JP4533621B2 - 残留応力測定方法及び装置 - Google Patents

残留応力測定方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4533621B2
JP4533621B2 JP2003424213A JP2003424213A JP4533621B2 JP 4533621 B2 JP4533621 B2 JP 4533621B2 JP 2003424213 A JP2003424213 A JP 2003424213A JP 2003424213 A JP2003424213 A JP 2003424213A JP 4533621 B2 JP4533621 B2 JP 4533621B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strain
piece
residual stress
elastic
inherent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003424213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005181172A (ja
Inventor
直輝 小川
洋一 岩本
高裕 太田
啓治 中長
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2003424213A priority Critical patent/JP4533621B2/ja
Publication of JP2005181172A publication Critical patent/JP2005181172A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4533621B2 publication Critical patent/JP4533621B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Description

本発明は構造物、特に溶接構造物に生じた残留応力を測定する方法及び装置に関する。
構造物に生じた残留応力は構造物の寿命に大きく影響する。溶接構造物の場合はそれが溶接部に発生する割れにつながりやすい。従って、残留応力を知ることは設計の良否を検証するうえで重要な意味を持つ。
しかしながら、実際の構造物で残留応力を測定することはきわめて困難である。そのため、仮想データから計算によって残留応力を予測したり、試験片による残留応力測定結果から実際の構造物における残留応力を予測するといった方法が採用される。前者の例を特許文献1に、また後者の例を特許文献2に見ることができる。
特開2003−121273号公報(第3頁、図3) 特開平5−223661号公報(第5−6頁、図1)
試験片など、現実の被測定物から残留応力を測定するに際し、一般的には次の2種類の方法のいずれかが用いられる。その1は弛緩法、その2は非破壊法である。弛緩法は、被測定物を切断又は切削したときに生じる解放ひずみをもとに、切断や切削を行う前の初期状態の残留応力を推測するものであって、いわゆる逆解析手法に位置づけられる。この逆解析手法に有限要素法(finite element method:FEM)を取り入れたのが固有ひずみ法である。固有ひずみ法によれば、残留応力の最確値だけでなく、最確値の精度も算出することができる。
固有ひずみ法の原理は、上田、福田、中長、円道「残留応力の有限要素法に基づく測定原理と推定値の信頼性」(日本造船学会論文集第138号(1975)P.499−507)、上田、福田、谷川「固有ひずみ論に基づく3次元残留応力測定法」(日本造船学会論文集第145号(1979)P.203−211)、上田、福田、福田「長い溶接継手の3次元残留応力測定理論」(溶接学会誌第49巻(1980)第12号P.845−853)などに示されている。
固有ひずみ法による残留応力測定法を図1〜3に基づき説明する。図1は厚板平板突合せ継手の試験片の斜視図、図2は図1の試験片からT片とL片を切り出す状況を示す斜視図、図3はT片とL片からさらに小片を切り出す状況を示す斜視図である。
図1には、いずれも厚板である第1の平板11と第2の平板12を突合せ溶接した厚板平板突合せ継手の試験片10が示されている。第1の平板11と第2の平板12の間を溶接線13が走る。力学的考察を行うため、空間内に3軸の方向を設定する。方向1は溶接線13の方向であり、方向2は板厚の方向であり、方向3は方向1及び方向2に垂直な方向である。
(ステップa)
試験片10の表裏の計測位置に第1群のひずみゲージ21を貼り付ける(図2参照)。ひずみゲージ21は2軸であり、図2では点により表現されている。ここでひずみの初期値を計測する。
(ステップb)
