JPH08103508A - 癌治療器 - Google Patents

癌治療器

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JPH08103508A
JPH08103508A JP6241075A JP24107594A JPH08103508A JP H08103508 A JPH08103508 A JP H08103508A JP 6241075 A JP6241075 A JP 6241075A JP 24107594 A JP24107594 A JP 24107594A JP H08103508 A JPH08103508 A JP H08103508A
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emitting diodes
light emitting
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pulse
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Yasuo Hashimoto
康男 橋本
Noboru Yamaguchi
登 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、癌や腫瘍の治療に用いられる癌治療
器に関し、安価かつ小型の光源を備える。 【構成】配列された複数個の発光ダイオード、これら複
数個の発光ダイオードをパルス駆動するパルス駆動回
路、およびこれら複数個の発光ダイオードから発せられ
た光を、活性化光として、光ファイバに入射する入射光
学系を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、癌や腫瘍の治療に用い
られる癌治療器、詳細には、例えば、切除手術がかなり
困難な部位や臓器等に発生した癌や腫瘍、たとえば膵臓
癌、肺癌、脳腫瘍、脳幹部や脊椎の癌、大動脈近傍の癌
などの、光治療法による治療に用いられる癌治療器に関
し、特にその光源に特徴を有する癌治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】現在癌は人類に残された最も恐ろしい病
気の一つであり、その根本原因の解明も治療法も発展途
上の段階にある。現在有効とされる代表的治療法として
外科的切除法、放射線療法、抗癌剤療法の3つがあり、
これらが最もよく用いられている。
【0003】このうち外科的切除法は最も効果的な根治
法であり一番多く採用されているが、この方法を採るこ
とのできない身体深部の悪性腫瘍に対しては放射線療法
と抗癌剤療法が併用して用いられることが多い。しかし
ながら、これら放射線療法や抗癌剤療法はいずれも強力
な副作用を伴うことが多く、かつ完全治癒率も外科的切
除法に比してかなり低く、再発の恐れが多いのが現状で
ある。
【0004】そこで近年副作用のない物理療法による癌
治療法の研究が精力的に進められており、その代表的な
方法として熱治療法と光増感剤を用いる光治療法があげ
られる。熱治療法は癌細胞を過熱したり冷却したりする
ことにより死滅させる方法であり、例えば、周辺正常細
胞のダメージが比較的小さい、体温より+5℃高い温度
に癌細胞を一定時間保つことだけでも大きな治療効果が
あることが報告されている。
【0005】一方、光治療法は、光増感剤を吸収した細
胞に特定波長の活性化光を照射すると、光増感剤が光エ
ネルギーを吸収して、細胞を破壊する活性化酸素を発生
させるというメカニズムに基づくものであり、光増感剤
を注入した後の光増感剤の排泄率が、正常細胞に比して
癌細胞の方が1/3以下(約1/5)と非常に低いとい
う事実を利用している。
【0006】後述する本発明は、この光治療法を対象と
しており、以下、この光治療法について詳述する。図6
は、光増感剤の1つであるATX−S10を体内に注入
した時点を起点とした経過時間に対する、細胞内に残存
するATX−S10の相対濃度を表わしたグラフであ
る。グラフPNは正常細胞内の残存濃度、グラフPCは
癌細胞内の残存濃度である。
【0007】患部への光増感剤の直接注射や静脈注射等
により、患部及びその周辺の細胞に増感剤を充分注入し
た後適当な待機時間(約3時間後)を経ると、正常細胞
は光増感剤を既に大半排泄しているのに対し、癌細胞内
には光増感剤の大半がとどまっている状態(光治療可能
