JP4533816B2 - アンテナおよびその製造方法、ならびに広帯域アンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、一対の磁気ループを備えたアンテナおよびその製造方法、ならびに広帯域アンテナに関する。
多くの低周波用途(例えばモバイル通信)や高周波用途(例えばEMC(electro-agnetic compatibility )試験)において、電気的小型アンテナが広く利用されている。より具体的には、電気的小型アンテナは、省スペース化および耐久性向上などを目的として低周波用途において利用されていると共に、EMC試験に必要な周波数レベルの確保などを目的として高周波用途において利用されている。この「電気的小型」とは、電気的に小さなアンテナ構造、すなわちアンテナから放射される電磁波の波長よりも小さな幾何学寸法を有する構造に由来している。定量的に説明すると、電気的小型アンテナの電気的構造は、一般に、半径r(=λ/2π)を有する円として定義される。ここで、λはアンテナから放射される電磁エネルギー(電磁波)の波長である。
この電気的小型アンテナは、大きな放射品質係数(radiation quality factor)Qを有する傾向にある。この放射品質係数Qが大きいことは、放射エネルギーよりも著しく大きなエネルギーを貯蔵しやすい性質を表している。これにより、入力インピーダンスが大部分においてリアクティブ(reactive)になるため、不可能とは言わないまでも、広範囲の帯域幅において入力時にインピーダンスをマッチングさせることが困難になる。この大きな放射品質係数Qに起因して、抵抗損失が僅かであっても、放射効率が著しく低下してしまう(例えば、1%〜50%)。
電気的小型アンテナの放射品質係数Qに関する既知の定量的限界予測によると、体積(球面体積)aを有する直線偏光全方向性アンテナ(linearly polarized, omnidirectional antenna )において実現可能な最小の放射品質係数Qは、下記に示した等式1により表される。ここで、k=1/λであり、すなわちkは電磁放射に関与する波数である。等式1から明らかなように、放射品質係数Qは、電気的体積(a)の逆数に比例し、あるいは帯域幅に反比例する。
Q=(1/ka)+(1/k3 3 )・・・等式1
特定のサイズを有する単一素子としての電気的小型アンテナに関して、広い帯域幅および高い放射効率を実現するためには、可能な限り体積(電気的小型アンテナの占有体積)を大きくする必要がある。この場合には、全体のサイズ(電気的に小型なサイズ)を維持したまま、実質的なアンテナサイズを大きくしてもよい。
等式1から導かれる放射品質係数Qの根本的限界を実現するためには、電気的小型アンテナにおいて、球面の外側において横磁気(TM01;transverse magnetic )モードまたは横電気(TE11;transverse electric )モードのみを励磁させなければならず、一方、球面の内側において電気エネルギーまたは磁気エネルギーを貯蔵してはならない。短い線状(電気)双極子が球面の外側においてTM01モードを励磁させている際に、その球面内においてエネルギーを貯蔵させない原則が満たされないと、等式1から予測されるよりも放射品質係数Qが大きくなる(帯域幅が狭くなる)。
一般に、電気双極子または磁気双極子などのアンテナ、すなわち双極子電界または双極子磁界を放射する全てのアンテナは、等式1から導かれる関係に束縛される。これまでに多くの広帯域用途の双極子が設計されることにより、実際の放射品質係数Qが等式1から導き出される値に近づきつつあるが、その値よりも小さな放射品質係数Qが得られる直線偏光全方向性アンテナを実現することは、現在のところ不可能である。しかしながら、等式1は、直線偏光全方向性アンテナの放射品質係数Qに関する根本的限界を表しているものの、その放射品質係数Qに関する下限を表しているわけではない。例えば、TM01モードおよびTE11モードと等しい放射強度で放射可能な複合アンテナでは、原理上、下記に示した等式2から導き出される放射品質係数Qが得られ、より具体的には単独の電気双極子または磁気双極子からTM01モードまたはTE11モードにおいて放射される放射品質係数Qのほぼ半分の値が得られる。すなわち、複合アンテナのインピーダンス帯域幅は、単独の電気双極子または磁気双極子のインピーダンス帯域幅のほぼ2倍である。
Q=1/2[(2/ka)+(1/k3 3 )]・・・等式2
電気双極子および磁気双極子を備えた理想的な複合アンテナでは、双極子モーメントが互いに直交するように電気双極子および磁気双極子が配置される。この複合アンテナは、理論的かつ数値的に試験されることにより、優れた性能を有するアンテナとして設計された。この種の複合アンテナは、電気双極子ベクトル(P)および磁気双極子ベクトル(M)が互いに直交する物理的関係に基づき、「PxMアンテナ」と呼ばれている。なお、PとMとの間のxは、上記した「PおよびMの直交状態」を表している。このPxMアンテナの特徴は、主に、任意の電気的サイズにおいて、有用な放射パターン(例えば、低利得一方向性放射パターン)および狭いインピーダンス帯域幅が得られることである。上記したように、電気的小型アンテナであるPxMアンテナの放射品質係数Qは、単独の電気双極子または磁気双極子の放射品質係数Qと比較してほぼ半分である。このPxMアンテナでは、放射品質係数Qが小さいため、原理上は広帯域インピーダンスマッチングが改善されるが、そのPxMアンテナの実用化は問題とされており、未だ十分に研究されていない。
広帯域においてPxMアンテナを動作させるためには、電気放射体(electric radiator )の双極子モーメントおよび磁気放射体(magnetic radiator )の双極子モーメントが、所望の動作周波数範囲において、等しい放射強度を有すると共に位相が90°ずれた状態において、互いに空間方位的に直交していなければならない。数値モデルまたは分析モデルにおいて、単独の電気放射体または磁気放射体に関する放射強度と位相との間の関係を規定することは困難でない。しかしながら、実際には、PxMアンテナは、一般に単一のRF(radio-frequency )ソースにより駆動されるため、互いに組み合わされた電気放射体および磁気放射体に関して限界出力インピーダンス(finite output impedance )がマッチされていなければならない。このことは、互いに組み合わされた電気放射体および磁気放射体の共鳴状況に起因して、著しく困難な問題になりがちである。
電気放射体および磁気放射体を組み合わせるために、必要に応じて低損失の受動的な給電網(給電ネットワーク)およびマッチング網(マッチングネットワーク)が使用されてもよい。しかしながら、この種のマッチング網を実施することは、双方の放射体の入力インピーダンスが周波数に依存して変動することに起因して困難である。より具体的には、例えば、入力インピーダンスが変動すると、電気放射体および磁気放射体に給電される電流の大きさおよび位相を適正に維持することが困難になる。しかも、双方の放射体を組み合わせるためにマッチング網が使用される場合でさえ、余剰インピーダンスミスマッチング(residual impedance mismatches )に起因してアンテナ/マッチング網の放射効率および伝送が制限されるため、システム全体の放射効率も制限されてしまう。有用なマッチング網は数々提案されているが、広範囲の周波数において互いに組み合わされた電気放射体および磁気放射体を効率よく動作させることが可能な設計は、現在のところ知られていない。このことから、PxMアンテナにおいて放射品質係数Qを小さくすることにより帯域幅を改善する技術は、現在のところ知られていない。
原理上、所望の広帯域動作を可能とするために、補助入力インピーダンス(complementary input impedance )を有する電気双極子および磁気双極子を使用可能である。この種のアプローチに関する実証済みの例としては、モノポール−スロットアンテナ(monopole-slot antenna )が挙げられる。この種のアンテナは、理想的な場合には真のPxMアンテナとして機能する。モノポール−スロットアンテナは、例えば、2系統のアーム(two series arms )にいてスロットアンテナの放射インピーダンスを有すると共に分流アーム(shunt arm )においてモノポールアンテナの放射インピーダンスを有するように構成された2ポートT網(two-port T-network)である。この2ポートT網は、一般に負荷抵抗(resistive load)において終端され、その負荷抵抗の値は、2ポートT網のイメージインピーダンス(image impedance )に等しい。しかしながら、負荷抵抗を使用すると、アンテナがローパス特性を示し、すなわち損失が大きくなる。このことから、モノポール−スロットアンテナでは、入力インピーダンスが一定になると共にマッチングされる一方で、放射効率が低下してしまう。しかも、モノポール−アンテナでは、有用な放射パターンが得られる一方で、接地面(ground plane)を要することに起因して設計面において制約を受けてしまう。
この結果、PxMアンテナを実現するためには、2つの問題を克服しなければならない。第1の問題は、実用的な電気放射体および磁気放射体を設計しなければならないことである。また、第2の問題は、適正な帯域幅において動作可能となるように、電気放射体および磁気放射体を組み合わせることにより低損失の受動的網を実用化しなければならないことである。しかも、抵抗損失を最小限に抑える必要があるならば、マッチング網内のリアクタンスの循環も最小に抑えなければならない。
