JP4031568B2 - レーザ光走査鏡駆動装置およびレーザ光照射装置 - Google Patents

レーザ光走査鏡駆動装置およびレーザ光照射装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光をカテーテル等の体腔内挿入器具の円周方向へ照射するための反射・回転走査機構を備えた装置に関する。詳しくは、光化学療法により癌治療を行うための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より管腔臓器の癌や潰瘍の内視鏡的治療において光化学的治療法(photo dynamic therapy:PDT)が開発され、施行されている。
【0003】
この光化学的治療法は、特異的に癌組織に高濃度で親和性を有し、かつ光感受性を示すヘマトポルフィリン誘導体(HpD)等の物質を癌組織に注入し、同組織にアルゴンレーザやアルゴンダイレーザ等を照射することにより、癌組織のみを選択的に破壊するものである。
【0004】
光化学的治療法の適応は表在癌に限られるが、切除手術と比較して侵襲が少なく、日本においても臨床応用が行われ、早期癌の治療において実績があげられている。
【0005】
一般的に管腔臓器の癌は側壁病変として発生するので、病変部位にレーザ光を照射するには、導光ファイバの前方へではなく、側方へ照射する必要があり、この側方への照射を実現できれば有用であることも多い。この点に鑑みて、従来において、例えば「側射型ファイバープローブ」なるもの(日本臨床、45巻4号(4,1987))や「レーザ側方照射器」(特開平7ー88116)なるものが開示されている。
【0006】
これらのレーザ光照射装置は、レーザ光を側方へ照射するための手段として導光ファイバの先端にプリズムを接合して、レ−ザ光を側方に向くように屈折させる構造としたものである。この方式によれば導光ファイバから出射されたレーザ光を拡散させることなく、ビーム状態のまま保持でき、比較的良好なビームプロファイルを保つことができるという特徴があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、病変部位が管腔臓器の内壁に円周状に広がっている場合においてレーザ光の照射に求められるのは、側方への照射のみならず円周方向への照射も求められる。このような要求に対して、従来のレーザ光照射装置ではこのような制御の照射および円周方向の走査が不可能ではないまでも決して容易ではなかった。このため、従来のレーザ側方照射装置では、円周状に広がった病変に対して均一にレーザ光を照射することが困難であった。
【0008】
本発明においては、カテ−テルの円周方向に均一なレ−ザ光を照射でき、カテーテルの周囲の管腔組織の内壁に連続的に照射走査が可能なレーザ光走査鏡駆動装置およびこれを用いたレーザ光照射装置を提供することを課題とする。
【0009】
また、本発明においては、レーザ光を円周状に照射走査させるための機構を簡素でかつ小型のものとし、患者への負担が軽くかつ信頼性も高く、保守も容易なレーザ光走査鏡駆動装置およびこれを用いたレーザ光照射装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、内腔を有する長尺な挿入部と、該挿入部の先端部近傍の前記内腔内部に収納されるモータと、前記モータに取り付けられた光電変換素子とを備えてなり、該光電変換素子は前記レーザ光の一部を電力に変換し、かつ前記レーザ光の残りを反射する反射表面を有し、前記光電変換素子によって変換された電力を前記モータに供給することで前記モータの回転動作によって回転運動し、前記回転運動に伴う前記光電変換素子の反射表面の回転運動によって、前記レーザ光の残りが前記挿入部の周方向に走査されることを特徴とするレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0011】
このように構成された本発明による解決手段によれば、直流モータを回転させるためのエネルギーの伝達はレーザ光によって行われるため、導光ファイバと光電変換素子との間は機械的および電気的に非接触とすることができる。さらに光電変換素子は直流モータ本体に取り付けられて共に回転するので、電気的な電力供給のための配線は光電変換素子と直流モ−タ本体との間だけで済む。したがって直流モータの回転動作を妨げる電気配線は挿入部(カテ−テル)内に存在しない。
【0012】
さらに、光電変換素子を直流モ−タ本体に固定して、かつ直流モ−タの回転軸を通常の使い方とは逆に固定してやることによって回転運動機構が簡素でかつ信頼性も高いものとなる。加えて光電変換素子の受光面に所定の反射率の反射鏡を備えることにより、この反射鏡により反射した分のレーザ光はカテ−テルの円周方向に向かい、直流モ−タの回転に連動して順次に照射する。
【0013】
