JP5975060B2 - 壁面走行台車 - Google Patents

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Description

本発明は、磁力によって壁面に吸着して当該壁面に沿って移動する壁面走行台車に関し、例えば製鉄所の高炉の壁面を移動する壁面走行台車などに好適なものである。
鋼鉄製の煙突や高炉熱風炉の外壁などの磁性体からなる壁については、磁力によって吸着しながら壁面を移動する台車を利用して、壁の亀裂の有無や亀裂の状態の検出等の作業を行っている。この作業対象の壁面は全体が平坦であれば台車は支障なく壁面を走行して作業を行うことができるが、煙突や炉の構造条件などによっては壁面に段差を有するものもあり、台車の円滑な走行を妨げる。このため、下記特許文献1に記載されるような段差乗り越え可能な壁面走行装置が提案されている。この壁面走行装置は、壁面に沿う三角形の各頂点の位置に車輪を配置して実質的に三輪車の台車としている。この台車には、三輪によって形成される三角形の中心部に壁面吸着磁力ユニットを配置し、また前記三角形の三辺の各外側位置に、補助壁面吸着磁力ユニットを夫々配置して、これら4つの磁力ユニットを壁面に向けてシリンダ装置により出し入れするように構成している。そして、三輪のうちの前後輪を駆動と従動との間で切換えながら、4つの磁力ユニットを吸着と解放との間で切換えることで壁面の段差を乗り越えるようにしている。
特開2001−151169号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載される壁面走行台車では、三輪のうちの前後輪を駆動と従動との間で切換える機構や、車輪の他に4つの磁力ユニットを設けた上、これらを吸着と解放との間で個別に切換える機構が必要となるため、構造と制御が複雑になるという不具合がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、構造と制御を簡単にした壁面走行台車を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様に係る壁面走行台車は、車体に取付けられた磁気吸着車輪を壁面に磁着させ、その状態で前記磁気吸着車輪を回転させて当該壁面に沿って移動する壁面走行台車であって、前記磁気吸着車輪と一体的に回転することも前記磁気吸着車輪の回転から分離することも可能な回転体と、前記回転体に取付けられ、前記磁気吸着車輪の外周よりも径方向外側に突出する突出部材と、前記突出部材が前記壁面に接触しない状態で前記回転体及び突出部材を前記磁気吸着車輪の回転から分離する分離機構と、前記磁気吸着車輪が転動方向前方の段部に接近又は接触したことを検出する検出部と、前記検出部による検出時に、前記分離機構による前記回転体及び突出部材の前記磁気吸着車輪の回転からの分離を解除する制御部とを備えたことを特徴とするものである。
また、この壁面走行台車において、前記磁気吸着車輪は、外周が円形の磁石と、前記磁石と同心に当該磁石に固定され且つ前記磁石の外径よりも外径の大きな磁性体車輪部材とを備えて構成され、前記回転体は、前記磁石の外周に被嵌され且つ前記磁性体車輪部材の外径よりも外径の小さい非磁性体のリング部材で構成され、前記突出部材は、前記リング部材の外周に取付けられることが望ましい。
また、この壁面走行台車において、前記リング部材の前記磁性体車輪部材との当接又は対向部分に収納部を形成し、前記収納部に磁性部材を収納することが望ましい。
また、この壁面走行台車において、前記分離機構は、前記突出部材を把持する把持部材と、前記制御部によって制御されるアクチュエータと、前記アクチュエータによって駆動され、前記把持部材を前記突出部材に近づけたり前記突出部材から遠ざけたりする移動機構とを備えることが望ましい。
また、壁面走行台車において、前記車体の移動前後方向における前段、中段、及び後段の位置に前記磁気吸着車輪を配置するものとし、前記車体は、車体本体と、前記車体の移動前後方向に長手で且つ中間で前記壁面に近づく方向及び前記壁面から遠ざかる方向に揺動可能に前記車体本体に支持された揺動車体とを備え、前記前段及び後段の何れか一方及び中段の磁気吸着車輪を前記揺動車体の前後部の夫々に配置し、前記前段及び後段の何れか他方の磁気吸着車輪を前記車体本体に配置することが望ましい。