PxMアンテナは、上記したように、電気双極子モーメントおよび磁気双極子モーメントが所望の動作周波数範囲において等しい強度を有すると共に位相が90°ずれた状態において互いに空間方位的に直交している場合に動作する。すなわち、電気放射体および磁気放射体は、各放射体から発生した遠距離場成分が互いに重ね合わされることにより、所望のアンテナ性能が得られるように挙動しなければならない。これらの電気放射体および磁気放射体の遠距離場成分の位相は、適正化可能である。
単独の電気双極子または磁気双極子では、PxMアンテナにおいて貯蔵される場合とは異なる態様でエネルギーを貯蔵するマッチング網を実現する上で、上記した要請の必要性が緩和される。すなわち、放射効率が最大であると共に、等しい放射品質係数Qにおいてキャパシタおよびインダクタが利用可能であれば、短い電気双極子が全ての誘導マッチング網とマッチングされるはずである。しかしながら、PxMアンテナでは、電気エネルギーおよび磁気エネルギーの双方が貯蔵されるため、状況がより複雑である。しかも、電気双極子および磁気双極子が電気的に小型でないと、各々の大部分において1つの態様でエネルギーが貯蔵されない。例えば、適度な電気的サイズを有する線状電気双極子またはテーパ状電気双極子では、大部分において電気エネルギーが貯蔵されないが、共鳴現象に基づいて実現されるエネルギーの均等分配により電気エネルギーおよび磁気エネルギーの双方が貯蔵される。
なお、PxMアンテナの構成に関しては、既にいくつかの態様が知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照。)。これらの既知の態様に関しては、以降において詳細に説明する。
米国特許第6329955明細書 IEEE Int. Symp. Electromagn. Compat. Symp. Rec., Aug. 1995, pp.119-124
上記した経緯を踏まえると、電気放射体および磁気放射体を組み合わせることにより、高出力用途において低損失の広帯域動作を実現することが可能なPxMアンテナを実用化する必要がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、電気放射体および磁気放射体を備え、低損失の広帯域動作を実現することが可能なアンテナおよびその製造方法、ならびに広帯域アンテナを提供することにある。
本発明に係るアンテナは、互いに離間された2つの平行面内に配置されると共に所定の軸が各々の中心を通るように配置された一対の磁気ループと、2つの平行面の間の他の平行面内に配置されると共に軸が中心を通るように配置された電気双極子とを備え、各磁気ループが軸を基準として対称に配置された複数の給電点を含んでいるものである。
本発明に係る広帯域アンテナは、電気双極子放射体(electric dipole radiator)および磁気双極子放射体(magnetic dipole radiator)の双方を備えたものであり、複数の給電点を含む一対の磁気ループ素子と、一対の磁気ループ素子の間に配置された電気双極子素子とを備え、一対の磁気ループ素子および電気双極子素子が伝送線網を介して互いに連結されており、一対の磁気ループ素子が互いに離間された2つの平行面内に配置され、電気双極子素子が2つの平行面の間の他の平行面内に配置され、一対の磁気ループ素子および電気双極子素子が2つの平行面および他の平行面の双方に直交する所定の軸が各々の中心を通るように配置されているものである。
本発明に係るアンテナの製造方法は、第1の面内にその第1の面に直交する所定の軸が中心を通るように第1の複数給電点ループ(first multiply-fed loop )を配置する工程と、第1の面から平行に離間された第2の面内に軸が中心を通るように第2の複数給電点ループ(second multiply-fed loop)を配置する工程と、第1の面および第2の面の双方に平行なそれらの第1の面と前記第2の面との間の第3の面内に軸が中心を通るように電気双極子を配置する工程とを含むものである。
本発明に係るアンテナまたはその製造方法、あるいは広帯域アンテナでは、所定の軸を基準として対称に配置された複数の給電点を含む一対の磁気ループ(一対の磁気ループ素子、あるいは第1の複数給電点ループおよび第2の複数給電点ループ)が、互いに平行に配置されると共にその軸が中心を通るように配置される。また、電気双極子(電気双極子素子)が、一対の磁気ループの間に平行に配置されると共に上記した軸が中心を通るように配置される。これらの一対の磁気ループおよび電気双極子は、例えば、伝送線網を介して互いに連結される。これにより、一対の磁気ループおよび電気双極子の位相中心が、上記した軸に沿って共配置される。
本発明に係るアンテナでは、電気双極子が線状電気双極子(linear dioles )、エンドロード状電気双極子(end-loaded dipoles)およびテーパ状電気双極子(tapered dipoles )を含む群から選択されるアンテナであり、より具体的にはバイコニカルアンテナであってもよい。特に、バイコニカルアンテナの円錐角が60°であり、バイコニカルアンテナの長さが動作周波数の範囲においてその動作周波数の1/3波長以上4/3波長以下の範囲内に相当する長さであり、各磁気ループの直径が動作周波数の範囲においてその動作周波数の1/4波長以上1波長以下の範囲内に相当する直径であるのが好ましい。
また、本発明に係るアンテナでは、給電点の数が2以上16以下の範囲内であり、より具体的には4つであってもよい。
また、本発明に係るアンテナでは、各磁気ループが、さらに、磁気ループに個別に連結されると共に軸を基準として対称に配置された複数のキャパシタを含んでいてもよい。この場合には、キャパシタの数が2以上16以下の範囲内であり、より具体的には4つであり、そのキャパシタが給電点とは異なる位置に配置されていてもよい。
また、本発明に係る広帯域アンテナでは、各磁気ループ素子のうちの各給電点が互いに等しい長さを有する伝送線を介して磁気ループ素子の中心に配置された共通連結点(common junctions)に連結されていてもよい。この場合には、各共通連結点が互いに等しい長さを有する他の伝送線を介して一対の磁気ループ素子の間に配置された他の共通連結点に連結されていてもよい。
また、本発明の広帯域アンテナでは、さらに、伝送線網に連結されると共に一対の磁気ループ素子と電気双極子素子との間において入力を分配する給電網を備えていてもよい。この場合には、給電網が90°ハイブリッド網(90-degree hybrid network)を含んでいてもよい。
また、本発明に係る広帯域アンテナでは、電気双極子素子が電圧バラン(voltage baluns)、電流バラン(current baluns)、180°ハイブリッド網(180-degree hybrid networks)および等価遅延バラン(equal-delay baluns)を含む群から選択されるバランス網(balancing network )により駆動されてもよい。
また、本発明に係る広帯域アンテナでは、さらに、各給電点に連結されると共に1または2以上のキャパシタおよびインダクタの直列接続を含むハイパスマッチング素子(high-pass matching element)を備えていてもよい。
また、本発明に係るアンテナの製造方法では、導電性ストリップを使用して第1の複数給電点ループおよび第2の複数給電点ループを形成し、より具体的には非導電性円形支持構造に1または2以上の導電性ストリップを取り付けることにより第1の複数給電点ループおよび第2の複数給電点ループを形成すると共に、軸に直交する他の軸が各々の中心を通るように一対の円錐状素子を互いに背中合わせに配置することにより電気双極子を形成してもよい。この場合には、固体導電性材料を使用して円錐状素子を形成してもよいし、ワイヤメッシュ導電性材料を使用して円錐状素子を形成してもよし、あるいは複数の金属ワイヤおよび金属ロッドを連結することにより円錐状素子を形成してもよい。
また、本発明に係るアンテナの製造方法では、さらに、伝送線網を介して第1の複数給電点ループおよび第2の給電点ループに電気双極子を連結する工程を含んでもよい。この場合には、さらに、第1の複数給電点ループ、第2の複数給電点ループおよび電気双極子に入力を分配する入力給電網(input feed network)を伝送線網に連結する工程を含んでもよい。
本発明に係るアンテナまたはその製造方法、あるいは広帯域アンテナによれば、互いに平行に配置されると共に所定の軸が各々の中心を通るように配置され、その軸を基準として対称に配置された複数の給電点を含む一対の磁気ループ(一対の磁気ループ素子、あるいは第1の複数給電点ループおよび第2の複数給電点ループ)を備えると共に、一対の磁気ループの間に平行に配置されると共に上記した軸が中心を通るように配置された電気双極子(電気双極子素子)を併せて備え、それらの一対の磁気ループおよび電気双極子が伝送線網を介して互いに連結されるようにしたので、電気放射体(電気双極子)および磁気放射体(一対の磁気ループ)を備え、低損失の広帯域動作を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施の形態に係るアンテナまたは広帯域アンテナの構成について説明する。図1および図2は、本実施の形態に係るアンテナまたは広帯域アンテナとしてのPxMアンテナ200の構成を表しており、図1は全体の側面構成を示し、図2は主要部(一対の磁気ループ210,220)の上面構成を拡大して示している。また、図3は、PxMアンテナ200の放射パターン(心臓型放射パターン(cardioid-shaped radiation pattern )100)を表している。なお、図1および図2では、PxMアンテナ200のうちの一部の構成要素(バランス網500,給電網600,ハイパスマッチング素子700)をブロック構成(ブロック図)として簡単に示している。
