JP4532051B2 - 眼疾患を治療するための照射装置 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、患者の眼内の1または複数の治療領域で光反応物質を活性化させるための光線治療装置に関し、特に、非コヒーレント光源を使用して、光反応物質を活性化し、黄斑変性症および他の眼疾患を治療する光線力学治療(PDT)装置に関する。
【0002】
(発明の背景)
黄斑変性は、米国の55歳以上の成人における失明の主な原因となる眼疾患であり、1000万人以上の米国人がこの黄斑変性症に冒されている。斑は、網膜の中心に位置しており、読書、車の運転、物体や色の認識に必要な鮮明な視力を担う部分である。周辺視力が冒されていなくても、視力障害は、人間の生活の質に十分悪影響を与える。
【0003】
2つのタイプ(形式)の黄斑変性が知られている。「乾」タイプ(乾式)は、黄斑変性のケースの85%〜90%を占めており、老化作用と最も密接に関係している。「乾」式の黄斑変性は、斑の薄肉乾燥化、ドルーゼとして知られる小さな黄色の沈着物の斑下での形成によって特徴付けられる。ドルーゼによって引き起こされる網膜の薄肉化の度合いは、中心視力の損失に直接に影響を与える。
【0004】
「乾」式の黄斑変性は、第2のタイプの黄斑変性に比べて極めて一般的であるが、「湿」タイプ(湿式)は、より破壊的となり得る。「湿」式の黄斑変性は極めて急速に進行するが、「乾」式の黄斑変性は十分緩やかに進行する。「湿」式の黄斑変性は、網膜下および斑下で成長する異常血管(サブレチナール新血管形成として知られる)の形成によって特徴付けられる。これらの異常な血管から血液や他の流体が漏れると、斑が膨らんだり持ち上がったりして、中心の視覚が歪んだり破壊されたりする。瘢痕組織がしばしば形成され、その結果、永久に視力が失われる。このような永久的な失明は、数週間または数ヶ月足らずで起こり得る。
【0005】
「湿」式の黄斑変性は「乾」式に比べて希ではあるが、「湿」式が全てのケースの法的盲の90%を占めている点に注目することは重要である。
【0006】
この疾患が十分早期に発見されれば、迅速なレーザ手術によって、「湿」式の黄斑変性に起因する重大な失明を減らすことができる。この問題を外科的に治療する場合には、黄斑変性を破壊するためにレーザを使用し、このレーザを異常血管に合焦することにより、組織を塞いで、眼内への血液漏れを防止するとともに、斑の更なる損傷を防止する。既に損傷した斑組織を修復することはできないが、このようなレーザ治療は、斑組織が過度に損傷を受ける前に異常血管を破壊することによって成功する。
【0007】
しかしながら、レーザ手術によって斑を傷付けてさらに失明させてしまうこともあり得る。隣接する正常組織を損傷させることなく異常血管を正確に目標付けることが困難な場合がある。異常血管をより正確に目標付けて、健康な組織の巻き添え損傷を減らすことができる様々な技術が研究されている。1つの方法では、高速走査パルスレーザを使用して、網膜下にある血管の一連の画像を迅速に取得するとともに、マイクロレーザ凝固の対象として正確に目標付けることができる個々の支流血管を識別する。このような処置によれば、レーザを高精度で目標付けることができる(したがって、周辺の健康な組織への不必要な損傷を最小限に抑えることができる)が、必要となる装置が比較的高価である。
【0008】
斑下の異常な新血管形成を特定するために、インドシアニン・グリーン色素が使用されてきた。色素は、異常血管を標的として感光性を与え、幾つかのタイプの眼科手術で使用されるレーザエネルギの合焦に寄与する。しかしながら、処置で使用されるレーザ光の強度によっては、対象ではない正常な組織を損傷させてしまう可能性がある。
【0009】
PDT技術によれば、これらの眼疾患を十分に治療することができる。PDTにおいては、光によって活性化される化合物が患者に投与され、この化合物は新血管形成領域内で一点に集まる傾向がある。この吸収化合物は、その後、低出力レーザ光を患者の眼内の新血管形成領域に方向付けることによって、活性化される。化合物は、活性化されると、化学的に変化し、異常組織を破壊する遊離基や他の物質を形成する。カリフォルニア州サンタバーバラのミラバントは、PURLYTIN(商標)(スズ・エチル・エチオポルフィリン)と呼ばれるPDT薬剤を試験している。一方、カナダのブリティッシュコロンビア州のQLTフォトセラプティクス(ジョージア州のアトランタにあるチバ・ビジョンと提携)は、眼疾患を治療するために、PDT薬剤であるVERTEPORFIN(商標)(リポソーマル・ベンゾポルフィリン誘導体)を試験している。PDTは、比較的、異常な新血管形成だけを選択的に破壊することができ、比較的低出力のレーザ光を使用してPDT薬剤を活性化すると、周辺の健康な斑組織への悪影響を最小限に抑えることができる。
【0010】
PDTによれば、黄斑変性を十分に治療することができるが、前述したPDTを行なうために必要なレーザ装置も比較的高価である。黄斑変性の有効な治療の要求は高いが(1000万人を超える北アメリカ人が黄斑変性に冒されている)、高価な装置によって、そのような治療の利用性が大きく低下する可能性がある。黄斑変性のPDT治療を十分に利用できるように、低コストの装置及びそのような装置の使用方法を開発することが望ましい。非コヒーレント光源を使用して光反応化合物を活性化すれば、レーザ光源の使用において、コスト的な利点を十分得ることができる。
【0011】
(発明の概要)
本発明においては、光を使用して眼疾患を治療する装置および方法が規定されている。装置は、電源と、電源に接続された少なくとも1つの非コヒーレント光源と、非コヒーレント光源によって発せられた光を眼内の小さな治療領域のみ伝送するようになっている少なくとも1つの集光レンズとを有している。一実施形態において、装置は、1または複数の光源の近傍に位置決めされ且つ光源からの光を集光レンズへと反射するミラーを有している。集光レンズは、光源と眼との間に配置されている。