而して、本発明の壁面走行台車によれば、車体に取付けられた磁気吸着車輪を壁面に磁着させ、その状態で磁気吸着車輪を回転させて当該壁面に沿って移動するにあたり、磁気吸着車輪と一体的に回転することも磁気吸着車輪の回転から分離することも可能な回転体に、磁気吸着車輪の外周よりも径方向外側に突出する突出部材を取付ける。この突出部材が壁面に接触しない状態で回転体及び突出部材を磁気吸着車輪の回転から分離するための分離機構を備える。そして、磁気吸着車輪が転動方向前方の段部に接近又は接触したことを検出部が検出したら、制御部が分離機構による磁気吸着車輪の回転からの回転体及び突出部材の分離を解除する。これにより、回転体が磁気吸着車輪と一体的に回転して突出部材が壁面に当接すると磁気吸着車輪が壁面から離れる。磁気吸着車輪が壁面から離れると、磁気吸着車輪による壁面への磁着力が低下するので段部に乗り上げることが可能となる。その際、磁気吸着車輪と一体的に回転可能な回転体に突出部材を取付け、検出部が段部を検出したら、分離機構による回転体及び突出部材の磁気吸着車輪の回転からの分離を解除するだけであるから、構造と制御が簡単なものとなる。
また、磁気吸着車輪を、外周が円形の磁石と、磁石と同心に当該磁石に固定され且つ当該磁石の外径よりも外径の大きな磁性体車輪部材とを備えて構成し、磁石の外周に被嵌され且つ磁性体車輪部材の外径よりも外径の小さい非磁性体のリング部材で回転体を構成し、リング部材の外周に突出部材を取付ける。これにより、簡易な構造によって、回転体及び突出部材を磁気吸着車輪と一体的に回転させたり磁気吸着車輪の回転から分離したりすることが可能となる。
また、リング部材の磁性体車輪部材との当接又は対向部分に収納部を形成し、その収納部に磁性部材を収納する。これにより、磁気吸着車輪の回転からの分離機構による回転体及び突出部材の分離を解除すると、磁石によって磁性している車輪部材に磁性部材が磁着して車輪部材と回転体及び突出部材が一体的に回転する。また、分離機構が回転体及び突出部材の回転を規制すれば、磁性部材が車輪部材と摺動するため、回転体及び突出部材を磁気吸着車輪の回転から分離することができる。よって、構造を簡易化することができる。
また、突出部材を把持する把持部材、制御部によって制御されるアクチュエータ、アクチュエータによって駆動され且つ把持部材を突出部材に近づけたり突出部材から遠ざけたりする移動機構によって分離機構を構成する。これにより、簡易な構造によって、回転体及び突出部材を磁気吸着車輪と一体的に回転させたり磁気吸着車輪の回転から分離したりすることが可能となる。
また、車体には、車体の移動前後方向に長手で且つ中間で壁面に近づく方向及び壁面から遠ざかる方向に揺動可能に車体本体に支持された揺動車体を備える。また、前段及び後段の何れか一方及び中段の磁気吸着車輪を揺動車体の前後部の夫々に配置し、前段及び後段の何れか他方の磁気吸着車輪を車体本体に配置する。これにより、前段、中段、後段の何れの磁気吸着車輪が壁面から離れても、他の磁気吸着車輪が壁面に磁着しているので、車体が安定する。
本発明の壁面走行台車の一実施形態を示す概略正面図である。 図1の壁面走行台車の平面図である。 図1の壁面走行台車に配置された磁気吸着車輪の説明図である。 図1の壁面走行台車に配置された分離機構の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。 図1の壁面走行台車の作用の説明図である。
次に、本発明の壁面走行台車の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の壁面走行台車の概略正面図、図2は、図1の壁面走行台車の概略平面図である。これらの図に示す壁面Wは、鋼鉄製の煙突や高炉熱風炉の外壁などの磁性体からなる壁の表面である。本実施形態の壁面走行台車は、この壁面Wにくっついた状態で当該壁面Wに沿って、図に示す前方又は後方に移動するものである。この壁面走行台車の車体1は、移動前後方向に長手な車体本体2と、当該車体本体2の前方端部で当該車体本体2に連結された揺動車体3とを備えて構成される。
