JP4529541B2 - 無線通信装置 - Google Patents

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本発明は、所定の通信対象との間で無線にて情報の送受信を行う無線通信装置に関し、特に、受信側における送信側からの影響を解消するための技術に関する。
所定の通信対象に向けて送信信号を送信すると共に、その通信対象から返信される返信信号を受信してその通信対象との間で情報の通信を行う無線通信装置が様々な情報通信の分野で利用されている。斯かる無線通信装置の一態様として、所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)との間で無線にて情報の通信を行う無線タグ通信装置(質問器)が知られている。この無線タグ及び無線タグ通信装置は、電波を介して非接触で情報の読み出しや書き込みを行うことでその無線タグが取り付けられた対象物を識別する所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムを構成するものであり、通信対象である無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
斯かる無線タグ通信装置の通信可能範囲を広げるための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたミリ波情報読み取りシステムがそれである。この技術によれば、複数のアンテナ素子により構成される送受信共用のアレイアンテナ(array antenna)を備え、各アンテナ素子から送信される送信信号それぞれの位相を制御すると共に、各アンテナ素子により受信される受信信号それぞれの位相を制御すること、すなわち送信動作及び受信動作の何れもフェイズドアレイ(Phased Array)処理を行うことにより、通信可能範囲を広げることができる。
特開平5−128289号公報
しかし、前記従来の技術では、送信動作における送信指向性を変更する度に前記送信信号の受信側への影響が変化するという弊害があった。例えば、前記無線通信装置により受信される受信信号には、通常、送信側からの回り込み信号が混入して通信対象との好適な情報の通信が阻害されるため、その回り込み信号を除去する必要があるが、送信指向性の変更により送信側からの影響が変化することにより、その回り込み信号を十分には除去できないという不具合があった。すなわち、受信側における送信側からの影響を送信動作の変更に応じて解消する無線通信装置は、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、受信側における送信側からの影響を送信動作の変更に応じて解消する無線通信装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、所定の通信対象に向けて送信アンテナから送信信号を送信すると共に、その通信対象から返信される返信信号を受信アンテナにより受信してその通信対象との間で情報の通信を行う無線通信装置であって、前記送信信号が前記送信アンテナに入力されたとき前記受信アンテナにより受信される受信信号を、前記送信アンテナに入力される前記送信信号で除した値である伝達関数を算出する伝達関数算出手段と、その伝達関数算出手段により算出される伝達関数前記送信アンテナからの伝達量との合計から、その送信アンテナから送信される送信信号に起因して前記受信アンテナに発生する信号を除去するためのキャンセル信号の位相及び振幅を定めるための値である受信回路定数を設定する受信回路定数設定手段と、その受信回路定数設定手段により設定された前記受信回路定数に基づいて、前記送信アンテナから送信される送信信号に起因して前記受信アンテナに発生する信号を除去するためのキャンセル信号を発生させるキャンセル信号発生部とを、含むことを特徴とするものである。
このようにすれば、前記送信信号が前記送信アンテナに入力されたとき前記受信アンテナにより受信される受信信号を、前記送信アンテナに入力される前記送信信号で除した値である伝達関数を算出する伝達関数算出手段と、その伝達関数算出手段により算出される伝達関数前記送信アンテナからの伝達量との合計から、その送信アンテナから送信される送信信号に起因して前記受信アンテナに発生する信号を除去するためのキャンセル信号の位相及び振幅を定めるための値である受信回路定数を設定する受信回路定数設定手段と、その受信回路定数設定手段により設定された前記受信回路定数に基づいて、前記送信アンテナから送信される送信信号に起因して前記受信アンテナに発生する信号を除去するためのキャンセル信号を発生させるキャンセル信号発生部とを、含むことから、前記通信対象との間の情報の通信に先立って前記伝達関数を予め求めておくことで、送信側からの回り込み信号を考慮に入れたうえで前記受信回路定数を定めることができ、前記受信アンテナにより受信される受信信号に含まれる送信信号に起因する信号を好適に除去することができる。すなわち、受信側における送信側からの影響を送信動作の変更に応じて解消する無線通信装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記キャンセル信号発生部により発生させられた前記キャンセル信号を、前記受信アンテナにより受信される前記受信信号に足し合わせることにより、その受信信号に含まれた前記送信アンテナから送信される送信信号に起因する信号を相殺して除去するキャンセル信号合成部を備えたものである。このようにすれば、前記受信アンテナにより受信される受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去することができる。
また、好適には、前記送信信号の搬送波を発生させる搬送波発生部を備え、前記キャンセル信号発生部は、その搬送波発生部により発生させられる搬送波を分配し、前記搬送波の位相及び振幅を制御して前記キャンセル信号とするものである。このようにすれば、前記送信信号の搬送波の周波数とキャンセル信号の周波数とを一致させることができ、前記受信アンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み成分を更に好適に除去することができる。