【0012】
光源は、発光ダイオード(LED)、白熱電球、冷陰極蛍光管のいずれかであることが好ましい。1または複数のLEDを光源として使用する場合には、これらの光源が赤色光または青色光あるいはこれら両方の色の光を放射することが好ましい。あるいは、光源は、非コヒーレント光を形成するレーザダイオードアレーを備えていても良い。
【0013】
他の実施形態においては、装置がヘッドセット上に装着される、ヘッドセットは、眼鏡に使用されるようなフレームを有していることが好ましい。
【0014】
1または複数の集光レンズは、発散レンズ、収束レンズ、全体として内側に反射する(TIR)レンズを備えている。一実施形態において、集光レンズは、光源からの光を眼の黄斑領域に向けて集光する。他の実施形態において、装置はフィルタを備え、このフィルタは、光源によって発せられた周波数帯の光を遮断する第1の部分と、光源によって発せられた周波数帯の光を透過する第2の部分とを備えている。フィルタは、光源と集光レンズとの間に配置されている。フィルタにかけられ且つ病変治療領域へと方向付けられた光によって照射された領域のサイズおよび形状は、フィルタの第2の部分のサイズおよび形状に対応している。光のこの領域のサイズおよび形状は、適切なサイズおよび形状を有する第2の部分を備えたフィルタを選択することによって、選択的に変えることができる。
【0015】
一実施形態において、第1の部分および第2の部分のうちの一方もしくは両方は、光源からの光の周波数帯を透過する第1の状態から、光源からの光の周波数帯を遮断する第2の状態に変化する。この状態変化は、電気的な刺激に応じて行なわれる。フィルタを形成するために、液晶材料または圧電セラミック材料を使用することが好ましい。
【0016】
光源によって発せられた光の焦点の眼内における位置は、光源の位置または集光レンズの位置を変化させることによって選択的に変えられる。焦点距離が異なる複数の集光レンズを有する実施形態において、眼内における焦点の位置は、複数ある集光レンズのうちから適当な1つを選択することによって変えられる。
【0017】
集光レンズが変形可能な材料によって形成される実施形態において、焦点は、集光レンズの周囲に隣接して配置され且つ集光レンズを変形させる手段によって選択的に調整される。機械的なアクチュエータ、液圧アクチュエータ、電気的なアクチュエータ等の手段が使用される。このようにして、焦点の眼内における位置が変えられる。
【0018】
更なる他の実施形態は、投与されるPDT薬剤の活性化周波数帯にほぼ一致する特定の周波数帯の光を透過するフィルタを有している。このようなフィルタは、光源の光路から外れた第1の位置と、光路内の第2の位置との間で選択的に移動できる。
【0019】
更なる実施形態は複数の光源を有している。第1の光源は、投与されるPDT薬剤を活性化する波長の光を放射し、第2の光源は、投与されるPDT薬剤を活性化しない波長の光を放射する。第1および第2の光源は、第1の光源の第1の焦点が、第2の光源の第2の焦点とほぼ重なるように配置されることが好ましい。これにより、PDT薬剤を活性化させることなく、第の焦点の位置を眼内の治療領域へと目標付けることができ、その後、第の光源が給電されると、眼の他の領域にある任意のPDT薬剤を活性化させることなく、病変治療領域のPDT薬剤が活性化される。このようにして、第の光源を使用して第1の光源の目標領域を特定し、病変治療領域の周囲を巻き添えにして破壊してしまうことを防止できる。
【0020】
他の実施形態は、組織の深部に達することができない周波数帯の光を放射する第1の光源と、組織のほぼ深部に達することができる周波数帯の光を放射する第2の光源とを有している。
【0021】
本発明の前述した態様および付随する利点は、添付図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読めば、容易に認識することができるとともに、十分に理解することができる。
【0022】
(好ましい実施形態の説明)
図1には、眼10が概略的に示されている。この場合、図は、眼の解剖学的な構造の全てを示そうとしているものではなく、むしろ、本発明に係るPDTに関連する対象の構造だけを示そうとしているものである。眼は、レンズ14と、正常な脈管構造16と、斑18と、視神経12とを有している。発明の背景で述べたように、加齢性黄斑変性は、2つの変性、すなわち、湿式および乾式で起こる眼疾患である。乾式は、斑18の薄肉化、ドルーゼの形成、斑内で形成する黄色物質によって特徴付けられる。湿式は、斑内での異常な血管の成長によって特徴付けられる。この異常な血管の成長によって、斑の組織が傷付き、その結果、一般に、視力が失われる。湿式変性は、PDTを使用した治療に影響を受け易い。研究によれば、加齢性黄斑変性等の眼疾患の治療には、非熱レーザ光を用いて薬剤を活性化する場合、バーテポルフィン(verteporfin)(QLT フォトセラプティクス株式会社およびチバ・ビジョン・コーポレーションによって開発された)やpurlytin(ミラバント、米国サンタバーバラによって開発された)等の光力学的な薬剤が有益であることが分かった。
【0023】
また、非コヒーレント光源を使用して、PDT化合物を活性化し、眼疾患を治療することができると考えられている。非コヒーレント光源を使用すると、関連する治療装置のコストが低減する可能性があり、また、低出力レーザを使用した場合でも起こり得る斑内非対象組織の損傷の危険性が低減する可能性がある。
【0024】