次に、試験片10から短冊状の薄い切断片を切り出す。切断片には2種類ある。1種類は方向1に垂直な方向に延びるT片31であり、他の1種類は方向1に平行に延びるL片32である。T片31の切断面では方向2と方向3が面内方向となり、L片32の切断面では方向1と方向2が面内方向となる。
ひずみゲージ21を含むようにT片31とL片32を切り出し、試験片10の表裏の解放ひずみを計測する。
(ステップc)
続いて、T片31とL片の断面の計測位置に第2群のひずみゲージ22を貼り付ける(図3参照)。計測位置は格子状に設定され、ひずみゲージ22は各計測位置に対応するように格子状に配置される。ひずみゲージ22は2軸であり、図3ではL字形の図形により表現されている。ここでひずみの初期値を計測する。
(ステップd)
その後、T片31とL片32からダイス状の小片31a、32aを切り出す。各小片31a、32aに1個ずつのひずみゲージ22が含まれるようにする。そして各小片31a、32aについての解放ひずみを計測する。
(ステップe)
計測された解放ひずみから、有限要素法に基づくデータ処理ソフトウェアを使用して、各計測位置の固有ひずみを求める。
固有ひずみの求め方は次のようになる。自己平衡している物体各点の弾性ひずみεijは一般に下記の式7のような関数で与えられる。
εij(χ)=Rij *(χ;e*,V) (式7)
ここに、χ:物体の任意の点を表す位置ベクトル、e*:固有ひずみベクトル、V:物体形状ベクトルである。
未知の固有ひずみ分布をq個のパラメータ{ε*}によって関数表示すると下記の式8のようになる。
e*(χ)=f*(χ;ε1 *,ε2 *,・・・・,εq *) (式8)
式8を式7に代入すると、弾性ひずみは座標χ、パラメータ{ε*}、物体形状Vの関数である。これをhij *なる関数で表すことにすると、下記の式9が得られる。
εij(χ)=hij *(χ;ε1 *,ε2 *,・・・・,εq *,V ) (式9)
計測ひずみmεがq個あり、かつ逆関数gi *が定まれば下記の式10が得られる。
εi *=gi *(mε IJ(χ1)・・・・,mε IJ(χq),V ) (式10)
式10により固有ひずみ分布のパラメータ{ε*}を決定できる。したがって、式9により未計測点のひずみ、更には応力も求めることができる。
(ステップf)
下記の式1により、試験片10の任意の位置に発生する弾性ひずみ{εe fem}を求める。そして有限要素法を用いて弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]を求める。式1の右辺の{ε* u}は単位固有ひずみである。
{εe fem}=[H]{ε* u} (式1)
弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]の求め方を図7を用いて説明する。物体をマトリックス(i,j)で表現される要素群に区画し、ある要素(i,j)に単位固有ひずみ{ε* u(i,j)}を与えたときの弾性ひずみ{εe fem}を有限要素法で算出し、各要素の弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[Hij](i=1−6,j=1−3)を求める。弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]は下記の式11のように表現される。
Figure 0004533621
(ステップg)
計測した弾性ひずみ{εe m}と、前記弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]を用いて、下記の式2、3により、残差{v}の二乗和Sが最小となる固有ひずみの最確値{ε*}を求める。
{εe m}−[H]{ε*}={v} (式2)
S={v}T{v}→ min (式3)
(ステップh)
固有ひずみの最確値{ε*}を入力とし、弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]と、応力・ひずみマトリックス[D]を用いて、下記の式4´により残留応力の最確値
{σ}を出力する。
{σ}=[D][H]{ε*} (式4´)
上記ステップa〜hからなる固有ひずみ法による残留応力測定法(T−L法)は、次の条件を前提としている。
(1)方向1の弾性ひずみは方向1の固有ひずみのみによって生じている。
(2)方向3の固有ひずみの方向2に対する線形変化成分は無効固有ひずみである。
(3)T片及びL片は十分薄く切り取り、それぞれ、その面に垂直方向の固有ひずみは、その面内の弾性ひずみを生じさせていないと考える。
以上の結果、次のことが言える。
(a)方向1の固有ひずみは、L片を使用して、方向1の弾性ひずみの計測値のみから解析できる。但し、全体からL片を切断する時の同ひずみの計測値も必要である。
(b)方向2及び方向3の固有ひずみは、T片を使用して、T片の面内(方向2及び方向3)の弾性ひずみの計測値のみから解析できる。
上記T−L法の残留応力測定法において、固有ひずみと計測ひずみの関係を示す測定式は下記の式12、13のようになる。