また、好適には、所定の局所信号を発生させるための局所信号発生部と、その局所信号発生部により発生させられる局所信号の位相を、前記受信信号の位相と等しくなるように制御する局所信号位相制御部と、その局所信号位相制御部により位相制御された局所信号と前記受信アンテナにより受信される受信信号とを合成して周波数を変換する周波数変換部とを、備え、前記受信回路定数設定手段は、前記局所信号の位相を制御するための定数を前記受信回路定数として設定するものである。このようにすれば、前記受信アンテナにより受信される受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去することができる。
また、好適には、前記送信信号の搬送波を発生させる搬送波発生部を備え、前記局所信号発生部は、その搬送波発生部により発生させられる搬送波を分配して前記局所信号とするものである。このようにすれば、前記送信信号の搬送波の周波数と局所信号の周波数とを一致させることができ、前記受信アンテナにより受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み成分を更に好適に除去することができる。
また、好適には、前記送信アンテナは、複数の送信アンテナ素子から成るものである。このようにすれば、複数の送信アンテナ素子から成る送信アンテナを備えた無線通信装置において簡単に前記受信回路定数を設定することができ、通信可能範囲を広げることができる。
また、好適には、前記受信アンテナは、複数の受信アンテナ素子から成るものである。このようにすれば、複数の受信アンテナ素子から成る受信アンテナを備えた無線通信装置において簡単に前記受信回路定数を設定することができ、通信可能範囲を広げることができる。
また、好適には、前記送信アンテナ及び受信アンテナは、少なくとも1本の送受信アンテナ素子を共用するものである。このようにすれば、前記無線通信装置を可及的に小型化することができる。
また、好適には、前記複数の送信アンテナ素子から送信される送信信号それぞれの位相を制御することで送信指向性を制御するフェイズドアレイ制御手段を含むものである。このようにすれば、前記送信信号の送信指向性を好適に定めることができる。
また、好適には、前記受信回路定数設定手段は、前記フェイズドアレイ制御手段により送信指向性が変更される毎に前記受信回路定数を設定するものである。このようにすれば、フェイズドアレイアンテナである送信アンテナを備えた無線通信装置において必要に応じて適宜前記受信回路定数を設定し直すことができ、通信可能範囲を広げることができる。
また、好適には、前記伝達関数算出手段は、所定の受信アンテナ素子により受信される受信信号に含まれる送信信号成分を所定の送信アンテナ素子から送信される送信信号で除した値を前記伝達関数として算出するものである。このようにすれば、前記受信アンテナにより受信される受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を実用的な態様で推定することができる。
また、好適には、前記伝達関数算出手段は、所定時間毎に前記伝達関数を算出するものである。このようにすれば、適宜算出される伝達関数に基づいて前記受信回路定数を設定し直すことができる。
また、好適には、前記受信アンテナにより受信される受信信号の品質としてその受信信号の信号強度を検出する受信品質検出手段を含み、前記伝達関数算出手段は、その受信品質検出手段により検出される受信信号の信号強度が所定値以上となった場合に前記伝達関数を算出するものである。このようにすれば、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が比較的大きいと推定される場合に前記伝達関数を算出し直すことができる。
また、好適には、前記受信回路定数設定手段は、前記伝達関数算出手段により前記伝達関数が算出される毎に前記受信回路定数を設定するものである。このようにすれば、前記伝達関数算出手段により算出された最新の伝達関数に基づいて前記受信回路定数を設定できる。
また、好適には、前記通信対象は、前記送信アンテナから送信される送信信号に応じて所定の情報を含む返信信号を返信する無線タグである。このようにすれば、受信側における送信側からの影響を送信動作の変更に応じて解消する無線タグ通信装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される通信システム10の構成を説明する図である。この通信システム10は、本発明の無線通信装置の一実施例である無線タグ通信装置12と、単数乃至は複数(図1では単数)の無線タグ14とから構成される所謂RFID(Radio Frequency Identification)システムであり、上記無線タグ通信装置12はそのRFIDシステムの質問器として、上記無線タグ14は応答器としてそれぞれ機能する。すなわち、上記無線タグ通信装置12から質問波F(送信信号)が上記無線タグ14に向けて送信されると、その質問波Fを受信した上記無線タグ14において所定の情報信号(データ)によりその質問波Fが変調され、応答波F(返信信号)として上記無線タグ通信装置12に向けて返信されることで、その無線タグ通信装置12と無線タグ14との間で情報の通信が行われる。