また、前記光電変換素子の反射表面に、レーザ光の反射率を調整するための反射率調整膜が設けられていることを特徴とする請求項1記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0014】
また、前記光電変換素子の反射表面はレーザ光に対して傾斜した受光面であることを特徴とする請求項1記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0015】
また、前記光電変換素子の反射表面が凹面形状を備えて前記レーザ光を所定の位置に集光させることを特徴とする請求項1記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0016】
また、内腔を有する長尺な挿入部と、該挿入部の先端部近傍の前記内腔内部に収納されるモータと、前記モータに取り付けられた光電変換素子と、前記光電変換素子の表面に配置され導光されるレーザ光の一部を透過すると共に残りを反射する反射表面を有する反射鏡と、を備えてなり、前記光電変換素子は前記レーザ光の一部を電力に変換して前記モータに供給することで前記モータの回転動作によって回転運動し、前記回転運動に伴う前記反射鏡の回転運動によって、前記レーザ光の残りが前記挿入部の周方向に走査されることを特徴とするレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
また、前記モータの回転軸が前記挿入部に対して固定されており、前記光電変換素子が前記モータ本体と共に回転することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
また、前記光電変換素子へ前記レーザ光を導光する導光ファイバを更に有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0017】
また、前記反射鏡は前記光電変換素子の導光されるレーザ光の光自体に対して傾斜した受光面である請求項5記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0018】
このように構成された本発明による解決手段によれば、反射鏡の受光面の傾斜によりレーザ光が屈折してカテーテル側方に照射される。
【0019】
また、前記光電変換素子及び前記モータの周囲に二酸化炭素を通気して、前記レーザ光の照射により発生する熱を冷却することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0020】
このように構成された本発明による解決手段によれば、レ−ザ光の照射に伴い発生する意図しない分の発熱を気体の二酸化炭素を通気してやることで冷却する、いわゆる空冷を行う。発熱部位は光電変換素子、レ−ザ光窓、直流モ−タなどであり、これらを冷却することで機構部分の寿命を延ばし、さらには発熱部分が生体組織に接触することによる火傷などを防止する。
【0021】
また、前記反射鏡の表面が凹面形状を備えて前記レーザ光を所定の位置に集光させることを特徴とする請求項5記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0022】
このように構成された本発明による解決手段によれば、導光ファイバから導光された平行光線であるところのレ−ザ光は凹面形状の球の中心に焦点を結ぶ。この焦点位置を設計の意図する位置に設けることで狙った対象部位に正確に強力なレ−ザ光照射をすることができる。
【0023】
また、前記モータの回転動作が前記レーザ光の強弱あるいは明滅の間隔の設定により制御されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置をもって解決手段とする。
【0024】
このように構成された本発明による解決手段によれば、直流モ−タの回転数の制御を行うためにレ−ザ光の強弱を制御してやることで光電変換素子の発電量を制御し、直流モ−タの回転数制御とする。
【0025】
あるいはレ−ザ光の強度は一定に保ち、レ−ザ光の発光を連続させずに制御の意図する所定の周期にて明滅させる。この明滅の周期を制御することにより直流モ−タの回転数の制御を行うことができる。
【0026】
また、請求項1ないし11のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置に内視鏡を組み合わせることにより、前記レーザ光が照射されている対象物の状態を前記内視鏡により観察可能としたことを特徴とするレーザ光照射装置をもって解決手段とする。
【0027】
このように構成された本発明による解決手段によれば、レ−ザ光照射の対象物である生体組織の状態変化を視覚的に観察しつつ光化学療法を行うことができるので、適切な照射の操作が可能となる。
【0028】