したがって、非コヒーレント光源22を有するPDT装置20が図2に示されている。また、PDT装置20は、収束レンズ26と、発光ダイオード(LED)非コヒーレント光源22と、凹面リフレクタ24とを有している。しかしながら、白熱電球等の他のタイプの非コヒーレント光源を使用しても良い。非コヒーレント光源は、使用されるPDT薬剤の吸収周波数帯または活性化周波数帯に対応する周波数帯を有する光を放射する。使用されるPDT薬剤は、眼10の黄斑領域の異常血管内で一点に集まるというその特性により、選択される。図2に示されるように、光線28は、レンズ14を透過して、斑18内の焦点19で集光する。焦点19は、PDT装置20の位置、方向、焦点を動かすことにより、斑18内の所望の場所(あるいは、眼内の幾つかの他の対象領域)に位置付けられても良い。
【0025】
図3は、横方向に調整分30だけ移動されたPDT装置20を示している。焦点19は、横方向の調整分30aに対応して、新たな焦点19aへと移動している。このように、医者は、PDT装置20の位置、方向、焦点を動かすことにより、斑18内の別の場所または眼10内の他の場所を対象として選択することができる。なお、光源22が非コヒーレントであり、コヒーレントなレーザ光源に比べて出力が比較的低いため、非対象組織を損傷させる危険性は殆どない。それ自体で組織を損傷させない低出力光源22を使用するだけでなく、黄斑領域の異常血管内で選択的に集束するという特性があり且つPDT装置20と共に使用することが好ましいPDT薬剤を選択しても良い。あるいは、PDTによって破壊される異常組織内でPDT薬剤が最初に集束するように、好ましくは特定の種類の細胞もしくは細胞構成物質に関連する対象PDT薬剤を製造することも考えられる。いずれの場合にも、光源22によって活性化されるPDT薬剤が眼の他の組織内に殆ど存在せず、また、正常な眼の他の組織が損傷しない。
【0026】
図4は第2の実施形態を示している。斑18内の焦点54に光線28を照射するPDT装置40が図示されている。PDT装置40には、前述した第1の実施形態で使用された収束レンズの代わりに、TIRレンズ52が組み込まれている。先に延べたように、光源22はLEDであることが好ましいが、他のタイプの非コヒーレント光源を使用しても良い。リフレクタ24は、PDT装置40内に選択的に組み込まれても良い。PDT装置20において前述したように、PDT装置40を同様に動かして、光源22によって発せられる光が向かう焦点54の位置を変化させることができる。
【0027】
図5には、PDT装置を再配置することなく焦点を調整することができるPDT装置50が示されている。PDT装置50には、複数のTIRレンズ52a,52b,52cが組み込まれている。各TIRレンズは、異なる焦点を形成する。なお、PDT装置50内には、PDT装置20の収束レンズも組み込まれている。また、PDT装置50内に組み込むことができるレンズの数は、3つに限定されない。例えば、3つ以上のレンズを二次元的に配列すれば、PDT装置50を再配置しなくても、特定の焦点を選択する自由度を大きくすることができる。PDT装置50には、光源22とリフレクタ24とが組み込まれている。PDT装置40に関して述べたように、リフレクタ24はオプションであり、リフレクタ24を省略することも可能である。PDT装置50の一実施形態において、TIRレンズ52a,52b,52cは、移動可能であり、光源22の前に選択的に位置させることができる。TIRレンズ52aは焦点54aを有し、TIRレンズ52bは焦点54bを有し、TIRレンズ52cは焦点54cを有している。したがって、PDT装置50を再配置することなく、TIRレンズのうちの適当な1つを光源22の前に移動させることにより、複数の異なる焦点を得ることができる。
【0028】
PDT装置を再配置しなくても複数の異なる焦点を形成するPDT装置50aの第2の実施形態が図6に示されている。PDT装置50aにおいては、TIRレンズ52a,52b,52cが移動できない。その代わり、PDT装置50aには、各TIRレンズ52a,52b,52cにそれぞれ対応する複数の光源22a,22b,22cが組み込まれている。各光源にそれぞれ対応させて、リフレクタ24a,24b,24cを選択的に設けても良い。PDT装置50aにおいては、所望の焦点に対応する光源22a,22b,22cに給電することにより、焦点54a,54b,54cが選択される。図6に示されるように、光源22bが給電されると、焦点54bが得られる。図示しないが、1つの光源に関連する複数のTIRレンズと、光源からの光線を所望の焦点に対応するTIRレンズを通じて選択的に方向付けることができる複数のリフレクタとを使用すれば、同様の装置を構成できることは言うまでもない。
【0029】
図7に示されるPDT装置60には、光源22dと、不透光領域62および透光領域64を有するフィルタ63と、発散レンズ66とが組み込まれている。光源22dからの光線は、不透光領域62で遮光され、眼内の治療領域上に、対応する形状の影68を投影する。不透光領域で遮光されない光は、透光領域64を透過して、眼内に入る。当業者であれば容易に分かるように、透光領域64に対する影68のサイズは、発散レンズ66の焦点を適当に選択することによって変えることができる。前述したように、斑18に対する影68の位置および焦点の位置は、PDT装置60を再配置することによって調整することができる。光源22dは、LEDであることが好ましく、必要に応じて、先の実施形態で述べたリフレクタと同様のリフレクタ(図示せず)を有していても良い。
【0030】
図7Aおよび図7Bは、形状が異なる透光領域64a,64bおよび不透光領域62a,62bを有するフィルタ63a,63bを示している。このように、フィルタ63を異なるフィルタと交換することにより、PDT装置の焦点における影の形状を簡単に変化させて、患者の眼内の治療領域に存在する異なる形状の異常組織を治療することができる。
【0031】