図2は、上記無線タグ通信装置12の電気的構成を説明する図である。この図2に示すように、上記無線タグ通信装置12は、所定周波数である上記送信信号の搬送波を発生させるための周知のPLL(Phase Locked Loop)回路及び電圧制御発振回路から構成される搬送波発生部16と、その搬送波発生部16により発生させられた搬送波を後述する送信データ生成手段49により生成される所定の送信情報信号(送信データ)に基づいて変調して上記送信信号を生成する送信信号変調部18と、その送信信号変調部18により変調された送信信号を上記無線タグ14に向けて送信すると共に、その送信信号に応じてその無線タグ14から返信される返信信号を受信するための送受信共用の複数(図2では3本)の送受信アンテナ素子20a、20b、20c(以下、特に区別しない場合には単に送受信アンテナ素子20と称する)と、それら複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号に起因してそれら複数の送受信アンテナ素子20に発生する回り込み信号を除去するためのキャンセル処理部22と、前記複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号の送信指向性を制御すると共に、それら複数の送受信アンテナ素子20により受信された受信信号の受信指向性を制御するための指向性制御部24と、その指向性制御部24から供給される送信信号を各送受信アンテナ素子20に供給すると共に、それら送受信アンテナ素子20により受信された受信信号を上記キャンセル処理部22に供給する複数(図2では3つ)の送受信分離部26a、26b、26c(以下、特に区別しない場合には単に送受信分離部26と称する)と、所定の周波数の局所信号を発生させる局所信号発生部28と、上記指向性制御部24から供給される受信信号それぞれにその局所信号発生部28により発生させられる局所信号を掛け合わせることでダウンコンバートする複数(図2では3つ)のダウンコンバータ30a、30b、30c(以下、特に区別しない場合には単にダウンコンバータ30と称する)と、それらダウンコンバータ30によりダウンコンバートされた受信信号の復調処理をはじめとする上記無線タグ通信装置12の動作を制御する制御部32とを、備えて構成されている。ここで、上記送受信分離部26としては、サーキュレータ若しくは方向性結合器等が好適に用いられる。
上記キャンセル処理部22は、上記搬送波発生部16により発生させられて分配される搬送波それぞれの位相を制御する複数(図2では3つ)のキャンセル信号位相制御部34a、34b、34c(以下、特に区別しない場合には単にキャンセル信号位相制御部34と称する)と、それぞれの振幅を制御する複数(図2では3つ)のキャンセル信号振幅制御部36a、36b、36c(以下、特に区別しない場合には単にキャンセル信号振幅制御部36と称する)とを、備えており、それらキャンセル信号位相制御部34及びキャンセル信号振幅制御部36を介して上記複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号に起因してそれら複数の送受信アンテナ素子20に発生する回り込み信号を除去するためのキャンセル信号を生成するキャンセル信号発生部として機能する。上記複数のキャンセル信号振幅制御部36から出力されたキャンセル信号は、複数(図2では3つ)のキャンセル信号合成部38a、38b、38c(以下、特に区別しない場合には単にキャンセル信号合成部38と称する)を介して上記複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号それぞれに足し合わされ、それら受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が斯かるキャンセル信号と相殺されることにより除去される。
前記指向性制御部24は、前記送信信号変調部18から供給される送信信号それぞれの位相を制御する複数(図2では3つ)の送信信号位相制御部40a、40b、40c(以下、特に区別しない場合には単に送信信号位相制御部40と称する)と、それぞれの振幅を制御する複数(図2では3つ)の送信信号振幅制御部42a、42b、42c(以下、特に区別しない場合には単に送信信号振幅制御部42と称する)とを、備えており、それら送信信号位相制御部40及び送信信号振幅制御部42を介して前記複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号それぞれの位相及び振幅を制御することでその送信信号の送信指向性を制御する。また、前記複数の送受信分離部26から供給される受信信号それぞれの位相を制御する複数(図2では3つ)の受信信号位相制御部44a、44b、44c(以下、特に区別しない場合には単に受信信号位相制御部44と称する)と、それぞれの振幅を制御する複数(図2では3つ)の受信信号振幅制御部46a、46b、46c(以下、特に区別しない場合には単に受信信号振幅制御部46と称する)とを、備えており、それら受信信号位相制御部44及び受信信号振幅制御部46を介して前記複数の送受信アンテナ素子20により受信された受信信号それぞれの位相及び振幅を制御することでその受信信号の受信指向性を制御する。
前記制御部32は、CPU、ROM、及びRAM等を含んで構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータであり、前記送信情報信号の生成制御、前記無線タグ14に向けて前記送信信号を送信する送信制御、その送信信号に応じて前記無線タグ14から返信される返信信号を受信する受信制御、受信された受信信号を復調する復調制御、前記送受信アンテナ素子20に入力される信号とその信号に起因してその送受信アンテナ素子20に発生する信号との関係を示す伝達関数を算出する伝達関数算出制御、前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号の品質を検出する受信品質検出制御、及び上記伝達関数に基づいて前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号の品質を高めるための受信回路定数を設定する受信回路定数設定制御等を実行する。斯かる制御を実行するため、送信データ生成手段49、送信制御手段50、受信制御手段52、受信信号合成手段54、受信信号復調手段56、受信品質検出手段58、伝達関数算出手段60、及び受信回路定数設定手段62を機能的に含んでいる。
