行し、やがて走行面A1(手前側の走行面)からこれに垂直な走行面A2(奥側の走行面)へと移動する。
同図に示すように、この磁性体面走行車10は、走行車本体1と、マグネット車輪2a、2bと、プレート20と、プレート移動装置21とを備えている。マグネット車輪2a、2bは、磁石からなり、走行車本体1の走行方向Xの前後及び左右に設けられており、磁力により管内の走行面に吸着するようになっている。
走行車本体1には電動モータ7が搭載され、この電動モータ7の駆動力が図示しないギヤ機構により走行方向前方側(以下、単に「前方側」という)のマグネット車輪2aに伝達され、このマグネット車輪2aを駆動輪として磁気吸着しながら走行するように構成されている。なお、走行方向後方側(以下、単に「後方側」という)のマグネット車輪2bに対しても、これを駆動する電動モータ及びギヤ機構を設け、磁性体面走行車を四輪駆動車として構成しても良い。
また、走行車本体1には管内の状況を点検、観察するカメラ8、電動モータ7に電力を供給するバッテリ9、カメラ8や電動モータ7等の走行車本体1内の機器を制御する制御装置11等が搭載されている。なお、これらの機器を単一の走行車本体内に搭載できない場合には、磁性体面走行車10を走行方向に複数連結して、これらに各機器を分配して搭載するようにしても良い。
図2及び図3は、プレート20及びプレート移動装置21の構成を示す図であり、図2は斜視図、図3(A)は平面図、図3(B)は側面図である。
プレート20は、前方側のマグネット車輪2aの近傍に配置されており、互いに直交する走行面を前方側のマグネット車輪2aが移動する際に、前方側のマグネット車輪2aと直交する走行面のうち手前側の走行面との間に挟まれるようになっている。
このプレート21は、ゴム、プラスチック等の非磁性体材料からなる。また、プレート20の厚さは、例えば、マグネット車輪2aと鉛直な走行面との間に挟まれた状態であっても、マグネット車輪2aが重力によって走行面から離反しないように設定されている。
プレート移動装置21は、走行車本体1の前方に設けられており、プレート20を前方側のマグネット車輪2aの下方前方付近に位置する所定の待機位置から前方側のマグネット車輪2aと手前側の走行面との間に挟むように移動させる機能を有している。図2及び図3に示すように、プレート移動装置21は、バンパ24と、トーションスプリング27と、ガイド部材25とを備えている。
バンパ24は、走行車本体1の最も前方に設けられており、バンパ本体24aと、トーションスプリング27の腕部27bを押す押付部24bとを有している。またバンパ24は、走行車本体1に対して前後動可能に設けられており、通常走行時には磁性体面走行車10の最も前方に位置するようになっている。これにより、バンパ本体24aが前方の走行面に当接したときには、走行車本体1に対して相対的に後方に移動するようになっている。押付部24bの腕部27bに当接する当接面は、鉛直面であってマグネット車輪側に向いて、マグネット車輪2aの方向に傾斜しており、これによりバンパ24が後方移動したときに腕部27bをマグネット車輪2aの方向に押すようになっている。
トーションスプリング27は、コイル部27aとコイル部の両端部から直線状に延びた腕部27b、27cとからなる。コイル部27aは枢支ピン28に支持され、一方の腕部27bの先端部にはプレート20が連結・固定され、他方の腕部27cは係止部30によって拘束されている。これにより、図2及び図3(A)、(B)に示すように、プレート20を、マグネット車輪2aの前方下方付近で、かつ、平面視でマグネット車輪2aと重ならない位置となるように付勢している。なお、この位置がプレート20の所定の待機位置となる。
ガイド部25は、トーションスプリング27の腕部27bがバンパ24の押付部24bによって押されることにより、プレート20が所定の待機位置から前方側のマグネット車輪2aと手前側の走行面との間まで斜め下方に移動するように、腕部27bを案内する機能を有している。

このようなプレート移動装置21の構成により、バンパ24が前方(奥側)の走行面に当接して走行車本体1の後方側に移動すると、トーションスプリング27の腕部27bはガイド部材25に沿って後方側に押されるとともにマグネット車輪2a側へ押され、腕部27bの先端に連結されたプレート20がマグネット車輪2aと走行面との間に挟み込まれる。このとき、プレート20及び腕部27bは、図3(A)、(B)の点線で示す位置となる。
