JPH10295838A

JPH10295838A - 癌治療器

Info

Publication number: JPH10295838A
Application number: JP9109022A
Authority: JP
Inventors: Yasuo Hashimoto; 康男橋本
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1997-04-25
Filing date: 1997-04-25
Publication date: 1998-11-10

Abstract

(57)【要約】【課題】癌患者体内の癌治療にあたり、人体への侵襲が
なく、安全かつ十分な癌治療を行なうことができる癌治
療器を提供する。【解決手段】移動装置１５により、光源１３および凸レ
ンズ１４を移動させながら、光源１３から発せられた光
１３ａを、癌患者１１体内の患部１１ａに集光させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、癌患者体内の癌を
治療する癌治療器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、癌治療用の光を発する光源を
備え、その光源から発せられた光を癌患者の癌に照射し
て癌治療を行なう、いわゆる光線力学的治療（ＰＤＴ：
ＰｈｏｔｏＤｙｎａｍｉｃＴｈｅｒａｐｙ）を行な
うための癌治療器が知られている。

【０００３】この光線力学的治療により、癌患者体表
の、皮膚の表面や粘膜の表面に存在する癌を治療する場
合は、光源から発せられた光を、癌患者体外からその癌
に直接に照射する癌治療器が用いられる。一方、光線力
学的治療により、癌患者体内の、切除手術がかなり困難
な部位に発生した悪性腫瘍である頭頸部癌、肺癌、膵臓
癌、各種消化器癌、および子宮癌等を治療する場合は、
その癌患者体内の患部やその患部近傍に光ファイバを挿
入し、光源から発せられた光をその光ファイバの先端か
ら発射せしめ、その患部にまんべんなく照射することに
より癌治療が行なわれる。ここで、癌患者体内の患部や
その患部近傍に光ファイバを挿入して癌治療を行なうに
は、光ファイバを患部やその患部近傍に直接挿入し、そ
の光ファイバからの光（活性化光と称する）を患部に照
射する方法や、カテーテルの中に光ファイバが設置され
てなるカテーテル光ファイバ複合体を患部やその患部近
傍に挿入して活性化光を患部に照射する方法がある。ま
た、静脈、動脈、胆管、および気管等にカテーテル光フ
ァイバ複合体を挿入し、そのカテーテル光ファイバ複合
体を患部やその患部近傍に配置して患部に活性光を照射
する方法もある。

【０００４】癌患者に光線力学的治療を施すにあたって
は、先ず患者に、光増感剤を静脈より投与する。この光
増感剤は、光エネルギーを吸収して、細胞を破壊する活
性酸素を産生するものである。投与された光増感剤は、
当初、体の各部の細胞に吸収されるが、やがて時間の経
過とともに排泄される。排泄されるスピードは細胞の種
類によって異なる。排泄されるスピードが最も遅い組織
又は細胞は、例えば腫瘍組織、皮膚組織、肝臓、腎臓、
綱内系細胞である。従って、所望の患部に限定しその患
部に向けて光の照射を行なえば、光増感剤から活性酸素
が産生され、この活性酸素により患部の細胞が破壊され
るため、その患部の治療が可能である。しかし、今まで
開発された全ての光増感剤は皮膚組織にも貯留されるた
め、光源から発せられた光を、患者の皮膚を介して体内
の患部に照射すると、光増感剤から産生される活性酸素
により皮膚組織が損傷を引き起こす場合がある。このた
め、癌患者体内の癌を治療する場合、従前は、皮膚への
照射を避けるために癌患者体内に光ファイバ等を挿入す
る必要があった。