状態)が出現する。この光治療可能状態にて特定波長の
活性化光を照射すると、光増感剤が大半とどまる癌細胞
内で、細胞を破壊する活性化酸素が活発に発生し、光増
感剤の大半を排泄した正常細胞内では活性化酸素はほと
んど発生せず、癌細胞が選択的に死滅する状況となる。
【0008】1回の光増感剤注入後の光治療可能状態の
持続時間(光治療有効期間)は、増感剤注入後約3時間
後に始まり、癌細胞が増感剤の大半を排泄し終る約14
時間後に終了する。尚、図6は、ATX−S10の例で
あり、光増感剤の種類により、光増感剤を注入した後の
待機時間、光治療有効期間は一桁程度変動する。この治
療の要点は、この光治療有効期間内に患部に満遍なくで
きるだけ均一に活性化光を当て続けることと、細胞を死
滅させる活性化酸素の細胞内濃度を、正常細胞内ではそ
の正常細胞の死亡率が許容限度内の非常に低い値にとど
まり、かつ癌細胞内ではその癌細胞の死亡率が100%
近い値となるように照射光量を制御することである。
【0009】患部に活性化光を当てるには、従来光ファ
イバを直接患部に挿入しその光ファイバを経由して活性
化光を送り込んでいた。しかしこの方法では、 (a)治療中光ファイバを移動できないため、照射領
域、即ち治療範囲が非常に狭く限定されてしまう。 (b)光ファイバの先端から全方向に光を照射するため
には、その光ファイバの先端を、例えば円錐形にカット
する必要があり、加工が難しいため、光ファイバーが非
常に高価なものとなってしまう。 (c)治療を繰り返し行うにはその都度光ファイバを挿
入し直す必要があり、患者、医師とも負担が大きい。 (d)治療範囲が狭いので大きな癌や腫瘍を根治するこ
とは非常に難しい。 (e)治療前の光ファイバの消毒と、治療後の光ファイ
バの再消毒もしくは廃棄処理が必要で、光ファイバは普
通1m以上の長さを必要とし複合素材なので消毒や廃棄
はかなり厄介であり、使い勝手が悪い。 という問題がある。
【0010】上記の事実に鑑み、本発明者らは、患部に
広範囲に活性化光を照射して大きな光治療の効果を上げ
ることができ使い勝手も良好な癌治療器を提案した(特
願平6−051950号参照)。以下、上記提案の内容
について説明する。図7は、上記提案にかかる癌治療器
の一例を示す模式的構成図である。
【0011】この癌治療器10には、使い捨てタイプの
チューブ11が備えられており、その先端部11aが患
者の体内の癌ないし腫瘍のある患部に差し込まれる。こ
のチューブ11は、例えばポリアセタールで作られてお
り、外径が約1mm程度のものである。またこの癌治療
器10には、光ファイバ12が備えられており、第1の
リール13および第2のリール14に巻回され、それぞ
れ固定具13a,14aにより、第1のリール13およ
び第2のリール14に固定されている。光ファイバ12
の、第2のリール14側の先端部12aはチューブ11
内に挿通され、チューブ11の先端部11aにまで達し
ている。また光ファイバ12の入射端12bは、レーザ
光源15に接続されている。レーザ光源15からは、活
性化光として使用される波長のレーザ光が発せられ、光
ファイバ12の入射端12bから光ファイバ12内に入
射される。このレーザ光源15は、可変光量のレーザ光
を発することができるものであり、その光量は、図示し
ない制御回路により、時間の経過とともに可変される。
詳細については後述する。光ファイバ12内に入射した
レーザ光はその光ファイバ12の内部を伝搬し、チュー
ブ11に挿通された先端から射出される。
【0012】第1のリール13は、トルクモータ16の
軸16aと連結されており、トルクモータ16により、
図示の矢印A方向に付勢されている。また、第2のリー
ル14には、雄ネジが刻設されたロッド17が固定され
ており、そのロッド17は、固定軸受18と螺合し、カ
ップリング19を介して可逆モータ20の軸20aと連
結されている。固定軸受18は、図示しない基体等に固
定されている。可逆モータ20は、正転、逆転の双方の
回転が可能なモーターであり、図示しないガイド部材に
より、モータ本体の回転は阻止され、かつモータ全体が
前後(図7の左右)に移動自在にガイドされている。
【0013】可逆モータ20が正転すると、ロッド17
が正転し、このロッド17は固定軸受18と螺合してい
るため、可逆モータ20とともに前進し、第2のリール
14を回転させながら前進させる。このとき、第2のリ
ール14は、第1のリール13に巻回された光ファイバ