なお、トーションスプリング27a及びガイド部材25は、本発明における伝達機構を構成している。この伝達機構は、バンパ24の後方移動を機械的に伝達し、プレート20を所定の待機位置から前方側のマグネット車輪2aと手前側の走行面との間に移動させる機能を有していれば良い。したがって、例えば、トーションスプリング27に代えて、棒状の部材の一端にプレート20を連結し、他端を揺動可能に支持し、これを公知のバネ機構によってプレート20が所定の待機位置となるように付勢するように構成しても良く、その他種々の形態を採用することができる。
次に、このように構成された磁性体面走行車10が例えば水平な走行面から鉛直な走行面に移動する場合について説明する。図4は、このような走行面間を移動する際のマグネット車輪2aとプレート20及びバンパ24の状態を示しており、この場合においては、水平な走行面A1が「手前側の走行面」となり、鉛直な走行面A2が「奥側の走行面」となる。まず、同図(A)に示すように、マグネット車輪2aは図の左から右へと転がりながら移動してくる。そして、同図(B)のように、バンパ24が相対する鉛直な走行面A2に当接し、更に走行車が進行すると、バンパ24は走行車本体1に対して後方側に移動する。
バンパ24の移動により、腕部27bが押されてガイド部25に沿って移動することによりプレート20がマグネット車輪2aの前方下側に押し込まれると、マグネット車輪2aはその駆動力により転動し、自力でプレート20に乗り上がる。これにより、プレート20は、マグネット車輪2aと走行面A1との間に挟み込まれた状態となる。また、このとき、マグネット車輪2aは走行面A2とも吸着した状態となる。この結果、マグネット車輪2aと走行面A1とは、非磁性体部材21の厚さ分だけ離反されることになるため、走行面A1に対するマグネット車輪2aの吸着力を相対的に小さくして、走行面A2に対するマグネット車輪2aの吸着力を相対的に大きくすることができる。
そして、この状態でマグネット車輪2aに駆動力が伝達されることにより、マグネット車輪2aは、吸着力の小さい走行面A1から離反し、吸着力の大きい走行面A2上を転動することになる。つまり、マグネット車輪2aの駆動力でもって自力で走行面A2へ移動することが可能となる。
なお、上述した本発明の第1の実施形態では、水平な走行面から鉛直な走行面へ移動する場合を説明したが、本発明の磁性体面走行車は、その他、鉛直面から天井面、天井面から鉛直面、或いはこれらの逆方向に移動する場合も上述したのと同様の動作によって直交する走行面を移動することが可能である。
このように本発明の第1の実施形態によれば、互いに直交する走行面をマグネット車輪が移動する際に、駆動輪となる前方側のマグネット車輪2aと手前側の走行面との間に、非磁性体材料からなるプレート20を挟むので、移動後に離反することとなる手前側の走行面に対するマグネット車輪2aの吸着力を小さくして、移動後に走行することになる奥側の走行面に対するマグネット車輪2aの吸着力を相対的に大きくすることができる。これにより、前方側のマグネット車輪2aの駆動力でもって自力で直交する走行面を移動することが可能となるという効果が得られる。また、バンパ24が前方の走行面に当接して移動すると、この動きを機械的に伝達して自動的にプレートを所定の待機位置からマグネット車輪2aと走行面との間に移動させることができるので、プレート20を移動させるための動力を別途設けることなく、プレート移動装置21を構成することができ、走行車全体の構成を簡素化することができる。さらに、バンパ24の移動を機械的に伝達してプレート20を移動させるための伝達機構を、トーションスプリング27とガイド部材25から構成されるものとしたので、マグネット車輪2aが奥側の走行面に移動し、プレート20がマグネット車輪2aと手前側の走行面との間から開放されたときに、プレート20をトーションスプリング27の付勢力によって自動的に所定の待機位置に戻すことができる。
次に、本発明の第2の実施形態による磁性体面走行車について説明する。第2の実施形態による磁性体面走行車は、図示しないが、第1の実施形態と同様に、走行車本体1と、マグネット車輪2a、2bとを備えており、前方側のマグネット車輪2aを駆動輪として、磁気吸着しながら走行面を走行するようになっている。走行車本体1及びその内部機器の構成は、第1の実施形態と同様である。
図5は、本実施形態におけるマグネット車輪2aの構成を示すものである。同図に示すように、前方側のマグネット車輪2aは、その外周面の一部にシート13が被覆形成されている。このシート13はゴム、プラスチック等の非磁性体材料からなり、マグネット車輪2aの外周面に接着剤等で接着する。これにより、マグネット車輪2aの外周面のうち、シート13が被覆形成されている部分は、シート13が被覆形成されていない部分より相対的に走行面に対する吸着力が小さくなる。