このうち、揺動車体3は、車体本体2と同様に、車体1の移動前後方向に長手で、中間部が車体本体2の前方端部から壁面W側向きに立設された柱部4に連結されている。この揺動車体3の中間部は、図に示す壁面Wと平行で且つ台車移動方向と直交する軸線の回転軸5で前記柱部4に連結されており、その結果、揺動車体3は壁面Wに近づく方向及び壁面Wから遠ざかる方向に揺動可能に車体本体2に支持されている。なお、図1の正面視における上下方向を高さ方向、図2の平面視における左右方向を幅方向とする。また、車体本体2の柱部4には、図示しない昇降装置が連結されており、車体本体2に対して、柱部4ごと揺動車体3を壁面Wと垂直な方向に昇降する。図1は、昇降装置によって揺動車体3が壁面Wに接近する方向に押し下げられて(車体本体2が引き上げられて)いる状態であり、押し下げられると自動的に揺動車体3の前方が壁面Wから離間するように構成されている。
揺動車体3の前方端部における幅方向両外側には車軸6を介して前輪を構成する前段磁気吸着車輪7aが配置されている。また、揺動車体3の後方端部における幅方向両外側には車軸6を介して中輪を構成する中段磁気吸着車輪7bが配置されている。また、車体本体2の後方端部における幅方向両外側には車軸6を介して後輪を構成する後段磁気吸着車輪7cが配置されている。これらの磁気吸着車輪7a〜7cは、図示しない懸架装置又はスプリングを介して、高さ方向に揺動可能に車体本体2又は揺動車体3に取付けられている。また、各磁気吸着車輪7a〜7cは、図示しないインホイールモータなどの駆動源によって、独自に駆動することができる。即ち、本実施形態の壁面走行台車は選択的六輪駆動(全輪駆動)である。
図3には、これらの磁気吸着車輪7a〜7cの詳細を示す(駆動源は図示省略)。図3aは、磁気吸着車輪7a〜7cの縦断面図、図3bは、図3aのA−A断面図である。各磁気吸着車輪7a〜7cは外形が円形の永久磁石8を有する。本実施形態では、円柱状又はリング状の永久磁石8が中心部で車軸6に被嵌されている。この円柱状又はリング状の永久磁石8の軸方向両端部に、当該永久磁石8の外径よりも外径の大きな磁性体車輪部材9が固定され、これにより磁気吸着車輪7a〜7cの主要部が構成される。即ち、永久磁石8に当接する磁性体車輪部材9は磁化され、磁性体壁面Wに磁着する。また、前記2つの磁性体車輪部材9の間にあって、前記永久磁石8の外周には、回転体を構成するリング部材10が、当該永久磁石8の外周に沿って摺動回転可能に被嵌されている。このリング部材10は非磁性体からなり、その外径は、磁性体車輪部材9の外径よりも小さい。そして、リング部材10の外周のうち、当該リング部材10の軸線を挟んで対向する2カ所に突出部材11がボルトなどの固定具12によって取付けられている。この突出部材11は、突出先端部が磁性体車輪部材9の外周よりも径方向外側に突出する。なお、突出部材11は、例えばステンレス鋼で構成されている。
本実施形態の回転体を構成するリング部材10は、外形が円形の永久磁石8の外周に被嵌され且つ当該リング部材10の外径よりも外径の大きな2つの磁性体車輪部材9に挟まれているため、当該リング部材10の軸線方向両端部(端面)は全面的に磁性体車輪部材9に当接又は対向している。本実施形態では、磁性体車輪部材9に当接又は対向しているリング部材10の軸線方向一方の端部から他方の端部に向けて、大径から小径に一段階に変化する段付き孔13を収納部として形成し、その段付き孔13内に頭部(フランジ)付きのピン14を収納している。このピン14は、例えば鋼鉄製の磁性部材であり、磁化している磁性体車輪部材9に磁着する。従って、突出部材11や回転体であるリング部材10に何らの規制も加わっていない状態では、ピン14が磁性体車輪部材9に磁着してリング部材10及び突出部材11は磁性体車輪部材9、即ち磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転する。一方、突出部材11や回転体であるリング部材10に何らかの規制が加わると、ピン14が磁性体車輪部材9の軸線方向端面を摺動し、リング部材10及び突出部材11は磁性体車輪部材9、即ち磁気吸着車輪7a〜7cの回転から分離される。