さらに他の、たとえば鉗子操作、薬剤注入、穿刺術などを同時に行う場合にも対象部位を観察できるので、容易かつ安全な操作が可能となる。
【0029】
また、請求項1ないし12のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置を備えたレーザ光照射装置であって、前記挿入部先端に備わり前記反射表面からの前記レーザ光を周方向外部へと透過する円筒形状のレーザ光窓を備え、前記レーザ光窓を交換可能としたことを特徴とするレーザ光照射装置をもって解決手段とする。
【0030】
このように構成された本発明による解決手段によれば、長時間のレーザ照射によりレーザ光窓に付着した汚れや熱による焦げかすが取れなくなった場合に、レーザ光窓自体を交換可能としておくことで、容易に光透過性の良好な初期性能を得ることができる。
【0031】
また、前記レーザ光窓の所定の部位にレーザ光非透過手段を備え、照射不要な部位に前記レーザ光が照射されないようにしたことを特徴とする請求項13に記載のレーザ光照射装置をもって解決手段とする。
【0032】
このように構成された本発明による解決手段によれば、レーザ照射が不要な生体部位になされることを防止でき、内視鏡などと併用する場合にはレ−ザ光が直接に内視鏡先端部のレンズへ入射しないように保護するために、レンズ方向に面したレーザ光窓部分のみを遮蔽する。またレーザ照射により機能劣化の可能性がある術具などを用いる場合においても、その術具方向のレーザ光窓部分を遮蔽することで、効果的に保護ができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1は、本発明に係るレーザ光照射装置の構成を説明するための図である。
【0035】
図1に示すレーザ光照射装置は、内視鏡200の導中部201の内部にチャンネル202を設け、このチャンネル202に長尺な挿入部であるカテーテル100が挿入されており、このカテーテル100は術者の操作により自在な前後動が可能である。
【0036】
この、レーザ光照射装置は直流モータ102と光電変換素子20と反射率調整膜40とを備えたレーザ走査鏡駆動装置を有している。
【0037】
このカテーテル100の先端部分の内腔には直流モータ102が収納されており、さらにこの直流モータ102の本体底部には光電変換素子20が所定の角度をもって取り付けられている。なお、本実施の形態では本体直径4mmの大きさの直流モータ102を使用し、また、カテーテル100の外径は直径6mmの場合を例に説明している。
【0038】
直流モータ102の回転軸101は、カテーテル100の最先端内部に固定されており、回転軸101はカテーテル100の長手方向の中心軸上に位置して同軸にされている。この直流モータ102に電力が供給されて駆動を開始すると、本体底部に取り付けられた光電変換素子20ごと、回転軸101を中心としてモータ本体の方が回転動作を行う。なお、直流モータ102が回転動作を行うための電力は光電変換素子20により供給されており、この電力供給のための電気配線が光電変換素子20と直流モータ102との間に設けられている。
【0039】
一方、カテーテル100の先端部にはレーザ光窓30が装着されており、レーザ光21の透過性および耐熱性とを考慮して石英で作製されている。このレーザ光窓30は円筒形状に成形されており、このレーザ光窓30の内腔に光電変換素子20が位置している。光電変換素子20の受光面で反射されたレーザ光21は、レーザ光窓30を透過し、管腔臓器の内壁の病変部位に照射される。
【0040】
以上に述べた構成において、カテーテル100の最先端部と直流モータ102は、回転軸101により連結されている。この物理的な接触固定部分のみでカテーテル100と直流モータ102は接点を持つのみであり、直流モータ102の回転に必要なエネルギーはレーザ光21のエネルギーとして非接触で供給される。このため、直流モータ102の回転動作が、従来の構造において必要であった電力供給のための電気配線等によって妨げられることがない。
【0041】
直流モータ102の回転に必要なエネルギーはレーザ光21より全て得ることから、この直流モータ102の回転数の制御も当然にレーザ光21の明滅あるいは強弱によって制御することが可能である。
【0042】
本発明のレーザ光走査鏡駆動装置においては、例えばレーザ光21の出力を弱くしてやることで直流モータ102の回転数を遅くすることができる。また停止させつつレーザ光21の照射も同時に行いたい場合には、直流モータ102が回転動作を開始する寸前の弱いレーザ光21によって実現される。
【0043】
また、直流モータ102のその他の回転数制御の方法としては、レーザ光21の強度は一定としておき照射/非照射動作をさせて、その明滅の間隔を制御することによっても直流モータ102の回転を制御することができる。ある単位時間当りの照射時間の合計が大きければ大きいほど直流モータ102へ供給される電力は大きなものとなるので、回転数は上昇する。