12を引っ張って第2のリール14に巻回させ、一方光
ファイバ12の先端部12aをチューブ11内に押し込
みながら、その光ファイバ12を、その光ファイバ12
の長手方向を軸として正方向に回転させる。また、可逆
モータ20が逆転すると、ロッド17が逆転しながら後
退し、光ファイバ12の、第2のリール14に巻回され
ていた部分が巻き戻されて第1のリール13に巻き取ら
れ、光ファイバ12の先端部12aは逆方向に回転しな
がらチューブ11から抜き取られる方向に移動する。可
逆モータ20をコントロールする図示しない制御回路に
はタイマが備えられており、そのタイマがタイムアップ
するたびに可逆モータ20が正転、逆転を繰り返し、こ
れにより、光ファイバ12の先端部12aがチューブ1
1内で周期的な往復運動および回転運動を繰り返す。
【0014】尚、ここでは、光ファイバ12の先端部1
2aに、往復運動と回転運動との双方を与える例を示し
たが、例えば固定軸受を取り外し、可逆モータ20を固
定すれば光ファイバ12の先端部12aは回転運動のみ
行なうことになり、また、固定軸受18を取り外し、さ
らにカップリング19に代えて可逆モータ20の軸20
aの回転運動を直線運動に変換するギア構造等を介して
ロッド17と可逆モータ20の軸20aとを連結すれば
光ファイバ12の先端部12aに、チューブの長手方向
への往復運動のみを与えることもできる。
【0015】図7に示す癌治療器10を使用するにあた
っては、患部に光増感剤を注入し、患部にチューブ11
を差し込み、光ファイバ12の先端部12をチューブ内
に挿通し、所定の待機時間の経過を待って運転が開始さ
れる。図8は、患部30に差し込まれたチューブ11の
先端部11aと、そのチューブ11に挿通された光ファ
イバ12の先端部12aを示した部分拡大図である。
【0016】チューブ11の先端部11aのさらに先端
11cは体液が内部に浸入しないように閉じており、こ
のチューブ11の先端部11aに挿入された光ファイバ
12の先端部12aのさらに先端には、図示のように斜
めにカットされた先端面12cを有している。光ファイ
バ12の内部を伝搬してきたレーザ光は、先端面12c
で反射されてチューブ12の側面から射出され、患部3
0に照射される。
【0017】図9は、光ファイバ12の動きによるレー
ザ光の照射域の変化を示した図である。図9(A)の状
態では患部30の一部領域30aにレーザ光が照射さ
れ、光ファイバ12の先端部12aが回転しながらチュ
ーブ11から引き抜かれる方向に移動すると、図9
(B)に示すように患部30の別の一部領域30bにレ
ーザ光が照射され、光ファイバ12の先端部12aがさ
らに回転,移動し、図9(C)の状態になると、患部3
0のさらに別の一部領域30cにレーザ光が照射され
る。このようにして、光ファイバ12の先端部12aが
チューブ11内を往復,回転することにより、患部30
の全領域に亘ってレーザ光がまんべんなく繰り返し照射
される。
【0018】図10は、患部30に2本のチューブ11
が差し込まれ、さらにヒートパイプ40が差し込まれた
状態を示す図である。患部30の寸法が大きい場合、図
示のように複数本のチューブ11を差し込み、複数本の
光ファイバ12からレーザ光を射出させて、一回の治療
で患部30の全域にレーザ光が照射されるようにしても
よい。また、レーザ光を照射し続けると、患部30が熱
をもち、この熱を下げたい場合は図示のようにヒートパ
イプ40を患部30に挿入し、患部30を冷やしてもよ
い。または、ヒートパイプ40により患部30をさらに
加熱し、光治療法とともに、前述した熱治療法を併用し
てもよい。
【0019】図11は、本発明の癌治療器の他の実施例
の、チューブ及び光ファイバの先端部を示した部分拡大
図である。チューブ11の先端11cは口が開いてお
り、その口に散乱体21が嵌め込まれて固定され、その
口を塞ぐ栓の役割りを担っている。この散乱体21、お
よびチューブ11は、いずれもポリアセタールを材料と
している。また、チューブ11の内部には光ファイバ1
2が差し込まれている。この光ファイバ12はチューブ
11に挿抜自在であることが好ましいが、治療の際は、
光ファイバ12はチューブ11の内部の所定位置に配置
され、移動や回転は行なわれない。
【0020】光ファイバ12の先端面12cは垂直にカ
ットされており、また散乱体21の後端面21aも、光
ファイバ12の先端面12cと向き合うように形成され
ており、光ファイバ12の先端面12cから射出された