Figure 0004533621
Figure 0004533621
残留応力の最確値と偏差を求めることができるようにするためには、式12、13を下記の式14のように一体化すればよい。
Figure 0004533621
上記T−L法の残留応力測定法を厚板軸対称継手に適用するケースを図4〜6に基づき説明する。図4は厚板軸対称継手の試験片の斜視図、図5は図4の試験片からT片とL片を切り出す状況を示す斜視図、図6はL片からさらに小片を切り出す状況を示す斜視図である。
図4には、いずれも肉厚のパイプである第1のパイプ41と第2のパイプ42を突合せ溶接した軸対称継手の試験片40が示されている。第1のパイプ41と第2のパイプ42の間を溶接線43が走る。方向1は溶接線13の方向、すなわち円周方向であり、方向2は板厚の方向であり、方向3は方向1及び方向2に垂直な方向である。
試験片40から、図5のようにT片51とL片52が切り出される。T片51とL片52からは、図6に示すように、ひずみゲージ22を貼り付けた状態のダイス状の小片51a、52aが切り出される。
このような軸対称継手の場合、上記T−L法による残留応力測定法の前提条件は次のようになる。
(1´)方向1の弾性ひずみは全方向の固有ひずみによって生じている。
(2´)方向3の固有ひずみの方向2に対する線形変化成分は有効固有ひずみである。
(3)T片及びL片は十分薄く切り取り、それぞれ、その面に垂直方向の固有ひずみは、その面内の弾性ひずみを生じさせていないと考える。
軸対称継手の前提条件(1´)(2´)は平板継手の前提条件(1)(2)と異なっている。その理由は次の通りである。平板継手の場合、図1に示すように、固有ひずみによる、方向1を軸とする回転変形が自由に生じ得る。これに対し軸対称継手では、方向1を軸とする回転は内的に拘束され、自由な回転変形が生じないからである。
このように前提条件が異なるため、上記式4´を用いた残留応力測定法は軸対称継手には適用できない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、広く構造物の残留応力測定に用いることのできる、汎用性の高い残留応力測定方法を提供することにある。また、その残留応力測定方法を実行することのできる装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するため、本発明では以下のステップを順次遂行して残留応力を測定する。
(a)試験片表面の計測位置に第1群のひずみゲージを貼り付け、ひずみの初期値を計測するステップ
(b)前記試験片から、前記第1群のひずみゲージを含むように、薄い切断片であるT片と、前記T片に垂直な方向(方向1)に延びる薄い切断片であるL片を切り出し、解放弾性ひずみを計測するステップ
(c)前記T片及びL片の断面の計測位置に第2群のひずみゲージを貼り付け、ひずみの初期値を計測するステップ
(d)前記T片及びL片から、前記第2群のひずみゲージを含むように小片を切り出し、前記T片から小片の切り出しで、試験片の肉厚方向(方向2)のひずみと、前記方向1及び方向2に垂直な方向(方向3)のひずみの解放ひずみを計測するステップ
(e)前記ステップ(b)で前記L片の切り出しで計測された、前記試験片において全固有ひずみにより生じている方向1の解放弾性ひずみと、前記ステップ(b)で前記T片の切り出しで計測された、前記試験片において全固有ひずみにより生じている方向3の解放弾性ひずみと、前記ステップ(d)で計測された、T片において、面内(方向2及び方向3)の固有ひずみにより生じている面内(方向2及び方向3)の解放弾性ひずみと、の3つの計測された弾性解放ひずみを用いて、各計測位置での、前記方向1、前記方向3、前記面内のそれぞれの固有ひずみを求めるステップ
(f)前記方向1、前記方向3、前記面内のそれぞれの前記固有ひずみから得られる、該方向1、該方向3、該面内のそれぞれの単位固有ひずみ{ε* u}を使用して、前記試験片の任意の場所に発生する、前記方向1、前記方向3、前記面内のそれぞれの弾性ひずみ{εe fem}を求め、3行3列のマトリックスであって、下記の(式1)に示す弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]を有限要素法で求めるステップ
{εe fem}=[H]{ε* u} (式1)
(g)前記3つの計測された解放弾性ひずみ{εe m}と、前記弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]を用いて、下記の(式2)(式3)により、残差{v}の二乗和Sが最小となる固有ひずみの最確値{ε*}を求めるステップ
{εe m}−[H]{ε*}={v} (式2)
S={v}T{v}→ min (式3)
(h)前記固有ひずみの最確値{ε*}を入力とし、前記弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]と、応力・ひずみマトリックス[D]を用いて、下記の式4により残留応力の最確値{σ}を出力するステップ。