【０００５】これに対し、近年、光増感剤に類似してい
るものの光増感作用のない物質（以下、光増感剤類似物
質と称する）が開発されている。この光増感剤類似物質
を皮膚に塗布又は皮内注射すると、皮膚の、塗布又は皮
内注射された部分の組織に吸収されて、その皮膚組織
に、そこに貯留できる最大容量まで貯留する。この光増
感剤類似物質は光の照射をうけても活性酸素を産生せ
ず、従ってこの光増感剤類似物質が塗布又は皮内注射さ
れた皮膚組織に体外から光を照射しても、皮膚組織の損
傷は発生しない。このような光増感剤類似物質を皮膚に
塗布又は皮内注射し、その皮膚の塗布部分又は皮内注射
部分に最大容量まで貯留させた状態で光増感剤を全身に
投与すると、光増感剤は、光増感剤類似物質が塗布又は
皮内注射された皮膚部分以外の皮膚組織、腫瘍組織、肝
臓、および腎臓等には貯留されるが、光増感剤類似物質
が塗布又は皮内注射された皮膚部分には光増感剤は貯留
しない。その理由は、皮膚組織の、光増感剤又は光増感
剤類似物質の細胞１個あたりの最大吸収量には上限があ
り、光増感剤類似物質で皮膚組織の細胞が飽和されてい
る場合、光増感剤を投与しても、それらの細胞には吸収
されないためである。この場合、皮膚の一部に光過敏性
を示さない部分、すなわち光増感剤類似物質を飽和させ
た部分を人工的に作り出し、光源からの光を、癌患者体
外から、この皮膚部分を経由して体内の患部に向けて入
射することにより光ファイバ等を癌患者体内に挿入する
ことなく、治療を行なうことができる。

【０００６】近年、長波長の光によって活性酸素を産生
する光増感剤が開発された。現在、人体に使用されてい
る光増感剤の中に６９０ｎｍの波長の光によって活性酸
素を産生するものが開発されている。更に７５０ｎｍの
波長の光によって活性酸素を産生する光増感剤が開発さ
れつつある。６９０ｎｍの波長の光は、組織内における
指向性透過性にすぐれている。その理由は、光を吸収す
る主要な吸収物質であるオキシヘモグロビンの光吸収は
６９０ｎｍ前後で最も低下するためである。さらに、癌
治療器に採用する光として、連続光のかわりにパルス光
を用いた場合、光の組織深達度は２倍になり、このため
この組織深達度に対応する腫瘍破壊範囲も２倍に達す
る。例えば、光源の出力が０．４〜０．８ｗａｔｔであ
り、６３０ｎｍの連続光を用いて光線力学的治療を行な
った場合、組織深達度は７ｍｍであるが、同じ光源の出
力でパルス光の１つであるエキシマ色素レーザーを用い
た場合、組織深達度は１４ｍｍである。また、６９０ｎ
ｍの波長の光による組織深達度は６３０ｎｍの波長の光
の組織深達度の２倍に達する。光源の出力を大きくする
と、組織深達度はその出力に比例して大きくなる。例え
ば６９０ｎｍの波長で１０ｗａｔｔのパルス光ならば、
組織深達度は計算上３５ｃｍに達する。従って、６９０
ｎｍの波長のパルス光を用いると、体外の光源から体内
の腫瘍に有効な光線力学的治療を行うことができる可能
性がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】癌患者体内に存在する
癌を治療する場合、上述した、癌患者体内に光ファイバ
等を挿入して癌治療を行なう癌治療器では、活性化光が
患部に確実に照射されるが、人体には侵襲が加わる。一
方、光源から発せられた光を患者の体外から照射するこ
とを考えた場合、皮膚の一部に光増感剤類似物質を塗布
又は皮内注射することにより、光増感剤から産生される
活性酸素による皮膚の損傷は防止されるものの、その患
部を十分に治療しようとして光の出力を大きくすると、
その大きな光出力により皮膚の温度が上昇し、やはり皮
膚組織の損傷が考えられ、従って、光出力を上げて患部
を十分に治療しようとするとやはり安全性に欠けること
になる。