レーザ光は、その一部が散乱体21の後端面21aで反
射してチューブ11から射出され、他の一部は散乱体2
1の内部を通ってチューブ11の側面ないし散乱体21
の先端から射出される。このような簡単な構成で、この
先端からほぼ全方向に向けてレーザ光が射出される無指
向性の光源が実現する。この光源は、患部にチューブを
挿入し、そのチューブ内に光ファイバを挿通し静止させ
た状態で、全方位にレーザ光を照射することができ、特
に、患部の寸法が小さい場合に有効である。
【0021】図12は、本発明の癌治療器のもう一つの
実施例の、光ファイバの先端部及び射出された光の広が
る様子を示した図である。光ファイバ12の先端面12
cは、垂直にカットされているが、その先端面12cは
ヤスリで粗研摩されており、その先端面12cから射出
されるレーザ光は、先端面12cから10cm進んだ位
置の光束の径DがD≧2cmとなるように広がって射出
される。
【0022】このようにレーザ光が広がって射出される
ように先端面12cが加工された光ファイバ12をチュ
ーブ内に挿入し、患部が小さい場合は静止させたまま、
大きい患部の場合はチューブ内を往復運動させながら患
部にレーザ光が照射される。図13は、チューブ先端部
を示した拡大図である。図13(A)では、先端の閉じ
たチューブ11の先端部が針状に尖った形状に加工され
ており、図13(B)では、先端の口が開いたチューブ
11に栓22が嵌め込まれ、その栓を含めた先端部が針
状に尖った形状に加工されている。尚、図13(B)の
一点鎖線は加工前の形状を示している。このようにチュ
ーブ11の先端部を尖らせることにより、チューブ11
を患部にスムーズに差し込むことができる。
【0023】尚、チューブ11の先端部は、円錐状に尖
がらせる必要はなく、単純な斜めカットあるいは例えば
三角錐状のカット等、安価な加工法を採用したもので十
分である。図14は、レーザ光源15(図7参照)で発
せられるレーザ光の光量の時間変化の一例を示すグラフ
である。
【0024】図6に示す光治療有効期間内の初期は正常
細胞中にも光増感剤がまだある程度残存しているため、
弱めの光量で発光させ、時間が経過し、正常細胞から光
増感剤が排泄されるに従って光量を増加させる。こうす
ることによって、正常細胞への害を最小限に押えつつ、
最大の治療効果をあげることができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
た癌治療器においては、強力かつ光増感剤に適合した波
長の光を発する光源が必要であり、さらに、ON周期の
短いパルス状の光(例えばパルス幅100μsec以下
で周期10KHz以上の光)がより有効であることか
ら、その光源としては、例えばエキシマレーザが適切で
あると考えられている。
【0026】しかし、エキシマレーザは、例えば事務机
2つ程度ないしそれ以上の設置スペースを必要とし、か
つ極めて高価(例えば3〜4千万円程度)であり、これ
では、上述の治療法が極めて有効な治療法であってもそ
の治療器を広く普及させるのが難しいという問題があ
る。本発明は、上記事情に鑑み、特に光源を工夫するこ
とによってコストの低減化が図られた癌治療器を提供す
ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の癌治療器は、先端側が被治療体内に差し込ま
れる、先端が閉じたチューブと、先端側がチューブ内に
配置される光ファイバとを備えたカテーテル型の挿通
体、および所定の活性化光を発光し、この活性化光を上
記光ファイバに入射する光源を具備する癌治療器であっ
て、上記光源が、 (1−1)配列された複数個の発光ダイオード (1−2)これら複数個の発光ダイオードをパルス駆動
するパルス駆動回路 (1−3)これら複数個の発光ダイオードから発せられ
た光を、活性化光として、上記光ファイバに入射する入
射光学系 を備えたことを特徴とする。
【0028】上記目的を達成する本発明の第2の癌治療
器は、先端側が被治療体内に差し込まれる、先端が閉じ
たチューブと、先端側がチューブ内に配置される第1の
光ファイバとを備えたカテーテル型の挿通体、および所
定の活性化光を発光し、この活性化光を上記第1の光フ
ァイバに入射する光源を具備する癌治療器であって、上
記光源が、 (2−1)配列された複数個の発光ダイオードと、これ
ら複数個の発光ダイオードから発せられた光が入射され