Figure 0004533621
(2)前述のような残留応力測定方法において、前記試験片が、軸方向に垂直に溶接線を有する軸対称継手であり、前記方向1は前記溶接線の方向であるものとする。
(3)前述のような残留応力測定方法において、前記試験片が、平板同士を溶接した平板継手であり、前記方向1は溶接線の方向であるものとする。
(4)また本発明では、以下のステップを順次遂行して、さらに、残留応力の分散及び偏差を求める。
(h´)前記ステップ(g)で、固有ひずみの最確値{ε * }を求める際に得られた残差{v}の最小二乗和Sから、残差・分散変換係数Gを用いて、下記の(式5)により分散Vを求めるステップ
V=G・S (式5)
(i)前記分散Vを用いて、下記の(式6)により偏差aを求めるステップ。
a=√V (式6)
(5)前述のような残留応力測定方法において、前記試験片が、軸方向に垂直に溶接線を有する軸対称継手であり、前記方向1は前記溶接線の方向であるものとする。
(6)前述のような残留応力測定方法において、前記試験片が、平板同士を溶接した平板継手であり、前記方向1は前記溶接線の方向であるものとする。
(7)また本発明では、前述のような残留応力測定方法を実行する残留応力測定装置において、前記第1群と第2群のひずみゲージから収集したデータに基づきひずみを計測する静ひずみ計と、構造物の設計データを保有するCADシステムと、前記静ひずみ計とCADシステムからデータを収集し、実際の構造物における残留応力を計算する演算装置と、その計算結果を表示する表示装置とを備えるものとする。
(1)残留応力の最確値を式4で出力することにより、構造物を平板継手に限定することなく残留応力の測定を行うことが可能となる。
(2)構造物が軸対称継手である場合、その残留応力を精度良く解析できる。
(3)構造物が平板継手である場合、その残留応力を精度良く解析できる。
(4)構造物を平板継手に限定することなく残留応力の偏差を求めることができる。
(5)構造物が軸対称継手である場合、その残留応力の偏差を精度良く求めることができる。
(6)構造物が平板継手である場合、その残留応力の偏差を精度良く求めることができる。
(7)試験片で求めた残留応力から、実際の構造物における残留応力を求めることができる。
図4に示す厚板軸対称継手の試験片の場合、前記(1´)の前提条件(方向1の弾性ひずみは全方向の固有ひずみによって生じている)が存在するため、方向1の弾性ひずみと全方向の固有ひずみの関係を考慮する必要が生じる。そこで、式14に弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H1・2]と[H1・3]を追加する。
また、前記(2´)の前提条件(方向3の固有ひずみの方向2に対する線形変化成分は有効固有ひずみである)が存在するため、有効固定ひずみを求めるために、T片への切断時に解放される弾性ひずみの計測が必要となる。そこで、感度が良いと考えられる、同じ方向3の弾性ひずみを計測することにする。この弾性ひずみは下記の式15で表される。
Figure 0004533621
加えて、前記の式15と全方向の固有ひずみとの関係を考慮する必要が生じる。そこで、式14にさらに弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H3・1]、[H3・2]、[H3・3]を追加する。
上記の新しい関係を追加し、全体を1つの測定方程式に一体化すると、下記の式16が得られる。
Figure 0004533621
式16を(式4´)の右辺の[H]{ε*}の部分に代入すると、下記の式4が得られる。
Figure 0004533621
これにより、軸対称継手を対象とした残留応力の測定が可能になり、また、残留応力の最確値と偏差を求めることができる。
偏差は次のようにして求める。前記ステップfに続き、次のステップを遂行する。
(ステップg)
計測した弾性ひずみ{εe m}と、前記弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]を用いて、前記式2、3により、残差{v}の二乗和Sが最小となる固有ひずみの最確値
{ε*}を求める。
(ステップh´)
ステップgで得られた残差の二乗和Sから、残差・分散変換係数Gを用いて、下記の式5により分散Vを求める。
V=G・S (式5)
(ステップi)
前記分散Vを用いて、下記の式6により偏差aを求める。
a=√V (式6)
本発明の残留応力測定方法を適用できる構造モデルの例をいくつか紹介する。
〈円筒モデル〉
図8は「円筒モデル」に係る円筒110の斜視図である。円筒110は継手構造ではないが、熱処理や機械加工により残留応力が生じている場合がある。そのような場合、本発明残留応力測定方法を用いて残留応力やその偏差を測定・解析できる。
〈円筒モデル・同材継手〉