【0044】
また、直流モータ102の回転動作が開始される寸前の電力になるように明滅の間隔を制御するならば、照射されるレーザ光21の強度は高いままで回転のみが行われない状態を作り出すことができる。
【0045】
また、電気配線を外部装置からカテーテル100の内部を経由して直流モータ102に接続する必要がないので、良好な電気絶縁性が保てる構造となり、医療機器に求められる高度な電気的安全性が達成できる。
【0046】
光電変換素子20は、受光面が導光ファイバ10から出射されたレーザ光21の光軸に対して斜め(実施の形態においての例は入射角60度)になるように直流モータ102に取り付けられている。
【0047】
この取り付けられた光電変換素子20は、その受光面が平面に形成されているが、例えばこの受光面を凹面にすることにより導光ファイバ10から導光された平行光線であるところのレ−ザ光21は凹面形状の球の中心に焦点を結ぶ。この焦点位置を設計の意図する位置に設けることで狙った対象部位に正確に強力なレ−ザ光照射をすることができる。また、逆に凸面形状とすれば、広い範囲にレーザ光21を照射することもできる。
【0048】
導光ファイバ10からのレーザ光21(例えば出力30Wのアルゴンレーザまたはアルゴンダイレーザ)の大部分は、受光面で反射され、側方に照射されるが、一部(例えば0.3W)は光電変換素子20内部のpn接合部に達し、電力に変換される。
【0049】
光電変換素子20の変換効率は約20%であることから、直流モータ102の駆動に十分な約60mWの電力が得られる。
【0050】
なお、光電変換素子20の受光面は、反射率を適切なものとするために、反射率調整膜40を被覆してある。反射率調整膜40として、シリコン酸化膜あるいはそれ相当のシリコン窒化膜を製膜した。シリコン酸化膜とシリコン窒化膜を適当な厚さで積層しても良い。受光面に対するレーザ光21の入射角とレーザ光21の波長に応じて、適当な反射率となる厚さの反射率調整膜40を用いればよい。
【0051】
また、反射率調整膜40の代わりに、光電変換素子20の受光面にビームスプリッタ等の反射鏡を設けても良い。
【0052】
この反射率は直流モータ102を駆動する電力を発生するために光電変換素子20へ取り込む必要のあるエネルギー量と入射するレーザ光21のエネルギー量の割合で定まるもので、本実施の形態では反射率は99%とした。
【0053】
光電変換素子20の作製法は、公知の技術によるものであるが、主な材料として単結晶半導体、例えばp型シリコンを基板としたものが高い変換効率が得られることから好適に用いられる。
【0054】
p型シリコン基板の一方の面(表面)の、例えば直径2mm程度の領域にn型不純物(ドナー)、例えばリンが、表面濃度が1×1019cm-3になるように選択的に拡散され、拡散深さ約1μmでn+ 型シリコンの領域が形成されている。すなわち、基板のp型シリコンとn+ 型シリコンの境界にpn接合が形成されることになる。
【0055】
このn+ 型シリコンの領域を受光面としてレーザ光21を照射すると、電力が発生するしくみである。
【0056】
なお、導光ファイバ10の端面から出射されたレーザ光21は、光電変換素子20の受光面(兼反射鏡)で大部分が反射され、病変部位へ照射されるほか、直流モータ102を駆動するためのエネルギーとしても用いられるわけであるが、ごく一部は、光電変換時の損失やカテーテル100の内壁での反射分が内部へ戻ってくるため、最終的には熱に変わる。
【0057】
この発熱による直流モータ102の損傷や光電変換効率の低下、カテーテル100の先端部の損傷等を防止するため、本実施の形態では本装置の周囲に二酸化炭素12を導入して冷却できるようにした。二酸化炭素12は導光ファイバ10に沿って設けられたカテーテル100の給気ルーメン14を介して導入され、レーザ光走査鏡駆動装置内を冷却した後、同じく導光ファイバ10に沿って設けられたもう一つの排気ルーメン13を介して外部に戻される。本装置の冷却に用いた二酸化炭素12は、カテーテル100の内部を流通するのみであり、カテーテル100の先端から外部に漏れ出ることはない。
【0058】
図2は、本発明に係るレーザ光照射装置の体腔内への挿入状態を説明するための図である。本図においては体内の管腔臓器への適用例として、内視鏡200を肛門1より挿入して、直腸壁2の内壁面に生じた病変部位3に対して光化学的治療法を行っている。
【0059】
この図2に示すように、本装置を内蔵したカテーテル100を内視鏡200と組み合わせることにより、病変部位へのレーザ光21の照射状態をレンズ50の視野角θの範囲内において観察しながら用いることも可能である。レーザ光21は反射鏡40の作用により斜め前方に照射されるので、乱反射などによる予期しない強力なレーザ光21が内視鏡200のレンズ50へ直接に入射することはないので、内視鏡200の視野角θを妨げることがない。