図8は、フィルタ部材を交換することなく焦点の形状を変えることができるPDT装置70を示している。PDT装置70は、光源22と、発散レンズ72と、透光領域76および不透光領域74を有するフィルタ部材75と、発散レンズ78とを有している。また、PDT装置70は、電気刺激制御器80を有している。前述したように、発散レンズ72および発散レンズ78を選択することにより、斑18の疾患治療において有益な所望の焦点82を形成することができる。フィルタ部材75は、熱を加えることにより或は電気的な刺激に応じてその屈折率または透明度が変化する材料によって形成されることが好ましい。液晶ディスプレイ(LCD)を製造するために使用される技術を使用して、フィルタ部材の一部を通じた光の透過を妨げるように選択的に制御可能なマスクを形成することもできる。マスクが給電されてレンズを透過する光の一部が遮光された時に、所望の形状の光が得られ、あるいは、焦点で所望の形状の影が得られるように、マスクを形成することができる。また、マスクは、一般にLCDで行なわれているように、電気的に制御されてマスクを通じた光の透過パターンを変化させる複数のピクセルまたは領域を有していても良い。このように、必要に応じて、光を遮るピクセルの形状またはパターンを変化させれば、PDT装置の焦点で、異なる光/影パターンを形成することができる。光マスクを形成するために使用可能なセラミック材料(PZT材料と称される)を簡単に利用することができる。これらのセラミック材料は、電気的な刺激が加えられるまで光を透過し、電気的な刺激が加えられた時点で、部分的に或は完全に光を透過させなくなる。電気的な刺激は、LCDマスクパターンにおいて使用される電極パターンと同様の所定の電極パターンでPZT材料の表面に貼り付けられる透明な酸化インジウム導体電極を介して、加えられる。
【0032】
図9,9A,10,10Aは、異なる性質を使用して焦点の形状を変えるPDT装置81を示している。PDT装置81には、光源22aと、収束レンズ83とが組み込まれている。収束レンズ83は、レンズを損傷させることなく十分に変形可能な材料によって形成されている。レンズ83は、選択的に変形されることにより、レンズを透過して治療領域上に集光される光のパターンを変化させることができ、あるいは、焦点を変えることができる。レンズ83が変形されると、レンズを透過する光の向きが変えられ、細長い楕円状のパターンがレンズの焦点に形成される。レンズの外周に圧力を作用させて、レンズを変形させ、所望の光パターンを得ることもできる。あるいは、レンズ83の外周面に機械的な力を加えて、レンズを湾曲もしくは変形させ、これによって、眼の内側の治療領域上に所望の光パターンを形成することができる。このような機械的な力は、圧電性結晶を励磁することにより、あるいは、小型のエアシリンダや液圧シリンダにより、あるいは、単に電気的に作動する(モータ駆動の)ネジ、クランプ、レバー装置を使用することにより、レンズに加えることができる。図9においては、レンズ83が歪んでおらず、したがって、焦点84は、円形の光パターンを呈している。なお、焦点84,86の位置は、PDT装置81を移動させることによって動かすことができる。また、先に述べた図面に示されるようなリフレクタ24と同様のリフレクタをPDT装置81内に設けることもできる。
【0033】
図11A,11B,11Cは、医師が光の非活性波長を使用して斑に対する焦点の位置を確認することができ、その後、所望の波長の光を焦点に向けて選択的に伝えることができるPDT装置を示している。光反応物質薬の吸収周波数帯に対応する波長を有する青色光または赤色光を使用して活性化されるPDT薬剤は知られている。青色光に感応するPDT薬剤は、一般に、比較的高い吸収ピークを有しており、これにより、非常に少ない薬剤投与量で、同じ治療効果を得ることができる。PDT薬剤の投与量が減るため、皮膚の光過敏症がひどくなる等の副作用も減る。青色光によって活性化されるPDT薬剤を使用して得られる他の利点は、この周波数帯の光が、治療領域の周囲の正常な組織中に、短い距離でしか透過しないという点である。治療領域が組織または生理学的な構造体によって覆い隠されている場合には、赤色光によって活性化されるPDT薬剤が好ましい。なぜなら、長い波長の光は、そのような組織の非常に深い所まで簡単に透過するためである。
【0034】
図11Aおよび図11Bに示されるように、PDT装置90は、PDT薬剤を活性化させない光源22aと、PDT薬剤を活性化させる光源22bと、PDT薬剤を活性化させ且つ光源22bと異なる波長を有する光源22cとを有している。また、PDT装置90は、TIRレンズ52を有するとともに、リフレクタ24をオプションとして有している。なお、図示のTIRレンズ52の代わりに、他の実施形態において説明したような収束レンズを使用しても良い。図11Aにおいては、光源22aが給電され、医師は、焦点91aにおける眼の状態を観察して、PDTを行なう最善の方法を決定することができるとともに、他の光源が作動された時に形成されるPDTの焦点を選択することができる。光源22aは、患者に投与されたPDT薬剤を活性化しない波長を形成するため、医師は、焦点91aの位置が斑18内の所望の治療領域(あるいは、他の対象領域)と一致するように、PDT治療装置90を位置決めすることができる。光源22aは、非コヒーレントであり、PDT薬剤を活性化しないため、PDTが進行している最中に光源22aを用いた連続的な照射を行なっても、患者に悪影響を与えない。図11Bでは、光源22aへの給電が停止され、光源22b、22cが給電されている。光線28bの波長は、患者に投与されるPDT薬剤の吸収周波数帯または活性化周波数帯と重なり合っている。したがって、焦点91bに集光する光は、PDT薬剤を活性化して、治療処置を行なう。光源22b、22cは選択的に給電可能であり、必要に応じて、いずれかの光源または両方の光源に給電することができる。前述したように光源22b、22cは、青色の周波数帯および赤色の周波数帯の光をそれぞれ形成するLEDであることが好ましい。様々な光源は、治療領域に光を供給するように作動する際には、TIRレンズ52の背後の位置へと移動される。