図9は「円筒モデル・同材継手」に係る厚板軸対称継手120の斜視図であって、同材料のパイプ同士を溶接して継手を形成したものである。溶接により生じた残留応力を、本発明残留応力測定方法を用いて測定・解析できる。
〈円筒モデル・異材継手〉
図10は「円筒モデル・異材継手」に係る厚板軸対称継手130の斜視図であって、異材料のパイプ同士を溶接して継手を形成したものである。溶接により生じた残留応力を、本発明残留応力測定方法を用いて測定・解析できる。
〈円筒モデル・異厚継手〉
図11は「円筒モデル・異厚継手」に係る厚板軸対称継手140の半断面図である。これは肉厚の異なるパイプ同士を溶接して継手を形成したものである。溶接により生じた残留応力を、本発明残留応力測定方法を用いて測定・解析できる。
〈球殻モデル〉
図12は「球殻モデル」に係る球殻150の半断面図である。熱処理や機械加工により生じた残留応力を、本発明残留応力測定方法を用いて測定・解析できる。
〈球殻モデル・同材継手〉
図13は「球殻モデル・同材継手」に係る厚板軸対称継手160の半断面図である。これは同材料の球殻同士を溶接して継手を形成したものである。溶接により生じた残留応力を、本発明残留応力測定方法を用いて測定・解析できる。
〈球殻モデル・異材継手〉
図14は「球殻モデル・異材継手」に係る厚板軸対称継手170の半断面図である。これは異材料の球殻同士を溶接して継手を形成したものである。溶接により生じた残留応力を、本発明残留応力測定方法を用いて測定・解析できる。
〈平板モデル・異材継手〉
図15は「平板モデル・異材継手」に係る厚板平板突合せ継手180の斜視図であって、異材料の平板同士を溶接して継手を形成したものである。溶接により生じた残留応力を、本発明残留応力測定方法を用いて測定・解析できる。
〈異方性材料モデル〉
形状は特定しないが、異方性材料からなる構造物の残留応力の測定・解析も本発明残留応力測定方法により可能となる。
これまでに述べてきた残留応力測定方法を実行する残留応力測定装置の構造例を図16に示す。図16は回路ブロック図である。
残留応力測定装置200は、第1群のひずみゲージ21及び第2群のひずみゲージ22から順次データを収集するスキャナー201と、スキャナー201の収集したデータから収集したデータに基づきひずみを計測する静ひずみ計202と、構造物の設計データを保有するCADシステム203と、静ひずみ計202及びCADシステム203からデータを収集し、実際の構造物における残留応力を計算する演算装置204と、その計算結果を表示する表示装置205とを備える。
上記残留応力測定装置200により、試験片から得たひずみデータを用いて、実際の構造物における残留応力を容易に予測できる。
本発明は、構造物の残留応力測定、またその解析に広く利用可能である。
厚板平板突合せ継手の試験片の斜視図 図1の試験片からT片とL片を切り出す状況を示す斜視図 T片とL片からさらに小片を切り出す状況を示す斜視図 厚板軸対称継手の試験片の斜視図 図4の試験片からT片とL片を切り出す状況を示す斜視図 T片とL片からさらに小片を切り出す状況を示す斜視図 弾性ひずみ・固有ひずみマトリックスの求め方を説明する図 「円筒モデル」に係る円筒の斜視図 「円筒モデル・同材継手」に係る厚板軸対称継手の斜視図 「円筒モデル・異材継手」に係る厚板軸対称継手の斜視図 「円筒モデル・異厚継手」に係る厚板軸対称継手の半断面図 「球殻モデル」に係る球殻の半断面図 「球殻モデル・同材継手」に係る厚板軸対称継手の半断面図 「球殻モデル・異材継手」に係る厚板軸対称継手の半断面図 「平板モデル・異材継手」に係る厚板平板突合せ継手の斜視図 残留応力測定装置の回路ブロック図
符号の説明
10 厚板平板突合せ継手の試験片
11 第1の平板
12 第2の平板
13 溶接線
21 第1群のひずみゲージ
22 第2群のひずみゲージ
31 T片
32 L片
40 軸対称継手の試験片
41 第1のパイプ
42 第2のパイプ
43 溶接線
51 T片
52 L片
200 残留応力測定装置

Claims (5)

  1. 以下のステップを順次遂行することを特徴とする残留応力測定方法:
    (a)試験片表面の計測位置に第1群のひずみゲージを貼り付け、ひずみの初期値を計測するステップ
    (b)前記試験片から、前記第1群のひずみゲージを含むように、薄い切断片であるT片と、前記T片に垂直な方向(方向1)に延びる薄い切断片であるL片を切り出し、解放弾性ひずみを計測するステップ
    (c)前記T片及びL片の断面の計測位置に第2群のひずみゲージを貼り付け、ひずみの初期値を計測するステップ
    (d)前記T片及びL片から、前記第2群のひずみゲージを含むように小片を切り出し、前記T片から小片の切り出しで、試験片の肉厚方向(方向2)のひずみと、前記方向1及び方向2に垂直な方向(方向3)のひずみの解放ひずみを計測するステップ