【0060】
また、内視鏡200などと併用する場合の、レンズ50へのレーザ光21の入射防止策の他の例として、レーザ光窓30のうちレンズ50に面した側のみを遮蔽する。この遮蔽手段は図示しない、例えば艶消し黒色の金属板などにより製作され、レーザ光窓30の所定部分のみに設置される。さらには、固定された遮蔽手段に代えてレーザ光21を自在に透過/非透過に切り替え可能な遮蔽手段によっても可能である。
【0061】
以上述べた本発明のレーザ光照射装置によれば、食道や直腸、他の消化器官等の管腔臓器の内壁に周状に発生した癌患部に対して容易にレーザ光21を照射する事ができ、効率的な光化学的治療法の実施に役立てることが可能となる。
【0062】
なお、以上説明した実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0063】
例えば、本実施の形態の例では、光電変換素子20として高い効率が得られる単結晶半導体を用いたものを採用したが、直流モータ102の駆動に十分な電力が発生できればこれに限らず、多結晶半導体やアモルファス半導体、化合物半導体あるいは半導体以外の材料を用いたものであってもかまわない。
【0064】
また、光電変換素子20の受光面を反射鏡40としても利用するしくみにしたため、光電変換素子20は、直流モータ102の底面に対して傾けて取り付ける構造とした。しかし、光電変換素子20を直流モータ102の底面に対して水平に取り付け、光電変換素子20の受光面上に直角プリズムを載せ、この直角プリズムを反射鏡として利用しても、本発明の効果が得られる。
【0065】
また、本実施の形態においては内視鏡200との組み合わせの例に基づいて本発明のレーザ光走査鏡駆動装置を説明したが、内視鏡200に限らずに超音波プローブとの組み合わせでも本発明の効果が得られる。
【0066】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、直流モータを回転させるためのエネルギーの伝達はレーザ光によって行われるため、導光ファイバと光電変換素子との間は機械的および電気的に非接触とすることができる。さらに光電変換素子は直流モータ本体に取り付けられて共に回転するので、電気的な電力供給のための配線は光電変換素子と直流モ−タ本体との間だけで済む。
【0067】
このため、電気的に本体装置は、外界と絶縁されているので電気的な安全性を達成することができる。
【0068】
また回転運動機構が簡素でかつ信頼性も高いものとなる。加えて光電変換素子の受光面に所定の反射率の調整膜又は反射鏡を備えることにより、この反射率調整膜又は反射鏡により反射した分のレーザ光はカテ−テルの円周方向に向けて順次に照射させることができる。
【0069】
また、本発明によれば、反射鏡の受光面の傾斜によりレーザ光が反射してカテーテル側方に照射できる。
【0070】
また、本発明によれば、発熱部位である光電変換素子、レ−ザ光窓、直流モ−タなどを冷却することで機構部分の寿命を延ばし、さらには発熱部分が生体組織に接触することによる火傷などを防止することができる。
【0071】
また、本発明によれば、導光ファイバから導光されたレ−ザ光を凹面形状の球の中心に焦点させることができ、この焦点位置を設計の意図する位置に設けることで狙った対象部位に正確に強力なレ−ザ光照射をすることができる。
【0072】
また、本発明によれば、直流モ−タの回転数の制御を行うためにレ−ザ光の強弱を制御してやることで光電変換素子の発電量を制御し、直流モ−タの回転数制御を行うことができる。
【0073】
あるいはレ−ザ光の強度は一定に保ち、レ−ザ光の発光を連続させずに制御の意図する所定の周期にて明滅させ、この明滅の周期を制御することにより直流モ−タの回転数の制御を行うことができる。
【0074】
また、本発明によれば、レ−ザ光照射の対象物である生体組織の状態変化を視覚的に観察しつつ光化学療法を行うことができるので、適切な照射の操作が可能となる。
【0075】
また、本発明によれば、長時間のレーザ照射によりレーザ光窓に付着した汚れや熱による焦げかすが取れなくなった場合に、レーザ光窓自体が交換可能なので、容易に光透過性の良好な初期性能を得ることができる。
【0076】
また、本発明によれば、レーザ照射が不要な生体部位になされることを防止でき、内視鏡などと併用する場合にはレ−ザ光が直接に内視鏡先端部のレンズへ入射しないように保護するために、レンズ方向に面したレーザ光窓部分のみを遮蔽することができる。
【0077】
またレーザ照射により機能劣化の可能性がある術具などを用いる場合においても、その術具方向のレーザ光窓部分を遮蔽することで、効果的に保護ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレーザ光照射装置の構成を説明するための図である。
【図2】 本発明に係るレーザ光照射装置の体腔内への挿入状態を説明するための図である。
【符号の説明】
10…導光ファイバ
11…通気路
12…二酸化炭素
13…排気ルーメン
14…給気ルーメン
20…光電変換素子
21…レーザ光
30…レーザ光窓
40…反射鏡
100…カテーテル
101…回転軸
102…直流モータ
200…内視鏡
θ…視野角

Claims (14)

  1. 内腔を有する長尺な挿入部と、該挿入部の先端部近傍の前記内腔内部に収納されるモータと、前記モータに取り付けられた光電変換素子とを備えてなり、
    該光電変換素子は前記レーザ光の一部を電力に変換し、かつ前記レーザ光の残りを反射する反射表面を有し、前記光電変換素子によって変換された電力を前記モータに供給することで前記モータの回転動作によって回転運動し、前記回転運動に伴う前記光電変換素子の反射表面の回転運動によって、前記レーザ光の残りが前記挿入部の周方向に走査されることを特徴とするレーザ光走査鏡駆動装置。
  2. 前記光電変換素子の反射表面に、レーザ光の反射率を調整するための反射率調整膜が設けられていることを特徴とする請求項1記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  3. 前記光電変換素子の反射表面はレーザ光に対して傾斜した受光面であることを特徴とする請求項1記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  4. 前記光電変換素子の反射表面が凹面形状を備えて前記レーザ光を所定の位置に集光させることを特徴とする請求項1記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  5. 内腔を有する長尺な挿入部と、該挿入部の先端部近傍の前記内腔内部に収納されるモータと、前記モータに取り付けられた光電変換素子と、前記光電変換素子の表面に配置され導光されるレーザ光の一部を透過すると共に残りを反射する反射表面を有する反射鏡と、を備えてなり、
    前記光電変換素子は前記レーザ光の一部を電力に変換して前記モータに供給することで前記モータの回転動作によって回転運動し、前記回転運動に伴う前記反射鏡の回転運動によって、前記レーザ光の残りが前記挿入部の周方向に走査されることを特徴とするレーザ光走査鏡駆動装置。
  6. 前記モータの回転軸が前記挿入部に対して固定されており、前記光電変換素子が前記モータ本体と共に回転することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  7. 前記光電変換素子へ前記レーザ光を導光する導光ファイバを更に有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  8. 前記反射鏡は前記光電変換素子の導光されるレーザ光の光自体に対して傾斜した受光面である請求項5記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  9. 前記光電変換素子及び前記モータの周囲に二酸化炭素を通気して、前記レーザ光の照射により発生する熱を冷却することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  10. 前記反射鏡の表面が凹面形状を備えて前記レーザ光を所定の位置に集光させることを特徴とする請求項5記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  11. 記モータの回転動作が前記レーザ光の強弱あるいは明滅の間隔の設定により制御されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置。
  12. 請求項lないし11のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置に内視鏡を組み合わせることにより、前記レーザ光が照射されている対象物の状態を前記内視鏡により観察可能としたことを特徴とするレーザ光照射装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載のレーザ光走査鏡駆動装置を備えたレーザ光照射装置であって、前記挿入部先端に備わり前記反射表面からの前記レーザ光を周方向外部へと透過する円筒形状のレーザ光窓を備え、前記レーザ光窓を交換可能としたことを特徴とするレーザ光照射装置。
  14. 前記レーザ光窓の所定の部位にレーザ光非透過手段を備え、照射不要な部位に前記レーザ光が照射されないようにしたことを特徴とする請求項13に記載のレーザ光照射装置。
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