この相対的に吸着力が小さい部分におけるその吸着力は、シート13の厚さに依存するため、シート13の厚さは、例えば、磁性体面走行車10が鉛直な走行面を走行する場合であっても、マグネット車輪2aが重力によって走行面から離反(落下)しないように設定する必要がある。
シート13は、マグネット車輪2aの外周面において、走行面に対する吸着力が相対的に大きい部分と小さい部分とを周方向に少なくとも一箇所ずつ有するように被覆形成する。このとき、例えば、図5(A)のようにマグネット車輪2aの外周面の約3分の1を覆うようにしても良いし、同図(B)のように、より狭い範囲を覆うようにしても良い。また、同図(C)のように、外周面の複数箇所を覆うようにしても良い。
また、図6のように、マグネット車輪2aの外周面を、外周の径が相対的に大きい大径部2Aと外周の径が相対的に小さい小径部2Bとを有するものとしておき、この小径部2Bにシート13を、その周方向に隣接する大径部と段差のないように被覆形成しても良い。これにより、シート13とマグネット車輪2aの外周面との段差をなくしてマグネット車輪2aの転動を円滑にすることができる。
次に、このように構成されたマグネット車輪2aを備えた磁性体面走行車が、例えば水平な走行面から鉛直な走行面に移動する場合について説明する。図7は、このような走行面を移動する際の前方側のマグネット車輪2aの状態を示している。まず、同図(A)に示すように、マグネット車輪2aは水平な走行面A1上を図の左から右へと転がりながら移動してくる。
そして、同図(B)のような状態でマグネット車輪2aが鉛直な走行面A2に当接した場合、すなわち、シート13が被覆形成された部分が走行面A2に吸着し、シート13が被覆形成されていない部分が走行面A1に吸着している状態では、走行面A2に対する吸着力より走行面A1に対する吸着力の方が大きいため、マグネット車輪2aは走行面A1から離反することができない。
そして、この状態からマグネット車輪2aを空転させ、図7(C)のようにシート13が被覆形成された部分が走行面A1に吸着し、シート13が被覆形成されていない部分が走行面A2に吸着した状態になると、走行面A1に対する吸着力が走行面A2に対する吸着力より小さくなるため、この状態でマグネット車輪2aに駆動力が伝達されることにより、マグネット車輪2aは、同図(D)のように、吸着力の小さい走行面A1から離反し、吸着力の大きい走行面A2上を転動することになる。つまり、マグネット車輪2aの駆動力でもって自力で走行面A2へ移動することが可能となる。
なお、上述した本発明の第2の実施形態では、水平な走行面から鉛直な走行面へ移動する場合を説明したが、本発明の磁性体面走行車は、その他、鉛直面から天井面、天井面から鉛直面、或いはこれらの逆方向に移動する場合も上述したのと同様の動作によって直交する走行面を移動することが可能である。
このように、本発明の第2の実施形態によれば、マグネット車輪2aの外周面は、走行面に対する吸着力が相対的に大きい部分と小さい部分とを周方向に少なくとも一箇所ずつ有するので、互いに直交する走行面の双方に対してマグネット車輪2aが吸着したときには、このマグネット車輪2aを駆動させて空転させることにより、マグネット車輪2aのうち吸着力が相対的に大きい部分が奥側の走行面に吸着し、吸着力が相対的に小さい部分が手前側の走行面に吸着したときに、マグネット車輪2aは手前側の走行面から離反することができる。したがって、マグネット車輪2aの駆動力のみで自力で直交する走行面を移動することが可能となるという効果が得られる。また、マグネット車輪の吸着力を小さくするための動力を別途設けることなく、プレート移動装置を構成することができ、走行車全体の構成を簡素化することができる。また、マグネット車輪の外周面に非磁性体材料からなるシートを部分的に被覆形成することにより吸着力が相対的に小さい部分を構成するようにしたので、マグネット車輪の外周面において、吸着力の相対的に大きい部分と小さい部分とを簡単に設定することができる。さらに、マグネット車輪2aの外周面は外周の径が小さい小径部2Bを有し、この小径部2Bにシート13が周方向に隣接する大径部2Aと段差のないように形成されているものとしたので、シート13とマグネット車輪2aの外周面との段差をなくしてマグネット車輪2aの転動を円滑にすることができる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の第1の実施形態による磁性体面走行車の構成を示す図である。 プレート及びプレート移動装置の構成を示す斜視図である。 プレート及びプレート移動装置の構成を示す平面図および側面図である。 