    (e)前記ステップ(b)で前記L片の切り出しで計測された、前記試験片において全固有ひずみにより生じている方向1の解放弾性ひずみと、前記ステップ(b)で前記T片の切り出しで計測された、前記試験片において全固有ひずみにより生じている方向3の解放弾性ひずみと、前記ステップ(d)で計測された、T片において、面内(方向2及び方向3)の固有ひずみにより生じている面内(方向2及び方向3)の解放弾性ひずみと、の3つの計測された弾性解放ひずみを用いて、各計測位置での、前記方向1、前記方向3、前記面内のそれぞれの固有ひずみを求めるステップ
    (f)前記方向1、前記方向3、前記面内のそれぞれの前記固有ひずみから得られる、該方向1、該方向3、該面内のそれぞれの単位固有ひずみ{ε* u}を使用して、前記試験片の任意の場所に発生する、前記方向1、前記方向3、前記面内のそれぞれの弾性ひずみ{εe fem}を求め、3行3列のマトリックスであって、下記の(式1)に示す弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]を有限要素法で求めるステップ
    {εe fem}=[H]{ε* u} (式1)
    (g)前記3つの計測された解放弾性ひずみ{εe m}と、前記弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]を用いて、下記の(式2)(式3)により、残差{v}の二乗和Sが最小となる固有ひずみの最確値{ε*}を求めるステップ
    {εe m}−[H]{ε*}={v} (式2)
    S={v}T{v}→ min (式3)
    (h)前記固有ひずみの最確値{ε*}を入力とし、前記弾性ひずみ・固有ひずみマトリックス[H]と、応力・ひずみマトリックス[D]を用いて、下記の式4により残留応力の最確値{σ}を出力するステップ。
    Figure 0004533621
  2. (h´)前記ステップ(g)で、固有ひずみの最確値{ε * }を求める際に得られた残差{v}の最小二乗和Sから、残差・分散変換係数Gを用いて、下記の(式5)により分散Vを求めるステップ
    V=G・S (式5)
    (i)前記分散Vを用いて、下記の(式6)により偏差aを求めるステップ
    a=√V (式6)
    を遂行することを特徴とする請求項1に記載の残留応力測定方法。
  3. 前記試験片が軸方向に垂直に溶接線を有する軸対称継手であり、前記方向1は前記溶接線の方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の残留応力測定方法。
  4. 前記試験片が平板同士を溶接した平板継手であり、前記方向1は溶接線の方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の残留応力測定方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載された残留応力測定方法を実行する残留応力測定装置において、
    前記第1群と第2群のひずみゲージから収集したデータに基づきひずみを計測する静ひずみ計と、構造物の設計データを保有するCADシステムと、前記静ひずみ計とCADシステムからデータを収集し、実際の構造物における残留応力を計算する演算装置と、その計算結果を表示する表示装置とを備えることを特徴とする残留応力測定装置。
JP2003424213A 2003-12-22 2003-12-22 残留応力測定方法及び装置 Expired - Fee Related JP4533621B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003424213A JP4533621B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 残留応力測定方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003424213A JP4533621B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 残留応力測定方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005181172A JP2005181172A (ja) 2005-07-07
JP4533621B2 true JP4533621B2 (ja) 2010-09-01

Family

ID=34784474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003424213A Expired - Fee Related JP4533621B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 残留応力測定方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4533621B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014215290A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 国立大学法人横浜国立大学 残留応力推定方法、ひずみ推定方法、残留応力推定システム、ひずみ推定システムおよびプログラム