このPxMアンテナ200は、図1および図2に示したように、一対の磁気ループ(または一対の磁気ループ素子)210,220を備えている。各磁気ループ210,220は、複数の給電点240を含んでいる。特に、PxMアンテナ200は、上記した一対の磁気ループ210,220と共に、電気双極子(または電気双極子素子)250を併せて備えている。
一対の磁気ループ210,220は、PxMアンテナ200のうちの要素アンテナ(磁気双極子放射体)であり、2つのリング(磁気ループ210,220)が対向配置されることにより重ね合わされた構造を有している。この一対の磁気ループ210,220は、互いに離間された2つの平行面(互いに平行な2つの仮想面)内に配置されていると共に、所定の軸230が各々の中心を通るように配置されている。各磁気ループ210,220の直径は、例えば、PxMアンテナ200の動作周波数の範囲において、その動作周波数の1/4波長〜1波長に相当する直径である。
各磁気ループ210,220において、複数の給電点240は、軸230を基準として対称に配置されている。この「軸230を基準として対称」とは、磁気ループ210,220の中心(後述する中央連結点(central junction)300)と各給電点240との間の距離が互いに等しい関係にあることを意味している。この給電点240の数は、例えば、PxMアンテナ200の動作帯域幅に応じて設定可能であり、具体的には2〜16である。ここでは、給電点240の数は、例えば、4つである。
各磁気ループ210,220は、上記した複数の給電点240と共に、複数のキャパシタ280を併せて含んでいる。このキャパシタ280は、磁気ループ210,220に個別に連結されていると共に、軸230を基準として対称に配置されている。この「軸230を基準として対称」の意味するところは、給電点240をキャパシタ280に置き換える点を除き、その給電点240に関して上記した場合と同様である。このキャパシタ280の数は、例えば、2〜16である。ここでは、キャパシタ280の数は、例えば、4つである。
電気双極子250は、PxMアンテナ200のうちの他の要素アンテナ(電気双極子放射体)であり、互いに対向配置された2つの円錐状素子251,252を含んで構成されている。この電気双極子250は、上記した2つの平行面の間の他の平行面(上記した2つの仮想面に平行な他の仮想面)内に配置されていると共に、軸230が中心を通り、かつ軸230に直交する他の軸235がやはり中心を通るように配置されている。特に、電気双極子250は、線状電気双極子、エンドロード状電気双極子およびテーパ状電気双極子を含む群から選択されるアンテナである。ここでは、電気双極子250は、例えば、バイコニカルアンテナである。このバイコニカルアンテナの円錐角(円錐の頂点の角度)は、例えば、60°である。また、バイコニカルアンテナの長さ(バイコニカルアンテナの延在方向(図1中の横方向)の寸法)は、例えば、PxMアンテナ200の動作周波数の範囲において、その動作周波数の1/3波長〜4/3波長に相当する長さである。
この電気双極子250は、例えば、電圧バラン、電流バラン、180°ハイブリッド網および等価遅延バランを含む群から選択されるバランス網500により駆動されるようになっている。
これらの一対の磁気ループ210,220および電気双極子250は、伝送線網を介して互いに連結されている。
具体的には、各磁気ループ210,220のうちの各給電点240は、互いに等しい長さを有する伝送線(ラダー線(ladder line) 290)を介して、磁気ループ210,220の中心に配置された共通連結点(中央連結点300)に連結されている。各中央連結点300は、互いに等しい長さを有する他の伝送線(同軸線(coaxial line)260)を介して、一対の磁気ループ210,220の間に配置された他の共通連結点(連結点400)に連結されている。
上記したラダー線290および同軸線260を含む伝送線網は、給電網(入力給電網)600に連結されている。この給電網600は、一対の磁気ループ210,220と電気双極子250との間において入力を分配するものであり、例えば、90°ハイブリッド網を含んでいる。
なお、PxMアンテナ200は、さらに、ハイパスマッチング素子700も併せて備えている。このハイパスマッチング素子700は、各給電点240に連結されていると共に、図示しない1または2以上のキャパシタおよびインダクタの直列接続を含んでいる。図2では、図示内容を簡略化するために、複数の給電点240に連結された複数のハイパスマッチング素子700を代表して、1つのハイパスマッチング素子700のみを示している。
また、一対の磁気ループ210,220は、非導電性円形支持構造により支持されている。
具体的には、各磁気ループ210,220は、例えば、リング型の枠部分と十字型の梁部分とが一体化された円盤状構造を有する支持部材270により支持されている。各支持部材270は、さらに、それらの支持部材270間に配置された柱状構造を有する支持部材275により支持されている。
このPxMアンテナ200では、図3に示したように、いわゆる心臓型放射パターン100が得られる。この「PxMアンテナ」とは、上記したように、電気放射体および磁気放射体の組み合わせに由来する呼称である。このPxMアンテナ200の利点は、上記した心臓型放射パターン100のように有用な放射パターンが得られる点、放射品質係数Qが小さくなる点、ならびにインピーダンス帯域幅が広くなる点などである。
このPxMアンテナ200では、仮想ホイヘンスソース(hypothetical Huygens source )の指向特性パターンが得られる。このルードビッヒ−3パターン(Ludwig-3 pattern)とも呼ばれる指向特性パターンは、最大放射強度の軸の周りを循環する心臓型の直線偏光一軸指向性パターン(linearly-polarized unidirectional pattern )であり、いわゆる最大指向性パターンの部類に分類される。心臓型放射パターン100は、図3に示したように、円(半径r)の周囲を転がる他の円の円周上の点によりトレースされる心臓型の曲線パターンであり、極座標において下記に示した等式3により表される。ここで、ρは中心(r=0,0)からの距離であり、θは角度である。この心臓型放射パターン100は、他に「PxM放射パターン」とも呼ばれる。
ρ=r* (1+cosθ)・・・等式3
原理上、補助入力インピーダンスを有する電気放射体および磁気放射体を組み合わせることにより、PxMアンテナ200を広帯域において動作させることが可能である。例えば、スロットアンテナは、そのスロットアンテナと同様の寸法を有する電気単極子(または双極子)アンテナの「補完(complement)」であってもよい。バビネ(Babinet )の原理によると、無限大の導電性シートにおけるスロットアンテナの放射パターンは、電界および磁界が反転することを除き、補助単極子(または双極子)アンテナの放射パターンと同様である。スロットアンテナの入力インピーダンスおよびその補助単極子アンテナの入力インピーダンスは、下記に示した等式4(ブッカーの等式(Booker's equation ))により表される。ここで、Zslotはスロットアンテナの入力インピーダンス、Zmonopoleは補助単極子アンテナの入力インピーダンス、ηは環境媒質(surrounding medium)の固有インピーダンス(intrinsic impedance ;例えば、自由空間においてη=120π)である。すなわち、2つの補助アンテナ(スロットアンテナおよび補助単極子アンテナ)の入力インピーダンスは、互いに反比例する。したがって、単一の放射構造を構成するために補助アンテナが組み合わされる場合、補助入力リアクタンス(complementary input reactance ;例えば、インピーダンスの虚数部分(imaginary part))は、広い周波数範囲において入力インピーダンスをマッチングさせるためにキャンセルされ、あるいは減少される。
ZslotZmonopole=η2 /4・・・等式4
接地面が存在する場合、スロットアンテナは補助単極子アンテナと同様に機能する(例えば、スロットアンテナまたは補助単極子アンテナでは、2オクターブのインピーダンス帯域幅が得られる)。したがって、スロットアンテナおよび補助単極子アンテナの組み合わせでは、PxMアンテナ200が広帯域において動作可能である。しかしながら、接地面が存在しないと、スロットアンテナにおいて磁気双極子が機能し得ないため、その代わりに磁気ループが使用される。
磁気ループおよび電気双極子の簡単な組み合わせに関しては、既に研究されている。
例えば、「電気双極子放射体および磁気双極子放射体の双方を備えた広帯域アンテナ(Broadband Antenna Incorporating Both Electric and Magnetic Dipole Radiators )」と題された米国特許第6329955号明細書において、具体的なアンテナ構造が提案されている。この種のアンテナは、磁気ループおよびテーパ状電気双極子が分流連結(shunt connection)されることにより組み合わされた構造を有しており、いわゆるPxMアンテナである。この種のアンテナでは、3:1インピーダンス帯域幅が得られると共に、狭い動作周波数範囲(例えば、20%の帯域幅)において所望の放射パターンが得られる。