送信データ生成手段49は、前記送信信号を変調するための所定の送信情報信号である送信データを生成して前記送信信号変調部18に供給する。送信制御手段50は、前記複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号それぞれの位相(及び必要に応じて振幅)を制御することで送信指向性を制御する。すなわち、前記指向性制御部24を介して各送信信号の位相を制御することにより前記複数の送受信アンテナ素子20から成る送信アンテナを送信用フェイズドアレイアンテナ(Phased Array Antenna)として制御するフェイズドアレイ制御手段として機能する。或いは、後述する受信制御手段52により制御された前記受信信号の受信指向性と等しい送信指向性を形成するように前記指向性制御部24を介して各送信信号の位相及び振幅を制御することで前記複数の送受信アンテナ素子20から成る送信アンテナを制御する送信用アダプティブアレイアンテナ(Adaptive Array Antenna)制御手段として機能する。
受信制御手段52は、前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号それぞれの位相(及び必要に応じて振幅)を制御することによりその受信信号の受信指向性を制御する。すなわち、前記指向性制御部24を介して各受信信号の位相を制御することにより前記複数の送受信アンテナ素子20から成る受信アンテナを受信用フェイズドアレイアンテナとして制御する。或いは、前記指向性制御部24を介して各受信信号の位相及び振幅を制御することにより前記複数の送受信アンテナ素子20から成る受信アンテナを受信用アダプティブアレイアンテナとして制御する。好適には、後述する受信信号合成手段54において合成された前記受信信号が所定の条件(例えば、受信信号の信号強度が所定値以上をとる)を満たすように前記受信信号の受信指向性を制御する。
受信信号合成手段54は、前記複数の送受信アンテナ素子20によりそれぞれ受信される受信信号を合成する。上記受信制御手段52により前記指向性制御部24を介してそれぞれ位相及び振幅が制御された受信信号がこの受信信号合成手段54により合成されることで、前記複数の送受信アンテナ素子20から成る受信アンテナの受信指向性に基づいた受信信号が得られる。
受信信号復調手段56は、上記信号合成手段54により合成された前記受信信号を復調する。好適には、AM方式により受信信号をAM復調した後、その復調信号をFM復号化して前記無線タグ14による変調に関する情報信号を読み出す。
受信品質検出手段58は、前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号の品質を検出する。好適には、斯かる受信信号の品質としてその受信信号の信号強度すなわちRSSI(Recieved Signal Strength Indicator)を検出する。
伝達関数算出手段60は、送信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20に入力される信号(送信される信号)とその信号に起因して受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20に発生する信号との関係を示す伝達関数を算出する。図3は、斯かる伝達関数について説明する図である。本実施例では、前記送受信アンテナ素子20及び送受信分離部26が送信アンテナ及び受信アンテナを構成している。ここで、送信アンテナ素子iから受信アンテナ素子jへの搬送波の伝達関数Sjiを、その送信アンテナ素子iに信号Tが入力されたときに受信アンテナ素子jから出力される信号Rに基づいて次の(1a)式に示すように定める。本実施例のように、送信アンテナ及び受信アンテナが複数の送受信アンテナ素子iを共有する場合、斯かる送受信アンテナ素子iに信号Tiが入力されたとき、送信アンテナとしてのその送受信アンテナ素子iから送信された電波が周囲の物体等によって反射され、その送受信アンテナ素子iにより受信される信号、その送受信アンテナ素子iへの入力不適合による反射分、及び前記送受信分離部26での回り込み信号成分R’となるため、上記伝達関数Sjiは、次の(1b)式のように表される。上記信号成分R’は、全て不適合な妨害波成分とされるため、この(1b)式により算出されるSjiは、(1a)式により算出される伝達関数Sjiと等価なものと考えることができる。この伝達関数の値は線形性を有し、例えば、伝達関数Sjiに関して上記送信アンテナ素子iに入力される信号Tの振幅及び位相等によらず一定となる。従って、上記送信アンテナ素子iに信号Tが入力されたとき上記受信アンテナ素子jから出力される信号Rjは、次の(2)式のように表される。また、N本の送信アンテナ素子i、i、i、・・・、iを備えた無線タグ通信装置において、上記受信アンテナjにより受信される受信信号は、各送信アンテナ素子からの伝達量の合計であり次の(3)式のように表される。すなわち、上記複数の送信アンテナ素子i、i、i、・・・、iのうち何れか1本の送信アンテナ素子iのみに信号Tを入力したとき上記受信アンテナ素子jから出力される信号Rを測定し、(1)式に示すように計算を行うことで、その送信アンテナ素子iから受信アンテナ素子jへの搬送波の伝達関数Sjiを求めることができる。斯かる性質に基づいて、上記伝達関数算出手段60は、好適には、所定の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号に含まれる送信信号成分を所定の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号で除した値を前記伝達関数として算出する。この測定に際して、送信アンテナ素子iは順次選択する必要があるが、複数の受信アンテナ素子jから出力される信号Rは同時に測定することができるため、その送信アンテナ素子iから複数の受信アンテナ素子jへの搬送波の伝達関数Sni(n=1,2,3,・・・,N)は同時に求めることができる。また、上記伝達関数算出手段60は、好適には、所定時間毎に前記伝達関数を算出する。また、好適には、上記受信品質検出手段58により検出される受信信号の品質の変化に応じて前記伝達関数を算出する。例えば、上記受信品質検出手段58により検出される受信信号の信号強度が所定値以上となった場合に前記伝達関数を算出する。