【０００８】本発明は、上記事情に鑑み、癌患者体内の
癌治療にあたり、人体への侵襲がなく、安全かつ十分な
癌治療を行なうことができる癌治療器を提供することを
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第１の癌治療器は、癌に罹患している癌患者を所定
の姿勢に配置する患者配置部に配置された癌患者の体内
の癌を治療する癌治療器において、（１−１）癌治療用の光を発する光源（１−２）上記光源から発せられた光を、上記癌患者体
内の患部に集光させる集光光学系（１−３）上記光源から発せられ上記患者配置部に配置
された癌患者に照射される光の強度を測定する光強度測
定器を備えたことを特徴とする。

【００１０】本発明の第１の癌治療器では、集光光学系
により、癌治療用の光源から発せられた光が、癌患者体
内の患部に集光されるため、癌患者体表の温度上昇を小
さく抑えたまま、その癌患者体内の患部を十分に治療す
ることができる。また、光強度測定器で、光源からの、
癌患者に照射する光の強度が測定されるため、癌治療に
おける適切な光強度を監視することができる。従って、
体表の損傷が防止され、安全に癌治療が実施される。

【００１１】ここで、上記光源から発せられた光が上記
患者配置部に配置された癌患者体表では移動しながらそ
の患者体内の患部を照射するように、その光源もしくは
その光源から発せられた光を移動させる移動装置を備え
たものであることが効果的である。このように、光源か
ら発せられた光を、移動装置により移動させると、癌患
者体表における光エネルギーは一層小さくなり、従って
癌患者体表の温度上昇を一層小さく抑えることができ
る。

【００１２】また、上記目的を達成する本発明の第２の
癌治療器は、癌に罹患している癌患者を所定の姿勢に配
置する患者配置部に配置された癌患者の体内の癌を治療
する癌治療器において、（２−１）癌治療用の光を発する光源（２−２）上記光源から発せられた光が上記患者配置部
に配置された癌患者の体表では移動しながらその癌患者
体内の患部を照射するように、その光源もしくはその光
源から発せられた光を移動させる移動装置（２−３）上記光源から発せられ上記患者配置部に配置
された癌患者に照射される光の強度を測定する光強度測
定器を備えたことを特徴とする。

【００１３】本発明の第２の癌治療器では、移動装置に
より、癌治療用の光源から発せられた光が癌患者体表で
は移動しながらその癌患者体内の患部を照射するため、
癌患者体表の、光源からの光による熱が分散される。従
って、癌患者体表の温度上昇を小さく抑えたまま、その
癌患者体内の患部を十分に治療することができる。ま
た、光強度測定器で、光源からの、癌患者に照射する光
の強度が測定されるため、癌治療における適切な光強度
を監視することができる。従って、体表の損傷が防止さ
れ、安全に癌治療が実施される。

【００１４】ここで、上記患者配置部に配置された癌患
者体表の、上記光源から発せられた光が照射される位置
に当てがわれる、その癌患者に照射された光の、その癌
患者体表における乱反射を低減させる光透過部材を備え
たものであることが効果的である。このような光透過性
部材を備えると、癌患者体表における乱反射光が低減さ
れる。従って、癌患者体内に光を効率良く取り込むこと
ができ、その癌患者の患部を十分に治療することができ
る。

【００１５】また、上記光源から発せられ上記患者配置
部に配置された癌患者に照射される光の、その癌患者体
表の照射領域中心部における強度が、直径１０ｍｍの円
形領域あたり０．１ｗａｔｔ以上２５００ｗａｔｔ未満
となるように調整されてなることが好ましい。癌患者体
表の照射領域中心部における光強度をこのような値に調
整すると、癌治療にあたり、癌患者体内の患部を効率よ
く適切に治療することができるとともに、体表の、光源
から発せられた光による蒸散が防止される。

【００１６】また、上記患者配置部に配置された癌患者
体表の、上記光源から発せられた光が照射される部分を
冷却する冷却手段を備えたものであることが効果的であ
る。このような冷却手段を備えると、癌患者体表の、癌
治療用の光源から発せられた光が照射される部分の温度
上昇をより小さく抑えることができ、癌患者体表におけ
る光強度の許容範囲を拡げることができる。従って、光
源から発せられた光を、その癌患者体内に、より浸透さ
せることができ、その患部をより十分に治療することが
できる。