また、例えば、簡単なシングルターンシングル給電磁気ループ(single-turn, single-fed magnetic loop )および線状電気双極子を組み合わせたアンテナ構造も提案されている。この組み合わせに関しては、「電気的小型’複合’アンテナに関するモーメント方法の適用(The Applications of the Method of Moments to Electrically-small 'Compound' Antennas )」と題され、IEEE Int. Symp. Electromagn. Compat. Symp. Rec., Aug. 1995, pp.119-124において説明されている。ところが、この組み合わせでは、特定の周波数範囲において深刻な素子間結合(inter-element coupling)が生じてしまう。例えば、2つの要素アンテナは、遠距離場においてTE11モードおよびTM01モードの電界および磁界に等しい電界および磁界を生じさせる。これらのTE11モードおよびTM01モードでは、2つの要素アンテナの直交性に起因して、任意の半径において内積(inner product )がゼロになる。しかしながら、2つの要素アンテナでは、電界および磁界が近距離場において直交していないため、それらの要素アンテナが結合されることが予測される。すなわち、簡単なシングルターンシングル給電磁気ループおよび線状電気双極子を組み合わせた場合には、シングル給電機構に基づく対象性の欠如に起因して、上記したように深刻な素子間結合が生じるのである。
特に、簡単なシングルターン磁気ループでは、短い電気双極子に関してインピーダンスを厳密に補助し得ないという問題が生じる傾向にある。すなわち、電気的に小型なシングルターン磁気ループは、電気的に短い電気双極子に関してインピーダンスの観点において僅かしか補助し得ない。磁気ループは本質的に誘導性である一方で、短い線状電気双極子は本質的に容量性である。しかしながら、2つの要素アンテナの放射インピーダンス(radiation impedance )は、集中素子(lumped element)としては挙動しないものの、周波数に応じて変化する。問題を複雑にすることとなるが、周波数に応じたインピーダンスの変化傾向は、要素アンテナの種類によっても異なる。このことから、一般には、シングルターンシングル給電ループおよび線状(またはテーパ状)電気双極子の補助的な組み合わせでは、PxMアンテナ200に関して低損失の広帯域動作を実現させることが不可能である。
しかも、シングルターン磁気ループでは、線状電気双極子よりも放射品質係数Qが大きくなり、あるいはエンドロード状電気双極子よりも放射品質係数Qが著しく大きくなる傾向にある。もちろん、この場合の放射品質係数Qは、本質的な物理的制約よりも大きくなる。
これらのことから、シングルターンシングル給電磁気ループおよび線状(またはテーパ状)電気双極子を組み合わせる場合には、広帯域においてインピーダンスをマッチングさせることが不可能ではないにしても困難である。
次に、図1および図2を参照して、アンテナの製造方法としてPxMアンテナ200の製造方法について説明する。なお、以下では、PxMアンテナ200の主要部の製造工程のみに言及する。
PxMアンテナ200を製造する際には、まず、任意の面(任意の仮想面;第1の面)内に、その面に直交する所定の軸230が各々の中心を通るように、複数の給電点240および複数のキャパシタ280を含む磁気ループ210を第1の複数給電点ループとして配置すると共に、上記した面から平行に離間された他の面(他の仮想面;第2の面)内に、軸230が中心を通るように、複数の給電点240および複数のキャパシタ280を含む磁気ループ220を第2の複数給電点ループとして配置する。
この場合には、例えば、導電性ストリップを使用して、その導電性ストリップをリング状に成形することにより磁気ループ210,220を形成する。より具体的には、例えば、非導電性の円盤状構造を有する支持部材270に導電性ストリップを取り付けることにより、磁気ループ210,220を形成する。なお、各支持部材270は、さらに非導電性の柱状構造を有する支持部材275により支持されるようにする。
続いて、上記した2つの面に平行で、かつ2つの面の間のさらに他の面(さらに他の仮想面;第3の面)内に、軸230が中心を通るように電気双極子250を配置する。
この場合には、軸235が各々の中心を通るように一対の円錐状素子251,252を互いに背中合わせに配置することにより、電気双極子250を形成する。ここでは、例えば、固体導電性材料を使用して円錐状素子251,252を形成する。この場合には、例えば、ワイヤメッシュ導電性材料を使用して円錐状素子251,252を形成してもよいし、あるいは図1に示したように、複数の金属ワイヤおよび金属ロッドを連結することにより円錐状素子251,252を形成してもよい。
最後に、ラダー線290および同軸線260を含む伝送線網を介して磁気ループ210,220に電気双極子250を連結したのち、一対の磁気ループ210,220および電気双極子250に入力を分配する給電網600を伝送線網に連結する。より具体的には、ラダー線290を介して各給電点240を中央連結点300に連結すると共に、同軸線260を介して各中央連結点300を連結点400に連結する。この場合には、さらに、電圧バラン、電流バラン、180°ハイブリッド網および等価遅延バランを含む群から選択されるバランス網500により電気双極子250が駆動されるようにすると共に、1または2以上のキャパシタおよびインダクタの直列接続を含むハイパスマッチング素子700が各給電点240に連結されるようにする。これにより、PxMアンテナ200が完成する。
次に、PxMアンテナ200の詳細な構成および設計理論に関して説明する。以下では、(1)電気放射体(電気双極子)、(2)磁気放射体(磁気双極子)、ならびに(3)PxMアンテナ200に関する電気放射体および磁気放射体の適用、の順に説明する。
(1)電気放射体(電気双極子)
広帯域において電気放射体の性能を得るためには、いくつかのアプローチが考えられる。図1に示したPxMアンテナ200では、例えば、電気放射体としての電気双極子250として、いわゆる「金網状」構造を有するバイコニカルアンテナが使用されている。なお、電気双極子250は、例えば、トップ状(例えば、エンドロード状)電気双極子(top dipole)、フラット状電気双極子(flat dipole )またはテーパ状電気双極子であってもよい。ただし、所望のインピーダンス帯域幅を得ることを考慮すれば、電気双極子250はバイコニカルアンテナであるのが好ましい。バイコニカルアンテナの形状的特徴としては、例えば、円錐角が60°および幅が1.3mである。円錐角が60°であるのが好ましい理由は、200Ωソースに十分にマッチングされると共に、2オクターブの動作帯域幅において有用な放射パターンが得られるからである。なお、バイコニカルアンテナの円錐角および幅は、必ずしも上記した値に限らず、自由に設定可能である。
バイコニカルアンテナの構成としては、いくつかの態様が考えられる。具体的には、例えば、上記したように、互いに背中合わせになると共に軸235が中心を通るように一対の円錐状素子251,252を配置することにより、バイコニカルアンテナを構成することが可能である。
バイコニカルアンテナを構成する一対の円錐状素子251,252は、例えば、固体導電性材料により構成される。より具体的には、例えば、中空を含み、または中空を含まない金属(例えば、銅またはアルミニウムなど)の固体片をカットしたり、あるいは他の手順を経ることにより円錐状素子251,252を構成することが可能である。なお、平坦な材料を折り曲げて3次元的な円錐状構造を成形することによっても、円錐状素子251,252を構成することが可能である。図1に示したPxMアンテナ200では、例えば、複数の金属ワイヤおよび複数の金属ロッドを組み合わせて円錐状とすることにより、円錐状素子251,252を構成している。すなわち、ここでは円錐状素子251,252が、上記したように金網状構造を有している。この円錐状素子251,252が金網状構造を有する場合には、PxMアンテナ200に関して製造プロセスが簡略化されると共に強度(物理的耐久性)が確保される。
電気双極子250がバイコニカルアンテナであるにもかかわらず、PxMアンテナ200の寸法は、動作周波数範囲に基づいて決定される。例えば、バイコニカルアンテナの円錐角が60°および長さが1.3mの場合には、PxMアンテナ200に関して4:1帯域幅(例えば、2オクターブ)が得られると共に免疫テストなどのEMCテストに適用可能となる。しかしながら、バイコニカルアンテナの円錐角および長さは、上記した値に限定されない。PxMアンテナ200が携帯型の機器(例えば、ノート型パソコン、携帯電話またはPDA(personal digital assistants )など)に搭載される場合には、極めて小型のバイコニカルアンテナが使用される。この場合には、バイコニカルアンテナの長さが上記した値の1/10〜1/100までスケールダウンされる。このバイコニカルアンテナの長さ(電気的長さ)は、一般に、上記したように、動作周波数の範囲において、その動作周波数の1/3波長〜4/3波長(中心波長=2/3波長)に相当する長さである。特に、バイコニカルアンテナの長さは、同等の動作周波数範囲(例えば、2オクターブ)を維持しながら、十分な中心周波数が得られるように設定される。