このように回転体を構成するリング部材10及び突出部材11を磁気吸着車輪7a〜7cの回転から分離するために、本実施形態の壁面走行台車には分離機構15が搭載されている。図4には、分離機構15の詳細を示す。この分離機構15は、突出部材11が壁面Wに当接していない状態で、突出部材11及びリング部材10の回転を規制するためのものである。この分離機構15は、突出部材11を把持する把持部材16、後述する制御部によって制御されるアクチュエータ17、アクチュエータ17によって駆動されて把持部材16を突出部材11に近づけたり突出部材11から遠ざけたりする移動機構としてのリンク部材18で構成される。本実施形態では、把持部材16とリンク部材18は一体とし、リンク部材18の長手方向一方の端部がアクチュエータ17に連結され、リンク部材18の長手方向他方の端部に把持部材16が一体的に形成されている。リンク部材18の長手方向中間部は、回転軸19を介して、車体本体2又は揺動車体3に回転可能に支持されている。アクチュエータ17は、リンク部材18の長手方向一方の端部が連結されているロッド20を延伸したり収縮したりするものであり、その結果、リンク部材18の長手方向他方の端部に形成されている把持部材16が磁気吸着車輪7a〜7c側、つまり突出部材11に近づいたり、突出部材11から遠ざかったりする。
アクチュエータ17のロッド20とリンク部材18の長手方向一方の端部は長孔とピンで連結されており、ロッド20の伸縮方向に或る程度リンク部材18の長手方向一方の端部が移動可能となっている。また、リンク部材18と車体本体2又は揺動車体3の間にはスプリング21が介装されており、把持部材16を磁気吸着車輪7a〜7c側、即ち突出部材11に近づく側に付勢している。また、把持部材16には突出部材11が収納される収納部22が形成され、収納部22の磁気吸着車輪7a〜7c周方向両端部には夫々爪部23が突出されている。この2つの爪部23のうち、磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転している突出部材11が先に接触する側の爪部23の突出先端部にはテーパ部24が形成されている。このテーパ部24は、爪部23の収納部22側が長く且つその反対側が短くなるように形成されている。そのため、磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転している突出部材11がテーパ部24に接触すると、爪部23ごと把持部材16及びリンク部材18を押し上げて突出部材11が収納部22に収納される。
即ち、この分離機構15で磁気吸着車輪7a〜7cの回転から回転体であるリング部材10及び突出部材11を分離する場合には、図4aのように、把持部材16の爪部23がリング部材10の外周面に軽く接触する程度にアクチュエータ17のロッド20を延伸する。その状態で、磁気吸着車輪7a〜7cの回転に伴って突出部材11が回転し、図4bのように、突出部材11が把持部材16の爪部23に当接すると、突出部材11が爪部23ごと把持部材16及びリンク部材18を押し上げる。これに次いで突出部材11が収納部22に収納されると、図4cに示すように、爪部23がリング部材10の外周面に軽く接触し、その状態で突出部材11が把持部材16に把持され、磁気吸着車輪7a〜7cの回転からリング部材10及び突出部材11が分離される。この状態では、仮に磁気吸着車輪7a〜7cと共に突出部材11が逆方向に回転しようとしても、爪部23の収納部22側が長いので、爪部23は突出部材11に押し上げられることがなく、その結果、磁気吸着車輪7a〜7cの回転からのリング部材10及び突出部材11の分離が解除されることはない。逆に、アクチュエータ17のロッド20を収縮してリンク部材18の長手方向一方の端部を移動させれば、把持部材16の爪部23がリング部材10から離間し、その結果、突出部材11及びリング部材10が磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転するようになる。
車体本体2及び揺動車体3からは、夫々、一カ所ずつ、台車が段部Sに接近又は接触したことを検出するための検出部としてストライカー25a、25bが設けられている。これらのストライカー25a、25bは、図示しない付勢機構によって車体本体2又は揺動車体3から壁面W側に向けて垂直になるように付勢されており、例えば図9に示すように、台車が段部Sに接近又は接触すると、垂直状態から傾斜する。制御部26では、ストライカー25a、25bの傾斜による段部S検出に応じて、アクチュエータ17や図示しない揺動車体3の昇降装置、磁気吸着車輪7a〜7cの駆動源を制御して、段部Sへの乗り上がりや段部Sからの降り下がりを行う。この制御部26は、プログラマブルコントローラやコンピュータシステムなどの高度な演算処理装置であり、記憶されたロジックに従って、アクチュエータ17や昇降装置、駆動源の制御を行う。