【００１７】ここで、上記冷却手段が、上記患者配置部
に配置された癌患者体表の、上記光源から発せられた光
が照射される部分に当てがわれその患者体表を冷やす光
透過性の冷却体を有するものであることが好ましい。冷
却手段がこのような冷却体を有すると、この冷却体によ
り、癌患者体表の、光源から発せられた光が照射される
部分が冷却される。このため、光源から、より強度の光
を患部に照射することができ、癌治療を十分に行なうこ
とができる。

【００１８】また、上記冷却手段が、上記患者配置部に
配置された癌患者の、少なくとも、上記光源から発せら
れた光が照射される体表部分を水中に位置させるタンク
を有するものであることが好ましい形態である。冷却手
段がこのようなタンクを有すると、癌患者体表の、光源
から発せられた光が照射される部分を、そのタンク内の
水により十分に冷却することができる。

【００１９】さらに、上記冷却手段が、上記患者配置部
に配置された癌患者体表の、上記光源から発せられた光
が照射される部分に冷気を吹き付ける冷気吹付手段を有
するものであってもよい。冷却手段がこのような冷気吹
付手段を有すると、癌患者体表の、光源から発せられた
光が照射される部分を容易に冷却することができる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図１は、本発明の第１の癌治療器の第１実施
形態を示す図、図２は、図１に示す癌患者体内の、癌治
療器により照射された断面を示す図である。図１に示す
癌患者１１は、体内に球体の癌（以下、患部と称する）
１１ａを有する。この癌患者１１は、患者配置部１２に
所定の姿勢に配置される。患者配置部１２は、外部から
の走査により、後述する光源１３からの光が癌患者１１
の患部１１ａに集中するように、矢印で示す前後、左
右、および上下に移動される。

【００２１】光源１３は、癌治療用の光１３ａを発す
る。光源１３としては、アレキサンドライトレーザ、フ
ラッシュランプレーザ、半導体レーザ、エキシマ色素レ
ーザ、ルビーレーザ、炭酸ガスレーザ、ＹＡＧレーザ等
が用いられる。この光源１３から発せられる光１３ａの
波長は６００ｎｍ以上３００μｍ以下である。また、光
源１３から発せられる光１３ａの、図２に示す癌患者１
１の体表１１ｂの照射領域内中心部における強度は、直
径１０ｍｍの円形領域あたり０．１ｗａｔｔ以上２５０
０ｗａｔｔ未満となるように調整される。これにより、
癌患者１１体内の患部１１ａを効率よく適切に治療する
ことができるとともに、体表１１ｂの、光源１３から発
せられた光１３ａによる蒸散が防止される。

【００２２】本発明にいう集光光学系には、本実施形態
では凸レンズ１４が用いられているが、その他、フレン
ネルレンズや、後述する凹面鏡や半円柱レンズを用いて
もよい。この凸レンズ１４の直径は０．１ｍｍ以上５ｍ
以下である。この凸レンズ１４は、光源１３から発せら
れた光１３ａを、癌患者１１体内の患部１１ａに集光さ
せる。

【００２３】移動装置１５は、患部１１ａを中心とし、
その患部１１ａと凸レンズ１４の中央部との距離Ｌを半
径とする球体の球面上に沿って凸レンズ１４を移動させ
る。また移動装置１５は、この凸レンズ１４の移動に対
応して光源１３を移動させる。この移動装置１５によ
り、光源１３から発せられた光１３ａが患者配置部１２
に配置された癌患者１１の体表１１ｂでは移動しながら
その癌患者１１体内の患部１１ａを照射する。このた
め、光源１３から発せられた光１３ａは、移動装置１５
により癌患者１１の体表１１ｂでは移動しながら、かつ
凸レンズ１４により癌患者１１体内の患部１１ａに集光
される。従って、癌患者１１の体表１１ｂの温度上昇を
小さく抑えつつ、患部１１ａを十分に治療することがで
きる。