このバイコニカルアンテナは、例えば、2:1電圧比(2:1 voltage ratio )のバランス網500により駆動される。すなわち、バランス網500は、例えば、50Ω同軸入力ポートおよび200Ωバランスポートを有する電圧バラン(図1では図示せず)を含んでいる。なお、電圧バラン以外の他のバランを使用することも可能である。具体的には、例えば、対称性が得られる限り、電流バランまたはハイブリッドバランなども使用することが可能である。実際には、上記した3つの種類のバランを使用可能とするために、一般に、等価遅延トポロジー(equal-delay topology)またはグアネラトポロジー(Guanella topology )が適用される。なお、格子トランス(lattice transformer )、二重yトランス(double-y transformer)、ファラデートランス(faraday transformer )、あるいはシフマン型90°位相器(Schiffmann type 90-degree phase shifter )を伴う90°連結線ハイブリッド(90-degree coupled line hybrid )により実現された180°ハイブリッド(180-degree hybrid ;これは商業的なUHF/マイクロ波設計である)などの他のトポロジーを使用することも可能である。
バイコニカルアンテナを使用する理由は、そのバイコニカルアンテナの特性が広く研究されてきたことにある。バイコニカルアンテナは、動作帯域幅の2オクターブにおいてPxMアンテナ200が十分にマッチングされると共に適正な放射パターンが得られるように設計される。この動作帯域幅の下限は、インピーダンスのミスマッチングにより決定され、一方、動作帯域幅の上限は、放射パターンの減衰により決定される。このバイコニカルアンテナに関しては、5kW連続利用出力(5kW continuous available power)の高出力設計が既に商業的に使用されている。図1に示したPxMアンテナ200に適用されるバイコニカルアンテナの問題は、バランのサイズが大きいことである。このバランのサイズは、高出力になるほど大きくなる。電気放射体が磁気放射体に意図せずに連結されることを防止すると共に、その電気放射体の電界が阻害されることを抑制するためには、バイコニカルアンテナの中心にバランを配置させず、そのバイコニカルアンテナとバランとの間に200Ωバランス線(200 Ohm balanced line )を挿入すればよい。
単独のバイコニカルアンテナの実効性能を知るために、TM01モードにおいて放射される総出力の割合が注目される。しかしながら、以下で詳細に説明するように、バイコニカルアンテナが磁気ループと組み合わされて使用される場合には、そのバイコニカルアンテナの挙動に関して何かしらの変化が得られることが期待される。
PxMアンテナから放射された電磁界の球面波機能拡張(spherical wave function expansion )においてTM01モードの係数を決定することにより、そのTM01モードにおいて放射される出力を決定することが可能である。これにより、TM01モードにおいて得られる総放射出力の割合が決定される。モーメント法に基づく数値分析から、バイコニカルアンテナの長さが1/3波長の長さであるインピーダンス帯域幅の下限において、そのバイコニカルアンテナが本質的に純粋なTM01モードを生じさせることが導かれる。この周波数を越えたオクターブでは(ここではバイコニカルアンテナの長さが2/3波長に相当する長さである)、TM01モードにおいて放射された出力の割合が91%程度まで落ち込む。また、周波数範囲の上限では(ここではバイコニカルアンテナの長さが4/3波長に相当する長さである)、TM01モードにおいて放射された出力の割合が70%程度まで落ち込む。図1に示した特定の幾何学的形状では、TM03モードとして330MHzにおいてH面中の見かけゼロ(quasi-null)を発展させた放射パターンが重要である。すなわち、もはや電気放射体が存在しているとは言えないため、その電気放射体が大部分においてTM01モードを生じさせずにTM03モードを生じさせる場合にPxMアンテナ200が動作しなくなる。
(2)磁気放射体(磁気双極子)
一般に、PxMアンテナ200のうちの磁気放射体は、電気放射体よりも広い帯域幅において動作することが可能である。理論的には、図1に示したテーパ状の電気双極子250(例えば、バイコニカルアンテナ)が厳密に磁気双極子を補助し得ることが重要である。場合によっては、図1に示した一対の磁気ループ210,220がテーパ状の電気双極子250に対する補助放射体として使用されてもよい。磁気ループ210,220は、例えば、導電性材料(例えば、銅またはアルミニウムなどの金属または導電性樹脂)により構成される。より具体的には、磁気ループ210,220は、例えば、導電性シートを所定の幅にカットしたのちにリング状に折り曲げることにより構成可能である。なお、磁気ループ210,220は、例えば、非導電性構造(例えば、樹脂リング)に1または2以上の導電性材料を取り付けることによっても構成可能である。
一対の磁気ループ210,220は、如何なる構成を有しているかにかかわらず、PxMアンテナ200に搭載された電気双極子250をマッチングさせると共に、さらに抵抗ソースインピーダンス(resistive source impedance)をマッチングさせるように構成されなければならない。この磁気ループ210,220は、軸230が各々の中心を通るように配置されると共に0.75mだけ間隔を隔てたシングルターンループ(single-turn loop;例えば、直径=1m、あるいは直径=動作周波数範囲において、その動作周波数の1/4波長〜1波長に相当する直径)であってもよい。なお、間隔は上記した値に限られないが、その値であれば軸230の延在方向において磁気放射体のサイズが大きくなることにより放射品質係数Qが小さくなるため、その間隔は上記した値であるのが好ましい。磁気放射体のサイズが大きくなった場合には、例えば、図2に示したように、非導電性の支持部材270により磁気ループ210,220が支持される。ただし、磁気ループ210,220のサイズが十分に小さい場合(例えば、直径が1/10〜1/10である場合)には、支持部材270は必ずしも必要でない。
広い周波数範囲において抵抗ソースインピーダンスをマッチングさせるように磁気ループ210,220が十分に大きく構成される場合には、もはや磁気双極子の放射パターンが得られない。すなわち、電気双極子または磁気双極子のいずれか一方の要素アンテナの放射パターンが理想的な放射パターンから外れる場合には、PxMアンテナ200の放射パターンも同様に理想的な放射パターンから外れてしまう。したがって、要素アンテナが可能な限り電気双極子または磁気双極子として挙動することが望まれる。
磁気ループ210,220の放射パターンが理想的な放射パターンから外れる理由の1つは、その磁気ループ210,220における電流遅延である。この問題を克服するためのアプローチとしては、磁気ループ210,220に集中容量性負荷(lumped capacitive load)を設けると共に、複数箇所において磁気ループ210,220に給電することが考えられる。このアプローチを反映して、図2に示したように、磁気ループ210,220は、軸230を基準として対称に配置された複数の給電点240および複数のキャパシタ280を含んでいる。ただし、キャパシタ280は、給電点240と同じ位置には配置されない。図2に示した場合には、例えば、各給電点240の中央位置に正確にキャパシタ280が配置されている。なお、給電点240およびキャパシタ280の設置数および設置場所は、自由に設定可能である。
この種の磁気ループ210,220は、複数の給電点240を含んでいることに伴い、上記したように「複数給電点」ループと呼ばれる。特に、給電点240およびキャパシタ280の数は、所望の動作周波数範囲およびマッチングレベルに応じて自由に設定可能であり、より具体的には、上記したように2〜16の範囲を含む群から選択される数である。図2では、例えば、400Ω伝送線に対して4つの給電点240を設けた場合にインピーダンスが十分にマッチングされるため、給電点240の数およびキャパシタ280の数がいずれも4つである場合を示している。
各磁気ループ210,220に設けられた各給電点240は、例えば、図2に示したように、「ラダー線290」と呼ばれる複数(ここでは、例えば4本)の伝送線を介して中央連結点300に連結されており、すなわち各給電点240における高駆動点インピーダンス(driving point impedance )に起因して分流接続されている。このラダー線290は、例えば、400Ωの2ワイヤ伝送線を含んで構成されている。この2ワイヤ伝送線は、例えば、1.905cm(=0.75インチ)だけ間隔を隔てて2本の18AWG(american wire gauge )固体導線が並列された構成を有している。各ラダー線290は、互いに同様の構成(例えば、材質、電気的特性および長さなど)を有している。この種のラダー線290の特性インピーダンスは450Ωであると言われているが、実際には400Ωに近いと考えられる。すなわち、各給電点240は、4本の400Ωバランス伝送線(ラダー線290)を介して中央連結点300に連結されている。
各中央連結点300は、図2に示したように、「同軸線260」と呼ばれる複数(ここでは、例えば2本)の100Ω同軸伝送線に連結されている。なお、必要に応じて、コモンモード電流(common mode current )に抵抗するために、中央連結点300の外側にフェライトチョークスリーブ(ferrite choke sleeve)が設けられてもよい。