本発明の第1の実施形態による磁性体面走行車が、互いに直交する走行面を移動する際のマグネット車輪の状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態による磁性体面走行車のマグネット車輪の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態による磁性体面走行車のマグネット車輪の別の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態による磁性体面走行車が、互いに直交する走行面を移動する際のマグネット車輪の状態を示す図である。 従来の磁性体面走行車の構成を示す図である。 マグネット車輪が互いに直交する走行面に吸着した状態を示す図である。 特許文献1の「三次元自由走行車」の車輪の構成を示す図である。
符号の説明
1 走行車本体
2 マグネット車輪
2a 前方側車輪
2b 後方側車輪
2A 大径部
2B 小径部
7 電動モータ
8 カメラ
9 バッテリ
10 磁性体面走行車
11 制御装置
13 シート
20 プレート
21 プレート移動装置
24 バンパ
24a バンパ本体
24b 押付部
25 ガイド部材
27 トーションスプリング
27a コイル部
27b 腕部
27c 腕部
28 枢支ピン
30 係止部
A,A1,A2 走行面

Claims (4)

  1. 走行車本体と、該走行車本体の走行方向の前後に設けられ磁力により走行面に吸着するマグネット車輪と、前方側のマグネット車輪の近傍に配置され、互いに直交する走行面を前方側のマグネット車輪が移動する際に、前方側のマグネット車輪と前記直交する走行面のうち手前側の走行面との間に挟まれる非磁性体材料からなるプレートと、前記走行車本体に設けられ前記プレートを前方側のマグネット車輪の下方前方付近に位置する所定の待機位置から前方側のマグネット車輪と前記手前側の走行面との間に挟むように移動させるプレート移動装置とを備え、
    少なくとも前方側のマグネット車輪は駆動輪として構成されており、
    前記プレートの厚さは、該プレートが前方側のマグネット車輪と前記手前側の走行面との間に挟まれた状態においても前方側のマグネット車輪が重力によって走行面から離反しないように設定されており、
    前記プレート移動装置は、前記走行車本体の前方に設けられ前方側のマグネット車輪が互いに直交する走行面を移動するときに前方に相対する走行面に当接して走行車本体に対して後方に移動するバンパと、前記バンパの後方移動を機械的に伝達し、前記プレートを前記所定の待機位置から走行方向前方側のマグネット車輪と前記手前側の走行面との間に移動させる伝達機構とを備え、
    前記伝達機構は、コイル部と該コイル部の一端から延び前記プレートと連結された腕部とを有するトーションスプリングと、該トーションスプリングの腕部と係合し該腕部を案内するガイド部材とから構成され、
    前記バンパは、前記腕部を押す押付部を有し、該押付部の前記腕部と当接する当接面は該腕部をマグネット車輪の方向に押すように鉛直面であってマグネット車輪側に向いて傾斜しており、
    前記トーションスプリングは、前記プレートが前記所定の待機位置となるように取り付けられており、
    前記ガイド部材は、前記トーションスプリングの腕部が前記押付部によって押されることにより、前記プレートが所定の待機位置から前方側のマグネット車輪と前記手前側の走行面との間まで斜め下方に移動するように、前記腕部を案内する、ことを特徴とする磁性体面走行車。
  2. 走行車本体と、該走行車本体の走行方向の前後に設けられ磁力により走行路面に吸着するマグネット車輪とを備え、
    少なくとも前方側のマグネット車輪は駆動輪として構成されており、
    前記マグネット車輪の外周面は、走行面に対する吸着力が相対的に小さい部分を周方向に少なくとも一箇所有し、
    前記相対的に吸着力の小さい部分におけるその吸着力は、マグネット車輪が重力によって走行面から離反しないように設定されている、ことを特徴とする磁性体面走行車。
  3. 前記マグネット車輪の外周面のうち、走行面に対する吸着力が相対的に小さい部分には、非磁性体材料からなるシートが被覆形成されている、ことを特徴とする請求項2に記載の磁性体面走行車。
  4. 前記マグネット車輪の外周面は、外周の径が相対的に大きい大径部と外周の径が相対的に小さい小径部とを有し、該小径部に、前記シートがその周方向に隣接する大径部と段差のないように被覆形成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の磁性体面走行車。
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