る第2の光ファイバと、これら複数個の発光ダイオード
から発せられた光を第2の光ファイバに入射する第1の
入射光学系とを備えた発光ユニットを複数備えるととも
に、 (2−2)これら複数の発光ユニットの第2の光ファイ
バから射出された光を上記第1の光ファイバに入射する
第2の入射光学系を備え、さらに (2−3)これら複数の発光ユニットに亘る複数個の発
光ダイオードをパルス駆動するパルス駆動回路を備えた
ことを特徴とする。
【0029】ここで、上記本発明の第1ないし第2の癌
治療器において、上記発光ダイオードが1つのパッケー
ジに複数個封入されていることが好ましく、さらには、
上記発光ダイオードが1つの半導体チップ上に複数個形
成されていることが好ましい。また、複数の発光ユニッ
トの発光ダイオード及び前記パルス駆動回路を1つの基
板上に形成することも好ましい形態である。
【0030】
【作用】従来は、癌治療器用光源として、強力な光を発
する光源を得る観点から、もっぱらレーザ光源が検討さ
れているが、レーザ光源で十分な強度のパルス光を得よ
うとすると例えばエキシマレーザのような大型かつ高価
なレーザ光源等が必要となる。複数個の、半導体レーザ
から射出されたレーザ光を重ね合わせることも考えられ
るが、半導体レーザは通常連続発振光源なので100μ
sec以下の短い強力な尖頭パルスを効率よく得るには
不向きである。また所要の光量の光を得ることができる
程度の多数個の半導体レーザを用いるのはコスト的にも
大変である。
【0031】本発明は、これらの点を考慮した結果、癌
治療器用の光源として発光ダイオードを採用することに
想到したものである。発光ダイオードは、 ・光増感材に適合する630nm〜660nm程度の波
長の光を発することができ、しかも、材料を選択するこ
とにより、用いる光増感材に完全に適合した波長の光を
発する発光ダイオードを得ることができること ・複数の発光ダイオードから射出された光を容易に重ね
合わせることができること ・発光ダイオードは、光のオン/オフの応答性がよく必
要な狭いパルス幅を持ったパルス光を容易に得ることが
できること ・発光ダイオードの最大許容ピークパルス電流値I
DPMAX は、パルスON時間TONのパルス周期Tに対する
比率rON=TON/Tにほぼ反比例して大きくでき、単位
時間当りに取り出し得る最大ピーク光量LPMAXはI
DPMAX に比例する。癌光治療ではrONは1/1000以
下の小さい値を用いるので、発光ダイオードはr ONを小
さくするほど大きなピークパルス電流を流すことがで
き、パルス光源として非常に適していること ・単価が安くしかも小型であるため多数個配列して大出
力を得るように構成しても、例えばエキシマレーザと比
べて極めて小型かつ安価に構成することができること 等、癌治療器用の光源に適合する要件を備えている。
【0032】本発明の第1の癌治療器は、その光源が、
上記(1−1)の複数個の発光ダイオード、上記(1−
2)のパルス駆動回路、上記(1−3)の入射光学系を
備えたものであるため、安価かつ小型の癌治療器が構成
される。また、本発明の第2の癌治療器は、上記第1の
癌治療器の光源と同様な構成の発光ユニット(上記(2
−1))を複数備え、それらの発光ユニットから射出さ
れた光を、治療用に体内に挿入される光ファイバに入射
するようにしたものであり、さらに強力な光を得ること
ができる。
【0033】光源に用いる発光ダイオードは、1つずつ
独立の発光ダイオードを多数個配列してもよいが、1つ
のパッケージ内に複数個の発光ダイオードが封入されて
いる場合、さらには、1つの半導体チップ上に複数の発
光ダイオードが形成されている場合、発光ダイオード自
体の価格の低減化も期待でき、またその発光ダイオード
を配列する工数も削減でき、さらに、一層の小型化にも
寄与する。
【0034】また複数の発光ユニットの発光ダイオード
とパルス駆動回路を1つのプリント基板上に集積して形
成することも、製造を極めて容易にし、小型化とコスト
面で非常に優利である。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1は、本発明の第1の癌治療器の、一実施例の光源部分
を示す図、図2はその回路図、図3は駆動パルスと発光
ダイオードに流れる電流波形との関係を示した図であ
る。
【0036】基板50上に多数の発光ダイオード52が
配列されるとともに、基板50上に、駆動スイッチ54
が配置されている。それらの発光ダイオード52は、図