Figure 0004529541
Figure 0004529541
Figure 0004529541
受信回路定数設定手段62は、前記伝達関数算出手段60により算出される伝達関数及び前記送受信アンテナ素子20に入力される信号に基づいて受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号の品質を高めるための受信回路定数を設定する。好適には、前記キャンセル信号の位相及び振幅を定めるために前記キャンセル処理部22に供給される制御信号の定数を前記受信回路定数として設定する。また、好適には、前記送信制御手段50により送信指向性が変更される毎に前記受信回路定数を設定する。また、好適には、前記伝達関数算出手段60により伝達関数が算出される毎に受信回路定数を設定する。
図4は、前記無線タグ14の構成を説明する図である。この図4に示すように、前記無線タグ14は、前記無線タグ通信装置12に備えられた複数の送受信アンテナ素子20から成るアンテナとの間で、或いはその無線タグ通信装置12とは異なる質問器との間で信号の送受信を行うためのアンテナ部64と、そのアンテナ部64により受信された搬送波を整流する整流部66と、その整流部66により整流された搬送波のエネルギを蓄積するための電源部68と、上記アンテナ部64により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部76に供給するクロック抽出部70と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部72と、上記アンテナ部64に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部74と、上記整流部66、クロック抽出部70、及び変復調部74等を介して上記無線タグ14の作動を制御するための制御部76とを、備えて構成されている。この制御部76は、前記無線タグ通信装置12と通信を行うことにより上記メモリ部72に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部64により受信された搬送波を上記変復調部74において上記メモリ部72に記憶された情報信号に基づいて変調したうえで反射波として上記アンテナ部64から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。上記アンテナ部64は、好適には、一対の線状エレメントから成る半波長ダイポールアンテナである。
図5は、前記無線タグ通信装置12の制御部32による伝達関数算出制御について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、送信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20を指定するための変数iが1とされる。次に、SA2において、前記複数の送受信アンテナ素子20のうち何れか1本の送信アンテナ素子iから単位電流Tに対応する信号が送信される。次に、SA3において、受信アンテナとしての前記複数の送受信アンテナ素子20により受信信号Rがそれぞれ受信される。次に、SA4において、SA3にて受信された受信信号Rが前記制御部32に備えられたRAM等に記憶される。次に、SA5において、変数iが送信アンテナとしての送受信アンテナ素子20の総数N未満であるか否かが判断される。このSA5の判断が肯定される場合には、SA6において、変数iに1が加算された後、SA2以下の処理が再び実行されるが、SA6の判断が否定される場合には、SA7において、伝達関数行列Sjiが算出された後、本ルーチンが終了させられる。以上のSA1乃至SA7が前記伝達関数算出手段60の動作に対応する。
図6は、前記無線タグ通信装置12の制御部32によるタグ検出通信制御について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、SB1において、前記指向性制御部24を介して前記送信信号の送信指向性及び受信信号の受信指向性の初期指向性方向が設定される。次に、前記受信回路定数設定手段62の動作に対応するSB2において、受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号の品質を高めるための受信回路定数が設定される。次に、SB3において、前回のタグ検出通信において受信アンテナとしての前記複数の送受信アンテナ素子20により受信された受信信号の信号強度RSSIが所定値Kより大きいか否かが判断される。このSB3の判断が否定される場合には、前記伝達関数算出手段60の動作に対応するSB6において、前述した図5に示す制御により送信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20に入力される信号とその信号に起因して受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20に発生する信号との関係を示す伝達関数が算出された後、SB2以下の処理が実行されるが、SB3の判断が肯定される場合には、SB4において、前記無線タグ14に向けて前記複数の送受信アンテナ素子20から送信信号を送信されると共に、その無線タグ14から返信される返信信号が前記複数の送受信アンテナ素子20により受信されることで、前記無線タグ14の検出通信が実行される。次に、SB5において、全方向の検出が終了したか否かが判断される。このSB5の判断が否定される場合には、SB7において、前記指向性制御部24を介して前記送信信号の送信指向性及び受信信号の受信指向性の指向性方向が再設定された後、SB2以下の処理が再び実行されるが、SB5の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SB1、SB4、及びSB7が前記送信制御手段50及び受信制御手段52の動作に対応する。