磁気ループ210,220は、電気双極子250に連結される。ここでは、例えば、2本の同軸線260がさらに連結点400(他の共通連結点;例えば、非マッチングT連結点(unmatched T-junction))に連結されることにより、電気双極子250の中央において50Ω入力/出力ポート伝送線(50-Ohm input/output port transmission line)に連結されている。各入力ポートにおける入力インピーダンスが等しいため、分流連結を実現可能である。この点に関しては、磁気ループ210,220および電気双極子250を組み合わせる上でさらに検討されるべきである。
電気放射体に関して説明した場合と同様に、単独の磁気ループ210,220の実効性能を知るために、TE11モードにおいて放射される総出力の割合が注目される。しかしながら、以下で詳細に説明するように、やはり磁気ループ210,220が電気双極子250と組み合わされて使用される場合には、その磁気ループ210,220の挙動に関して何かしらの変化が得られることが期待される。単独の磁気ループ210,220では、100MHz(ここでは磁気ループ210,220の直径が1/3波長に相当する直径である)において極めて純粋なTE11モードが生じる一方で、そのTE11モードにおいて放射される出力の割合は240MHz(ここでは磁気ループ210,220の直径が4/5波長に相当する直径である)において85%程度まで単調に落ち込む。これにより、バイコニカルアンテナが純粋なTM01モードの放射状態にある場合に、磁気ループ210,220が純粋なTE11モードを生じさせる状態にあるわけではない。また、磁気ループ210,220では、バイコニカルアンテナと同様にRFソースに十分にマッチングされているわけではない。しかしながら、この場合においても広い帯域幅(例えば、1オクターブ以上)は得られる。
なお、磁気ループ210,220の性能を十分に低い周波数まで拡張させるために、ハイパスマッチング素子700(例えば、キャパシタおよび分流インダクタ(shunt inductance)のハイパスラダー網(high-pass ladder network))が使用されてもよい(例えば、適正にマッチングされた磁気ループ210,220のうちの2オクターブの帯域幅を得ることが可能である)。しかしながら、磁気ループ210,220のインピーダンスレベルが高いため、インピーダンスマッチングが困難となることが注意される。これにより、給電点240の近傍にピコファラド(pF)オーダーの寄生分流キャパシタンス(parasitic shunt capacitance )を設けることが重要となる。特に、インピーダンスマッチングを促進させるためには、磁気ループ210,220に設けたキャパシタ280のキャパシタンスを小さな値(例えば、5pF)に設定することが必要である。なお、マッチング調整を容易にするために、「ワイヤギミック(wire gimmick)」と呼ばれるキャパシタが使用されてもよい。
(3)PxMアンテナ200に関する電気放射体および磁気放射体の適用
ここでは、PxMアンテナ200に適用される電気放射体および磁気放射体の組み合わせに関して説明する。このPxMアンテナ200を設計する場合には、いくつかの重要な特徴に注目する必要がある。具体的には、第1に、PxMアンテナ200では、電気的に小型な磁気ループ210,220(例えば、半径=λ/2π)において理想的な放射品質係数Qが得られないため、電気放射体および磁気放射体の電気的サイズを適正なサイズ(例えば、1/4波長〜1/3波長から4/3波長〜1波長に至る直径)に設定する必要がある。適正な電気的サイズを有する複数給電ループは、米国特許第6515632号明細書に開示されたものに類似している。電気放射体および磁気放射体の電気的サイズを適正化することにより、インピーダンスマッチングが促進される一方で、低位の放射パターン(low-order element radiation pattern )を得ることが困難になる。また、第2に、以下で詳細に説明するように、PxMアンテナ200では、電気放射体および磁気放射体を単一の放射素子に組み込む(単一の放射素子を構成するために、電気放射体および磁気放射体を直接的に接続する)場合とは異なり、それらの電気放射体および磁気放射体がハイブリッド連結網(hybrid combining network)を使用して連結される。これにより、PxMアンテナ200の構成が簡略化される。
図3に示したように、PxMアンテナ200では、心臓型放射パターン100が得られる。広い周波数範囲において心臓型放射パターン100を得るためには、上記したように、電気双極子モーメントおよび磁気双極子モーメントが広い動作周波数範囲において等しい強度を有すると共に位相が90°ずれた状態において互いに空間方位的に直交していなければならない。電気放射体および磁気放射体がそれぞれ理想的な電気双極子および磁気双極子として挙動する場合、それらの電気放射体および磁気放射体の放射強度および位相は、遠距離場まで所望の性能を及ぼすように適正化される。すなわち、単独の電気放射体および磁気放射体は個別の位相中心を有するため、特定の周波数における放射パターンの位相は方向によらず一定となる。
しかしながら、電気放射体および磁気放射体の組み合わせの放射パターンは、遠距離場においても位相が組み合わされている場合に限り、一定の位相パターンを示す。このことから、PxMアンテナ200において電気放射体および磁気放射体は、それぞれの位相中心が「共配置(collocated)」されるように組み合わされなければならない。このため、図1に示したように、一対の磁気ループ210,220および電気双極子250は、いずれも軸230が中心を通るように配置されている。すなわち、一対の磁気ループ210,220および電気双極子250の中心は、軸230に沿って共配置されている。
上記した共配置の必要性に基づき、電気放射体および磁気放射体を組み合わせてPxMアンテナ200に適用することは容易でない。電気放射体および磁気放射体が意図せずに連結されることを防止すると共にPxMアンテナ200の動作性能を確保するためには、磁気ループ210,220において、軸235を基準として対象となるように複数の給電点240を配置させなければならない。すなわち、一対の磁気ループ210,220の配置軸(軸230)と電気双極子250の配置軸(軸235)とは互いに直交しているが、それらの軸230,235は、磁気ループ210,220および電気双極子250のそれぞれの中心において交差している。各給電点240は、軸235を基準として対称となるように各磁気ループ210,220上に配置される。
上記したように複数の給電点240を対称に配置することにより、磁気ループ210,220および電気双極子250のうちのいずれかの入力/出力ポートにおいて励磁(excitation)されたとしても、その励磁が他のポートにおいて如何なる応答も生じさせない。すなわち、PxMアンテナ200における2ポート網マトリクス(two-port network matrix representation)における非対角項(off-diagonal term )はゼロである。しかしながら、いずれかのポートにおいて入力インピーダンスが検出されるように、そのポートにおいて未だリアクタンスが生じる。いずれかの入力/出力ポートにおける入力インピーダンスが、他のポートにおける成端(termination )とは無関係であると共に同様に他のポートにおける励磁とも無関係であることが注目される。これにより、他の系において規定されるように、「アクティブ」な入力インピーダンスを規定する根拠がない。しかしながら、この無関係は系の対称性に依存しているため、場合によっては伝送線の長さだけでなく支持部材の機械的寸法までも厳密に設定されることを要する。
PxMアンテナ200において、放射品質係数Qを減少させると共に有用な帯域幅を拡張させるためには、図1に示したように、一対の磁気ループ210,220が「重ね合わせ(stacked )」られる。ここでは、例えば、上記したように、0.75mの間隔を隔てて離間された2つの平行面内に一対の磁気ループ210,220が配置されている。これにより、磁気ループ210,220間に十分な距離が確保されるため、それらの磁気ループ210,220が軸230の方向に放射可能となる。なお、上記した間隔は、磁気ループ210,220の直径に応じて適正に設定可能である。一対の磁気ループ210,220を重ね合わせることにより、軸230の方向における磁気ループ210,220の寸法が増加するため、磁気双極子モーメントが増加する。これにより、放射品質係数Qが減少すると共に、有用な帯域幅が拡張する。
PxMアンテナ200において所望の放射パターンを得るためには、動作周波数において2つの球形モード(two component spherical mode)の放射強度および位相が維持される必要がある。このため、PxMアンテナ200では、電気放射体および磁気放射体を組み合わせるために網が構築されている。ここでは、上記したように、電気放射体および磁気放射体を単一の放射素子に組み込む(単一の放射素子を構成するために、電気放射体および磁気放射体を直接的に接続する)代わりに、電気放射体および磁気放射体が伝送線網を介して連結されており、すなわち電気放射体と磁気放射体との間において伝送機能が確立されている。