2に示すように、発光ダイオード52が複数個直列に配
列されてなる発光ダイオード列が複数列形成されるよう
に配置,接続されており、それら複数の発光ダイオード
列は、トランジスタで構成された駆動スイッチ54に接
続されている。尚、駆動スイッチ54は、バイポーラト
ランジスタ、FET、GTO等の単数又は複数の半導体
スイッチで構成するのが最適である。その駆動スイッチ
54には、パルス発生器から駆動パルスvs が与えられ
る。発光ダイオード52は10KHz以上の高速応答性
を有しており、駆動スイッチ54に駆動パルスvs が入
力されると、各発光ダイオード52に電流ID が流れ、
これら多数の発光ダイオード52から同時にパルス光が
発せられる。
【0037】それら多数の発光ダイオード52から同時
に発せられたパルス光は、集光レンズ58により集光さ
れて、図7に示す、治療用に体内に挿入される光ファイ
バ12に、活性化光として入射される。発光ダイオード
52から発せられた光を光ファイバ12に入射する手段
の1つとして、ここには集光レンズ58を示したが、発
光ダイオード52から発せられた光を光ファイバ12に
入射する手段は集光レンズ58に限られるものではな
く、集光ミラー等であってもよい。
【0038】図4,図5は、本発明の第2の癌治療器の
一実施例の、光源部分を示す図である。この光源には、
複数の発光ユニット60a,60b,…,60nが備え
られており、それらの発光ユニット60a,60b,
…,60nの1つずつには、図1〜図3を参照して説明
した実施例と同様に、配列された多数の発光ダイオード
62a,62b,…,62n、駆動スイッチ64a,6
4b,…,64nおよび集光レンズ68a,68b,
…,68nが備えられている。ただしこれら複数の発光
ユニット60a,60b,…,60nの発光ダイオード
62a,62b,…,62nおよび駆動スイッチ64
a,64b,…,64nは、一枚のプリント基板60上
に配置されており、それらの発光ダイオード62a,6
2b,…,62nは1個のパルス発生器66により駆動
される。各発光ユニット60a,60b,…,60nの
集光レンズ68a,68b,…,68nは、各発光ユニ
ット60a,60b,…,60nの発光ダイオード62
a,62b,…,62nから発せられた光を、体内に挿
入される光ファイバ12に直接入射するのではなく、各
発光ユニット60a,60b,…,60nを構成する各
光ファイバ72a,72b,…,72nの一端側にそれ
ぞれ集光してそれら各光ファイバ72a,72b,…,
72nに入射させる。それらの各光ファイバ72a,7
2b,…,72nの他端側は束ねられており、それらの
各光ファイバ72a,72b,…,72nから射出した
光は集光レンズ78により集光されて、体内に挿入され
る光ファイバ12に入射される。尚、集光レンズ78に
代えて集光ミラーを備えてもよく、また光ファイバどう
しを接続することにより光ファイバ12内に集光しても
よい。
【0039】図4,図5に示す実施例は、複数の発光ユ
ニット60a,60b,…,60nを備え、複数の光フ
ァイバ72a,72b,…,72nから射出した光を再
度集光して光ファイバ12に入射する構成であるため、
図1〜図3を参照して説明した実施例と比べより強力な
活性化光を得ることができる。上記各実施例では、各発
光ダイオードは、その1つずつがディスクリートなもの
であるかのように図示されている。1つずつがディスク
リートであることを否定するものではないが、1つのパ
ッケージ内に複数個の発光ダイオードが封入されたもの
を用いたり、さらには、1つの半導体チップ上に複数個
の発光ダイオードが形成されたものを用いた場合、1個
あたりの発光ダイオード自体のコスト低減化が図られ、
それらの発光ダイオードを基板上に配置する工数が削減
され、したがって安価な癌治療器が構成され、全体とし
て一層の小型化を図ることもできる。また本例のように
複数の発光ユニットの発光ダイオードと駆動回路を1つ
の基板上に集積することは、製造の容易さ、小型化、コ
スト面で非常に優利である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光源に発光ダイオードを用いることで安価かつ小型化さ
れた癌治療器が構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の癌治療器の、一実施例の光源部
分を示す図である。