【0035】
図11Cは、医師が、PDT薬剤を活性化させない波長の光を使用して、対象となるターゲットに応じて焦点91aを配置することができるとともに、その後、PDT薬剤を活性化させる波長の光を選択的に伝送することができるPDT装置92を示している。PDT装置92には、PDT薬剤を活性化させる周波数帯の光と、PDT薬剤を活性化させない周波数帯の光とを発する光源22dが組み込まれている。また、PDT装置92は、TIRレンズ52を有するとともに、オプションとしてリフレクタ24を有している。前述したように、他のタイプのレンズをPDT装置92内に設けると、有益である。また、PDT装置92はフィルタ94を有している。フィルタ94は、光源22dによって発せられる光の波長を変更し、TIRレンズ52を透過して焦点91aに集光する光にフィルタをかけて、PDT薬剤を活性化させる周波数帯を排除するように選択される。図11Cに示されるように、光源22dによって発せられた光を透過させるようにフィルタ94が位置決めされると、PDT薬剤を活性化させる波長の光が焦点91aに集光しない。したがって、この構成において、PDT装置92は、PDT薬剤を活性化させることなく、所望の対象ターゲットに焦点を合わせることができる。フィルタ94が光源22dとTIRレンズ52との間の光路から外れるように移動されると、焦点91aに集束する光の波長は、PDT薬剤の活性化周波数帯に対応する波長を含み、治療が行なわれる。前述したように、フィルタ94は、光源22dによって発せられる光の波長を変更して、赤色スペクトルおよび青色スペクトルの光を排除することが好ましい。
【0036】
前述した実施形態で説明したPDT装置は、患者が身に付けることができる軽量なヘッドセット内に組み込み可能であることが好ましく、あるいは、検眼医によって使用されるスリットランプと同様の従来のスリットランプ内に組み込み可能であることが好ましいと考えられる。図12,13,14,15は、患者が身に付けることができるヘッドセットの様々な実施形態を示している。図16は、前述したPDT装置の従来の固定型スリットランプ内に対する組み込み方法を示している。
【0037】
図12はPDTヘッドセット100を示している。PDTヘッドセット100は、従来のラップアラウンド型の眼鏡に酷似しているが、患者の眼に隣接するレンズの前方に配置されたPDT装置106a,106bを有している。フレーム102は、金属によって形成されていることが好ましく、処方の眼鏡で一般的に行なわれているように、必要に応じて、プラスチック材料でコーティングしても良く、あるいは、全体をプラスチックによって形成しても良い。レンズ104は、不透明で耐破損性のプラスチック材料であることが好ましい。レンズ104は透明であっても良いが、レンズ104を不透明な材料で形成すると、眼への入射光を減少させることによって患者の眼を拡張させることができるとともに、対象でない光線が患者の眼に達することを防止することができる。なお、PDT装置106a,106bは、不透明レンズ104によって遮られないが、その代わり、レンズの窓(図示せず)にわたってフィルタがかけられるか、あるいは、PDT装置106a,106bによって覆われるレンズ104の部分が透明であって不透明ではない。
【0038】
コントロールケーブル108a,108bは、PDT装置106a,106bをそれぞれコントロールユニット110に接続している。コントロールユニット110によって、医師は、一方もしくは両方のPDT装置106a,106bの光源を選択的に作動させることができる。図13は、PDTヘッドセット100の側面図を示している。PDT装置106aは、選択的に給電されて、眼10の斑に合焦される。PDT装置106a,106bは、前述した任意の実施形態の部材を有していることが有益であると考えられる。しかしながら、PDT装置106a,106bによって、PDTヘッドセット100を移動させることなく、眼の治療領域に与えられる光の焦点を調整できることが好ましく、また、そのような機能性を可能にする前述したPDT装置の実施形態が好ましい。PDTヘッドセット100は、患者の身に付けられた状態で、若干動かすことができても良いが、そのような動きを行なわずに、PDT装置106a,106bの光源を患者の眼内の治療領域上に合焦できれば、便利である。
【0039】
図14および図15は、PDTヘッドセット112,114の異なる実施形態をそれぞれ示している。これらの装置は、その動作がPDT装置100と同じであり、本発明の範囲内で複数の異なるヘッドセット構成が可能であることを示している。PDTヘッドセット100,112,114は、破損し難く軽量で耐久性がある材料によって形成されることが好ましく、患者が快適に身に付けられる所定の形状および寸法を有していることが好ましい。ヘッドセットの重量を軽減するため、PDT装置106a,106bの動作に必要な部材は、可能な限り、コントロールユニット110内に組み込まれている。また、電源装置は、PDT装置106a,106b内ではなく、コントロールユニット110内に組み込まれる。光源をコントロールユニット110内に配置するとともに、1本以上の光ファイバケーブル(図示せず)を使用して、光源によって発せられた光をPDT装置106a,106bに伝送することにより、更に重量を軽減できると考えられる。しかしながら、このような選択を行なっても、重量を大幅に軽減できるとは限らない。なぜなら、使用される光源が比較的軽量なLEDであると考えられるからである。他の考えられる実施形態は、コントロールケーブル108a,108bをヘッドセットの左右の耳づると並んで走行させるとともに、ヘッドセットの後ろにコントロールユニット110を配置することである。この変形例では、ヘッドセットの重量が増大するが、コントロールケーブル108a,108bが絡んだり、コントロールケーブル108a,108bの接続が遮断されたり、あるいは、コントロールケーブル108a,108bが破損したりする可能性が殆どなくなる。