次に、本実施形態の壁面走行台車の作用について、図面を追って説明する。図1は、台車が前方の段部Sに接近しているものの、全ての磁気吸着車輪7a〜7cは壁面Wの平坦部にある標準状態であり、前述のように、揺動車体3は前段磁気吸着車輪7aが壁面Wから離れるように前方上がり(後方下がり)としている。この状態では、2つのストライカー25a、25bは何れも壁面Wに対して垂直な状態であり、中段磁気吸着車輪7b及び後段磁気吸着車輪7cの四輪を駆動して前進している。また、前段磁気吸着車輪7aも中段磁気吸着車輪7bも後段磁気吸着車輪7cも突出部材11が把持部材16に把持されて、回転体であるリング部材10及び突出部材11が磁気吸着車輪7a〜7cの回転から分離されている。この状態から、台車が更に前方に移動すると、図5に示すように、前方ストライカー25aが段部Sに当接して後方に傾斜し始める。この状態では、未だ前段磁気吸着車輪7aは段部Sに乗り上げていない。
この状態、つまり前方ストライカー25aが傾斜し始めてから予め設定された所定時間が経過して、台車が更に前方に移動すると、図6に示すように、前段磁気吸着車輪7aが段部Sに乗り上げる。これに伴って前段磁気吸着車輪7aも駆動して六輪(全輪)駆動状態とし、中段磁気吸着車輪7bの把持部材16を突出部材11から離間して当該突出部材11が中段磁気吸着車輪7bと一体的に回転するようにする。そして、更に台車が前方に移動すると、図7に示すように、中段磁気吸着車輪7bの突出部材11が壁面Wに当接し、中段磁気吸着車輪7bの磁性体車輪部材9が壁面から離れる。これにより、中段磁気吸着車輪7bの壁面Wへの磁着力が弱まり、図8に示すように、中段磁気吸着車輪7bが段部Sに乗り上げる。この後、台車が更に前方に移動すると、後方ストライカー25bが段部Sに当接して後方に傾斜し始める。中段磁気吸着車輪7bが段部Sに乗り上げてから予め設定された所定時間後には、中段磁気吸着車輪7bの把持部材16を中段磁気吸着車輪7b側に接近して、再び中段磁気吸着車輪7bとの突出部材11の回転を分離する。なお、図8は、揺動車体3が壁面Wから離間するように、昇降装置で揺動車体3を引き上げ(車体本体2を押し下げ)ている。
後方ストライカー25bが段部Sに当接して後方に傾斜し始めてから予め設定された所定時間が経過したら、後段磁気吸着車輪7cの把持部材16を突出部材11から離間する。これにより、後段磁気吸着車輪7cの突出部材11が後段磁気吸着車輪7cと一体的に回転するようになる。そして、更に台車が前方に移動すると、図9に示すように、後段磁気吸着車輪7cの突出部材11が壁面Wに当接し、後段磁気吸着車輪7cの磁性体車輪部材9が壁面Wから離れる。これにより、後段磁気吸着車輪7cの壁面Wへの磁着力が弱まり、図10に示すように、後段磁気吸着車輪7cが段部Sに乗り上げる。後段磁気吸着車輪7cが段部Sに乗り上げてから予め設定された所定時間後には、後段磁気吸着車輪7cの把持部材16を後段磁気吸着車輪7cに接近して、再び後段磁気吸着車輪7cとの突出部材11の回転を分離する。
図10の状態では、既に前段磁気吸着車輪7aが段部Sから降り下がり始めている。この場合は、前段磁気吸着車輪7aの把持部材16で前段磁気吸着車輪7aの突出部材11を把持して、少しでも前段磁気吸着車輪7aが段部S又は壁面Wに磁着するようにする。なお、段部Sから磁気吸着車輪7a〜7cが降り下がるときには、磁気吸着車輪7a〜7cの段部Sへの磁着力は自動的に弱くなるから、図11に示すように、前段磁気吸着車輪7aは支障なく段部Sから降り下がる。前段磁気吸着車輪7aが段部Sから降り下がって後、台車が更に前方に移動すると、図12に示すように、中段磁気吸着車輪7bも段部Sから降り下がる。更に、この状態から台車が前方に移動すると、図13に示すように、後方ストライカー25bが段部Sから外れ、壁面Wに向けて垂直状態となる。このように後方ストライカー25bが垂直状態となってから予め設定された所定時間後に、図14に示すように、後段磁気吸着車輪7cも段部Sから降り下がる。これに先立ち、後方ストライカー25bが垂直状態となってから予め設定された所定時間後に、前段磁気吸着車輪7aの把持部材16を前段磁気吸着車輪7aの突出部材11から離間して、突出部材11が前段磁気吸着車輪7aと一体的に回転するようにしておく。