【００２４】光強度測定器１６は、患者配置部１２に配
置された癌患者１１に照射される光の強度を測定する。
この光強度測定器１６は、癌患者１１の体表１１ｂに設
置されている。この光強度測定器１６で、光源１３から
の、癌患者１１に照射する光１３ａの強度が測定され
る。これにより、光源１３からの光１３ａの総エネルギ
ー量等を知ることができ、癌患者１１の体表１１ｂの損
傷を防止することができ、癌治療を安全に行なうことが
できる。

【００２５】図３は、本発明の第１の癌治療器の第２実
施形態を示す図である。尚、図１に示す癌治療器の構成
要素と同一の構成要素には同一の符号を付して説明す
る。図３に示す癌治療器は、図１に示す癌治療器におけ
る凸レンズ１４に代わる凹面鏡３４が備えられている。
光源１３から発せられた光１３ａは光ファイバ３１を経
由して凹面鏡３４に射出される。凹面鏡３４は、光ファ
イバ３１から射出された光１３ａを反射して、その患部
１１ａに集光させる。また、この凹面鏡３４は、図示し
ない移動装置により、患部１１ａを中心とし、患部１１
ａと凹面鏡３４の中央部との距離Ｌを半径とする球体の
球面上に添って移動する。これにより、光源１３から発
せられた光１３ａは、癌患者１１の体表１１ｂでは移動
しながらその癌患者１１の患部を照射する。従って、癌
患者１１の体表１１ｂの温度上昇を小さく抑えることが
でき、患部１１ａを十分に治療することができる。また
光強度測定器１６で適切な光強度を監視することによ
り、癌治療が安全に実施される。

【００２６】図４は、本発明の第１の癌治療器の第３実
施形態を示す図である。尚、図１に示す癌治療器の構成
要素と同一の構成要素には同一の信号を付して説明す
る。図４に示す癌患者４１は、円柱状の患部４１ａを有
する。そこで、本実施形態では、図１に示す癌治療器を
構成する凸レンズ１４に代えて、この患部４１ａを照射
するのに好適な半円柱レンズ４４が備えられている。こ
の半円柱レンズ４４を図示しない移動装置により移動さ
せることにより、癌患者４１の体表４１ｂの温度上昇を
小さく抑えたまま円柱状の患部４１ａを効率よく治療す
ることができる。

【００２７】図５は、本発明の第１の癌治療器の第４実
施形態を示す図である。図５に示す癌治療器には、図１
に示す癌治療器に加え、光透過性部材５１が備えられて
いる。この光透過性部材５１の材料には、ガラスもしく
はプラスチックが用いられる。光透過性部材５１は、癌
患者１１の体表１１ｂの、光源１３から発せられた光１
３ａが照射される位置に当てがわれている。この光透過
性部材５１により、癌患者１１に照射された光１３ａ
の、その癌患者１１の体表１１ｂにおける乱反射が低減
される。このため、癌患者１１体内に、患部１１ａを照
射するための光１３ａを効率良く取り込むことができ
る。

【００２８】図６は、本発明の第１の癌治療器の第５実
施形態を示す図である。図６に示す癌治療器には、図１
に示す癌治療器に加え、冷却手段６１が備えられてい
る。この冷却手段６１は、プラスチックで形成された光
透過性の冷却体６１ａと、パイプ６１ｂと、そのパイプ
６１ｂを経由して冷却体６１ａに冷却媒体を送出する冷
却機６１ｃを有する。冷却体６１ａは、癌患者１１の体
表１１ｂの、光源１３から発せられた光１３ａが照射さ
れる部分に当てがわれている。冷却体６１ａは光透過性
のプラスチックで形成されているため、光源１３から発
せられた光１３ａは、この冷却体６１ａを透過して患部
１１ａに集光される。癌患者１１の体表１１ｂの、光１
３ａが照射される部分は、冷却体６１ａによりおよそ１
℃以上６０℃以下になるように冷却される。従って、光
源１３から発せられた光１３ａを、より強い光強度で患
部１１ａに集光させることができ、その患部１１ａをよ
り十分に治療することができる。