例えば、電気放射体のTM01モードにおける伝送機能は、その電気放射体の入力ポートにおける入力電圧(incident voltage)とTM01モードにおいて放射された最大電界との間の比として規定される。この種の伝送体系が好ましい理由は、電気放射体および磁気放射体を駆動させるためにハイブリッド網が使用される場合に、入力電圧を特定することが極めて容易になるからである。一方、ポート電圧(port voltage)またはポート電流(port current)を特定することは、伝送線の長さを厳密に設定する必要があると共に電気放射体とRFソースとの間のインピーダンスミスマッチングを無視できない場合に困難になる。なお、磁気放射体の伝送機能は、TE01モードが90°回転されている点を除き、電気放射体と同様に規定される。このことは、TE11モードを規定することと同様である。電気放射体および磁気放射体の伝送機能からは、位相等価器(phase equalizer )を使用するために必要な情報が得られる。この位相等価器は、双極子モーメントを位相に対して適正化するために必要な伝送機能を担う全パス網(all-pass network)である。
本実施の形態に係るPxMアンテナ200およびその製造方法では、互いに平行に重ね合わされると共に複数の給電点240を含む一対の磁気ループ210,220と、それらの磁気ループ210,220間に平行に配置された電気双極子250とを備え、一対の磁気ループ210,220および電気双極子250が伝導線網(例えば、ラダー線290および同軸線260)を介して互いに連結されており、特に、一対の磁気ループ210,220および電気双極子250がいずれも軸230が中心を通るように配置されているので、それらの磁気ループ210,220および電気双極子250の位相中心が軸230に沿って共配置される。この場合には、各磁気ループ210,220に複数の給電点240が設けられているため、その給電点240の数に応じてPxMアンテナ200の動作帯域幅が設定される。しかも、複数の給電点240を含む一対の磁気ループ210,220が互いに重ね合わされているため、上記したように、放射品質係数Qが小さくなると共に、PxMアンテナ200の動作帯域幅が拡張する。したがって、電気放射体(電気双極子250)および磁気放射体(一対の磁気ループ210,220)を備え、低損失の広帯域動作を実現することができる。
次に、本発明に関する実施例について説明する。
まず、本発明のPxMアンテナを構成する電気放射体(電気双極子)および磁気放射体(磁気ループ)の伝送特性をシミュレーションして調べたところ、図4に示した結果が得られた。図4は、電気双極子および磁気ループの伝送特性を表しており、横軸は周波数(MHz)を示し、縦軸はそれぞれ右側:位相(°)および左側:放射強度(1/m)を示している。なお、本発明のPxMアンテナを構成する電気双極子および磁気ループの伝送特性を調べる際には、その伝送特性を比較評価するために、比較例として単独の電気双極子および磁気ループの伝送特性も併せて調べることにより、図4に併せて示した。図4に示した「○,△,□,◇」は本発明に関する伝送特性を表しており、「○」は磁気ループの放射強度、「△」は磁気ループの位相、「□」は電気双極子の放射強度、「◇」は電気双極子の位相をそれぞれ示している。また、「●,▲,■,◆」は比較例に関する伝送特性を表しており、「●」は磁気ループの放射強度、「▲」は磁気ループの位相、「■」は電気双極子の放射強度、「◆」は電気双極子の位相をそれぞれ示している。
図4に示した結果から判るように、本発明のPxMアンテナでは、90°ハイブリッド網により理想に近い位相補償(phase compensation;例えば、動作周波数範囲の全域に渡る十分な同位相)が得られることが確認された。すなわち、本発明では、電気双極子および磁気ループにおいて位相中心が共配置されていることにより、それらの電気双極子および磁気ループから生じた電界および磁界の位相が90°ずれている(例えば、磁気ループの位相(△)および電気双極子の位相(◇)が周波数=240MHzにおいて90°ずれている)。本発明では、上記したように、電気双極子および磁気ループの間において入力を分配するために、2つの出力ポート(いずれも50Ωのインピーダンス)を有する4ポートハイブリッド給電網が使用されている。これにより、適正な位相補償が確保された状態において電気双極子および磁気ループが駆動する。この種のハイブリッド網では、ハイブリッド網出力ポートが互いに独立していると共に、位相が90°ずれているため、「90°ハイブリッド」と呼ばれる。なお、電気双極子および磁気ループの放射パターンを理想的な状態にするために、僅かに時間遅延(time delay)が施される場合もある。この場合には、例えば、線形位相シフト(linear phase shift)を生じさせるために、簡単な伝送遅延線(transmissoin delay line )が設けられる。
続いて、本発明のPxMアンテナの放射特性をシミュレーションして調べたところ、図5および図6に示した結果が得られた。図5および図6は、PxMアンテナの放射特性を表しており、図5はE面放射パターンに関する放射特性を示し、図6はH面放射パターンに関する放射特性を示している。図5および図6では、横軸はθ(角度;°)を示し、縦軸はゲイン(dBi)を示している。図5および図6に示した一連の記号は放射特性を調べた際の周波数(MHz)を示しており、それぞれ「○」=80MHz,「△」=100MHz,「□」=120MHz,「◇」=140MHz,「●」=160MHz,「▲」=180MHz,「■」=200MHz,「◆」=220MHzである。図5および図6に示したゲインは、90°位相シフトおよびミスマッチング損失を含むPxMアンテナの実質的なゲイン(すなわち伝送能力)を表している。なお、PxMアンテナの放射特性に寄与するθ(およびΦ)は、既知の右手球面座標システム(right-handed spherical coordenate system)において測定された。
図5および図6に示した結果から判るように、本発明のPxMアンテナでは、E面放射パターン(図5参照)およびH面放射パターン(図6参照)のいずれにおいても、良好な伝送能力が確認された。
PxMアンテナの放射パターンの特徴の1つは、超広帯域(UWB;ultra-wide band )パルス伝送に適用可能な可能性を有することである。初期の電気放射体および磁気放射体では、上記したように、単独で位相中心が規定され、すなわち任意の周波数において放射パターンの位相が方向によらずに一定である。しかしながら、電気放射体および磁気放射体の組み合わせの放射パターンでは、遠距離場において位相が組み合わされている場合に限り、一定の位相パターンが得られる。例えば、互いに直交した電気放射体および磁気放射体の組み合わせ(一般に、「ターンスタイルアンテナ(turnstile antenna )」と呼ばれる)によりほとんど球面の出力パターン(spherical power pattern )が得られることが知られている。しかしながら、電気放射体の放射パターンと磁気放射体の放射パターンとが遠距離場において空間方位的に組み合わされるため、全体の放射パターンでは位相が方向により変化する。時間領域(time domain )では、一方の軸の方向において伝送された信号と他方の軸の方向において伝送された信号との間において完全に反相関する。このことは、位相が90°ずれた周波数領域相関(phase quadrature frequency domain relationship)のヒルベルト変換効果(Hilbert transforming effect )に基づいている。一方、PxMアンテナの放射パターンでは、一定の位相パターンが得られるため、総エネルギーゲインパターン(total energy gain pattern )に一致した相関エネルギーゲインパターン(correlated energy gain pattern)が得られる。これにより、真のPxMアンテナによる時間領域パルスの歪み(または欠乏)は、そのPxMアンテナが動作可能な周波数範囲において、パルススペクトルが得られる角度とは無関係である。なお、PxMアンテナにおいて、時間領域パルスが全ての方向において歪むならば、そのPxMアンテナの入力/出力ポートに接続されたシングル固定等価器(single fixed equalizer)を使用して適正化される。
本発明では、PxMアンテナに関して低損失の広帯域動作を実現させることが説明された。このPxMアンテナでは、2オクターブの動作帯域幅が得られる。PxMアンテナに特有の利点は、上記したように、電気放射体および磁気放射体において位相中心が共配置されることである。この位相中心が共配置されなければ、PxMアンテナでは所望の放射パターンが得られない。この位相中心を共配置することは、PxMアンテナのサイズが電気的に小さい場合に困難になる。しかしながら、PxMアンテナのサイズが適度な電気的サイズ(広帯域動作を実現可能なサイズ)であれば、電気放射体および磁気放射体において位相中心を共配置することにより、極めて大きな性能向上が見込まれる。特に、一対の磁気ループを重ね合わせることにより、上記したように、放射品質係数Qが小さくなると共に動作帯域幅が拡張する。図4〜図6に示したシミュレーション結果から得られた事実は、まさに、磁気ループに複数の給電点を設けることにより動作帯域幅が拡張すると共に、その複数の給電点を対称配置することにより電気放射体および磁気放射体のサイズが最小化されることを表している。