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100429033C (zh) * 2005-07-19 2008-10-29 中国石油天然气股份有限公司 单盘浮顶油罐单盘变形的修复方法
JP4998061B2 (ja) * 2006-04-21 2012-08-15 Jfeスチール株式会社 圧延用ロールの残留応力測定方法
JP2008058179A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Tokyo Institute Of Technology 残留応力の評価方法
JP5095258B2 (ja) * 2007-04-24 2012-12-12 オリエンタル白石株式会社 鉄筋コンクリート部材の応力測定システム及び方法
CN103278443A (zh) * 2013-04-26 2013-09-04 内蒙古包钢钢联股份有限公司 贴片法测试无缝管残余应力的方法
JP5955301B2 (ja) * 2013-11-14 2016-07-20 株式会社神戸製鋼所 残留応力算出方法
CN104406718A (zh) * 2014-12-23 2015-03-11 内蒙古包钢钢联股份有限公司 一种h型钢横向残余应力检测方法
JP6345618B2 (ja) 2015-03-05 2018-06-20 株式会社神戸製鋼所 残留応力推定方法及び残留応力推定装置
JP6516323B2 (ja) 2015-03-05 2019-05-22 株式会社神戸製鋼所 残留応力推定方法及び残留応力推定装置
JP6345617B2 (ja) 2015-03-05 2018-06-20 株式会社神戸製鋼所 残留応力推定方法及び残留応力推定装置
CN105426660B (zh) * 2015-10-30 2018-02-23 华中科技大学 一种机械零件表平面残余应力场的预测方法
JP6790840B2 (ja) * 2017-01-10 2020-11-25 中国電力株式会社 ひずみ検出装置及びひずみ検出システム
JP6867329B2 (ja) 2018-04-25 2021-04-28 株式会社神戸製鋼所 残留応力算出方法
CN109783968B (zh) * 2019-01-25 2021-02-12 山东大学 基于多工步的金属切削加工过程的三维有限元仿真方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62194429A (ja) * 1986-02-21 1987-08-26 Hitachi Ltd 残留応力測定法
JPH05223661A (ja) * 1992-02-17 1993-08-31 Babcock Hitachi Kk 残留応力の測定方法
JP2003121273A (ja) * 2001-10-19 2003-04-23 Hitachi Ltd 残留応力予測方法及び装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62194429A (ja) * 1986-02-21 1987-08-26 Hitachi Ltd 残留応力測定法
JPH05223661A (ja) * 1992-02-17 1993-08-31 Babcock Hitachi Kk 残留応力の測定方法
JP2003121273A (ja) * 2001-10-19 2003-04-23 Hitachi Ltd 残留応力予測方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014215290A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 国立大学法人横浜国立大学 残留応力推定方法、ひずみ推定方法、残留応力推定システム、ひずみ推定システムおよびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005181172A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4533621B2 (ja) 残留応力測定方法及び装置
US11754481B2 (en) Method for determining mixed mode dynamic fracture toughness of engineering materials involving forming surface cracks in specimens
CN107957319B (zh) 均匀荷载面曲率的简支梁裂纹损伤识别方法