図14では、前段磁気吸着車輪7aも中段磁気吸着車輪7bも後段磁気吸着車輪7cも壁面Wに磁着した状態となる。この間、突出部材11は前段磁気吸着車輪7aと一体的に回転するので、図14に示すように、突出部材11が壁面Wに当接し、前段磁気吸着車輪7aの磁性体車輪部材9が壁面Wから離れる。これにより、前段磁気吸着車輪7aの壁面Wへの磁着力が弱くなるので、その状態で昇降装置によって揺動車体3を壁面Wに押し付けるように押し下げ(車体本体2を引き上げ)、図15に示すように、即ち図1と同様に、前段磁気吸着車輪7aを壁面Wから離間する。このように前段磁気吸着車輪7aを壁面Wから離間したら、中段磁気吸着車輪7b及び後段磁気吸着車輪7cによる四輪駆動状態とする。
このように本実施形態の壁面走行台車では、車体1に取付けられた磁気吸着車輪7a〜7cを壁面Wに磁着させ、その状態で磁気吸着車輪7a〜7cを回転させて当該壁面Wに沿って移動するにあたり、磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転することも磁気吸着車輪7a〜7cの回転から分離することも可能なリング部材(回転体)10に、磁気吸着車輪7a〜7cの外周よりも径方向外側に突出する突出部材11を取付ける。この突出部材11が壁面Wに接触しない状態でリング部材(回転体)10及び突出部材11を磁気吸着車輪7a〜7cの回転から分離するための分離機構15を備える。そして、磁気吸着車輪7a〜7cが転動方向前方の段部Sに接近又は接触したことをストライカー(検出部)25a、25bが検出したら、制御部26が分離機構15による磁気吸着車輪7a〜7cの回転からのリング部材(回転体)10及び突出部材11の分離を解除する。これにより、リング部材(回転体)10が磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転して突出部材11が壁面Wに当接すると磁気吸着車輪7a〜7cが壁面から離れる。磁気吸着車輪7a〜7cが壁面Wから離れると、磁気吸着車輪7a〜7cによる壁面Wへの磁着力が低下するので段部Sに乗り上げることが可能となる。その際、磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転可能なリング部材(回転体)10に突出部材11を取付け、ストライカー(検出部)25a、25bが段部Sを検出したら、分離機構15によるリング部材(回転体)10及び突出部材11の磁気吸着車輪7a〜7cの回転からの分離を解除するだけであるから、構造と制御が簡単なものとなる。
また、磁気吸着車輪7a〜7cを、外周が円形の永久磁石8と、永久磁石8と同心に当該永久磁石8に固定され且つ当該永久磁石8の外径よりも外径の大きな磁性体車輪部材9とを備えて構成し、永久磁石8の外周に被嵌され且つ磁性体車輪部材9の外径よりも外径の小さい非磁性体のリング部材10で回転体を構成し、リング部材10の外周に突出部材11を取付ける。これにより、簡易な構造によって、リング部材(回転体)10及び突出部材11を磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転させたり磁気吸着車輪7a〜7cの回転から分離したりすることが可能となる。
また、リング部材10の磁性体車輪部材9との当接又は対向部分に段付き孔(収納部)13を形成し、その段付き孔(収納部)13にピン(磁性部材)14を収納する。これにより、磁気吸着車輪7a〜7cの回転からの分離機構15によるリング部材(回転体)10及び突出部材11の分離を解除すると、永久磁石8によって磁性している磁性体車輪部材9にピン(磁性部材)14が磁着して磁性体車輪部材9とリング部材(回転体)10及び突出部材11が一体的に回転する。また、分離機構15がリング部材(回転体)10及び突出部材11の回転を規制すれば、ピン(磁性部材)が磁性体車輪部材9と摺動するため、リング部材(回転体)10及び突出部材11を磁気吸着車輪7a〜7cの回転から分離することができる。よって、構造を簡易化することができる。
また、突出部材11を把持する把持部材16、制御部26によって制御されるアクチュエータ17、アクチュエータ17によって駆動され且つ把持部材16を突出部材11に近づけたり突出部材11から遠ざけたりするリンク部材(移動機構)18によって分離機構15を構成する。これにより、簡易な構造によって、リング部材(回転体)及び突出部材11を磁気吸着車輪7a〜7cと一体的に回転させたり磁気吸着車輪7a〜7cの回転から分離したりすることが可能となる。