【0040】
図16は、前述した(ヘッドセットを除く)任意の実施形態のPDT装置に対応するPDT治療ユニット130を有するように改良されたスリットランプ120を示している。一般に、スリットランプは、患者の眼内に光を正確に目標付けて正確に検査を行なうことができるように、患者の頭を保持して静止させる頭支え(ヘッドレスト)と、顎当てとを有するテーブル装着型のユニットである。図16において、PDT治療ユニット130は、眼10の斑18に対して目標付けられている。このPDT治療ユニット130においては、図2〜図11Cで前述した任意のPDT装置を使用することができる。
【0041】
眼のレンズおよび角膜を通じて直接に、あるいは、眼のレンズまたは角膜を通らない経路に沿って間接的に、光反応物質の吸収周波数帯と一致する波長を有する光を、斑内の治療領域または目標領域(または、他の任意の所望目標領域)へと方向付けることができる。図17は、直接的なアプローチを概略的に示している。図17において、適当な周波数帯の光は、矢印138で示されるように、眼の前側から治療領域へと方向付けられている。光は、眼のレンズ14を透過し、好ましくは斑18内の目標領域へと進行する。
【0042】
図18は、斑(あるいは、眼内の他の対象領域)へと向かう複数の間接的な経路を示している。これらの間接的な経路は、横眼窩アプローチ142と、上眼窩アプローチ144と、下眼窩アプローチ146とを含んでいる。これらの間接的な経路をそれぞれ辿る光は、経皮的に眼内に入り、眼窩壁を透過する。光は、このような間接的な経路を辿ると、直接的な経路に沿って与えられる場合よりも発散した状態で疾患領域を照明する。なお、間接的な経路に沿って与えられる光は、前述した場合とほぼ同様に、ヘッドセット上のPDT装置内に設けられた光源から発せられる。図17に示されるように、前述したヘッドセットは、直接的な経路に沿って光を患者の眼内に与えるようになっているが、ヘッドセットに取り付けられたPDT装置は、図18に示されるような下眼窩アプローチ、上眼窩アプローチ、横眼窩アプローチで与えられる光を形成するように簡単に構成され得る。例えば、PDT装置からの光を上眼窩アプローチ144で与えるヘッドセットは、患者の各眼の上の額にPDT装置が配置されるヘッドバンドの形態を成して構成され得る。一般的には患者の耳とヘッドセットの前側レンズとの間で、ヘッドセットのアーム部や耳部に対してPDT装置を装着すれば、横眼窩アプローチ142を利用したPDT装置を提供することができる。また、ヘッドセットのレンズの下方にPDT装置を装着して、PDT装置が患者の頬に載るようにすれば、下眼窩アプローチ146を行なうことができる。
【0043】
好ましい実施形態に対するレンズの組み込み
異なる複数のレンズを有利に使用して、光源から発せられる光を選択的に合焦(集光)することができる。本発明においては、収束レンズ、全体として内側に反射するレンズ、発散レンズ、複数のレンズの組み合わせといったレンズ構成を採用することができる。当業者であれば、これらのタイプのレンズの前述した実施形態に対する組み込み方法を容易に理解することができる。
【0044】
対象とするPDT治療
光反応物質を吸収する正常組織に対する光線療法の効果は、正常組織に供給される光量や、正常組織によって吸収される光反応物質の量に応じて、組織の軽度の発赤から、激しい組織の損傷にまで至る。非対象組織に対する付随的な損傷の危険性を減らすための1つの方法は、対象組織(例えば、異常な新生血管)だけを照射する集光度が高い光パターンを形成することである。前述した様々な実施形態を有利に使用すれば、そのような集光度が高い光パターンを形成することができる。正常組織に対する損傷を最小限に抑える他の方法は、正常組織が光反応物質を吸収する度合いを実質的に減らすことである。
【0045】
光反応物質を正常組織ではなく対象組織に優先的に吸収させるようにする1つの手法は、光反応物質に抗体を結合させ、治療領域の異常細胞に向けて抗体が目標付けられるようにすることである。抗体と結合した光反応物質が患者に投与されると、抗体は、光反応物質を正常組織ではなく異常組織に結合させるようになり、これによって、PDTの特定性が向上し、正常組織の損傷を回避することができる。当業者であれば容易に分かるように、眼内の異常対象組織に固有の抗体は、所定の光反応物質と結合して、光反応物質を異常組織に優先的に吸収させることができ、これによって、非対象組織を損傷させる危険性が最小限に抑えられる。
【0046】
本発明を実施する複数の好ましい形態及びその変形例とともに本発明を説明してきたが、当業者であれば分かるように、本発明においては、以下のクレームの範囲内で多くの他の変形例を作ることができる。したがって、前述した説明によって本発明の範囲が限定されるものではなく、本発明は、専ら、以下のクレームを参照することによって規定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関する眼の複数の領域を示す、眼の概略図である。
【図2】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される本発明に係る第1の実施形態の概略図である。
【図3】 装置の位置を変えることによって、第1の実施形態によって供給された光の焦点を、眼内の異なる治療領域へとどのように移動させることができるかを示している。
【図4】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用されるTIRレンズを組み込んだ本発明に係る第2の実施形態の概略図である。
【図5】 複数のTIRレンズを組み込むとともに、各レンズに異なる焦点が関連付けられた本発明の第3の実施形態の概略図である。