Seguel et al. Damage assessment in a sandwich panel based on full-field vibration measurements
EP3267341B1 (en) Residual stress estimation method and residual stress estimation device
Sinha et al. Simplified models for the location of cracks in beam structures using measured vibration data
Xu et al. Experimental and numerical investigation of structural damage detection using changes in natural frequencies
KR101949070B1 (ko) 잔류 응력 추정 방법 및 잔류 응력 추정 장치
JP7158609B2 (ja) 亀裂推定装置と故障診断装置および亀裂推定方法と回転電機の故障診断方法
Kim Vibration-based damage identification using reconstructed FRFs in composite structures
Ganjdoust et al. A novel delamination damage detection strategy based on inverse finite element method for structural health monitoring of composite structures
Alavi et al. On the applicability of digital image correlation method in extracting the higher order terms in stress field around blunt notches
Christian et al. Real-time quantification of damage in structural materials during mechanical testing
Tlaisi et al. Crack detection in shaft using lateral and torsional vibration measurements and analyses
JP3312298B2 (ja) 応力拡大係数の計測方法
JP6789452B1 (ja) き裂の推定装置、き裂の推定方法、き裂の検査方法および故障診断方法
Ayatollahi et al. Computation of V-notch shape factors in four-point bend specimen for fracture tests on brittle materials
JP2015222207A (ja) 構造物の評価方法及び評価装置
JP2019144765A (ja) 柱状ハニカム構造体の最大引張応力推定方法及び最大引張応力推定装置
JP3612293B2 (ja) 物体内部の残留応力測定方法およびその測定装置
Pereyra et al. Damage detection in a stiffened plate using modal strain energy differences
Flansbjer et al. Using digital image correlation techniques and finite element models for strain-field analysis of a welded aluminium structure
CN113826010A (zh) 管道焊接接头焊缝金属中残余应力(变型)
JP4476776B2 (ja) 曲管の応力測定方法および装置
Swann et al. Characterization of delamination by using damage indices

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061109

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20071010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100525

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100614

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4533621

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees