JP4532221B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
また、従来の長尺物収納部の構造では、車体カバー内のシート下方を含む収納部の底を連続して設け、収納空間を確保するため、底板の位置、形状、に制約がある。
また、収納部の底との干渉を回避するため、エンジンをさほど大型化しなくても、シリンダを横置きとする水平エンジンを選択する等の必要がある等、搭載するエンジンの形式も制約を受ける。
また、シート下方を含んでこれの下方から前方にかけて荷物の収納部を設けるので、必然的にシートは高い位置となり、シート高さを下げることには限界がある。
請求項4は、請求項1において、前部収納部の後部開口に開閉自在な蓋板を設けるとともに、蓋板は、前部収納部の後壁を支点として前部収納部の内方に移動し、前部収納部の後部開口を開放するようにしたことを特徴とする。
また、運転者用シートの下方が開放空間なので、運転者用シート下方は従来のように底等で制約されることが無く、従って運転者用シート下方の開放空間が大きく採れ、この下方に配設されるエンジンは外形の大型化が許容されることとなり、排気量の大きいエンジン、これの動力伝達装置を搭載することが可能となる。
更に、カバー部材の大型化が避けられる結果、カバー部材の重量低減やコスト上も有利であり、また、カバー部材の形状等も任意となり、デザインの自由度も向上する。
また、運転者用シートが最下位の状態では前記前部収納部と前記後部収納部とを、それぞれ独立して使用可能としたので、前後の収納部が、前後の物入れとして個々に利用することができる。
更に、運転者用シートが最下位の状態では運転者用シートの下方に収納部を設けないようにしたので、収納部の底板等を設ける必要がなく、エアクリーナー等の吸気系、或いはスロットルボディやインジェクター等の燃料供給系、さらにはエンジン等を可及的に上方に配置させることができ、エンジンの大型化、大容量化を図ることができる。
また、運手者用シートは長尺物を収納しない状況では低い位置に設定して、前後の収納部に個々に荷物を収納することができる。そして、長尺物非収納状態で運転者用シートを通常の低い位置に保持し、長尺物収納時に運転者用シートを高位置に調節、保持すれば良く、便利である。
請求項4に係る発明では、前部収納部の後部開口に開閉自在な蓋板を設けるとともに、蓋板は、前部収納部の後壁を支点として前部収納部の内方に移動し、前部収納部の後部開口を開放するようにしたので、前部収納部内に、前後方向に長さを有し、上下方向並びに左右方向に容量を有する周囲から画成され、蓋板で開閉自在な収納空間を形成することができ、また、蓋板を支点から回動させて後部開口を解放させることができる。
図1は、本発明に係る自動二輪車の側面図である。
自動二輪車1は、実施の形態では外観を構成する車体カバー類を中心として示した。車体カバー類で被覆される車体フレームやエンジン等を破線で示す。
車体フレーム2を覆う車体カバー3は、実施の形態では自動二輪車の外観を構成し、フロントフェンダを兼ね、前照灯等の灯機類を組み込んだ前部カバー4、左右のレッグシールド5、左右の低床式フロア6、中間カバー7、後部カバー8等からなる。
車体フレーム2の中間部、具体的には車体カバー3の中間カバー7の上側には運転者用シート20が配設され、運転者用シート20の後方で後部カバー8の上側には同乗者用シート30が連設されており、同乗者用シート30の前端壁31は前下傾し、運転者用シート20のバックレストを構成し、該シート30の後部には後上傾するバックレスト32が起設されている。
運転者用シート20の下方には、エンジン等が配置されている。
以下にエンジン等の配置を図1で説明する。
前部収納部40の詳細は、図6、図7に示す通りである。図6は、前部収納部単体の縦断側面図で、閉蓋状態の図、図7は、同前部収納部単体の縦断側面図で、開蓋状態の図である。図2とこれらの図面を参照して説明する。
前部収納部40はボックス状で、縦向きの前壁40a、角度の浅い略V形の底壁40b、高さが低い後壁40c、底壁40bと対向する上壁40d及び左右の側壁40e(図では片側が示されている)からなる。
蓋板42は先端部に凹段部状の係止縁42aを備え、閉蓋状態で開口41に前端縁41aに係止して閉蓋状態を保持し、蓋板42の後端部42bにはボス部43を設け、これを後壁40cの開口部の上端部に設けたピン44に枢着し、ピン44を支点として蓋板42を収納部40に対して回動自在に支持する。ピン44とボス部43との間にトーションばね44aを介在させ、蓋板42を図6のように閉じ方向に弾圧付勢する。
収納部40は、図6のように不使用時は蓋板42が上がって閉蓋状態にあり、蓋板42を上から押圧することでピン44を支点として図の反時計方向に回動し、開口41を解放する。この状態を図7で示した。
一方、後部蓋板42は、回動ロック機構47の他の係止片47bに係合させて閉蓋状態を保持し、シリンダー部を押し回すことにより、シリンダーと他の係止片が嵌合して回動し、後部蓋板42を開放可能になるように構成されている。
図2に詳細に示したように、後部収納部50は前後方向に長さを有し、起立する低い前壁50a,後輪13の上方に位置してこれの外形に倣った底壁50b、前壁50aよりも高位の後壁50c、左右の側壁50d(図では片側が示されている)からなる。
前部蓋板54は裏面の中間上部に左右にボス部54aを設け、ボス部54aを側壁50dの前部開口53周辺部にピン54bを介して枢着し、閉じ方向にトーションばねで弾圧付勢し、ピン54bを支点として回動し、鎖線aで開蓋状態を示した。
尚、実施の形態では、前部開口53の下辺部及び両側辺部に受け辺部50eを設け、一方前部蓋板53の周縁部にシール材53aを貼着し、閉蓋時のシール性を高めた。
後部蓋板57の後方には後部カバー8の後部開放部を開閉する後部リッド15を開閉自在に備え、該リッド15は車体フレームの後部のシートレール2aの後端部に起設したブラケット2bの後上端ボス部2cにボス部15a、ピン15bで枢着されている。後部リッド15は、ピン15bを支点として図の半時計方向に回動し、鎖線cで示すように後部カバー8の後端部を開放する。
ところで、上部開口52、前部開口53、後部開口55として説明したが、実施の形態では、これらの開口は後部収納部50の上部前後にわたり一体に形成されており、上をシート30の底板33で、前部を前部蓋板54で、後部を後部蓋板57で夫々閉塞するようにした。
以上により、周囲から画成された開閉自在な収納空間56を形成する。
図4及び図5は、運転者用シートの上下調整機構を示す説明的側面図で、図4は該シートの低位置状態、図5は該シートの高位置状態を示す。これらの図と図2を参照して説明する。
支持部材22の係止山部22eには、前部から頂部にかけて実施の形態では低位置から高位置で4段の係止部22a〜22dを備える。段数は任意である。
運転者用シート20側、図示例では底板21の側部21aに回動自在に係止爪23を設け、これの先端部を支持部材22の係止山部22eの係止部22a〜22dの任意のものと係合する。係止爪23は、トーションばね23aを介して係止する方向に付勢されている。
係止爪23はピン23bを中心として回動可能に支持されており、シート20の側部21aに揺動可能に設けた操作杆23cの操作で操作ケーブル23dを介して係止部22a〜22dの係合を解除するように構成されている。
図1は、運転者用シート20が最も低い位置に位置し、この状態ではシート下方の開放空間Sは、低位の運転者用シート20の底板21下方の空間となり、空間の高さは小さい。この状態では、実質的には前後の収納部40,50が、前後の物入れとして個々に利用することができる。
これにより運転者用シート20の下方には、大きな開放空間Sが形成さることとなり、この運転者用シート20下方の開放空間Sは、前後の収納部40,50の開口部41,53を前後に貫通して連通する状態となる。
実施の形態では、エンジン62のシリンダ部62a、燃料噴射弁63、スロットルボディ64、エアクリーナケース65が配置されている。
以上の機構で上下位置調整、保持機構を構成する。
この状態では、運転者用シート20の下方に大きな開放空間Sが形成されることとなり、この開放空間Sは、前記した通り前後の収納部40,50の開口部41,53を前後の貫通して連通する状態可能な空間となる。
後部リッド15を開けることで後部収納部50の後部蓋板57は開き、後部開口55は開放される。
このように、長尺物70を収容する場合には、運転者用シート20下方の開放空間S、前後の収納部40,50を貫通させて連通させ、収容する。
Claims (4)
- 運転者用シートの前方に前部収納部及び運転者用シートの後方に後部収納部を夫々備える自動二輪車において、
前記前部収納部は、後方に向かって開口する後部開口部を備え、前記後部収納部は該前部収納部の後部開口と対向する位置で前方に向かって開口する前部開口部及び後方に向かって開口する後部開口部を備え、
前記運転者用シートは上下に可動し、前記運転者用シートが上昇した位置では、前記前部収納部の後部開口部と後部収納部の前部開口部との間で、前記運転者用シートの下方には、前記前部収納部の後部開口部と前記後部収納部の前部開口部とを連通する開放空間を設け、
前記前部収納部と前記運転者用シート下方の開放空間と前記後部収納部との間に前記各開口部を貫通して長尺物を収容可能とするとともに、
前記運転者用シートが最下位の状態では前記前部収納部と前記後部収納部とを、それぞれ独立して使用可能とし、
且つ前記運転者用シートが最下位の状態では運転者用シートの下方に収納部を設けないようにした、
ことを特徴とする自動二輪車。 - 前記運転者用シートは上下位置調整、保持機構を備え、該運転者用シートは、複数の上下位置で選択的に調整、保持することにより、前記開放空間を選択的に出現させることができるようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
- 前記後部収納部の上側に同乗者用シートを備え、前記運転者用シートが下方位置で保持されたときに、前記同乗者用シート前部には、前記運転者用シートから前記同乗者用シートに連なる斜め後方に立ち上がるバックレスト部分を有し、運転者用シートの上方への移動時に、該運転者用シートの後端部の移動軌跡が前記バックレスト部分に沿うようにしたことを特徴とする請求項2記載の自動二輪車。
- 前記前部収納部の後部開口に開閉自在な蓋板を設けるとともに、前記蓋板は、前記前部収納部の後壁を支点として前記前部収納部の内方に移動し、前記前部収納部の後部開口を開放するようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
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