また、車体1には、車体1の移動前後方向に長手で且つ中間で壁面Wに近づく方向及び壁面Wから遠ざかる方向に揺動可能に車体本体2に支持された揺動車体3を備える。また、前段磁気吸着車輪7a及び中段磁気吸着車輪7bを揺動車体3の前後部の夫々に配置し、後段磁気吸着車輪7cを車体本体2に配置する。これにより、前段、中段、後段の何れの磁気吸着車輪7a〜7cが壁面Wから離れても、他の磁気吸着車輪7a〜7cが壁面Wに磁着しているので、車体1が安定する。
なお、本発明の壁面走行台車は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の本旨を逸脱しない範囲で適宜に変更することが可能である。
1 車体
2 車体本体
3 揺動車体
4 柱部
5 回転軸
6 車軸
7a〜7c 磁気吸着車輪
8 永久磁石(磁石)
9 磁性体車輪部材
10 リング部材(回転体)
11 突出部材
12 固定具
13 段付き孔(収納部)
14 ピン(磁性部材)
15 分離機構
16 把持部材
17 アクチュエータ
18 リンク部材(移動機構)
19 回転軸
20 ロッド
21 スプリング
22 収納部
23 爪部
24 テーパ部
25a、25b ストライカー
26 制御部
W 壁面
S 段部

Claims (5)

  1. 車体に取付けられた磁気吸着車輪を壁面に磁着させ、その状態で前記磁気吸着車輪を回転させて当該壁面に沿って移動する壁面走行台車であって、
    前記磁気吸着車輪と一体的に回転することも前記磁気吸着車輪の回転から分離することも可能な回転体と、
    前記回転体に取付けられ、前記磁気吸着車輪の外周よりも径方向外側に突出する突出部材と、
    前記突出部材が前記壁面に接触しない状態で前記回転体及び突出部材を前記磁気吸着車輪の回転から分離する分離機構と、
    前記磁気吸着車輪が転動方向前方の段部に接近又は接触したことを検出する検出部と、
    前記検出部による検出時に、前記分離機構による前記回転体及び突出部材の前記磁気吸着車輪の回転からの分離を解除する制御部と
    を備えたことを特徴とする壁面走行台車。
  2. 前記磁気吸着車輪は、
    外周が円形の磁石と、
    前記磁石と同心に当該磁石に固定され且つ前記磁石の外径よりも外径の大きな磁性体車輪部材とを備えて構成され、
    前記回転体は、
    前記磁石の外周に被嵌され且つ前記磁性体車輪部材の外径よりも外径の小さい非磁性体のリング部材で構成され、
    前記突出部材は、
    前記リング部材の外周に取付けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の壁面走行台車。
  3. 前記リング部材の前記磁性体車輪部材との当接又は対向部分に収納部を形成し、
    前記収納部に磁性部材を収納した
    ことを特徴とする請求項2に記載の壁面走行台車。
  4. 前記分離機構は、
    前記突出部材を把持する把持部材と、
    前記制御部によって制御されるアクチュエータと、
    前記アクチュエータによって駆動され、前記把持部材を前記突出部材に近づけたり前記突出部材から遠ざけたりする移動機構と
    を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載の壁面走行台車。
  5. 前記車体の移動前後方向における前段、中段、及び後段の位置に前記磁気吸着車輪を配置するものとし、
    前記車体は、
    車体本体と、
    前記車体の移動前後方向に長手で且つ中間で前記壁面に近づく方向及び前記壁面から遠ざかる方向に揺動可能に前記車体本体に支持された揺動車体とを備え、
    前記前段及び後段の何れか一方及び中段の磁気吸着車輪を前記揺動車体の前後部の夫々に配置し、
    前記前段及び後段の何れか他方の磁気吸着車輪を前記車体本体に配置した
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の壁面走行台車。
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