このPxMアンテナを設計する際に、さらに広帯域で動作可能な磁気放射体を実現することが必要であるならば、複数の給電点を含むように磁気放射体を構成することにより、その複数の給電点を利用した給電システムを構築することが可能である。このシステムでは、動作周波数の上限が大きくなるだけでなく、相互連結伝送線(interconnecting transmission line )の特性インピーダンスが減少する。すなわち、給電点の数を増加させることにより、平坦な構造中においてループを使用することが容易になる。ループに設ける給電点の数は、そのループの中心における分流連結状況の複雑さに応じて制限される。なお、磁気ループのインピーダンス帯域幅を制御するためには、上記したように、ハイパスマッチング素子(例えば、キャパシタンスおよび分流インダクタンスのハイパスラダー網)を使用することが可能である。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例において説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、本発明に係るアンテナおよびその製造方法、ならびに広帯域アンテナは、互いに平行に重ね合わされると共に複数の給電点を含む一対の磁気ループと、それらの磁気ループ間に平行に配置された電気双極子とを備え、それらの磁気ループおよび電気双極子が伝導線網を介して互いに連結されており、特に、一対の磁気ループおよび電気双極子がいずれも所定の軸が中心を通るように配置されることにより、低損失の広帯域動作を実現することが可能な限り、自由に変更可能である。
本発明に係るアンテナおよびその製造方法、ならびに広帯域アンテナは、例えば、高出力用途のアンテナに適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係るPxMアンテナの全体の側面構成を表す側面図である。 図1に示したPxMアンテナの主要部(一対の磁気ループ)の上面構成を拡大して表す上面図である。 本発明の一実施の形態に係るPxMアンテナの放射パターン(心臓型放射パターン)を表す図である。 電気双極子および磁気ループの伝送特性を表す図である。 本発明のPxMアンテナのE面放射パターンに関する放射特性を表す図である。 本発明のPxMアンテナのH面放射パターンに関する放射特性を表す図である。
符号の説明
100…心臓型放射パターン、200…PxMアンテナ、210,220…磁気ループ、230,235…軸、240…給電点、250…電気双極子、251,252…円錐状素子、260…同軸線、270,275…支持部材、280…キャパシタ、300…中央連結点、400…連結点、500…バランス網、600…給電網、700…ハイパスマッチング素子。

Claims (27)

  1. 互いに離間された2つの平行面内に配置されると共に所定の軸が各々の中心を通るように配置された一対の磁気ループと、前記2つの平行面の間の他の平行面内に配置されると共に前記軸が中心を通るように配置された電気双極子とを備え、
    各磁気ループが、前記軸を基準として対称に配置された複数の給電点を含んでいる
    ことを特徴とするアンテナ。
  2. 前記電気双極子が、線状電気双極子、エンドロード状電気双極子およびテーパ状電気双極子を含む群から選択されるアンテナである
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  3. 前記電気双極子が、バイコニカルアンテナである
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  4. 前記バイコニカルアンテナの円錐角が、60°である
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  5. 前記バイコニカルアンテナの長さが、動作周波数の範囲において、その動作周波数の1/3波長以上4/3波長以下の範囲内に相当する長さである
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  6. 各磁気ループの直径が、動作周波数の範囲において、その動作周波数の1/4波長以上1波長以下の範囲内に相当する直径である
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  7. 前記給電点の数が、2以上16以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  8. 前記給電点の数が、4つである
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  9. 各磁気ループが、さらに、前記磁気ループに個別に連結されると共に前記軸を基準として対称に配置された複数のキャパシタを含んでいる
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  10. 前記キャパシタの数が、2以上16以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項記載のアンテナ。
  11. 前記キャパシタの数が、4つであり、
    そのキャパシタが、前記給電点とは異なる位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項10記載のアンテナ。
  12. 電気双極子放射体および磁気双極子放射体の双方を備えた広帯域アンテナであって、
    複数の給電点を含む一対の磁気ループ素子と、
    前記一対の磁気ループ素子の間に配置された電気双極子素子と、を備え、
    前記一対の磁気ループ素子および前記電気双極子素子が、伝送線網を介して互いに連結されており、
    前記一対の磁気ループ素子は、互いに離間された2つの平行面内に配置され、前記電気双極子素子は、前記2つの平行面の間の他の平行面内に配置され、
    前記一対の磁気ループ素子および前記電気双極子素子は、前記2つの平行面および前記他の平行面の双方に直交する所定の軸が各々の中心を通るように配置されている
    ことを特徴とする広帯域アンテナ。
  13. 各磁気ループ素子のうちの各給電点が、互いに等しい長さを有する伝送線を介して、前記磁気ループ素子の中心に配置された共通連結点に連結されている
    ことを特徴とする請求項12記載の広帯域アンテナ。
  14. 各共通連結点が、互いに等しい長さを有する他の伝送線を介して、前記一対の磁気ループ素子の間に配置された他の共通連結点に連結されている
    ことを特徴とする請求項13記載の広帯域アンテナ。
  15. さらに、前記伝送線網に連結されると共に前記一対の磁気ループ素子と前記電気双極子素子との間において入力を分配する給電網を備えた
    ことを特徴とする請求項14記載の広帯域アンテナ。
  16. 前記給電網が、90°ハイブリッド網を含んでいる
    ことを特徴とする請求項15記載の広帯域アンテナ。
  17. 前記電気双極子素子が、電圧バラン、電流バラン、180°ハイブリッド網および等価遅延バランを含む群から選択されるバランス網により駆動される
    ことを特徴とする請求項15記載の広帯域アンテナ。
  18. さらに、各給電点に連結されると共に1または2以上のキャパシタおよびインダクタの直列接続を含むハイパスマッチング素子を備えた
    ことを特徴とする請求項15記載の広帯域アンテナ。
  19. 第1の面内に、その第1の面に直交する所定の軸が中心を通るように第1の複数給電点ループを配置する工程と、
    前記第1の面から平行に離間された第2の面内に、前記軸が中心を通るように第2の複数給電点ループを配置する工程と、
    前記第1の面および前記第2の面の双方に平行な、それらの前記第1の面と前記第2の面との間の第3の面内に、前記軸が中心を通るように電気双極子を配置する工程と、を含む
    ことを特徴とするアンテナの製造方法。
  20. 導電性ストリップを使用して、前記第1の複数給電点ループおよび前記第2の複数給電点ループを形成する
    ことを特徴とする請求項19記載のアンテナの製造方法。
  21. 非導電性円形支持構造に1または2以上の導電性ストリップを取り付けることにより、前記第1の複数給電点ループおよび前記第2の複数給電点ループを形成する
    ことを特徴とする請求項19記載のアンテナの製造方法。
  22. 前記軸に直交する他の軸が中心を通るように一対の円錐状素子を互いに背中合わせに配置することにより、前記電気双極子を形成する
    ことを特徴とする請求項19記載のアンテナの製造方法。
  23. 固体導電性材料を使用して、前記円錐状素子を形成する
    ことを特徴とする請求項22記載のアンテナの製造方法。
  24. ワイヤメッシュ導電性材料を使用して、前記円錐状素子を形成する
    ことを特徴とする請求項22記載のアンテナの製造方法。
  25. 複数の金属ワイヤおよび金属ロッドを連結することにより、前記円錐状素子を形成する
    ことを特徴とする請求項22記載のアンテナの製造方法。
  26. さらに、伝送線網を介して前記第1の複数給電点ループおよび前記第2の給電点ループに前記電気双極子を連結する工程を含む
    ことを特徴とする請求項19記載のアンテナの製造方法。
  27. さらに、前記第1の複数給電点ループ、前記第2の複数給電点ループおよび前記電気双極子に入力を分配する入力給電網を前記伝送線網に連結する工程を含む
    ことを特徴とする請求項26記載のアンテナの製造方法。
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