【００２９】図７は、本発明の第１の癌治療器の第６実
施形態を示す図である。図７に示す癌治療器には、図６
に示す冷却手段６１に代わる冷却手段７１が備えられて
いる。この冷却手段７１は、水が蓄えられたタンク７１
ａと、パイプ７１ｂと、そのパイプ７１ｂを経由してタ
ンク７１ａ内の水を冷却する冷却機７１ｃを有する。癌
患者１１の、少なくとも、光源１３から発せられた光１
３ａが照射される体表１１ｂの部分は、タンク７１ａ内
に蓄えられた水中に位置している。光源１３から発せら
れた光１３ａは、タンク７１ａ内の水を透過して患部１
１ａに集光される。癌患者１１の体表１１ｂの、光源１
３から発せられた光１３ａが照射される部分は、タンク
７１ａの水中に位置しているため、体表１１ｂの、光１
３ａが照射される部分は十分に冷却される。

【００３０】図８は、本発明の第１の癌治療器の第７実
施形態を示す図である。図８に示す癌治療器には、図７
に示す冷却手段７１に代わる冷却手段８１が備えられて
いる。冷却手段８１からは冷気が送出される。このよう
な簡単な冷却手段８１により、癌患者１１の体表１１ｂ
の、光源１３から発せられた光１３ａが照射される部分
を容易に冷却することができる。

【００３１】図９は、本発明の第２の癌治療器の第１実
施形態を示す図である。図９に示す光源９１は、癌治療
用の光ビーム９１ａを、癌患者１１体内の患部１１ａに
向けて発する。移動装置９２は、患部１１ａを中心と
し、その患部１１ａと光源９１との距離Ｌを半径とする
球体の球面上に沿って光源９１を移動させる。これによ
り、光源９１から発せられた光ビーム９１ａは、癌患者
１１の体表１１ｂでは移動しながらその癌患者１１の患
部１１ａを照射する。このため、癌患者１１の体表１１
ｂの、光源９１からの光ビーム９１ａによる熱が分散さ
れ、従って、癌患者１１の体表１１ｂの温度上昇を小さ
く抑えたまま、その癌患者１１の患部１１ａを十分に治
療することができる。また、光強度測定器位機１６で、
光源９１からの、癌患者１１に照射する光ビーム９１ａ
の強度が測定されるため、癌患者１１の体表１１ｂの損
傷もなく、癌治療を安全に実施することができる。

【００３２】図１０は、本発明の第２の癌治療器の第２
実施形態を示す図である。図１０に示す、光ビーム１０
１ａを発する光源１０１は、移動装置１０２により、回
転運動および振り子運動を行なう。光源１０１の回転運
動および振り子運動により、光ビーム１０１ａは集光レ
ンズ１０３上に分散される。分散された光ビーム１０１
ａは、集光レンズ１０３により、癌患者１１の患部１１
ａに収束される。このため、癌患者１１の体表１１ｂの
温度上昇を小さく抑えた状態で、その患部１１ａを十分
に治療することができる。

【００３３】尚、本発明の第２の癌治療器の実施形態に
おいても、本発明の第１の癌治療器の実施形態において
説明した光透過性部材や冷却手段を備え、癌治療を行な
ってもよい。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
癌患者体内の治療にあたり、人体への侵襲がなく、安全
かつ十分な癌治療を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の癌治療器の第１実施形態を示す
図である。