このように、本実施例によれば、送信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20に入力される信号とその信号に起因して受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20に発生する信号との関係を示す伝達関数を算出する伝達関数算出手段60(SA1乃至SA7)と、その伝達関数算出手段60により算出される伝達関数及び送信アンテナとしての前記送受信アンテナ20に入力される信号に基づいて受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号の品質を高めるための受信回路定数を設定する受信回路定数設定手段62(SB2)とを、含むことから、前記通信対象との間の情報の通信に先立って前記伝達関数を予め求めておくことで、送信側からの回り込み信号を考慮に入れたうえで前記受信回路定数を定めることができる。すなわち、受信側における送信側からの影響を送信動作の変更に応じて解消する無線タグ通信装置12を提供することができる。
また、送信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20から送信される送信信号に起因して受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20に発生する回り込み信号を除去するためのキャンセル信号を発生させるキャンセル処理部22を備え、前記受信回路定数設定手段62は、そのキャンセル信号の位相及び振幅を定めるための定数を前記受信回路定数として算出するものであるため、受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去することができる。
また、前記送信信号の搬送波を発生させる搬送波発生部16を備え、前記キャンセル処理部22は、その搬送波発生部16により発生させられる搬送波を分配して前記キャンセル信号とするものであるため、前記送信信号の搬送波の周波数とキャンセル信号の周波数とを一致させることができ、受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20により受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み成分を更に好適に除去することができる。
また、前記送信アンテナは、複数の送受信アンテナ素子20から成るものであるため、それら複数の送受信アンテナ素子20から成る送信アンテナを備えた無線タグ通信装置12において簡単に前記受信回路定数を設定することができ、通信可能範囲を広げることができる。
また、前記受信アンテナは、複数の送受信アンテナ素子20から成るものであるため、それら複数の送受信アンテナ素子20から成る受信アンテナを備えた無線タグ通信装置12において簡単に前記受信回路定数を設定することができ、通信可能範囲を広げることができる。
また、前記送信アンテナ及び受信アンテナは、少なくとも1本の送受信アンテナ素子20を共用するものであるため、前記無線タグ通信装置12を可及的に小型化することができる。
また、前記複数の送受信アンテナ素子20から送信される送信信号それぞれの位相及び振幅を制御することで送信指向性を制御する送信制御手段50(SB1、SB5、及びSB7)を含むものであるため、前記送信信号の送信指向性を好適に定めることができる。
また、前記受信回路定数設定手段62は、前記送信制御手段50により送信指向性が変更される毎に前記受信回路定数を設定するものであるため、フェイズドアレイアンテナである送信アンテナを備えた無線タグ通信装置12において適宜前記受信回路定数を設定することができる。
また、前記伝達関数算出手段60は、所定の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号に含まれる送信信号成分を所定の送信アンテナ素子から送信される送信信号で除した値を前記伝達関数として算出するものであるため、前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を実用的な態様で推定することができる。
また、前記伝達関数算出手段60は、所定時間毎に前記伝達関数を算出するものであるため、適宜算出される伝達関数に基づいて前記受信回路定数を設定し直すことができる。
また、受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号の品質を検出する受信品質検出手段58を含み、前記伝達関数算出手段60は、その受信品質検出手段58により検出される受信信号の品質の変化に応じて前記伝達関数を算出するものであるため、必要に応じて適宜前記伝達関数を算出し直すことができる。
また、前記受信品質検出手段58は、前記受信信号の品質として前記無線タグ14から返信信号が返信されていない場合におけるその受信信号の信号強度を検出するものであり、前記伝達関数算出手段60は、その受信品質検出手段により検出される受信信号の信号強度が所定値以上となった場合に前記伝達関数を算出するものであるため、前記受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号が比較的大きいと推定される場合に前記伝達関数を算出し直すことができる。
また、前記受信回路定数設定手段62は、前記伝達関数算出手段60により前記伝達関数が算出される毎に前記受信回路定数を設定するものであるため、その伝達関数算出手段60により算出された最新の伝達関数に基づいて前記受信回路定数を設定できる。