【図6】 複数のTIRレンズを組み込むとともに、各レンズに異なる焦点が関連付けられた本発明の第4の実施形態の概略図である。
【図7】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される、焦点のサイズおよび形状を変化させるフィルタおよび複合レンズを組み込んだ本発明の第5の実施形態の概略図である。
【図7A】 図7に示される本発明の第5の実施形態において使用される、焦点のサイズおよび形状が異なるフィルタを示している。
【図7B】 図7に示される本発明の第5の実施形態において使用される、焦点のサイズおよび形状が異なるフィルタを示している。
【図8】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される、電気的な刺激に応じて焦点のサイズおよび形状を変化させるフィルタおよび2つの複合レンズを組み込んだ本発明の第6の実施形態の概略図である。
【図9】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される、変形力に応じて焦点のサイズおよび形状を変化させる変形可能なレンズを組み込んだ本発明の第7の実施形態の概略図である。
【図9A】 変形可能なレンズが変形力を受けた時に本発明の第7の実施形態によって供給される焦点の拡大断面図である。
【図10】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される変形可能なレンズに力が加えられて、焦点のサイズおよび形状が変化した本発明の第7の実施形態の概略図である。
【図10A】 変形可能なレンズに変形力が加わった時の本発明の第7の実施形態によって得られる焦点の拡大断面図である。
【図11A】 光反応物質を活性化させない波長の非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される、複数の光源を組み込んだ本発明の第8の実施形態の概略図である。
【図11B】 光反応物質を活性化させる波長の非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される、複数の光源を組み込んだ本発明の第8の実施形態の概略図である。
【図11C】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される、光源によって発せられる光の波長を変更するために使用可能な複数のフィルタを組み込んだ本発明の第9の実施形態の概略図である。
【図12】 本発明の実施形態のうちの1つを組み込んだヘッドセットの概略図である。
【図13】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される図12のヘッドセットの概略図である。
【図14】 本発明の実施形態のうちの1つを組み込んだ他のタイプのヘッドセットの概略図である。
【図15】 本発明の実施形態のうちの1つを組み込んだ更に他のタイプのヘッドセットの概略図である。
【図16】 非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給するために使用される本発明の実施形態のうちの1つを組み込んだスリットランプの概略図である。
【図17】 眼のレンズを通じて光が眼に入るようにする直接的なアプローチを使用して、非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給する方法の概略図である。
【図18】 経皮的に光が眼に入るようにする間接的なアプローチを使用して、非コヒーレント光を眼内の治療領域に供給する方法の概略図である。

Claims (26)

  1. 眼疾患を治療するための光線治療装置であって、
    (a)電気的なエネルギを供給する電源と、
    (b)眼疾患を光力学的に治療する治療光を放射する手段であって、前記電源に接続されて給電されるようになっている少なくとも1つの非コヒーレント光源を有し、この光源が給電されると、眼内の治療領域に配置された光反応物質の活性化周波数帯に対応する周波数帯内の光が前記光源によって形成される手段と、
    (c)前記非コヒーレント光源によって放射される光であって、前記疾患を治療するために眼に投与された前記光反応物質を活性化させる光を、眼内の他の領域の組織に吸収された前記光反応物質を活性化させることなく、眼内の他の領域ではない眼内の小さな前記治療領域にのみ伝送するようになっている少なくとも1つの集光レンズと、
    (d)前記治療光を放射する手段が作動する前にこの光線治療装置が前記治療領域に正しく方向付けられていることを確認するため、眼内の前記治療領域に配置された前記光反応物質を活性化させない光で前記治療領域を照射するための手段と
    を備えたことを特徴とする装置。
  2. 前記少なくとも1つの光源に隣接して位置決めされるとともに、前記光源によって放射された光を、前記光源と眼との間に配置された前記集光レンズに向けて反射するミラーを更に備えている請求項1に記載の装置。
  3. 前記少なくとも1つの光源は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオードアレー、白熱電球、ハロゲン電球、化学的な発光、真空蛍光、高周波励起ガス、マイクロ波励起ガス、冷陰極蛍光管のうちの1つである請求項1に記載の装置。
  4. 前記少なくとも1つの光源がLEDを備え、前記LEDによって発せられた光は、赤色光および青色光のうちの少なくとも一方を含む周波数帯内にある請求項3に記載の装置。
  5. 前記光反応物質を活性化させない光で前記治療領域を照射するための前記手段は、前記光反応物質を活性化させない波長を持つ光を放射するように形成された目標付け光源を備え、この目標付け光源は、前記少なくとも1つの非コヒーレント光源を活性化させて治療のための光を放射させる前に、この装置を特定の治療領域に方向付けるために用いることができるようになっている請求項1に記載の装置。
