上記一の局面による画像形成装置において、好ましくは、支持部材は、弾性変形可能なばね性を有する部材を含み、用紙の搬送の終了後に、ばね性を有する部材の付勢力により軸受部が移動されることによって、第1ギアと第2ギアとのかみ合いが解除されるように構成されている。このように構成すれば、第1ギアと第2ギアとのかみ合いを解除するために駆動源を用いることなく、ばね性を有する部材のみにより、用紙の給紙時以外において自動的に第1ギアと第2ギアとをかみ合わせないようにすることができる。
上記一の局面による画像形成装置において、好ましくは、印画部が取り付けられるシャーシと、シャーシの外側面に取り付けられる樹脂製の側板とをさらに備え、支持部材は樹脂製の側板と一体的に設けられている。このように構成すれば、側板と支持部材とを一体形成することができるので、別途支持部材を設ける必要がない。これにより、部品点数の増加を抑制することができる。
上記一の局面による画像形成装置において、好ましくは、軸受部の移動を規制するための移動規制部をさらに備える。このように構成すれば、移動規制部によって軸受部の過度の移動が制限されるので、軸受部および給紙ローラが過度に移動させられることによって軸受部または給紙ローラが破損するのを抑制することができる。
上記一の局面による画像形成装置において、好ましくは、第1ギアと第2ギアとがかみ合う位置で軸受部を支持するように構成されている支持部をさらに備える。このように構成すれば、支持部により、用紙の給紙時に、軸受部および給紙ローラが移動するのを抑制することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの全体構成を示した斜視図である。図2〜図8は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの構造の詳細を示した図である。まず、図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ10の構造を説明する。なお、本実施形態では、本発明の画像形成装置の一例である昇華型プリンタ10に本発明を適用した場合について説明する。
本発明の一実施形態による昇華型プリンタ10では、図1に示すように、用紙トレイ20が装置本体30に対して脱着可能に装着されている。
また、用紙トレイ20は、図1に示すように、用紙1(図9参照)を収納するトレイ本体21と、用紙受け部22と、蓋部材23とを含む。
また、トレイ本体21は、図1に示すように、用紙トレイ係合部21aと、蓋部材23を正しく装着するためのガイド部21bとを有する。また、用紙トレイ係合部21aは、図1に示すように、装置本体30に脱着可能に設けられている用紙トレイ20の装着時に、装置本体係合部(図示せず)と係合するように設けられている。
また、用紙受け部22は、トレイ本体21に収納される用紙1(図9参照)の下に設けられ、用紙1の給紙時に、後述する用紙押し上げ部材54により押し上げられることによって用紙1が後述する給紙ローラ50を押圧するように構成されている。また、蓋部材23は、印刷前の用紙1に埃などが付着するのを抑制するとともに、装置本体30から排紙された印刷済みの用紙1が上部に載せられるように構成されている。
また、装置本体30は、図1〜図3に示すように、金属製のシャーシ31と、印字を行うための印字ヘッド32と、印字ヘッド32に対向するようにシャーシ31の両側面の内側に回転可能に配置されたプラテンローラ33と、金属製の送りローラ34と、送りローラギア35と、送りローラ34に所定の押圧力により接触する金属製の押さえローラ36と、樹脂製の下部用紙ガイド37aと、樹脂製の上部用紙ガイド37bとを備える。さらに装置本体30は、インクシート巻取リール38と、板金製のモータブラケット39と、用紙1(図9参照)を搬送するためのステッピングモータ40と、印字ヘッド32を回動させるための駆動源になるステッピングモータ41と、揺動可能な揺動ギア42と、複数の中間ギア43〜46(図4参照)と、シャーシ31を内部に収納する筐体47とを備える。
また、金属製のシャーシ31は、図2に示すように、一方側面31aと、他方側面31bと、一方側面31aと他方側面31bとを連結する底面31cとを有している。また、シャーシ31の一方側面31aには、後述する樹脂製の側板49が取り付けられている。また、シャーシ31の他方側面31bには、後述するインクシートカートリッジ58を挿入するための挿入孔31dが設けられている。また、図3に示すように、シャーシ31の底面31cには、用紙1の前端部および後端部を検出するための用紙センサ31eおよび31fが設けられている。
また、印字ヘッド32は、図2および図3に示すように、支持軸32aと、シャーシ31の両側面にそれぞれ設けられている一対のアーム部32bと、ヘッド部32cと、ヘッド部32cに取り付けられる樹脂製のヘッドカバー32dとを含む。また、印字ヘッド32は、図2に示すように、シャーシ31の両側面の内側に、支持軸32aを中心として回動可能に取り付けられている。また、印字ヘッド32のヘッド部32cには、電圧パルスが印加されて発熱する複数の発熱体(図示なし)が、ヘッド部32cの用紙1(図9参照)の用紙搬送方向(図2のY1方向)と垂直な方向(図2のX1方向)に沿って所定の間隔を隔てて一列に設けられている。また、発熱体は、印刷時に、1つの発熱体が1つのドットを形成するように構成されている。
また、押さえローラ36は、図2に示すように、押さえローラ36の両端部が樹脂製の押さえローラ軸受48により回転可能に支持されている。この押さえローラ軸受48は、金属製の軸受支持板48aに取り付けられている。また、軸受支持板48aは、シャーシ31の両側面の内側に、バネ(図示なし)による付勢力により押さえローラ36を送りローラ34に対して押圧するように配置されている。
また、下部用紙ガイド37aは、図3に示すように、送りローラ34および押さえローラ36の近傍に設けられている。また、上部用紙ガイド37bは、図3に示すように、下部用紙ガイド37aの上部に取り付けられている。この上部用紙ガイド37bは、用紙1(図9参照)の給紙時には、用紙1が下面側を通過するようにして印画部(印字ヘッド32のヘッド部32cとプラテンローラ33とが対向する位置)への用紙1の給紙経路に案内するとともに、用紙1の排紙時には、用紙1が上面側を通過するようにして用紙1の排紙経路に案内する機能を有する。
また、モータブラケット39に取り付けられたステッピングモータ40の軸部には、図4に示すように、ステッピングモータ40からの駆動力を他のギアに伝えるためのモータギア40aが取り付けられている。また、ステッピングモータ40は、インクシート巻取リール38のギア部38aと送りローラギア35と後述する駆動力伝達ギア52aおよび52bとを駆動させるための駆動源としての機能を有する。また、ステッピングモータ41は、印字ヘッド32(図3参照)をプラテンローラ33(図3参照)に対して押圧するように、印字ヘッド32の上面を押圧する押圧部材(図示せず)などの駆動源としての機能を有する。
ここで、本実施形態では、装置本体30は、図4〜図6に示すように、樹脂製の側板49と、給紙ローラ50と、排紙ローラ51と、後述する排紙ローラギア64に駆動力を伝えるための駆動力伝達ギア52aと、後述する給紙ローラギア59とに駆動力を伝えるための駆動力伝達ギア52bと、従動ローラ53と、用紙押し上げ部材54と、給紙ローラ50を回転可能に保持する給紙ローラ軸保持部55と、排紙ローラ51を回転可能に保持する排紙ローラ軸保持部56と、従動ローラ53を回転可能に保持する従動ローラ軸保持部57とを備える。なお、給紙ローラ50および排紙ローラ51は、それぞれ本発明の「搬送ローラ」の一例である。また、駆動力伝達ギア52aおよび52bと用紙押し上げ部材54とは、それぞれ本発明の「第1ギア」と「押圧部材」との一例である。
また、本実施形態では、図6〜図8に示すように、給紙ローラ50は、装置本体の前側(図8のY2方向)の下部に回転可能に設けられているとともに、排紙ローラ51は、給紙ローラ50の上方(図8のZ1方向)に回転可能に設けられている。また、従動ローラ53は、排紙ローラ51の上方(図8のZ1方向)に排紙ローラ51とともに用紙1(図9参照)を挟み込むように設けられているとともに、用紙1を反らせることにより用紙1の腰を強化するように構成されている。さらに、従動ローラ53は、用紙1の排紙時に、排紙ローラ51が回転するに伴って、用紙1を介して回転するように構成されている。
また、本実施形態では、図4に示すように、駆動力伝達ギア52bは、駆動力伝達ギア52aから駆動力が伝えられるように設けられている。
また、用紙押し上げ部材54は、図1に示すように、用紙1(図9参照)の給紙時に用紙1が載せられた用紙トレイ20の用紙受け部22を上方に押し上げるように構成されている。
また、給紙ローラ軸保持部55、排紙ローラ軸保持部56および従動ローラ軸保持部57は、図5および図6に示すように、それぞれ側板49の設けられている側(X2方向側)の反対側(X3方向側)に設けられている。
また、図3に示す用紙1(図9参照)を印刷するためのインクシート58aを含むインクシートカートリッジ58は、装置本体30に脱着可能に装着される。
また、インクシート巻取リール38は、図3に示すように、インクシートカートリッジ58の巻取部58bの内部に回転可能に配置された巻取ボビン58cに係合することによって、インクシート58aを巻取ボビン58cに巻き取るように構成されている。また、インクシート巻取リール38のギア部38aは、図4に示すように、揺動ギア42が揺動することによって揺動ギア42と係合するように配置されている。また、図3に示すように、インクシートカートリッジ58には、インクシート58aが巻き付けられた供給ボビン58dが回転可能に内部に配置されている供給部58eが設けられている。
ここで、本実施形態では、側板49の前側(図8のY2方向)の下部には、図4〜図8に示すように、給紙ローラ50を回転させるための給紙ローラギア59と、給紙ローラ50と給紙ローラギア59とを回転可能に保持する給紙ローラ軸受60と、樹脂ばねからなり、給紙ローラ軸受60を移動可能に支持する支持アーム61と、給紙ローラ軸受60の移動を規制するための移動規制部62と、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とがかみ合う位置で給紙ローラ軸受60を支持する支持部63とが設けられている。なお、給紙ローラギア59および給紙ローラ軸受60は、それぞれ本発明の「第2ギア」および「軸受部」の一例である。また、支持アーム61は、本発明の「支持部材」の一例である。
また、本実施形態では、支持アーム61と移動規制部62とは、樹脂製の側板49と一体的に形成されている。
また、本実施形態では、図7および図8に示すように、給紙ローラギア59と給紙ローラ50の一方端部とを保持している給紙ローラ軸受60は、側板49の前側(図8のY2方向側)に設けられた移動規制部62と側板49の後側(図8のY3方向側)に設けられた支持部63とに囲まれた下方(図8のZ2方向)に開放部を有する空間の略中央(給紙ローラ軸受基準位置)に位置するように設けられている。さらに、給紙ローラ軸受60は、図8のA1方向に延びた後に図8のA2方向に延びるように設けられた支持アーム61によって支持されている。ここで、支持アーム61は樹脂ばねからなるので、給紙ローラ軸受60は、支持アーム61の撓み変形により、図8のA3方向に移動可能に構成されているとともに、給紙ローラ50への用紙1(図9参照)の押圧が終了した後などには、支持アーム61の付勢力により、給紙ローラ軸受基準位置に戻るように構成されている。また、給紙ローラ軸受60が設けられている空間は、移動規制部62と支持部63とに囲まれているので、給紙ローラ軸受60のA3方向への過度な移動は規制されるように構成されている。さらに、給紙ローラ軸受60が設けられている位置は、通常時には図4に示すように、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とがかみ合わないように位置決めされるとともに、給紙ローラ軸受60が移動して支持部63に支持される際には駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とがかみ合う(図11参照)ように位置決めされている。ここで、給紙ローラ軸受60は、給紙ローラ軸受60が移動して支持部63に支持されている状態では、支持部63の支持部分63aおよび63bの2箇所(図12および図13参照)において2点支持されるように構成されている。
また、本実施形態では、側板49の前側(図8のY2方向側)の上部には、図4〜図8に示すように、排紙ローラ51を回転させるための排紙ローラギア64と、排紙ローラ51と排紙ローラギア64とを回転可能に保持する排紙ローラ軸受65と、樹脂ばねからなり、排紙ローラ軸受65を移動可能に支持する支持アーム66と、排紙ローラ軸受65の移動を規制するための移動規制部67と、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合う位置で排紙ローラ軸受65を支持する支持部68と、従動ローラ53を回転可能に保持する従動ローラ軸受69とが設けられている。なお、排紙ローラギア64および排紙ローラ軸受65は、それぞれ本発明の「第2ギア」および「軸受部」の一例である。また、支持アーム66は、本発明の「支持部材」の一例である。
また、本実施形態では、支持アーム66と移動規制部67とは、樹脂製の側板49と一体的に形成されている。
また、本実施形態では、図7および図8に示すように、排紙ローラギア64と排紙ローラ51の一方端部とを保持している排紙ローラ軸受65は、側板49の前側(図8のY2方向側)に設けられた移動規制部67と側板49の後側(図8のY3方向側)に設けられた支持部68とに囲まれた上方(図8のZ1方向)に開放部を有する空間の略中央(排紙ローラ軸受基準位置)に位置するように設けられている。さらに、排紙ローラ軸受65は、図8のB1方向に延びた後に図8のB2方向に延びるように設けられた支持アーム66によって支持されている。ここで、支持アーム66は樹脂ばねからなるので、排紙ローラ軸受65は、支持アーム66の撓み変形により、B3方向に移動可能に構成されているとともに、排紙ローラ51への用紙1(図9参照)の押圧が終了した後などには、支持アーム66の付勢力により、排紙ローラ軸受基準位置に戻るように構成されている。また、排紙ローラ軸受65が設けられている空間は、移動規制部67と支持部68とに囲まれているので、排紙ローラ軸受65の図8のB3方向への過度な移動は規制されるように構成されている。また、移動規制部67の上方(図8のZ1方向)の端部には従動ローラ軸受69が設けられている。さらに、排紙ローラ軸受65が設けられている位置は、通常時には、図4に示すように、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合わないように位置決めされるとともに、排紙ローラ軸受65が移動して支持部68に支持される際には、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合う(図17参照)ように位置決めされている。ここで、排紙ローラ軸受65は、排紙ローラ軸受65が移動して支持部68に支持されている状態では、支持部68の支持部分68aおよび68bの2箇所(図17参照)において2点支持されるように構成されている。
また、本実施形態では、用紙1(図9参照)の排紙経路は、図3に示すように、上部用紙ガイド37bの上面側を通過した後に、排紙ローラ51の最上部よりも下方にくるように構成されている。その後、用紙1は排紙ローラ51の上側を搬送されるように構成されている。
図9〜図17は、本発明の一実施形態による昇華型プリンタの動作を示した図である。次に、図9〜図17を参照して、本発明の一実施形態による昇華型プリンタ10の印画動作、用紙1の給紙動作および用紙1の排紙動作を説明する。
まず、用紙1は、図9に示すように、用紙トレイ20のトレイ本体21に収納されている。ここで、用紙1の給紙時には、図10に示すように、用紙受け部22が用紙押し上げ部材54によりC1方向に押し上げられる。これにより、用紙受け部22の上に収納されている用紙1によって、給紙ローラ50は押圧される。これによって、給紙ローラ50を保持する給紙ローラ軸受60がC2方向に移動されることにより、図12および図13に示すように、給紙ローラ軸受60は、給紙ローラ軸受基準位置から支持部63の支持部分63aおよび63bに支持される位置まで移動する。これにより、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とはかみ合う。この時、図11に示すように、ステッピングモータ40が駆動するのに伴って、ステッピングモータ40に取り付けられたモータギア40aがC3方向に回転し、中間ギア43および44と、送りローラギア35と、中間ギア45および46と、駆動力伝達ギア52aとを介して、駆動力伝達ギア52bがC4方向に回転する。これによって、駆動力伝達ギア52bを介して給紙ローラギア59にC5方向の回転が伝えられて、給紙ローラ50は、図10に示すように、C5方向に回転する。この結果、給紙ローラ50によって、用紙1は装置本体30に給紙される。また、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とは、図11に示すように、用紙1の排紙時以外においてはかみ合わないので、排紙ローラ51は用紙1の給紙時には回転しない。また、用紙1が通過すると、給紙ローラ軸受60は、支持アーム61の付勢力により、給紙ローラ軸受基準位置に戻る。これによって、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とのかみ合いは解除される。
用紙1が装置本体30に給紙されると、用紙1が印刷開始位置に向かって供給されるとともに、未印刷の用紙1が印刷開始位置まで到達したか否かが判断される。すなわち、未印刷の用紙1の前端部および後端部を検出するための用紙センサ31eおよび31fによって、用紙1の頭出しが行われる。ここで、送りローラ34および送りローラギア35は、図10および図11に示すように、C6方向に回転しており、かつ、揺動可能な揺動ギア42は、インクシート巻取リール38のギア部38aに噛合しておらず、インクシート巻取リール38のギア部38aは回転しない。これにより、用紙1の給紙時には、巻取ボビン58cおよび供給ボビン58dに巻き付けられたインクシート58aは巻き取られない。
その後、図14に示すように、ステッピングモータ41の駆動により図示しない押圧手段を用いて、印字ヘッド32を印刷位置まで下降させる。そして、用紙1を用紙1の排紙方向(D1方向)に搬送しながら、印字ヘッド32とプラテンローラ33とにより用紙1とインクシート58aとが押圧されるとともに、印字ヘッド32のヘッド部32cが発熱される。このヘッド部32cの発熱により、インクシート58aのインクが昇華されるとともに用紙1に転写されて印画動作が行われる。この動作では、図16に示すように、ステッピングモータ40が駆動するのに伴ってステッピングモータ40に取り付けられたモータギア40aが図16のD2方向に回転し、中間ギア43および44を介して、送りローラギア35が図16のD3方向に回転する。これにより、図14および図15に示すように、送りローラ34が図14および図15のD3方向に回転する。これにより、用紙1は印画方向である用紙1の排紙方向D1に搬送され、印画される。さらに、揺動可能な揺動ギア42は、インクシート巻取リール38のギア部38aに噛合し、インクシート巻取リール38のギア部38aを、図16のD4方向に回転させる。これにより、インクシート巻取リール38に係合する巻取ボビン58cを図14および図15のD4方向に回転させることによって、巻取ボビン58cおよび供給ボビン58dに巻き付けられたインクシート58aが巻き取られる。
用紙1の印画後、用紙1は、用紙1の排紙経路へと搬送される。ここで、用紙1の排紙経路は、図14に示すように、上部用紙ガイド37bの上面側(Z1方向側)を通過した後に、排紙ローラ51の最上部よりも下方(Z2方向)にくるように構成されているので、用紙1は、排紙ローラ51の上部に突き当たり、その後排紙ローラ51と従動ローラ53との間を挟み込まれるように排紙される。その際、用紙1は、図15に示すように、排紙ローラ51を下方向(Z2方向)に押圧しながら排紙ローラ51に載せられる。これにより、排紙ローラ51を保持する排紙ローラ軸受65が図15のD5方向に移動されることにより、排紙ローラ軸受65は、図17に示すように、排紙ローラ軸受基準位置から支持部68の支持部分68aおよび68bに支持される位置まで移動する。これにより、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合う。この時、図16に示すように、駆動力伝達ギア52aが図16のD6方向に回転しているので、駆動力伝達ギア52aを介して排紙ローラギア64に図16のD7方向の回転が伝えられ、排紙ローラ51は、図15に示すように、D7方向に回転する。この結果、排紙ローラ51によって、用紙1は、装置本体30の外に排紙され、用紙トレイ20の蓋部材23の上部に載せられる。さらに、従動ローラ53は、用紙1が排紙されるに伴って、図15に示すように、D8方向に回転する。また、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とは、図11に示すように、用紙1の給紙時以外においてはかみ合わないので、給紙ローラ50は用紙1の排紙時には回転しない。また、用紙1が通過すると、排紙ローラ軸受65は、支持アーム66の付勢力により、排紙ローラ軸受基準位置に戻る。これによって、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とのかみ合いは解除される。
本実施形態では、上記のように、給紙ローラギア59を、給紙ローラ50による用紙1の給紙時以外には駆動力伝達ギア52bとかみ合わないように設けるとともに、給紙ローラ50による用紙1の給紙時に、給紙ローラ軸受60が移動して駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とがかみ合うように構成することによって、用紙1の給紙時には、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とがかみ合うことにより給紙ローラ50は回転される一方、用紙1の給紙時以外においては駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とをかみ合わせないことにより給紙ローラ50を回転しないようにすることができるので、その分給紙ローラ軸受60および給紙ローラ軸保持部55が磨耗するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、排紙ローラギア64を、排紙ローラ51による用紙1の排紙時以外には駆動力伝達ギア52aとかみ合わないように設けるとともに、排紙ローラ51による用紙1の排紙時に、排紙ローラ軸受65が移動して駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合うように構成することによって、用紙1の排紙時には、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合うことにより排紙ローラ51は回転される一方、用紙1の排紙時以外においては駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とをかみ合わせないことにより排紙ローラ51を回転しないようにすることができるので、その分排紙ローラ軸受65および排紙ローラ軸保持部56が磨耗するのを抑制することができる。さらに、従動ローラ53は、排紙ローラ51が回転するに伴って用紙1を介して回転することにより、用紙1の排紙時には、従動ローラ53は回転される一方、用紙1の排紙時以外においては従動ローラ53を回転しないようにすることができるので、その分従動ローラ軸受69および従動ローラ軸保持部57が磨耗するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、用紙1によって給紙(排紙)ローラ50(51)が押圧されることにより、給紙(排紙)ローラ軸受60(65)が移動されて駆動力伝達ギア52b(52a)と給紙(排紙)ローラギア59(64)とがかみ合うように構成することによって、給紙(排紙)されてきた用紙1自体を利用して、駆動力伝達ギア52b(52a)と給紙(排紙)ローラギア59(64)とをかみ合わせることができるので、駆動力伝達ギア52b(52a)と給紙(排紙)ローラギア59(64)とをかみ合わせるための駆動部材などが不要になる。これにより、部品点数の増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、用紙1の給紙時に用紙1を給紙ローラ50に押圧させるための用紙押し上げ部材54をさらに備え、用紙1の給紙時に、用紙押し上げ部材54によって用紙1が給紙ローラ50に押圧されることにより、給紙ローラ50および給紙ローラ軸受60が移動されて駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とがかみ合うように構成することによって、用紙1の給紙ローラ50を押圧する力が大きくなるので、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とがかみ合うように給紙ローラ50および給紙ローラ軸受60を移動させやすくすることができる。これにより、用紙1の給紙時に、より確実に、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とをかみ合わせることができる。
また、本実施形態では、上記のように、用紙1の排紙時に用紙1は排紙ローラ51の上側(図14および図15のZ1方向側)を搬送されるように構成されているとともに、用紙1の排紙経路は排紙ローラ51の最上部よりも下方(図14および図15のZ2方向)にくるように構成されており、用紙1の排紙時に、排紙経路に沿って搬送される用紙1によって排紙ローラ51が押圧されることにより、排紙ローラ51および排紙ローラ軸受65が移動されて駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合うように構成することによって、用紙1は、排紙ローラ51の上部に突き当たり、その後排紙ローラ51を下方向(図14および図15のZ2方向)に押圧しながら排紙ローラ51に載せられることになる。これにより、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合うように排紙ローラ51および排紙ローラ軸受65を移動することができるので、用紙1の排紙時に、容易に、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とをかみ合わせることができる。
また、本実施形態では、上記のように、用紙1の排紙時に、従動ローラ53が用紙1の上方向(図14および図15のZ1方向)への移動を規制することによって、排紙経路に沿って排紙される用紙1によって排紙ローラ51が押圧されることにより、排紙ローラ51および排紙ローラ軸受65が移動されて駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合うように構成することによって、用紙1は従動ローラ53によって上方向(図14および図15のZ1方向)への移動を規制されるので、用紙1は排紙ローラ51を下方向(図14および図15のZ2方向)により強く押圧しながら排紙ローラ51に載せられることになる。これにより、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とがかみ合うように排紙ローラ51および排紙ローラ軸受65をより移動させやすくすることができるので、用紙1の排紙時に、より容易に、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とをかみ合わせることができる。
また、本実施形態では、上記のように、支持アーム61(66)を樹脂ばねからなるように構成することによって、駆動力伝達ギア52b(52a)と給紙(排紙)ローラギア59(64)とのかみ合いを解除するために駆動源を用いることなく、ばね性を有する部材のみにより、用紙1の給紙(排紙)時以外において自動的に駆動力伝達ギア52b(52a)と給紙(排紙)ローラギア59(64)とをかみ合わせないようにすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、移動規制部62(67)を設けることによって、移動規制部62(67)によって給紙(排紙)ローラ軸受60(65)の過度の移動が制限されるので、給紙(排紙)ローラ軸受60(65)および給紙(排紙)ローラ50(51)が過度に移動させられることによって給紙(排紙)ローラ軸受60(65)、給紙(排紙)ローラ軸保持部55(56)または給紙(排紙)ローラ50(51)のいずれかが破損するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、支持アーム61および支持アーム66と移動規制部62および移動規制部67とを樹脂製の側板49と一体的に設ける。このように構成すれば、側板49と、支持アーム61および支持アーム66と、移動規制部62および移動規制部67とを一体形成することができるので、別途支持アームおよび移動規制部を必要としない。これにより、部品点数の増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、駆動力伝達ギア52b(52a)と給紙(排紙)ローラギア59(64)とがかみ合う位置で給紙(排紙)ローラ軸受60(65)を支持するように構成されている支持部63(68)を設けることによって、支持部63(68)により、用紙1の給紙(排紙)時に、給紙(排紙)ローラ軸受60(65)および給紙(排紙)ローラ50(51)が移動するのを抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、本発明の画像形成装置の一例として昇華型プリンタ10を示したが、本発明はこれに限らず、昇華型プリンタ以外のインクジェットプリンタやレーザープリンタなどの他の画像形成装置にも適用可能である。
また、上記実施形態では、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とのかみ合いを制御するとともに、駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とのかみ合いを制御する例を示したが、本発明はこれに限らず、駆動力伝達ギア52bと給紙ローラギア59とのかみ合いと駆動力伝達ギア52aと排紙ローラギア64とのかみ合いとのうちどちらか一方を制御するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、支持アーム61および支持アーム66を、樹脂製の側板49と一体的に設けることによって、樹脂ばねからなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、支持部材は側板と一体的に設けなくてもよく、たとえば、コイルばねのようなばね性を有する部材からなるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、移動規制部62および移動規制部67を前側(図8のY2方向側)にそれぞれ設け、支持部63および支持部68を後側(図8のY3方向側)にそれぞれ設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、移動規制部を後側(図8のY3方向側)に設け、支持部を前側(図8のY2方向側)に設けてもよい。この場合、用紙の搬送方向や押圧部材の押圧方向を変化させる必要がある。