【図２】図１に示す癌患者体内の、癌治療器により照射
された断面を示す図である。

【図３】本発明の第１の癌治療器の第２実施形態を示す
図である。

【図４】本発明の第１の癌治療器の第３実施形態を示す
図である。

【図５】本発明の第１の癌治療器の第４実施形態を示す
図である。

【図６】本発明の第１の癌治療器の第５実施形態を示す
図である。

【図７】本発明の第１の癌治療器の第６実施形態を示す
図である。

【図８】本発明の第１の癌治療器の第７実施形態を示す
図である。

【図９】本発明の第２の癌治療器の第１実施形態を示す
図である。

【図１０】本発明の第２の癌治療器の第２実施形態を示
す図である。

【符号の説明】

１１，４１癌患者１１ａ，４１ａ患部１１ｂ，４１ｂ体表１２患者配置部１３，９１，１０１光源１３ａ光１４凸レンズ１５，９２，１０２移動装置１６光強度測定器３１光ファイバ３４凹面鏡４４半円柱レンズ５１光透過性部材６１，７１，８１冷却手段６１ａ冷却体６１ｂ，７１ｂパイプ６１ｃ，７１ｃ冷却機７１ａタンク９１ａ，１０１ａ光ビーム１０３集光レンズ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】癌に罹患している癌患者を所定の姿勢に
配置する患者配置部に配置された癌患者の体内の癌を治
療する癌治療器において、癌治療用の光を発する光源と、前記光源から発せられた光を、前記癌患者体内の患部に
集光させる集光光学系と、前記光源から発せられ前記患者配置部に配置された癌患
者に照射される光の強度を測定する光強度測定器とを備
えたことを特徴とする癌治療器。
【請求項２】前記光源から発せられた光が前記患者配
置部に配置された癌患者体表では移動しながら該患者体
内の患部を照射するように、該光源もしくは該光源から
発せられた光を移動させる移動装置を備えたことを特徴
とする請求項１記載の癌治療器。
【請求項３】癌に罹患している癌患者を所定の姿勢に
配置する患者配置部に配置された癌患者の体内の癌を治
療する癌治療器において、癌治療用の光を発する光源と、前記光源から発せられた光が前記患者配置部に配置され
た癌患者の体表では移動しながら該癌患者体内の患部を
照射するように、該光源もしくは該光源から発せられた
光を移動させる移動装置と、前記光源から発せられ前記患者配置部に配置された癌患
者に照射される光の強度を測定する光強度測定器とを備
えたことを特徴とする癌治療器。
【請求項４】前記患者配置部に配置された癌患者体表
の、前記光源から発せられた光が照射される位置に当て
がわれる、該癌患者に照射された光の、該癌患者体表に
おける乱反射を低減させる光透過部材を備えたことを特
徴とする請求項１又は３記載の癌治療器。
【請求項５】前記光源から発せられ前記患者配置部に
配置された癌患者に照射される光の、該癌患者体表の照
射領域内中心部における強度が、直径１０ｍｍの円形領
域あたり０．１ｗａｔｔ以上２５００ｗａｔｔ未満とな
るように調整されてなることを特徴とする請求項１又は
３記載の癌治療器。
【請求項６】前記患者配置部に配置された癌患者体表
の、前記光源から発せられた光が照射される部分を冷却
する冷却手段を備えたことを特徴とする請求項１又は３
記載の癌治療器。
【請求項７】前記冷却手段が、前記患者配置部に配置
された癌患者体表の、前記光源から発せられた光が照射
される部分に当てがわれ該患者体表を冷やす光透過性の
冷却体を有するものであることを特徴とする請求項６記
載の癌治療器。
【請求項８】前記冷却手段が、前記患者配置部に配置
された癌患者の、少なくとも、前記光源から発せられた
光が照射される体表部分を水中に位置させるタンクを有
するものであることを特徴とする請求項６記載の癌治療
器。
【請求項９】前記冷却手段が、前記患者配置部に配置
された癌患者体表の、前記光源から発せられた光が照射
される部分に冷気を吹き付ける冷気吹付手段を有するも
のであることを特徴とする請求項６記載の癌治療器。