  6. 前記少なくとも1つの集光レンズは、発散レンズ、収束レンズ、全体として内側に反射するレンズのうちの1つである請求項1に記載の装置。
  7. 前記少なくとも1つの非コヒーレント光源と前記少なくとも1つの集光レンズとを患者の眼の近傍に装着する支持フレームを有するヘッドセットを更に備えている請求項1に記載の装置。
  8. 前記少なくとも1つの集光レンズは、前記治療領域が前記眼の黄斑領域に限定されるように、前記少なくとも1つの光源からの光を、眼の黄斑領域に向けて視準する請求項1に記載の装置。
  9. 前記少なくとも1つの集光レンズは、前記治療領域が前記眼の黄斑領域の一部にのみ限定されるように、前記少なくとも1つの光源からの光を、眼の黄斑領域よりも小さいサイズの領域に合焦する請求項1に記載の装置。
  10. フィルタを更に備え、このフィルタは、光反応物質の活性化周波数帯に対応する周波数帯の光を遮断する第1の部分と、光反応物質の活性化周波数帯に対応する周波数帯の光を透過する第2の部分とを備え、前記少なくとも1つの光源と眼との間に配置され、前記第2の部分のサイズおよび形状が前記治療領域のサイズおよび形状を制御する請求項1に記載の装置。
  11. 記フィルタの第2の部分の形状が眼内の疾患領域の形状に対応している請求項10に記載の装置。
  12. 前記フィルタの前記第1の部分および前記フィルタの前記第2の部分のうちの少なくとも一方は、光反応物質の活性化周波数帯に対応する周波数帯の光を透過する第1の状態から、光反応物質の活性化周波数帯に対応する周波数帯の光を遮断する第2の状態に変化することができる請求項11に記載の装置。
  13. 状態の変化は、電気的な刺激および熱的な刺激のうちの一方に応じて行なわれる請求項12に記載の装置。
  14. フィルタの前記第1の部分は、液晶材料および圧電セラミック材料のうちの一方を備えている請求項13に記載の装置。
  15. 前記少なくとも1つの光源によって発せられ且つ前記少なくとも1つの集光レンズによって合焦される光の焦点の眼内における位置は、前記少なくとも1つの光源および前記少なくとも1つの集光レンズのうちの少なくとも一方の位置を変化させることによって変えられる請求項1に記載の装置。
  16. 前記少なくとも1つの集光レンズは、焦点距離が異なる複数の集光レンズを備え、前記少なくとも1つの光源によって発せられる光の焦点の眼内における位置は、少なくとも1つの光源によって発せられる光を、前記複数の集光レンズのうちの異なる1つによって眼に伝送することにより変えられる請求項1に記載の装置。
  17. 前記少なくとも1つの集光レンズは、前記少なくとも1つの集光レンズが変形した時にその焦点が変化するような変形可能な材料から成り、前記少なくとも1つの集光レンズを変形させて焦点を変化させる手段を更に備えている請求項1に記載の装置。
  18. 前記手段は、機械的なアクチュエータ、液圧アクチュエータ、電気的なアクチュエータのうちの1つを備えている請求項17に記載の装置。
  19. 前記光反応物質を活性化させない光で前記治療領域を照射するための前記手段は、光反応物質の活性化周波数帯に対応する周波数帯の光を遮断するフィルタを備え、前記フィルタは、前記少なくとも1つの光源と眼との間の光路から外れた第1の位置と、光路内の第2の位置との間で選択的に移動できる請求項1に記載の装置。
  20. (a)前記少なくとも1つの光源は、光反応物質の活性化周波数帯に対応する周波数帯内の光を放射する第1の光源を備え
    (b)前記光反応物質を活性化させない光で前記治療領域を照射するための前記手段は、前記光反応物質の活性化周波数帯に対応する周波数帯内の光を放射しない第2の光源を備え、前記第1および第2の光源は、前記第1の光源によって放射され且つ前記少なくとも1つの集光レンズによって合焦される光の第1の焦点が、前記第2の光源によって放射され且つ前記少なくとも1つの集光レンズによって合焦される光の第2の焦点とほぼ重なるように配置され、これにより、前記第の光源が給電され且つ前記第の光源が給電されていない時には、光反応物質を活性化させることなく、第の焦点の位置が眼内の所望の治療領域へと選択的に目標付けられ、その後、第の光源が給電されると、眼内の他の領域にある任意の光反応物質を活性化させることなく、所望の治療領域の光反応物質が活性化される請求項1に記載の装置。
  21. 前記少なくとも1つの光源は、組織の深部に達することができない周波数帯の光を放射する第1の光源と、組織のほぼ深部に達することができる周波数帯の光を放射する第2の光源とを備えている請求項1に記載の装置。
  22. その内部に前記少なくとも1つの光源と前記少なくとも1つの集光レンズとが配置される眼科用スリットランプハウジングを更に備えている請求項1に記載の装置。
  23. 前記少なくとも1つの集光レンズは、患者の眼のレンズの前方に位置決めされるとともに、前記少なくとも1つの光源によって発せられた光を、患者の眼のレンズを介して合焦させるようになっている請求項1に記載の装置。
  24. 前記少なくとも1つの集光レンズは、前記少なくとも1つの光源によって発せられた光を、横眼窩経路、下眼窩経路、上眼窩経路のうちの1つに沿って経皮的に患者の眼内に合焦するべく位置決めされるようになっている請求項1に記載の装置。
  25. 光によって治療される眼疾患は、黄斑変性症および糖尿病性網膜症のうちの1つを含んでいる請求項1に記載の装置。
  26. 前記少なくとも1つの集光レンズは、焦点を選択的に変えることができるレンズを備えている請求項1に記載の装置。
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