また、前記通信対象は、送信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20から送信される送信信号に応じて所定の情報を含む返信信号を返信する無線タグ14であるため、受信側における送信側からの影響を送信動作の変更に応じて解消する無線タグ通信装置12を提供することができる。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に用いる図面に関して、前述の第1実施例と重複する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、本発明の第2実施例である無線タグ通信装置80の電気的構成を説明する図である。この図2に示すように、本第2実施例の無線タグ通信装置80は、前記搬送波発生部16により発生させられる搬送波を分配して所定の局所信号を発生させ、その局所信号と前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号とをそれぞれ合成して検波する検波部82を備えて構成されている。この検波部82は、前記搬送波発生部16から分配される搬送波の位相を制御する複数(図7では3つ)の局所信号位相制御部84a、84b、84c(以下、特に区別しない場合には単に局所信号位相制御部84と称する)と、それら局所信号位相制御部84によりそれぞれ位相が制御された搬送波の振幅を制御して局所信号を発生させる複数(図7では3つ)の局所信号振幅制御部86a、86b、86c(以下、特に区別しない場合には単に局所信号振幅制御部86と称する)と、それら局所信号振幅制御部86から出力される局所信号を前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号とをそれぞれ合成する複数(図7では3つ)の局所信号合成部88a、88b、88c(以下、特に区別しない場合には単に局所信号合成部88と称する)とを、備えて構成されている。すなわち、上記検波部82は、位相制御された主搬送波に基づいてホモダイン検波を行うホモダイン検波回路である。また、上記無線タグ通信装置80の制御部32に含まれる受信回路定数設定手段62は、上記局所信号を定めるための定数を前記受信回路定数として算出する。
上記検波部82のようなホモダイン検波回路では、次の(4)式のように表される受信信号Rと、次の(5)式のように表される局所信号Lとが乗算されて、次の(6)式のように表されるω成分が打ち消された信号Fが出力される。(4)〜(6)式におけるωは搬送波の角振動数、A及びBは振幅に関する値、θ及びψは位相に関する値である。この(6)式に示すように、上記検波部82から可及的に大きな信号Fを出力させるためには、cos(θ−ψ)を最大値1とすることすなわちθ=ψの関係を満たすように局所信号Lの位相を制御すべきである。前記指向性制御部24が制御されて送信アンテナとしての前記複数の送受信アンテナ素子20に与えられるウェイトが変更されると、それに応じて受信アンテナとしての前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される送信側からの回り込み信号も変化するが、上記局所信号位相制御部84及び局所信号振幅制御部86により局所信号Lの位相及び振幅を制御することにより、斯かる変動の影響を好適に抑えることができる。また、周囲に配置された反射物の移動等によっても受信アンテナとしての前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される送信側からの回り込み信号が変化するが、本実施例の受信回路定数設定手段62によればその影響を好適に解消することができる。
Figure 0004529541
Figure 0004529541
Figure 0004529541
このように、本第2実施例によれば、所定の局所信号を発生させ、その局所信号と前記複数の送受信アンテナ素子20により受信される受信信号とを合成して検波する検波部82とを、備え、前記受信回路定数設定手段62は、その局所信号を定めるための定数を前記受信回路定数として算出するものであるため、受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20により受信される受信信号に含まれる送信側からの回り込み信号を好適に除去することができる。
また、前記送信信号の搬送波を発生させる搬送波発生部16を備え、前記検波部82は、その搬送波発生部16により発生させられる搬送波を分配して前記局所信号とするものであるため、前記送信信号の搬送波の周波数と局所信号の周波数とを一致させることができ、受信アンテナとしての前記送受信アンテナ素子20により受信された受信信号に含まれる送信側からの回り込み成分を更に好適に除去することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例において、前記送信データ生成手段49、前記送信制御手段50、受信制御手段52、受信信号合成手段54、受信信号復調手段56、受信品質検出手段58、伝達関数算出手段60、及び受信回路定数設定手段62は、何れも前記制御部32の制御機能として備えられたものであったが、それぞれ個別の制御装置として備えられたものであっても構わない。また、それらの制御は、ディジタル信号処理によるものであるとアナログ信号処理によるものであるとを問わない。
また、前述の実施例において、前記無線タグ通信装置12、80は、前記無線タグ14に向けて前記送信信号を送信すると共に、その送信信号に応じて無線タグ14から返信される返信信号を受信するための複数の送受信アンテナ素子20を備えたものであったが、前記無線タグ14に向けて前記送信信号を送信するための複数の送信アンテナ素子と、その送信信号に応じて無線タグ14から返信される返信信号を受信するための複数の受信アンテナ素子とを、それぞれ個別に備えたものであってもよい。また、送信アンテナ素子及び受信アンテナ素子のうち一部が送受信に共用されるものであっても構わない。このように、前記複数の送信アンテナ素子及び複数の受信アンテナ素子のうち少なくとも1本が送受信に共用されることにより、前記無線タグ通信装置12、80を小型化できる。
また、前述の実施例において、前記送信制御手段40は、前記複数の送受信アンテナ素子20から送信される各送信信号の位相及び振幅を制御することで前記送信指向性を制御するものであったが、各送信信号の位相のみを制御するものであってもよい。同様に、前記受信制御手段42は、各受信信号の位相のみを制御することにより前記受信指向性を制御するものであっても構わない。