【図2】図1に示す実施例の回路図である。
【図3】駆動パルスと発光ダイオードに流れる電流波形
との関係を示した図である。
【図4】本発明の第2の癌治療器の一実施例の、光源部
分を示す図である。
【図5】本発明の第2の癌治療器の一実施例の、光源部
分を示す図である。
【図6】光増感剤を体内に注入した時点を起点とした経
過時間に対する、細胞内に残存する光増感剤の相対濃度
の一例を表わしたグラフである。
【図7】癌治療器の一例を示す模式的構成図である。
【図8】患部に差し込まれたチューブの先端部と、その
チューブに挿通された光ファイバの先端部を示した部分
拡大図である。
【図9】光ファイバの動きによるレーザ光の照射域の変
化を示した図である。
【図10】患部に2本のチューブが差し込まれ、さらに
ヒートパイプが差し込まれた状態を示す図である。
【図11】癌治療器の他の例の、チューブ及び光ファイ
バの先端部を示した部分拡大図である。
【図12】癌治療器のもう1つの例の、光ファイバの先
端部及び射出された光の広がる様子を示した図である。
【図13】チューブの先端部を示した図である。
【図14】レーザ光源で発せられるレーザ光の光量の時
間変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 癌治療器 11 チューブ 11a チューブの先端部 12 光ファイバ 12a 光ファイバの先端部 12b 光ファイバの入射端 12c 光ファイバの先端面 13,14 リール 15 レーザ光源 16 トルクモータ 17 ロッド 20 可逆モータ 21 散乱体 22 栓 30 患部 40 ヒートパイプ 50,60 基板 52,62a,62b,…,62n 発光ダイオード 54,64a,64b,…,64n 駆動スイッチ 56,66 パルス発生器 58,68a,68b,…,68n 集光レンズ 72a,72b,…,72n 光ファイバ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端側が被治療体内に差し込まれる、先
    端が閉じたチューブと、先端側が前記チューブ内に配置
    される光ファイバとを備えたカテーテル型の挿通体、お
    よび所定の活性化光を発光し、該活性化光を前記光ファ
    イバに入射する光源を具備する癌治療器であって、 前記光源が、 配列された複数個の発光ダイオード、 これら複数個の発光ダイオードをパルス駆動するパルス
    駆動回路、およびこれら複数個の発光ダイオードから発
    せられた光を、前記活性化光として、前記光ファイバに
    入射する入射光学系を備えたことを特徴とする癌治療
    器。
  2. 【請求項2】 先端側が被治療体内に差し込まれる、先
    端が閉じたチューブと、先端側が前記チューブ内に配置
    される第1の光ファイバとを備えたカテーテル型の挿通
    体、および所定の活性化光を発光し、該活性化光を前記
    第1の光ファイバに入射する光源を具備する癌治療器で
    あって、 前記光源が、 配列された複数個の発光ダイオードと、これら複数個の
    発光ダイオードから発せられた光が入射される第2の光
    ファイバと、これら複数個の発光ダイオードから発せら
    れた光を該第2の光ファイバに入射する第1の入射光学
    系とを備えた発光ユニットを複数備えるとともに、 これら複数の発光ユニットの第2の光ファイバから射出
    された光を前記第1の光ファイバに入射する第2の入射
    光学系を備え、さらにこれら複数の発光ユニットに亘る
    前記複数個の発光ダイオードをパルス駆動するパルス駆
    動回路を備えたことを特徴とする癌治療器。
  3. 【請求項3】 前記発光ダイオードが1つのパッケージ
    に複数個封入されてなることを特徴とする請求項1又は
    2記載の癌治療器。
  4. 【請求項4】 前記発光ダイオードが1つの半導体チッ
    プ上に複数個形成されてなることを特徴とする請求項1
    又は2記載の癌治療器。
  5. 【請求項5】 複数の前記発光ユニットの前記発光ダイ
    オード及び前記駆動パルス回路が1つのプリント基板上
    に形成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載
    の癌治療器。
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