また、前述の実施例において、前記受信品質検出手段58は、前記無線タグ14の通信中に前記受信信号の品質を検出するものであってもよい。また、前記受信回路定数設定手段62は、斯かる検出結果に基づいて前記無線タグ14の通信中に前記受信回路定数を設定(調整)するものであっても構わない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
本発明が好適に適用される通信システムの構成を説明する図である。 本発明の無線通信装置の一実施例である無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。 送信アンテナに入力される信号とその信号に起因して受信アンテナに発生する信号との関係を示す伝達関数について説明する図である。 図2の無線タグ通信装置の通信対象である無線タグに含まれる無線タグ回路を説明するブロック線図である。 図2の無線タグ通信装置の制御部による伝達関数算出制御について説明するフローチャートである。 図2の無線タグ通信装置の制御部によるタグ検出通信制御について説明するフローチャートである。 本発明の無線通信装置の他の実施例である無線タグ通信装置の電気的構成を説明する図である。
符号の説明
12、80:無線タグ通信装置(無線通信装置)
14:無線タグ(通信対象)
16:搬送波発生部
20:送受信アンテナ素子
22:キャンセル処理部(キャンセル信号発生部)
50:送信制御手段(フェイズドアレイ制御手段)
58:受信品質検出手段
60:伝達関数算出手段
62:受信回路定数設定手段
82:検波部(局所信号発生部)

Claims (15)

  1. 所定の通信対象に向けて送信アンテナから送信信号を送信すると共に、該通信対象から返信される返信信号を受信アンテナにより受信して該通信対象との間で情報の通信を行う無線通信装置であって、
    前記送信信号が前記送信アンテナに入力されたとき前記受信アンテナにより受信される受信信号を、前記送信アンテナに入力される前記送信信号で除した値である伝達関数を算出する伝達関数算出手段と、
    該伝達関数算出手段により算出される伝達関数前記送信アンテナからの伝達量との合計から、該送信アンテナから送信される送信信号に起因して前記受信アンテナに発生する信号を除去するためのキャンセル信号の位相及び振幅を定めるための値である受信回路定数を設定する受信回路定数設定手段と
    該受信回路定数設定手段により設定された前記受信回路定数に基づいて、前記送信アンテナから送信される送信信号に起因して前記受信アンテナに発生する信号を除去するためのキャンセル信号を発生させるキャンセル信号発生部と
    を、含むことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記キャンセル信号発生部により発生させられた前記キャンセル信号を、前記受信アンテナにより受信される前記受信信号に足し合わせることにより、該受信信号に含まれた前記送信アンテナから送信される送信信号に起因する信号を相殺して除去するキャンセル信号合成部を備えたものである請求項1の無線通信装置。
  3. 前記送信信号の搬送波を発生させる搬送波発生部を備え、前記キャンセル信号発生部は、該搬送波発生部により発生させられる搬送波を分配し、前記搬送波の位相及び振幅を制御して前記キャンセル信号とするものである請求項1又は2の無線通信装置。
  4. 所定の局所信号を発生させるための局所信号発生部と、
    該局所信号発生部により発生させられる局所信号の位相を、前記受信信号の位相と等しくなるように制御する局所信号位相制御部と、
    該局所信号位相制御部により位相制御された局所信号と前記受信アンテナにより受信される受信信号とを合成して周波数を変換する周波数変換部と
    を、備え、
    前記受信回路定数設定手段は、前記局所信号の位相を制御するための定数を前記受信回路定数として設定するものである請求項1の無線通信装置。
  5. 前記送信信号の搬送波を発生させる搬送波発生部を備え、前記局所信号発生部は、該搬送波発生部により発生させられる搬送波を分配して前記局所信号とするものである請求項4の無線通信装置。
  6. 前記送信アンテナは、複数の送信アンテナ素子から成るものである請求項1から5の何れかの無線通信装置。
  7. 前記受信アンテナは、複数の受信アンテナ素子から成るものである請求項1から6の何れかの無線通信装置。
  8. 前記送信アンテナ及び受信アンテナは、少なくとも1本の送受信アンテナ素子を共用するものである請求項6又は7の無線通信装置。
  9. 前記複数の送信アンテナ素子から送信される送信信号それぞれの位相を制御することで送信指向性を制御するフェイズドアレイ制御手段を含むものである請求項6から8の何れかの無線通信装置。
  10. 前記受信回路定数設定手段は、前記フェイズドアレイ制御手段により送信指向性が変更される毎に前記受信回路定数を設定するものである請求項9の無線通信装置。
  11. 前記伝達関数算出手段は、所定の受信アンテナ素子により受信される受信信号に含まれる送信信号成分を所定の送信アンテナ素子から送信される送信信号で除した値を前記伝達関数として算出するものである請求項6から10の何れかの無線通信装置。
  12. 前記伝達関数算出手段は、所定時間毎に前記伝達関数を算出するものである請求項1から11の何れかの無線通信装置。
  13. 前記受信アンテナにより受信される受信信号の品質として該受信信号の信号強度を検出する受信品質検出手段を含み、前記伝達関数算出手段は、該受信品質検出手段により検出される受信信号の信号強度が所定値以上となった場合に前記伝達関数を算出するものである請求項1から12の何れかの無線通信装置。
  14. 前記受信回路定数設定手段は、前記伝達関数算出手段により前記伝達関数が算出される毎に前記受信回路定数を設定するものである請求項1から13の何れかの無線通信装置。
  15. 前記通信対象は、前記送信アンテナから送信される送信信号に応じて所定の情報を含む返信信号を返信する無線タグである請求項1から14の何れかの無線通信装置。
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